http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/682.html
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オーディオの部屋(議論・難しい話) - QUAD ESLの話
http://audiofan.net/board/data/audio/log/tree_130.htm
■題名 : QUAD ESLの話
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/11/13(木) 0:44
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ESLは、英国のアコースティカル・マニュファクチュリング社のピート・ウオーカー氏が開発製造した、フルレンジ対応の静電型スピーカーで、この種のものとしては最も商業的に成功した製品でした。
QUAD/ESLの美点は、静電型スピーカーとして最低限度必要な補機を非常にコンパクトにまとめて、家庭用として違和感のない製品に仕上げたピート・ウオーカーの感覚です。メッシュのバックカバーをはずすとほとんど全部の機構が丸見えになりますが、実にシンプルです。これだけ簡素にすべての機構をパッケージにした静電型スピーカーは、空前絶後といって構わないと思います。
わたしがQUAD/ESLを気にし始めたのは、それまで使用していたテク二クスのスピーカーの出す音に不満を感じて、次のステップをどの方向に踏み出すべきか悩んでいた頃です。もはや30年近く昔の話です。当時はシュリロ貿易が輸入代理店で、メンテナンスサービスも自社で行っていました。今でも当時担当の方は、ハーマンインターナショナルでお勤めと聞きますし、当時の部長であった長谷川洋一氏とは後に知り合いました。何度かメンテナンスのためにシュリロへESLを送り出すたびにどうなることかと気をもんだことが、昨日のことのように思い浮かびます。
さて、QUAD/ESLの最大の弱点であり、特徴のひとつはその構造強度の脆弱さです。普通にパワーアンプをつなぐと、低音部の強調される演奏では、低音用パネルがビンビンと共振を始めます。これはもともと薄板と金網でできた構造に振動を加えることになるので、止めようがありません。またこれと原因を同じくするのですが、振動板が電極に触れて焼け焦げ穴が開くことがあります。要するに不整振動と低音信号による大振幅動作が原因で電極に振動板が触れた際に、電極間に加圧されている5,000Vの電圧が振動板を焼いてしまうのです。
逆の見方をすれば、この強力な電圧が大きな、しかも薄い振動板を強力に支え、全面均一に近い振動モードを実現できるわけです。振動方向は正確に軸方向になり、大きな平面波を発生させます。
基本的にはその他の静電型スピーカーも共通の弱点を持っており、そのために使用条件を制限して、これを欠点にしないような方策が採られていました。帯域を狭めて高音部のみを入力する(要するにツイーターとして使う)ような製品が多く開発されました。
ピート・ウオーカー自身も自社のパワーアンプでは、ESLの振動板を焼きつかせるような高電圧が供給されないように、パワーリミッターを組み込めるようにするなどの対策を施しました。
しかしながらいろいろな方策も問題の根本的解決にはならず、これがQUAD/ESLと静電型スピーカーの評価を偏らせることになりました。即ち:
1) 大入力に弱い
2) 振動板の致命的損傷が、容易におきる
3) ジャズ・ポップス・大編成オーケストラ演奏などには使えない
そのため静電型スピーカーといえば小編成室内楽専用といわれた時期もあります。私の下宿で向こう三軒両隣から苦情が来るようになったのは、これらの問題の対策を実行し、見事にそれを解決してからのことになります。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/11/13(木) 1:12
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▼志賀さん:
先にお話しておきますが、ESLを諦めたわけではありません。ただ新居に移るたびに書斎が狭くなるので設置が困難になったためと、さすがに12年間使用して根本的オーバーホールが必要になったため(当時既にESLは製造打ち切りになって、ESL63がカタログに残っておりました。そのため新品としてESLは入手不能でした。)売却のやむなき状況になっただけです。
ESL63に関しては大いに疑問があったので入手にいたらず、暫くステレオ装置なしで海外で過ごした後、SEQUERRA氏と話す機会を得て、彼のスピーカーに興味を持ったのです。現在稼動している彼のリボンツイーターは300Hzから使用しております。
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■題名 : QUAD ESLの謎
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/11/13(木) 23:11
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ESLのことは全て判ったつもりでしたが、雑事にかまけて聞きそびれたことが有ります。
ESLは後ろに18度程、傾斜が付けられております。それはフロア直置きであったため、音響軸が聴取者の耳位置に掛かるように考案されたものと考えておりました。ところが、落ち着いて考えてみると、座高90cm位の人が40cm程度の椅子に座ると、音響軸が聴取者の耳位置に掛かるためには、5m近くスピーカーから離れなければなりません。
住宅事情の許す欧米でも、5m離れると相当な音響出力が必要となり、これまたESLの負担になってしまうのです。第三者の供給するスタンドなどを使用しない限り、スピーカーに近付くには、聴取者も床に直に座るしかないのです。(ローライフ?)
一体ピート・ウオーカーがESLの設置方法をどのように考えていたのか、今となっては、一つの謎です。
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■題名 : Re:QUAD ESLの謎
■名前 : 石井 aishii@mac.com>
■日付 : 03/11/13(木) 23:45
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▼APPLE ONEさん:
>ESLのことは全て判ったつもりでしたが、雑事にかまけて聞きそびれたことが有ります。
>
>ESLは後ろに18度程、傾斜が付けられております。それはフロア直置きであったため、音響軸が聴取者の耳位置に掛かるように考案されたものと考えておりました。ところが、落ち着いて考えてみると、座高90cm位の人が40cm程度の椅子に座ると、音響軸が聴取者の耳位置に掛かるためには、5m近くスピーカーから離れなければなりません。
>
>住宅事情の許す欧米でも、5m離れると相当な音響出力が必要となり、これまたESLの負担になってしまうのです。第三者の供給するスタンドなどを使用しない限り、スピーカーに近付くには、聴取者も床に直に座るしかないのです。(ローライフ?)
故朝沼予史宏氏が小学館の編集者をやっている頃、クォードのESLをdBシステムズで鳴らしていましたが、その際、傾斜を立てる特製の台に載せて使っていました。
>一体ピート・ウオーカーがESLの設置方法をどのように考えていたのか、今となっては、一つの謎です。
ESLは奥の深いスピーカだった様で、故朝沼氏は「ピーターとチェスを指している様だ」と雑誌に書いていました。
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■題名 : Re:QUAD ESLの謎
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/11/14(金) 22:38
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▼石井さん
>故朝沼予史宏氏が小学館の編集者をやっている頃、クォードのESLをdBシステムズで鳴らしていましたが、その際、傾斜を立てる特製の台に載せて使っていました。
ステレオサウンドの古い記事ですね。
朝沼氏のESL用スタンドを用意したのは、元シュリロ貿易営業部長の長谷川氏であったと思います。ところがわたしの見た限り、御世辞にもESL本体の外観に合っているといえない代物であったので、ついに御両人に確認しないままになっておりました。お二方とも既に鬼籍の人です。朝沼氏はその後評論家活動に成功し、金回りも良くなった様でQUAD ESLやDBシステムズなどのローバジェット・ハイエンドからすぐに遠ざかって行きました。以降の活動は皆さん御存知のとおりです。
>ESLは奥の深いスピーカだった様で、故朝沼氏は「ピーターとチェスを指している様だ」と雑誌に書いていました。
ピート・ウオーカーの勝ちであったと思います。
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■題名 : Re:QUAD ESLの謎
■名前 : 石井 aishii@mac.com>
■日付 : 03/11/15(土) 0:09
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▼APPLE ONEさん:
>朝沼氏のESL用スタンドを用意したのは、元シュリロ貿易営業部長の長谷川氏であったと思います。ところがわたしの見た限り、御世辞にもESL本体の外観に合っているといえない代物であったので、ついに御両人に確認しないままになっておりました。お二方とも既に鬼籍の人です。朝沼氏はその後評論家活動に成功し、金回りも良くなった様でQUAD ESLやDBシステムズなどのローバジェット・ハイエンドからすぐに遠ざかって行きました。以降の活動は皆さん御存知のとおりです。
故朝沼氏はローバジェット・ハイエンドの頃がオーディオ評論家としては輝いていた様に感じます。
今でもセレッションのSL-600にクレルKSA-50をブリッジにして、dBシステムズのプリ、オラクルのターンテーブルという朝沼氏推薦の組み合わせは、自分の中では憧れで、機会があれば手に入れてみたい、と考えています。
それ以降はオーディオ評論家というよりAV評論家と言った方が相応しい活動だったかと思います。
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■題名 : Re:QUAD ESLの謎
■名前 : アガサ
■日付 : 03/11/14(金) 2:20
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▼APPLE ONEさん:
>ESLは後ろに18度程、傾斜が付けられております。それはフロア直置きであったため、音響軸が聴取者の耳位置に掛かるように考案されたものと考えておりました。ところが、落ち着いて考えてみると、座高90cm位の人が40cm程度の椅子に座ると、音響軸が聴取者の耳位置に掛かるためには、5m近くスピーカーから離れなければなりません。
>
>一体ピート・ウオーカーがESLの設置方法をどのように考えていたのか、今となっては、一つの謎です。
ESL57は水平方向の指向性は狭かったですが
上下方向の方が比較するとブロードだったように記憶しております。
1960年代には 目線より結構低いタイプのフロア型SPが
多いので 例えばランサー101やパラゴンなど・・・
それほど気にしていなかったのかもしれません。
あの角度は床や天井の反射を考えると 結構良い角度だったのかも
しれません。何よりデザイン的にも美しい角度でした。
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■題名 : Re:QUAD ESLの謎
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/11/14(金) 22:35
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▼アガサさん:
>ESL57は水平方向の指向性は狭かったですが
>上下方向の方が比較するとブロードだったように記憶しております。
>1960年代には 目線より結構低いタイプのフロア型SPが
>多いので 例えばランサー101やパラゴンなど・・・
>それほど気にしていなかったのかもしれません。
>あの角度は床や天井の反射を考えると 結構良い角度だったのかも
>しれません。何よりデザイン的にも美しい角度でした。
まさにそのとおりです。わたしがESLを見つけることが出来たのも、その美しさのためです。でも考えてみるとローライフ用のステレオ音響装置はとても贅沢なものではないか、と思い当たります。ちなみにわたしは、JBLパラゴンも大好きです。
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■題名 : Re:QUAD ESLの謎
■名前 : 舘野洋一郎 VK2YT tateno@nectar.com.au>
■日付 : 03/11/24(月) 11:54
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>ESL57は水平方向の指向性は狭かったですが
>上下方向の方が比較するとブロードだったように記憶しております。
高音用のセルの形状を見ると分かりますが、上下方向の指向性は左右方向よりも更に鋭いはずです。上下に長いセルを採用したのは左右の志向性をいくらかでも改善しようとしてのことです。それでも実用上は二人並んで聞くことの出来ない程の鋭い指向性です。
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■題名 : Re:QUAD ESLの謎
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/11/24(月) 18:07
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▼舘野洋一郎 VK2YTさん:
>高音用のセルの形状を見ると分かりますが、上下方向の指向性は左右方向よりも更に鋭いはずです。上下に長いセルを採用したのは左右の指向性をいくらかでも改善しようとしてのことです。それでも実用上は二人並んで聞くことの出来ない程の鋭い指向性です。
やはり、二人並んで聴くことも必要なのですかね?
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■題名 : Re:QUAD ESLの謎
■名前 : 舘野洋一郎 VK2YT tateno@nectar.com.au>
■日付 : 03/11/25(火) 11:25
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▼APPLE ONEさん:
>▼舘野洋一郎 VK2YTさん:
>
>>高音用のセルの形状を見ると分かりますが、上下方向の指向性は左右方向よりも更に鋭いはずです。上下に長いセルを採用したのは左右の指向性をいくらかでも改善しようとしてのことです。それでも実用上は二人並んで聞くことの出来ない程の鋭い指向性です。
>
>やはり、二人並んで聴くことも必要なのですかね?
いいえ、私は一人で聞ければ十分です。ただ、鋭い指向性があることを強調しただけです。私にとってはこのことは問題ではありません。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 志賀
■日付 : 03/11/13(木) 23:41
■Web : http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm
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▼APPLE ONEさん:
早速レスを付けさせていただきます。かなり空想も交えた話しなのでそのつもりで。
>さて、QUAD/ESLの最大の弱点であり、特徴のひとつはその構造強度の脆弱さです。普通にパワーアンプをつなぐと、低音部の強調される演奏では、低音用パネルがビンビンと共振を始めます。これはもともと薄板と金網でできた構造に振動を加えることになるので、止めようがありません。またこれと原因を同じくするのですが、振動板が電極に触れて焼け焦げ穴が開くことがあります。要するに不整振動と低音信号による大振幅動作が原因で電極に振動板が触れた際に、電極間に加圧されている5,000Vの電圧が振動板を焼いてしまうのです。
>
私も、コンデンサーSPが全面駆動型であり、そのため振動板に強度が要求されずいくらでも軽く出来、また、機械的支持力(スチフネス)も小さく出来るので理論的には、理想的なSPだと思っています。
実際、トゥイターとしては大昔私も使ったことがあり、その透明な音に驚かされた覚えがあります。
しかし、おっしゃるような弱点がありなかなか普及しないのでしょうね。低音再生能力については、QUAD の製品を写真で見ただけで、この構造では、低音の衝撃音を発生する時(空気を前(後)へ押し出す時)に発生する、強力な反作用力をとても押さえ込めないとういう感じを持ちました。実際、私のHPを見てお便りを頂いたQUAD ユーザーの方(A氏)も、低音の迫力だけは諦めざるを得ないとのことでした。さらにA氏は、背圧の回り込みによる低音の減衰を避けるため、至近距離で聴いているとのことでした。がしかし、その魅力から逃れられないとか。これは、どの様なジャンルの音楽を好んで聴くかにも依るでしょうね。
>逆の見方をすれば、この強力な電圧が大きな、しかも薄い振動板を強力に支え、全面均一に近い振動モードを実現できるわけです。振動方向は正確に軸方向になり、大きな平面波を発生させます。
>
>基本的にはその他の静電型スピーカーも共通の弱点を持っており、そのために使用条件を制限して、これを欠点にしないような方策が採られていました。帯域を狭めて高音部のみを入力する(要するにツイーターとして使う)ような製品が多く開発されました。
>
ところで、平面波の場合は高域の指向性がすこぶる鋭くなると思いますが?A氏のSPは同心円状に電気的ディレイを加えて擬似的半球面波を発生しているとのことでしたが、その点どうなのでしょうか?
>しかしながらいろいろな方策も問題の根本的解決にはならず、これがQUAD/ESLと静電型スピーカーの評価を偏らせることになりました。即ち:
>
>1) 大入力に弱い
>2) 振動板の致命的損傷が、容易におきる
>3) ジャズ・ポップス・大編成オーケストラ演奏などには使えない
>
>そのため静電型スピーカーといえば小編成室内楽専用といわれた時期もあります。私の下宿で向こう三軒両隣から苦情が来るようになったのは、これらの問題の対策を実行し、見事にそれを解決してからのことになります。
すみません、ここの所が良くわからないのですが? これは、貴兄がメンテの際に改良された(してもらった)ということでしょうか? それとも、そのような製品がすでに出ているということなのでしょうか?
さしつかえなければ、どの様な対策をとられたのでしょうか?
特に、低音の問題は容易に解決出来ないと思うのですが?
どこかで、サブウーファーを使用されているように書いておられるのを見たのですが?
間違って折れば失礼。
実は、私が頭に描く理想(空想?)のSPシステムは中低音以上は全面駆動型(メンテ、指向性の点でリボン型が望ましい)を使い、低音はやむ終えず、MFB(出来れば位置検出型)をタイプのサブウーファーを使うというものですが、どんなものでしょう?
後ろのレスでリボン型で300Hzまで使えるのがあるというのはかなりその理想に近づいているように思いますが。もっとも、巨大な磁気回路が必要でとてつもなく高価でしょうね。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/11/14(金) 22:28
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▼志賀さん:
>しかし、おっしゃるような弱点がありなかなか普及しないのでしょうね。低音再生能力については、QUADの製品を写真で見ただけで、この構造では、低音の衝撃音を発生する時(空気を前(後)へ押し出す時)に発生する、強力な反作用力をとても押さえ込めないとういう感じを持ちました。実際、私のHPを見てお便りを頂いたQUADユーザーの方(A氏)も、低音の迫力だけは諦めざるを得ないとのことでした。さらにA氏は、背圧の回り込みによる低音の減衰を避けるため、至近距離で聴いているとのことでした。がしかし、その魅力から逃れられないとか。これは、どの様なジャンルの音楽を好んで聴くかにも依るでしょうね。
如何なるジャンルの音楽にも、実は対応できます。ただA氏の場合はESL63のようなので、いくつかの問題を含んでいると考えます。
>ところで、平面波の場合は高域の指向性がすこぶる鋭くなると思いますが?A氏のSPは同心円状に電気的ディレイを加えて擬似的半球面波を発生しているとのことでしたが、その点どうなのでしょうか?
これが実は、大きな問題を孕んでいるのです。ESL63は、本当は球面波などは発生させません。一種のドーナツ状の奇妙な音波を創成します。そのため聴取位置が極めて取りにくくなります。
>すみません、ここの所が良くわからないのですが? これは、貴兄がメンテの際に改良された(してもらった)ということでしょうか? それとも、そのような製品がすでに出ているということなのでしょうか?
>
>さしつかえなければ、どの様な対策をとられたのでしょうか?
>特に、低音の問題は容易に解決出来ないと思うのですが?
>どこかで、サブウーファーを使用されているように書いておられるのを見たのですが?
>間違って折れば失礼。
わたしはESL本体には何の改装も変更も施しませんでした。何故なら内部は高電圧要注意の機器ばかりで、半可通がいたずらできる余地などなかったことと、それ以上にあまりにも構造が整理されていて、そもそも手を入れることが不可能だったのです。
わたしが講じた対策で、最も効果が上がったのは次の一点です:
エレクトロニッククロスオーバーを使用して、ESLへの入力信号から低音を排除すること
但しクロスオーバー周波数とスロープの選択に関しては、資料集めと実験に結構な時間を費やしました。周波数特性は、アコースティカルマニュファクチュリング社から公開されていたものと、ステレオサウンドに掲載されていた実測値(昔はステレオサウンドにも使える記事がありました。)を参考に、スロープを24dB/oct.として三種類の周波数を試した結果、70Hzでぴたりとさまざまな問題が解消しました。これ以上の詳細は、機器の具体的名称などが必要なので長くなるのを避けて割愛しますが、かなり持続的なピークでクラスAパワーアンプ200W(メーター直読、多少サバ有りか?)入力時にも何の破損・異常も起こさなくなりました。それからは、お楽しみです。
>実は、私が頭に描く理想(空想?)のSPシステムは中低音以上は全面駆動型(メンテ、指向性の点でリボン型が望ましい)を使い、低音はやむ終えず、MFB(出来れば位置検出型)をタイプのサブウーファーを使うというものですが、どんなものでしょう?
そこでサブ・ウーファーの件ですが、上記のように必要帯域は20Hzから70Hz前後です。わたしの場合、ESLもサブ・ウーファーも同一のパワーアンプでドライヴするようにしたので機材による違和感はかなり軽減されていました。MFBを装備したスピーカーは1970年代後半にも商品化されましたが、あまり人気が出ないまま、その後製品としては市場に現れておりません。個人的には大きな可能性があると考えますが、それは所謂ダイナミック型スピーカーに対してのMFB回路ではなくなるのではないかと考えます。
またもっと過激なサブ・ウーファーとして1980年代中盤にマーチン・ローガン社が試作したエレクトロスタティック・サブウーファーがありました。実物を聴く機会はついにありませんでしたが、当時日本代理店であった会社の社長の感想では、「この世のものとは思われない」低音が得られたようです。おそらく電極間には数万ボルトの電圧がかけられていると思われます。残念ながら市場に出ることなく今に至っておりますが。原因は価格以外に、安全策をとると技術的に所期のスペックが出せなくなるためのようです。
>後ろのレスでリボン型で300Hzまで使えるのがあるというのはかなりその理想に近づいているように思いますが。もっとも、巨大な磁気回路が必要でとてつもなく高価でしょうね。
リボンスピーカーについては、テク二クスが発売したリーフツイーターが、最も進んだ型式であったのではないかと常々考えております。ところが、あっさり製造が打ち切られたところを見ると、やはり需要の少なさが問題であったのではないかと考えます。そこへいくとパイオニアのリボンスピーカーは立派なもので、連綿と生き続けて跡切れがありません。
わたしの使用しているリボンスピーカーは、RICHARD SEQUERRA氏の開発になる、彼の会社で製造したものです。現在の価格は、確かまだUS$4,000であったと思います。スペックは、www.sequerra.comで見ることができます。またわたしのメインスピーカーも、そこに公開されているMODEL7とほぼ同等です。外観が知りたければ、このスレッドにご希望いただければ、画像の掲示板に乗せてみましょう。わたしは未完成品のような外観のユニットを、そのまま既製のスピーカーの上に放り出しておくような使い方は好みません。SEQUERRAのT-1/mk4は、本来ラボラトリ仕様なので、外観も見事です。それ以上の御興味があれば、出来るだけの協力は惜しまないつもりです。御連絡ください。また氏は新しい会社を設立し、空前絶後のリボンマイクロフォンとマイクアンプを世に問うております。こちらも興味があれば見てみてください。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 志賀
■日付 : 03/11/15(土) 22:04
■Web : http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm
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▼APPLE ONEさん:
>>ところで、平面波の場合は高域の指向性がすこぶる鋭くなると思いますが?A氏のSPは同心円状に電気的ディレイを加えて擬似的半球面波を発生しているとのことでしたが、その点どうなのでしょうか?
>
>これが実は、大きな問題を孕んでいるのです。ESL63は、本当は球面波などは発生させません。一種のドーナツ状の奇妙な音波を創成します。そのため聴取位置が極めて取りにくくなります。
>
そうなのですか。A氏の説明では同心円状に中心から1μsec毎に7μsec delay をかけ、半球面状放射を実現しているとのことで、計算すると確かにそうなるので納得していたのですが。
ところで、お使いのESL は指向性についてはどう処理しているのでしょうか?
上の、レスで書かれていた、設置角度が腑に落ちないという点と関連しているのではないでしょうか?
>わたしが講じた対策で、最も効果が上がったのは次の一点です:
>
>エレクトロニッククロスオーバーを使用して、ESLへの入力信号から低音を排除すること
>
>但しクロスオーバー周波数とスロープの選択に関しては、資料集めと実験に結構な時間を費やしました。周波数特性は、アコースティカルマニュファクチュリング社から公開されていたものと、ステレオサウンドに掲載されていた実測値(昔はステレオサウンドにも使える記事がありました。)を参考に、スロープを24dB/oct.として三種類の周波数を試した結果、70Hzでぴたりとさまざまな問題が解消しました。これ以上の詳細は、機器の具体的名称などが必要なので長くなるのを避けて割愛しますが、かなり持続的なピークでクラスAパワーアンプ200W(メーター直読、多少サバ有りか?)入力時にも何の破損・異常も起こさなくなりました。それからは、お楽しみです。
なるほど、巧みな方法ですね。良くわかりました。
>
>わたしの使用しているリボンスピーカーは、RICHARD SEQUERRA氏の開発になる、彼の会社で製造したものです。現在の価格は、確かまだUS$4,000であったと思います。スペックは、www.sequerra.comで見ることができます。またわたしのメインスピーカーも、そこに公開されているMODEL7とほぼ同等です。外観が知りたければ、このスレッドにご希望いただければ、画像の掲示板に乗せてみましょう。わたしは未完成品のような外観のユニットを、そのまま既製のスピーカーの上に放り出しておくような使い方は好みません。SEQUERRAのT-1/mk4は、本来ラボラトリ仕様なので、外観も見事です。それ以上の御興味があれば、出来るだけの協力は惜しまないつもりです。御連絡ください。また氏は新しい会社を設立し、空前絶後のリボンマイクロフォンとマイクアンプを世に問うております。こちらも興味があれば見てみてください。
sequerra 社のサイト覗いてみました。全音域リボンスピーカー(と言ってもやはり最低域はダイナミック型のようですね)は凄いですね。MFBかかっているかどうかわからないのですが、正に私が空想した通りのシステムのようです。しかし、お値段も凄い。正に空想の世界です。
情報についてはとりあえずこれで十分です。有難うございました。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/11/15(土) 22:31
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▼志賀さん:
>そうなのですか。A氏の説明では同心円状に中心から1μsec毎に7μsec delay をかけ、半球面状放射を実現しているとのことで、計算すると確かにそうなるので納得していたのですが。
米国のクロスビーオーディオワークスで、デミアン・マーチン氏がディレイを取り除いたESL63を発表したのは、このためです。
>ところで、お使いのESL は指向性についてはどう処理しているのでしょうか?
>上の、レスで書かれていた、設置角度が腑に落ちないという点と関連しているのではないでしょうか?
わたしの場合、実際には問題にならなかったのです。椅子を低くしましたから。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 横から失礼します
■日付 : 03/11/22(土) 8:45
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>米国のクロスビーオーディオワークスで、デミアン・マーチン氏がディレイを
>取り除いたESL63を発表したのは、このためです。
デイレイを取り除いた63は、どのような音になるのでしょう?
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/11/22(土) 9:16
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▼横から失礼しますさん:
>デイレイを取り除いた63は、どのような音になるのでしょう?
残念ながら、実物を前にしたことがないので経験はお話できませんが、ESL57によく似た定位感が得られると考えます。即ち平面振動板型スピーカーに共通した、明瞭で見通しの良い(TRANSPARENCY)音場感です。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 横から失礼しますさん
■日付 : 03/11/22(土) 11:59
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>>デイレイを取り除いた63は、どのような音になるのでしょう?
>
>明瞭で見通しの良い(TRANSPARENCY)音場感
うーーん。
悪魔の囁きに聞こえる。どうしよう・・・・
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/11/22(土) 23:41
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▼横から失礼しますさんさん:
>うーーん。
>悪魔の囁きに聞こえる。どうしよう・・・・
もし、ESL63をお使いであれば気になることでしょうが、既にクロスビーオーディオワークスは活動していないようですから、後の祭りです。
それに現在平面振動板型スピーカーが下火になっているのは、無理をしてこれを選択しなくても、コンベンショナルなダイナミック型(コーン型)スピーカーで充分に音場感が得られるようになってきているためです。
一時期、高級機には絶対と見えた平面振動板型スピーカーですが、技術者の努力で コンベンショナルなダイナミック型(コーン型)スピーカーの方の音が質的に近付いてきたため(或いは平面振動板型スピーカーの音を目指したため?)に存在意義が薄れてきたと考えます。
やはり静電型を含む平面振動板型スピーカーの取扱いは、ダイナミック型(コーン型)スピーカーに比べて厄介です。それと引き換えに得られるもの次第で、流行ったり廃れたりするわけです。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 横から失礼します
■日付 : 03/11/23(日) 23:11
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63PRO使ってます。
数年前に保護回路が壊れたので、全面的に保護回路を取りました。
インピーダンスがあばれているので、そのままだと
低域不足でハイ上がりです。
低域と高域のインピーダンス補正を行うことで、
再生周波数帯域は上下に伸びたようです。
新製品の989では、トロダルトランスも使っているようですが、
63PROでも電源コードを極太にすると、低域に影響大です。
残った対策は、遅延回路のパスかなと・・・・これが悪魔の囁き
これだけは、作ったPeter Walkerに敬意を払わないといけないかな・・・
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/11/24(月) 21:30
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▼横から失礼しますさん:
>63PRO使ってます。
>数年前に保護回路が壊れたので、全面的に保護回路を取りました。
>インピーダンスがあばれているので、そのままだと
>低域不足でハイ上がりです。
>低域と高域のインピーダンス補正を行うことで、
>再生周波数帯域は上下に伸びたようです。
>
>新製品の989では、トロダルトランスも使っているようですが、
>63PROでも電源コードを極太にすると、低域に影響大です。
>
>残った対策は、遅延回路のパスかなと・・・・これが悪魔の囁き
>これだけは、作ったPeter Walkerに敬意を払わないといけないかな・・・
どんな機材でも同じですが、物理的改造は修理保証の対象外になってしまいます。わたしも過去に様々な改造を機材に施しましたが、基本的に自分で修復撤去可能な範囲に止めました。内部ケーブル変更、アッテネータ−追加、接続端子変更等など改造したまま納得づくで売却するなら問題ないですが、買い取り拒否もありました。
ESL63もおそらく15年がメンテナンスの目処ですから、再後期のものでも時期が近付いてきていると考えます。
回路バイパスだけなら意外とハーマンで受けてくれるかも知れません。一度問い合わせてみては如何ですか?
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■題名 : ESL57
■名前 : 舘野洋一郎 VK2YT tateno@nectar.com.au>
■日付 : 03/11/24(月) 11:42
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>ESLは、英国のアコースティカル・マニュファクチュリング社のピート・ウオーカー氏が開発製造した、フルレンジ対応の静電型スピーカーで、この種のものとしては最も商業的に成功した製品でした。
>
そうですね、数万台を売ったとどこかで読んだことがあります。
その成功に欠かせなかったのは、デュポン社の開発したマイラーフィルムにあった事実を忘れることはできないでしょう。
>QUAD/ESLの美点は、静電型スピーカーとして最低限度必要な補機を非常にコンパクトにまとめて、家庭用として違和感のない製品に仕上げたピート・ウオーカーの感覚です。メッシュのバックカバーをはずすとほとんど全部の機構が丸見えになりますが、実にシンプルです。これだけ簡素にすべての機構をパッケージにした静電型スピーカーは、空前絶後といって構わないと思います。
>
それでもマグネティック・コーンスピーカーと比べると、高圧バイアス、穴がたくさんあいた電極、スペーサー、ダイアフラム、そしてインピーダンス変換トランス等多くの部品から出来ています。
>さて、QUAD/ESLの最大の弱点であり、特徴のひとつはその構造強度の脆弱さです。普通にパワーアンプをつなぐと、低音部の強調される演奏では、低音用パネルがビンビンと共振を始めます。これはもともと薄板と金網でできた構造に振動を加えることになるので、止めようがありません。またこれと原因を同じくするのですが、振動板が電極に触れて焼け焦げ穴が開くことがあります。要するに不整振動と低音信号による大振幅動作が原因で電極に振動板が触れた際に、電極間に加圧されている5,000Vの電圧が振動板を焼いてしまうのです。
>
この問題は殆どが高域用のダイアフラムで起こっています。低域用はコンダクティブペイントを電極板の外側に塗っているため、ダイアフラムを焼いてしまうことはなかったようです。インターネットの修理記事の殆どすべてが、高音用のセルの修理に終始していることからもわかるでしょう。
>逆の見方をすれば、この強力な電圧が大きな、しかも薄い振動板を強力に支え、全面均一に近い振動モードを実現できるわけです。振動方向は正確に軸方向になり、大きな平面波を発生させます。
>
高音の指向性はあまりにも鋭くなりすぎ、二人が並んで座って聞くことが出来ないようです。
>ピート・ウオーカー自身も自社のパワーアンプでは、ESLの振動板を焼きつかせるような高電圧が供給されないように、パワーリミッターを組み込めるようにするなどの対策を施しました。
>
>しかしながらいろいろな方策も問題の根本的解決にはならず、これがQUAD/ESLと静電型スピーカーの評価を偏らせることになりました。即ち:
>
>1) 大入力に弱い
>2) 振動板の致命的損傷が、容易におきる
>3) ジャズ・ポップス・大編成オーケストラ演奏などには使えない
>
>そのため静電型スピーカーといえば小編成室内楽専用といわれた時期もあります。私の下宿で向こう三軒両隣から苦情が来るようになったのは、これらの問題の対策を実行し、見事にそれを解決してからのことになります。
しかし、多くのファンを引き付けた理由は、音の透明性と従来の箱入りのスピーカーで必ず起こる低音の共振がないことのようですが。
どのようにこれらの問題を解決したのでしょうか。
よろしかったら、お話下さい。
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■題名 : Re:ESL57
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/11/24(月) 17:10
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▼舘野洋一郎 VK2YTさん:
>そうですね、数万台を売ったとどこかで読んだことがあります。
>その成功に欠かせなかったのは、デュポン社の開発したマイラーフィルムにあった事実を忘れることはできないでしょう。
その通りです。オーディオ技術と素材は、デュポンに多くを負っております。
>それでもマグネティック・コーンスピーカーと比べると、高圧バイアス、穴がたくさんあいた電極、スペーサー、ダイアフラム、そしてインピーダンス変換トランス等多くの部品から出来ています。
実際、複雑な構造です。ただESLの場合、これらが非常に安定して動作していた点が卓越しておりました。
>この問題は殆どが高域用のダイアフラムで起こっています。低域用はコンダクティブペイントを電極板の外側に塗っているため、ダイアフラムを焼いてしまうことはなかったようです。インターネットの修理記事の殆どすべてが、高音用のセルの修理に終始していることからもわかるでしょう。
確かに中高域ユニットの破損が多かったと思います。これも不思議な感じがしますが、不整ノイズを出すのは低音ユニットの場合が多いようです。
>高音の指向性はあまりにも鋭くなりすぎ、二人が並んで座って聞くことが出来ないようです。
実際、聴取位置許容範囲は、ほとんど中高域ユニットの幅だけでありました。
>しかし、多くのファンを引き付けた理由は、音の透明性と従来の箱入りのスピーカーで必ず起こる低音の共振がないことのようですが。
>どのようにこれらの問題を解決したのでしょうか。
>よろしかったら、お話下さい。
志賀氏へのREPにも説明しておきましたが、基本的には適切なクロスオーバー周波数でESLへの入力信号のうち低音部を取り除き、最低音部はサブウーファーを使用することです。ESLの周波数特性とインピーダンス特性を見ると、意外に中低音部に暴れが有ります(高域は気が遠くなる程インピーダンスが低いですが)。この原因が低域ユニットの振動と構造全体の共振によるものと考え、共振が起らなくなるまで クロスオーバー周波数を下げていったのです。この時使用した機材は、下記の通りです。
チャンネルデバイダー: DBシステムズ DB3-24(24dB/oct., 70Hz)
サブウーファー: ACOUSTIC RESEARCH AR3a
パワ−アンプ: THRESHOLD STASIS2
これは、ESL(57)であったから上手くいった特殊な例です。通常24dB/oct のフィルターを使うと、クロスオーバー周波数付近に-3dBの大きなディップが生じます。
サブウーファーにAR3aを使ったのは、JOSEPH GRADO氏のほうが先であったと、その後友人から聞きました。
余談ですが、このあとスーパーツイータ−を投入してみたところ、如何なる型式のツイーターも結局ESLとの違和感が無くならず、断念しました。
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■題名 : Re:ESL57
■名前 : 舘野洋一郎 VK2YT tateno@nectar.com.au>
■日付 : 03/11/25(火) 11:47
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▼APPLE ONEさん:
>▼舘野洋一郎 VK2YTさん:
>
>>しかし、多くのファンを引き付けた理由は、音の透明性と従来の箱入りのスピーカーで必ず起こる低音の共振がないことのようですが。
>>どのようにこれらの問題を解決したのでしょうか。
>>よろしかったら、お話下さい。
>
>志賀氏へのREPにも説明しておきましたが、基本的には適切なクロスオーバー周波数でESLへの入力信号のうち低音部を取り除き、最低音部はサブウーファーを使用することです。ESLの周波数特性とインピーダンス特性を見ると、意外に中低音部に暴れが有ります(高域は気が遠くなる程インピーダンスが低いですが)。この原因が低域ユニットの振動と構造全体の共振によるものと考え、共振が起らなくなるまで クロスオーバー周波数を下げていったのです。この時使用した機材は、下記の通りです。
>
> チャンネルデバイダー: DBシステムズ DB3-24(24dB/oct., 70Hz)
> サブウーファー: ACOUSTIC RESEARCH AR3a
> パワ−アンプ: THRESHOLD STASIS2
>
>これは、ESL(57)であったから上手くいった特殊な例です。通常24dB/oct のフィルターを使うと、クロスオーバー周波数付近に-3dBの大きなディップが生じます。
>
>サブウーファーにAR3aを使ったのは、JOSEPH GRADO氏のほうが先であったと、その後友人から聞きました。
>
>余談ですが、このあとスーパーツイータ−を投入してみたところ、如何なる型式のツイーターも結局ESLとの違和感が無くならず、断念しました。
エレクトロスタティック・スピーカーには必ず、30−80Hzあたりにセルの共振周波数が生じ、これをうまく解決しないと、この周波数に音のあるソースを聞く時に問題がおこります。ESL63の場合はダイアフラムを引きちぎれる直前まで強くはって、共振周波数を持ち上げ、音の回り込みによる、1500Hzあたりからの音圧低下との合成がフラットになるようにしているようです。ESL57の時はこのような考えがなかったようです。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 初心A
■日付 : 03/12/21(日) 18:20
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「聞くは一時の恥、聞かぬは一生・・・・」ですので思い切って書き込みます。(スレッドテーマとは直接関係ないのですがコンデンサー型SPに適したアンプのことですので宜しくお願いします。)
「コンデンサー型スピーカーはエネルギーそのものはあまり必要としないものの、電力というよりむしろ電圧で動くので、電流増幅を基本としている一般的なソリッドステート式アンプだと、電流が流れすぎて動作が苦しくなる。・・・略・・・・真空管式アンプは電圧増幅を基本としているので、コンデンサー型を鳴らしても苦しくはならない。」
いい音が聴きたい(実用以上のマニア未満のオーディオ入門)
岩波アクティブ新書 岩波書店
97ページより転記
この文は正しい説明なのでしょうか。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/12/21(日) 23:13
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▼初心Aさん:
> 「聞くは一時の恥、聞かぬは一生・・・・」ですので思い切って書き込みます。(スレッドテーマとは直接関係ないのですがコンデンサー型SPに適したアンプのことですので宜しくお願いします。)
>
> 「コンデンサー型スピーカーはエネルギーそのものはあまり必要としないものの、電力というよりむしろ電圧で動くので、電流増幅を基本としている一般的なソリッドステート式アンプだと、電流が流れすぎて動作が苦しくなる。・・・略・・・・真空管式アンプは電圧増幅を基本としているので、コンデンサー型を鳴らしても苦しくはならない。」
>
> いい音が聴きたい(実用以上のマニア未満のオーディオ入門)
> 岩波アクティブ新書 岩波書店
> 97ページより転記
>
> この文は正しい説明なのでしょうか。
寡聞にして未だ本書を読んでおりませんので、前後の文脈と著者のテーマを良く理解しておりません。
そのため短絡的な意見は差し控えますが、コンデンサー型スピーカーのインピーダンスが極めて低くなることがあるのは周知の事実です。そのため出力トランスを搭載したアンプならばコンデンサー型スピーカーをドライブしても、トランジスタアンプのように大電流に耐えかねて出力段でトラブルを生ずることは少ないと思われます。現実にQUADで用意していたモデル50Eは、トランジスタアンプにもかかわらず出力トランスを積んでいました。もっともこれはBBCなどの局用であったと考えられます。
何れにしろESLにトランジスタアンプが安心して接続できるようになったのは1970年末期のことで、それまではある種の覚悟が必要だったことは事実です。
ではESLに真空管アンプを使えば完璧かというと、なぜ出力トランスを追放するためにエンジニアが躍起になったのかという技術的歴史的事実と、真空管アンプであればすべての点で満足が得られる結果となるかどうかという点で、大いに疑問があります。
本書を読んでみないと、著者の趣旨には何とも判断つきませんが、今どき「ソリッドステート」という言葉を使われているということは、注目に価するのではないかと感じます。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 初心A
■日付 : 03/12/23(火) 20:52
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▼APPLE ONEさん:
こんばんは。
>コンデンサー型スピーカーのインピーダンスが極めて低くなることがあるのは周知の事
>実です。
コーン型やホーン型スピーカのインピーダンス・カーブは飽きるほど見ていますが、コンデンサー型スピーカの方は記憶にありません。(汗)
コンデンサ型のインピーダンスが極めて低くなるのであれば、この著者が普及型のトランジスタ・アンプでの使用を懸念していることは分かりました。
ただ、この説明でトランジスタ(ソリッドステート)は電流増幅、真空管が電圧増幅の
話が出てくるのか理解できません。著者に直接聞かないと分からないことかも知れません。
この本は2002年5月初版で同年12月の5刷を購入しました。
目を通す機会がありましたら、また教えてください。
いろいろ、ご説明頂き有り難うございました。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 03/12/23(火) 21:49
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▼初心Aさん:
コーン型やホーン型スピーカのインピーダンス・カーブは飽きるほど見ていますが、コンデンサー型スピーカの方は記憶にありません。(汗)
>コンデンサ型のインピーダンスが極めて低くなるのであれば、この著者が普及型のトランジスタ・アンプでの使用を懸念していることは分かりました。
>
> ただ、この説明でトランジスタ(ソリッドステート)は電流増幅、真空管が電圧増幅の
>話が出てくるのか理解できません。著者に直接聞かないと分からないことかも知れません。
>
> この本は2002年5月初版で同年12月の5刷を購入しました。
>目を通す機会がありましたら、また教えてください。
>いろいろ、ご説明頂き有り難うございました。
基本的に出力段までは、トランジスタアンプも真空管アンプも電圧増幅のものが多数を占めます。ただ真空管アンプは出力インピーダンスが高くなりがちなので、そこを出力トランスで切り抜けているわけです。著者の見解がこの一点にあるとすれば、あさはかな理解であると判断せざるを得ません。
また、志賀氏の意見にあるようにスピーカーという機材の原理を誤解していることにもなります。
貴殿の御質問の動機が、ESL(コンデンサー型スピーカー)に挑戦してみたいというものであれば、この本の内容は杞憂に過ぎないと感じます。また1980年以降に設計された真空管アンプは、それ以前のものと比べてかなり違った観点からデザインされており、本書の内容にある「真空管アンプ」とは根本的に違ったものであります。
結論としては、本書を気にせず思ったとおり行動されては如何かと思料します。
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■題名 : 有り難うございます
■名前 : 初心A
■日付 : 03/12/26(金) 20:34
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▼APPLE ONEさん:
こんばんは。
>貴殿の御質問の動機が、ESL(コンデンサー型スピーカー)に挑戦してみたいというもの
であれば、この本の内容は杞憂に過ぎないと感じます。
ご親切に有り難うございます。
ホーン・スピーカの道、未だ半ばですので。
入門書は結構好きで衝動買いすることが多いです。
引用した書籍には「電源ケーブルやテーブルタップを高級品に交換すると音は激変する。」と記載されています。個人的には「高級品」と「激変」の文言が不満ですが・・・・オーバーな表現をしないとオーディオの面白さが伝わらないから、致し方ないのかも知れません。
今回、APPLE ONEさんと志賀さんにコンデンサ型スピーカのことを教えて頂きました。
トランジスタの電流増幅率や真空管の増幅率については少し分かりますので、後は自分で
少し考えてみます。
この書籍を批判しているわけではありませんが、入門書の技術的な解説は特に正確に
お願いしたいものです。
志賀さんも含め、有り難うございました。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 志賀
■日付 : 03/12/22(月) 6:35
■Web : http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm
-------------------------------------------------------------------------
▼初心Aさん:
>
第三者の発言についてあれこれ言うのは気が進まないのですが一般論として、
> 「コンデンサー型スピーカーはエネルギーそのものはあまり必要としないものの、電力というよりむしろ電圧で動くので、電流増幅を基本としている一般的なソリッドステート式アンプだと、電流が流れすぎて動作が苦しくなる。・・・略・・・・真空管式アンプは電圧増幅を基本としているので、コンデンサー型を鳴らしても苦しくはならない。」
> この文は正しい説明なのでしょうか。
エネルギーを必要としないと言うのは変ですね。スピーカーとは電気エネルギーを音のエネルギーに変換する装置なので、同じ音量で聴くならほぼ同じエネルギーを消費するはずです。効率に差はありますがコンデンサーSP(ESL)が特に効率がいいとは聞いたことがありません。『電流が流れすぎて・・・』も何のことかわけが分かりません。
ちなみに、最近再発売されたQUADのESL-988 というのは、入力インピーダンス8オームだそうです。つまり、電流の流れ方はほぼ同じだと思います。また、出力音圧レベルは86dBとありました。つまり、能率もどちらかというとダイナミック型より少し悪いといった所ですね。
ただ、コンデンサーSPは空気制動がよく効き電磁制動力をほとんど必要としないので、真空管アンプのディメリットの一つ、制動係数が小さい点が欠点とならないということは言えますね。しかし、もう一つの欠点である非直線歪が大きい点は克服されるわけではないので、せっかくのESL の低歪を生かすにはいい半導体アンプを使ったほうが良いと思いますが。
ところで、実際の製品に詳しくないので間違っているかの知れませんが、ESLは昇圧トランスを使っている思います。真空管アンプもOTLでなければトランス(この場合は降圧)を使うので歪の原因であるトランスを2重に使うことになり、トランス嫌いの私としてはやはり真空管アンプは避けたいところですね。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 初心A
■日付 : 03/12/23(火) 21:27
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▼志賀さん:
こんばんは、ご説明を頂き有り難うございました。
>第三者の発言についてあれこれ言うのは気が進まないのですが一般論として、
ここでこの書籍のことを書きますと本スレッド・テーマと大きく離れてしまいます。
また、告げ口のようで気が引けます。
志賀さんにもこの本を読んで頂ければと思います。
サブ・タイトルで分かるようにオーディオの入門書です。そして、発行は
「広辞苑」「岩波理化学事典」の岩波書店です。
それと、志賀さんのサイトを(こっそりと)お邪魔している隠れファンです。
(当然、オーディオに対する趣向は違いますが・・・。)
今後の新テーマを楽しみにしています。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 志賀
■日付 : 03/12/23(火) 22:55
■Web : http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm
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▼初心Aさん:
>
> 志賀さんにもこの本を読んで頂ければと思います。
>サブ・タイトルで分かるようにオーディオの入門書です。そして、発行は
>「広辞苑」「岩波理化学事典」の岩波書店です。
>
実は、この本、HPを作るのに参考にと、読んだことがあります。
全体としてバランスの取れた考えで、共感する所も多々あります。
ただ、技術的な説明となると???という所も多々あり参考にはなりませんでした。
これ以上は陰口になるのでやめておきます。
> それと、志賀さんのサイトを(こっそりと)お邪魔している隠れファンです。
>(当然、オーディオに対する趣向は違いますが・・・。)
>今後の新テーマを楽しみにしています。
有難うございます。スピーカーのことを取り上げたいのですが、なかなか奥が深く
うかつには書けません。目下構想中といったところです。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 舘野洋一郎 VK2YT tateno@nectar.com.au>
■日付 : 04/1/9(金) 10:06
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▼志賀さん:
>ところで、実際の製品に詳しくないので間違っているかの知れませんが、ESLは昇圧トランスを使っている思います。真空管アンプもOTLでなければトランス(この場合は降圧)を使うので歪の原因であるトランスを2重に使うことになり、トランス嫌いの私としてはやはり真空管アンプは避けたいところですね。
4オームや8オームのスピーカーをドライブするための真空管アンプは避けたい、つまり現在のトランジスターアンプの方がすべての点でESLをドライブするのに都合の良いことは確かですが、一部のESLマニアが言っている真空管アンプとはESLの昇圧トランスを取り外して、真空管の高インピーダンスをESLに直接つなぐ真空管アンプのことを言っています。ただ、パーツの調達とメインテナンスが大変なようです。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 志賀
■日付 : 04/1/9(金) 11:40
■Web : http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm
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▼舘野洋一郎 VK2YTさん:
>4オームや8オームのスピーカーをドライブするための真空管アンプは避けたい、つまり現在のトランジスターアンプの方がすべての点でESLをドライブするのに都合の良いことは確かですが、一部のESLマニアが言っている真空管アンプとはESLの昇圧トランスを取り外して、真空管の高インピーダンスをESLに直接つなぐ真空管アンプのことを言っています。ただ、パーツの調達とメインテナンスが大変なようです。
そのようですね。
etrt99 さんのレス(1月4日)にもOTL アンプを使う製作記事のことが紹介してありました。
確かに大変そうですね。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : etrt99
■日付 : 04/1/2(金) 23:28
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▼初心Aさん:
> 「聞くは一時の恥、聞かぬは一生・・・・」ですので思い切って書き込みます。(スレッドテーマとは直接関係ないのですがコンデンサー型SPに適したアンプのことですので宜しくお願いします。)
少し前のテーマに何をいまさらの感はありますが、上記質問に対する参考になればと
投稿します。
国産コンデンサーSPメーカーでSTAX社のアンプをかなり昔に使用していましたが
そのアンプの取説にコンデンサーSPを使用する場合の注意として下記の記述がありました.
コンデンサーSPはDCにおいて1オーム程度になる為、レコードの偏心/ソリ、
あるいは外部からの震動のようにDCに近い成分が加わった時、ショート回路が働いて
ポツポツという音が発生する場合もあります。万一、こういう状態に成った場合は
1〜2オーム(30W型)の抵抗を本機出力端子とスピーカーの間に挿入し、AC/
DCスイッチをACにして下さい。
(このSTAX社アンプは石A級90W 負荷2オーム以上で同社のコンデンサーSP
の使用を想定されていると思います。AC/DCスイッチとはAC側において、
超低域をカットするコンデンサーが入力回路に入っています。)
又、このアンプ及び下記の記載はCDが発売される前のものです。
余談ながら、池袋奥の雑司が谷のSTAX視聴室にSPとアンプを購入する予定で
最終決断の為、行った結果、コンデンサーSPは後面に音が出る為、壁から1M離して
欲しいとアドバイスされたので、狭い我が家には設置出来ないと諦め、後日アンプと
イヤースピーカーのみ購入して、幽霊が出そうで怖かった墓地の中に有った洋館の
視聴室から逃げ帰った記憶があります。
クオードESLの記述を紹介します。
(文部省認定通信教育オーデイオ講座テキストより)
コンデンサスピーカーは振動膜が非常に軽いことと、放射面積が広いために、ダンピング
が非常に良くて、過渡特性が抜群によく、繊細な音をよく再生するという長所が有ります
その為、弦楽四重奏といったデリケートなものの再生には絶対的な強みを示しますが
一方、腹にズシンとくるような馬力には多少欠けるところがあります。
商品となっているものでは、クワドのコンデンサー.スピーカーが最も有名で、これは
わが国でもかなりの人に使われています。このスピーカーはうまく作ってあって、特に
このスピーカー用のアンプというものを必要としません。
(以上 原文のまま)
私の推測ですが、クオードESLは公称インピーダンスが8オーム以上で一般のSP
と変わらないので(特にこのスピーカー用のアンプというものを必要としません)
と著者の方が書いているのだと思っています。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 初心A
■日付 : 04/1/3(土) 16:34
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▼etrt99さん:
今晩は。
>少し前のテーマに何をいまさらの感はありますが、上記質問に対する参考になればと
>投稿します。
いえいえ、大変興味深いお話です。有り難うございます。
スタックス社のコンデンサSPのお話ですが、インピーダンスが1Ωですか、
これではドライブが難しそうです。ユーザ側に1−2Ωの抵抗の挿入を要求するのであれば、メーカ側でマッチング・トランスを用意するのが正解だったのかな?と思います。
これに比較して、クオード社のコンデンサSPは普通のSPのように使えるように
配慮をしているわけですね。日本メーカと英国メーカの違いなんでしょうか。
また、何かありましたら教えてください。
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■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : ishi
■日付 : 04/1/4(日) 12:17
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▼皆さん初めまして:
STAXを使っていますishiと申します。横レスで失礼致します。
「負荷が1オーム以下になぜなるか」の補足ですが
私のコンデンサSPが長持ちしている説明にもなるのですが、子育て時代はGECKT-88
2ペァ代金が捻出できずクリスキットP-35を組み立てて鳴らしてきましたが、とにかく
ヒューズが飛ぶのです。スイッチONで飛び、1日鳴らないこともあり翌日は飛ばないな
どなど。もしかして、と球AMPで鳴らしてからP-35に接続換えするとOKなのです。
ユニットは細かい網に包まれていますが、より細かいチリが静電気で吸い寄せられアース
に落ちてショート状態にあると思われます。駆動力の強いAMPで鳴らすとスパーク発生
を伴っていると考えられます。
現在、etrt99さんが昔使われていたものと同じDA-80Mで鳴らしています。この時代のカ
ートリッジは球検波のCP-Xで低域のノイズが多く、とても入力切り替えスイッチでは対応
出来ずCP-Y開発へ進まれたと思います。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : etrt99
■日付 : 04/1/3(土) 16:21
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横レスで大変失礼いたします。正月休みで暇で投稿致します。
▼初心Aさん:
「コンデンサー型スピーカーはエネルギーそのものはあまり必要としないものの、電力というよりむしろ電圧で動くので、電流増幅を基本としている一般的なソリッドステート式アンプだと、電流が流れすぎて動作が苦しくなる。・・・略・・・・真空管式アンプは電圧増幅を基本としているので、コンデンサー型を鳴らしても苦しくはならない。
>
> この文は正しい説明なのでしょうか。
古いMJ誌に記載された森川忠勇さんのコンデンサー型SP用AMP製作記事を紹介します。
コンデンサー型ではその名の通り抵抗値は無限大で、直流は全く流れません、コンデンサーとしても200〜500pf程度の容量ですから、交流信号電流もほとんど流れません
。その代わり電極間の静電力によって振動するので電圧としては非常に高電圧を必要と
します。用いるスピーカーにもよりますが大体1kv〜3kv(RMS)の信号電圧を
必要とします。アンプの負荷としては、出力電力としては全く考える必要は無く、出力
電圧のみに着目していかに高電圧を出させるかを考えればよいのです。アンプの出力電圧
の大小はアンプの電源電圧によってほとんど決定されますから、その点で電源電圧の低い
トランジスターアンプはコンデンサースピーカーのドライブには適当でないことが判ると
思います。
(参考:森忠さんの試作されたアンプはEL34PP−BTLでした)
STAX社のSPのインピーダンス特性が電波科学83年11月号、月刊オーデイオ
83年11月号、ラジオ技術83年10月号等に記載されています。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 志賀
■日付 : 04/1/3(土) 21:45
■Web : http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm
-------------------------------------------------------------------------
▼etrt99さん:
横レスの横レスですが、
>
>古いMJ誌に記載された森川忠勇さんのコンデンサー型SP用AMP製作記事を紹介します。
>コンデンサー型ではその名の通り抵抗値は無限大で、直流は全く流れません、コンデンサーとしても200〜500pf程度の容量ですから、交流信号電流もほとんど流れません
>。その代わり電極間の静電力によって振動するので電圧としては非常に高電圧を必要と
>します。用いるスピーカーにもよりますが大体1kv〜3kv(RMS)の信号電圧を
>必要とします。アンプの負荷としては、出力電力としては全く考える必要は無く、出力
>電圧のみに着目していかに高電圧を出させるかを考えればよいのです。アンプの出力電圧
>の大小はアンプの電源電圧によってほとんど決定されますから、その点で電源電圧の低い
>トランジスターアンプはコンデンサースピーカーのドライブには適当でないことが判ると
>思います。
>
この方の話しも、やはりおかしいですよ。
スピーカーから音を出すのに例えコンデンサーSPであろうと電力(=電気エネルギー)がいらないというのは物理の基本法則のエネルギー保存則に反します。ということは、どこかに誤りがあるということです。
何故このような誤解が生ずるかといえば、ESLをコンデンサーと考えるからだと思います。
確かに純粋コンデンサー負荷だと電流が流れても力率が 0(電圧との位相差が90度)なので電力は消費しません。しかし、ESLの場合は極板が動くため電流の位相がずれ、力率が有限になりそれ相応の電力を消費します。すなわち、そのSPの能率に応じた電力が必要です。もちろん、昇圧しているので電流値そのものは小さいですが電圧が大きいので、昇圧トランスの1次側、つまりアンプから見れば定格インピーダンスの前後の負荷で駆動することになると思います。
なお、ESLのインピーダンスは高域でかなり小さくなるようですが、これはコンデンサーのリアクタンス成分の低下によるもので、電流は流れても力率は0に近いのでアンプの負担にはならないと思います。
ただ、古いESLで、真空管アンプで駆動することを前提として設計されていた場合は、その頃の半導体アンプで駆動すると何か問題が生じたのかもしれません。
なお、QUADのデータは
http://www.stereophile.com/loudspeakerreviews/720/index7.html
にあります。
かなり意外なインピーダンス周波数特性を示すのに驚きました。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : etrt99
■日付 : 04/1/4(日) 1:06
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▼志賀さん:初心Aさん
MJ誌コンデンサーSP用アンプ製作記事で紹介不足が有りましたので追記いたします。
>>コンデンサー型ではその名の通り抵抗値は無限大で、直流は全く流れません、コンデンサーとしても200〜500pf程度の容量ですから、交流信号電流もほとんど流れません
>>。その代わり電極間の静電力によって振動するので電圧としては非常に高電圧を必要と
>>します。用いるスピーカーにもよりますが大体1kv〜3kv(RMS)の信号電圧を
>>必要とします。アンプの負荷としては、出力電力としては全く考える必要は無く、出力
>>電圧のみに着目していかに高電圧を出させるかを考えればよいのです。アンプの出力電圧
>>の大小はアンプの電源電圧によってほとんど決定されますから、その点で電源電圧の低い
>>トランジスターアンプはコンデンサースピーカーのドライブには適当でないことが判ると
>>思います。
>>
森忠さんの製作記事はEL34をBTLで4本使用し、OPT無し及びSP側にマッチングトランス無しで、(バイアス用電源回路は別途有る)EL34のプレートから取り出した高電圧でSTAX社のフルレンジユニットを直接駆動するものです。マッチングトランス無しですから、電圧の高い真空管の方が適していると私も思います。(但し、EL34
のプレート電圧で直接駆動して元々出力音圧レベルが低いコンデンサー型を鳴らせたか
どうか?はMJ誌の次号に記載されていて、自宅で発見出来ませんでした。)
森忠さんが製作記事で使用したSTAX社のユニットは公称インピーダンスが20〜5k
Hzが16オーム以上で5KHz〜20KHz間は4オーム以上で、その為か?
記事の中で、(コンデンサースピーカーはアンプの負荷としては非常に軽いものと言える)と記述されています。
>
>なお、QUADのデータは
>
>http://www.stereophile.com/loudspeakerreviews/720/index7.html
>
>にあります。
>
>かなり意外なインピーダンス周波数特性を示すのに驚きました。
サイトのインピーダンス周波数特性は100Hzと10KHzにかなりのピークが有り
20KHz付近では2オームを示し、ラジオ技術に記載されたSTAX社のユニットの
特性とかなり異なることが判りました。(STAX社のEK−1ユニットは低域から超高域へなだらかに下がり、ピークは無く最高/最低値は同じ位)
アドバイス有難う御座います。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 初心A
■日付 : 04/1/4(日) 9:42
-------------------------------------------------------------------------
▼etrt99さん:
お早うございます。
森川さんが製作されたアンプはスタックス社製コンデンサ型SPのカスタム用ということで分かりました。より深くはこの製作記を読まないと理解できないだろうし・・・
読んでも私には意味ぷーかもしれません。(^_^;)
有り難うございました。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 志賀
■日付 : 04/1/4(日) 10:31
■Web : http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm
-------------------------------------------------------------------------
▼etrt99さん,初心Aさん:
>森忠さんの製作記事はEL34をBTLで4本使用し、OPT無し及びSP側にマッチングトランス無しで、(バイアス用電源回路は別途有る)EL34のプレートから取り出した高電圧でSTAX社のフルレンジユニットを直接駆動するものです。マッチングトランス無しですから、電圧の高い真空管の方が適していると私も思います。(但し、EL34
なるほど。ダイレクト駆動ならOTLアンプが最適なんでしょうね。
実はこのスレッドにあえて発言したのは、真空管駆動がいいか、半導体駆動がいいかということより、初心者Aさん、etrt99さんが引用された文面に、ESLは電力(エネルギー)を必要としないと書いているのが気になったからです。
何度も言いますように、同じ音量で聴くなら能率の点で劣るESLのほうがむしろ大きい電力を必要とすると言いたかったわけです。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : etrt99
■日付 : 04/1/4(日) 23:12
-------------------------------------------------------------------------
▼志賀さん:
>
>実はこのスレッドにあえて発言したのは、真空管駆動がいいか、半導体駆動がいいかということより、初心者Aさん、etrt99さんが引用された文面に、ESLは電力(エネルギー)を必要としないと書いているのが気になったからです。
>
>何度も言いますように、同じ音量で聴くなら能率の点で劣るESLのほうがむしろ大きい電力を必要とすると言いたかったわけです。
判りました。有難う御座います。(電気の国家資格を10コ近く所有し、長年仕事で
電気工事の設計及び工事監督をしている割には力率・相のことを今だよく理解出来て
いないのですが。)
昔、ホテル グランドパレスで開催されていた時に、故 山中敬三さんの解説でESL
63がマーク.レビンソンのアンプに接続されてバロックのオルガン曲を聴きましたが、
アンプの天板が火傷しそうな位、熱くなっていたことを思い出します。ESLはサブウーハやアンプの選択及びセッテイングまで含めて、難しいSPであることを再認識致しました。
追伸
昭和50年代のAA誌もしくはSTEREO誌のどちらかに、当時国内に有るクオード
ESLで一番良く鳴っているESLを所有している(と書かれていた)評論家の江川三郎さん宅にピートウオーカー(だったと思う)が来日の際に訪問した時の記事が有ったことを思い出しました。
正月休みの間に、発見できれば(クオードESLの謎)の一部が判明するかも知れません
全力で探して、発見出来たら紹介します。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 舘野洋一郎 VK2YT tateno@nectar.com.au>
■日付 : 04/1/9(金) 9:43
-------------------------------------------------------------------------
▼志賀さん:
>何度も言いますように、同じ音量で聴くなら能率の点で劣るESLのほうがむしろ大きい電力を必要とすると言いたかったわけです。
全くそのとうりです。大出力のアンプが必要です。
以前、トランジスターアンプよりも真空管アンプが合うといわれたのは、エレクトロスタティック・スピーカーの高域インピーダンスが極端に低くなる、確か1オーム以下、になるため、当時のトランジスター・アンプにはきつかったのではなかったかと思います。
志賀さんの投稿でESL989のインピーダンス特性を初めて見ましたが、驚きました、高域のインピーダンスが高くなっていますね。このモデル、ESL989、では高域でのインピーダンスをあげるために何か手を打っているのかもしれません。ESL988も同じでしょうが。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 志賀
■日付 : 04/1/9(金) 11:45
■Web : http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm
-------------------------------------------------------------------------
▼舘野洋一郎 VK2YTさん:
>志賀さんの投稿でESL989のインピーダンス特性を初めて見ましたが、驚きました、高域のインピーダンスが高くなっていますね。このモデル、ESL989、では高域でのインピーダンスをあげるために何か手を打っているのかもしれません。ESL988も同じでしょうが。
以前のモデル ESL-63 にも高域に鋭いピークがあります。
http://www.stereophile.com/loudspeakerreviews/416/index11.html
評者は、原因は良くわからないが、プラスッティックグリッドのヘルムホルツ共鳴
でなないかと言っていますが、私には、構造のディテールを知らないので、よくわかりません。
ただ、ESLで高域インピーダンスが低くなるのは、静電容量(約 500pF 位?)
のリアクタンスの低下によるものでパワーを消費しないのではないでしょうか?
500pF で 1:200 位の昇圧トランスを使っているなら20kHz 位になれば
確かに1次側では1オーム以下になるはずです。
つまり、高域インピーダンスの上昇は故意というより構造上そうなってしまった
のかもしれません。
それより、気になるのは低域の鋭いピークです。
この鋭さからみると、可動極板(膜)の共鳴とは思えません。
具体的な構造を知らないので全くの想像ですが、固定極板が共鳴を起しているような気がします。
いかがでしょうか?
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 舘野洋一郎 VK2YT tateno@nectar.com.au>
■日付 : 04/1/9(金) 12:47
-------------------------------------------------------------------------
▼志賀さん:
>▼舘野洋一郎 VK2YTさん:
>
>>志賀さんの投稿でESL989のインピーダンス特性を初めて見ましたが、驚きました、高域のインピーダンスが高くなっていますね。このモデル、ESL989、では高域でのインピーダンスをあげるために何か手を打っているのかもしれません。ESL988も同じでしょうが。
>
>以前のモデル ESL-63 にも高域に鋭いピークがあります。
>
>http://www.stereophile.com/loudspeakerreviews/416/index11.html
>
これは驚きです。私が見たESL63のデータでは高域のインピーダンスは下がっていると記憶しています。もういちどチェックしてみます。
>評者は、原因は良くわからないが、プラスッティックグリッドのヘルムホルツ共鳴
>でなないかと言っていますが、私には、構造のディテールを知らないので、よくわかりません。
両方の電極を格子上のプラスチックで電極の外側から支えています。電極が薄いプラスチックで出来ているためです。
>ただ、ESLで高域インピーダンスが低くなるのは、静電容量(約 500pF 位?)
>のリアクタンスの低下によるものでパワーを消費しないのではないでしょうか?
>
>500pF で 1:200 位の昇圧トランスを使っているなら20kHz 位になれば
>確かに1次側では1オーム以下になるはずです。
>
それが私のみた、記憶に在るインピーダンス特性です。
>つまり、高域インピーダンスの上昇は故意というより構造上そうなってしまった
>のかもしれません。
>
>それより、気になるのは低域の鋭いピークです。
>
>この鋭さからみると、可動極板(膜)の共鳴とは思えません。
>
>具体的な構造を知らないので全くの想像ですが、固定極板が共鳴を起しているような気がします。
>
>いかがでしょうか?
低域の共振はESLには必ずあります。セルのサイズ、ダイアフラムの張りの強さにもよりますが20−100Hzの間にでてきます。これはダイアフラムの共振ですが、固定極板が共振している可能性もありますね。ただし、その場合は音が少し違うのではないかと思います。私にはそれを聞き分けたことはありませんが。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:QUAD ESLの話
■名前 : 初心A
■日付 : 04/1/3(土) 22:53
-------------------------------------------------------------------------
▼etrt99さん:
今晩は。再度のレス有り難うございます。
コンデンサ型SPのことは良く分からないのですが、一般的には高い直流電圧を固定電極と振動膜間に掛けておき、それにマッチング・トランスを介してオーディオ信号を重畳
させて加えるものかなと・・・思っています。
ですから、アンプはこのトランスを駆動すれば良いわけで、トランジスタも真空管も
関係ないと思っています。コンデンサ型SPのインピーダンスが小さくなるのであれば
それに耐えるトランジスタアンプを使えば良いわけです。かなり高価なアンプになるでしょうが・・・・。
と言うわけで、折角ご紹介頂いた森川さんの下記説明は私には理解ができません。
>。その代わり電極間の静電力によって振動するので電圧としては非常に高電圧を必要と
>します。用いるスピーカーにもよりますが大体1kv〜3kv(RMS)の信号電圧を
>必要とします。アンプの負荷としては、出力電力としては全く考える必要は無く、出力
>電圧のみに着目していかに高電圧を出させるかを考えればよいのです。アンプの出力電圧
>の大小はアンプの電源電圧によってほとんど決定されますから、その点で電源電圧の低い
>トランジスターアンプはコンデンサースピーカーのドライブには適当でないことが判ると
>思います。
>
───────────────────────────────────────
■題名 : ESLに適したアンプ
■名前 : 舘野洋一郎 VK2YT tateno@nectar.com.au>
■日付 : 04/1/9(金) 9:20
-------------------------------------------------------------------------
>古いMJ誌に記載された森川忠勇さんのコンデンサー型SP用AMP製作記事を紹介します。
>コンデンサー型ではその名の通り抵抗値は無限大で、直流は全く流れません、コンデンサーとしても200〜500pf程度の容量ですから、交流信号電流もほとんど流れません
>。その代わり電極間の静電力によって振動するので電圧としては非常に高電圧を必要と
>します。用いるスピーカーにもよりますが大体1kv〜3kv(RMS)の信号電圧を
>必要とします。アンプの負荷としては、出力電力としては全く考える必要は無く、出力
>電圧のみに着目していかに高電圧を出させるかを考えればよいのです。アンプの出力電圧
>の大小はアンプの電源電圧によってほとんど決定されますから、その点で電源電圧の低い
>トランジスターアンプはコンデンサースピーカーのドライブには適当でないことが判ると
>思います。
トランジスターアンプでも駆動できますが、電源電圧が高い方が有利です。現在のQUADはステップアップ・トランスとして250:1のものを使っています。(ESL57の時は110:1でした。)トランスの出力端では数千Vから1万Vが出ているといわれています。一般にエレクトロスタティック・スピーカーは能率が低いので、高出力のアンプが必要です。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:ESLに適したアンプ
■名前 : 初心A
■日付 : 04/1/9(金) 20:08
-------------------------------------------------------------------------
▼舘野洋一郎 VK2YTさん:
今晩は。
>トランジスターアンプでも駆動できますが、電源電圧が高い方が有利です。
アンプの出力を大きくするため電源電圧が高い方が有利と理解して良いのですか。
負荷は現在のQUADはステップアップ・トランスとして250:1のもの。
アンプは通常よくあるトランジスタアンプとします。
お手数をお掛けします。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:ESLに適したアンプ
■名前 : 舘野洋一郎 VK2YT tateno@nectar.com.au>
■日付 : 04/1/12(月) 8:23
-------------------------------------------------------------------------
>>トランジスターアンプでも駆動できますが、電源電圧が高い方が有利です。
>
> アンプの出力を大きくするため電源電圧が高い方が有利と理解して良いのですか。
アンプの出力を大きくすると言うよりも、ESLは電圧でダイアフラムを駆動するからです。
> 負荷は現在のQUADはステップアップ・トランスとして250:1のもの。
> アンプは通常よくあるトランジスタアンプとします。
>
> お手数をお掛けします。
もし、ステップアップ・トランスが50:1で、他の条件(ESLの構造)が同じだとしたら、より電源電圧の高い高出力のトランジスタアンプが必要です。250:1はその点で駆動し安くしてあります。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:ESLに適したアンプ
■名前 : 初心A
■日付 : 04/1/12(月) 22:43
-------------------------------------------------------------------------
▼舘野洋一郎 VK2YTさん:
今晩は。レス有り難うございます。
>>>トランジスターアンプでも駆動できますが、電源電圧が高い方が有利です。
>> アンプの出力を大きくするため電源電圧が高い方が有利と理解して良いのですか。
>アンプの出力を大きくすると言うよりも、ESLは電圧でダイアフラムを駆動するからです。
「トランジスタアンプの電源電圧は何ボルトか?」はカタログには書いてないし、
ショップの人も分からない。メーカの営業の人も分からない?(多分)
トランジスタアンプの主流はSEPPでしょうから、その出力の近似は確か
Po max = 電源電圧*電源電圧/8*負荷抵抗
電源電圧の高いトランジスタアンプは、出力が大きいトランジスタアンプと同じことか
と思ったしだいです。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:ESLに適したアンプ
■名前 : 舘野洋一郎 VK2YT tateno@nectar.com.au>
■日付 : 04/1/13(火) 7:32
-------------------------------------------------------------------------
>>>>トランジスターアンプでも駆動できますが、電源電圧が高い方が有利です。
>>> アンプの出力を大きくするため電源電圧が高い方が有利と理解して良いのですか。
>
>>アンプの出力を大きくすると言うよりも、ESLは電圧でダイアフラムを駆動するからです。
>
> 「トランジスタアンプの電源電圧は何ボルトか?」はカタログには書いてないし、
> ショップの人も分からない。メーカの営業の人も分からない?(多分)
>
> トランジスタアンプの主流はSEPPでしょうから、その出力の近似は確か
>
> Po max = 電源電圧*電源電圧/8*負荷抵抗
>
> 電源電圧の高いトランジスタアンプは、出力が大きいトランジスタアンプと同じことか
> と思ったしだいです。
大まかに言うと、そういう傾向にあると思います。
上の式の8はどこから来るのでしょうか?
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:ESLに適したアンプ
■名前 : 初心A
■日付 : 04/1/14(水) 23:10
-------------------------------------------------------------------------
▼舘野洋一郎 VK2YTさん:
今晩は。
式の定義が不明確で失礼しました。
>> トランジスタアンプの主流はSEPPでしょうから、その出力の近似は確か
>> Po max = 電源電圧*電源電圧/8*負荷抵抗
>大まかに言うと、そういう傾向にあると思います。
>上の式の8はどこから来るのでしょうか?
私が引用した上記の式は、
A:電源電圧Vcc(+電源のみ)の出力コンデンサー付のSEPP回路。
B:電源電圧+Vcc/2、−Vcc/2(2電源)として出力コンデンサを
なくしたSEPP回路。
のものです。
最大出力電力は実効最大出力電圧と実効最大出力電流の積ですから
Po max = {Vcc/(2*1.41)}*{Vcc/(2*1.41*Rl)}
= Vcc*Vcc/(8*Rl)
(1.41はルート2です。)
B’:電原電圧 +Vcc −Vcc(2電源)として出力コンデンサをなくした
SEPP回路で
Po max=Vcc*Vcc/(2*Rl) と記述したものもあります。
上の式も、下の式も同じことです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
参考文献 ソリッドステートアンプの設計 CQ出販社
実験で学ぶ最新トランジスタ・アンプの設計法(黒田 徹)ラジオ技術社
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:ESLに適したアンプ
■名前 : 舘野洋一郎 VK2YT tateno@nectar.com.au>
■日付 : 04/1/16(金) 10:04
-------------------------------------------------------------------------
どうもありがとうございました。
良く分かりました。
> 私が引用した上記の式は、
>A:電源電圧Vcc(+電源のみ)の出力コンデンサー付のSEPP回路。
>B:電源電圧+Vcc/2、−Vcc/2(2電源)として出力コンデンサを
> なくしたSEPP回路。
> のものです。
>
> 最大出力電力は実効最大出力電圧と実効最大出力電流の積ですから
>
> Po max = {Vcc/(2*1.41)}*{Vcc/(2*1.41*Rl)}
>
> = Vcc*Vcc/(8*Rl)
>
> (1.41はルート2です。)
>
>B’:電原電圧 +Vcc −Vcc(2電源)として出力コンデンサをなくした
> SEPP回路で
>
> Po max=Vcc*Vcc/(2*Rl) と記述したものもあります。
>
> 上の式も、下の式も同じことです。
>
>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>
> 参考文献 ソリッドステートアンプの設計 CQ出販社
> 実験で学ぶ最新トランジスタ・アンプの設計法(黒田 徹)ラジオ技術社
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:ESLに適したアンプ
■名前 : 志賀
■日付 : 04/1/13(火) 21:35
■Web : http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm
-------------------------------------------------------------------------
▼初心Aさん:
またまた横から失礼します。
>
> 「トランジスタアンプの電源電圧は何ボルトか?」はカタログには書いてないし、
> ショップの人も分からない。メーカの営業の人も分からない?(多分)
>
> トランジスタアンプの主流はSEPPでしょうから、その出力の近似は確か
>
> Po max = 電源電圧*電源電圧/8*負荷抵抗
>
> 電源電圧の高いトランジスタアンプは、出力が大きいトランジスタアンプと同じことか
> と思ったしだいです。
上に書かれた式は、
Po max = 電源電圧*電源電圧/8(負荷抵抗)
という意味ではないですか? つまり、8は8オーム負荷の場合。
ただし、電圧は電源電圧でなく、負荷にかかる実効交流電圧でピーク値はこれの1.4倍です。
ということにして、私のアンプには結構データが載っているので調べてみました。
負荷インピーダンスと出力の関係は
140W(4オーム負荷)、 120W (6オーム)、100W(8オーム)となっています。
上式で単純に計算しますと、それぞれにつき、23.7V、27V、28.3V となり一定値となりません。これは、アンプの内部インピーダンスの影響です。内部インピーダンスの影響が少ない8オームの値+αとして、実行出力電圧を30Vとすればピーク電圧は42V となります。ただし、上の出力は無歪出力なので、さらにかなり大幅なマージン電圧が必要です。で実際のパワーTRにかかる電源電圧は±68V となっています。
つまり、必要な電源電圧は大雑把には上の式の電圧の2, 3倍は必要ということのようです。
それに見合った、耐電圧、電流容量の半導体、電源の電流容量が必要なのは言うまでもないことですが。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:ESLに適したアンプ
■名前 : 初心A
■日付 : 04/1/13(火) 22:44
-------------------------------------------------------------------------
▼志賀さん:
今晩は。
>またまた横から失礼します。
いえいえ、ご指摘有り難うございます。
舘野洋一郎 VK2YT さんの方に詳細に書きますのでそちらをご覧ください。
(おかしい箇所がありましたらご指摘ください。)
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:ESLに適したアンプ
■名前 : 志賀
■日付 : 04/1/14(水) 11:06
■Web : http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm
-------------------------------------------------------------------------
▼初心Aさん:
>舘野洋一郎 VK2YT さんの方に詳細に書きますのでそちらをご覧ください。
>(おかしい箇所がありましたらご指摘ください。)
早とちり失礼しました。引用された式の負荷抵抗は掛けるのではなく、分母に入るのですね。
私のアンプで計算すると、最大出力を与える 4オーム負荷の場合 Vcc=67 V となり、確かに、実際の電源電圧68 Vとほぼ一致します。
負荷抵抗を大きくした時の出力は、この式で求まるより大きくなるのですが、この場合どのように計算出来るのか、何か分かれば教えて下さい。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:ESLに適したアンプ
■名前 : 初心A
■日付 : 04/1/16(金) 19:46
-------------------------------------------------------------------------
▼志賀さん:
今晩は
>早とちり失礼しました。引用された式の負荷抵抗は掛けるのではなく、分母に
>入るのですね。
いえいえ、ご指摘有り難うございました。お陰様で修正できました。
下記項目ですが「オーディオの科学」の管理者さんには腰が引けますが、
参考にしてください。
実はTRアンプの自作や設計の経験はありません。(汗)
>私のアンプで計算すると、最大出力を与える 4オーム負荷の場合 Vcc=67 V
> となり、確かに、実際>の電源電圧68 Vとほぼ一致します。
>負荷抵抗を大きくした時の出力は、この式で求まるより大きくなるのですが、
>この場合どのように計算出>来るのか、何か分かれば教えて下さい。
私ならば考える前に最大出力時(4オーム、8オーム)の各部の電圧を測定
します。
使用測定器:低周波発振器、オシロスコープ、4オームと8オームのダミー負荷
測定場所: Vcc、 Vce(sat){トランジスタのコレクタ・エミッタ
間飽和電圧、}
Re {エミッタ抵抗} その他(出力リレーの接触抵抗、など)
Rl{負荷}
これらの電圧値が分かれば,要因は分かりやすいと思います。
───────────────────────────────────────
■題名 : 弔報
■名前 : APPLE ONE
■日付 : 04/2/14(土) 14:51
-------------------------------------------------------------------------
最近PRESSに無頓着になっていたため、迂闊にも重大なニュースを見落としていました。
現QUAD社の創始者であり、ESL及びESL63その他多くの同社製品の開発者であり、稀代の名エンジニアであったピーター・ジェームス・ウオーカー氏が、昨年12月12日に死去されました。
私はあなたの送り出した製品を通して、音楽の愉しみとはどんなに素晴らしいものであるかを学びました。ここに心からの感謝と哀悼の意を表します。
私は、決してあなたを忘れません。
───────────────────────────────────────
■題名 : Re:弔報
■名前 : あらら。
■日付 : 04/2/15(日) 18:41
-------------------------------------------------------------------------
悲しいことですね。
QUAD製品は金銭的に使用できなかったけれど若い頃からいつも憧れ
の的でした。そうでしたか...世界中の多くの方に幸せを提供されて...。
ご冥福をお祈りいたします
http://audiofan.net/board/data/audio/log/tree_130.htm
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