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タンノイで まともな音が出るのはモニターシルバーを入れた小型システムだけ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1085.html
投稿者 中川隆 日時 2020 年 9 月 20 日 12:08:23: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: 本当のブリティッシュ・サウンドはタンノイではなくヴァイタボックス 投稿者 中川隆 日時 2017 年 5 月 16 日 07:23:47)

タンノイで まともな音が出るのはモニターシルバーを入れた小型システムだけ


TANNOY 製品一覧 タンノイ
https://audio-heritage.jp/TANNOY/index.html

逸品館 Tannoy タンノイ スピーカー 製品一覧
https://www.ippinkan.com/SP/tannoy_page1.htm

TANNOY | エソテリック
https://www.esoteric.jp/jp/brand/tannoy


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Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生
 今迄沢山のタンノイシステムを聴いてきましたがモニターブラックこそ本来のタンノイサウンドと痛切に感じた、三上先生がおっしゃるにはタンノイはブラックとシルバーがタンノイの音であると云っていましたが私も同感です。シルバーは他で聴くことがありましたがブラックになるとまず聴くことも見ることもできない超が付くレアなユニットになる。

 最近のタンノイのサウンドはこのモニターブラックと比較するとドンシャリ傾向の音になっているのが多い、タンノイのブラック、シルバーのユニットは低域も高域も欲張らず中域から音作りをしているのではないだろうか、特にあの中域の厚みのある心地よい響きと特徴のある音色は最近のタンノイでは聴いたことがない特筆すべき音であった、タンノイブラックを試聴すると現代のタンノイは低域も高域も伸ばしたため中域の薄い(中抜け)不自然な音に感じるがこの音が好みだと云われれば返す言葉も無いが一度でもよいからブラックやシルバーを聴いてみれば私の云っていることが理解できると思う、

 又このモニターブラックも私が愛用しているロンドンウェスタン直系の音と非常に似通った音色が印象に残った、ボックスは多分オリジナルボックスのランカスターを流用されたと思うがユニットとボックスが大変マッチしているからこそ本来のタンノイの響きが出ているのではないだろうか、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-028

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Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生
第28回オーディオのパラレルワールド
by Y下
 https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-028

 今回はオーディオのパラレルワールドになります。テレビで大人気であったドラマ「仁」の中で南方医師が江戸にタイムスリップして現代に戻って来た時にパラレルワールドと云うセリフが出てきました、パラレルワールドとは今の世界と平行したもう一つの世界をパラレルワールドと云います。

オーディオで云うならば皆さんが使っているアルテック、タンノイ、JBLや現代の代表的なスピーカーは一般的な(A)の世界の音ですが(B)の世界はこのようなスピーカーとは隔絶したもう一つの世界の音である。

 私が聴いた限り上手く鳴らされていたウェスタンエレクトリックのカールホーンを使ったホーンシステム、オイロダインやロンドンウェスタン及び直系の音こそ現代のサウンドとは異なる次元の違う(B)の世界と云えよう、では私が体験したもう一つのパラレルワールドの音の世界をご紹介します。今回は三上先生の御好意により先生のホームページから写真をお借りして掲載しました、


ウェスタン13B 隣りにあるのはウェスタンの25Aホーンシステム
ウェスタン15Bシステムと25Aホーンシステム

正面に設置してあるのが有名なシーメンスオイロダインシステム、このサウンドもWEやロンドンウェスタンとは少し系統が違うが見事なサウンドを聴かせて頂いた、

三上先生宅のウェスタン15Bサウンド
 今迄沢山のウェスタンシステムを拝聴させて頂きましたがすべてウェスタンだから良い音とは云えない酷い音も沢山ありますが三上先生宅で聴くウェスタンのシステムは石川県小松市にお住まいの中さんと双璧のお見事としか云いようの無いパラレルワールドの音がしている。勿論スピーカーだけでこのようなサウンドが出るのではない、15Bを鳴らすアンプはWE−300BPPウェスタンの86Bのオリジナルと昇圧トランスは618Bがこの音作りに寄与しているのは云うまでも無い、

 私は人様のシステムの音を褒めるタイプではないが三上先生宅で聴かせて頂いたチェロの響きと音色は実態感を伴った電気臭くなく木の香りが漂う素晴らしいの一言に尽きる、このサウンドをじっくり聴くと低域がどうだとか高域がどうだとか講釈を垂れる音ではない、また大型のホーンシステムなのに音像は大きくならずホーン臭さも無い、最近のテカテカした派手な喧しいサウンドとは違いこれぞ大人のサウンドと云える。多分低域用のユニットがエルタスの4181を使用しているからこそこのようなバランスの取れたサウンドになるのではないか、
 ウェスタンを上手く鳴らすにはやはり4181を使わないとその良さが出てこないのではないだろうか、このウェスタンを試聴すると現代のサウンドは電気臭い音が蔓延していて何となく人工サウンドに聞こえてくる。
 三上先生宅へは沢山のオーディオ評論家が訪れたり雑誌の取材で紹介されたりもしているがこの音作りこそ三上先生のご自身の「自分の音」と思うがただ高価な機器を接続しただけではこのような音にはならない、暗中模索で大変苦労をされたのではないだろうか、


正面に鎮座しているWE−15Bホーンで聴くチェロは現代のサウンドとは全く異なるこれこそパラレルワールドのサウンドであった、

ウェスタン25Aホーン+4181スピーカー
 二つ目のウェスタンは25Aホーンシステムで低域用は4181になります。先程の15Bとは多少音が異なるのがわかる。音は勿論ウェスタンサウンドであるが音の抜けを比較すると好みとしては15Bのが好きかも、このホーンシステムは福井県の万月氏や石川県小松市の中さん宅でいつも聴いていますからそれ程ビックリしないがパラレルワールドのAの世界の音しか知らないマニアが聴けばおそらく言葉が出なく度肝を抜かれびっくりするだろう、25Aホーンを聴くと大変浸透力のある心地よいサウンドだ、
 特に素晴らしかったのは女性ボーカルの歌声が目の前で歌っているような錯覚に捉われた、この25Aの音は小松の中さんと良い音での双璧であるがこのシステムも低域用の4181が寄与している、
 贅沢な注文であるが私の好みからすると後ほど聴かせて頂いたロンドンウェスタンが好みに合うのとこのようなシステムは一般家庭では置けないのが残念だがこの25Aのサウンドもパラレルワールドの音である。


タンノイブラック
 今迄沢山のタンノイシステムを聴いてきましたがこのモニターブラックこそ本来のタンノイサウンドと痛切に感じた、三上先生がおっしゃるにはタンノイはブラックとシルバーがタンノイの音であると云っていましたが私も同感です。シルバーは他で聴くことがありましたがブラックになるとまず聴くことも見ることもできない超が付くレアなユニットになる。

 最近のタンノイのサウンドはこのモニターブラックと比較するとドンシャリ傾向の音になっているのが多い、タンノイのブラック、シルバーのユニットは低域も高域も欲張らず中域から音作りをしているのではないだろうか、特にあの中域の厚みのある心地よい響きと特徴のある音色は最近のタンノイでは聴いたことがない特筆すべき音であった、タンノイブラックを試聴すると現代のタンノイは低域も高域も伸ばしたため中域の薄い(中抜け)不自然な音に感じるがこの音が好みだと云われれば返す言葉も無いが一度でもよいからブラックやシルバーを聴いてみれば私の云っていることが理解できると思う、
 又このモニターブラックも私が愛用しているロンドンウェスタン直系の音と非常に似通った音色が印象に残った、ボックスは多分オリジナルボックスのランカスターを流用されたと思うがユニットとボックスが大変マッチしているからこそ本来のタンノイの響きが出ているのではないだろうか、


手前に見えるのがタンノイのモニターブラックで後方のシステムは珍しい
テレフンケンの085aモニタースピーカーでこのシステムは私も始めて見るシステムで音質、音色はカチッと締まった大変心地よいサウンドであった、


タンノイブラックのボックス内部の写真でユニット自体も大変状態の良いもので強力なアルニコマグネットを採用した初代ディアルコンセットリックスピーカーになる。タンノイファンなら一度は聴く価値はある。


家庭用のシステムに収めたロンドンウェスタン2080A、2090Aの2Wayシステムでこの音を聴くと米国ウェスタンとはベクトルが若干異なるが貴賓と渋さがプラスされた品位の高い音である。音質は一言で云うならば巷でよく耳にする枯れたサウンドとはこの音である。


ロンドンウェスタンの2080A、2090Aボックス内部の写真でスピーカーは強力なアルニコマグネットが使われている。ボックス内部と可愛いワンちゃんのツーショット写真

ロンドンウェスタン2080A、2090A
 最後に拝聴させて頂いたのは幻のスピーカーシステムでロンドンウェスタンだ、私が持参したいつもリファレンスで聴いているビバルディのヴァイオリンソナタのレコードが果たして私のシステムの音とどう違うのか本家の音とはどのような音なのだろうか、不安と期待が入り混じっていたのは間違いない、
 自分のシステムと比較した場合まったく異質な音であれば私のユニットはニセモノになってしまうか上手く鳴らせない力量不足になってしまう、
 早速聴かせて頂くと先程聴いたウェスタンの音とは多少音色も異なるのとスケール感も違う、目を瞑ってビバルディのヴァイオリンソナタをじっくりと聴くと音質、音色が同じイメージに重なり自分の家で聴いているような錯覚を覚えた、このロンドンウェスタンの音は言葉では云えない一種独特のサウンドで現代の一般的なHiFiサウンドとは異なりこれこそパラレルワールドの音だ、
 ヴァイオリンの響きは電気臭くない木の香りすら漂ってくるのがわかる。オーディオを追求していくと最後はこの音に魅了されるのは私だけではないはず、    このロンドンウェスタンのサウンドを聴くと現代のHiFiサウンドは申し訳ないが長く聴いていると時間の経過と共につまらなくなり飽きが来てしまうがロンドンウェスタン系はオーディオマニア、音楽マニアを引き付ける魅力たっぷりのスピーカーと云えよう、ただこのような音を出すには相当レベルの高いアンプと高度なテクニックと肥えた耳を持っていないと上手く鳴らないのではないか、

三上先生に想う
 今回はオーディオのパラレルワールドをご紹介しましたが現代のシステムは駄目とは云わないが(B)の世界の音を聴くとオーディオ観も音楽観も変わるような気がする。私もヴィンテージ愛好家ですから先生とは大変意気投合出来たのではと思う、
 三上先生はもうお亡くなりになりました伊藤喜多男先生や池田圭先生と長年交流があったと云われています。またステレオサウンド誌、管球王国などに先生のシステムが紹介されオーディオ評論家も先生宅へ訪問されている。
 三上先生は私より三つ年が上ですが大変(懐の深い)方で私はこの方こそオーディオの師匠、先生、教授と云える「器」を兼ね添えている方だと思う、
 よくネットなどを拝見すると達人とか師匠、教授、先生と呼び名がついているコラム、ブログを時々見ますがこの方たちは本当に音がわかってそのような呼び名でやり取りしているのだろうか疑問に思うこともある。オーディオに関してはレベルの高い方が沢山いますからそのような方が読まれたら馬鹿にされるか笑い者になるだけですからその辺を弁えないと恥ずかしい思いをするのではないだろうか、
 また真空管アンプ等は自由自在に設計製作が出来てオーディオのすべてを知り尽くしてその呼び名が付いているのなら納得する。
 私は小さな「器」しか持ち合わせていないマニアです。先生、師匠、達人、教授と云われている方達がどれ程の「器」なのか見せて頂きたいものである。

あとがき
 三上先生宅で特に良かったのは可愛い3匹のワンちゃんが私になつき傍で音楽を聴きながら居眠りをしていたのが音よりも印象に残りました、ワンちゃんも良い音はわかるんですね、

 今回はオーディオのパラレルワールドを題材にしましたが皆さんも是非このパラレルワールドのサウンドを体験されると面白い、

 ヴィンテージショップなどでウェスタンやその他ヴィンテージスピーカーを鳴らして店主は能書きばかりでまともに良い音で鳴っていないのが多いのとすべてヴィンテージスピーカーだからパラレルワールドのサウンドと思ったら大間違いである。やはりマニア宅で上手く鳴らされているのを聴くのがベスト、「百聞は一聴にしかず!」

 確かにオーディオは進歩しているが最終的に判断するのは聴く人の感性と鳴らし方ではなかろうか、またパラレルワールドのサウンドは装置を忘れてじっくりと音楽が聴ける。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-028

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グッドマン3Way、コアキシャルタイプのバイタボックス、ステントリアン等はタンノイと違って使っている人は極少数で知らない人が多いと思う、こんな超レアーが付くスピーカーを聴かれた方は少ないから情報がまずない、しかもオリジナルの音などあって無いようなものだ、

タンノイなら周りを見れば持っている人は沢山いる、クラシックファンが10人いれば8人まではタンノイと言われている、ヴィンテージショップに行けば何時でもタンノイなら試聴できるから購入しても失敗がなく誰が鳴らしてもタンノイトーンになり安心感はある、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-010

オーディオの再出発はスピーカーありき

オーディオを再出発するにあたって一番悩ますのはスピーカーです。スピーカーの選定でその人の聴くソースのオーディオ人生は決まるような気がする。1970年代に使用していたスピーカーはエレクトロボイスのユニットを使っていましたが再度同じスピーカーはほしいと言う気が湧きません。(もうコリゴリ)

既製の出来合いのスピーカーシステムの場合、改造が出来ませんから遊び心があまりなく面白みに欠ける部分がありますが失敗をしないのであれば選択の余地はありますが自分の求める音と違えば即売りになってくる。以前から私はフロアー型のスピーカーが自分好みでありました。デザイン的にはタンノイのコーナータイプが部屋の調度品になる素晴らしいデザインですがタンノイのスピーカーシステムはだけは価格が高く私としては手が届きません。特にあのオートグラフはほしいのだがリビングには置いてもらえない、置いたら私は家を追い出される、

クラッシックファンはタンノイで決まりは今の時代も同じですが、あのタンノイサウンドは下手に鳴らすと高域が多少ソリッド的でヒステリックになり低域がボーボーした傾向がある、俗に言うドンシャリ(上手く鳴らせば素晴らしい音ですが)中々良いタンノイサウンドには巡り合わないが私が聴いた中でお見事と言えるタンノイサウンドは皆さんご存知のSUNVALLEY AUDIOさんの試聴室のタンノイだけである、

皆さんが使用しているタンノイサウンドがブリテッシュサウンドの代表と思われているが私は違うと思う、他にも沢山のスピーカーの名器は有りますが英国のヴィンテージスピーカーでタンノイ以外は不思議と巷ではあまり見かけない、ヴィンテージの専門店の話によると「イギリス政府が本国のヴィンテージ品は外に出すな」とおふれがあったとかないとか事実だとすれば非常に残念でもある。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-009

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Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生
第3回 懐かしきオーディオ仲間、コンコルド訪問記
by Y下
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-003

当時の懐かしきオーディオ仲間
 1971年〜1974年の4年間が私のオーディオに対しての集大生でもありました。この時代はステレオブームであり、真空管アンプの絶頂期でもあった、当時は神戸にありましたサンセイエンタープライズから欧州の真空管が紹介され珍しいのも手伝って自作マニアは欧州の真空管を使用したアンプを必死になって製作したのを覚えています。

 当時のオーディオ雑誌で無線と実験、ラジオ技術には必ず欧州の真空管を使用したアンプの製作記事が紹介されており人気を得ていた、欧州の真空管と言えば、KT−88,KT−66,DA−30,PX−25A,PX−4等は非常に興味を抱く出力管であったと記憶しています。

 自作マニア同士での情報交換もありお互い珍しい球が手に入ると自慢話に華が咲いた、本当に素朴な時代でもありました、オーディオショップやパーツショップに顔を出せば、お互い初対面でも同じ仲間意識で意気投合してオーディオ談義になります。
 ここで知り合った懐かしき当時のオーディオ仲間達は、もう故人になられた方もお見えと思いますが、年齢や職業など関係なくオーディオの情熱を語ったのであります。

I藤氏のオートグラフ
 I藤氏は愛知県の北部にお住まいの紡績会社を営む方で年齢は40代後半の非常に人当たりの良い中年紳士といったところです。当時の私は22歳で自分より年上の方でしたが、オーディオに関しては年齢に関係なく対等にお話したのを覚えています。

 最初にお会いしたとき、I藤氏が私にどんなシステムで音楽を聴いておられるのかと話かけて来ました、私は「プレーヤーはOO社を使用して、アンプは真空管の自作でスピーカーはエレクトロボイスで聴いている」と言いましたらI藤氏は「エレクトロボイスは一度も聴いたことがない」と興味があったのを覚えています。

I藤氏は「私は現在真空管アンプのDA−30とプリアンプはオンライフのU−22でタンノイのオートグラフで鳴らしておられ、もし宜しかったら聴きにきてください。」とご招待して下さいました。

タンノイのオートグラフはオーディオショップなどによく置いてあり私としては珍しいとは思わなかった、お誘いを受けた以上聴きに行かないと失礼にもあたると思い、軽はずみに「今度の日曜日に行きます」と言ってしまった。

I藤氏のオートグラフ

I藤氏のリスニングルームは会社の事務所が音楽を聴く場所で広さは約30畳もあろうかと思うぐらい広い場所にタンノイのオートグラフが鎮座してあった、リスニングポイントはスピーカーから約5mの場所での試聴がベストポジションであった。
 聴くソースは主にクラッシックがメインで、当時はビバルディーのレコードがリファレンスになっていた、I藤氏も最初の音出しはイム・ジッチの演奏でビバルディーの合奏協奏曲である。
タンノイのオートグラフは部屋の大きさから見れば小さく感じますが、近くに寄るとその存在感には圧倒されてしまいます。
メインアンプはパーツショップが製作したDA−30プッシュブルアンプです。この球はナス管と新型管の二種類がありますが、今回はGEC製の新型のDA−30です。この球は私も製作した経験がありますが、英国の球は米国とは多少ニアンスが違います。
予備機はL社のMQ−36をお持ちですが、ほとんど使用しないと言っていました。MQ−36は6336AのOTLアンプで、巷では有名なアンプです。 タンノイにはDA−30との相性があるらしくほとんど聴かないと言っていました。

I藤氏のオートグラフの音
タンノイのオートグラフと言えばタンノイのスピーカーシステムの中では、最上級に属するシステムですが、当時はこの下にGRF、レクタンギュラーヨーク、VLZがあったのを覚えています。 

I藤氏のオートグラフはモニターゴールドでエンクロージャーはオリジナルではなくU社のボックスですが、音を聴きますとタンノイらしい響きでクラッシック音楽を聴くにはぴったりと思えるぐらい表現力のある力強い音であったと記憶しています。
タンノイはどちらかと言うと繊細感のある音色ですが、この音が日本人好みの音作りかも知れませんが、英国のスピーカーはどちらかと言うとじつくりと聴くスピーカーで、米国のスピーカーはダンスホールで聴くようなスピーカーに感じた。
タンノイで聴くクラッシック音楽は上品な英国の貴婦人のような優しい音に聴こえてくるのですが、私の好みとは多少違う音でもあった、私も当時は年齢も若かったせいでもあるため、貴婦人の音より野生的な音の方が好みではあったが、年を取るとこのような音が好みになるかも。
音楽のソースにもよるが年齢と共に音楽の聴き方も変わってくるはずである、20代は癒し系よりパンチ力のある(かぶりつきの音)を好む傾向があると思うが、音楽の聴き方も世代によって違うから一概にどちらが良い悪いは言えない。
オーディオも大音量で鳴らせば部屋の響きもプラスされて以外と大味な傾向になるが、適量以下の音量で聴く場合は耳が全身のアンテナになり細かいところの音まで聴き取ろうとする。
I藤氏には悪いがオートグラフは確かにスケール感があって圧倒されるが細かく音を聴くと、多少荒い部分が見られる、まだ入荷して日が浅いからそのように聴こえてくるのか、何となく誤魔化されて聴いているような音に聴こえた。

I藤氏が「同じタンノイで上手く鳴らしている友人がいるから今度一緒に聴きにいきましょう」と誘ってくれました。
同じタンノイでも人が変われば違うタンノイの音になる。
人それぞれのタンノイトーンがあるから同一スピーカーでも興味がそそる。タンノイのシステムでどれが一番かを競うのはナンセンスだ。ただオートグラフだけは4畳半や6畳の部屋では鳴らない。
スピーカーシステムは部屋とのバランスも重要ではないか、大型テレビをかぶりつきで見ているようなものだ。

元海軍特攻隊のK藤氏
2週間後に再びI藤氏の自宅にお伺いした、今日はタンノイを上手く鳴らしている方への初めての訪問である。
I藤氏の自宅から車で15分ぐらいのところに友人宅がありました。名前はK藤氏で年齢は50代後半のかっぷくの良い紳士といったところです。
ご挨拶が済んだところで早速オーディオルームに案内していただきました。部屋は12畳の洋室で正面にタンノイV/LZとその横に三菱の2S−305モニタースピーカーが設置してあり左側にプレーヤーとアンプラックが整理されていました。
使用アンプは真空管の2A3シングルアンプ、プリアンプはラックスのCL−35です。プレーヤーはガラードの301、カートリッジは確かオルトフォンのSPU−Gであったような記憶がある。
音出しする前にK藤氏は一枚の写真を取り出して、「Y下さん私は昔、海軍の特攻隊の生き残りです、」とオーディオより戦争中の話が話題になり「全員で写っている写真の右側の人は全員特攻で亡くなってしまった。私も鹿児島の鹿屋基地からゼロ戦で出撃する予定だったが、終戦になり出撃が出来なくなった」と悲しそうな表情で特攻の悲話を話してくれました。
余談ですが、私の親父も軍隊に行きましたからK藤氏のお話をお聞かせいただくと、何となく自分の親父とオーバーラップしてきます。
特攻隊の悲話の話が終わり、早速タンノイから試聴開始です、レコードはイム・ジッチのビバルディーの四季からの音出しとなった。
I藤氏のオートグラフとは違うタンノイV/LZだ、果たしてどんな音で聴かせてくれるのか、固唾を飲んで音楽が鳴るのを待った。
 アーヨのバイオリンが鳴り出したとたん、素晴らしい響きで今まで聴いたことのないタンノイを聴かされた、音のバランスが絶妙である、音がピラミッドバランスになっている。
しかもバイオリンの音色が心地よく聞こえてくる、タンノイのV/LZを最初はバカにしていたけど、この音は英国の皇室のような音だ。
米国のエレクトロボイスとは品位が違う。この違いは何だろう、お国柄が違うと言えばそれまでだが。
 オーディオで他人のシステムの音を初めて聴かせていただくときは、必ず音のピラミッドバランスを重要視して試聴します。
 このバランスが崩れていると音楽が不自然になってくる。オーディオをやられている皆さんもこのピラミッドバランスを重要視してセッティングしてください。
 音にうるさいマニアが聴きにきてもピラミッドバランスになっていれば決して悪いとは、言わないはずです。
 これは大切な音決めの最初の基本ではないだろうか、 
 I藤氏のオートグラフとV/LZと比較するとスケール感こそないが、絶妙なバランスはさすがとしか言いようがないぐらい素晴らしい。オーディオショップで聴くV/LZは、ただ鳴っているだけだ。

三菱2S−305の音
タンノイを聴かせて頂いて感服している後に今度は三菱のモニタースピーカーの音出しとなった。
タンノイの余韻が残っている後の三菱の2S−305モニタースピーカーはどんな響きで鳴り出すのだろう?
レコードはクラッシックから一転して流行歌に変わった、私個人としては、はっきり言って興味がない。しかも美空ひばりと青江三奈だ。戦前派のK藤氏はこんなのが好きなのか、しかもオーディオ装置でこんな歌謡曲を聴くなんて、オーディオマニアはクラッシックかジャズが通り相場なのだが。
三菱のスピーカーからどんな音が聴けるのか、目を閉じてスピーカーに一点を集中しながら美空ひばりの歌が聞こえてくるまで固唾を呑んで鳴り出すのを待った。
最初のイントロから始まり美空ひばりの歌が流れ始めたとき、こんな切ない美空ひばりの歌は聴いたことがない。
低音がどうの高音がどうのと言う次元ではない。歌謡曲なんかバカにしていたけれど感動してしまう。

次は青江三奈の伊勢崎町ブルースだ。
イントロから始まり(あなた知ってる〜港ヨコハマ〜)この歌声を聴くと青江三奈はすごく魅力のある女性と感じた。
お色気ムンムンである。
「俺も青江三奈のファンになっておっかけでもやろうかなぁ」
それぐらい魅力のある歌声だ
良い音で聴く流行歌には本当に感動した。音が良いと歌まで上手く聞こえてくる。今まで色んなスピーカーを聴いてきたがこの三菱の2S−305は、さすがに日本が誇るスピーカーの名機だ、歌謡曲を鳴らしたらこのスピーカーの右に出るものはないぐらい素晴らしい。
この雰囲気はタンノイやエレクトロボイスでは出ない。K藤氏の音には魂がこもっている。
こんな音を聴いてしまうとオーディオとはいったい何だろうと考えさせられた。

(追記)テレビやラジオで青江三奈の伊勢崎町ブルースが流れると、K藤氏のことを思い出して昔を懐かしんでいます。

I藤氏との帰りの車中での会話
 「Y下さんK藤氏の音はどうでした?」この質問には答えようがなかった。井の中の蛙と言うことわざがありますが、それを実感したのが正直な感想であった。I藤氏は「今度はタンノイのオートグラフのオリジナルを鳴らしている友人がいるから一緒に行きましょう」と次の仲間への誘いがありました。
 オーディオへの音作りに対して良い耳を育てるには色んなシステムの音を聴かせていただくのが一番です。
 色んな音を聴くことで、おのずと耳は肥えてきますし自分のシステムの欠点が露出することもあります。また仲間同士でお互いのシステムを聴くことで音への向上心が出てきますから(井の中の蛙)にならないため、是非いろんな音を聴いてください。
 必ず自分が気づかなかった部分が見えてくるはずです。

同世代のO本氏のウェスタンエレクトリックの音
オーディオをやっていますとすべてが年上とは限りません、私の同世代の方も沢山いました。その同世代のオーディオ仲間の一人であるO本氏とオーディオショップで知り合いました。
彼は店舗などの構想図案を書いている方で彼とは大変意気投合してお互いに行ったり来たりの間柄であった。
彼のシステムはプレーヤーが松下製でカートリッジがデンオンのDL−103、メインアンプは自作でWE−205Dシングルアンプ、プリアンプも自作です。
スピーカーはウェスタンエレクトリックのドライバー、555を特注の12Aのカールホーンで音楽を聴いていました。
このウェスタンだけは家庭で聴く気が起こらない。
部屋の中に排気口のダクトのようなものを2つ設置して、かぶりつきでスピーカーの前で聴く、こんな不自然な聴き方がウェスタンなのか?本来はウェスタンのスピーカーは劇場の銀幕の後ろに置いて鳴らすスピーカーなのに、一般家庭に持ち込んで聴くスピーカーとは思えない。
ウェスタンのスピーカーを聴かせるときは決まってドリス・ディーのレコードが定番になっている。
クラッシックのバイオリンなどの弦楽器を鳴らすと振動板がアルミのせいなのか高い音が冷たい響きになる。
どうもコスル音は苦手なのかも、ただし映画のサウンドトラックのレコードをかけると確かにその魅力に惹かれるものはある。
ウェスタンの555の音は中域が少し喧しく聞こえる、このスピーカーを上手く鳴らすのは至難の業だと思う。
それより音を聴く前にあの排気口のようなダクトが気になって音楽どころではなかった記憶がある。
O本氏のウェスタンを聴くと世間で大騒ぎするような特別な音ではなかった、鳴らし方が悪いと言えばそれまでだけど、ウェスタンはもっと大きな部屋で鳴らさないとその良さが出ない、劇場のスピーカーを家庭に持ち込んで聴くのは、どだい無理のような気がした。

タンノイオートグラフのオリジナルの音
 1973年ごろのオーディオ仲間は同じメーカーのスピーカーを鳴らしている方は少なかったのですが、タンノイだけは現代とおなじでクラッシックはタンノイで決まりみたいな風潮があります。
 I藤氏が知っているタンノイのオートグラフのオリジナル持っている方は私もよく知っている方で年齢は40代後半で名前はA野氏と言います。
 A野氏のシステムはタンノイオートグラフとジェンセンの610Bの2本を所有して主にクラッシック音楽を聴いている、アンプはメインアンプが森川忠勇氏の製作した2A3プッシュブルアンプでプリアンプとプレーヤーは忘れましたが、カートリッジはオルトフォンであったと思います。
 早速、オートグラフの音を聴かせていただいた。
 I藤氏のオートグラフとは多少音の響きが違う、勿論部屋も違えばアンプも違うのだが、A野氏のオートグラフは音が横に広がる、しかも楽器の響きが甘い音である。
 音が平面にならずに奥行き感が増している。
 I藤氏のオートグラフとは一味違っていた。
 やはり箱の違いで鳴り方まで変わってしまうのがタンノイなのか。
 タンノイのスピーカーだけは箱に入って(なんぼ)の世界だ、ユニットだけ購入して自作の箱に入れてもタンノイの音にはならない。
 あの箱の響きと一体になってこそタンノイトーンである。
 タンノイだけは本当に神経質になるぐらい難しいスピーカーだ。
 当時は、まだ沢山のオーディオ仲間がいましたけど、まだ現役でやっている方もお見えと思います。
 一度オーディオに首を突っ込んだら死ぬまで抜け出せない、それがオーディオかも?良く言えば生涯現役の趣味だ。
 オーディオをやっている限り頭がボケないと言われている、死ぬまで付き合うことができるのはオーディオしかないと思う。

コンコルド訪問記
 真空管アンプを製作されている方で、千葉県の館山にありますコンコルドの佐久間駿氏をご存知ない方はあまりいないと思います。
 雑誌のMJ誌やラジオなどでエッセイを披露されている方です。
 佐久間駿氏は真空管アンプ界では国内はもとより海外でもその知名度をお持ちの66歳になられる方で直熱3極管アンプのオーソリティーで、佐久間トーンの愛好家が全国に沢山お見えです。
 レストラン・コンコルドで佐久間氏製作のアンプ試聴会もたびたび行なわれているようで、このコラムをお読みの方で実際に行かれた方もいると思いますが、写真も沢山撮らせて頂きましたので、今一度写真を見ながらこの訪問記を読んでいただければ幸いです。
 6月の後半に所用で千葉県に行ったおり館山のコンコルドに寄る機会が出来ましたので皆様にはコンコルドのすべてとはいきませんが、私が訪問して佐久間トーンの音を聴かせて頂きましたから、その報告と内容をコラムでご紹介します。
 佐久間氏は初対面にも関わらず、にこやかに私を向かい入れて下さいました、私は名古屋から来ましたY下と自己紹介しましたら大変嬉しそうな顔をして「遠方から来ていただける方は本当に嬉しい、今日はゆっくりとコンコルドの音を聴いてください。」と人柄の良さを感じる佐久間氏です。
 佐久間氏の愛用のスピーカーは、アルテックのA−5、クリプッシュホーン、ローサ、ウェスタンエレクトリックの4つのスピーカーがあり、この中で佐久間氏のお気に入りのローサとウェスタンを音量を上げて試聴させて頂いた。
 ウェスタンの555から奏でる音は芳醇な密度のある音質でこれがウェスタンとは思えない大人しくて優しい音です。
 レンジはナローレンジですが音のまとめ方は素晴らしいの一言で、これぞ匠のワザです。このウェスタンで聴いたチェンバロの音はウェスタンらしからぬ音で、今まで沢山のウェスタンを聴いて来ましたが、ここのウェスタンだけは他には無い、シットリ感のある癒し系の音です。
 次に聴かせて頂いたのは、一つのボックスに入った英国のローサの4発入りのスピーカーです。
 このローサのユニットはすべてビンテージ物で、私も初めて見るユニットです。
この4つのユニットは大変ユニークな取り付けになっています。
 アンプ側のスイッチの設定で同時に4つを鳴らすことも出来、個々でも鳴らすことの出来る面白い発想のシステムです。同じローサでも年代が違えば音も違う大変遊び心のあるスピーカーで、私も始めて体験した。
 私個人も英国のスピーカー党ですが、このローサも魅力のある音で大変捨てがたい渋みのある音色です。
 私も現在、グッドマン、ヴァイタボックス、ステントリアンの3種類を愛用していますが、やはり英国のスピーカーは音質より音楽を聴かせてくれる音楽性のあるスピーカーと思います。
 先程のウェスタンとローサを比較しますと不思議と同じような音になっています。
 オーディオは不思議なものでスピーカーを変えれば音は変わるはずですが、その人の感性でチューニングしますと同じような音になってしまう。
 佐久間氏にはオーディオマニアのファンもいれば、演奏家の方も沢山支持している方もいると聞かされましたが、この音を聴きますとうなずける部分もあります。
 佐久間氏のウェスタン、ローサを845のアンプでじっくりと聴かせて頂くと、現代のスピーカーとは一線を引いた音ですがこの音には好みが分かれると思う、私のビンテージスピーカーとウェスタン、ローサと比較しますと共通点のある部分があります。その共通点は中域の響きを大事にして音楽を美味しく聴かせてくれるです。
 コンコルドには2時間程いましたが大変勉強になりました。
 帰り際に佐久間氏が「Y下さん車で名古屋に帰るなら綺麗なネェちゃんばかり見ていると事故になるから」この一言だけがコンコルドの音やアンプより印象に残りました。(笑)

レストラン・コンコルドの店内の様子

アルテックの低音用とウェスタンのSPウェスタンは上向きに付いている テーブルの上には製作されたアンプ郡がいっぱい置いてある

コンコルドに入って右側に佐久間アンプが山ほど置いてある 後方にはアルテックのA−5右側にはクリプッシュが設置してある

電蓄に似たウェスタン555のドライバ―とアルテックのホーン 非常にユニークなローサの4発入りスピーカー

ローサのPM−6角フレームタイプが見える 佐久間駿氏と私のツーショット写真

後書き
当時も今もオーディオマニアの情熱は変わらない。
変わるとすれば当時のマニアは横のつながりが強かった。
マニア同士は世代を超えてすべて友達感覚で交流が盛んであったが、現代のマニアは他人とは接触を避けて自分だけで密かに楽しみ、自分の音を他人に聴かせない。
また自ら同じマニアの人の音を聞きに行こうともしない。
これはこれで良いのだが良い音を追求しようと思ったら沢山の音を聴かないと、何時まで経っても「井の中の蛙」だ。
そうならないためには是非サンバレーさんの試聴会等に参加して新しい仲間を見つけてほしい。
きっと大橋さまも協力してくれるはずだ。
オーディオは自分が求める音ではなく、自分が出したい音に目標を建てれば暗中模索にならない「自分が出したい音」を早く決めれば遠回りせずに済むのではないか。
そのためには、沢山の音を聴く必要がある。
とかくオーディオマニアは偏屈で頑固一徹のポリシーを持った方が多い。
私より遥かに素晴らしい音で音楽を聴いている方は星の数ほどいます。
そのような方たちの音を聴かせて頂いて良い音を知る。
 オーディオの聖地と言われる、乗鞍高原のペンション・ウインズ、山中湖のペンション・すももの木、レストラン・コンコルドに行ってオーナーのお話や音を聴かせて頂いたが、すべてプラスになることばかりで新しい発見でもあった。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-003

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Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生
第7回 男の隠れ家で鳴らすオートグラフ
by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-007

6回は「ウェスタンサウンドの真髄と魅力を聴く」のテーマでしたが、今回は皆さんもご存知のタンノイです。しかもタンノイの究極のユニットでモニターシルバー搭載のオートグラフをたっぷりと試聴して来ましたのでご報告させて頂きます。 
     
男の隠れ家
男の隠れ家の持ち主は名古屋市内在住の私より一つ若いと言ってもこの年になれば変わりません、「何をいまさら?」団塊の世代のT田氏です。T田氏は若い頃からオーディオに情熱を燃やす「親父世代」です。この方の隠れ家とはT田氏が自宅を新築されるときに何と地下室に21畳の大変立派なリスニングルームを作られ音響効果を考慮して設計された、この男の隠れ家で聴くタンノイの素晴らしいサウンドと自作で製作された真空管アンプを見ると頭が下がる思いを感じるのは私だけではない、しかもタンノイのオートグラフが左右に鎮座しているのを見ると圧倒されてしまう、

タンノイモニターシルバー
過去にも現代にも私個人としては沢山のオートグラフを聴いて来ましたがT田氏のオートグラフはかの有名なモニターシルバー搭載の究極のオートグラフである。タンノイのモニターシルバーは日本では40〜50セットしかなく非常に珍しいレアーなユニットでこのユニットを使用したオートグラフは中々見ることも出来ないし聴くのも簡単ではない、
 このユニットを少しご紹介しよう、タンノイのユニットはデュアルコンセントリックと言うユニットでホーンツィーターが貫通型になって一つのマグネットで低域と高域を受け持つ独特な構造になっているが、考え方を変えればマグネットが二ついらないからケチなやり方のような気がしないでもない、
 私の愛用しているステントリアンのコアキシャルもタンノイと同じような一つのマグネットで受け持たせている、
 今回、試聴したモニターシルバーは1953年にオートグラフに取り付けてニューヨークのオーディオショーに初めて公開された珍しいユニットであり、フレームが銀色のハンマートン塗装を施した見た目にも綺麗なユニットで製造は1953〜1957年ごろまで製造されたらしい、正式名は「LSU/HF15」になります。それ程台数的には沢山作られていないのが現状でこのユニット単体だけでも非常に高価になっています。
 このユニットを実装したオートグラフは昨年亡くなられた80歳になる私の友人のT松氏も持っていて訪問するたびに耳にタコが出来るぐらい聴かされたユニットだ、
 モニターシルバーが生産終了後にモニターレッドに変わりました、モニターレッドは1958年〜1967年迄でその後はモニターゴールドに引き継がれて行きました、モニターゴールドも1967年〜1974年で生産が終了しています。

クラッシックを聴くならタンノイが定番
 イギリスのスピーカーと言えばすぐに頭に浮かんでくるのはタンノイですがまだ他にも沢山のスピーカーがあります。ヴィンテージスピーカーではパルメコ、グッドマン、ワーフェデール、ヴァイタボックス、ローサ、ローラ等の沢山のメーカーがありますがタンノイを除いて当時のスピーカーはボックス付きは少なかったと思います。タンノイだけはオリジナルエンクロージャーに入った状態で市販されていましたからタンノイに限っては遊び心があまりなくしかも自作のボックスではオリジナルと比較してあまりにも音が違うので自作するマニアは少なかった記憶があります。
 タンノイのユニットでシルバー、レッド、ゴールドと年代別に試聴した経験を述べますとシルバーは低域も高域も欲張らない多少ナローな響きになりレッドになると低域と高域が少し伸ばしたような音になります。その分中域が薄くなる感じです。ゴールドになると現代のソースに適した現代的な音作りになります。これは好みと言えば好みですが・・・・・
モニターシルバーで聴くオートグラフ
 早速オートグラフを試聴させて頂きました、使用機器の説明は以下のようなラインナップになります。
CDプレーヤー 不明
プリアンプ A社の半導体アンプ
メインアンプ 自作の管球式45PP アンプ
スピーカー  タンノイモニターシルバー38cmデュアルコンセットリック
スピーカーボックス 進工舎製
試聴用CDは前回ウェスタンエレクトリックで聴いたコジェーナのヘンデルのアリア集のトラック4からである。 
同席された方は私を含めT田氏の同じ会社にお勤めのオーディオマニア2名です。

モニターシルバーで聴くコジェーナの音
 いつものようにチェロの独奏からコジェーナの歌声が流れ始めた、前回のウェスタンサウンドに近い音色と響きを伴った音である、タンノイスピーカーなのに中域のコクと密度のあるビンテージ特有の押し出しの強い音だ、室内楽、独奏、声楽にはこの45PPアンプの良さがもろに出ている。
 巷ではオートグラフはバックロードホーンのため多少低域が遅れて出てくると言われていますが測定器で測定すれば遅延時間は確認できるかも知れませんが人間が聴く以上はほとんど無視しても良いのではないでしょうか、その遅れの分かる高度な耳を持った人なら別ですけれど・・・私は耳が悪いので遅れはわかりません、
 このモニターシルバーの音色は私が所有しているグッドマンとは違う音色でどちらかと言えばヴァイタボックスに近い感じです。英国のスピーカーはシットリ感が前面に出てきて多少暗いサウンド志向のような気がします。
 昔からこの45と言う球は小編成などの室内楽にはぴったりである。全員がうっとりと音楽にハマっているのが良くわかる素晴らしい響きだ、T田氏が求めているのはこのような音なのかも知れない、
 この後、私が持参したバッハのバイオリンソナタも見事に鳴らしきるオートグラフの実力をまざまざと見せ付けられた、スケール感はさすがにオートグラフです。これが最初に感じた印象だ、

ソファーで聴くモニターシルバー装着のオートグラフを試聴されている
同じ会社のオーディオマニアの方


今回の試聴で活躍したT田氏自慢の45PPアンプです。


以前に購入されたマッキントッシュのMC−275であるが哀れにも埃だらけ、
名機なのに粗大ゴミのように見える(マッキンマニアが見たら品粛を買う)


ラックの上側に自作45PPアンプがあり下側に哀れなマッキントッシュのMC
−275が置かれている。


現在製作中の管球アンプ、球は不明である。

T田氏はそれ以外に沢山の球を保有している、私が「こんなに沢山の球を持っていて何時までに作るの?」と聞きますとT田氏いわく「定年になったら時間が出来る、それからボチボチ作れば良い」と満面の笑顔で語っていたのが印象だった、

以前に購入されたタンノイのアーデンがリスニングルームの片隅に置いてある。
現在はほとんど聴かないらしい(もったいない)


沢山のアンプをラックにまとめているがメーカーはA社のプリアンプを除いて不明である。
不明と言うより関心がないと言うのが本音、


リスニングポイントで聴くカウンターバーの中には沢山のワインとウィスキーが
寝かせてあるがこれを見ると羨ましいの一言、


真ん中にT田氏を挟んで楽しそうにワインを飲んでいるがこのカウンター席で聴くオートグラフは最高!、T田氏はいつも一人でこのポジションで一杯飲みながら自己満足の音楽三昧だ、

アナログは有名なノッティンガムとアームはSME−3012、カートリッジがオルトフォンのSPU−Gを使用した贅沢な組み合わせです。
このアナログシステムで聴く音楽は素晴らしいのだがターンテーブルに乗っているのは非常に珍品なドーナツ盤だ、

オートグラフで聴かせる青春時代の流行歌
 誰もが想像しないタンノイオートグラフしかもモニターシルバーで聴くドーナツ盤、これには私は参ったの一言、写真を見てください。当時、大流行したいしだあゆみちゃんの(ブルーライトヨコハマ)である。
( 街の灯りがとても綺麗ねヨコハマ~)一緒に歌いたくなってくる。いしだあゆみちゃんは
本当に美人ですね、この曲を聴くと我が団塊の世代はもとより私より年配の方も年下の方も青春時代に逆戻りしますよ、
本当に懐かしく感じてタイムスリップしたような気になるのは私だけでもあるまい、
しかしこんなドーナツ盤が新品同様で持っているとは夢にも思いません。ここのT田邸は
どんな曲にもリクエストにお応えできるジュークボックスだ!
次の写真を見てください。皆さんが懐かしむ橋幸夫と吉永小百合ちゃんの(いつでも夢を)のドーナツ盤だ、本当に懐かしい、しかもお二人とも若い!
最後の止めは一世を風靡したグループサウンズのザ・タイガースの(花の首飾り)のドーナツ
盤である。この曲も当時は大ヒットした名曲です。
それ以外にも島倉千代子、ザ・ピーナッツ、カーナビッツの(好きさ)を聴かせて頂いたがもう此処まで来るとオーディオを忘れて完全に時代が逆行して青春時代を謳歌している気分になる、
タンノイのオートグラフでまさかこのような歌が聴けるなんて想像できません。確かにドーナツ盤の音質は?が付きますが、10代20代の自分の子供たちにこの歌を聴かせたら(こんな曲バカじゃないの)と軽蔑されるかも?でもいいんです、我々の青春時代ですから・・・

タンノイモニターシルバーが入っている進工舎のオートグラフ
サランネットを外したオートグラフの正面写真です。おわかりのようにユニットはホーンロードがかかっています。中心にユニットが薄く見えますが紛れも無いモニターシルバーです。

今回のT田氏には参りました、オートグラフで聴く歌謡曲は涙ものです。しかも当時のドーナツ盤を高価なオーディオシステムで聴く、オーディオマニアに対しての嫌味なのか、これまた楽しいひと時を過ごさせていただき感謝、感謝、
ドーナツ盤を聴くのなら昔はクリスタル・カートリッジの付いたポータブルプレーヤー
が定番のはずだが、T田氏のオーディオへの拘りは執念すら憶える、オーディオはクラッシック、ジャズだけが主体ではない、どんなジャンルでも楽しめればそれで良いのではないだろうか、音を追求するのも良いが大切なものが忘れているような気がしないでもない、

欲を言えば
今回の試聴で感じたのはこれだけの素晴らしいシステムですからプリアンプは半導体を使用せず是非とも管球式のプリアンプを使っていただきたい、メインアンプが真空管ですから半導体のプリアンプは合いません、それでは半導体のメインアンプにすれば解決かと思われますが、はっきり言って半導体のアンプではタンノイが鳴りません。また半導体のプリアンプはツルンとした音でゾリゾリ感がなく奥行き感も乏しくなります。ここは是非良質な管球式プリアンプを導入するか自作で製作していただきたい、

今回は私が悪者
管球式のプリアンプをT田氏にくどいように薦めていたらそこへ奥様が来られた、すかさずT田氏は奥様に「Y下さんが半導体のプリアンプは駄目だから真空管のプリアンプを買え!と俺にしつこく言うんだ」と自分は被害者になりきっていたが、当の本人は本当はほしいんだとバレバレです、今回は私が悪者にされてしまったが、一同大笑いである、何処の家庭でも奥様の権力は凄いと感じたしだいです。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-007

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第12回グッドマンスピーカーの音と英国ヴィンテージスピーカー
by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-012

 SUNVALLEY AUDIOさんのコラムでの私の情報の発信の場として紹介させて頂いておりますが今回はグッドマンスピーカーと私が愛蔵しています英国ヴィンテージスピーカーの全容を写真付きで公開したいと思います。写真撮影とそれに付随する文面は素人です。その辺はご考慮をお願いしたいのと音に関しては私個人の主観ですから参考程度にしてください。

 最近入手した非常に珍しいスピーカー、このスピーカーに見憶えのある方は長くオーディオに携わった諸先輩の方と存じます。名前は○○製で12インチです、英国ヴィンテージスピーカー(パートU)で詳しくご紹介させて頂きます。

グッドマンを鳴らす真空管アンプ
 グッドマン3Wayを鳴らすには現代の半導体アンプでは鳴らない、このようなヴィンテージスピーカーは真空管アンプで駆動するのがベストである。このスピーカーに合わせて試作した出力管はチェコで生産されていたKRのPX−25ナス管を清水の舞台から飛び降りる気持で大奮発して購入したのはよいがこのPX−25は古典球ではなく現代の技術で製作されたらしいから鳴らすまでは未知数である。

 いよいよグッドマン3Wayシステムのユニットを実装しました、ネットワークは予め製作しておきましたのでスピーカーシステムは完成、さぁ?英国のスピーカーはどんな音色と音質なのか未体験ゾーンに突入であるが試聴する音源は安物のCDプレーヤーで出力をダイレクトにメインアンプに接続しての試聴方法です。

スピーカーは自分の個性が主張できる
 オーディオの音に関してはあくまで個人の主観になります。言葉や文章で色々書いても読まれた方は想像だけで終わってしまう、過去の名器でもひどい音の出し方を聴けばそれがそのスピーカーの能力と判断してしまえば大変残念なことになります。セッティングもデタラメでボックスも簡易型でアンプなら何でも良いではスピーカーが惨めになるだけでこの辺を弁えないと違った評価になってしまう、今まで色んなマニアの能書きを聞かされて耳にタコが出来たがよ〜く話を聞いていくと単なる個人の主義主張にしかならない、世のオーディオマニアは能書きは一流、音は三流になっているのが多い、もっと素直な気持ちになれば音も素直な音になるのにと思うこともある。オーディオの世界は不思議なもので20年30年経っても良い音がでなければ死ぬまで出ないと思う、どこかで方向を転換すれば道が開けるはずだが・・・・良い音を出そうと思ったら耳より性格を治す事と言いたい、(これは私にも言える)

 又スピーカーに限らずオーディオもそうだが他人まかせの評価を鵜呑みにせずにじっくり聴きこんで決めないと必ず後悔する。

グッドマンスピーカーの音

 グッドマンスピーカーとアンプを接続して少しづつ音量を上げてみる、出てきた音は言葉では言い表わせない音である。アメリカのスピーカーとはまったく違う音である、一言で言うと地味な多少暗さを伴った響きで個性の強い音色でもある。ホーンスピーカーなのにホーン臭さがなくアルテックのA5、A7とは明らかに音作りが違う、この答えではグッドマンスピーカーは理解できない、ここで比較対照できるスピーカーがなければ答えにならない、

 皆さんがお持ちのタンノイスピーカーと比較してみた、比較対照は私の友人が愛用しているタンノイのオートグラフで内蔵ユニットはモニターシルバーである、勿論部屋もアンプ違うから絶対的な評価ではないことを付けくわえさせていただきたい、

 タンノイのモニターシルバーの音は上質な木作りのコンサートホールの響きでゆったりとして雰囲気を大切にした音、それに対してグッドマンは宮殿のホールで聴くエレガントな響きになる、タンノイもグッドマンも同じヴィンテージスピーカーである以上は音の傾向として似たような色感だ、どちらも優劣を付けられないレアなスピーカーでもある。タンノイもグッドマンも音の共通点は品位があり中域に厚みとコクをプラスした音になっている。(これが英国の伝統あるサウンドなのか?)現代のタンノイスピーカーはこれに多少繊細感がプラスされ上も下も伸ばした音になっているが人によっては中域がうすいと言う人もいる(この部分が日本人好みかも)音のコクとか味は少なめな感じで料理で言えば薄味的な印象と感じとれるがタンノイが好きなマニアなら気にもならない、タンノイもグッドマンも同じ英国製ですから極端には音の方向性は違わない、なぜだろう?ヴィンテージマニアにこの点を指摘したら「タンノイはグッドマンにOEMで作らせていたから似たような音」「タンノイもグッドマンも同じである」と言われる「やっぱり」昔も今も同じなのか、そう考えると必死にタンノイを探さなくてもグッドマンでも十分ではないか、

 同じグッドマンでもAXIOM−80を聴いたことがあるが多少高域が煌びやかになるぐらいで大きな差はないが過去に聴いた記憶を紐解いてこちらの3Wayタイプと比較すると中音ホーンの抜けの良さや緻密さではAXIOM−80とは異なる音色です。

 グッドマンはもう過去の古いスピーカーになってしまったが、今このスピーカーを聴くと現代のスピーカーとは見劣りは感じられないぐらい良いユニットなのだが一般的には手に入りにくいのとユニットを実装して音楽を楽しむマニアが減少したのも原因ではなかろうか、中古ショップに出ているグッドマンもあってもAXIOM−301か80ぐらいでその他のユニットはあまり見かけない、売れた本数が少なかったかも知れない、

VITAVOX,DU−120
 VITAVOXと聞くと私以上の諸先輩はよくご存じですがこのスピーカーを知らない方に少し付け加えていただきます。VITAVOX(ヴァイタボックス)は戦前からある有名なスピーカーでロンドンウェスタン直系のスピーカーメーカーと聞いている。シアター用が専門ですが家庭用にも素晴らしいシステムも出していました、特に有名なのはVITAVOX191コーナーホーンとバイトンメィジャーがあります。191コーナーホーンはタンノイのオートグラフと二分するぐらい素晴らしいのが特徴で家具の調度品にはピッタリ当てはまるデザインでもあります。昔私がエレクトロボイスの3Wayでオーディオを楽しんだ時に京都のジャズ喫茶「ヤマトヤ」にこの191コーナーホーンが鎮座してあった、音は芳醇な響きで非常に奥ゆかしく鳴っていたのを記憶しています。この音を初めて聴いた時「オーディオは聴かせてくれる音」これこそ自分が求めていた音だったのかも知れません、その夢は30数年経っても忘れられないぐらい私に強烈なインパクトを与えてた、VITAVOXと聞くだけで私にとっては未体験な音に感じる不思議と謎の多いスピーカーである。今回ご紹介するDU−120はVITAVOXではコアキシャルスピーカーユニットでこのタイプ以外にDU−121もあるがこちらはフェライトのマグネットの2本しか発売されなかった、このスピーカーの詳細を少しご説明します。ユニットは多分1950年の後半から1960年の前半に発売されたものでマグネットは大型のアルニコマグネットを搭載、ツィーターは特殊なポリエステルフィルムの振動板になっておりツィーターの音だし部分はアルミのパンチングで保護されている。クロスオーバーは2000HZで低域側をカットせずにそのままスルーになっている、ネットワークはコンデンサー1本だけで高域のみのカットになっています。この時代の同軸はネットワークを使用せずにコンデンサーのみでのカットが結構ありましたが私に言わせればケチな方法と思う、本格的に使うならネットワークもアッティネーターも必要ではないだろうか、その点タンノイのユニットは高いだけあってしっかりしているがあのネットワークを収容してあるケースがプラモデルのイメージと重なるので少しマイナスだ、
 ヴァイタボックス12インチのコアキシャルスピーカーでフレームをよ〜く見ますとタンノイのモニターレッドによく似ています。マグネットは強力なアルニコマグネット

 スピーカーユニットの中心にツィーターが飛び出している。ツィーターの振動板はポリエステルフィルムで珍しい振動板でもある。
 マグネットカバーにVITAVOX−DU120のシールが貼ってある。スピーカーからの引出し線は私が一部改造した部分です。

ヴァイタボックスの音
 グッドマンのウーファーを外してこのユニットを実装しての試聴になりました、
出てきた音は「何んだ!こりゃ〜」こんなスピーカーの音は今まで聴いたことがない!ひどいのも限度がある、低音がまるでなく中高音はカミソリを振り回したような鋭い響きで音楽を聴くには耐えないスピーカーではないか、これがVITAVOXの音なのか!今回の購入は大失敗かも?言葉が出ない絶句である。昔はエレボイのスピーカーで苦汁を味わされて泣かされた経験が蘇ってきた、このスピーカーこそ名器ではなく迷器であるが考えようによっては良いスピーカーこそテクニックと苦労が必要ではないだろうか、上手く鳴らせば感動ものであるが今の時点では落胆の言葉がぴったりだ、

DU−120の改造
 このスピーカーを宿らせるにはこのままの状態では不可能のなで大手術が必要だ、病院に行ってユニットに点滴を打てば治る問題ではない、手術をすればきっと当時の音が必ず宿るはずの気持ちで早速改造に取り組んだ、改造はこれに合わせたネットワークを自作するのとボックスを新たに特注で作ってもらう事、吸音材の量を調整しながら耳で確認する方法しかない、ボックスはグッドマンは米松合板を使用していたから今回はフィンランドバーチで作っていただくことに決定した、

改造後のVITAVOX.DU−120
 ボックスが完成してユニットを取り付けて音だしで固唾を飲んでヴァイタの音を待った、出てきた音は最初に聴いた音とは似ても似つかない実に渋い音である。この時代のスピーカーの開発者は多分この世にはいないと思う、このスピーカーの本当の音などは私にもわからない、知っているのはスピーカーの開発者と当時携わった方だけだと思う、何十年も前のスピーカーに使用してあるカットオフ用のオイルコンデンサーははっきり言って塵である、オイルコンデンサーが当時の状態を維持しているはずはない、こんな塵コンデンサーでもオリジナル崇拝者は使っていると聞く、はっきり言って良い音を出す以前の問題では・・・・これはアンプにも言える、私に言わせればビンテージアンプもそうですが今の時代からすればパーツはすべて当時の状態ではないのにマニアはオリジナルを尊重している、これは一種の宗教のようなもので不思議なマニアが沢山いる、

グッドマンスピーカーとの比較
 同じ英国の伝統あるスピーカーなのに音の傾向はずいぶんと違う、グッドマンはどちらかと言えばふくよかさが前面に出していたがこのヴァイタボックスはより古典的なドライな音色を持っているがボックスの材質も違えば容積も違うから「これがヴァイタの音だ!」とは断言できない、クレデンザ、HMV,ウェスタンと発展してきた音響技術の延長線上にあるような大変地味な音でかの有名な191コーナーホーンの音に似た奥ゆかしく暗い響きを伴っている、大橋氏が日記に書かれた「石作りの教会で聴く音」と表現されていますが的を得た答えだと思う、
 最後にこのスピーカーの音の印象を大橋氏が店主日記で的確に表現されていますからこれを参考にして頂ければ幸いです。(2006年6月13日の第3試聴室現る?)の日記(店主日記は終了致しました。)です。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-012


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第14回これがタンノイだ!
by Y下 
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-014

 第14回目のコラムはタンノイ特集「これがタンノイだ!」を紹介させて頂きます。オーディオマニアのみならずタンノイマニア、タンノイファンの憧れであるタンノイ、このタンノイに拘った「ヴィンテージ・タンノイ博物館」をご紹介します。日本でこのような歴代のタンノイスピーカーを展示してあるタンノイ博物館を私は今まで見たことも聞いたこともありません、今回は沢山写真を撮らせていただきましたのでここで聴くタンノイとホールの作りの良さを皆さんに見て頂きたいためにコラムでご紹介させて頂きます。では早速ご案内しましょう、

ヴィンテージタンノイ博物館

三重県まちかど博物館/タンノイ博物館(MUSEUM OF TANNOY)
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/matikado/da/detail?kan_id=835614
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/matikado/t/detail?kan_id=835614
http://hiroshi-t.com/TANNOY.pdf


 このタンノイ博物館の建物は総ヒノキ作りの注文住宅のモデルルームになっており外観は日本建築の良さを余すところなく作られております。建物は最近出上がったばかりなのか室内に入りますとヒノキの匂いがプンプン漂ってきます。「これぞ木の香りだ!」
 一般的な試聴室とは違う一軒の建物の中が一つのホールになっており部屋の広さがビックな36畳で天井高が何と7メートルもある吹き抜けになっています。オーナーの松橋氏はここを「ヴィンテージ・タンノイ博物館」と言っています。では写真を見ながらご紹介させて頂きます。

タンノイ博物館の試聴の部屋
 先ほども書きました広さは36畳で左右にタンノイのオートグラフが鎮座しています。部屋が広すぎるのでオートグラフが小さく見えてきます。オートグラフの横にはジャズファンが聴くためのJBLのエベレストが置いてあります。
 オートグラフの左右の間隔は約6メートルで音楽を聴く最適ポジションはスピーカーから約8メートル離れた場所になります。左側には生演奏用のグランドピアノがあり此処のホールで月に1〜2回はクラッシックの定期演奏会が行われておりこのホールを別名でSHOKO−HALLとも呼びます。またこのホールは2階もあり1階、2階を合わせて70名程の客席がご用意できるそうです。  このスピーカーはタンノイのオートグラフで実装していますユニットはモニターレッドになります。タンノイのモニターレッドとマッキントッシュMC−275の組み合わせは有名な剣豪作家の五味氏も愛用していました。オートグラフの横はJBLのエベレストですが何となく存在感が薄れてくるほどオートグラフの偉大さを痛感させられます。「何時かはオートグラフ」オーディオマニア、音楽マニアの夢ですね、 JBLのエベレストが小さく見えるほどオートグラフの偉大さを痛感させられます。

ホールの左右にオートグラフの小型版のオートグラフミニです。このエンクロージャーはユートピア製ですが一般家庭で聴くのならこれで十分、その横にはオートグラフの後継機と評価の高かったウェストミンスターが展示してあります。ウェストミンスターの上には10インチのモニターレッドが入ったVLZがさり気なく置いてあります。
ホールの2階から下を見下ろす写真になります。ここのホールは2階席もあり2階からもタンノイを見下ろしながら聴けるようになっています。この2階席で美味しいコーヒーを飲みながらオートグラフを聴けば加山雄三の歌のセリフで「僕は幸せだなぁ〜」の心境にもなる。
別室の2階の12畳の試聴室には有名なタンノイGRFメモリーが整然と置かれている。


同じ部屋にはタンノイランカスターとゴールドが入ったVLZも置いてある。隣の写真はタンノイのプロ用のロックウッド・メジャーになります。このスピーカーは放送局用のモニタースピーカーで移動がしやすいようにボックスの横に取手が付いているのとキャスターも付いています。
ランカスターの内部写真です。ボックスの周りに吸音材がびっしりと貼ってあります。ユニットはゴールドになります。


左側のスピーカーはタンノイでも非常に珍しい無指向性のスピーカーシステムで名前は忘れました。右の写真はユートピア製のタンノイGRFになります。
2階の廊下にこれまた有名なレキュタングラーヨークがさり気なく展示してありました。
2階から客席側の写真になります。試聴させて頂いた翌日はここでコンサートが予定されているので補助椅子が沢山並べられていました。
1階の右後方からのホールの全景です。オートグラフがホールを引き締めているのが手に取るように分かります。


タンノイを鳴らす真空管アンプ、マッキントッシュのMC−275とプリアンプはマランツ#7の組み合わせです。音源はレコードではなくCDになります。

一階ホールから見上げた天井で高さ7メートルの吹き抜けですが光熱費がかかりそうのような気がしますがこれだけの空間があればオートグラフが芳醇な響きで謳歌するのが良くわかりますね、

ここのタンノイ博物館の館長で松橋氏です。非常に温和な優しい方で初対面でも気さくな人柄で人情味の厚い好感の持てる方で年齢は団塊の世代で私より一つ若い館長です。この松橋館長は昔からスピーカーの浮気もせずにタンノイ一筋の超が付くタンノイマニア、いやタンノイコレクターと呼ぶのが相応しいかな?同じ英国党でも私とは正反対の性格「もっと見習わなければ」、タンノイを使っているマニアは本当に優しい方ばかりです。その点私は浮気者でひねくれ男ですから・・・・

タンノイ博物館のオートグラフの音

 これだけの広さがあればオートグラフも水を得た鯉のような気がしてくる。事実その音は想像を遥かに超えた素晴らしい音で館長の人柄が反映された雄大かつ緻密な響きです。このホールの木の香りと木造りのコンサートホールはベストマッチングではなかろうか、私が持参したコジェナーが歌うヘンデルのアリア集は雄大かつ緻密な音で「これがタンノイだ!」と唸らせた音楽性の高い音であった、クラッシックファンがタンノイを望むのは理解できる。その後に館長のお気に入りでワーグナーの歌劇を聞かさせて頂いたが大編成にも関わらず音に圧迫感がありません。家庭で聴くタンノイとは世界が違っていた、

あとがき
 タンノイを写真付きでご紹介させて頂きましたが、このタンノイ博物館は最近オープンしたばかりで4月からは入場料として一人1,000円だそうですがコーヒーとお茶菓子付きですから音楽喫茶に行くよりも安いのではないでしょうか、

 松橋館長と音楽談義、オーディオ談義に華を咲かせるのも良いのではないか、いつかはオーディオ雑誌などに取り上げられるのではないかと思います。是非一度、日本では此処にしかないヴィンテージタンノイ博物館を見学して下さい。場所は三重県になります、SUNVALLEY AUDIOのコラムを見たと言えば暖かく迎えてくれますから気楽に訪問して下さい。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-014
 

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コメント
1. 中川隆[-11281] koaQ7Jey 2020年9月20日 12:16:32 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[30] 報告
オールドタンノイの製品

・Tannoy Monitor Black (1947〜53)
・Tannoy Monitor Silver (1953〜57)
・Tannoy Monitor Red (1957〜67)
・Tannoy Monitor Gold (1967〜74)
・Tannoy HPD385 (1974〜76)
・Tannoy HPD385A (1976〜79) :タンノイ最後のアルニコ仕様
・Tannoy HPD315 (1974〜79) :タンノイ最後のアルニコ仕様
・Tannoy DC386 (1979〜 : この時期からアルニコからフェライトへ変更になる
・Tannoy K3808 (1979〜 : この時期からアルニコからフェライトへ変更になる
・Tannoy Corner York 15in (1950)
・Tannoy Corner York 12in (1950年代後半)
・Tannoy Autograph (1953) : 15in
・Tannoy Autograph Millennium (2001) : 500万円・ペア/税抜
・Tannoy Landsdown (1954) : 12in
・Tannoy GRF (1955) : 15in
・Tannoy Canterbury (1950年代後半): 12in
・Tannoy Chatsworth U (1950年代後半) : 12in
・Tannoy V-LZ in Cabinet (1961) : 10in
・Tannoy Rectangular York (1967) : 15in
・Tannoy Rectangular GRF (1968) : 15in
・Tannoy Arden (1976) : 15in


TANNOY 製品一覧
https://audio-heritage.jp/TANNOY/index.html

TANNOY スピーカーシステム(プレステージシリーズ1980年頃まで)一覧
https://audio-heritage.jp/TANNOY/speaker/index.html

TANNOY スピーカーユニット一覧 タンノイ
https://audio-heritage.jp/TANNOY/unit/index.html

2. 2020年9月20日 12:21:54 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[31] 報告
Mr.トレイルのオーディオ回り道
ALTECの同軸ユニットは素晴らしいと思う 2010年05月09日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/23cd12723ee3e22d1be611780edaf43f
30年以上前のALTECの同軸ユニットは見ていても「見事な造形美」があり機能的で惚れ惚れしてしまう。

同軸ユニットで有名なのは「タンノイ」も有名だけど、私は「ALTEC」の方が好きです。


比較的新しい同軸ユニットはフェライト化され、マンタレーホーンになってしまって、「コストダウン」に走られてしまって残念な気分ですが、604-8G以前のユニット、特に「ALTECグリーン」のユニットは大好きです。

605a

このユニットを使って#612Aを完成させようとしています。SP箱内配線とユニットへの「音質対策」を施しますとJBLの#375を使ったシステムと同等くらいの音質になります。すべて配線材は「ルシファー」にしますので「音数」がオリジナルとはケタ違いのサウンドになります。

https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/23cd12723ee3e22d1be611780edaf43f

3. 2020年9月20日 12:22:40 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[32] 報告
Trail仕様 ALTEC#612A
Mr.トレイルのオーディオ回り道
昨夜は定例のオフ会 2010年05月23日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/97e2c521b47d8299abc82dd7d9c3e568


昨夜は30年来のオーディオ仲間の例会を私の事務所で行いました。出来たばかりのTrail仕様ALTEC#612Aのお披露目を致しました。

612a1

仲間の方の印象はすこぶる「好印象」だったようで皆さん興味津々だった様です。以前612Cを使われた方もいらっしゃいますので「ALTECでこんなサウンドも出るのか?」と驚かれていました。また初めてALTECのサウンドも聴かれた方も「ALTECとはこんな音も出せるのか!!」と驚いていらっしゃいました。

612a2

軽く反応する低音とキラ星の様な輝きと艶の有る高音のサウンドが出ますので、他のシステムを聴かせても612Aに戻してくれとの要望で、612Aオンリーのオフ会になりました。チョッと今までにない反応で皆さん#612Aにクギ付けになられた様でした。

小音量から大音量まで楽々とこなしてくれます。クラシックの弦楽合奏も聴いていただきましたがタンノイのサウンドを軽く超えています。音の粒立ちや音数の多さ、艶やかな質感等タンノイでは出せていない弦楽器のしなやかさまで出して来ます。Trail仕様ですので小音量にしてもほとんど「音痩せ」が有りませんので安心して使えます。いつになく「ALTEC談義」まで出て来ました。

https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/97e2c521b47d8299abc82dd7d9c3e568

4. 中川隆[-11280] koaQ7Jey 2020年9月20日 12:23:45 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[33] 報告
Mr.トレイルのオーディオ回り道
ALTEC 612Aでクラシック音楽を聴いて見る 2010年05月15日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/b8170394b2b1cb1f426cc6bac6cb027c

#612Aがほぼ完成し、テストCDとして澤野工房のJAZZCDをメインに今まで聴いて来ました。今朝は初めてクラシックの「弦楽合奏」を聴いています。

612a2

ALTECのSPでは「クラシックは聴けない」、「弦楽器のゴーイングが不得手」とか雑誌では書かれていますが「Trail仕様のALTEC」ではその様な事は有りません。瑞々しく艶やかな音色で鳴ってくれます。イタリア合奏団の「コレルリ:弦楽合奏協奏曲」をかけていますが音のヌケやキレが素晴らしい上に艶やかな弦楽器に響きを出しています。

クラシックはタンノイ、弦楽器の再現はタンノイが良いと云われていますが、私はタンノイのSPは避ける様にしています。ALTECの同軸とタンノイの同軸は双璧の様に云われていますが、個人的にタンノイも使って来ましたが「潜在能力を引き出す」と云う点ではALTECに軍配を上げます。タンノイのユニットはコーン紙をホーンの延長に使っていますので「コーン紙の強度」がネックとなって来る点(コーン裏面にリブを取り付けている点)で大音量再生しますと「モタツキ」や不要共振を発生する構造になっている事が私の選択から外れます。またユニットへの接続で4Pソケットを使っている事やネットワーク基板の強度のない事も興味の対象から外れます。タンノイはイニシャル時点でそれなりのグレードで聴かせてくれますが私の望む音質には届かないユニットなのです。

その点アルテックの同軸ユニットは低域と高域が完全に分離していますし、SP端子も別個に有り、高域のダイアフラムにも手を入れる事が出来ます。30年前の販売時点で無かった技術をALTEC同軸のユニットに手を入れますとその「潜在能力の高さ」に驚かされます。

個人的には「最強のフルレンジユニット」だと思っています。とにかくヌケ切ってなっているサウンドにご機嫌で幸せな気分になれます。

https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/b8170394b2b1cb1f426cc6bac6cb027c

5. 中川隆[-11279] koaQ7Jey 2020年9月20日 12:40:31 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[34] 報告
タンノイ創設者の「ガイ・R・ファウンテン(1901年-1977年12月10日)」は一番小さなスピーカーシステムの「イートン」を愛用していた


TANNOY Eaton \80,000(1台、1976年頃)
2ウェイ・1スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型
使用ユニット 全帯域用:29.5cm同軸
出力音圧レベル(新JIS) 87.5dB/W
外形寸法 幅350×高さ520×奥行250mm 重量 14kg
http://audio-heritage.jp/TANNOY/speaker/eaton.html

彼は家ではほんとうに音楽を愛した人で、クラシック、ライトミュージック、ライトオペラが好きだったようです。

システムユニットとしてはイートンが二つ、ニッコーのレシーバー、それとティアックのカセットです

彼はステータスシンボル的なものはけっして愛さなかったんですね。その代り、自分が好きだと思ったものはとことん愛したわけで、

そのためある時には非常に豪華なヨットを手に入れたり、またある時にはタンノイの最小のスピーカーを使ったりしました。

つまり、気に入ったかどうかが問題なのであって、けっして高価なもの、上等そうにみえるものということは問題にもしなかった。

大掛かりなシステムがいいわけではなく「シンプルな響き」の方が「重厚長大な響き」に勝るという事なのです
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/b93b6d7d42835ea091105bb9a4bb4b4b/

6. 中川隆[-11278] koaQ7Jey 2020年9月20日 12:44:27 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[35] 報告
TANNOY(タンノイ) 「Landsdown」12inモニターシルバー搭載スピーカーシステム | VintageAudio
2010/05/04 2015/06/01
https://vintage-audio.jp/?p=450


TANNOYの中でも珍しいシステムが入荷しましたので、ご紹介致します。

Tannoy Landsdown
12インチモニターシルバー搭載のスピーカーシステム「Landsdown」です。

「Landsdown」は1954〜61年頃まで製造されていたようです。1958年までが12インチのモニターシルバー、それ以降はモニターレッドが搭載されていましたが、今回はモニターシルバー搭載モデルです。当時の12インチ搭載モデルの中では最高級タイプです。(下記を参照下さい)

Tannoy Landsdown 当時のカタログ 4
1956年のHiFi Years Bookでは。。。
・Tannoy Autograph(15in) £150.3
・Tannoy GRF(15in) £116.10
・Tannoy York(15in) £71.8
・Tannoy Landsdown(12in) £68.5

1960年のHiFi Years Bookでは。。。
・Tannoy Chatworth U(12in) £49.15
・Tannoy Canterbury(12in) £43.15
・Tannoy Landsdown(12in) £75
・Tannoy York(12in) £66
・Tannoy York(15in) £75
・Tannoy GRF(15in) £122
・Tannoy Autograph(15in) £165

写真をご覧頂くとわかりますが、丁度TANNOY AutographやGRFを半分にした様な、ロータイプです。スピーカーの高さって、試聴ポイント(通常は椅子に座って耳の位置)より下にユニットがくる様な設計のスピーカーシステムは基本的に家庭用となりますので、このモデルも家庭用高級タイプになります。また、キャビネットの構造は、バスレフタイプとなります。

結構勘違いされている方が多いと思うのですが、通常英国では家庭用スピーカーシステムとしては大型でも12インチ搭載モデルを使用していました。Tannoy AutographやGRFなどはある意味特殊用途で大きな広間などにおく場合に使われていました。その場合はキャビネットの構造もバックロードホーン型を採用しています。一般的な部屋の広さでスピーカーシステムからリスナーまでの距離が近い場合は、低域がリニアに出る、バスレフ型か密閉型なのです。余計なお話しですが、モニター(検聴用)スピーカーにバックロードホーン型なんて存在しないのです。低音域のリニアリティを求めるなら、バスレフ型か密閉型なんです。Tannoy AutographやGRFなどバックロードホーン型は家庭用PAに位置付けられます。スケール感や音場感には優れますが、リニアリティは無理な要求なのです。Tannoy AutographやGRFはメーカーのフラッグシップモデルだから良いと言うのは間違いです。リスナーの用途に応じて機材は選択するべきです。

だから、一般の家庭での音楽鑑賞用としてはTANNOYであればこの「Landsdown」が最も高級であり適当だと思います。そしてモノラル(1本)で使用する場合は、やはりモニターシルバーが良いですね。モニターレッドが悪い訳ではないのですが・・・TANNOYという会社は世の中の流行りに敏感なメーカーだと思います。一般的には1958年にステレオが始まったと同時に、モニターレッドにモデルチェンジしますが、モニターレッドはステレオ再生に最適化されたエネルギーバランスになる訳です。だから、逆にモノラル1本で使用する場合はモニターシルバーの方がバランスがいいのです。

組合わせるパワーアンプは、QUADUではありませんよ。通常はLEAK TL-12plusあたりが適当です。TANNOYにQUADUという組み合わせが国内では常識化されていますが、QUADUはESL専用アンプと考える方が普通でしょう。ESLはコンデンサー型スピーカーでその発音構造から考えても(勿論試聴しても)わかりますが、繊細ではあるけどダイナミック型スピーカーと比較すれば全くエネルギーバランスが異なります。スピーカーとアンプの組み合わせでは、それぞれのメリットとデメリットを補いあいマッチングを取るのですが、ESLの過度な線の細さや押し出し感の無さをQUADUは補うような音質(バランス)で作られているのですから、TANNOYの様なダイナミック型スピーカーに組合わせるとボケ気味の音になって正常なのです。しかも、TANNOYは当時の英国系の中でも、どちらかと言えば荒い音質のスピーカーに分類されるのですから・・・余計にボケて荒い音になります。そこで、まぁ一般的に使えるのがLEAKとなります。こだわるならモニターシルバー時代であればTANNOYのアンプやその他HiFi系のアンプとなり、いろいろ選択肢はありますが、QUADUだけは違いますよ。どうしてもQUADと言われるなら、QUADT型が良いでしょう。QUADTは「コーナーリボン」というGoodmansの12インチウーファーにリボントィーターを組み合わせたアコースチィカル社(QUAD社)のオリジナルスピーカーシステム用のアンプで、こちらは通常のダイナミック型スピーカー使用なので良いのです。ちなみに「コーナーリボン」も数台在庫あります。

Landsdown+LEAK TL-12plusでの組合わせは、やはり家庭用高級機の内容を伴ったサウンドです。ソースを選ばず、忠実度の高い鳴りをします。普通に聴けるいいシステムだと思いますよ。

TANNOYの1950年代のシステムをお探しの方、是非ご検討下さい。現在では非常にレアなシステムです、1本しかありませんので、お早めにお問い合わせ頂ければと思います。また、もっと大型がいいと言われる方にはGRF15inシルバーオリジナル(脚付)も1本在庫がありますのでお問い合わせ下さい。その他、TANNOYのアンプや各社HiFi系のアンプも多数在庫あり。


TANNOY(又はTANNOY系)のシステムも在庫あります。
・TANNOY ランカスター(密閉型) 15inモニターレッド 2台(STペアー)
 └スタジオ仕様 側面に取手付、背面板にB&Kの公正特性データー表付
・TANNOY ランカスター(バスレフ型) 15inモニターゴールド 数台 
・PYE HF-25SC 15inモニターシルバー 数台
 └ステレオ仕様で使用する場合はモニターレッドに入れ替えも可能

https://vintage-audio.jp/?p=450


岡山県 玉野市 Vintage Audio(ヴィンテージ・オーディオ)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/458.html

7. 中川隆[-11277] koaQ7Jey 2020年9月20日 12:48:19 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[36] 報告
TANNOY(タンノイ) [Autograph]管球式アンプ レストア | VintageAudio
2010/11/26 2015/06/01
https://vintage-audio.jp/?p=650

TANNOY(タンノイ) [Autograph]管球式アンプ レストアです。

TANNOYプリアンプ TYPE HF.C/VA/200(8)

TANNOYパワーアンプ TYPE HF/200AC/12L(6)

1950年代タンノイも自社スピーカーシステムと組み合わせる為の管球式アンプ(プリアンプ・パワーアンプ)を製造していました。TANNOYとQUADが純正みたいに言っている方が多いですが、モニターレッド搭載システム辺りまでは、TANNOY社製アンプが、本来純正の組み合わせなのですよ。

今回のレストア依頼品は・・・
 ・プリアンプ TYPE HF.C/VA/200 (1956〜1958年)【初期型】
 ・パワーアンプ TYPE HF/200AC/12L (1958〜1959年)

お客様からはオリジナルに準じた仕様で復元(レストア)して下さい。というご依頼!

当店では基本的に故障した個所のみ、また電気的にのみ正常になるような修理、つまり一般修理は基本的に行っていません。当然お客様からのご要望やご予算があれば、そういった一般修理も行いますが、基本的にはレストア(復元)となります。

しかし、レストアは言うほど簡単ではありません。
オリジナルの回路構成、回路定数、ワイアリングを遵守する事は当然です。ただ、交換に要する部品全てがオリジナル部品(デットストック)が入手できる訳でもありませんし、デットストックと言っても交換時点で良品であっても、スグに不良となる部品もあります。その辺りを見極めながら、オリジナル以外の部品を使用する場合は、極力オリジナル部品の特性に近い内容のモノをセレクトして、適材適所で使って行きます。

最近(現行)部品を使えば良いとか、定数が近似値だから使うとか、そういった安易な修理ではオリジナルの復元(レストア)は不可能です。Vintageアンプは、電気的には正常な修理が出来ていても、駄目なんですよ。また、修理代をケチったのか?修理者の能力・経験不足なのか?酷い内容の修理が多いです。例えばWE製のワイアを使った方が、音が良くなるとかで、全てのワイアをWEのケーブルに交換されている英国製アンプを目にしますが、交換されてしまった段階でそのアンプは、復元できない状態になっており、大切な機材がこの世の中から消えてしまいます。こういった修理者の訳の分からないエゴで、わざわざ壊されている機材が最近多いのです。

さて。。。下記の写真をご覧下さい。

TANNOYアンプ交換部品
今回のTANNOYのアンプで交換した部品です。

殆どは経年劣化による部品の不良ですが、このプリアンプは改造されていました。改造のされ方から考えて、たぶんファクトリーカスタマイズだろうと思いますが、プリアンプの最終段にEF86でカソードフォロア回路が組まれていました。本来このプリアンプはECC83×2本構成なのです。たぶん、当時のオーナーがプリ⇒パワー間を離して設置したかった?のではないでしょうか。。。ただ、TANNOYのプリアンプは小電流型の回路構成です。ここに1つ回路を追加する事は、電源回路の大幅な定数変更必要になるのですが、このプリアンプでは電源の供給方法を変更せず安易に電源を取られていました。結果、ノイズレベルが当時のHiFi系のアンプでは考えない値(7〜8mV)出ていましたので、ここはお客様に確認しオリジナル構成に戻しました。

その他、劣化したCR部品は1点1点測定し、適材適所で置き換えています。プリアンプのデカップリング用の電解コンデンサー等は、複数個使用しオリジナルの定数になるようにしています。あり合わせの部品を使った訳ではないのですよ。電解コンデンサーは基本的に消耗部品なので、ケースバイケースで現行の一般部品を使います。カップリングコンデンサーは、直接信号が通過する部品なので、気を使います。修理費用に制限がなければ、軍規格のハーメチックシールタイプを使用します。当時のカップリングコンデンサーは、信号の通過特性が現行のフィルムコンデンサー程良好ではありませんので、ここに特性の良すぎるコンデンサーを使用すると設計時点の予測外の事が起こったり、音質が大きく変化してしまいます。ただ、一般規格のデットストック品等を使うと、交換時には正常な部品であっても、スグに不良になる事が多いのです。この辺りの耐久性は、さすが軍規格です。

抵抗器はカーボン抵抗ならカーボンを使います。特に当時の英国製アンプは、米国製アンプに比較し電力容量が1クラス低い抵抗を使っており、熱の影響で抵抗値が増大しているモノが多いのです。また、交換時に金属皮膜抵抗を使いたがる修理者がいますが、当時の英国製アンプはハイ・インピダーンス設計のアンプが多いので、金属皮膜抵抗を入れてしまうと、誘導ノイズ等いろいろ悪影響が出ます。あと、英国系のアンプの可変抵抗器(VR)にガリが発生したからといって、接点復活剤をスプレーする方って多いと思いますが、接点復活剤を入れるとその可変抵抗器は死にますのでご注意ください。ウェハに接点復活剤が染みて僅かでも導通が出来ます。ハイ・インピーダンス回路ではその抵抗値さえも影響がでますので、そのVRは使えなくなるのです。

また、TANNOYのプリアンプは、フォノイコライザー回路が各社イコライジングに対応しているマルチタイプなので、大量のコンデンサーを交換します。この交換を行わなければ、正常なイコライザーカーブ特性が出ません。

最後に、真空管の選別です。今回はお客様からの指定でムラード製・GEC製当時のオリジナルで全て揃えました。元々付いていた真空管で不良なのモノは交換。出力管のKT66は特性が若干落ちておりこのアンプには使えないという判断と、アンバランスが30mAもあったので2本交換してバランスさせました。前段管はノイズレベルを確認しながら、セレクトしました。

接続ケーブルもケーブルとコネクター部の断線や半田不良がありましたので、その他細かな所と合わせて手直しを行います。

これでレストアは完了です。

ご使用時の注意点としては・・・

・パワーアンプのカバーは外してご使用ください。外した方が通気が良くなりパワー管(KT66)に優しくなります。

・電源電圧200Vで調整していますので、必ず200Vで使用すること。また、現時点で真空管のセレクトは行っているので、興味本位で真空管を差し替えな事、真空管の順番を変更しないことくらいでしょうか。。。

今後は2〜3年に一度、真空管と電解コンデンサーの定期チェックを行っていけば長らく安定して使えることでしょう!

レストア後の試聴ですが・・・
特に1950年代の英国製HiFi系アンプの能力(帯域特性・歪み特性・S/N特性)は非常に優れています。高級機になればなる程その傾向が強いのです。だから、かなりクリアーでシャープな音質になります。レストア直後は、音が硬すぎるという印象を持つ人も多いのです。ただ、それで正常なのです。レストア直後にも関わらず、まったりしたボケ気味の音質だった場合は、それは完全な修理が行われていない可能性もあります。各メーカーの音作りやシリーズ(グレード)により、若干の傾向の違いはありますが、概ねそんな感じになります。現在において、部品が劣化した状態のアンプの音を基準に考えたら駄目なのです。部品が劣化し特性が出ていないのですから、ボケボケの音質になって当然なのです。

今回のTANNOYのアンプも当時の英国系高級HiFiらしいサウンドです。派手な色付けない、極めて端正なサウンドです。

英国系の高級HiFi機材(アンプやスピーカー)って、高級機になればなる程色付けの少ないクリアーで端正なサウンドになっていきます。水を飲んでいるような感覚です。だから、コメントに苦労するんですよね。悪く言えば特徴的な音質ではないのです。HiFi(高忠実度)ですから・・・ね。機材に色が付いていては、ソースに対して高忠実度再生になりませんからね。

オーディオの音質の骨格はスピーカーとアンプによってほぼ決定されますが、これも高級機なればなる程、それぞれの相性を求めてきます。TANNOYのアンプは、TANNOYのスピーカーによくマッチします。どこがどうとかという話ではなく、ほんとスムーズに音が出てきます。バランスもいいのです。当然といえば当然ですね!これがTANNOYの考えていた音質なんですから・・・

今ここに試聴用として12インチシルバーが搭載された「Landsdown」があり、それで試聴していますが・・・LEAK TL-12Plusでは若干音の線が細くなり上ずった感じになるのですが、TANNOYのアンプではそれが全くありません。重心が下がり音に厚みが増した感じです。バランスが良くなりました。しかも、クリアーなサウンドで、J-pop等Vintage機材では苦手とされるソースも見事に朗々と鳴らしてくれます。てか、J-popが鳴らないVintage機材はどこか故障していますよ。

大切に使ってくださいね。

この記事はTANNOYアンプのレストア記事ですが、記事を読んで頂いて、TANNOY純正サウンドに興味をお持ちの方は、決して安い機材ではありませんが、販売できるアンプも多少ありますので、お気軽にお問い合わせください。

https://vintage-audio.jp/?p=650

8. 中川隆[-11276] koaQ7Jey 2020年9月20日 13:02:38 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[37] 報告
楠薫さんがタンノイを見限った理由

以前私が使っていたタンノイのスピーカーは、「タンノイ・ホール」と称されるほど、特徴のあるホール感タップリの音を聴かせてくれます。どんな音源を持ってきても、 タンノイの音に染めてしまうので、ある意味では安心して聴いていられるメリットがある反面、ウィーンフィルのムジークフェラインならではの音を楽しみたいと思った時、 あるいはアナログ・レコードではなく、CDならではの空間分解能に優れた、広がりのある音場を楽しみたい場合には、この「タンノイ・ホール」が邪魔してしまうことが ありました。

 デジタル録音以前のアナログ録音の時代は、各楽器の音を明瞭に収録するため、マイクロフォンを多数使用する「マルチマイク・セッティング」が中心でした。 しかしこれはともすると、トランペットとフルート、ヴァイオリンが、別々の場所からニョキッと顔を出し、本来、ホールで聴くことの出来る、見事に融け合った、 美しい響き、とはいきません。そこで特にスピーカーではユニットの持つ固有の音だけではなく、エンクロージャーの響きを上手に引き出すことによって音をブレンド・ 再構築し、あたかもホールの中で聴いているような雰囲気を醸し出す必要があったのです。

 言い方を変えれば、クラシック音楽を中心にアナログレコードを主にお聴きになる方には、それが媚薬のように効いてくるわけで、「CDの音が堅くて嫌だ」 「CDはキンキンしている」と感じていらっしゃる場合には、うってつけのスピーカーと言えましょう。  しかし、タンノイのスピーカーの特徴である同軸2ウェイ(デュアルコンセントリック)ユニットは1947年、ロナルド・H・ラッカムらが開発、 1953年、ニューヨーク・オーディオショーに発表されたAutograph(オートグラフ)に搭載、同時に発売された、50年以上も前の技術です。

新しいCD時代ならではの良さを楽しむには、一つのスピーカー・ユニットに低域を担当するウーファーと、高域を担当するツィーターを組み込むのは、 歪みの点でも不利です。そして不足する低域をエンクロージャーを共鳴させることで補う手法は、音像がどうしても大きくなりがちで、 ピンポイントの音像で音場描写を得意とするCDには、その良さが活きてきません。
http://www.kusunoki.jp/audio/Sonus_Faber/Sonus_Faber_Stradivari/Sonus_Faber_Stradivari.html

9. 中川隆[-11275] koaQ7Jey 2020年9月20日 13:10:44 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[38] 報告
楠薫 2005年7月現在のオーディオシステム
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2005/history2005.html


さて、メインシステムですが、

オートグラフ・ミレニアム
http://www.kusunoki.jp/audio/TANNOY/Autograph_Millennium/Autograph.html


を石のアンプで動かしたらどうなるか、 ということで

VIOLAのBravo
http://www.kusunoki.jp/audio/VIOLA/Bravo/VIOLA_Bravo.html

を試聴。 その頃使っていた、

ユニゾンリサーチのS6
http://www.kusunoki.jp/audio/Unisonreserch/S6/Unisonreserch_S6.html

のコクと色気、それに躍動感が及ばない様に思ったのですが、実はこれはLINNのLINN Klimax Kontrolとの相性が悪かったためで、

VIOLA Cadenza
http://www.kusunoki.jp/audio/VIOLA/CADENZA/VIOLA_CADENZA.htm

VIOLA Symphony
http://www.kusunoki.jp/audio/VIOLA/SYMPHONY/VIOLA_SYMPHONY.htm

の組み合わせでは、Klimax KontrolよりもさらにS/Nが良く、 チェロのアンプを手がけていた方々によるアンプだけあって、高域の少し線は細いものの、美しくみずみずしいサウンドは、 他に類を見ないほど。

 発作が起きて、二つともセットで購入してしまうことになりました。

 このアンプ、現代最高峰のアンプと言っても良く、オートグラフ・ミレニアムの欠点をも露呈することになってしまいました。

 これは設置した部屋のせいもあるのですが、オートグラフ・ミレニアムはコーナーにちゃんと ぴったり付けるようにしないと、十分な低域が出ません。しかも同軸2ウェイでは、高域が歪っぽくなり、澄んだ美しい透明な高域が出ないことがあります。

 これが逆に弦楽器では、眩のこすれる際の、生々しさをうまく出してくれるのですが、ジャズを 鳴らした際の、シンバルの「シャーン」と余韻を伴い、超高域まで伸びていく美しい音色や、デジタル録音のS/N が良く、ホールの余韻をふんだんに取り入れた優秀な録音を再生となると、どうも最新の スピーカーの方に分があります。

 もちろん、下手な録音の場合は、最新のスピーカーでは、録音のまずさも露呈してしまいますので、 ある一定レベルのサウンドを保証する意味では、タンノイのスピーカーは素晴らしいものがあります。  タンノイのスピーカーは、ユニットだけでなく、そのエンクロージャーの独特の響きでもって 音を再構築し、スピーカーで新たなライブの音を作り出す、と言うのが特徴です。ですから、 タンノイ・ホールと称されるほどの個性的な独特の響きは、そのサウンドを好きになれるかどうかが、 一番の問題でしょう。

 個人的な好みを申し上げるのなら、タンノイの音は「凄く好き」です。しかし、もう少し色彩感を 出して欲しい。セッティングの問題ではあるのですが、低域ももっと出て欲しい。

 こんなかなり贅沢な望みを満足させてくれたスピーカーが、Sonus FaberのStradivari Homageでした。現代のスピーカーの中で、クラシック音楽を中心に、ジャズなどの最新デジタル録音を楽しく 聴くことが出来るスピーカーは、他にもいろいろあるかと思いますが、VIOLAのアンプが生きてくる組み合わせで、となると、このスピーカーをおいて他にないように思います。

http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2005/history2005.html

10. 中川隆[-11274] koaQ7Jey 2020年9月20日 13:17:21 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[39] 報告
楠薫 2016年8月現在のオーディオシステム
楠 薫のオーディオ三昧 2016年8月のオーディオシステム System3
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2016/audiohistory20160812.html

私の原点とも言うべき、タンノイのスピーカーの中でも、最も欲しかった スーパーレッドモニターのお目見えです!

アンプはプリがEAR864、パワーがEAR861。

クラシック音楽はもちろん、ジャズも実に気持ちよく鳴らしてくれます。

タンノイではジャズは鳴らない、タンノイはクラシック音楽専用、ましてや畳の へやではジャズは絶対無理、などと言って憚らない方々にお聴かせすると、 目が点になって、絶句するのが楽しくて、ついつい、やり過ぎてしまいます。

スピーカーケーブルはAET Evidence SP 2.7mです。
電源ケーブルも、インターコネクトケーブルも、皆、AET Evidence Evidenceシリーズで 固めているせいか、実にワイドレンジでスケール感抜群で切れ味もあり、拙宅には 欠かせないケーブルです。


■ タンノイ・スピーカーシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/TANNOY/TANNOY.html

11. 中川隆[-11273] koaQ7Jey 2020年9月20日 13:43:40 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[40] 報告
709 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/08/22(水) 13:12

タンノイをお持ちの方は大体真空管アンプをお使いのような気がします。
技術的、音響的、音楽的に観て何故真空管アンプが似合うのでしょうか?

710 名前:K :2001/08/22(水) 19:23
>>709

ハーマングループを離れてから出したプレステージ・シリーズは、石のアンプでもけっこううまく鳴ります。QUAD 606などはその最右翼かと思います。さらにALCHEMISTのAPD24A&25Aなども相性が良いアンプだと思います。KRELLはA級増幅でパワーもあり、ドライブ能力も凄いアンプを世に送り出していますが、初期のKSA50はけっこうG.R.F.Memoryとは相性は良かったのですが、Model 600は8Ωで600Wものパワーを誇るのに、寸詰まりの低域で、がっかりさせられてしまいました。

それで、ふと思いついたのですが、タンノイの特にプレステージ・シリーズは、オートグラフなどのヴィンテージオーディオから連綿と続く独特のサウンドを持っており、オートグラフやIII LZなどが開発された頃は、真空管アンプがまだまだ主流でした。ですから、ユニットは確かに新しくなったとはいえ、コンセプトとしては古くからのものをひきずっているわけですから、その当時、すでにほとんど完成の域に達していたタンノイのスピーカーシステムは、古い真空管アンプとの方が40年以上も経た現在でも、今もって相性が良いのだと思います。

石のアンプでも、ALCEMISTのAPD25Aの様にトランスがあるものはとても相性が良いことを考えると、出力トランスを搭載してダンピング・ファクターがあまり高くない(10以下のものがけっこうある)真空管アンプは、確かに低域の制動性が悪いのですが、適度にエンクロージャーを響かせて音作りしているタンノイのスピーカーには、むしろそれがメリットになっているのではないかと思っています。

これは、ダンピングファクターが確か1000くらいあったModel 600では相性がイマイチだったことの裏付けになっているようにも思えます。初期のKSA50は100は超えていたと思いますが(300〜400程度?)、Model 600程ではなかったので、そこそこ鳴ってくれたのではないかと思っています。

また、タンノイ・ファンは、基本的にはホールの中で響いている感じを大切にしますので、たとえ録音の上では直接音が鋭く刺激的に録音されていても、音にベールを被せてしまう、という批判があったにせよ、しなやかでみずみずしく、ふくよかな真空管サウンドの方が好みなんだと思います。

時にタンノイの同軸2ウェイのツィーターは、鋭く金属的な音になってしまうことがあり、そういう傾向を回避する意味でも、真空管アンプはタンノイ・スピーカーに寄与しているのではないかと思っています。

711 名前:月よりの使者?けっこう仮面 :2001/08/23(木) 20:37

 「音作り」というのが敵視されることがあり、タンノイのような箱を鳴らすスピーカやトランス/結合コンデンサを使いまくる管球アンプは過去の製品呼ばわりされることがあります。

「みずみずしい、というのは偶数次高調波歪がたれ流しになっているだけだろう」

てな具合に。 でも、音は収録した段階で既に色がついているんですよ。マイクの種類、位置により違う音がします。マイクアンプや録音でも変わりますし、それ以前に会場や(ライブなら)客の入りでもう変わります。K先生がタンノイと管球アンプを愛好するのも録音趣味・演奏趣味が背景にあるんじゃないかと勝手に分析している次第です。

714 名前:K :2001/08/23(木) 23:13

私が結局タンノイと真空管の組み合わせになるのは、ご指摘の通り、私が自ら演奏をし、録音もやるせいもあるかと思います。自分が演奏側に回ってみるとわかりますが、演奏している時に演奏者が耳にする自分の音って、ピークだらけの荒々しくてバランスもへったくれもなく、うるおいなんて皆無の音だったりします。しかしある程度離れた所で聴くと、ホールの残響がうまく丸みを与え、うるおいのある、美しいフルートの音色になってくれたりします。風呂場で歌うと、上手くなったように聴こえる様なものですね。

録音する場合には、再生側での劣化や解像度不足も考え、指揮者のポジションほどではありませんが、そこそこ分離も良く、かつ、あまりライブになりすぎないように、でも、ちゃんと綺麗に残響を録れる場所を選びます。そうすると、どうしてもマイクロフォンの周波数のピークの部分もあったりして、も高域がピーキーに聴こえたり、潤いのない荒っぽい音に聴こえたりします。そう言う時にタンノイ&真空管アンプは、本当にそういったアラを見事に隠してくれます。

ちなみにこれをJBLの4343で再生すると、とても聴いていられません(^^;
だから、けっこうオンマイクで録って、JBL4343でちゃんと聴ける演奏をするジャズプレーヤーって、ほんと凄いものだと感心したものでした。


730 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :01/08/27 17:06 ID:c1Z2OqvI

田舎にアーデン(アルニコ)が有る。問題はアンプ。何で鳴らそうか?
昔のラックスは相性が良かったけど、今のラックスはストレートになってしまって、必ずしもタンノイとは合わないような気がする。

731 名前:K :01/08/28 10:33 ID:sPyiG9wk
>>730
確かにSQ38Dを聴いた感じでは、少しストレートという感じがしないでもないですね。
ならば、中古で昔のラックスを手に入れるというのはいかが?
ヤフオクなどでけっこう出ていたりします。

新しいところでは、ユニゾン・リサーチのsimply 2(18万)はいかがでしょう?
昔のラックスを思わせる、ちょっと柳腰風の、美しいサウンドが特徴です。

個人的にはC.R.ディベロップメンツのRomulus 6L6PP(28万)などが、ちょっと耽美的と言われるかも知れませんが、浮遊感まで見事に再生してくれる、好きなアンプだったりします。


112 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/06/29(金) 08:32

タンノイファンには球アンプ使ってる人多いと思うけどそれら以外に良かった例外的なアンプを教えて下さい。

114 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/06/29(金) 21:59
>>112
ジェフで鳴らすとイヤな音がしなくなる。
ついでに低域も少しは締まる。
ホールトーンも、はにゃ〜んと聞こえる。

131 名前:Kさんおしえて :2001/06/30(土) 11:29
>>114
のジェフは合わないんでしょうか?
最新アンプでおすすめはあるのですか?

132 名前:居座っちゃった? K :2001/06/30(土) 17:10

ジェフの音は確かに綺麗だと思います。解像力もあって、ホールトーンも素晴らしい。
でも、特にプレステージ・モデルのG.R.F.Memoryより上の、38cmユニットを駆動するには、少し柳腰風。ただしこれはメインがModel 10、プリがSynergy IIでの感想。


ゴールドムンドのMimeisis 28はタンノイらしいふくよかですぅーっと弛緩する低域と異なり、私の感覚とは違う路線の緊張感のある中低域が特徴。 McIntoshに少し似ていなくもない、ビロードのような感じで、好きな人にはたまらない感触なんでしょうが、私の好みではありませんでしたので、販売店の方が超強力に推したものの、却下。


で、ステラヴォックスPW1。これがゴールドムンドと同じ所で作っている割に、意外にもシャープで力がみなぎっている感じがして、あまりクセがなく、良い感じでした。今、石のアンプで、価格もそこそこ(買値で42万円)となると、これかなぁ?


C.R.ディベロップメンツのWoodham 300Bは、美しさと伸びやかさで勝負するなら、ジェフを凌ぐと思います。浮遊感の美しさをこれくらい出すパワーアンプは他にないでしょう。組み合わせるプリは、同社のKaster Proがベスト。ただ、個人的にはやっぱり低域のドライブ感がもう少し欲しいです。

そういう意味では、ちょっと前のモデルのArtemisの方が良かった様に思います。
ちなみにその前のRemusは低域の締まりがイマイチでした。


FMアコースティックFM411は、あまり文句の付けようがないのですが、遊びの部分、弾ける感じがありません。でも、美しさと楽器の質感を脚色せずに出すという点では、最右翼かも知れません。しかし、いかんせん、価格が320万! 価格交渉しても286万でしたので、購入するには至りませんでした。

あとそうそう、何だか音がこじんまりしてしまったのが、購入意欲を減退させた一因でした。プリがFM155だったせいもあるかも知れません。


マークレビンソンNo.334Lも全体的には悪くはないのですが、低域が出ませんでした。
これは、ダンピングファクターが高くてスピーカーをしっかり止めるために、余計に響かず、聴感上、低域が出ていないように感じるからかも知れません。理論上はこちらが「正しい音」なのかも知れないのですが、個人的に「これで鳴らすなら、スピーカーはウィルソン・オーディオのSystem 6か、ATC SCM150Pslだな」と思ったので、却下。


パスラボのX600は、同社のプリ、X1プリと組むと俄然、本領発揮します。ちょっと低域は肥大気味かな、と思わないでもないのですが、不思議とタンノイの音を邪魔せず、みずみずしい高域も、プリがX2だと線の細さだけが目立ってしまいますが、X1なら良い感じです。

以上は、G.R.F.Memory、あるいはAutograph Millenniumと組み合わせて試聴した個人的
な感想です。

560 名前:中村主水 :2001/08/02(木) 02:17
 
 現在カンタベリー15(HEになる前の型)を使ってクラシック(オケもの中心)をよく聴きます。パワーアンプの買い替えを検討中なので、ご教授ください。

 タンノイの音楽を濃厚に聴かせる部分に惚れていますが、ここへいわゆるハイスピードアンプを組み合わせると、楽音の立ちあがりが改善され、より演奏者の意図が表現されるのではないかと考えるようになりました。ゴールドムンドあたりはどうかと思うのですが、いかがなものでしょう? 


562 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/08/02(木) 07:52
>>560中村主水様

タンノイに俗に言う”ハイスピ−ド”アンプを組み合わせるとの御意見ですが大阪日本橋の逸品館のオリジナルアンプで鳴らすと不思議な体験をされるでしょう。

アンプが”ハイスピ−ド”(?)過ぎるとエンクロ−ジャ−が鳴らないためタンノイの良さが完全に死んでしまいます。ユニットだけ鳴ってるタンノイは聞けませんね。


563 名前:K :2001/08/02(木) 13:26
>>560 中村主水 さん

>タンノイの音楽を濃厚に聴かせる部分に惚れていますが、ここへいわゆるハイス
>ピードアンプを組み合わせると、楽音の立ちあがりが改善され、より演奏者の意図
>が表現されるのではないかと考えるようになりました。

私もそう考え、10年ほど前、サイテーションというハーマンカードンのアンプを使ったことがありました。確かに、中高域のスピード感は増し、素晴らしいと思ったのですが、いかんせん、低域が出ませんでした。


私はMarantzの古いmodel 1&5が非常に相性が良いと思いました。たぶん、ダンピングファクターが適度に低い真空管アンプの中で、無帰還あんぷでなく、そこそこNFBがかかっているのが良いように思います。

479 名前:K :2001/07/26(木) 09:10

>プライマー200シリーズのブリ+パワー+CDが細身に調教してくれて、
>そこそこに鳴ってくれている様に思います。

プライマーですか!これなら低音が出過ぎることはないですね。スピーカーコントロールも良いようだし。
ただ、逆に、低音が出ない可能性があります。

石のアンプはダンピングファクターが良すぎるので、スピーカーを余計に振動させないという点では、最新のエンクロージャーが響かないタイプのスピーカーなら良いようなのですが、逆にタンノイのような、エンクロージャーを響かせて音造りをしているものでは、低域が出ないかも知れません。

私はかつて、サイテーション・シリーズという、ハーマンカードンのダンピングファクターがかなり高いアンプも使っていましたが、これがまったく低音が出ませんでした。

で、「黄金の組み合わせ」というウエスギアンプに換えたら低音が出るようになって、換えた当初は大喜びでした。ま、そのぬか喜びも一ヶ月程度で終焉し、今度は低音が出過ぎる弊害を味わうことになるのですが……。

いずれにしても、スピーカーを手に入れてからが勝負、ですね。


474 名前:K :2001/07/26(木) 00:16

>パワーアンプがU-BROS3に変わり、細かなセッティング変更を行いましたが、
>会社の独身寮の四畳半という事もあってか、ゆるんだ低音の制御が出来ず使いこなせませんでした。


私もウエスギアンプをいろいろ使ってみたのですが、結局ウエスギではその低域をコントロール出来ず、シェルターというメーカーに走ってしまいました。で、それでも満足が出来ず、いろんなお宅を訪問して、相性の良さそうなアンプを探し回ることになってしまいました。

ところが、たいていが「人に勧められたから」とか、「雑誌に載っていたから」ということで選ばれ、「まぁ、こんなものでしょう」ということで終わりにしている方がなんと多いことか。買ってみたものの納得せず、ショップに泣きついたら「こちらのアンプにしてみたら?」と言われてそれに換えても結局解決せず、買い換え買い換え、ローン地獄にはまって行った方もいらっしゃいました。

446 名前:K :2001/07/21(土) 23:46

タンノイのコクのある音がお好きならそれほど難しいことではないのですが、その独特のコクや懐の深さを生かしながら、キレを求めると、何だかビールの宣伝みたいになってしまいますけど、そういう場合は、私は真空管アンプの組み合わせをお奨めしています。

中でもMarantz model 7&8の組み合わせは、質感を出来るだけ正確に伝えながら、低域をしっかりコントロールしてくれるので、ダレが少なく、良い結果を導いてくれるかと思います。中古ならけっこう安く手に入りますし、本当はオリジナルが良いのですが、なかなか程度の良いものを探し当てることは難しく、レプリカの真空管を換えたりして使いこなすのが一番かと思います。

そして、エアータイトという日本のメーカーのATM300、これ、けっこうイケます。ラックスの方達が独立して創ったメーカーですが、ラックスの先入観をうち砕いてくれるほど、ストレートな鳴りっぷりが見事です。しかもCDダイレクト入力があり、便利です。ただ、300Bのシングルアンプですので、オートグラフの様に能率が98dBもあれば問題ないでしょうが、95dBを切るとちょっと厳しいかも知れません。


スピーカーケーブルは銀線ではなく、銅線の単線が相性が良く、CDプレーヤーはSTUDERなどの音が分厚くかつ前に出てくるタイプが良いかと思います。

タンノイの古いタイプで分解能と音場の描出能を求めるのは、ある程度までは可能かも知れませんが、プレステージシリーズで例をとるなら、一つ前のTWWですら、どんなに頑張っても、ウィルソン・オーディオのSystem 6には絶対に敵いません。ソナスファーベルのアマトールにすら勝てません。

もしあるレヴェルまで持っていこうと頑張るとするなら、CDにはリンのIKEMIやCD12、プリにはせめて石のアンプでコニサー、真空管ならソニックフロンティアかコンバージェントオーディオ、メインにはRed Rose Model 2 or 1もしくは特注になりますが是枝300Bプッシュプルアンプを持ってきて、しかもインターコネクトケーブルもスピーカーケーブルも銀線タイプ、特にスピーカーは単線の銀線か、キンバーケーブルの銀線タイプという具合に、超ド級システムとなってしまいます。

確かにこれだとそれなりに高分解能で鳴ってくれますが、スピーカーをSystem 6を持ってくれば、もっと良く鳴ってくれるでしょう。

これから新たに買おうと思っている場合は、昔のコッテリとした音が良ければ、中古を選ぶべきだと思います。新しいHEタイプは昔のようなコクのある鳴り方はしてくれません。かといって、System 6の様な完璧なビシッとした眼前に広がる音場を呈してもくれません。そういう意味では中途半端なんですけど、今我が家で鳴っているオートグラフ・ミレニアムは、「こいつ、本当にタンノイかよ!?」というくらい、弾けた鳴り方をしています。これは是枝300Bプッシュプルアンプのスピーカー制動力が見事なことと、我が家のモデルはワイヤリングがウェスタンのもの単線綿巻線を使用していること、バンディングは太番手包縛糸とワックスによる結線という、プラスチックを使わない方法を採っているお陰と思っています。プリのコニサーもS/Nの悪さを除けば、素晴らしいアンプかと思います。

最新のタンノイで高分解能で楽しみたい場合は、先に挙げた超ド級システムの中のスピーカーケーブルを単線でなく、撚線タイプのキンバーケーブルにすると良いみたいです。

317 名前:K :2001/07/13(金) 23:03

いや〜、本当にタンノイって気難しい、なかなかこちらの思うように鳴ってくれな
いスピーカーなのですよ。先日まで使っていた、Red Rose Music のModel 5は、「銀線の音が乗り過ぎじゃないの? おまけに蛍光灯のノイズに弱い様ね」と、蜜月はわずか1週間。

次のコニサー4.0は、みずみずしい音と楽器の質感の正しさでは群を抜いていますが、「S/Nの悪いプリね。私のような能率の良いスピーカーには合わないわ」と、たった1週間で足蹴にされる始末。

お気に入りはCD12と、メインアンプがなんと、是枝さんというオーディオ評論家が創った、300Bプッシュプルアンプ。これって、メチャクチャ高価なんですよねぇ。しかも是枝さんの一品ものだし。

プリはMarantz model7がかろうじて当確ラインすれすれ。あとはCRディベロップメンツのカスター・プロの結果待ちという状態。Red Roseから新しく出ると言う噂の石のプリアンプには少し興味があるけど…。

EARから出た新しいプロ用プリアンプならV20でS/Nの良さは魅せてくれたから良さそうな気がするが……。

スピーカーケーブルも、あんなにアルテック604-8Kでは素晴らしかったJPSも、「透明感の足りないケーブルね」と、そっぽを向かれる始末。長崎からφ2.5mm銀単線ケーブルを取り寄せてみたり、友人宅のハーベースで良かったS/A Labs High End Horse3.5を取り寄せる手配してみたり、もう、大変なんです(^^;

471 名前:K :2001/07/24(火) 22:07


RHRはオールホーンの欠点でもある、低域の伸びが不足します。コーナーで内振りを大きくすればある程度は解決するかも知れませんが、根本的にアンプで補ってやらないと、難しいかも知れません。

低域を制動させるには、ダンピングファクターの比較的高めな、NFBを少し多くかけているアンプを選ぶと良いかも知れません。Marantzのmodel 2,5,8,9はそれほど多くNFBをかけてはいませんが、それでも現在多くなりつつあるノンNFBタイプに較べれば多く、トランスの能力も加わり、低域が膨らみすぎる感じにはならず、OLD タンノイで、低域の膨らみに困っていらっしゃる方にはお奨めのアンプです。

それに較べてRHRやウェストミンスター・ロイヤルは、基本的にはコーナーに置きを考えたタイプではないので、根本的にオートグラフのような低域の伸びは望めないかと思います。ですから、アンプ側で補う必要があります。

NFBが少ないアンプで少しウーファーの制動は悪くなりますが、よく響かせてやるようにすれば、聴感上、低域が伸びているように感じることが出来、デメリットを差し引いても、十分、メリットがあるように思います。

あるいは、McIntoshのアンプのように、その素晴らしいトランスの性能を存分に生かし、低域が伸びやかで独特のコクのある、ビロードのようなサウンドがマッチする様に思います。

ちなみに、エアータイト(A&M)のATM300は、NFBを0〜6まで3段階に変更できる優れもので、スピーカーの特性に合った選択が出来、重宝しています。


129 名前:50 :2001/06/30(土) 08:54

マランツの真空管、マッキン、クオード等で鳴らしたり、鳴らしている人の音を聞いたりしたことがありますが、

マランツだと端正で標準的な音、
マッキンだと弦が耳をくすぐるような美音、

クオードだとかなりレンジは狭まってちょっとキツイところもあるが、シブくて聴き込むと何とも味のある音で鳴っていました。

この3種は好みもあるけど、定番的アンプだと思います。

130 名前:戻ってきたK :2001/06/30(土) 10:11
>>129

ちょっと追加するなら、McIntoshのアンプは低域が伸びるのですが、締りがないと感じるかも知れません。パンチ力を望むのも、少々無理。

Marantzはそっけないと感じるかも知れませんが、楽器の持つ質感を一番正確に表してくれますし、タンノイ独特の箱鳴りはあまり目立たず、引き締まった感じがしますので、私個人的には一番好きなサウンドです。

クォードは低域が寸詰まりに感じるかも知れませんが、一番エネルギッシュで古いモノラル録音盤を聴くのには一番かも。


138 名前:K :2001/06/30(土) 23:39

どのモデルか、組み合わせるCDプレーヤー、室内楽かオーケストラ曲かどうかで、違ってきます。

現行のスターリング(トールボーイ型)では、C.R.ディベロップメンツのKalypso 10th Anniversary(定価\198,000)か、ユニゾンリサーチのSR1(Hi-brid Stereo Integrated Amplifier MOS-FET/ECC82×2 80W+80W 定価\150、000)が価格的なバランスからも良いかと思います。

初期のスターリング、コルクをフロント・バッフルのタイプは、低域のコントロールを必要としますので、私はマランツの#7と#8の組み合わせをお奨めします。

G.R.F.Memoryになりますと、最初期のコルクを貼ったモデルでは、やはり#7と、友人が持ってきたマイケルソン&オースチンのTVA1がちょっと鳴りっぷりが良すぎる感じがなきにしもあらずですが、今のところベストと思っています。

以上はアナログプレーヤーはトーレンス126、CDがルボックスB225での組み合わせです。


オートグラフ・オリジナルを鳴らす場合は、今のところ、マランツ#1&#2を超えるものを知りません。
メインアンプが#5でもけっこうイケルのですが、イマイチそっけな気がします。#2のコクのある、しかしシッカリスピーカーをドライブするサウンドはさすがです。

五味康祐先生と同じシステムで鳴らしている方を4軒ほど回ったのですが、みな、低域のコントロールに苦慮されており、石神井の五味先生宅にお邪魔したときには既に先生は他界されていましたので、かつての音を偲ぶにとどまりました。


新しいオートグラフ・ミレニアムは、CDプレーヤーがSTUDER A730では良さが発揮出来ません。LINN の CD12を選ぶべきです。高解像度でクセが少なく、ステージがドーンと広がって聴こえるので、古いオリジナルとは違った楽しみ方があると思います。オリジナルオートグラフにはA730の方が良いように思います。

で、組み合わせるアンプですが、うすうす、お気づきになった方がいらっしゃるかも知れません。Red Rose MusicのModel 5が、今のところ、圧倒的に良い様です。しかも、真空管をMullardのEL34に交換したものが。

Model 1&3の組み合わせで鳴らすよりも、もっと空間が広がって、荒々しさがないのに力強く、浮遊感まで見事に再生してくれます。

アナログプレーヤーは、今のところEMT927とトーレンスのプレステージモデルくらいしか比較していませんが、かけるレコードが60〜70年代が中心なせいか、EMTの方が私には好みです。ちなみにRed Rose Musicにはプリがありませんので、マランツの#1のプリを流用しています。そういったことも多少関係しているかも知れません。

ウェストミンスター・ロイヤルを最高に素敵に鳴らしていらっしゃるのは、岩手県一関市(ジャズ喫茶ベイシーのある所)のジャズ喫茶、ROYCEだと思います。オリジナル・マランツ#7&是枝重治先生(管球王国で執筆されている方)お手製300Bプッシュプルアンプという組み合わせです。

ROYCE 岩手県一関市
http://www.geocities.co.jp/MusicHall/3707/royce.html
http://community.phileweb.com/mypage/entry/2022/20090504/11719/

オリジナル・オートグラフを、あの箱鳴りを感じさせずに実に爽やかに、美しく、颯爽と鳴らしている最右翼は、長野県原村のペンション「ムジカ」です。

メインアンプは広島の音楽家のお手製で、WE-262B-349A-284Dのモノラル構成。ステレオプリアンプはカンノ・スーパーパーマロイ・トランス結合式タイプSPU、プレーヤはガラード401、カートリッジはオルトフォンSPU-G、昇圧トランスはカンノSPU30、CDプレーヤーはフィリップスLHH1000です。

先ほど挙げた#1&#2で鳴らすオートグラフと傾向は違いますし、古のオートグラフらしくなくて、物足りなく思われるかも知れません。でも、個人的にはこういう行き方もアリかと思っています。


334 名前:K :2001/07/14(土) 21:40


まず、すでに何回も私がその名前を出している、岩手県一関市山目十二神140-4 ROYCE 0191-23-4665 ここはジャズ喫茶です。ウェストミンスター・ロイヤルをMarantz#7と300Bプッシュプル、845
シングルアンプで鳴らしています。ここのお店の凄いところは、アンプをいろんな人から借りて、それでも満足いかず、アンプ製作者を呼んで、
「このアンプのこういう音と、そちらのアンプの、こんな感じの音が出るアンプを作ってほしい」
と、具体例を挙げてアンプを作らせ、
「このレコードにはこういう感じで音が入っている。それがまだ出ていない。直してくれ」
と、徹底的にパーツ、配線まで換えさせて理想の音に近づけて行ったのです。ですからオーナーのイメージ通りの音がしっかり出ていると思います。

クラシック音楽なら長野県原村のペンション・ムジカ。ここはHPがあります。
http://musica.maxnt.co.jp/
どんなシステム構築をされているか、細かく紹介されています。
ただ、ムジカはご主人を亡くされ、奥さんが今一人で頑張っていらっしゃいますから、忙しいシーズンには、オートグラフ聴き放題というわけにはいかないかも知れません。

ここの凄いところは、とにかくオートグラフの「ぼよよ〜ん」とした低域の響きが、本当にしないんです。寸前の所でかわしているんです。そしてさわやかでみずみずしい颯爽とした弦楽器の音が聴きものです。


それから、ちょっと誤解を招いているフシもありますので、ここで改めて申し上げておきますと、タンノイを購入したから良い音で鳴るとか、タンノイだったらみんな良い音で鳴っているわけではありません。
私が50軒以上のタンノイのスピーカー、オートグラフでも20軒以上鳴らしているお宅にお邪魔して聴かせていただいておりますが、私が本当に「凄い!」と思ったのは、タンノイ全体としても、5〜6軒です。

おっしゃるとおり、ぼわ〜ん、ぼよ〜んと箱が鳴って、ピントはボケているし、位相がズレて聴くに耐えないお宅がけっこうあったのは事実です。でも、「幸福なタンノイ」を目指して、お互い情報交換し、切磋琢磨していらっしゃる方の音は、やはり違います。

309 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/13(金) 16:25

タンノイではグラモフォンのペルゴレージ「スターバトマーテル」アバド盤のメゾソプラノとアルトの歌い手をきちんと分離して再生出来ないと思う。確かに音は美しいとは思うが、音楽の観賞用として、そういう再生力では問題があると思う。


311 名前:K :2001/07/13(金) 18:55
>>309
>タンノイではグラモフォンのペルゴレージ「スターバトマーテル」アバド盤のメゾソプラ
>ノとアルトの歌い手をきちんと分離して再生出来ないと思う。

ふぅむ、それは不幸なタンノイですね。ちゃんとしたアンプで、しっかり振り角までチェックしてチューニングされたタンノイなら、むしろもっと難しいと思われる、ジョスカン・デ・プレ作曲「ミサ・パン・リングァ」演奏:タリス・スコラーズ(Gimell CDGIM009)の、十数人中ソプラノの左の二人の声の微妙な違い、体を左右に揺れ動かしているその様子までわかるかと思います。

ま、私なんかよりも、岩手県一関市のウェストミンスター・ロイヤルでジャズを鳴らしている
ROYCEというジャズ喫茶で、Waltz for Debby Bill Evans Trio(RIVERSIDE VDJ-1536)を
お聴きになると良いですよ。

地下鉄の騒音が、左から右の奥に2回、その反対に抜けるのが1回、なんて具合に、本当に手
に取るようにわかるかと思います。


タンノイは、ある意味では、チューニングが非常に難しいスピーカーです。単にポンと置いたら鳴るスピーカーではありません。エンクロージャーをある程度響かせながら、同軸2ウェイは、90°のサービスエリア内で、シビアに定位させないといけないので、ちょっとした机や椅子の影響も受けやすいのです。
ましてやコーナータイプのオートグラフは、コーナー付けが基本ですから、最初から内振りの角度が決められているようなもの。

そういう困難を克服して、クープラン作曲「モッテト集」 演奏:Feldman,Poulenardら(Harmonia mundiHMC901150)の二人の女性の歌声の掛け合いが、時として顔を見合わせながら、またある時にはちょっと背伸びするように上向きに発声している様まで手に取るようにわかるようになった時の嬉しさというのは、また、格別なものがあります。

そもそも、私が最初のタンノイ製品、スターリングを購入するきっかけになったのが、
「秋葉原のとあるお店の前を通り過ぎた時にたまたま流れていたバイロイトのワーグナーの音楽。それがタンホイザーだったか何であったかは忘れたが、声のリアルさと、テノールの歌手がクルリと振り向いた様まで手にとるようにわかった時の衝撃は今でも忘れない。」

と言うような具合で、定位の良さと声質のリアルさに衝撃を受けて発作が起きて購入したくらいなんですから、ちゃんと追い込めば、ある程度までは到達することが可能だと思います。
もっとも、それが再現できるようになるまでの苦労を考えたら、確かにエンクロージャーが響かず、サービスエリア角度が広いウィルソン・オーディオのSystem 6の方が楽でしょうけどね。

447 名前:K :2001/07/22(日) 01:18
題:タンノイを鳴らしていて個人的に良いと思ったシステム


1)ESOTERIC P-1,D-1 → SHELTER Model 404-2
→ C.R.DEVELOPMENTS Artemis →カンタベリー15


アナログプレーヤー:トーレンス126 
カートリッジ:オルトフォンMC20 Super 
トランス不明
インターコネクトケーブル:モガミ(プリ・メイン間自作)

スピーカーケーブル:ベルデン(型番ちょっと不明)
 

和室に置かれたシステムで、これくらい見事になっている組み合わせはないかと思います。 スピーカーの下に厚さ3cm御影石の板を入れたのが正解だった様です。ボーカルも、カルテットも見事で、CDを中心に聴いているのに耳障りな高域がありません。解像力もかなりなもので、かといってちゃんとタンノイトーンを出している、不思議なシステムです。

2)REVOX C221Mk 2 → エアータイトATM-1 → スターリング TW

 インターコネクトケーブル:JPS Superconductor 2(プリ・メイン間)
 スピーカーケーブル:JPS Superconductor 2

 私がエアータイトというブランドのアンプを聴いて、これは良いかも知れない、と思ったお宅。
 CDしか聴きませんが、これが悔しいくらい、タンノイらしさを失わずに、見事な鳴りっぷりでした。ATM-1はCDダイレクトが可能なアンプなので、あえてプリを使っていないそうです。

 ケーブル類は私の音を聴いて、お気に召したらしく、速攻で注文されていました。2ヶ月後、再びお寄りしたところ、「いやぁ、ジャズも聴けるようになったんですよ」と、嬉しそうでした。
 繊細な室内楽も素晴らしかったと思います。

3)STUDER D730 → Marantz model 1 → Marantz model 5 → G.R.F.Memory TWW

アナログプレーヤー:EMT927 
カートリッジ:オルトフォンSPU A/E
昇圧トランス:Triad HS-1

インターコネクトケーブル:JPS Superconductor 2(すべて)
 
スピーカーケーブル:JPS Superconductor 2
 

これは私が2000年3月まで使っていたシステムです。クラシックからジャズまでオールマイティーに鳴らすにはこれしかない、という感じで組んでいます。ポピュラーやロックは聴きません。 ジャズは1960年代が中心なので、これで十分という感じでした。

4)トーレンス126&オルトフォンMC20 Super2 → Marantz model 7
→ 300Bプッシュプルアンプ& 845シングルアンプ


 ケーブル類はプリとメインの間がJPS Superconductorです。他はちょっと不明。

 改めて書くまでもない、岩手県一関市ジャズ喫茶ROYCEのシステムラインナップ。とにかく豪快にかつ高分解能に鳴ります。「アルテックA7を緻密にしたような感じ」とは、とあるジャズ評論家のお言葉。なるほど、と思いました。徹底的に手を入れた手作りメインアンプの勝利でしょう。

5)糸ドライブ自作砲金プレーヤー → アーム・カートリッジ EMT
→ 昇圧トランス UTC・WE
LPプレーヤー ガラード301 → プリアンプ マッキントッシュ C22
→ マッキントッシュMC60 →タンノイオートグラフ・モニターレッド・箱ユートピア

 ユートピア箱でなかなか良かった例です。1960年代もしくはそれ以前のモノラルを中心におかけになるシステムなので、現代のレコードをかけると、ちょっと低域が膨らみすぎの様な気がします。しかし、1960年代前半のオペラなどを聴くと、本当に素晴らしい印象でした。

6)EMT 927 オルトフォンSPU A → WE 618昇圧トランス
→ CONVERGENT AUDIO TECHNOLOGY SL1

Ultimate & EAR 864B → Marantz model 9 & EAR 861 
→ オリジナルオートグラフ・モニターレッド


 まぁ、よくぞここまで仕上げた、という感じの音です。豪快さと繊細さを併せ持ち、古いレコードから新しいレコードまで、堪能することができました。個人的にはベンツマイクロのカートリッジとフォノアンプで奏でたEARの美しくて精悍なサラブレッドの馬の様なサウンドが印象的で、今の私の求めるサウンドの方向性を決定づけたシステムでもあります。 

 

7)ペンション・ムジカ
 http://musica.maxnt.co.jp/ をご覧下さい。

 プレーヤはガラード401 オルトフォンSPU-G → 昇圧トランス:カンノSPU30
→ カンノ・スーパーパーマロイ・トランス結合式タイプSPU
→ WE-262B-349A-284Dのモノラルパワーアンプ

 CDプレーヤーはフィリップスLHH1000


 改めて言う必要もないかと思いますが、これほど清々しい弦楽器と膨らみすぎない低域を聴かせるオートグラフはないでしょう。もう、脱帽の一語に尽きます。 

  450 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/22(日) 21:08

お金の無い若者や初心者にこれいいよ!っていうお手ごろなアンプありませんか?


451 名前:K :2001/07/22(日) 22:43
>>450
まず、タンノイのスピーカーは何をお使いになるか、です。

タンノイのタンノイたる所以のスピーカー、プレステージシリーズをお使いいただけるとして、新型のトールボーイタイプのスターリングを念頭に入れて検討してみます。

で、アンプは価格を抑える意味合いからもプリメインタイプを選びます。となると、>>447 でお書きしたエアータイトのATM-1 (\360,000)がお奨めかと思います。

繊細さとパワー感を併せ持ち、スピーカーコントロールもかなりなものかと思います。何よりも、低域のダブツキがかなり抑えられつつ、低域の伸びが良いというのは、特筆すべき点でしょう。

もう少し価格を下げたいのなら、C.R.ディベロップメンツのKalypso 10th Anniversary(\198,000)か、ユニゾンリサーチのSR1(Hi-brid Stereo Integrated Amplifier MOS-FET/ECC82×2 80W+80W \150、000)あたりが良いかと思います。Kalypsoは小気味よく軽快で、繊細さも併せ持ったアンプです。
一方、SR1は、ちょっと線が細いかも知れませんが、スケールの大きさをちゃんと出してくれるので、スターリングに使用している友人は、けっこう気に入っているみたいです。

452 名前:K :2001/07/23(月) 02:14
タンノイ用システムを安くあげる方法を考えてみました。

タンノイにはなぜだか真空管アンプが合う様で、今までパスラボの方を除いて、どうも石のアンプでちゃんと鳴っていたのを耳にしたことがありません。あ、ユニゾンリサーチのSR1はプリ部が真空管で出力がMOS-FETですから、ハイブリッドでしたね。これは良い感じでした。

で、真空管アンプを使用することを大前提として、何とか安く上げる方法を考えてみました。


SOUNDというメーカーのValve 100(\80,000)は、6L6GCを使用した8Wのプリメインアンプです。ICLが値上げしてしまったので、唯一、10万を切るモデルです。

実際にはタンノイと組み合わせていないのですが、B&W 805と組み合わせてみた感じでは、タンノイを鳴らすには、ちょっと力不足になる可能性はあります。ただ、相手が能率の悪いB&Wでしたから、タンノイで93dBもあれば、けっこういけるかも知れません。雰囲気は非常に良かったので、もし機会があればお試しになってみると良いでしょう。

で、これも実際はタンノイでは試していなくて、アルテック604-8Gの友人宅で試してみたのですが、エアータイト(A&M)のキット・ブランドである、アコースティック・マスターピースのKT88シングル・ステレオパワーアンプM101が、けっこう合うかと思います。キットと言っても、半田付けが済んだ半完成品モデルが1万円プラスの\128,000ですから、ビス止めを数カ所行う必要がありますが、お手頃価格かと思います。定格出力は8Wですが、我が家のATM300も8Wながら、ユニゾンリサーチのSR1よりもパワー感があるほどですから、十分、いけると思います。

しかも有り難いことに、他の製品版と同様、CDダイレクトに対応でき、プリアンプも別売でC101(キット価格\98,000)が用意されていて、最初はメインアンプだけ、余裕が出来たらプリを購入してセパレートで使うと言うことも出来ます。


720 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/08/24(金) 20:22

是非タンノイで聞いてみたい想像しただけでウキウキするアンプってありますか?
僕が行きつけのお店にあったカウンタ−ポイントSA−4は良さそうでしたが。


721 名前:K :2001/08/24(金) 21:07
>>720
私は友人宅のG.R.F.Memoryでプリ、メインともカウンターポイントの組み合わせで聴きましたが、カウンターポイント、非常に良かったですよ。ジャズがあんなふうに鳴ってくれるとは、私も意外でした。

さて、タンノイと相性が良くて、ウキウキする様なサウンドで鳴ってくれるアンプの一つに、Marantzの
オリジナル#7と#8Bの組み合わせがあります。

これを聴くまでは、私はタンノイのスピーカーでジャズなんて絶対に聴けないと、盲信していたのですが、この組み合わせで聴いてからというもの、それは誤りであることが身にしみてわかりました。

また、カンタベリー15とEARのV20の、妖艶な組み合わせも捨てがたいものがあります。

他には最近聴いてビックリしてしまった、AIR TIGHT(A&M LIMITED)のATM-1というのもあります。これはCDダイレクトが付いているので、プリ無しで聴くことが出来ます。国際的にはATM-2の方が出力が片チャンネル80Wも出るので人気がありますが、個人的にはちょっと荒っぽくて、単調な気がするので、繊細で弾むような鳴り方をするATM-1の方が好きです。

さらに同社のATM-300は芯のある立ち上がりの鋭い低域と、みずみずしくてフレッシュな高域が見事。オートグラフ・ミレニアムだけでなく、アルテックの604-8Kにも相性が良くて、今、我が家ではそちらとの
組み合わせで使用しています。


485 名前:K :2001/07/27(金) 16:06

S/A Labs High End Horse3.5のケーブルをつなげるました(^^)v

そしてその成果ですが、大笑い。今まで、「鳴らない」と文句ばかり言っていたタンノイのオートグラフ・ミレニアムですが、なんと鳴りすぎるくらい、鳴る様になっちゃいました(^^;

確かにジャズなどを鳴らすには、JPSのSuper Blue 2は良かったし、低域が肥大せずに、高域まで
一本、ビシッと芯が通っていたのですが、クラシック音楽を聴く場合は、特にタンノイのスピーカ
ーを使って「高解像度」かつ「伸びやかな低域」で聴こうとしたら、S/A Labs High End Horse3.5
の方が、断然、気持ちよく聴くことが出来ます。

低域は伸びる伸びる、ホーンの板も、よく響きます。そして何よりも、LINNのCD12の、ステージにオーケストラの演奏者がビッシリ密集して並んでいる感じが出てくるようになり、「現代版・オートグラフ」ならではのサウンドを楽しむことが出来ます。

おそらくこの音は、旧タンノイ派からは、「ソナス・ファーベルじゃああるまいし、小綺麗で分解
能良く、色気たっぷりに鳴らしてどうする!」とお叱りを受けるかも知れません。また、ウィルソン・オーディオのSystem 6派からは、「分解能ではウチに敵わないんだし、高分解能で聴きたかったら、タンノイなんて問題外」と言われそうです。

でも、EARのV20で鳴らした時の音を聴いてしまうと、もう、後戻りは出来ません。

CD12のお陰もあるのでしょうが、凛として清々しく、透明感(これはSPケーブルのお陰?)
あふれるタンノイサウンド……。

どこかで聴いたことがあるようだと思ったら、なんとあの、長野県原村のペンション・ムジカの清
々しさに相通じるものがあるんです。もう少し、我が家の方が、低域は出ていますし、V20なら
曇らずに、スッと出てくれます。分解能では、圧倒的に我が家の勝ちです。

時代が変われば変わったで、オートグラフで鳴らす音楽の楽しみ方も、新たな展開を見せてくれる
ものだと、感心した次第です。

それにしても、V20で良いとなると、コニサーや是枝300Bプッシュプルアンプが、宙に浮い
てしまいます。コニサーが160万。是枝300Bが168万。合わせたものが、55万円少々のプリメインアンプに敗れてしまったと言うのは、なんとも皮肉な話です。

516 名前:K :2001/07/28(土) 14:55

現時点での我が家のシステムは、下記の通りです。

CD12 → Red Rose Music Silver 1(インターコネクトケーブル)
→ EAR V20 → S/A Labs High End Horse3.5(スピーカーケーブル)
→ オートグラフ・ミレニアム

http://mimizun.com/2chlog/pav/ebi.2ch.net/pav/kako/992/992992601.html

EAR V20プリメインアンプ
http://www.mmjp.or.jp/ippinkan/newpage124.htm

EAR の真空管アンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/480.html

12. 中川隆[-11272] koaQ7Jey 2020年9月20日 14:02:29 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[41] 報告

「音楽&オーディオ」の小部屋

オーディオ訪問記 2014年09月02日

このたびの試聴会は、つい最近我が家にお見えになったNさん(福岡)の「音のいい三極管の中でもWE300Bと並んで最高峰とされるPP5/400真空管の音を是非聴いてみたい」とのご要望で実現したもので、同行者はNさんのほかにKさん、Mさんの計4名、自分にとってSさん宅はこれで3度目だった。
             

Sさんは圧倒的な「ブリティッシュ・サウンド」党で、使ってあるスピーカーは


「タンノイ・コーナーヨーク・シルバー」

「AXIOM80」

の2系統のシステム。


老舗ブランドのタンノイのユニットは自分のおぼろげな記憶によると

(モニター)ブラック、シルバー、レッド、ゴールド、HPD

へと変遷を遂げており、初期のブラック、シルバーはまずお目にかかることがない珍品だが、

Sさんは知人のイギリスのディーラーを通じてようやくこのシルバーを手に入れられたそうだ。当時はモノラルの時代だからステレオ方式として程度の揃った2本を手に入れるのは至難の業だったろう。

製造のロットナンバーがN0.4(写真右)、片方が200番台とのことで非常に珍しい初期タイプのシルバーである。

これらスピーカーを駆動しているのは、これまた世界に2セットしかない珍しいアンプ。      

BBC放送局の技術者が個人的な趣味で作ったアンプだそうで、製作当時ヨーロッパのアンプ選手権で「グランプリ」の栄誉に輝いたもの。

出力管は前述したように「PX25」真空管の親分筋に当たる「PP5/400」で(現在オークションでは35万円で出品されている!)トランスはパートリッジ(イギリス)を使用。

なおCDプレイヤーはつい最近手に入れられたフィリップスの「LHH2000」。これはマニアの間で名器として知られているものの、何せ古い製品なのでピックアップが“へたっている”ものが多いが、今回の購入に当たって別途に程度のいい一式に入れ替えられたそうで念が入っている。


はじめに「タンノイ・シルバー」を聴かせていただいたが、「AXIOM80」と音質がそっくりなので、

「AXIOM80にしてはえらい低音が出てますね」

「いいえ、鳴っているのはシルバーです」

とのご返事に思わず赤面(笑)。

同じタンノイといいながら、ユニットが違うとまったく別物との感を深くした。
あのタンノイ独特の鈍重な音(もちろん、それがいいという人も沢山いるが!)がすっかり影を潜めてメチャ繊細な音がするのに驚いた。


滅多に聴けない音を聴かせていただき大満足だったが、実は今回の試聴会で我が家からアンプを持参させてもらった。

26日(火)の試聴会で好評だった「刻印付き2A3」シングルアンプ。

         

Sさん宅の「AXIOM80」は最初期のオリジナルユニットで我が家の復刻版と違ってどういう鳴り方をするのか大いに興味があったのでSさんのご了解のもとに持参したわけだが、さすがに「PP5/400」には位(くらい)負けするものの期待以上の善戦だった。

同行したKさん(福岡)が持参されていた「2A3の1枚プレート」(アクチュラス)、「4ピラー」(レイセオン)ともそれぞれ差し換えて比較試聴したが、個人的にはやはり「2A3の1枚プレート」に一日の長があるように思った。

オークションにも滅多に出ることがない球だが、今後手に入れたい真空管の筆頭である。

およそ4時間ほど、心ゆくまで“品のいいイギリスの音”を堪能させていただいて一同帰途についたが。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/4106b665a971050732f538d2b01e12d4


▲△▽▼


どうも気になる「タンノイ」さんのオークション - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2019年11月13日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/df629ef2aeef7672918cc942f559d86a

「タンノイ」といえば英国を代表するクラシック向きのスピーカーとしてよく知られていますよね。

もし知らない方がいるとすれば、それはこの世界では「潜(もぐ)り」です(笑)。

日本でも根強い人気があって、クラシック・ファンであれば購入時に候補として一度は俎上に乗せると言っても過言ではあるまい。

自分もその例に漏れない。しかし、実際に購入してはみたものの、そのタンノイさんに不満を感じだしたのにそれほど時間はかからなかった。

なにしろ低音域はボンヤリしているし、グッドマン系に比べると中高音域はやたらに硬いしヴァイオリンの音色もイマイチ。

まあ、人それぞれだけどね(笑)。

オーディオに限っては思い切った「行動派」なので、ボックスだけは少しの改良に留めてそのまま活用することにし、中身のユニットについてはそっくり入れ替えた。

ただし、黙っておけばいいものをときどきブログでタンノイさんの否定的な面を強調したりするもんだから、途端に該当記事の「共感バナー」のアクセスが減少気味になるのに気付いている(笑)。

このブログの読者の中には「タンノイ使用者」が多い現実に改めて気付かされるが、何といっても(このブログの)取り柄は「自分の思ったままに書く」ことだけなので怯むつもりはまったくない。

とはいえ、「雉も鳴かずば撃たれまいに」の感はたしかにある(笑)。

そういう状況のもとで、ずっと昔のタンノイさんのモデルについてはある種の憧憬をいまだに持っている。

たとえばユニットにとって一番大切な「マグネット」でいえば「シルヴァー」「レッド」「ゴールド」あたりのもので、とても透明感に優れ、しなやかな中低音域に恵まれているのが素敵。

お値段次第によって”あわよくば手に入れたい”という色気はまだ捨て切れていない。

そういう中、このほど興味深い出品物が二つあった。

まずは、箱の方から。

解説には、「タンノイ 12インチ用 オートグラフエンクロージャ Utopia製 ペア の出品です。同時出品しておりますモニターシルバーを取り付けていたエンクロージャです。ユートピア社により、オリジナルを忠実に12インチ用にスケールダウンされたものです。」

素人の工作ではまず無理ともいえる豪華な箱に大いに食指をそそられる。

そして、中に容れる肝心のユニットはもはや幻の存在とも言っていい「モニター・シルヴァー」である。

   

解説では、「タンノイ モニターシルバー 12インチ LSU/HF/12L ペア の出品です。センターキャップが装着されていないので、おそらく希少な初期型のユニットかと思います。

コーン紙の状態は、撚れやピンホールも無く良い状態かと思います。出品に当たり、音出し確認を行いましたが、ビビリも無く問題の無いことを確認しました。ネットワークはおそらくオリジナルと思われます(購入時に販売店より聞いています)が、カバーの欠品と当方の浅学のため断言出来ません。」

ちなみに、口径38センチの「モニターシルヴァー」と「コーナーヨーク」(オリジナル)の箱のセットを持っている知人の話によるとペアで「180万円」で手に入れたとのことだった。

   

今回は口径「12インチ」(30センチ)だから、やや小ぶりになるが自分の好みでは「38センチ」よりも「口径30センチ」の方がスケール感では劣るものの音声信号に対する応答性に関しては上。

したがって願ったりかなったりの出品物だが、スペースの関係で箱の方はちょっと厳しい。

問題はユニットである。最後まで注目していたところ、最終落札価格は「601、000円」(10日夜)なり。

ちなみに箱の方は「102,000円」だった。合計すると「703,00円」になる。安ッ!

「ウェストミンスター」を持ってなければ参戦したんだけどなあ(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/df629ef2aeef7672918cc942f559d86a


▲△▽▼


黄金の組み合わせ - 「音楽&オーディオ」の小部屋

タイトルの「黄金の組み合わせ」と聞いてピンとくる方はきっと年配のオーディオ愛好家に違いない。

50年ほど前のオーディオ専門誌「ステレオサウンド」で見かけた言葉だが、スピーカーが「タンノイVLZ」、アンプは「ラックスの38F」アンプの組み合わせがそうだった。たしか、五味康介さんがこの組み合わせを強力に後押しされていたと記憶している。

当時は大のタンノイ・ファンだったので、我が家でもこの組み合わせを導入して大いに楽しませてもらったが、そのうち「あさはか」にもオーディオ評論家の口車に乗せられて「VLZ」(イン・オリジナル・キャビネット)を下取りに出しヤマハの「1000モニター」を購入してしまった。

今となっては、とんでもないことを仕出かしたわけだが、これはいまだに後悔していることの一つである。

たとえば、昨年(2017年)の12月にオークションに出品されていた「VLZ」(箱付きのモニターレッド)は落札価格が35万円前後だったが、片や「1000モニター」の今の相場は2万円前後だから月とスッポンだ(笑)。

振り返ってみるとタンノイの中ではこの「VLZ」(口径25センチ)が一番バランスが取れていた。

その後、口径38センチに換えてから、あのスピード感のない「ぼんやりした低音域」が嫌になって、いつのまにか「タンノイ嫌い」になってしまったが、もしかしてあのまま「VLZ」を使っていたら、こうも迷路を彷徨しなかったかもしれない。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/32dbdc93ac28ca05dc04a9cfc6d96235


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2018九州ハイエンド・オーディオ・フェア - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2018年04月19日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/0c186ce30301a4edc1cab900c1fb40ab

去る15日(日)、「2018九州ハイエンド・オーディオ・フェア」(会場:福岡市、「マックス・オーデイオ」主催)に行ってきた。         

タンノイさんの「カンタベリー」(356万円)だが、これも感心できなかった。やたらに高音域がうるさく何だか金属的な響きがするし、低音域の沈み込みも明らかに足りない。

昔のタンノイは良くも悪くも「いぶし銀のような音」に特徴があったのだが、まさに隔世の感がある。

クラシック再生に限らずジャズの再生も併せて狙ったような音だったがどうも周波数レンジを広げ過ぎて音の密度を薄くしたような印象で、このスピーカーもただでくれるといっても要らない。

   

モニターオーディオ(イギリス)の「PLー300U」(160万円)だが、これが一番気に入った。日本のイギリス大使館に収めてあるそうだが、とてもバランスが良く品のいい音で感心した。

低音域の沈み込み、独特のツィーターによる高音域の自然な佇まいなど非の打ちどころがなく、これは欲しいなあ、一瞬、我が家のウェストミンスターを叩き売ろうかと思ったほど(笑)。



▲△▽▼

ときどきメールをいただくタンノイ愛好家の「I」さん(東日本)からも次のようなコメントが寄せられた。ご本人のご同意のもとに、以下のとおり掲載させていただこう。

「タンノイは、ボワンボワン・キーキーという定説的な評価がありますが(これがお好きな方もいますが)、私は決してこれがタンノイの真実ではないと思います。

私自身は、Hpd385A、モニターゴールド15を通じて16年間タンノイと格闘(笑)していますが、そういった縁で個人宅で様々なタンノイを聴かせていただく機会に恵まれました 。

どのお宅のいずれも、定説的な音で鳴っているところはなく、タンノイの使いこなしについて様々なご教示を頂くことが出来ました。

アンプやケーブルの選択に気を使われていることはもちろんなんですが、ある法則があることに気が付きました。

@ モノラルパワーアンプを使用している。

A 機材は、スピーカーの間に置かない。

B spは、mm単位で調整

C タンノイ以外のスピーカーは置かない。

私がここまでタンノイへの興味が尽きないのは、十数年前に聞かせていただいた定説的な音とは真逆のタンノイを聴いてしまったからなんです。

部屋いっぱいに展開するオーケストラ、立体的な音像、風のように静かに流れて来る低弦楽器、これが本当のタンノイと知ったゆえなんです。

〇〇さんにも、本当のタンノイの音を知って欲しい。そうすればもう「タンノイさん」なんて揶揄するような言い方をしなくなるんじゃないかと(笑)。

機会があれば、拙宅の音もぜひ聴きにいらしてください。ヒントは惜しみなく公開しますので(笑)。」

実は、これまでオートグラフを主体に幾多のお宅の「タンノイ」を聴かせていただきましたが、オーケストラはともかく、総じて「ボーカル」「ヴァイオリン独奏」「金管楽器の咆哮」にやや憾みが残ったのは残念です。ジャズはもちろん論外でした。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/9568e8f5f2b4af0e31e792af48c096aa


▲△▽▼

オークション情報〜タンノイ・コーネッタ〜 - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2020年06月08日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/84f3f8c63940901db0d50f05d579347f

オークションの画像を観ただけで「これは欲しいなあ!」と、思わずつぶやいてしまった。

解説にはこうある。
今回のTANNOY cornetta コーネッタは、1976年のステレオサウンド誌の企画によって、タンノイ・オートグラフを模して誕生しました。
又、2008年12月にステレオサウンド誌のタンノイ特集号にて、コーネッタ製作記事などの復刻版が出ました。

今回のコーネッタのサイズは、横幅830mm×奥行き540mm×高さ1,050mmです、オートグラフの高さは1,500mm以上あり、横幅が1,080、奥行き730mmですので、小型化設計・企画され、国内でキャビネット作成されましたのが、ステレオサウンド版のタンノイ Cornettaです。

タンノイの10インチ 希少なラージ・フレームのモニターゴールドを搭載しております。
型番は、IIILZ,ユニット:MONITOR GOLD LSU/HF/III.LZ/8/Uです。

タンノイの同軸スピーカーは、BLACK → SILVER → RED →GOLD → HPDとモデルチェンジして行きますが、RED、 GOLD期の10インチ・ユニットの名称が III-LZです。

過去に、TANNOY III-LZとして、オリジナルや国産キャビネットでのシステムを、数回紹介させて頂いておりますがスピーカーシステムの名称では無く、正式にはユニットの名称です。

タンノイ MONITOR GOLD III LZ 搭載のコーネッタをLUXMAN SQ38FDと繋ぎ、レコード、CDで試聴致しました...
音像定位の素晴らしさは、さすがにTANNOYです....

楽器の細やかな表情、繊細な響きと綺麗な余韻、多楽器でのスケール感と広がり.... 
低域の力感と豊かな量感があり、クラシック楽曲だけでなく、JAZZやポップス等々....様々な楽曲を堪能できました。

♪音楽に浸り癒される....優雅で素晴らしいシステムです♪

元々、タンノイでコーネッタ名のモデルはありますが、アメリカ市場用のシステムで、四角型キャビネットのバックロードホーンで、デザイン・音質共にまったく違うシステムです。

今回のコーネッタは、ステレオサウンド誌の企画でオートグラフを模して誕生した、オールド・タンノイの風格と気品のある銘システムです。」

とまあ、以上のとおり。

所詮は叶わぬ夢だと分かっている。現在4つのスピーカーがあってそれほど広くもない部屋に”たむろ”しているのでこれ以上増やすのは無理だと分かっていてもそれでも欲しい〜(笑)。

タンノイは我がオーディオの歴史においても無視できない存在となっている。もちろん「五味康祐」さんから多大の影響を受けているのだが、「VLZ・イン・オリジナルキャビネット」→「インパルス15」→「ウェストミンスター」という系譜を辿ってから、同じ英国のワーフェデール・グッドマンへと展開していった。

その中で現在一番後悔しているのが「VLZ」を手放してしまったことで、当時は無知だったなあとつくづく思う。今振り返ってみるとタンノイの中で一番バランスのいいユニットだった。

逆の言い方をすればタンノイの「15インチ」(口径38センチ)は自分には合わなかった。インパルス15は友人にそっくり進呈したし、ウェストミンスターのユニットはワーフェデールのユニットに入れ替えている。

なぜ合わなかったのかはあえて言わない。いちいち欠点を羅列すると愛用者を不愉快にするだけだから(笑)。

それだけに、今回のコーネッタは過去の汚点を覆すチャンスだったのだが、どうせ40万円以上はするだろうと思っていたら、なんと落札価格を見たら、「246,000円」だった。安いッ!

まったく手が出ない価格ではなかった!

結果論だが、この価格なら参戦して落札した暁には知人の広い(およそ80坪)部屋の片隅にでも置かせてもらう手もあったのにと臍を噛んだ。

まあ、結局「縁」が無かったんでしょうね〜。(涙)

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/84f3f8c63940901db0d50f05d579347f

13. 中川隆[-11271] koaQ7Jey 2020年9月20日 14:20:21 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[42] 報告
136 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/06/30(土) 22:05

タンノイはレッド>シルバ>ゴルド で良いのですか。


141 名前: おなかすいた 投稿日: 2001/07/01(日) 00:37

ブラック>シルバー>レッド>ゴールド だべ

143 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/01(日) 00:55
>>141
あたり!

144 名前: K 投稿日: 2001/07/01(日) 00:56
>>141
>ブラック>シルバー>レッド>ゴールドだべ

ををっ、「ブラック」とは、1947年に発表された1号機のことですね?
残念ながら私はまだ聴いたことがありません。
どこかで聴けませんかねぇ。
シルバーなら、京都の老舗旅館のオーナーのを聴いたことがありますが……。

93 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/06/28(木) 22:16

タンノイのSPはロンドンウエスタンの血が流れているのではないかと、妄想しているのですが、タンノイの出発点はなんなんでしょ。

146 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/01(日) 02:24
>>93
ロンドン・ウエストレックスつながりならバイタボックスだろう。

97 名前: 通行人K 投稿日: 2001/06/28(木) 22:55
>>93
1944年にオーディオショー(どこのかは失念)に出品されたALTEC 604です。

ちなみにタンノイはこれにヒントを得て1947年に同軸2ウェイを開発して、1953年にニューヨークのオーディオショーに発表しています。


100 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/06/28(木) 23:35
>>97
おおっ!ありがとうございます。妄想がはずれていたのは残念ですが。

604をヒントにしたら605みたいになっちゃったと言うことですね。
うーん。ロンドンウエスタンつながりならすごいと思ったのに。

106 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/06/29(金) 00:30

タンノイ好きな人は、他の同軸をどう思っているのかな。

109 名前: 通行人K 投稿日: 2001/06/29(金) 00:37
>>106
ちなみに私はアルテックの604-8K、604-Gも持っております。

で、8Kは山本音響工芸のエンクロージャーBX280に入れて聴いておりますが、ジャズがとても素晴らしいのは勿論、クラシック音楽、特にオケもののパワフルなサウンドは気に入っています。


147 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/01(日) 10:54

ブラックはアルテックを黒くペイントした物かアルテックのOEMと思うけど
タンノイはもともと、SP屋ではなく電気屋なので突然、同軸SPが出来るとは
考えにくい。

同軸SPは、ウエスタンとジェンセンが共同で開発した物です。


148 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/01(日) 12:18

製品化された最初の同軸は ALTEC 在籍中のランシングが作った 604 だって本に掲載されていたよ。

604が入れられた銀箱は、ALTEC に吸収される前のランシング社のもの。

吸収された時に権利が ALTEC に移ったもの。
つまり、604入り銀箱は基本的にランシングの作品。

ちなみに、ALTECの515も、288も、旧A-7箱もランシングの設計。

192 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/03(火) 16:38
>>93
152でKさんが紹介している中に、最初のウーファーは米マグナのウーファーを
使っているとありますね。

最初の同軸は、明らかに Goodmans のOEMです。
フレームやマグネットの形状が Goodmans のAudiom系のウーファーと同じです。


193 名前: K 投稿日: 2001/07/03(火) 17:20
>>192
最初の2ウェイ・スピーカーは、文献によると同軸ではなく、ウーファーとツィーター別々だった様です。1933年当初はアメリカマグナボックス社製のウーファーを搭載していて、タンノイオリジナルのウーファーを搭載するようになったのは、1936年からですから、ひょっとすると、その間、グッドマンなどにOEM依頼していた、ということは考えられないでしょうか?

また、自分が見たわけでないので何とも言えないのですが、世界初の同軸はアルテック604ですが、イギリスではひょっとしたらグッドマンの方がタンノイより同軸タイプの開発は早かったかも知れません。ですから、タンノイが1947年までに同軸タイプを自社生産する までの間、OEMだった可能性は、否定できないと思います。

194 名前: K 投稿日: 2001/07/03(火) 17:30
>>193
それにしても、グッドマンとタンノイ、スピーカーに関しては、ひょっとしたらグッドマンの方がユニット開発に関しては、先を行っていたのかも知れませんね。


196 名前: 192 投稿日: 2001/07/03(火) 18:05

Kさんなら、TANNOYのBlack、Silver、REDの外観は見た事があると思います。(写真か実物か問わず)

Black、Silverの頃はのシンプルなフレームは、Goodmans のものと同じです。Goodmansは英国最大のスピーカーメーカーであり、他社へのOEMも非常に多く、生産台数は圧倒的です。

TANNOY製品も Goodmans にOEMを依頼していたか、部品の供給を受けていたと考えるのが自然です。他の例をあげれば、Goodmans は米国ラファイエットラジオ、Knightラジオ、英国VitavoxなどにOEMをしています。

私は、TANNOY も Goodmans も好きで両方持っていますが、その当時、PA屋であった TANNOY と古くからのHiFi Speaker専業メーカーの Goodmans を比べて、

> ひょっとしたらグッドマン
> の方がユニット開発に関しては、先を行っていたのかも知れませんね

というのは、ちょっと…

197 名前: 192 投稿日: 2001/07/03(火) 18:18

タンノイ独自のウーファーとありますが、コーン紙の型って、めちゃくちゃお金がかかるんですよ。
たとえば、JBL の D123 というスピーカーがありますが、これと、Jensen と Westrex(型番は知らないのですが)と、全く同じ形のコーンを使っているものがあります。型の共用かどこかの OEM ですね。

古い Goodmans の業者向けの広告で、

「うちは、どんな形のコーンも、どんな配合の紙でも準備できます。」

というのが、あります。

となると、Tannoy のウーファーというのも、タンノイ仕様の Goodmans の紙なのかもしれません。後に(HPDでしたっけ?) からドイツのクルトミュラーコーンに変わりますね。


198 名前: K 投稿日: 2001/07/03(火) 18:38

>コーン紙の型って、めちゃくちゃお金がかかるんですよ。

コーン紙だけでなく、型って、なんでも高価ですからねぇ。

現在は金型の技術は、日本が世界最高だと、日立のICチップ製造責任者が申して
おりましたっけ。

>となると、Tannoyのウーファーというのも、タンノイ仕様の
>Goodmansの紙なのかもしれません。後に(HPDでしたっけ?)
>からドイツのクルトミュラーコーンに変わりますね。

私は英国タンノイ社の営業担当者と直接話したことがありますが、

「あの火災が起こる前までは、すべて自社で生産していた。ユニットの紙の配合は、 秘密だったからね。火災さえなければ、クルトミューラーにお願いすることはなかった。ハーマン・グループの傘下に入ることもなかった」

と言うようなことを言っていました。

営業の方だから、東洋から来た私のような一見さんに真実を話す必要はないという
ことで、嘘をついていたとも思えないのですが……。

もし、形状が似ているとすれば、型造りはグッドマンに依頼し、実際に自分の所で
製造していた、ということは考えられませんか?

アッセンブリ工場の元担当者に訊いてみようと、当時の資料を探してみたのですが、残念ながら見あたりません。私が調べられるのは、ここまでの様です。

199 名前: 192 投稿日: 2001/07/03(火) 18:46

英国の会社は、お互いに部品のやり取りをしていますから、Kさんの仰るような話があったのかもしれませんね。


200 名前: K 投稿日: 2001/07/03(火) 18:55
>>198
>もし、形状が似ているとすれば、型造りはグッドマンに依頼し、実際に自分の所で製造していた、ということは考えられませんか?

と書いた後、

「設計プランの幾つかを社長の所に持っていき、最終設計図は、社長自ら描いた」

と言っていたことを思い出しました。

となると、コーン紙の金型が同じ、ということも考えにくい様な……。

でも、当時のコーン紙の金型がべらぼうに高価だったとしたら、グッドマンのをそ
のまま使い、フレームやボイスコイル等でオリジナリティーを出していた、とも考
えらますね。

ま、グッドマンに金型造りをお願いしていた可能性は、いずれにしてもありますね。


215 名前: K 投稿日: 2001/07/06(金) 10:06

ハーマンの傘下に入ってからというもの、いくら経営体質改善のため、とはいっても、クラフマンシップを持っていた老練なエンジニア達もみんなクビを切ってしまったのはどうかと思います。

安くて手のかからない収益性の良い製品を中心に作っていって、ブランドイメー
ジだけで聴かせるのは無理があることを N.J.クロッカーや T.B.リビングソトンな
どの、かつてのタンノイ生え抜きの方達が気付いて、タンノイを復活させてくれ
て本当に良かったと思います。


216 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/06(金) 11:41

ヒノの親父が、今のタンノイは Goodmans の工場で生産している。
といっていたけど、どうなんだろうね?

TEAC あたりも金をだして、Harmanから株を買い戻したけど、工場に関しては、一度焼けちゃって、難しいだろうしね。

確かに、新生タンノイの工場として、TANNOYマークのついたビルの写真は見たことがあるけど、そんなもの、どうとでもなるしね。

TANNOYって、TANNOY と Modaunt Short と、あと何社かでグループを
作っていましたよね?

217 名前: K 投稿日: 2001/07/06(金) 17:58
>>216
>ヒノの親父が、今のタンノイはGoodmansの工場で生産している。
>といっていたけど、どうなんだろうね?

まだそんなことを言っているんですねぇ。(^^;

ヒノ製オートグラフの音が悪いと言うと、必ず口にするのがそのセリフ(^^;;

私が更に、

「レッドを入れても、お宅のオートグラフじゃ、あんまり良い音しないねぇ」

とチャチャを入れたところ、烈火のごとく怒って、

「ティアック製のエンクロージャーしか聴いたことのないヤツに何がわかるか!」

と言われ、二度と敷居をまたげない身となってしまいました(^^;;;

確か、TDシリーズの時だったと思いますが、グッドマンの研究者と共同研究やっていますから、製造も部分的にお願いしちゃっているかも知れません。

タンノイがクルトミューラー社のコーン紙を使うようになってから堕落したと言う人に対して、

「そりゃぁ、あんたの様に1960年代のLPしか聴かん人間には、昔のモニターレッド以外はクズにうつるだろうさ。でも、最新のデジタル録音のCDを昔のオートグラフと今の G.R.F.Memory、どちらで聴くと訊かれたら、俺は新しい Memory にするね。

それを堕落と言うなら、それでも構わない。どちらを選ぶかは俺自身だし、もしユーザーのことを考えないで製品開発していたとしたら、会社はつぶれちゃってい
るか、俺のようなユーザーは見向きもしなくなっているだろうね」

といいうようなことを申しておりました。

私も同感で、タンノイというメーカーが、このデジタルの時代に信念を持って製品作りをしていれば、たとえ組み立て工場がグッドマンでも、セレッションでも、はたまたバイタボックスの共同工場でも、どこでも構わないと思います。

ただ、オートグラフのようなプレステージシリーズの場合は、設計も大切ですし、組み立てる場合は、それなりに熟練した方達が携わっていないと困ります。
だからと言って、タンノイの工場で組み立てたものでないとタンノイでない、なんて言うつもりは毛頭ありません。

出てきた音が、タンノイならではのサウンドを持ち、工作精度もかなり高くて私を満足させるものであったら、それは私にとって、やはり「タンノイ」だと思うのです。

>TEACあたりも金をだして、Harmanから株を買い戻したけど、
>工場に関しては、一度焼けちゃって、難しいだろうしね。


でも、「今度のはKEFにも負けない最新設備だ!」と、自信ありげでしたけど(^^;

>確かに、新生タンノイの工場として、TANNOYマークのついたビルの
>写真は見たことがあるけど、そんなもの、どうとでもなるしね。

叔父が申しておりましたけど、けっこう立派な工場だそうです。
で、「確かにそこで全部のユニットを製造するには、ちょっと足りないかもしれない。
JBLと共同で、東南アジアに低価格帯の製造拠点を持ったという噂もある」と申しておりました(^^;

>TANNOYって、TANNOYとModaunt Shortと、あと何社かでグループを
>作っていましたよね?

セレッションの研究施設は素晴らしいそうで、傘下に収めてから、小型モデルをたくさ ん出すようになりましたよね。それはそれで良いことだと思います。


218 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/06(金) 18:14

基本的にKさんの考えには同意できるんだけど、僕のIIILZ(英国から取り寄せた本物。日本で売られたIIILZの多くは国産箱らしい)の裏板の響きとか凄いですよ。

良いにせよ悪いにせよ、この響きが IIILZ というシステムの音に大きな影響を与えているわけで、違う材料で箱を作っても、全然違う音になってしまう。

もちろん、その「ちがう」が、より良いである可能性もあるわけだけどね。

あと、オートグラフは、モノラル時代に、モノラルで音の広がりを作る為の設計。あれをステレオで使うというのが、根本的に間違っています。

(そりゃ、アンチタンノイが言うように、音が散漫になるよね。もともと音を広げているんだから)


219 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/06(金) 18:19

それにしても、ヒノの親父
健康なユニットの紙を変なオリジナルに交換してしまうのは、やめてくれないかなぁ…

鹿革エッジもそうだけど、数年後にはリセールバリューすらないゴミになっちゃうよ。


222 名前: K 投稿日: 2001/07/06(金) 22:20
>>218
IIILZですか! いやぁ、懐かしい。

私は友人がIIILZが欲しいと言うことで、かけずり回って、やっと手に入れ、我が家で1週間、エージングとチェックをしたことがあります。あれは、もう、ヴァイ
オリンそのもの、という感じですね。

いかに板を響かせて美しい音色をつくるか、その極意のようながあるように思いました。

>あと、オートグラフは、モノラル時代に、モノラルで音の広がりを作る為の設計。あれをステレオで使うというのが、根本的に間違っています。(そりゃ、アンチタンノイが言うように、音が散漫になるよね。もともと音を広げているんだから)

オリジナルはモノラルが主なシルバーの時代と、ステレオがメインになってくるレッド以降は、私は比較試聴したことがないのですが、板の響かせ方が違っているそうです。

ま、「ユニットが違うんだから、響きが違って当然じゃないの?」と私は答えましたが(^^;

オートグラフは低域のホーンでまるで音に包まれているような感じを出しながら、フロントのホーンのおかげもあって、実はけっこうシャープな音像を結びます。

特に新しいミレニアムなどは、もの凄くシャープに音像を結びます。

G.R.F.Memoryよりも音像は小さいくらいです。


321 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/14(土) 01:46

ウエスタンのSPの良さは材質によるところが大きいと聞きますが(例えばヨークの鉄やホーンなど)しかしアルテックには、ほとんど採用されていません。

タンノイも1号機から半世紀が経っていますがやはり、古い物の方がコストが掛かっているのでしょうか?

初期のユニットと今のユニットを比べて材質的、構造的に良くなっているところ悪くなっているところなど、Kさんの思うところが聞いてみたいのですが。

324 名前: K 投稿日: 2001/07/14(土) 08:52
>>321
>やはり、古い物の方がコストが掛かっているのでしょうか?


アルニコマグネットは、高価だとききます。
超初期のブラック・モニターについては、ちょっとどうだったかは存じません。

>初期のユニットと今のユニットを比べて材質的、構造的に良くなっているところ悪くなっているところなど、


モニターレッドと較べて、ユニットを叩いてみた時の変な共鳴は無くなっています。
コーン紙もガシッとしていて厚みがあり、叩いた時にレッドだと少し高めの「コーン」という響きですが、G.R.F.Memory やウェストミンスター・ロイヤルでは、「ドス」と低めで余計な響きが付いてきません。

おそらくは耐入力UPと、特に低域再生の改善を図ったら、こういうふうになったのではないかと思います。

ただ、タンノイの場合、ユニットの「余計な響き」というのも計算に入れて、たとえばオートグラフなどは設計されているように思えるので、特性的には最新機種が良いのかも知れませんが、再生したときのタンノイ独特の味わいとかは、昔の機種の方があるのではないでしょうか?

411 名前: K 投稿日: 2001/07/19(木) 13:44

オートグラフは確かにモノラル時代に開発され、ステレオとして発売した後、ガイ・R・ファウンテン氏自身、

「ステレオの時代に(オートグラフが)生き残れないかと思っていたが、同軸2ウェイのお陰で、他の(その頃の)スピーカーよりも定位が良く、むしろステレオ時代になって世の中に認められた気がする」

というような記事を1960年代半ばのイギリスの雑誌(雑誌名失念)に載せていたそうですから、よくよくそこのところはわかっていたのでしょう。

ちなみにモニター・レッドは当時の最高のモニタースピーカーを目指してモニター・シルバーをベースに開発されたものですが、当初は録音スタジオなどに小型のエンクロージャーに納めて納入されていたそうです。ですから、オートグラフ専用のスピーカーではありませんでした。

しかしその性能を生かして音楽を楽しむスピーカーシステムにするべく、ガイ・R・ファウンテン氏は、オートグラフにこだわったところが、また、素晴らしいと思います。

モニター・ゴールドの時にもコーナータイプを止めようと言う話もあったそうなんですが、オールホーンにこだわり、低域が出ないというホーンシステムの欠点を補う意味でも、コーナータイプの方が良いのだ、と力説したそうです。

ガイ・R・ファウンテン氏にとって、ピンポイントの音場表現よりも、ホーンロードに木を多用して共鳴させ、音像はやや大きくなっても豪快に鳴るスピーカーシステムが「音楽的に良い」と感じたんだと思います。その上、当時の技術では、なかなか20Hz再生が難しかったわけですから、20Hz再生が出来るというだけでも、オートグラフは存在価値があるモデルだったのだと思います。

1981年、タンノイがハーマングループから独立、復活を遂げますが、その際にもどういう商品構成でいくか、だいぶ議論があったそうです。

当時はBBCモニターが躍進してきていて、ロジャース、スペンドール、ハーベースの御三家に加え、KEFなどもコンピューター解析を利用した、位相管理を重視した製品作りが行われていました。

タンノイの営業担当者はそういった時流に乗った製品開発を望んだそうですが、社長をはじめとするメインスタッフは、「タンノイという看板がある限りは、ガイ・R・ファウンテンの遺志を継ぐ製品作りをしていく」との意見だったとのこと。

ただ、オートグラフを作るには、それなりの高度な木工加工技術を有するエンジニアが必要で、ガイ・R・ファウンテン時代からのスタッフとして一人は居たそうですが、商品として作り続けるには熟練工一人だけでは駄目だ、ということで、急造チームでも製造可能な、G.R.F.Memory になったといういきさつがある様です。

これには、3ウェイのスピーカーの商品開発を新たにすると、膨大な開発費用と、最低2年以上の開発期間が必要ということで、「KEFと同じ路線で勝負しては、後塵を拝し続けるばかりだ」という副社長の意見も影響していたのかも知れません。

それにしてもこの頃のタンノイは、何故だかKEFを最大のライバル視していた様です。おそらく1977年発表、翌年発売のModel 105がよほど衝撃的だったんでしょうね。(^^;

ま、いろんな意味で、タンノイのスタッフ達は自分たちのアイデンティティーというものを、しっかり理解していたのだと言えましょう。


415 名前: K 投稿日: 2001/07/19(木) 16:26

タンノイとKEF(BBCモニター)の関係について、面白いことを聞きましたので、書きます。

1950年代より、BBCのD・E・L・ショーターを中心に、1960年のFM放送に向け、モニタースピーカーの開発が行われておりました。

この開発に協力し、製造を担当したのがKEFの社長レイモンド・クック。

LS5/1Aと言う、EL34プッシュプルの専用アンプが付属した、2ウェイ3スピーカーシステムを1960年に完成させています。その後、微細なモデルチェンジをして、完成度を高めて行きます。

1967年にモニターゴールドを搭載、モニタースピーカーを発売したタンノイ社でしたが、モニター・レッドで好評を博したタンノイのモニタースピーカーも、このLS5/1Aには及ばなかったのか、次々と取って代わられたそうです。

英デッカのモニタースピーカーも、1965年頃にはモニター・レッドから、LS5/1Aにとって代わられたそうで、さすがに心中穏やかではなかったでしょうね。

そういうわけで、モニターレッドはけっこうモニタースピーカーとして活躍したのですが、モニターゴールドは、どちらかと言うと、オートグラフなどタンノイのコンシューマー用スピーカーとして活躍したモデルだったそうです。

そうそう、BBCモニター御三家と言う場合は、ロジャース、スペンドールは正しかったのですが、あと一つがハーベースではなく、「チャートウェル」を入れなければならないそうです。

1963年にBBC技研に入社した、ハーウッドの弟子のデイヴィッド・W・ステビングスが1974年にBBCを辞して創設したのが、チャートウェル・エレクトロ・アコースティック・リミッテッド社で、1976年にLS5/8を完成。これはロジャースのOEMで製造されることになり、さらにこれからアンプ部を取り除いたモデルが、PM510として1980年、ロジャースから発売されることになります。

この1980年は実は大変な年で、1966年設立のB&W社が銘機801を発売している年なんですね。

よくよく見ると801は、KEF105にそっくりですね(^^;

私はこの形を見ていると、「親亀の背中に小亀を載せて、さらに(?)その上に孫亀載せて〜」って歌(?)を思い出してしまいます。

またこの年は、ショーターの後を受けてBBC技術研究所の主任研究員だったH・D・ハーウッドがBBCを辞してハーベース社を設立、Monitor HLを発売した年でもあります。

1981年にハーマンから独立したタンノイって、本当に大変な時期に新たな出発をしなければならなかったんですね。

ちなみに1971年、最初のBBCモニターの称号を手に入れたのは、上記のKEF社。

更にスペンドール(BC IIが有名)、ロジャースと続きます。

ロジャースは1978年発売の小さなBBCモニターLS3/5Aが有名。

これはBBCのピーター・デンビーにジム・ロジャースが協力、開発したものだそうです。
http://ebi.2ch.net/pav/kako/992/992992601.html

14. 中川隆[-11270] koaQ7Jey 2020年9月20日 14:21:31 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[43] 報告
タンノイの1号機モニター・ブラックが聴ける店

Cricket Record
http://www.cricket-record.jp/

サウンド・コーディネーター 「札幌音蔵 」
http://www.cricket-record.jp/page/36


クラシック中心にジャズ、歌謡曲まで販売しています。
初版盤、輸入盤、日本盤、10吋、EP、CDと種類も豊富。
店舗にはネット掲載以外のレコードも揃えています。 

試聴用のスピーカーはタンノイの1号機モニター・ブラックをタンノイ製のアンプで鳴らしています。

営業時間:12:00〜19:00定休日:毎週水曜日

札幌市白石区栄通8丁目1−34 (東北通り沿いです。)

【クリケットレコード】 ☎:011-867-0130 
【札幌音蔵】 ☎:011-855-1214

地下鉄 東西線南郷7丁目下車 徒歩7分

AUDIO札幌音蔵の隣りの店舗です。駐車場3台有り。


地図
http://www.mapion.co.jp/m2/43.035695618854334,141.40972916666666,16/v=m1:%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E5%B8%82%E7%99%BD%E7%9F%B3%E5%8C%BA%E6%A0%84%E9%80%9A8%E4%B8%81%E7%9B%AE1-34
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%80%92003-0021+%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E5%B8%82%E7%99%BD%E7%9F%B3%E5%8C%BA%E6%A0%84%E9%80%9A%EF%BC%98%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%91%E2%88%92%EF%BC%93%EF%BC%94/data=!4m2!3m1!1s0x5f0b2baeb850b57d:0x912aa2e9826660e7?sa=X&ei=ytovVaO6H6HGmAWyg4DwCA&ved=0CGMQ8gEwCg

タンノイ・ユニットの選び方 Cricket Record
http://www.cricket-record.jp/page/31

15. 中川隆[-11269] koaQ7Jey 2020年9月20日 14:23:52 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[44] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋
オーディオ訪問記 2014年09月02日

今回の試聴会の最終目的となるSさん宅の音である。
スピーカーは「AXIOM80」とタンノイ「シルヴァー」のコーナーヨーク。

周知のとおりタンノイの38センチ口径のユニットは巷間、称されるところの


「ブラック」 → 「シルヴァー」 → 「レッド」 → 「ゴールド」 → 「HPD」


という変遷を遂げている。そして、残念なことにこの順番に手に入れるのが難しくなり、また音の方は次第に悪くなっていく(笑)。

このシルヴァーはイギリスからの直輸入とかでロットナンバーは3というから最初期のもの。

素晴らしい音だった。一同絶賛!

「通常のタンノイのイメージとはまったく異なる音ですね。驚きました。まるでアクロス・ホール(福岡)で聴いているみたいです。日頃タンノイを聴いている方にはぜひ一度この音を聴いていただきたいものですねえ。」とGさん。

自分も驚いた。

「この前聴かせていただいたときとは随分違う印象を受けました。細かい音の粒子が部屋いっぱいに広がって音響空間をふわっと漂っている感じです。それかといって音の芯もしっかり出ています。

これまでいろんなお宅でタンノイを聴かせていただきましたが、間違いなくベストだと思います。どこがどう変わったんでしょう?」

「AXIOM80」と「タンノイ・シルヴァー」と交互に聴かせていただいたが、どちらに軍配を上げるか非常に難しい(笑)。

強いて言えば、全体的な“ゆとり”という点で「タンノイ・シルヴァー」かなあ・・・。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/f42c1cfd4c25fa845a6501e70cf88936

16. 中川隆[-11268] koaQ7Jey 2020年9月20日 14:29:15 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[45] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋
「AXIOM80」愛好家三人組の例会〜第3回〜 2015年07月28日
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/6b09390fa41dd3cc6898c0baf2307804

三日前の25日(土)は「AXIOM80」愛好家によるオーディオの試聴会だった。


まずKさん宅で「AXIOM80」とラウザーの「PM6」を聴かせていただいたが、「いったいどちらが鳴っているんですか?」と戸惑うほど似通っている音だった。

同じイギリス系のユニットなので共通した音色があるのは分かるが、たった16センチ口径のラウザーから信じられないような低音が出ているのには驚いた。

駆動しているアンプは1925年頃に製造された古典管「210」(トリウムタングステン)のシングルアンプで「これはいい球ですなあ!」。

「ええ、もっとエージングを重ねるとさらに良くなると思います。210は稀少管ですが十分ストックがありますので安心して鳴らせます。」

Kさんの古典管のコレクションはマニアにとっては喉から手が出るほどの逸品がズラリで、「どうせ死ぬまでには使い切れないでしょうから少しばかり譲ってくださいよ」と、いつも冗談交じりに“からかう”のだが頑として首を縦に振ろうとはされない(笑)。

何年もかかって苦労して集められたのでそれぞれ愛着があり、どうやら命尽きるまでの縁として大切にされる方針のようだ。ま、オーディオに限らずほんとうに良い物とは持ち主が亡くなってからじゃないと市場に出回らないのが普通というものだろう。

二度と製造が利かない貴重な文化遺産だから、心ある人が手に入れて次代に引き継いでもらいたいものだが、近年は、ほんとうの価値が分からない海外の投資家によって買い漁られているようで残念。


1時間半ほど聴かせていただいて、いよいよ本命のSさん宅へ向けて出発。

今回の「例会」でのハイライトは我が家から持参した「71A」シングルアンプとSさん宅の「PP5/400」アンプの聴き比べである。「一騎打ち」と言いたいところだが、あまりにも格が違い過ぎるので「チャレンジ」という言葉が正しいだろう。

天下の銘管とされる「PP5/400」に対して「71A」がどのくらい善戦できるのか、まあ、価格からすると幕下が横綱に挑むようなものだが興味は尽きない(笑)。

           

左側の銅版シャーシのアンプが「71A」シングルで、入力トランス、ドライバートランス、出力トランスはすべて「UTC」(アメリカ)で固めている。真空管はすべて1920年代製造のナス管。

右側の「PP5/400」アンプは、イギリスのエンジニアの手になるもので、ヨーロッパのアンプコンテストで「グランプリ」」を取った逸品、世界で2セットしかない極上品の輸入物。トランス類はすべてパートリッジ。


スピーカーは「AXIOM80」とタンノイの「コーナーヨーク」の使い分け。

後者にはロットナンバー4の「シルヴァー」が入っている。

タンノイのユニットはその長い歴史を通じて「ブラック」〜「シルヴァー」〜「レッド」〜「ゴールド」〜「HPD」と変遷を遂げているが、段々と音が悪くなっているのはマニアなら周知の事実(笑)。

ちなみにSさんが随分と購入を迷われていた最初期の「ブラック」(東京のショップで480万円!)がとうとう売れたそうで、心残りというか何やら複雑なご心境のご様子だった。

         

左側のスピーカーが「AXIOM80」、右側がタンノイの「コーナーヨーク」。

はじめに「コーナーヨーク」の方を聴かせていただいたが「いつ聴いてもいい音ですねえ!」と一同、感嘆の声を上げた。タンノイといいながら、あの鈍重さはいっさい影を潜めて音抜けの良さや音色は「AXIOM80」と極めて似通ったところがあり、ブラインド(目隠し)で聴かされるとどちらが鳴っているのかおそらく誰も分からないだろう。

Kさん宅の音もそうだったが、どんなに違うSPユニットを使っても持ち主の調教によって音が似通ってくるのは否めない事実のようだ。我が家の「AXIOM301」(ウェストミンスターの箱入り)と「AXIOM80」の音もこのところ随分似通ってきた気がする。

余談はさておき1時間ほど聴かせていただいてから、いよいよ本番の「71A」アンプに繋ぎ替え。さあ、と一同固唾を呑んで耳を澄ませた。

テスト盤は「ワーグナー」でスピーカーの方は「タンノイ・シルヴァー」。


結論から言うと大善戦だった。「71A」がありのままの誇張のない個人的に楽しむワーグナーだとすると「PP5/400」の方は演出付きで聴衆向けの楽劇に仕上がっている。

好みが分かれるところだが、たかだか出力1ワットにも満たないアンプが、ワーグナーを結構スケール感豊かに鳴らすのだから一同驚いた。どうやら、いいスピーカーともなるとアンプから実力以上のものを引き出すようだ(笑)。

帰宅後にいただいたSさんのメール(抜粋)にこうあった。

「正直、ワーグナーをあそこまで鳴らし切る真空管アンプには久しぶりに出会いました。もちろんPP5/400は素晴らしいのですが、〇〇さんの71Aアンプは凄いと思います。ブルックナー辺りも聴いてみたいと思わせる素晴らしいアンプです。大切にしてください。」


アンプはパワーが全てではありませんねえ。ハイエンドのマニアが高出力・高価格のTRアンプを使っている例を雑誌などでよく見かけるが「真空管(古典管)じゃないと絶対に出ない音があるのに勿体ないことするなあ。」といつも思うが、まあ、趣味というものは人それぞれなので謗るのはこの辺で止めておこう(笑)。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/6b09390fa41dd3cc6898c0baf2307804


▲△▽▼


タンノイさんを敬遠する理由 2015年12月17日 | オーディオ談義

「AXIOM80」愛好家による試聴会も一段と佳境に入って、いよいよタンノイ・ウェストミンスターの箱に入れた「フォリップスのユニット」の試聴に入った。

その結果を述べる前に、オリジナルのタンノイさんのユニット(HPD385:口径38センチ、同軸2ウェイ)をなぜ外したかという理由を述べておかないと「画竜点睛を欠く」というものだろう(笑)。

ジャズを聴くのならJBL、クラシックを聴くのならタンノイとおおかたの相場は決まっているが、どうして世のタンノイファンの顰蹙をかうような行為を仕出かしたのか。

元はといえば熱心なタンノイファンだった。「VLZ」(オリジナル・イン・キャビ)から始まって「インパルス15」そして「ウェストミンスター」とグレードアップしてきたが、そのタンノイさんの音にいつしか就いていけないようになってしまった。今となってみると、「VLZ」が一番まともな音で鳴っていたような気がする。

「いい音」と「好きな音」は違うので、あくまでも好みの違いという観点からその理由を述べてみよう。また、これは我が家の「ウェストミンスターTW」という型式に限られた話なので念のため。

まず、弦の音色がちょっと硬すぎる。もっと余韻たっぷりに、ふわっと柔らかい響きが出てくれないと困る。我が家のシステムは「弦の音色」が第一優先事項である。次に中低音域がぼんやりしていて音階がはっきりしない。ネットワークに使ってある部品(特にコイル)がイマイチのようでそのせいかもしれない。総じて全体的な「雰囲気」で聴かせようとするスピーカーだが、自分のポリシーとは相容れない。

もちろん、この雰囲気の世界が好きという方も沢山いるだろうから、それはそれで良しということになる。

まあ、そういうわけでHPD385の代わりにJBLのD130ユニットや「AXIOM80」(復刻版)など入れ替わり立ち代わり変遷してきたわけだが、どうやら現在のフィリップスのユニット(アルニコ・マグネット)に落ち着いた。

この箱にはやはりフルレンジのユニットが合っているようだ。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8f2471a499d6695863c10fc377090dec


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SPユニット「AXIOM300」の到着 2015年12月04日 | オーディオ談義

「ネット・オークション」に英国のヴィンテージ・スピーカーの名門グッドマン社の「AXIOM300」がようやく登場した!

グッドマンはユニットだけで肝心の箱を作らなかったので、日本ではそれほど著名ではないが、本国イギリスではタンノイさんより格上と位置付けられているメーカーである。

稀少なアルニコ・マグネットで口径30センチのダブルコーンのフルレンジ・スピーカー。

オーディオ仲間からも「滅多にオークションに出ることはありませんが、もしAXIOM300が出たら絶対に買いですよ。」と、耳にタコができるほど散々聞かされてきたほど(笑)。

迷うことなく落札。競争相手もおらず、入札者は自分だけだったので出品価格でゲットできた。

「AXIOM300」の後継機種となる「AXIOM301」を持っているが、これはフェライト・マグネットでコーン紙が厚くててやや重たいのでどうしても音のスピード感がイマイチである。まあ、悪くはないんだが・・・。


現物を見てみると、想像以上に傷みが激しかった。エッジの外周にもところどころ綻びが見える。これでは誰も入札しなかったはずだと納得(笑)。

それにしてもコーン紙が薄くて実に軽い。明らかに音声信号に対する応答性の素性の良さが窺い知れる。そして重たい。アルニコマグネットの重量感はいい音質の保証みたいなものである。

さっそく、修繕に取り掛かって1時間ほどでどうにか完了。まあ、言ってみれば応急措置でいずれはSP修理専門店に出すことになるだろう。

とにかく雑音がするかどうかが最大のポイントなので、裸のユニットのままで真空管アンプに繋いでしばらくテレビの音を聴いてみた。

まったく異常なしだったのでこれなら大丈夫とばかり、ためらうことなくウェストミンスターの箱に入れているフィリップスのユニットとの交換作業に取り掛かった。

いつもの手慣れた作業で2時間ばかりで終了。             

胸をワクワクさせながら本格的な試聴に入った。先ず歌謡曲をかけてみた。「ええ音やなあ!」と感心した。

音がこなれているというのが第一印象でこれまで使ってきたフィリップスが「うら若き乙女の音」だとすると、これはお色気たっぷりの熟女の音といえるだろう。しかも上品さも兼ね備えている。さすがにグッドマンで「AXIOM80」と、どこか似たところがある。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/5277e68eaee4217d53b8191e6e8fe4ab


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☆ グッドマンのユニットとタンノイの箱は相性が悪い

今回の試聴会はウェストミンスターの箱に入れたばかりのグッドマンのユニット「AXIOM300」(口径30センチ:ダブルコーン、アルニコマグネット付き)がハイライトだったが、クラシック音楽向きでとても品が良くていい音なのだが、一緒に聴いていると、ちょっとおとなし過ぎる印象を受けた。

前回のブログで、この音について熟女のお色気といった表現をしたが、もっと「元気はつらつ」さが欲しい気がする。熟女は熟女でもいろんな年代があるのでねえ(笑)。

よく考えてみると、グッドマンのユニットは「ARU」(ユニットの背圧を調整する器具)付きで鳴らすのが前提になっており、非常にクリチカルな鳴らし方が求められるが、それをタンノイさんの箱に入れて鳴らそうなんて考えるのが土台無理だったかもしれない。

そもそもイギリス本国で強力なライバル関係だった両社だが、グッドマンにしてみると自社のユニットをタンノイの箱に入れてうまく鳴らそうなんてつゆほども考えなかったに違いない。

やはりグッドマンのユニットは同社指定のこじんまりとした箱に容れてやるに限るようだ。同社のポリシーそのものがスケール感ではなく、緻密な再生の方を求めているように思える。

こういうことは、はじめに気が付いておけば「無駄な作業をしなくて済んだものを」だが、実際に試行錯誤してみないと思いつかない。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/54c6a03947cba3cf284eacf58d624265


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去る7日(月)に半日かけて入れ替えた我が家のSPユニットたち。      

これがフィリップスの口径30センチのアルニコ・マグネットタイプだが、これをウェストミンスターの箱に取り付けてみた。          

次に、SPユニット「AXIOM300」ユニットをグッドマン指定の箱に取り付けて、両者の完成後の画像がこれ。
            

今日(11日)が金曜日だから早くも5日目になるが、ようやく「こなれた音」が出てくれて各ユニットが落ち着くところに落ち着いたという感じ。

一番変わったのが「AXIOM300」でウェストミンスターの箱に入れていた時よりももっと奥行き感があって豊かな音が出てきたのにはほんとうに感激。

やはりグッドマンとタンノイさんは水と油だ。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8adf3b2733f6d6f8c62d297df6b62ffa

17. 中川隆[-11267] koaQ7Jey 2020年9月20日 14:35:57 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[46] 報告
タンノイ同軸型ユニット
https://www.cricket-record.jp/page/31


モニター・ブラック(1号機)【販売:1947‐1953 】

SP盤時代に製造されたSP盤に合う音です。
1号機では、クラシック、ジャズも素晴らしい音で鳴ります。
タンノイのユニットの中では最も質感の高い音です。
箱はオートグラフではありません。(下記画像参照)
現在では超入手困難なユニットです。

モニター・ シルバー 15Ω 【販売:1953‐1957】

モノラルのレコードの出始めに製造され、モノラル盤がうまく鳴るユニットです。

【前期タイプ】
全体が黒い布ですっぽりと覆われています。この布のために音のヌケが少し悪い感じがあります。現在ではボロボロになっているものがほとんどですが、外せばよくなります。
※前期はセンターキャップがないので、布で覆われてました。

【後期タイプ】
布で覆われてはいません。音は前期、後期タイプで違いはほとんどありません。
※モニターレッドと比べて、上下の伸びはイマイチですが、それを補って余りある音の質感、そして何よりも渋い音が魅力。この音に慣れるとレッドは聞けないという方もいます。
中域の質感の高い充実度は特筆ものです。

モニター・ レッド 15Ω 【販売:1957-1967】

ステレオ盤と同時期に製造されたユニット。ステレオ盤によくマッチした音で鳴ります。
初期VLZに搭載(1961年から10吋のレッドを使用)

【前期タイプ】
コーン紙のところのセンターキャップが飴色になります。

【後期タイプ】
センターキャップは黒色です。


音の違いは、後期タイプは上がさらに伸びて、少しにぎやかな音になります。

五味康祐氏で有名なレッド搭載のオートグラフはオーケストラ再生でその本領が発揮されます。シルバーにはない、上下の伸び(レンジ感)がクラシック・ファンには高評価のユニットです。ヴァイオリンの高音の伸びは魅惑の響きを奏でます。

モニター・ ゴールド 8Ω 【販売:1967‐1974】

トランジスタの登場で、これに対応するため8Ωのインピーダンスに変更されたユニット。後期VLZに採用。国内ではシュリロ貿易が総代理店として輸入を開始。
低域がやや膨れて、分解能が少々落ちた感じの音になりますが、現代の音楽に向いている傾向の音作りです。

VLZの中でお薦めできるのはこのゴールドから以前のタイプです。十分にタンノイらしい魅力的な音がします。
これで大人のジャズを楽しむことも可能です。


HPD 8Ω 【販売:1974‐1979】

アーデン、バークレー、チェビオット、デボォン、イートンに採用される。
国内はTEACが代理店となる。
VLZ(チャーヴェニング)に採用される。

HPD315はタンノイ最後のアルニコ仕様です。


【前期タイプ】
左画像のようなマグネットのカバーの色。

【後期タイプ】
マグネットカバーがゴールドに近い色合いになります。
ネットワークの形状も違ってきます。アッテネーターとターミナルが別々。


DC386 8Ω 【販売:1979〜

アーデンMkU、バークリーMkUに採用される。

※この時期からアルニコからフェライトへ変更になる。

K3808 8Ω 【販売:1979〜

スーパー・モニター・レッドに採用される。

【モニター・レッド前期タイプ:飴色センターキャップ】
https://www.cricket-record.jp/page/31

【 TANNOYのユニットの選び方について】−同軸型2wayユニット

●ブラックからゴールドまではフィクスドエッジです。ゆえにゴールドまでは低域の切れがあります。

●ゴールド以前のユニットはより音楽性豊かな表現力があります。

●音の質感、密度、表現力においてはブラックに近くなるほど高まります。

●高域、低域の伸びはレッド、ゴールドにあります。オーケストラの雰囲気はレッドが得意とするところです。

●音を聞くならゴールド、音楽を聞くならシルバー、レッドといったところでしょうか。

●HPD以降はコーン紙の重量が重くなり、音の反応がやや劣りますが、新しい録音はうまく鳴らします。


・シルバー、レッド、ゴールドは現在、品薄で入手困難な状況になっているのが現状です。

・特にシルバーと初期レッドの極上品は希少、貴重品です。

・ゴールドも良い状態のものが容易には見つからなくなってきています。

・タンノイユニットは一生ものとしてご使用され、愛機とされるお客様が多いユニットです。

・良い状態のユニットを選択し、価格だけで選ばずに入手されることをお奨めいたします。

   
♦タンノイ1号機(オリジナル) 38cmモニター・ブラック 
・タンノイ1号機(オリジナル) 30cmシルバー・ユニット入り 
※ブラック30cmは極めて少ない。

      
♦オートグラフ:1953〜1974                   
♦ミニ・オートグラフ(日本製)ユートピア製品

♦GRF:1955〜1974 
♦べェルヴェデーレ (米国タンノイ)


レクタンギュラーG.R.F (英国製オリジナル)モニターレッド(飴キャップ)  

   
♦VLZ (モニター・レッド入り初期型)          
♦VLZ (モニター・ゴールド入り後期型)


♦VLZ (モニター・ゴールド・ラージ・フレーム)
ゴールドの中でもフレームの幅が広いタイプです。
普通のタイプよりも音が優れており、希少なVLZで入手困難なスピーカーです。

   
♦スターリングSE (VLZの後継機、25cm同軸2wayユニット、8Ω、フェライト)
https://www.cricket-record.jp/page/31

・Tannoy Monitor Black (1947〜53)
・Tannoy Monitor Silver (1953〜57)
・Tannoy Monitor Red (1957〜67)
・Tannoy Monitor Gold (1967〜74)
・Tannoy HPD315 (1974〜79)
・Tannoy HPD385 (1974〜76)
・Tannoy HPD385A (1976〜79)


・Tannoy Corner York (1950)
・Tannoy Autograph (1953)
・Tannoy V-LZ in Cabinet (1961)
・Tannoy Arden (1976)
・Tannoy Westminster (1982)
・Tannoy Stirling (1983)


現行品のハイエンド
・Tannoy Kingdom Royal
・Tannoy Westminster Royal-GR
http://www.esoteric.jp/products/tannoy/kingdomroyal/

18. 2020年9月20日 14:37:36 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[47] 報告
Analog親爺とTANNOY Autograph
http://sankanti.exblog.jp/

スピーカー Analog親爺とTANNOY Autograph
http://sankanti.exblog.jp/i2/

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SILVER 

千里の馬

 世に伯楽有りて、然る後に千里の馬有り。千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず。

 故に名馬有りと雖も、祇だ奴隷人の手に辱められ、槽櫪の間に駢死して、千里を以て称せられざるなり。
「雑説」(韓愈)

 縁あって、昭和54年(1979年)8月、在京の御仁に

TANNOY AUTOGRAPH ORIGINAL(M/Gold入 SP端子が裏面の最下部)

を譲って戴きました。

 爾来、33年余モニターゴールドにお世話になりました。

 その間、ネットワークの不具合(主にケミコンの容量抜け)が何度かあり、オーバーホール等してきましたが、昨秋とうとう左右のバランスが微妙にとりずらくなり、従前のような球の交換では対応しきれなくなってしまいました。

専門店に相談すると再着磁を薦められましたが、またぞろ、慣らし運転等に苦労するのは、老い先の見えてきた我が身を想うとしんどいかなーということで、他のユニットを当たってみようと探し始めました。

 ふと寄った八王子のお店で、SILVERをレプリカ箱に入れた物を聞くことが出来ました。

ごちゃごちゃした店内での試聴でしたので、条件が悪かったこともあり、そのときは何枚か聞いたLP盤もそんなものかくらいでした。

家に帰って同じLP(のオリジナル盤)を聞いてみると、「なんと薄味なのか!」という思いが湧いて、いつものようには聴く気にもなれず・・・。

 それから1週間ほどは、自宅のAUTOGRAPHを聞く気がおきませんでした。

 知人はM/Goldの方がレンジも広いし、等々慰留してくれますが、古いレコード盤を愛聴している小生には、

「SILVERの方が再生される音楽が楽しいなあー」

という気持ちが強くなってきました。もう戻れません。

それから、しばらくSILVERを探す日々が続きました。
http://sankanti.exblog.jp/20952725/


SILVER U
http://sankanti.exblog.jp/iv/detail/index.asp?s=20967272&i=201311/26/30/f0319330_14185833.jpg


 最初に聞かせて戴いたお店に伺いましたが、買いたい旨申し上げると、前回より◯十万円の値上がり(小生ポーカーファイスが苦手で)、足許を見られたと思い、後々のメンテナンスのことも考えて引き下がりました。

 次は、ネットで探しましたが、実際に買いたいというと下取り条件等が変更になるなど、ヴィンテージ製品は骨董品と同じように価格表示がなく、そのときの店主の腹づもり次第なのかと諦め半分でした。

 横須賀と目黒のお店は、大層、紳士的で対応が誠実でしたが、時間がかかるとのこと。

また、横須賀の店主は、

「先ずSILVERは左右が揃わない、と承知していなくては買えませんよ。」

と教えてくれました。

 ネット販売が主体の川崎のお店が、我が家で聞かせてくれるというので、音楽室(家人はそう呼ぶ)で実際に触ったり、聞かせてもらったりして、左右揃った極上品(本物を目の当たりにして、逆上せ上がり、冷静な判断など無理か?)と云うことで購入しました。

半月ほどで、左右のバランスが微妙(アンプ等では対応が難しい)になり、ピアノとオーボエの所でサチル様になりました。

自宅視聴の後購入したのですから、今更ですし、先達にご意見を伺うと

「ユニットの天地を逆にしてみよ」

と教えてくれました。そうすると左右のバランスも、球の交換等で調整すると許容範囲に収まる様になり、サチリもかなり減りました。

 これで行くかと、ネットワークにMC−DA(シルバードマイカ)をパラって見たり、30Ωの抵抗をVISHAYのVAR(100Ωを3パラ)にしてみたりして3ヶ月ほど過ごしましたが、大好きなモーツアルトのレクイエム(ベームVPO・DG内溝盤)の再生が今一透明感が出ずに、また、サチリも若干残っているような気がします。

 高齢者の保険証を戴く様になった我が身を想うと、何をわざわざ我慢してまで、本来楽しいはずの音楽を、聴かなければならないのか?という疑問が押さえきれず、再度、探すことになりました。

 秋葉原にお店があった頃、PE6000sや604E等を購入したお店が、数年前相模原に集約すべく新規開店しました。

前述のM/Goldが不調になったとき、相談のTELはしましたが、SILVERやM/REDの話はとんとでず、置いてないのかな?とは思いましたが、念のため店長に再度電話しました。

 「ああ、SILVERもM/REDも有りますよ、それも幾つも」

 「え!それって聞いて選べるのですか?」

 「いいですよ、当店にて聞き比べて、気に入ったら買って下さい。」


http://sankanti.exblog.jp/iv/detail/index.asp?s=20967272&i=201311/26/30/f0319330_13134180.jpg
        奥がM/Gold、手前がSILVERです。

http://sankanti.exblog.jp/20967272/

SILVER V
http://sankanti.exblog.jp/iv/detail/?s=20995867&i=201311%2F26%2F30%2Ff0319330_15592427.jpg
http://sankanti.exblog.jp/iv/detail/?s=20995867&i=201311%2F26%2F30%2Ff0319330_15590889.jpg


 普段音決めに使用しているLPを数枚持参して、相模原のお店へと何度か伺いました。そこで結局、SILVER 8つを聴き比べて、声(アメリンク、金子由香利)、ピアノ(フランソワ、ツメルマン)、弦(ズスケ)等のよく鳴るのを選びました。

 8つのSILVER、横須賀の店主ではありませんが、どれ一つとして同じモノはありませんでした。

店長のアドバイスも参考にしながら、高域の綺麗に伸びているモノ、低弦の鳴りの良いモノ等を検証して、お気に入りの2つを選び出すことが出来ました。


 現在、相模原のSILVERを導入して8ヶ月程、ほとんど毎日鳴らし込んで5ヶ月くらいから、抜けの良い、スピーカーの存在を意識させないで、音楽が鳴り始めました。

一方、ネットワーク等にも手を加えること無く、全くそのまま繋いでおりますが、不満はありません。アンプの球を始めとするパーツの交換に鋭敏に反応するので大変な面もありますが、調整しがいが有り、また楽しみです。

 
 とまれ、終生のスピーカーに邂逅することが出来ました。部屋の中で、場所を特定しなくても音楽を楽しめます(すれば、更に静謐な音場が奥深く再現されます)。

あの時、念のためTELをして本当に良かったと思います。
「Ask,and it shall be given you. 」ということでしょうか・・・・・。
http://sankanti.exblog.jp/20995867/

19. 中川隆[-11265] koaQ7Jey 2020年9月20日 18:20:39 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[52] 報告
タンノイのスピーカーは買ってはいけない
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/494.html

LPの音をSPの音に変える魔法のスピーカ タンノイ オートグラフ _ 2流オケの音もウイーン・フィルの響きに変える奇跡
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/494.html

ウェストミンスター・ロイヤルが聴ける店 _ 一関市 _ ジャズ喫茶 ROYCE
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/212.html

オートグラフが聴ける宿 _ 原村 _ ペンション・ムジカ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/213.html

三重県 青山高原 タンノイ博物館
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/714.html

20. 中川隆[-11264] koaQ7Jey 2020年9月20日 18:48:16 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[53] 報告
TANNOYの系譜


Original Model (15インチ) 1947年

Monitor Silver 1953年

Monitor Red 1958年
Monitor Gold 1967年

HPD 1974年

尚、silverには12インチ、Redには12インチ、10インチ(VLZ)
Goldには12インチ、10インチ(VLZ markU)というヴァリエーションモデルが存在する。


TANNOY Monitor Red
天使の囀り、典雅な趣きがあり、落ち着いてしっとりしたマイルドな聴き味。
柔らかい羽根でやさしく撫ぜられるフェザータッチ。羽毛で包み込まれるような感覚に陥る。
あまりの心地よさに眠りに落ちるか、気が付いたら夜明けを迎えている。
芸術性の高さは文字通り頂点を極める。シビアーな現代の視点からすると音が籠り過ぎるのと、
豊かな箱鳴りでスポイルされているようで低域分解能が低すぎるのがいささか気になる。
しかしこれが部屋に有ったら病み付きになってしまい、四六時中音楽流し続けているだろう。

音の不鮮明さは気になる人には気になるだろう。聴き疲れとは無縁の心地良い音色。


TANNOY VLZ
MONITOR GOLD Redとは傾向が違う。キリッとした緩みのない硬質さ、

歯切れのよい芯の硬さが特徴的。中高域に独特の個性がある。歪み成分が低次の

ハーモニックスを醸造する。芸術的な表現力の高さや奥ゆかしさはHLcompactより

上回る。歪み率 fレンジ ニアリティ等特性面は物足りない。性能はそれでも

MONITOR Redより確実に進歩しているが、音楽性の高みでは相当な開きがある。

21. 中川隆[-11263] koaQ7Jey 2020年9月20日 18:56:13 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[54] 報告
Mr.トレイルのオーディオ回り道
ALTEC 612Aでクラシック音楽を聴いて見る 2010年05月15日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/b8170394b2b1cb1f426cc6bac6cb027c

#612Aがほぼ完成し、テストCDとして澤野工房のJAZZCDをメインに今まで聴いて来ました。今朝は初めてクラシックの「弦楽合奏」を聴いています。

612a2

ALTECのSPでは「クラシックは聴けない」、「弦楽器のゴーイングが不得手」とか雑誌では書かれていますが「Trail仕様のALTEC」ではその様な事は有りません。瑞々しく艶やかな音色で鳴ってくれます。イタリア合奏団の「コレルリ:弦楽合奏協奏曲」をかけていますが音のヌケやキレが素晴らしい上に艶やかな弦楽器に響きを出しています。

クラシックはタンノイ、弦楽器の再現はタンノイが良いと云われていますが、私はタンノイのSPは避ける様にしています。ALTECの同軸とタンノイの同軸は双璧の様に云われていますが、個人的にタンノイも使って来ましたが「潜在能力を引き出す」と云う点ではALTECに軍配を上げます。タンノイのユニットはコーン紙をホーンの延長に使っていますので「コーン紙の強度」がネックとなって来る点(コーン裏面にリブを取り付けている点)で大音量再生しますと「モタツキ」や不要共振を発生する構造になっている事が私の選択から外れます。またユニットへの接続で4Pソケットを使っている事やネットワーク基板の強度のない事も興味の対象から外れます。タンノイはイニシャル時点でそれなりのグレードで聴かせてくれますが私の望む音質には届かないユニットなのです。

その点アルテックの同軸ユニットは低域と高域が完全に分離していますし、SP端子も別個に有り、高域のダイアフラムにも手を入れる事が出来ます。30年前の販売時点で無かった技術をALTEC同軸のユニットに手を入れますとその「潜在能力の高さ」に驚かされます。

個人的には「最強のフルレンジユニット」だと思っています。とにかくヌケ切ってなっているサウンドにご機嫌で幸せな気分になれます。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/b8170394b2b1cb1f426cc6bac6cb027c


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Trail仕様 ALTEC#612A
Mr.トレイルのオーディオ回り道
昨夜は定例のオフ会 2010年05月23日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/97e2c521b47d8299abc82dd7d9c3e568

昨夜は30年来のオーディオ仲間の例会を私の事務所で行いました。出来たばかりのTrail仕様ALTEC#612Aのお披露目を致しました。

612a1

仲間の方の印象はすこぶる「好印象」だったようで皆さん興味津々だった様です。以前612Cを使われた方もいらっしゃいますので「ALTECでこんなサウンドも出るのか?」と驚かれていました。また初めてALTECのサウンドも聴かれた方も「ALTECとはこんな音も出せるのか!!」と驚いていらっしゃいました。

612a2

軽く反応する低音とキラ星の様な輝きと艶の有る高音のサウンドが出ますので、他のシステムを聴かせても612Aに戻してくれとの要望で、612Aオンリーのオフ会になりました。チョッと今までにない反応で皆さん#612Aにクギ付けになられた様でした。

小音量から大音量まで楽々とこなしてくれます。クラシックの弦楽合奏も聴いていただきましたがタンノイのサウンドを軽く超えています。

音の粒立ちや音数の多さ、艶やかな質感等タンノイでは出せていない弦楽器のしなやかさまで出して来ます。

Trail仕様ですので小音量にしてもほとんど「音痩せ」が有りませんので安心して使えます。いつになく「ALTEC談義」まで出て来ました。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/97e2c521b47d8299abc82dd7d9c3e568

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詳細は

史上最高のモニタースピーカー アルテック 612A(銀箱)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1072.html

22. 中川隆[-11262] koaQ7Jey 2020年9月20日 19:02:52 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[55] 報告
723名無しの笛の踊り2020/02/13(木) 10:32:58.10ID:FsSQFsv+

湯布院の喫茶店とかタンノイばかりだからね

日本のクラシックファンがみんなタンノイ信者なのは何故かな?
上杉佳郎がクラシックでは世界一だとか言ったからかな?
イギリスではタンノイなんか誰も買わないよ


724名無しの笛の踊り2020/02/13(木) 10:58:12.18ID:r7RaLX3k

タンノイは駅ホームのPA


725名無しの笛の踊り2020/02/13(木) 12:09:06.78ID:FsSQFsv+

日本人を騙したダメ・オーディオ

1.JBL
2.タンノイ
3.B&W
4.アキュフェーズ
5.ラックス
6.上杉アンプ

https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/classical/1476003942/l50

23. 中川隆[-11261] koaQ7Jey 2020年9月20日 19:14:12 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[56] 報告
59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/02/09(木) 14:12:19 ID:005A6FYY

オートグラフをステレオで使うのが間違い。音がボケるに決まってる。
本来の使い方である、モノラルで使ってごらん :p

http://mimizun.com/log/2ch/pav/1139323064/


218 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/06(金) 18:14

オートグラフは、モノラル時代に、モノラルで音の広がりを作る為の設計。あれをステレオで使うというのが、根本的に間違っています。 そりゃ、アンチタンノイが言うように、音が散漫になるよね。もともと音を広げているんだから。

399 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/19(木) 09:48

モノラル時代に音の広がりを強制的につけるためにああいった構造をとった、オートグラフ(でも、クリップッシュのコーナーでも、JBLのハーツフィールドでも、エレボのパトリシアンでもなんでもいいけど)をステレオで使おうとするのか、疑問。

ああいったスピーカーをステレオで使って、音がボケて低位が出ないのはアンチ君じゃないけど、あたりまえだよね。

理論とか構造じゃなくてさ、聴感だよ。

聴感上、モノーラルで広がりをつけるように作ったスピーカーな分けだから、それをステレオで使う時の聴感上のデメリットが大きいって事。

たとえば、Autographというビンテージスピーカーを正しく理解した上では、モノラルで使うのが正しいし、ステレオでビンテージスピーカーを使いたいのならば、ステレオに適したものがある。と、それだけの話だよ


406 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2001/07/19(木) 11:29

僕がGRFで比較した時は、ステレオだと音がにごってしまい悲しかった。モノーラルだと、不思議に音が広がるし、2台使用と比較して、音もクリアな感じになるし、良かったよ。

GRFの製造時期とあわせて考えて、そういうことか。と、理解できたよ。

http://mimizun.com/2chlog/pav/ebi.2ch.net/pav/kako/992/992992601.html

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24. 中川隆[-11260] koaQ7Jey 2020年9月20日 19:16:44 : 8yaWWvP5cQ : Mm9tOGFLcEdsOTI=[57] 報告
モノラル時代のスピーカーは指向性が広いので、ステレオのように正面で聴くのではなく、部屋の響きを織り交ぜて斜め横から聴くのが本来の姿である。


コーナーホーンと言えばスピーカーの王様のごとく高額な大型システムを思い浮かべるかもしれないが、1950年代に Electro-Voice のコーナーホーン箱が7種類あったなかで、Baronetは最も小さい末っ子。


 Baronet の高さ 50cm×幅35cm はこの時代のコーナーホーンの中でも最も小さいもので、逆に言えば、RCA MI-4400(ラビリンス箱)や Lowther TP1、あるいは広告だけだった JBL Hartsfield などの特別な存在を除くと、一般の人が手に入れられる8インチ用のエンクロージャーでは、もっとも複雑な構造をもつものともいえる。


Baronetは、Klipsch Horn社からFolded Corner Hornのパテント(US Pat. 2310243、2373692)の供与を受けており、おそらく Paul Wilbur Klipsch 自身が設計したコーナー型バックロードホーン箱である。

Klipsch 氏の特許は基本的にKホーンと呼ばれる低域キャビネットにあり、Patrician や Georgian に搭載されている。

本家の Kllipsch ホーンにはエレボイのユニットを搭載したバージョンもあったことから、両社は良い協力関係にあったといえる。Baronet、Aristcrat、Regency などはそれより小さいシリーズはショート・バックロードホーンであり、エレボイからの要請をうけて設計しなおしたと思われる。


 Klipsch氏は日本ではあまり有名ではないが、1940年にコーナーホーンを特許申請し、1935年に J.B.Lansing 氏が開発したシェラーホーンとは違い、家庭用で劇場並の迫力ある低音再生を可能にしたもの。

この方式の面白さは、低音再生を強制的な電気増幅や共振ではなく、実物大のアコースティックな響きで解決した結果、大容量のホールの感覚に近い空気感が得られるところにある。(逆に言えば、クラブ・ジャズのようなタイトな低音とは異なる) 

英米のスピーカー製造における Klipsch 氏の影響力は非常に大きく、1940〜50年代においてどのメーカーもコーナー型バックロードホーンが最も高級機種として羽振りをきかせていた。

ちなみにアメリカン・タンノイと呼ばれる機種は、米国で Klipsch 氏の特許があるので販売できなかったため製造されたもの。

コーナーホーンの多くが日本で有名ではない理由は、ひとつは家屋の規模の問題、もうひとつは物品税が高価なため、システムでのスピーカー輸入が阻まれた結果、バラ売りユニットの性能だけが幅を効かせて、エンクロージャーの性能まで思いが及ばなかったからであろう。


Hi-Fi初期の1950年代は、キット製品に人気があり、アンプをはじめエンクロージャーのマニュアルや図面を¢50〜$1で売っていた。

当時は Hi-Fi機器が電蓄から抜け出したばかりの時代で、例えば Decca 社の Decola のような一体型コンソールは超高級品であって、Hi-Fi 対応のパーツを掻き集めたバラ売りが最も経済的だった。


KD7キットの言葉を借りると

「Baronet はその名のとおり、Hi-Fiスピーカー用のエンクロージャーとして、小さなアパート、子ども部屋、避暑地の別荘など、重たく嵩張るものが歓迎されないどの場所でも良質な音楽の要求に応えます。

Baronet の造りは大きな容積のエンクロージャーではありませんが、再生音の高忠実性と周波数特性を犠牲にしません」とある。

当時の量販店の広告にも「省スペース(Space Saver)システム」という文字が躍るほどで、ミニマムなオーディオ・システムとしてBaronetは注目を浴びていた。

 Baronetの置き方はこのコンパクトな箱により、標準とされるコーナー&床置きはもとより、壁掛けやディスクトップの置き方も多くみられる。

私もモノラルならディスクトップがお勧めである(壁掛けは昔の校内放送の思い出が悪くあまり気乗りしない)。

エレボイ社のカタログには "for Close Lisning" と書いてあり、ややモニター的な聴き方に近いような気がするが、パーソナルに音楽を楽しむために、小音量でちょっとした読書コーナーを作るには最適である。

モノラル時代のスピーカーは指向性が広いので、ステレオのように正面で聴くのではなく、部屋の響きを織り交ぜて斜め横から聴くのが本来の姿である。
http://quwa.fc2web.com/Audio-103.html

上の図版でも女性の姿が目立つが、Baronetは大げさではなく音楽を楽しみたいユーザーに希求していて、シンプル=人間の生活中心の思想が現れている。

これはエレボイの看板「Temple of Tone(音響の神殿)」とは趣向が大きく違うものの、Baronetのもつ可能性を巧く言い当てているように思える。

 かの銀幕の大女優マレーネ・ディートリッヒも、ニューヨークのアパートでBaronet(それもフルレンジのみの初期型)を使っていたらしく、1997年のサザビーズ・オークションに、GE社の"Stereo Classic 7700"ステレオアンプ、ガラード社のRC型オートチェジャーとセットで出品された。

アパートの居間はグランドピアノを置くサロン風の部屋だが、よくヨーロッパの音楽家が比較的質素なステレオを自宅に置いていることの例に漏れず小粒なシステムながら、いずれも1950年代のビンテージである。

映画用の Altec ではなく、さりとてステレオ時代に躍進した JBLや ARでもなく、初期型の Baronetであるあたりは、彼女の活躍した時期を考えると、これがちょうど良かったのかもしれない。ゴージャスなジャズ・バンドを従えるよりは、ピアノに寄り添って静かに歌う彼女の姿とも重なる。
http://quwa.fc2web.com/Audio-103.html

25. 中川隆[-11257] koaQ7Jey 2020年9月21日 03:19:53 : sRwbmN4RVK : eVVBcExXSE45OFk=[1] 報告
因みに、タンノイのオートグラフとかウェストミンスター、GRF等 は日本や東南アジアの御上りさん向けに特別生産している機種で、イギリス本国で使っている人は一人もいません:

イギリスの高級オーディオはすべて輸出用で本国では全く売れない _ イギリス人は何故そんなにケチなのか?
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/447.html


イギリスでは

貴族や資産家は デッカ・デコラかワーフェデール
音楽関係者は QUAD ESL

一般の音楽ファンはせいぜいセレッションの DITTON 15 かグッドマン MAXIM程度でしょうか:

セレッションのスピーカー史上最高のツイーター HF1300
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1077.html

グッドマン MAXIMスピーカーシステム
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1076.html

26. 中川隆[-11256] koaQ7Jey 2020年9月21日 04:07:01 : sRwbmN4RVK : eVVBcExXSE45OFk=[2] 報告
「オーディオ巡礼」(五味康祐) | PHILE WEBコミュニティ

五味康佑氏のこういう評論は70年代〜80年代前半にかけてのものですね。そういう時代を懐かしく思い出されますね。

byベルウッド at2016-02-21 23:33

懐かしいですよね。こういう雑誌や本が、ある種日本独特のオーディオ・ジャーナリズムとでもいう文化を創り上げたのでしょうね。クラシックの一種鼻持ちならない「教養主義」をオーディオにまで持ち込んだ五味の功罪ですね。中味は『教養』としてはかなり空疎ですが…(笑)。

これで分厚いカタログみたいな雑誌を眺め、こんな精神学的オーディオ本を読んでため息ばかりという珍妙な「オーディオ趣味」がいまだにはびこっています。おいおい、本ばかり読んで聴いてんのかよ!?…みたいな(爆)

byベルウッド at2015-09-05 09:37

オートグラフが本来の音が鳴るようにするには10年かかるというような話しはまるで精神修養みたいな話しです。3日ぐらいでちゃんと鳴らすことができるようにコツを教えるのが「評論家」じゃないですかねぇ(笑)。

byベルウッド at2015-09-03 22:35


タンノイのブランドイメージを造ったのは間違いなくこの五味でしょうね。

英国人の義弟に「タンノイはどうよ?」と聞いたことがあるのですが、タンノイにはハイエンドオーディオというイメージはないそうです。英国人にとってタンノイとは、駅構内とか学校放送用のスピーカーなんです。だから高級感が持てないし、人気もない。

それだけに人声をよく伝える中低音の魅力はあります。スタジオモニター用といっても放送局のアナウンサーモニターなんでしょう。けっして録音スタジオのモニターではないようです。基音域に焦点をあてて帯域をうまく作っていますね。そこが魅力の歴史的名器がモニターレッドなどなんだと感じます。現代にも通用するJBLやアルテックとは明らかに違います。

byベルウッド at2015-09-05 09:48

https://community.phileweb.com/mypage/entry/2408/20150903/

27. 中川隆[-11255] koaQ7Jey 2020年9月21日 04:16:15 : sRwbmN4RVK : eVVBcExXSE45OFk=[3] 報告
14: ひまじん :2006/02/20(月)t

いまだに、JBLとTANNOYの迷信が語り継がれている。

JBLがジャズ向きと言うのは、古きジャズ喫茶で好んでオールドJBLのスピーカーを使ったイメージが今日まで語り継がれている。

TANNOYがクラシック向きと言うのは、五味康祐さんがオートグラフを好んで使ったことから語り継がれている。

オーディオマニアという方々は、実に保守的でなかなか考えを変えようとしない。

40:パルジファル

名器を作れるようなメーカーには、その叡智と技術を駆使した「夢を持てるような」物作りに励んでもらいたいですね。大衆に媚びを売るようなことはして欲しくない。 JBLなどは、会社が大きくなりすぎて、利益優先の大衆受けする安物が主力製品になってしまいました。残念です。

 かつての、ハーツフィールド(今聴いても素晴らしい!)に匹敵するようなものも作ってくれませんかねー。


41:>>40

JBLは残っているのはブランド名だけで、会社自体は消滅しています。
それにユニットは、ほとんど中華製。(他、タンノイや有名海外メーカーも同じ)

現在の老舗オーディオメーカーに期待する物は何ひとつありません。明日にでも、貴重で残り少ないヴィンテージ物を探しに行くことをお勧めします。

13:ビックリマスダ

タイノイファンですが、JBLとTANNOYが、そんなに人気が有るとは思っていません、結構マイナーでは?

とくにタンノイは日本でしか売れないとか聞いていますが・・・

3:いちぶ

昔、タンノイのブックシェルフを購入しました。しかしトランペットなどの高音がきつ過ぎて、すぐ手放してしまいました。今はヤマハNS1000Mを聞いています。


2:ばん

JBLのコントロール1を車で使ってます。音は正直大したことありません。
自分の世代ではJBLって異常な人気がありましたが・・・。今はどうなんでしょうか。
USAでは元々、日本ほど人気のあるブランドではないと聞いたこともありますが。

タンノイも神格化されてましたねぇ、昔は。
今は随分と安いシリーズもあるからそうでもないでしょうけど。英会話の先生がイギリス人だったんで聞いたけど全然知りませんでした。ダイソンはよく知ってましたけどね(^^)/。

個人的には、タンノイの古典的なタイプの方のSPは、箱鳴りのような付帯音が気になってあまり好きではありません。


4:koyama

イギリス人には、タンノイと言っても通じないでしょう。
向こうでは正確には「タノイ」と発音すれば通じます。

でもあまり向こうはハイファイオーディオ店が無いんですよね...。
それに比べたら、日本は世界一のオーディオ天国です。ハードオフを始めUSED市場も充実したますしね。日本人に生まれてよかった。

5:Fox

30年ほど前にJBL L-26というスピーカーを聴いていました。あの頃のJBLは確かにエネルギッシュな音を出していました。JAZZ喫茶はどこに行ってもJBL、自分では買うことが出来ない大型システムの音を聴きたくて新宿や吉祥寺によく通いました。


261:ひまじん

タンノイ伝説、JBL伝説で商売出来るのは、悪徳業者ぐらいでしょう。
タンノイもJBLもすでに伝説で飯が食えないから、製品も随分変わってきてますよ。

伝説をいまだに信じているのは、骨董品マニアであって、オーディオマニアとは違う人種なのでしょう。

でも聞いた話では、機器はもの凄く高価な物を集めているが、ソフトは少ししか持っていなかったそうです。

女性のブランドバックの収集と同じ心理なのかもしれません。ルイビトンとかエルメスとか言うのと同じ話なのかもしれません。

でも、偽物を本物といつわるのは、詐欺ということでしょう。


262:パルジファル

 JBLが近年多用している安物のホーン&ドライバーを聴くと全く哀しい限りだ。
 質を落としてまでそれを使用するのは、AV向けの単なるファッションか。

 その点、かつてのホーンドライバーは、今聴いても十分楽しめる。
 小生が使用しているのは、JBL創業の翌年、1947年に発表されたモデルだが、恐らく死ぬまで使えるのではないかと思う。

62:名器好き

オーディオは音楽の手段が、目的化した趣味とも言いえますね。
だから、色々な楽しみ方が存在すると思います。

「良い音がわからない」といって次々買い換える人。でもそれも立派な趣味かも知れません。音楽と違い、いつも同じ”音”ではアキますから。

でも好みがはっきりしていて、装置を換えない人が、趣味的にレベルが高い人とは限りません。とんこつラーメンが世界一といわれても、異論のある人のほうが多いでしょう。

一度、名器というものを疑ってみることが大事です。名器の根拠は?たぶん、オーディオ雑誌で書かれているから、ベテランのオーディオマニアがそう言っているから、ということが多いでしょう。

JBLやタンノイの名器は、世界的に見て、日本や日本に影響された極東の一部の国だけに通用する不思議な現象です。(一部のコレクターは別として)

だから、粗大ゴミ化したそれらの「名器」を、独自のルートで欧米から仕入れ日本に持ち込み、かなりの差額で、かせぐブローカーもいます。もちろん、欧米のオーディオマニアにそれらの良さがわからないともいえますが、それならば、現地では有名で、それにより利益が上がらず日本に入ってきてない他のメーカーにも、たくさん「名器」が存在します。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/lite/read.cgi/music/11602/1110765266/

28. 中川隆[-11254] koaQ7Jey 2020年9月21日 04:47:15 : sRwbmN4RVK : eVVBcExXSE45OFk=[4] 報告
タンノイ オートグラフ ミレニアム を聴ける店
音楽カフェ Blossom :ブロッサム
http://www.cafe-blossom.jp/
https://www.facebook.com/cafeblossom1
http://cafe-blossom.blogspot.jp/

埼玉県 越谷市 東大沢5丁目15番3

TEL048-954-9005

営業時間:
午後2時30分〜8時30分(ラストオーダー) 午後9時30分閉店

貸切りランチは午後12時〜2時(要予約)
貸切ディナー(時間は相談、要予約)

定休日:火曜日・水曜日


アクセス

東武伊勢崎線「北越谷」駅東口より徒歩約11分。

バスご利用の場合は、「北越谷」駅東口2のりば:老人福祉センター(くすのき荘)行きにて キャンベルタウン公園入口(二つ目)下車徒歩3分。

1. 店の裏に2台分の駐車場があります。
 ご利用に際しては、事前に、お問合せ、御予約をお願い致します。

2. 徒歩5分の処にコインパーキングがあります。
 詳細は
https://www.repark.jp/parking_user/time/result/detail/?park=REP0009809&p=1&st=4&lat=35.8910841&lon=139.7909377&word=%25E5%259F%25BC%25E7%258E%2589%25E7%259C%258C%25E8%25B6%258A%25E8%25B0%25B7%25E5%25B8%2582&plc=%25E5%259F%25BC%25E7%258E%2589%25E7%259C%258C%25E8%25B6%258A%25E8%25B0%25B7%25E5%25B8%2582&pref=11&city=222&


地図
http://www.cafe-blossom.jp/map/index.html
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%80%92343-0022+%E5%9F%BC%E7%8E%89%E7%9C%8C%E8%B6%8A%E8%B0%B7%E5%B8%82%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E6%B2%A2%EF%BC%95%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%91%EF%BC%95%E2%88%92%EF%BC%93/@35.9052375,139.787693,17z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x60189617136c57bb:0x7f00d794d925d164!8m2!3d35.9052375!4d139.7898817?hl=ja


ブレンドコーヒー 500円
紅茶 500円
http://www.cafe-blossom.jp/menu/index.html


(1) 建物はカナダより輸入。 イギリス風外観

(2) 音楽を楽しむために、遮音、内装材、床構造に配慮しました。 コンクリートベース+構造用合板+遮音マットの上に、直接ブラックウォルナットの無垢床材を貼っております。
床材床の鉄筋.

(3) 建物は2x6工法を採用し、外部との遮音を行うため壁の厚みは20cm程度と十分確保しました。壁材はスピーカ背面はオーク他の面は吸音壁と腰板の組み合わせ、音響を配慮した天井材を使用しています。

(4) 室内面積は、約30畳(50m2)。天井高さは 5.5m と充分確保しました。

オーディオ装置


英国製大型スピーカ、タンノイオートグラフミレニアム

レコードプレーヤはトーレンス TD520 に、SME3012トーンアームを取り付け、カートリッジはオルトフォン MC20Wを使用。


真空管式CRイコライザ+超低歪率フラットアンプ

プリアンプ : 真空管式CRイコライザ+超低歪率フラットアンプ

メインアンプ : 大型直熱真空管 845 を使用した三段直結アンプ。 
モノラルアンプ 2台 (上田順筰氏 特製)

レコード盤(1) 店主が長年にわたり収集したしたレコード盤。 管弦楽曲、ジャズバラード 等、約3,000枚のコレクションがあります。


お出しするパンは、全て当日焼いた自家製のパンです。
http://www.cafe-blossom.jp/owner/index.html

『音楽カフェBlossom』さんをお訪ねして丸2日が経つが、あの音体験は強烈である。

音楽カフェ Blossom BLOG
タンノイ オートグラフ ミレニアム 845シングル/EL156PP真空管メインアンプ
http://cafe-blossom.blogspot.com/2009/08/8.html


いや、音自体はクラシックでは包み込むようなおおらかさで、一方、録音の良いポピュラー系のディスクでは大型モニターを起源とするスピーカーらしい鮮やかさを見せはするが、「鮮烈で耳について離れない」という類の音ではない。音楽の好きな方が、気持ちよく、かつ音楽の生命感を失わずにという方向で、機器と空間との調和をはかってたどりついた音だ。

つまり、聴き手に押し付けをせず、心地よくくつろいでいただこうというホスピタリティーに富んだ音で、カフェというお店の性格に合った音である。記事の通り、機器のというより空間の次元が違いすぎて、我が家の装置と音を比べようとか、どのくらい差があるかなどという下心は最初から持ちようがないのだが、しかし、自宅で聴く音の聴こえ方が変わってしまっていることは否定できない。

今はスペンドールBCUで聴いているが、ステージがやはり縮尺モデルである。このスピーカーは、中型ながらオーケストラの響きをそれらしく聴かせると言われたもので、私自身もイメージで補いつつ擬似演奏会を楽しんでいたが、オートグラフ・ショック以来、ミニチュア・スケールのイメージがぬぐいきれない。この点は、隣家からの苦情を覚悟してボリュームを上げれば、幾分かは改善されるが、それにしても本質的な差は埋めようがない。

もう一点、高音、とくに弦の音に艶が乗りすぎる。この点も、「BCUは、実際以上に美しく聴かせるので、モニターには向かない」などと評する人も多かった元々の特徴なのであるが、これが少々邪魔になるのだ。(一昨日までは、これがたまらない魅力だったのに)

スターリングに戻せば、艶めきは控え目になり、縮尺が1/5から1/3くらいには修正できるかもしれないが、今はそうせずに、この艶をもう少し部屋の響きと調和させる方向を探ってみようと思う。

試みにいつもより聴取位置をギリギリまで後ろに下げて、キッチンの中に半分体を入れて聴いてみた。“空間が鳴っている”感じが出て、オートグラフの試聴感に近づいた。しかし、微細な繊維で織り込んだような、きめ細かな高音は聴き取りにくくなる。この、顕微鏡を覗くような“粒子の細かな、絹のようにやわらかな高音”は、オートグラフにないBCUの持ち味である。私の好きな、英国のスピーカーにしか聴けない美点である。これを捨ててはなるまい。
http://blogs.yahoo.co.jp/tatupulin/55747793.html

29. 中川隆[-11253] koaQ7Jey 2020年9月21日 04:50:09 : sRwbmN4RVK : eVVBcExXSE45OFk=[5] 報告
モニターレッド入りタンノイ オートグラフを聴ける店

タンノイ博物館
http://www.forest-energy.com/tannoy/
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/matikado/da/detail?kan_id=835614


三重県 津市 白山町伊勢見 150-195 青山高原保健休養地

電話
090-2685-1673
059-264-2223


館長 松橋 健(まつはし けん)

開館時間 10:00〜17:00

土曜・日曜・祝日開館

要予約(平日希望の場合も)


アクセス

国道165号線青山高原入口から車で5分

駐車場 9台

地図
https://www.google.com/maps/place/34%C2%B039'14.2%22N+136%C2%B015'58.3%22E/@34.65395,136.266193,14z/data=!4m5!3m4!1s0x0:0x0!8m2!3d34.653942!4d136.266201?hl=ja-JP

入館料
一人 2,000円 (2時間以内) 2時間超えの場合、一律 3、000円。
※日本茶/紅茶/珈琲の内一品付

※2時間超えの場合、終了迄時間の制限はありませんので充分お楽しみ下さい。
※近くに食事する処がありません。ご希望でしたら館長オリジナル料理(スパゲッティー等500円/人)で可能。


現在の視聴可能 Loudspeaker


Tannoy Autograph 15 ‘’Monitor Red Tannoy社承認箱

VLZ origina110’’MonitorGold・Lockwood Major HPD385 Small Autograph 12"Monitor Gold(U-topia箱)

Quad  ESL63

JBL Everest DD-55000

50年前の名機ですが柔らかくて力強い音質は最近の高級機器にも負けません。

Autograph 15" MR は断突に素晴らしいですが、Small Autograph 12"MG も魅力的。箱がオリジナルと同じ構造のバックロード・ホーン採用。更に10"MG の入った VLZ が光り輝きます。ヴァイオリンの再生では、これに優るSPは無いのでは?JAZZも聴かれる方はLockwood Major(GB)の力強よい響きの虜になるかも?ESL63は、他とは違うコンデンサーSPの響きが味わい深い。

Everest は JBL の旗艦(Flag Ship)SP。眼前で JAZZ の Live が炸裂。意外と Classicも聴かせます。


MARATS #7 Original

AIR TIGHT ATM-2 KT-88×4本


現在 AIR・TIGHT 社の ATM-2・ KT-88×4 アンプで再生中。
MC275 は故障中で、近日修理予定。

LPプレイヤーはEMT-948(DD)・カートリッジTSD-15導入。
LPの魅力を再認識させてくれます。

タンノイ博物館 Museum of TANNOY
能楽堂の構造及びヨーロッパの音楽Hall
http://www.forest-energy.com/tannoy/

故五味康祐氏が生前に「わがタンノイオートグラフ」で「貴婦人(Autograph)の為に理想のリスニング・ルームを造らねばならない。」と計画されていましたたが残念ながら実現する事はありませんでした。無念だったと思います。そこで、「日本の伝統木構造」・「能舞台の構造」・「ヨーロッパの音楽Hallの構造」等を研究して、当館は青山高原に「理想のリスニング・ルーム(Hall)」を完成させました。

Hallの概要は、間口7.25M・奥行8.5M、天井高さSP設置側4.5M・客席最深部7.5Mを確保し、容積は余裕の450M3です。当初、左右SPユニット中心間が6.3Mもありましたので、音の中抜けを心配していましたが杞憂に終わりました。

其の道の専門家の方・音楽マニアの方の一致した評価は

「素晴らしい!!」
「Autographからこんな凄い音が!?」
「CDには無限の音楽が入っている事を実感。
「自分の弾く楽器の響きに驚いた。」
「CD録音の為に調整が不必要で、Hallはどのようにして設計されたのですか?」

等の有り難いお言葉を頂戴しています。

もし、当館Hallより響きが良いと自慢のリスニングルームを所有の方は是非、当館へお越し下さい。

データがどんなに良くても、ヒアリング(聴感)がポイントですから。

※ホールのレンタルも承っております

皆様の眼前で演奏家が歌い・弾き・語ります。演奏会の成功は演奏者と皆様が一体になって創り出されます。

スタジオ録音よりライブ録音の方に名演が多い事はその事を証明しています。

タンノイ博物館内 Shoko Hall 概要


床面積
62u(18.7坪・37.5帖)
間口7.25m×奥行8.5m
空間容積 450㎥

天井高さ
ステージ側4.5m(最低)
客席側7.5m(最高)

仕上材&下地材&
防音断熱材
-

床材
東紀州産ヒノキ無垢板30mm
壁・材・竹小舞下地 土壁厚さ80mm

柱材
ヒノキ(東紀州産)7寸(21cm)・5寸(15cm)・4寸(12cm)
杉(吉野産) 5寸(15cm)・4寸(12cm)

梁材
杉(東紀州産) 背 1尺3寸(40cm)〜8寸(24cm)・(吉野産)
背1尺(30cm)

天井材
杉(東紀州産) 厚さ30mm ニュージーランド産ウール断熱材70mm

野地板
ヒノキ(東紀州産) 厚さ30mm(瓦下地板)

響きの素晴らしいShoko-Hall 62u(18.7坪・37.5帖)お貸しします

写真のように上部吹き抜けの設計で、響き(音質)の素晴らしさが最大の売りで、

「自分のピアノの音がこんなに綺麗に響いたのは初めて。」
「ここで、CD録音をしてみたい。」

等の評価を頂戴しています。 100席(一階65席・二階35席)の収容が可能です。

音楽仲間の定期演奏会等に最適です。

青山高原保健休養地管理事務所が隣接.駐車場は50台以上OKです。
演奏会(半日) \30,000円

練習(半日) \10,000 Piano(ヤマハC5)使用料込み
http://www.forest-energy.com/tannoy/


キット屋コラム「私のオーディオ人生」第14回 by Y下
第14回 これがタンノイだ!
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-014

オーディオマニアのみならずタンノイマニア、タンノイファンの憧れであるタンノイ、このタンノイに拘った「ヴィンテージ・タンノイ博物館」をご紹介します。

日本でこのような歴代のタンノイスピーカーを展示してあるタンノイ博物館を私は今まで見たことも聞いたこともありません、今回は沢山写真を撮らせていただきましたのでここで聴くタンノイとホールの作りの良さを皆さんに見て頂きたいためにコラムでご紹介させて頂きます。では早速ご案内しましょう、


ヴィンテージタンノイ博物館

 このタンノイ博物館の建物は総ヒノキ作りの注文住宅のモデルルームになっており外観は日本建築の良さを余すところなく作られております。建物は最近出上がったばかりなのか室内に入りますとヒノキの匂いがプンプン漂ってきます。「これぞ木の香りだ!」

 一般的な試聴室とは違う一軒の建物の中が一つのホールになっており部屋の広さがビックな36畳で天井高が何と7メートルもある吹き抜けになっています。オーナーの松橋氏はここを「ヴィンテージ・タンノイ博物館」と言っています。では写真を見ながらご紹介させて頂きます。

タンノイ博物館の試聴の部屋


 先ほども書きました広さは36畳で左右にタンノイのオートグラフが鎮座しています。部屋が広すぎるのでオートグラフが小さく見えてきます。オートグラフの横にはジャズファンが聴くためのJBLのエベレストが置いてあります。

 オートグラフの左右の間隔は約6メートルで音楽を聴く最適ポジションはスピーカーから約8メートル離れた場所になります。左側には生演奏用のグランドピアノがあり此処のホールで月に1〜2回はクラッシックの定期演奏会が行われておりこのホールを別名でSHOKO−HALLとも呼びます。またこのホールは2階もあり1階、2階を合わせて70名程の客席がご用意できるそうです。


 このスピーカーはタンノイのオートグラフで実装していますユニットはモニターレッドになります。タンノイのモニターレッドとマッキントッシュMC−275の組み合わせは有名な剣豪作家の五味氏も愛用していました。オートグラフの横はJBLのエベレストですが何となく存在感が薄れてくるほどオートグラフの偉大さを痛感させられます。「何時かはオートグラフ」オーディオマニア、音楽マニアの夢ですね、


JBLのエベレストが小さく見えるほどオートグラフの偉大さを痛感させられます。


ホールの左右にオートグラフの小型版のオートグラフミニです。このエンクロージャーはユートピア製ですが一般家庭で聴くのならこれで十分、その横にはオートグラフの後継機と評価の高かったウェストミンスターが展示してあります。ウェストミンスターの上には10インチのモニターレッドが入ったVLZがさり気なく置いてあります。

ホールの2階から下を見下ろす写真になります。ここのホールは2階席もあり2階からもタンノイを見下ろしながら聴けるようになっています。この2階席で美味しいコーヒーを飲みながらオートグラフを聴けば加山雄三の歌のセリフで「僕は幸せだなぁ〜」の心境にもなる。

別室の2階の12畳の試聴室には有名なタンノイGRFメモリーが整然と置かれている。


同じ部屋にはタンノイランカスターとゴールドが入ったVLZも置いてある。隣の写真はタンノイのプロ用のロックウッド・メジャーになります。このスピーカーは放送局用のモニタースピーカーで移動がしやすいようにボックスの横に取手が付いているのとキャスターも付いています。

ランカスターの内部写真です。ボックスの周りに吸音材がびっしりと貼ってあります。ユニットはゴールドになります。


左側のスピーカーはタンノイでも非常に珍しい無指向性のスピーカーシステムで名前は忘れました。右の写真はユートピア製のタンノイGRFになります。

2階の廊下にこれまた有名なレキュタングラーヨークがさり気なく展示してありました。

2階から客席側の写真になります。試聴させて頂いた翌日はここでコンサートが予定されているので補助椅子が沢山並べられていました。

1階の右後方からのホールの全景です。オートグラフがホールを引き締めているのが手に取るように分かります。


タンノイを鳴らす真空管アンプ、マッキントッシュのMC−275とプリアンプはマランツ#7の組み合わせです。音源はレコードではなくCDになります。


一階ホールから見上げた天井で高さ7メートルの吹き抜けですが光熱費がかかりそうのような気がしますがこれだけの空間があればオートグラフが芳醇な響きで謳歌するのが良くわかりますね、

ここのタンノイ博物館の館長で松橋氏です。非常に温和な優しい方で初対面でも気さくな人柄で人情味の厚い好感の持てる方で年齢は団塊の世代で私より一つ若い館長です。この松橋館長は昔からスピーカーの浮気もせずにタンノイ一筋の超が付くタンノイマニア、いやタンノイコレクターと呼ぶのが相応しいかな?同じ英国党でも私とは正反対の性格「もっと見習わなければ」、タンノイを使っているマニアは本当に優しい方ばかりです。その点私は浮気者でひねくれ男ですから・・・・
 

タンノイ博物館のオートグラフの音

 これだけの広さがあればオートグラフも水を得た鯉のような気がしてくる。事実その音は想像を遥かに超えた素晴らしい音で館長の人柄が反映された雄大かつ緻密な響きです。このホールの木の香りと木造りのコンサートホールはベストマッチングではなかろうか、私が持参したコジェナーが歌うヘンデルのアリア集は雄大かつ緻密な音で「これがタンノイだ!」と唸らせた音楽性の高い音であった、クラッシックファンがタンノイを望むのは理解できる。その後に館長のお気に入りでワーグナーの歌劇を聞かさせて頂いたが大編成にも関わらず音に圧迫感がありません。家庭で聴くタンノイとは世界が違っていた、
 


あとがき

 タンノイを写真付きでご紹介させて頂きましたが、このタンノイ博物館は最近オープンしたばかりで4月からは入場料として一人1,000円だそうですがコーヒーとお茶菓子付きですから音楽喫茶に行くよりも安いのではないでしょうか、

 松橋館長と音楽談義、オーディオ談義に華を咲かせるのも良いのではないか、いつかはオーディオ雑誌などに取り上げられるのではないかと思います。是非一度、日本では此処にしかないヴィンテージタンノイ博物館を見学して下さい。場所は三重県になります、キット屋のコラムを見たと言えば暖かく迎えてくれますから気楽に訪問して下さい。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-014


TANNOY博物館(三重)に行ってきました。2012年03月27日
http://blog.goo.ne.jp/4g1g4g0/e/ae352e804e93568bf674a08d390695a4

TANNOYというと、現在はエソテリックが輸入をしているイメージですが、
この博物館で扱っているのは1950年代〜80年代のものです。

故五味康祐氏が愛用したことでも有名な名機
「オートグラフ」を聴くことができるということで、行ってきました!


場所は、三重県の津市。

電車で行く場合は「西青山」が最寄り駅になり、大阪から1時間半、名古屋から2時間程で行ける場所になります。

ちなみに、駅舎はこんな感じ。


Wikipediaによると、乗降人員は 11人/日程度。
ハイキングコースがあるのですが、その看板も…

なお、電車は30分に一本あるので、アクセスは容易です。


館長の松橋さんに相談したところ、駅まで車で迎えに来てくださいました。
松橋さんは、この博物館以外のお仕事もお忙しいようで、来館時は事前に電話をしておくと良いでしょう。


自動車で来る場合は、この看板が目印ですね。


TANNOY博物館に到着すると、意外にも普通の住宅っぽい外観です。
住宅設計工房の展示場を兼ねているとのことでした。

中に入ると、あっと驚く大空間。
オートグラフに、JBL DD-55000に、グランドピアノが余裕で納まっています。

そして、圧巻の二階吹き抜け構造。

この二階にも椅子が多数あり、
ここに演奏家を招いて行う音楽コンサートでは、ここも満席になるとか。

西洋の某ホールを思い出す作りですねw

お伺いした時は、KT88を使った真空管アンプが修理中で、
代わりにEL34を使ったAIR・TIGHTの真空管アンプで「オートグラフ」を聞かせて頂きました。

↑間近で見ると、ド迫力の巨漢スピーカー。


広大なリスニングルーム全体が楽器のように鳴り響き、
「音楽の波の中にいる」といった感じの不思議な感覚でした。

床板も盛大に振動しているなど、従来のオーディオルームと違うイメージでしたが、それがこの音に結びついているのでしょう。欠点を探し出す聴き方ではなく、音楽に浸る感覚で聴くと満足度が高いと感じるはずです。

天井の高さも非常に効果的なようで、
コンサートホールで体感する「管楽器が斜め上方から聞こえてくる」が見事に再現できていました。

お目当ての「オートグラフ」ですが、この部屋に溶け込んでいるようで、
以前、秋葉原の「ヒノオーディオ」で聴いた復刻版とはちょっと違う感じでした。

ヒノオーディオverの方は、雄大で重厚な感じで、いかにもクラッシック専用な雰囲気だったのに対し、こちらの TANNOY博物館で聴いた音は、小気味良く張り出してくる感じでした。JAZZにもマッチする感じですが、金属的な硬さは皆無です。ユニットが「Monitor-Red」だったのもポイントかもしれません。


松橋さんの陽気な人柄もあって、滞在していた二時間があっという間に過ぎてしまいました。オートグラフ以外の大型SPも5機種程度(視聴可能かは不明)あるようでしたし、特にクラッシック好きな方であれば、3時間以上の長居をしたくなるでしょう!

この博物館は高台にあり、平地より気温が7℃程度低いとのこと。
これからの季節、日帰りの避暑気分で訪れても良さそうですね!
http://blog.goo.ne.jp/4g1g4g0/e/ae352e804e93568bf674a08d390695a4

30. 中川隆[-11252] koaQ7Jey 2020年9月21日 05:01:23 : sRwbmN4RVK : eVVBcExXSE45OFk=[6] 報告
ウェストミンスター・ロイヤルが聴ける店 _ 一関市 _ ジャズ喫茶 ROYCE
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/212.html
31. 中川隆[-11251] koaQ7Jey 2020年9月21日 08:42:35 : LRsxCcIg7A : TDBiLmtTMHg5Wlk=[3] 報告
ここは40年前からモニターレッドとマランツアンプの逝かれた誇大宣伝をやっていますね(呆れ):

ガス燈 GAS LIGHT
ヴィンテージオーディオ&CD/レコード専門店
https://www.gastokobe.com/location

兵庫県神戸市中央区元町通3-10-11 正翁ビル2F
TEL 078-332-0130

OPEN: 13:00~19:00 日・祝休
*臨時休業の場合がありますので、なるべく事前に(特に遠方のお客様は)お電話でご確認下さい


アクセス
JR元町駅西口(海側)から神戸(西)方面へ徒歩約5分
元町商店街の一つ山側の通り
(喫茶チェリーの隣ビル、1階美容院)

SWING JAZZのCD/レコードやクラシックの貴重盤を探究されてる方、ヴィンテージオーディオでお悩みの方、興味がありこれから始められる方など、ご来店お待ちしております


SPEAKER
https://www.gastokobe.com/speaker

タンノイ(レッド・シルバー)は、天を摩す巨人の森であり、芸術、文化の森であり、神秘なる森である。

タンノイの森にたどりついただけで、しめたものであるが・・・・・・。

この森の中から、何を選択するか--------は、その人の教養の深さと、センスを必要とするが、

上質なる名器を手にした趣味人のみが、名器との出合いがあろう。

例えば、ペルルミュテール(P)のモーツアルトのピアノソナタ(仏VOX / 6LP)のように、

何が真の名盤であり、自身の人生の糧になるかは、上質なる名器群がきっと語ってくれるであろう。

タンノイ コーナーヨーク、G.R.F.、オートグラフが名器(黄金の三兄弟)であることには違いないが、

同じ15インチのレッド、シルバーが入っていながら、エンクロージャーによって、音楽の表情、解釈、

姿が、こんなにも異なり、且つ、それぞれが完成された表現を発するスピーカーが他にあろうか。

個々に意味を内包していることに、真のタンノイファンは、驚き、快楽されておられることであろう。

レコード芸術再生の永遠の名器といえよう。

いろいろなる名盤(名演)が誕生したのが50年以上前である。

例えば、アンドレ・レヴィのバッハ無伴奏ソナタ(LUMEN / 3LP)

パリのモーツアルト(仏PATHE / 7LP)

TRIO OF FRANCE(仏PRETORIA / 1LP)

エネスコのバッハ無伴奏ソナタ(CONTINENTAL / 3LP)

ルフェビュールのバッハ(仏FBLP / 1LP)を

タンノイ レッド、シルバーが登場したのも50年前である--------。ここに真理があり符合する。

名器が真の名盤と連関するのは、人間の社会、思想、芸術、文化の奥深いところの根源的なるもの、

本質的なるものを捉え、それを明日に照らしだそうとする信念、哲学が内在しているが故に、

現代の新奇なものを越えて、なお魅力的なのであろう。

軽薄な時代が終焉し、精神性のある社会が、一刻も早く到来することを希求してやまぬ。

アメリカタンノイ オートグラフ プロフェッショナルについて

甘く、そして、しなやかに、

豪華にして高雅に、

欧米が栄え輝いていた1950年代を髣髴(ほうふつ)させ陶酔さす。

身体は大きいが、表情は可憐にして気高く、くちもとは自然にして、唇には生気が漂い、生身が眼前に立脚しているよう。

ビオロンの響きは、オーケストラに於いては、雄大に、独奏に於いては、孤高に美音を発し、眼前に舞台を演出し演じてくれる。

ある時は静謐(せいひつ)に、ある時は優雅に、ピアノに於いては、陰翳(いんえい)が深く、ピアニストの内面を抉(えぐ)り出し、

名演奏名盤であればあるほど、歌い舞い、受者を鼓舞さす。

スピーカー(ユニット)が、2個内包されているがために、1950年代の名車(12気筒のエンジンを搭載した)にのり、

ここちよい旅をしているようでもある。

いろんな顔を持ち、いろんな表情をし、ある仮面をかぶり、受者を迷宮の世界に案内し、人生を遊ぶ。

ホット&スイートJAZZが、おれにまかせろと言わんばかりに鳴り響き、恍惚の世界に誘惑し、時を忘れる。

タンゴに於いては、カナロが偉大なリーダーであったことを、そしてガルデルにおいては飛行機事故で世を去った損失と悲しみを教え、

耽(ふけ)させる。

又、日本が誇る藤沢嵐子と早川真平が、世界のタンゴ界に認められた所以が理解出来よう。

シャンソンとて待ってましたと言わんばかりに、ダミアの暗い日曜日が、受者の内面に迫る。

ティノ・ロッシの甘く囁く歌声が、そしてルシエヌ・ボワイエの歌声が、パリを誘(いざな)う。

幅広い表現を可能にしてくれる魅惑的なるスピーカーである。

常に、タンノイ レッドが得意とする気品を失うことなく・・・・・・・。

アメリカタンノイ インペリアル(15インチレッド&シルバー各2個入り)について

決してセンチメンタルには鳴らない。

官能よりも知性を好み、永遠の至高の感覚で、人間性と無窮(むきゅう)を語りかけてくる。

常に、簡潔に、されど音楽が持つ衝撃力は惜しみなく。

天才が些細な不正にも苦しむ純潔な精神、微々たる瑕瑾(かきん)をも見逃し得ぬ精妙な感性、完璧のみが至上の逸楽をもたらすことを、啓示してくれる。

高貴にして神聖なる魂は、虚偽と罪業(ざいごう)と醜悪の世界に窒息する様を・・・・・・、偉大なる芸術家が幸福であるためには、

俗衆の喝采を必要としないことを、”インペリアル”は教え、語り、諭すであろう。

バッハからブルックナーまで、ガーシュインからジョン・ケージまで、ドビュッシーから武満徹まで、声楽からオペラまで、ニューオーリンズからフリージャズまで、総てを受け入れてしまう幻のスピーカー。

その秘密、解析(かぎ)はそれぞれに2個(15インチレッドorシルバー)が内包されこだわりの構造がなせる技なのであろう。

こんな魅惑的なるスピーカーが、当時少数しか創られなかったことが、惜しまれてならぬ。

英国人が、アメリカ人の為に賢慮(けんりょ)を尽くし辿りついた舞台、インペリアル。

アメリカ タンノイ群評-----------。

   すでにオーディオ文化の遺産として揺るぎなき地位を確立している英国タンノイ オートグラフ、G.R.F.、コーナーヨーク(15インチレッド

   orシルバー入り)の話ではない。

   アメリカ タンノイと言うだけで、日本のクラシック音楽ファンに誤解され、敬遠され、充分なる理解を得ず(試聴されず)不当なあしらいを

   受けているアメリカ タンノイレッドorシルバーについて光明を与えねばならぬと考えているのである。

   一聴すれば(音楽、レコードが好きな輩には)解析(わかる)であろうが・・・・・・名器には、歴史と、隠れたる仕掛けが内包していることを。

   そして固定観念は危険であることを。発見と感動のない世界には、凡庸なる人生が待ち伏せしているだけだと。

   アメリカ タンノイレッドorシルバー達は、語りかけてくれるであろう。感動とともに・・・・・・。


TANNOY オートグラフ、コーナーヨーク、VLZ

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アメリカタンノイの魅力------------。

アメリカ東海岸のサウンドを希求する人間にとっては、見逃すことのできない存在であろう。

1954年ロングアイランド(ニューヨーク州)に設立されたるアメリカタンノイ社は、1973年まで数々の魅力あるスピーカーを産みつづけた。

日本上陸が遅れたが為に、当時殆どの人々は関心をもつことなく(出合いなく)現在に至っているのだが・・・・・・、

オートグラフプロフェッショナル(15インチレッド各2入り)、インペリアル(15インチレッド各2入り)を頂点として、ボザーク、KLHの音色に魅了されたる人間にとっては、アメリカタンノイのサウンドにすばやく反応されることでしょう。

オートグラフプロは別として、他は英国タンノイに比べ、低域は締りぎみで重く暗く(陰けいが深く)その上箱の響きが押えぎみのため、

JAZZが”いき”に鳴るのである。

中域から高域にかけては、タンノイユニットの特徴である金属的な肌合を有しているが故に、管楽器、ピアノがイメージ良く且上品に鳴り響く。

ヨーロッパへの希求性とヨーロッパからの遠心性がアメリカ文明の宿命であるかのようにして産まれたのが、アメリカタンノイ群なのであろう。

透徹されたる英国人の知性が、アメリカという大陸で華(はな)開いたる珍しき逸品と言えよう。

特に、スタンダードオートグラフ(レッド入り)チューダーオートグラフ(レッド入り)、オートグラフプロ(レッド各2入り)、インペリアル(レッド各2入り)の4種類は一聴に値するしろものであるばかりか、イギリスタンノイ黄金の三兄弟に無い魅力が内包されていることに、タンノイファン及びタンノイでJAZZを鳴らしてみたいと考えているファンは、一聴に値する魅力あるスピーカーと言えよう。

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日本人のタンノイファンにとって敬遠しがちの隠れた名器。

アメリカタンノイ群の復権あるいは深き淵よりの詩い------------。

通説としてタンノイの弱点と言われてきたピアノ、管楽器、打楽器が気品を失うことなく鳴り切るアメリカタンノイの魅力は、幅広い音楽を楽しむ人間にとって救いの神器となろう。

特に1950〜60年代に創られたる名器シルバー、レッド入り大型アメリカタンノイは、豊かな国(1950〜60年代)アメリカ人の要望を満足させた英国人の叡知の作であるだけでなく、後生の金字塔となり多くの音楽ファンを楽しませ続けるであろう。

1950年代にLP名盤が続出したごとく、1950年代に歴史的名スピーカー群が誕生した意味は大きい。

オートグラフプロ(レッド入り)及びインペリアル(レッド入り)が無冠の王者ならば・・・・・、スタンダードオートグラフ(レッド入り)、チューダーオートグラフ(レッド入り)は、流たくの清士であろう。

高貴を弑(しい)し、美を屠(と)り、理想を犯す、荒涼たる今の世にあって、黄金期のタンノイシルバー、レッドを搭載した大型スピーカーでの音楽鑑賞は比類なき精神の高揚となろう。

JAZZをここまで物語り表現しうるスピーカーはそう多くはない。

初期の上質なるマランツ#7と#9とのコンビで聴く大型タンノイ群は、宝珠(ほうしゅ)に似て、燃えたる美の王宮なり、遠来の王を迎えることの出来る人は、至上の歓喜を得ることのできる稀世の人となりえよう。

タンノイの固定観念に縛られている輩、行動を興さない輩には未来のイヴとの出合いはない。

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レコードとオーディオという二つの芸術が、相擁(そうよう)し、至高の交歓(こうかん)を遂げた幸福なる時代は、

もはや終焉(しゅうえん)してしまったのであろうか----------。

かつては上質なる機器からは、レコード内に於けるノイズを看取(かんしゅ)することなく、不思議にも良質なる音楽のみが、昇華され、

芸術的香気を、満喫させてくれる時代もあった。

すでに、名器をお持ちの趣味人は、日々このような場景に、満悦されておられることであろうが・・・・・・・。

弱音器をかけたような、忍び音(しのびね)の音楽は、最も素朴な人々と、最も洗練されたる人々を、同時に魅了させずにはおかない。

現代美術が、見るという行為によって始まるように・・・・・・、聞く側が、名器を産むのであろう。

レコードが円熟し切った時期と、オーディオが熟し切った時期が、対峙しあうかのように・・・・・同時代に誕生し、完結してしまったのであろう。

名器、名盤にはディオニューソスなる神が、宿っているとしかいいようのない現象が、名器から現前として発する。

真の音楽ファン、レコードファンであれば、レコードに針を下した瞬間、躍動と静止が、等価を保ちつつ、執拗に自己に投影を仕掛け、眩惑

しつづけるスピーカーに出会いたくはないか、それを可能にしてくれるスピーカーが、タンノイの黄金の三兄弟オートグラフ、G.R.F.、

コーナーヨーク(いずれもレッドorシルバーのユニットが内包されていなければ、意味をなさないが・・・・・・)と言えよう。

入口のカートリッチから厳選しなければ、この手の夢は実現しないだろうが・・・・・・。

追伸、巷では、ヴィンテージオーディオは、腐りかけの音が魅力があると言うが、創られた当時の状態に出来るだけ近づけた名器を聞くことのない輩の戯言(たわごと)にすぎぬ。ここに現状のヴィンテージオーディオの世の限界が潜(ひそ)んでいるのかもしれぬ。

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翼をもち、風を呼ぶ感性たれ-------------------。

生まれながらにして神秘の香(こう)に滲透(しんとう)された或る種の魂を内包したる人間は救われるが・・・・・・。

水晶体は我々の網膜の上に投射する映像や、空気が我々の鼓膜に伝達する震動のみを、唯一の現実として信じる人々は、眼あれど見えず、耳あれど聴こえぬ不幸なる輩に過ぎぬ。

五官が我々に啓示する外界の世界は現実ではなく、いわんや絶対でもないことを感動している人間のみが、一級の芸術作品との出合いに、融合できるのであろう。

神秘を信じる魂を有したる人間は、水晶体が屈折し得ぬものを見、空気が伝達し得ぬものを聴くことのできる賢者である。

その分、苦悩と葛藤と練磨を要求されつづけられるであろうが・・・・・・。

” 我が夢はその彼方にあり ” と呟(つぶや)く貴兄の多からんことを・・・・・・。
https://www.gastokobe.com/speaker

​Amplifier こだわりの美学
https://www.gastokobe.com/amplifier

マランツについて・・・・・、

例え、名真空管をもって挑んだとしても---------

EL - 34を果敢に探求しつづけてきた”ソール・B・マランツ”の姿勢には、かなわない。

単純ほど美しい。

簡素ほど心をうつ。

こだわりほど恐ろしい。

オーディオの最高の目標は”格式”と”格調”と”気品”である。

既存の意味と価値を研き出し、蒐集し、積み重ね、修飾し、装飾する。

そして、陶酔させてくれる。

正に、マランツ#7,8,9,10,10Bのための凱切(がいせつ)な措辞(そじ)である。

しなやかな張りつめた意識、神経のもと・・・・・レコード芸術という

絢爛(けんらん)たる非現実の織物を眼前にて紡がれる、あでやかに音は縫いとられてゆく、

宏荘(こうそう)にして斉荘(せいそう)---------

象徴にして棲蒼(せいそう)--------

生きようとする影が優雅な死の影のように眼下に落ちる。

禁断の果実に近づき深淵し、感嘆し、酩酊する。

工(たく)まれたるレトリックの凝縮、

幻惑的な装飾の技兩

マランツ#7,8,9,10,10Bならありうる。

集うことを許さぬタンノイ ”レッド” ”シルバー”と

正に、両雄である。


  機械は、バラのように、美しくなければならぬ。

  詩人が、言葉を支配するごとく・・・・・、名盤たちは、名器を支配する。

  高潔なる精神の持主であればあるほど、感じ(解す)るであろうマランツ群の魅惑(悦楽)。

  清雅(せいが)にして、鋭敏なる音色(音感)、稀有(けう)なる音人(貴人)ならではの音業(偉業)。

  幽韻(ゆういん)にして、幽思(ゆうし)---------。

  嫋嫋(じょうじょう)として、鬼(き)の長い旋律は、

  柔らかい青い影、淡紅(たんこう)と、灰色の諧調へと誘う。

  世に、これほどまでに渾然(こんぜん)として、微妙なる快楽があろうか。

  華やぐ外観の影に、見え隠れする、憂愁(ゆうしゅう)と、悲哀と、倦怠の色(音)は、

  棲涼(せいりょう)たる鬼気となって、音間に漂い、或る説明し得ぬ神秘なる世界に遭遇し、

  決定的なる色調(音調)を、帯(お)びるのであろう。

  これぞ正に、マランツ群ならではの措辞(そじ)といえよう。

 

******MARANTZ # 9 の新しい在庫商品(ペア2セット)2016. 10. 24現在******


*MARANTZ #9 ペア2セット(在庫3&4)入荷分、掲載しました。(2016.10.30現在)

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*MARANTZ #9 ペア2セット、近日中入荷予定。(2018.7.4現在)
(#1386, #1387 連番セット。他1セット。)


*MARANTZ #7 在庫あります。(2018.7.4現在)
(10800番台、10900番台、他。)



商品の値段等、お問い合わせは、「ガス燈」TEL 078-332-0130まで、
よろしくお願い致します。

(在庫状況は、掲載時と異なる場合がありますので、ご了承下さい。
尚、入荷予定商品の予約も可能です。)
https://www.gastokobe.com/amplifier


マランツのアンプについては

オールド マランツ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/635.html

32. 中川隆[-11216] koaQ7Jey 2020年9月23日 07:57:49 : VumBhQdrYQ : a1FlQUZBTWNFVUE=[39] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋
ここだけの話にして欲しいのですが・・ 2020年09月23日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ad107d1a479a509fc37b820ddac9a3f8


先日のことだがオークションにワーフェデール(英国)の口径38センチ(15インチ)のユニットが1本出品されていた。

お値段は「13,800円」と超安いうえに、音がメチャいいとされている「赤帯マグネット」付き!

我が家のウェストミンスター(箱)に使えそうなユニットなので落札したいところだが、なんといってもペアとしてあと1本欲しいところ。

そこでヨーロッパのSPユニットに関して独自の輸入ルートをお持ちの「T」さん(東海地方)に伺ってみた。

「現在オークションにワーフェデールの口径38センチのユニットが1本出品されてます。落札したいのですが、ステレオ用としてあと1本欲しいところです。

そこで、T様のルートから同じ口径38センチが手に入る可能性はありますでしょうか。まことに勝手のいいご相談ですが、いかがなものでしょうか。」

すると、ご親切にも次のような返信があった。

「お元気ですか。

ご照会の件ですが、当該のオークションも覗いてみましたが、アルニコの15インチタイプはなかなか見つけられないと思います。

15インチはどちらかというとアメリカ人好みのようで、イギリス国内では、Wharfedaleに限らず、15インチのユニットそのものが、あまり見受けられないように思います。
ご期待にそえず申し訳ありませんが、これに懲りず、また何かありましたら、いつでもご照会なり、ご相談なりしてください。 では、失礼いたします。」

というわけで、手に入れるのが難しいとなればオークションの出品物を諦めざるを得ない。1本だけではどうしようもないしねえ〜。

さて、ここで何が言いたいのかといえば、イギリスでは15インチ(38センチ)のユニットがあまり見受けられないということ。

たしかにグッドマンやワーフェデールなどの有名どころにしても、15インチがあることはあるがめったに見かけないし、タンノイもあることはあるが使えるのはせいぜい往年のモニター・シルヴァー、レッドあたりまでだろう。

後日、この件を「北国の真空管博士」にご注進したところ次のようなコメントがあった。

「そうなんです。イギリスは口径30センチのユニットが圧倒的に多いです。音のスピード感と繊細な表現力と適度な量感をマッチングさせるとなると口径30センチのユニットがベストと考えているのでしょう。

私もそう思います。したがって、あなたのユニットの選択は間違っていないと思いますよ。口径38センチのユニットを思いどおりに動かすのはたいへんです。タンノイの昔のユニットがなぜいいかというと、コーン紙の重さが軽いのも一因でしょう。」

口径38センチのユニットはそれなりの魅力もあるのだが、どうしても空気を押し出す量と抵抗、そしてコーン紙の重さを考え合わせると、音声信号に対する追従性に問題が出てきそうに思えて仕方がない。

そういうネックがあるので我が家のユニットはウェストミンスター内蔵のユニットまで含めてウーファー系はすべて「口径30センチ」に留めている。

もちろん我が家で常用している小出力の「3極管シングル」アンプとの絡みもあるので一概には言えないが、これまで使ってきた口径38センチのユニットはJBLの「D130」やタンノイなどすべてオークションに放出してしまった。

この画像はウェストミンスターに内蔵しているワーフェデールの赤帯マグネット付きのユニット(口径30センチ)だが、これでも低音域にいっさい不満が無い。

   

そういえば、タンノイの創始者「G.R.ファウンテン」氏が愛用していたのは「オートグラフ」ではなく、口径25センチの「イートン」だったことはよく知られている。

これがイギリス人の良識あるオーディオ観といっていいだろう。

自分もタンノイは「VLZ・イン・オリジナル・キャビネット」「インパルス15」「ウェストミンスター」と使ってきたものの、一番バランスが良かったのは最初に使った「VLZ」だった。今となっては手放さなきゃよかった(笑)。

まあ、「口径38センチ」のユニットが好きという方もいるので、こればかりは好き好きだし、さらには箱の容量とかパワーアンプの出力との兼ね合いもあるので一律には論じられないが肝心の「お耳のセンス」の方は「?」だと内心秘かに思っている。

もちろん、いろいろと差し障りがあるのでこれは「ここだけの話」にしていただくと大いに助かります(笑)。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ad107d1a479a509fc37b820ddac9a3f8

33. 2020年9月30日 10:49:18 : TizLKKbkrg : VmdVLnozMlAxYVU=[11] 報告
先日東京在住の仲間と話す機会があり

「一番音がいいユニットはタンノイのモニター・シルバー(同軸)の口径30cmだと思いますよ」

とのことだった。

この方はご自宅(福岡)で、タンノイ・コーナーヨークに「モニター・シルバー」(口径38cm)を容れて鳴らされているのだが、それでも口径30pの優位性を主張されておられるのだから「身びいき」のない良識派として尊敬に値します。

なお、口径38pのユニットはよほどのユニットでもない限りボリュームを絞ったときにまことにプアな響きになるので我が家では選択外に置いている。

それはともかく、生きているうちにぜひ、きちんとした箱に入った「モニター・シルバー」(同軸:口径30cm)を聴いてみたいものだ。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/35edcdd0dcbbdaa4604bc7bc9172b2f4

34. 中川隆[-10808] koaQ7Jey 2020年10月17日 19:25:42 : 7wy0AmJgxc : alByS1ZDbVFJS3M=[15] 報告
2020年 10月 17日
オーケストラを部屋に持ち込む
https://tannoy.exblog.jp/31773802/


生のオーケストラを部屋に持ち込む、そんな大それた事を思いだしたのはいつ頃からのことでしょう。小学生の頃から工作は好きで、戦前からの古い真空管でラジオを作っていました。中学生になりたてのころ、担任の先生が16mmフィルムの映写機で「青少年の為の管弦楽入門」という映画を見せてくれました。それは新鮮で驚きに満ちた体験でした。その映画でオーケストラに興味を持った私が幸運だったのは、荻窪の杉並公会堂で、渡邉暁雄さんの指揮で日本フィルの演奏会がテレビ収録されていたのです。それに何度か潜り込みました。それが生のオーケストラとの出会いでした。今思えば幸運でしたね。自分たちの街にオーケストラがあったのですから。

そうした経験が積み重なり、73年からの4回に渡る文化会館でのムラヴィンスキー体験、78年のムジークフェラインにはじまり、80年代から90年代の初めにかけて世界中の名高いホールを訪れるようになりました。中でも、ムジークフェラインとコンセルトヘボウは格別のホールトーンがしていたのです。ウィーンの音は聞き慣れたDECCA・Londonの明快な音とは違い、美しい生の楽器の柔らかな音が混然としてハーモニーを作っていましたし、アムステルダムのコンセルトヘボウ(コンサートホール)で聞いた響きは、まさしくPHILIPSのレコードと同じ音がしておどろきました。

https://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=31773802&i=202010%2F17%2F99%2Ff0108399_06381597.jpg


このコンセルトヘボウでの体験中に、後ろの席の音なら、ひょっとしたら自分の部屋の中で、この音そのものを、再現できるかもしれないと感じたのです。そう思ったきっかけは、SD05で鳴らしたGRFから聞こえてきたあのホールの響きだったのです。ブラームスのセレナーデ、マーラーの第四番など、一連のPHILIPS録音のアナログレコードとデジタル録音の初期盤のCDでした。初期盤と断るのは、再発盤や同じ盤でも後年の発売の盤は、細部の柔らかさ、繊細さ、そして安定性が無くなっていくからです。

SD05は、無帰還アンプです。NFBが掛かっていると、SP自身がマイクになって拾った部屋の音を、アンプの入り口までフィードバックして、その部屋の特性が強調されてしまいます。今でも、戦前からの無帰還アンプが愛用されている理由の一つです。SD05は、アンプ内でアナログ信号を扱いません。通常、電圧増幅段を通る間に、左右の音がクロストーク(交差)して起きる、左右の音の混合がないのです。

左右のクロストークがない音とは、右と左にセパレートする音ではありません。今まで薄かった中央部の音が充実して聞こえてくるのです。モノラル的と言っても良いほどです。左右にセパレーションがいい音がクロストークが少ないと思っていた観念をSD05が正してくれたのです。クロストークがなくなった音は、センタースピーカーがないと中央から音が聞こえないと思っているマルチチャンネルのイメージを払拭してくれました。いままでクロストークで音が打ち消されていた中央の音場に、木管楽器が浮かび上がり、ヴィオラやチェロの旋律の低音楽器のパートが聞こえ始めて、一気にオーケストラの音が出てきたのです。

その時ならしていたGRFのタンノイ・モニターゴールドは、1950年代に設計され60年代に作られた、同軸型のスピーカーで、低音はバックロードホーンで、高音のホーンとバランスが取られ、同軸状に展開した二つのスピーカーは、極めて聴き心地のよい音がしてきました。コーナーに置かれて、ぴったりと45度づつ内向きに置かれて、前方で90度に交差された音像は、立体的な音像を再現したのです。それは、今までのアンプでは聞いたことのない音場でした。その時聴いたコンセルトヘボウの音場の経験が、10年後のTroubadour とTW3で花が咲くのです。

https://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=31773802&i=202010%2F17%2F99%2Ff0108399_06400372.jpg


SD05でならしたGRFは、それまでのタンノイのイメージを一新する物でした。

これがGRFの音?
https://tannoy.exblog.jp/2878185/


その驚きは私だけでは無く、石田さんご自身もタンノイの音を見直すぐらいでした。しっかりとバックロードがかかり、ブーミーな低音はすっかりと消えたGRFは、タンノイのアルニコスピーカーが本来持っていた、バランスの取れた音でなり始めたのです。同じタンノイでも、フロントホーンとバックロードを組み合わせた「オートグラフ」では、低音が膨らみ、中音もフロントホーンで膨らんだので、フロントホーンのないGRFのような音場は出せませんでした。

GRFを幅二間半の間隔でコーナーに置くと、充分に広い音場が現れます。壁から二間近く離れたところで、交差した音場は、大きな直角三角形を構成して、立体的に部屋に飛び出してくるのです。交差法の名前の由来ですね。音場は、前に飛び出してくるばかりでは無く、SPの後方にも奥深く展開します。GRFは左右と高さの二次元では無く、前後も再現する三次元の音、正確には三次元の音を再現していました。左右からぴったりと合い、低音のかぶりも無く再現されると、そこにステレオ本来の立体音像が再生されていたのです。

コンセルトヘボウで聴いてきた音の半分ぐらいは出現したと思える瞬間でした。その時点でGRFを使い始めてから30年を迎えていました。大事に使ってくれば、この様な展開にもなると驚いていました。ステレオ再生は、しっかりとした低域に支えられ、高域の焦点が合ってくると、そこに広大な演奏会場が浮かび上がってきて、我が家がコンセルトヘボウになれるという確信を得たのです。その頃、SD05を通じて知り合った横浜のMさんご夫妻がお見えになって、奥様から褒めていただいたのは嬉しかったです。

https://tannoy.exblog.jp/31773802/
 

35. 中川隆[-10209] koaQ7Jey 2020年11月04日 18:58:35 : AJ5Znu7Ezo : RUhuckZmTnhWWDI=[56] 報告
タンノイの1号機モニター・ブラックが聴ける店

Cricket Record
http://www.cricket-record.jp/

サウンド・コーディネーター 「札幌音蔵 」
http://www.cricket-record.jp/page/36


クラシック中心にジャズ、歌謡曲まで販売しています。
初版盤、輸入盤、日本盤、10吋、EP、CDと種類も豊富。
店舗にはネット掲載以外のレコードも揃えています。 

試聴用のスピーカーはタンノイの1号機モニター・ブラックをタンノイ製のアンプで鳴らしています。

営業時間:12:00〜19:00定休日:毎週水曜日

札幌市白石区栄通8丁目1−34 (東北通り沿いです。)

【クリケットレコード】 ☎:011-867-0130 
【札幌音蔵】 ☎:011-855-1214

地下鉄 東西線南郷7丁目下車 徒歩7分

AUDIO札幌音蔵の隣りの店舗です。駐車場3台有り。


地図
http://www.mapion.co.jp/m2/43.035695618854334,141.40972916666666,16/v=m1:%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E5%B8%82%E7%99%BD%E7%9F%B3%E5%8C%BA%E6%A0%84%E9%80%9A8%E4%B8%81%E7%9B%AE1-34
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%80%92003-0021+%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E5%B8%82%E7%99%BD%E7%9F%B3%E5%8C%BA%E6%A0%84%E9%80%9A%EF%BC%98%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%91%E2%88%92%EF%BC%93%EF%BC%94/data=!4m2!3m1!1s0x5f0b2baeb850b57d:0x912aa2e9826660e7?sa=X&ei=ytovVaO6H6HGmAWyg4DwCA&ved=0CGMQ8gEwCg

タンノイ・ユニットの選び方 Cricket Record
http://www.cricket-record.jp/page/31

36. 中川隆[-10208] koaQ7Jey 2020年11月04日 19:14:47 : AJ5Znu7Ezo : RUhuckZmTnhWWDI=[57] 報告
タンノイ・ユニットの選び方 Cricket Record
https://www.cricket-record.jp/page/31


ユニット名  コメント

モニター・ブラック(1号機)
【販売:1947‐1953 】
SP盤時代に製造されたSP盤に合う音です。
1号機では、クラシック、ジャズも素晴らしい音で鳴ります。
タンノイのユニットの中では最も質感の高い音です。
箱はオートグラフではありません。(下記画像参照)
現在では超入手困難なユニットです。

モニター・シルバー 15Ω
【販売:1953‐1957】
モノラルのレコードの出始めに製造され、モノラル盤がうまく鳴るユニットです。

【前期タイプ】
全体が黒い布ですっぽりと覆われています。この布のために音のヌケが少し悪い感じがあります。現在ではボロボロになっているものがほとんどですが、外せばよくなります。
※前期はセンターキャップがないので、布で覆われてました。

【後期タイプ】
布で覆われてはいません。音は前期、後期タイプで違いはほとんどありません。
※モニターレッドと比べて、上下の伸びはイマイチですが、それを補って余りある音の質感、そして何よりも渋い音が魅力。この音に慣れるとレッドは聞けないという方もいます。
中域の質感の高い充実度は特筆ものです。


モニター・レッド 15Ω
【販売:1957-1967】
ステレオ盤と同時期に製造されたユニット。ステレオ盤によくマッチした音で鳴ります。
初期VLZに搭載(1961年から10吋のレッドを使用)

【前期タイプ】
コーン紙のところのセンターキャップが飴色になります。

【後期タイプ】
センターキャップは黒色です。
音の違いは、後期タイプは上がさらに伸びて、少しにぎやかな音になります。
五味康祐氏で有名なレッド搭載のオートグラフはオーケストラ再生でその本領が発揮されます。シルバーにはない、上下の伸び(レンジ感)がクラシック・ファンには高評価のユニットです。ヴァイオリンの高音の伸びは魅惑の響きを奏でます。



モニター・ゴールド 8Ω
【販売:1967‐1974】
トランジスタの登場で、これに対応するため8Ωのインピーダンスに変更されたユニット。後期VLZに採用。国内ではシュリロ貿易が総代理店として輸入を開始。
低域がやや膨れて、分解能が少々落ちた感じの音になりますが、現代の音楽に向いている傾向の音作りです。

VLZの中でお薦めできるのはこのゴールドから以前のタイプです。十分にタンノイらしい魅力的な音がします。
これで大人のジャズを楽しむことも可能です。


HPD 8Ω
【販売:1974‐1979】
アーデン、バークレー、チェビオット、デボォン、イートンに採用される。
国内はTEACが代理店となる。
VLZ(チャーヴェニング)に採用される。
HPD315はタンノイ最後のアルニコ仕様です。

【前期タイプ】
左画像のようなマグネットのカバーの色。

【後期タイプ】
マグネットカバーがゴールドに近い色合いになります。
ネットワークの形状も違ってきます。アッテネーターとターミナルが別々。


DC386 8Ω
【販売:1979〜
アーデンMkU、バークリーMkUに採用される。

※この時期からアルニコからフェライトへ変更になる。



K3808 8Ω
【販売:1979〜
スーパー・モニター・レッドに採用される。


【TANNOYのユニットの選び方について】−同軸型2wayユニット

●ブラックからゴールドまではフィクスドエッジです。ゆえにゴールドまでは低域の切れがあります。

●ゴールド以前のユニットはより音楽性豊かな表現力があります。

●音の質感、密度、表現力においてはブラックに近くなるほど高まります。

●高域、低域の伸びはレッド、ゴールドにあります。オーケストラの雰囲気はレッドが得意とするところです。

●音を聞くならゴールド、音楽を聞くならシルバー、レッドといったところでしょうか。

●HPD以降はコーン紙の重量が重くなり、音の反応がやや劣りますが、新しい録音はうまく鳴らします。


・シルバー、レッド、ゴールドは現在、品薄で入手困難な状況になっているのが現状です。
・特にシルバーと初期レッドの極上品は希少、貴重品です。
・ゴールドも良い状態のものが容易には見つからなくなってきています。
・タンノイユニットは一生ものとしてご使用され、愛機とされるお客様が多いユニットです。
・良い状態のユニットを選択し、価格だけで選ばずに入手されることをお奨めいたします。

●タンノイ・ユニット用のエンクロージャー
   
♦タンノイ1号機(オリジナル) 38cmモニター・ブラック 
♦1号機(エンブレム&金網ネット)                 


・タンノイ1号機(オリジナル) 30cmシルバー・ユニット入り 
※ブラック30cmは極めて少ない。

      
♦オートグラフ:1953〜1974                   
♦ミニ・オートグラフ(日本製)ユートピア製品
  
♦GRF:1955〜1974 
♦べェルヴェデーレ (米国タンノイ)


レクタンギュラーG.R.F (英国製オリジナル)モニターレッド(飴キャップ)
   
♦VLZ (モニター・レッド入り初期型)          
♦VLZ (モニター・ゴールド入り後期型)


♦VLZ(モニター・ゴールド・ラージ・フレーム)
ゴールドの中でもフレームの幅が広いタイプです。
普通のタイプよりも音が優れており、希少なVLZで入手困難なスピーカーです。

   
♦スターリングSE (VLZの後継機、25cm同軸2wayユニット、8Ω、フェライト)
   
https://www.cricket-record.jp/page/31

37. 中川隆[-10057] koaQ7Jey 2020年11月09日 13:01:36 : tkQkWLqmCM : ZW14TmJkVjFwZG8=[15] 報告
楠 薫のオーディオ三昧
http://www.kusunoki.jp/audio/audioindex.html

このコーナーでは1986年以来の私のオーディオに関する足跡を記すとともに、書きためてきた 資料などを整理してみました。また、資料的価値のある製品の写真も可能な限り載せてみました。

■ 1986年ころのオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/history86.html

この写真は、私が初めてウエスギアンプでシステムを組んだ時のもの。
1986年頃だと思います。

CDプレーヤーがルボックスのB225、プリアンプがウエスギのU-BROS1、一番下段にはU-BROS3が入っています。ピラミッド構造の、どっしりした低域に支えられた、 しなやかで美しい高域が魅力で、ルボックススの多少荒いもののシャープな切れ味が加味された、当時としてはお気に入りの組み合わせでした。

この頃、真空管を交換したりケーブルを換えて音を整えるノウハウがあれば、もっとタイトで素晴らしい音を奏でることが出来たかも知れません。
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/history86.html

■ 1987年ころのオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/history87.html

 この写真はスチューダーのCDプレーヤーを入手し、メインアンプがU-BROS11になった1987年頃のもの。
 多少線は細いものの、気品があってしなやかで、ある意味では、この頃が一番タンノイ&ウエスギの黄金の組み合わせらしい音を奏でて いたと言って良いでしょう。
 何と言っても音場の見事さは秀逸で、オペラなどステージはミニチュアですが、歌手が眼前で歌っているかのような錯覚に陥るほど。

 友人が「天空より天使が舞い降りてくる音」と評してくれた、見事な音でした。

 ただそれでも時折、低域のモコッとしたレスポンスの悪い音に頭を悩ませ、何か打開策はないかと、思案しておりました。
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/history87.html


■ 1992年ころのオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/history92.html

これは我が家にシェルターのラインアンプ、404-2が来る直前の写真です。

メインアンプはこの後、UTY-8になりますが、どうも「タンノイ+ウエスギアンプの黄金の組み合わせの音」というのが気に入らなくて、それならば、とばかりに、「シェルター」という取手市にあるガレージメーカーのプリアンプを購入することにしたのです。

このあたりの経緯については「楠 薫・お仕事集」(「音とイメージ」)に詳しく書いております。
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/history92.html


音とイメージ 1993年2月12日
http://www.kusunoki.jp/writing/writing.html#TOP


  よく勘違いされていることだが、いくら高価なオーディオ機器 を集めても良い音では鳴らない。良い音で鳴るか鳴らないかは、 結局の所、組み合わせで決まる。
 だからユーザーがハッキリとした音のイメージ、方向性を持た ずにいじくっていてはいつまで経っても良い音では鳴りはしない。

 わが家のオーディオシステムに例をとろう。
 先日シェルターというメーカーのプリアンプを聴く機会を得た。

 丹沢電機を辞めて独立した小澤ラボの小澤さんと共に、シェルターの オーナーである小澤氏がプリアンプ持参で直接わが家にやって来てくれたのだ。

 それまでのわが家のシステムはスピーカーはタンノイのスターリング、 CDプレーヤーはスチューダーのA730、メインアンプは先頃購入し たばかりのウエスギの新製品UTY8で、その前のメインアンプは ウエスギのU・BROS11であった。プリアンプはウエスギのU-BROS1。

低域と高域のバランスの関係からCDプレーヤーとプリアンプの間に ウエスギのマッチングトランスを使用し、CDプレーヤーとマッチングトランス の間はTRIアソシエイツのピンケーブルを用い、トランスからプリアンプまでは SONYのLC・OFCCLAS1を使っていた。プリ・メイン間もやはりSONYの LC・OFC CLAS1で、スピーカーケーブルは透明感と定位の良さが 素晴らしいTRIアソシエイツの製品である。湿度の高い夏場はさすがにダレるが、 冬場は実にきめ細かく美しい音色を奏でてくれた。

これがメインアンプを真空管がKT88のUTY8に換えたら俄然、 生き生きとした立体感あふれる音に変わった。

 そしてシェルター登場である。

 シェルターの小澤氏の薦めに従ってCDはトランスをはさまず ダイレクトにプリアンプにつなぐことにした。

 試聴用のアンプでは素直に伸びた高域にエネルギー感があり切れ 込みが素晴らしく、分解能も抜群で定位の良い音を奏でた。 SONYのピンケーブルをCD・プリ間に使用すると高域のエネルギー感が むしろ耳障りで、グラドのピンケーブルに換えたら低域のバランスといい、 高域の品の良い粒立ちといい、抜群であった。
 注文して製品が十二月十七日木曜日に届いた。

 今となっては笑い話だが、その夜鳴らしてみて品のない低域と全く 透明感のない高域に呆然となった。小澤ラボの小澤さんに電話で文句を 言ったのはこの翌朝である。

 しかしエージングを重ねる内に二日目の夜から高域が輝きだし、 むしろ低域の量感が不足しているくらいに感じられるようになってきた。 これはちょうど試聴用のアンプで聴くことのできた音質だった。

 さっそくグラドのピンケーブルにしてみる。
 まぁ、大体予想した通りの音になった。

 オーディオ愛好会会長の山川を呼んで狂喜していたのはこの頃である。
 だがエージングを続ける内に四〜五日目くらいから高域のエネルギー感が落ち着き、透明感が増してきた。

 こうなるとグラドのケーブルでは低域がだぶつき、高域の粒立ちが欲しくなる。
 そこで再びピンケーブル接続大会を催し、マッキントッシュ、トーレンス、TRI、 SONYのケーブルを、まずCDプレーヤー・ラインアンプ間で試してみた。
 SONYの粒立ちの良さ、シャープさにわずかながら軍配が上がった。

  しかし音の傾向は不思議なくらい似通ってきており、シェルターのアンプの 個性の強さが支配的に思えた。

 ついでCD・ラインアンプ間はSONYで固定し、ライン・メインアンプ間を やはり同じように取っ換え引っ換え試してみた。

 結局SONYの鮮度の良さに軍配が上がり、これで落ち着くかに見えた。
  だがどうも少しこもりがちで高域が少々耳につき、今度はスピ  ーカーケーブルをいじることにした。といっても手持ちはバン・  デン・フルだけなので、それと付け換えただけである。

  高域のバランスは良くなったが、TRIで見られた透明感にはほど遠く、 ピンケーブルを少しいじってみたけれど、やはりTRIには敵わないと思って戻すことにした。 戻す際に、ふと、TRIのバイ・ワイヤリングにしてみたらどうなるだろうと思い立った。 たまたま試聴用というか非常用に同じ長さのTRIのスピーカーケーブルをもう一組持っていたので、 迷わず試すことにした。

 その結果は……。
 とにかく驚いた。背筋が寒くなるくらい驚き、目を見張った。
 高域の粒立ちはそのままで透明感が増し、定位の良さが俄然際立ってきた。

 そればかりではない。中域から高域まで自然に音がつながり、視界が一気に広がって、  微妙な音のニュアンスまで奏でるようになった。  何よりも静寂がこれほどまでに美しいと思ったことは未だかつてなかった。

 若干低域に甘さが残るのが珠に傷で、もう少しストレートでパンチ力のある 低域を奏でて欲しいが、これがタンノイの特性なのだろう。  いや、バイ・ワイヤリングにする前に較べたら低域のスピード感も明らかに増しているから、 あまりにも粒立ちの良い高域のせいで、低域が甘く聴こえているように感じているのかもしれない。

 いずれにしろ、みずみずしい声と粒立ちの良い高域と静寂の美しさは何物にも換え難いものがあった。

 その後、小澤ラボで試作したコーリアンという素材のスピーカー台を使ってみたり、UTY8の 真空管をゴールドライオンのKT88に換えてみたり、オザワラボの小澤さんの奨めに従って シェルターのラインアンプの真空管をRCAの6211に換えてみたりした。

 ゴールドライオンのKT88は中低域が力強くタイトで、わが家の音の欠点を補ってくれて 非常に好ましかったが、なぜだかコーリアンの台にすると音の透明度が失われ、6211の真空管に 挿し替えると高域の芯が細くなってしまってうるさく、透明感が薄れた。

  まったく試してみなくては判らないもので、結局千円足らずのコンクリートの台に壁紙を張った 安物スピーカー台とオリジナルのシェルターの真空管が最適であった。

 今の所この組み合わせで一応落ち着いている。シェルターのメインアンプの試作品が出来たそうだが、 試聴用のアンプがまわってきたら試してみようと思う。
 が、当分はこの組み合わせで満足できそうだ。もっともエージングが進んで行けば この先どうなるかは判らないが。

 新潟からわざわざ聴きに来てくれたクラシック音楽愛聴会OBの戸田さんも 今の音の素晴らしさに脱帽のようだった。

 スターリングにハーマンカードンのセパレートアンプを組み合わせていた 頃から私のオーディオとの格闘ぶりをつぶさに見て来て、いつも酷評しかしたことのない戸田さんが、 ついにうなって仕舞には黙ってしまったのである。

 実際この音は、今までの自分のオーディオ遍歴の常識を打ち破るレベルで  鳴ってくれている。一つ一つの製品をとってみれば、シェルターのラインアンプは別として、 他は実にオーソドックスというか、誰でも知っているような製品ばかりである。

 クラシック音楽ファンがタンノイのスターリングを使い、それを鳴らすメインアンプに ウエスギのKT88仕様の真空管アンプUTY8を使う。CDプレーヤーはオープンデッキ時代から 定評のあるスチューダーの製品で固める。

 これらは知る人ぞ知る、黄金の組み合わせである。

 これにシェルターのラインアンプを組み合わせてみただけと言えば簡単だが、 実際私が試みたことと言うのは、試聴用のプリアンプが聴かせてくれた音の片鱗を思い描き、 シェルターというメーカーを信じて隠し味としての調味料的存在であるケーブル類を 取っ換え引っ換えして、自分の持つ音のイメージに一歩一歩近付けて行ったのである。

こうしたオーディオに対する取り組み方というのは、タンノイの初代スターリングとの出逢い 以来変わっていない。

 秋葉原のとあるお店の前を通り過ぎた時にたまたま流れていたバイロイトのワーグナーの音楽。 それがタンホイザーだったか何であったかは忘れたが、声のリアルさと、テノールの歌手がクルリと 振り向いた様まで手にとるようにわかった時の衝撃は今でも忘れない。

爾来たった二組のピンケーブルを求めに秋葉原まで往復したりこの時は出費を少しでも 抑えるために途中まで原付で行った)、スターリングの潜在能力を信じて少しずつ少しずつ自分の目標と する音に近付けて行った。

 粒立ちの良い高域と歯切れが良くパンチ力とスピード感ある低域。 しかも定位が良く透明感があり、美しい静寂を聴かせてくれる。そしてみずみずしい声と伸びのある 管楽器群はフル・オーケストラでも音がつぶれたり濁ったりすることなく朗々と鳴り、弦  はつややかでアタックは切れ込み鋭いながら爽やかで風が吹き抜 けるようで金属的な響きにならず、 打楽器は水晶の輝きを思わせる硬質でキラキラとしてかつ澄みきった音を聴かせる……。

 伏し目がちに衣擦れの音をさせて母親と共に現れたロシア皇帝の娘、 ナターシャ。まだ少女の面影を残したその細面をゆっくり上げ、澄み切った瞳を大きく見開く。 レーニンの命を受けてシベリアの地で皇帝一族の生命を絶たんとする兵士達を前に、彼女は微笑んだ と言う。

 その気品と凛とした出で立ちに、兵士達は体に触れることはおろか、声を かけることすら出来なかったと言う。そして自ら「ご一緒いたします」と声をかけ、 死地へ赴いた……。

目を閉じて耳を傾けると、眼前にナターシャの微笑みが浮かんで来る。

 まさに大輪花開こうとする直前に散ったうら若き乙女、ナターシャの 時空(とき)を超えて語りかけてくる声が聴こえる、そんオーディオシステムを求めて ピンケーブルの一本に至るまで細心の注意を払い、試行錯誤を繰り返す。

 一月末にわが家の音を聴きにやって来た須玉町の郵便局長伊藤氏の 「一つ一つの音が磨き上げられた日本庭園のような音だ」と言う評は、言い得て妙。 けだし名言である。わが家の音を語るに、これほど的確な表現はない。

 伊藤氏のお宅のスピーカーはカンタベリー15である。もっと力強く鳴る。 第一、部屋の広さが違う。わが家の場合、六畳程の部屋でクラシック音楽を中心とした音楽の 小宇宙を創り上げようとしているのだ。

 広くてたかだか数十畳の限られた一つの部屋の中で、生そのままにフルオーケストラや室内楽、 コーラスからピアノまで、皆、最高の音で鳴らすのは土台無理な話である。しかしその無理を承知で 挑戦しているわけである。となれば「日本庭園」の形を取らざるを得まい。

 誤解の無いように言っておくが、これは現在流行(いまはやり)の「ダウンサイジング」とは まったく別物である。余分なところを「切り捨てる」ことによってサイズを縮小し、本来の姿を明確にして 行くダウンサイジングとは違い、そのエッセンスを「変容させる」ことによって、 元来持っていたイメージを超越し、普遍的な形を創るのである。

 しかも虫の良い話だが、私の場合「形」ばかりか時間(とき)を超え、現在(いま)ある空間を超え、 文字通り時空を超えた音を奏でて欲しいのである。

  レコードであれCDであれテープであれ、記録された媒体の持つ本来の姿 というのはかくあるべきであろうし、かくあるべきものだと信じている。逢ったことはおろか、 垣間見たことも写真で見たことすらないロシア皇帝の娘、ナターシャを彷彿とさせるオーディオシステム。 「今一つ高域の伸びが…」とか、「透明感が…」とか、「分解能はまあまあなのだが、定位が…」などという 言葉など、その音の前では意味を成さないオーディオシステム。

 目を閉じて耳を傾けると、自分の心の奥底に眠っている時空を超えた記憶が 蘇って来るようなオーディオシステム……。

 もっとも、こんな音を奏でてくれるオーディオシステムなど求めても、 実際のところありはしないのかも知れない。だが私の心の奥底でこの理想化された 音が鳴り続けてくれる限り、追い求めずにはいられない。

 今現在わが家で鳴っている音はこの理想の音に一歩、いや、二歩くらい近付いたと 言って良い。でも、到達したわけではない。

 理想化された音は私の心の中でますます磨きがかかった音を奏でる。

 手を伸ばせば届きそうなのに、なかなか掌中に出来ぬ音。だが上着の裾くらいは 掴むことが出来たと思う。しかしそれも束の間、ゆうるりと裾を翻して私の掌から 抜け出すと「いらっしゃい」と微笑みながら手を振る。

 彼女は確かにそこにいるのだ。吐息が耳元をくすぐるほどすぐ近くに。 長いその髪が私の頬を撫でてゆくほど近くに。今ここで諦めてしまったら 二度と手の届かぬ所に行ってしまうかも知れない。ならば求めずにはいられまい、 どんな犠牲を払っても。何にも代え難い彼女をこの胸に抱くためには。

 ん、何? んなことやってるから、いつまでも結婚も出来ずに独り身なんだって?
 ふん、余計なお世話じゃい。

 そんなに他人のことをとやかく言いたいなら、わが家の音を超 える音を聴かせてみろってんだ。
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38. 中川隆[-10056] koaQ7Jey 2020年11月09日 13:14:06 : tkQkWLqmCM : ZW14TmJkVjFwZG8=[16] 報告
楠 薫のオーディオ三昧
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■ 1996年ころのオーディオシステム ■
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この写真はパソコン通信ニフティーの会議室、FAVのオフの時のもの。山梨県中巨摩郡玉穂町在住の頃の写真です。

私が邪魔で中の様子が良く見えないのですが、ラックの中の2段目にシェルターのプリ404-2が、最下段にはシェルターのEL156シングルアンプが入っています。

タンノイ+シェルターサウンドを端的に語るなら「気品と輝き、そしてスピード」でしょうか。

スターリングの現代性を前面に押し出し、密度が濃く、ケーブル類を選ぶことによって、低域から高域まで伸びやかでスケールの大きいサウンドを聴かせてくれました。
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■ 1997年7月頃のオーディオシステム ■
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 '97年4月千葉に引っ越してくる直前、一時はU-BROS12&14を中古で手に入れ鳴らしてみたりしましたが、アルテックA7 をオリジナルのマランツ#7&#9で 鳴らしている山梨の友人が貸してくれたのを聴いてみてびっくり。

ウエスギのしなやかさとシェルターの凛とした音のたたずまいに加え、スピード感と 力強さを併せ持った、見事な音でした。

早速注文したものの引っ越しのどさくさで音出しもままならず、そのアンプの梱包を解いて初めて鳴らしたのは、 パソコン通信仲間のお宅でした。

 連休明けにセッティングを開始するのですが、これがうまくいきません。当初、長方形の部屋の縦方向にスピーカーとメインアンプを置き、ベランダ側の カーテンの前にラックを置いていました。が、なぜか低音の妙なこもりが出てしまって、ケーブルや簡単なセッティングでコントロールすることが非常に 難しく、途方に暮れていました。

 困っているときに突然やってくる友人とは有り難いもので、「お前の一番音が良かった頃は横長にステレオを置いていた」の一言で、思い切って オーディオシステム大移動を行ったらこれが予想以上の功を奏し、横置き状態となりました。

スターリング時代最後の写真です。
この後、大型のG.R.F.Memoryを導入することになります。
レプリカのMarantz model9が見えます。


左上からSTUDER A730,THETA DS Pro Gen5,KENWOOD KT-3030,UESUGI U・BROS12。 右上段はTHORENS TD126 Centennial,OZAWA LABO Phono anplifierなどです。

この頃は、D/Aコンバーターも持っていたんですねぇ。
この後、トラブルに見舞われ、手放すことになります。
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'98年3月までのオーディオシステム
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 1997年8月に秋葉原をうろついていたら、G.R.F.Memoryを置いてあるお店があり、ふらりと入ってしまったのが、運の尽き。やはり25cmクラスでは出すことの出来ない、スケールの大きな分厚いフルオーケストラのトゥッティーが実に素晴らしかった。

音場型のスピーカーが多い昨今、演奏者の肉体と楽器の大きさを感じられる音像重視型のスピーカーは、ヴィンテージ・オーディオを除いて、他には無いでしょう。
 てなわけで、思わず衝動買いしてしまいました。(^^;

 レプリカのマランツ#7&#9(写真左)の組み合わせでは、やや低域の伸びが足らず、レプリカ・マランツ#7と、シェルターのEL156(写真右)シングルアンプとの組み合わせで鳴らすことになりました。この時のマランツ#7、#9の真空管選びについては、別項のオーディオ機器の「使いこなし方」集に詳しくお書きしておりますので、どうぞご覧下さい。


 自分ではけっこううまく行ったと思っているレプリカ#7(左ラックの下から2段目)の真空管選びでしたが、オリジナル#7を持っている友人から再び借り出して較べてみたところ、低域の伸びやかさと高域のキレの良さ、みずみずしさは圧倒的にオリジナルが良いんです。

 これには本当に参りました。
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'99年3月までのオーディオシステム
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メインシステムのタンノイG.R.F.Memoryです。

この頃、ジャズのディスクをかけることが多くなりました。
ちなみにスピーカーの間にあるのは、Marantz model5です。
これについては後ほど詳細をご報告いたします。


 こうなっては程度の良いオリジナル#7を探すしかないと思い立ち、ステレオサウンドやMJなど、つぶさに目を通していましたところ、たまたま埼玉にMarantz Model 1(#1)を置いてあるお店があり、知る人ぞ知る#7を超える幻のプリアンプ! と驚き、即座に電話してしまいました(^^;

 Model 1の音は、#7よりもさらにシャープでみずみずしく、独特の繊細さがある高域で、切れ味も素晴らしいものでした。

 4月はじめに我が家にやって来て、今ではレプリカ#7を駆逐して、我が家の「顔」となっています。

 写真ではモノラル仕様のため、2段目&3段目に同じものが並んでいます。


 また、1998年2月21日、倉敷市にあるヴィンテージ・オーディオショップで、かねてから目を付けていたEMT927Fを試聴。
早速、いただくことに致しました。

 これには数々の偶然が重なったのも幸運でした。

 たまたま岡山で友人の結婚式があり、現物を見に行けたことは勿論ですが、これもニフティーのFCLASの中のオーディオ会議室の方が私がEMT930にしようかどうか悩んでいるのを見かねてメールを下さったこと、FAVのメンバーがこのお店の四国にある本店で程度の非常に良いパラゴンを買ったことも無関係ではありません。

 この大型アナログプレーヤー我が家にやって来たのは3月8日。

 引っ越しのため、開封せずにそのまま山梨まで持っていき、4月2日に久々の対面。

 ようやく音が出せたのが、ゴールデンウィークという有様。

 セッティングやStepup trans.の選択、ケーブル選びなど、まだまだのため、EMTとSPU・A/Eの組み合わせの持つ、本来のちょっと硬質で透明感あふれるサウンドには、ほど遠い状態です。

 しかし、先日ベースにBDR The Shelfを敷き、Audiopointのインシュレーターを使い、トライアッドのHS-1というStepup Trans.を繋ぐと、かなり良い線まで改善されました。


 1998年3月末、またまた山梨へ転勤となり、引っ越しを敢行。

 さすがにG.R.F.Memoryはワンボックスカーに載せて、というわけにはゆかず、梱包材とっておいたので、引っ越し屋さんに任せました。

 さて、山梨へ着いた途端、朗報がもう一つ舞い込んできました。
 4月中頃のことですが、EARのV20が入荷したとこと。

 以前、ダイナミックオーディオ・サウンドハウスで試聴し、好感を持っていたので、さっそくこれも自宅試聴することになりました。

 その日、たまたま山梨県須玉町のカンタベリー15使いの友人宅へお邪魔することになっていて、そのまま持ち込み、試聴してみました。

 一聴して、伸びやかな低域と高域、独特の色気と艶、そしてプレゼンスの見事さに引き込まれてしまいました。

 回路に詳しい友人達は、片チャンネルに10本も12AX7を使って、しかも元々、出力管でない真空管をこのように使うこと自体、無理があり、良い音になるはずは無い、と言うことなのですが、あの音を聴いてしまっては、そんな言葉も空虚に聞こえてしまいます。

 傾向としては、ウエスギアンプのコクの深さと懐の深さに共通するものを持ちながら、より鮮烈にみずみずしく、もう少し芯があって張り出しも素敵なアンプに仕上がっています。もっともそれも、JPSのインターコネクトケーブル(Superconductor)に、電源ケーブルは俗に言う青蛇(Aural Symphonics ML-Cubed Gen2i)の協力があってのことですが…。

 このサウンドを一言で喩えるなら、「デカダンス」でしょう。
 かつての名女優デートリッヒの、ちょっとけだるくタバコをくゆらす姿が浮かんでくる様です。

 制作者パラピービッチーニ氏は、きっとこの「デカダンス」がわかるアンプ制作者ではないでしょうか?

しかし、次に挙げる機種とのバトル末、さすがのEARのV20も、こと、タンノイのG.R.F.Memoryを駆動することにかけては、ハーベースのK6のようにはいかないことを実感しました。


 その、V20をぶっちぎりで破ったのは、Model 1のプリに、オリジナルのマランツ#5という組み合わせ。

 今までどうしても鳴らし切ることが出来なかったG.R.F.Memoryを非常に機敏に、レスポンス良くクラシック音楽はもちろん、ジャズ、ポピュラーなどに至るまで、タンノイのスピーカーとか、古い真空管アンプだとかを気にしないで楽しめるサウンドになったのです。特にマランツのModel 1と#5の組み合わせでは、けっこうシャープに高域が出ているのに、決して刺激音にはならず、独特のみずみずしい色気があって、とても気に入っています。女優さんで喩えるなら、さしずめキュートで気品があり、打てば響く知的な印象の「オードリー・ヘップバーン」ってところでしょうか。


 で、そうなると気になるのがマッキントッシュ。

 マランツがオードリー・ヘップバーンならマッキンは「マリリン・モンロー」?
 その中でもちょっと小振りで爽やかさもある6L6GCを使ったMC240が甲府の「スイング・オーディオ」にあるのを発見!

 さっそく試聴してみることになりました。

 マランツのModel 1と組み合わせて鳴らすMC240はコクと色気がなかなかなのですが、残念ながら、マランツ#5で鳴らしたサウンドと聴き較べると、質感の正確さ、スピード感については劣るように思いました。

 こうなると虫が騒ぐもので、かつて銘機とうたわれた「QUAD II & 22」ではどうなのかと興味がわいてきます。

 そこでQUAD II & 22も試すことになりました。

 大変シャープでスピード感があり、本当に見事なのですが、さすがに時代が時代だけに、レンジが狭く、高域にちょっと強調されたメリハリのようなものが感じられ、室内楽や声楽などではそれほど目立たないものの、オーケストラ曲などになると、マランツ#5&#1に較べると解像度不足も耳に付いてしまいます。
 それならば、同じマランツのオリジナル#7&#8の組み合わせではどうかという興味もわいてきます。

 さすがに#9のオリジナルは高価すぎて手に入りませんが、#8なら20万円前後で入手可能。それにパラレル・プッシュプルでなく、基本的なプッシュプルの方が音が良いと言う方もいらっしゃるくらいで、#8には根強いファンがいるのも事実。それに、1998年9月に大阪は豊中で聴いた#8bの印象が非常に素晴らしかったので、マランツ#5&#1が故障した時の予備という意味からも、オリジナル#7&#8(bタイプでなく、純粋に#8)を思い切って購入することにしました。

 この#7&#8は、さすがは同じマランツだけあって、質感を正確に出そうとする傾向は似通ったものがありますが、力強さやキレの鋭さには軍配があがるものの、#1が聴かせてくれたキュートでみずみずしい、おもわず抱きしめたくなるようなサウンドにはならないようで、好きずきもありましょうが、私はやはり、マランツ#5&#1の方が好きです。

 面白いことに#5の代わりに#8を使用すると、けっこう似通ったサウンドになるようで、#1の支配力の大きさに、改めて感服した次第です。

 さて、パワーアンプにMarantz No.5を使う様になって、それまで使っていたJPSのスピーカーケーブル、Superconductorが使えなくなり、仕方なくモンスターケーブルのM1.4をバイワイヤリングとして使っていましたが、たまたま1999.2.13、秋葉原のガード下にある平方電気に寄った所、昔のマッキントッシュに使っていたYラグが置いてあり、よく見るとケーブルを通して圧着する部分を広げることが出来ることがわかって、ラジオペンチで少しだけ穴の部分を広げてやったところ、都合の良いことにそれまで使っていたJPSのスピーカーケーブルのアンプ側のWBTのバナナプラグが入るようになり、お気に入りだったJPSのスピーカーケーブルを再び使えるようになったのです!

 モンスターケーブルも悪くはないのですが、JPSはシャープで質感の表現が的確、しかもシンバルの音が細くならず、厚みをもってバシバシ鳴ってくれます。しかも美しく見晴らしの良い音場も見事。

 やはりJPSのケーブルは我が家のシステムには無くてはならないケーブルとなってしまった様です。
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■ 2000年3月頃のオーディオシステム ■
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 1999年4月にまたまた引っ越しで、今度は同じ山梨県内ですが、東京に最も近い上野原町に住むことになり大移動を敢行。

 今度は3階建てマンションの2階という悪条件のもと、セッティング開始と相成りました。でもさすがは壮絶な バトルをくぐり抜けて来たシステム。4月7日の夜、単につないだだけでもかなりのレヴェルで鳴ってくれ、まずは一安心。

 ちなみに戦いに敗れたV20は、ハーベースのK6を得て一時はサブシステムに納まっていたのですが、K6をもっと 伸び伸びと鳴らすシステムということで、マランツ#7&マッキントッシュMC240が急浮上。

 さすがのV20もこの組み合わせには敵わず、一時は「売り」に出されるくらいまでになってしまいましたが、救う神が あるもので、NIFTY-Serveの「FAV」会議室でお世話になっている方がソナースファーベルのアマトール手放すことになりまして、 4月10日夜、秘かに身請けし、翌11日、EARのV20との組み合わせで、甲府のスイングオーディオから借りたマランツのCD7を聴いてみました。

 この衝撃と言ったら、「華奢でいかにも子供子供した容姿だったので、ちょっと遊びのつもりで脱がせてみたら、 『ポチャポチャで、プリンプリン』の、どこぞのアニメにでも出てきそうな、頭がクラクラするくらいの女の子だった!」てところでしょうか。

 何も識らない「ねんね」のふりしながら聴く者をヨロコばせるポイントを知り尽くしたその鳴り方は、まさに小悪魔!

 やはりイタリアの口(スピーカー)はイタリアの血(EARの製作者パラピービッチーニ)で贖われべきものなのでしょう。

同じ血を引く者でなくてはわからない、「何か」がそこにはあるようで、ハーベースのK6&V20の組み合わせでは高域が少し 痩せ気味で、鋭さが時として耳に付いたのですが、アマトール&V20では線が低域から高域まで揃っていて、嫌みで耳障りな高域は まったくありません。そして、弾けるところは弾け、若々しくみずみずしい感性で、知的な輝きも随所に見ることが出来、キラキラした 瞳で思う存分あまえてくれる可愛らしさも持ち合わせています。

 さすがのK6&マランツ#7&マッキントッシュMC240の組み合わせも、オールマイティーにこなしてくれますが魅力という点では アマトール&V20の組み合わせには及ばないようで、ついにNo.2のサブシステムの座をアマトール&V20の組み合わせに譲ることに なってしまいました。

 しかしこのサウンドも、マランツのCD7なくしては得られないようで、メインシステムで活躍中のStuderのA730を持ってくると、何だか生真面目でよそよそしく、イタリアにドイツの血が混じった様な異和感を覚えます。

 これは以前茅野市のペンション「ロッジ満天星」さん の所で試してもまったく同じ結果だったので、やはり「血」ってオーディオの世界でも大切なんですね。

 お譲りしたわけではないのですが、QUAD II & 22は信州は富士見町の方の所で見事なサウンドを聴かせてくれていますし、K6と マッキントッシュのC22とMC240は原村のパン屋さん宅で活躍中で、以前の#7&#8の組み合わせに較べ、鳴りっぷりの良さが一段と 見事になり、K6はアメリカのアンプにも合うことを再認識させられました。

 さて、このサブシステムのためにいろいろCDプレーヤーを試してみることになりました。

 Wadia System27X(Wadia270 + Wadia27X)とLINN CD12との比較は実に面白く、メインシステムのG.R.F.MemoryとCD12では、StuderA730と 比較すると、確かに切れ味が良く、爽やかに美しく、それでいて素晴らしい情報量で鳴ってくれるのですが、System27Xではグッと舞台が 近づいて、切れ味もありながら、分厚いオケの鳴りっぷりも、それらしく鳴らしてくれますし、懐の深さもかなりのものを見せつけてくれます。

 CD12も他と比較すると断然素晴らしいのですが、Memoryとの組み合わせで聴くと、どこかよそよそしく、ちょっと距離を置いて引いている 様な印象を受けました。

 でも、ちょっと遠目かも知れないものの、舞台にビッシリ並ぶ様は圧巻で、あれだけ距離感を持ちながら、前後左右の音の絡み合いを描き出す CDプレーヤーは、他にないでしょう。

 一方、V20&アマトールの組み合わせでは、System27Xはやや生硬で面白味に欠け、演奏者と近づきすぎて息苦しさを覚えます。あまりにも 完璧に作られた造形美に感心はしますが、どこか造りものめいたよそよそしさがあります。

 そういう意味では、Studer A730の方が生真面目過ぎる点はありますが、そこまで緊張感を強いられることがなく、聴きやすいかも知れません。
 で、CD12ですが、これがまた色気があるんです!

「ポチャポチャでプリンプリンの女の子」が、美しさと気品を兼ね備えた、ちょっと少女っぽさも面影に残しているお姫様に変身したという感じです。

一つ一つの仕草に心ときめかされ、襟元から胸元へかけてのゾクッとさせられるなまめかさも見事なもの。とは言うものの、G.R.F.Memoryで聴く ことが出来た実体感はあまりなく、その高貴で色気ある雰囲気を、あくまで空想体験させてくれることに徹している様に聴かせるのがニクイ演出で、 早速、7月に価格を抑えたIKEMIが出ると聞き、注文しました。

 IKEMIは7月の中旬にやって参りまして、解像度ではCD12に劣るものの、CD12ほどキツイ鋭さがなく、中低域の鳴りっぷりの良さと懐の深さは CD12以上と、我が家のサブシステムのベストマッチングのようです。

音楽や演奏者と対峙した聴き方をするならメインシステムの方が優れていると思うのですが、音場の広がりや空間分解能の素晴らしさなどのオーディオ的 楽しみを持ちながら、音楽が本来持つ趣味性の部分をこれくらい明確に、好き嫌いも含め、素直に表現できるサブシステムも見事なものです。

 以下、現段階での私のシステムのラインナップをお示しいたします。

Main System


FrontEnd(Analogue):
 Analogue Player      EMT 927F(used 200v)
 Cartridge          Ortofon SPU A/E
 Tone arm          Ortofon RF297
 Stepup Transformer    Triad HS-1

FrontEnd(Digital):
 CD Player         STUDER A730

Pre Amplifier        marantz Model 1(used 117v)
                   Used Tube V1-V3:Telefunken 12AX7
                        
Power Amplifier       marantz No.5(used 117v)

Loud Speakers        TANNOY G.R.F.MEMORY /TWW with Michael Green's Audio Points Brass Cones
               (used 3 points)

AC Cables
 CD Player         Aural Symphonics ML-Cubed Gen 3
 Analog Player       Berden PS1760/2.0(used 200v)

InterConnect Cables
 Analog Player->Stepup Trans.  Belden(RCA 30cm; 0503S TWINAX-PREMIUM series)
 Stepup Trans.->marantz Pre   Belden(RCA 3.0m; 0503S TWINAX-PREMIUM series)
 CD Player -> Pre Amplifier    JPS Labs Superconductor 2 (RCA 1.0m)
 Pre -> Power Amplifier     JPS Labs Superconductor 2(RCA 1.5m)

Speaker Cables           JPS Labs Superconductor 2 (WBT banana 4m)

etc:
 BDR The Shelf : 40.5cmx25.5cm(for marantz No.5 ×2),68.3cm×53.5cm(for EMT927)
 Spike : Michael Green's Audio Points Brass Cones (for BDR The Shelf:used 3 points)
 Audio Rack : AUDIO TECH AT-4R
 AC Outlet : HUBBELL SPECIFICATION GRADE DUPLEX RECEPTACLE
 AC Step up Transformer :
  Noguchi trans. Power max E-1000(for EMT:100v -> 200v)
  Noguchi trnas. Power max U-600EZ(for Pre Amplifier:100v -> 117v)
  Noguchi trnas. Power max U-1000EZ(for Power Amplifier:100v -> 117v)

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■ 2001年9月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/history2001.html


2000年3月にまたまた引っ越しで、今度は実家のある、北九州市です。
ここでの難問は二つ。

その一つが、大型のG.R.F.Memoryを 置くことの出来る部屋が実家にはないということ。

そしてもう一つが、50Hzから60Hzに周波数が変わったため、それなりの対策を立てないと EMT927が使えないということ。

結局、G.R.F.Memoryは宮崎の方に身請けされて行きました。
EMT927は現在の所、宝の持ち腐れ状態です。

そうなると、俄然、今までサブシステムだったソナス・ファーベルのアマトールが息を吹き返してきます。

かのマーク・レビンソンが興したRed Rose Musicのインターコネクトケーブル、 Red Rose Music Silver 1を得て、さらに その輝きを増し、ますます 美少女ぶりが発揮されてきた様です。

一方、我が機材は、その幾つかを陸奥は一関市のジャズ喫茶、「ROYCE」に委ねることとなります。

Marantz model 7、 McIntosh C22, MC240, MC75×2……。 そしてオーディオ評論家の是枝氏の手による300Bプッシュプルアンプも、一関のオーディオファンを 喜ばせている様です。

また、Marantz model 8は Yahooオークションで、HarbethのK6は山梨のとあるパン屋さんにそのまま 居着いてしまいました。C.R.ディベロップメンツ「REMUS」もオークションで売られて 行きましたし、C.R.ディベロップメンツ「ARTEMIS」は昨年末、山梨の須玉町郵便局長の 伊藤さん宅へ身請けされ、QUAD22& IIは本年5月、 ヴィンテージ・ オーディオショップに引き取られていきました。 大量にあったケーブルもYahooのオークションに売りに出され、整理されました。

 現在手元に残っているのは、メインアンプのスペクトラルDMA 50と、 プリアンプのC.R.ディベロップメンツ 「Kaster Pro」。 そして、ちょっとわけアリのルートで Marantz model7を 新たにもう一台入手しまして、代わりにそれまで持っていたプリアンプを、ROYCEにお譲りしました。

これだけものオーディオ機器を整理したわけは、新たに建築した職場と関係があります。 まぁ、お金もなかったですし……(笑)。

実はこの職場にオーディオルームを作っちゃおう、というわけなんです。

残念ながら、これだけのものを置いておくスペースと甲斐性はありませんので、現用の自宅で使用しているシステム の他、職場の待合室用システム、BGM用システム、そしてオーディオルームに置く予定のメインシステムの、 合計4システムとなる予定です。

待合室には「BOSE 111TR & 101」でBGMを流し、営業時間以外のお客さんが来た時には、 山本音響工芸社のエンクロージャー、BX280に アルテック 604-8Kを入れたシステムで鳴らす、 というところまでは何とか辿り着くことが出来ました。

そして、本命のタンノイ「 オートグラフ・ミレニアム」の登場!

 しかし、すんなり登場したわけではなく、当初はパラゴンの予定だったのですが、ヴィンテージ・オーディオショップにお預けしていて、 それを引き取る際、事故にあって(本当かな?)フイにしてしまったのです。で、その代わりにジャズ用にと アルテック 604-8K入り 山本音響工芸社エンクロージャーを求めたのですが、 これがなかなか素晴らしく、パラゴンのオーナーがこの音を聴いて、「ウチのパラゴンよりもスピード感が凄い!  音に厚みがあってが前に出てくる。 う〜ん、参ったなぁ」と仰ったので、こちらを残し、パラゴンの代わりにクラシック用に、やはりタンノイを入れようと思い立ったのです。 ちょうどその頃、まるで私を待っていたかの様に オートグラフ・ミレニアムが 発売になり、思わず電話一本、入れてしまったというのが実状。

 2001年6月28日木曜日に、ついにオートグラフ・ミレニアムが やってきたのですが、最初はパラゴンの予定だったので、設計がちょっと違って、コーナーにうまく設置出来ず、 残念でなりません。

 とは言うものの、今までに20軒以上の「オートグラフ」使いのお宅にお邪魔し、ノウハウをしっかり蓄積。オートグラフに合わせた家は後に建てる として、どの様に組み合わせていったら自分好みの音になるかは、十分把握済み。で、組み合わせるアンプは、プリが CONNOISSEUR(コニサー) 4.0、 メインがMarantz model 5という組み合わせ。 コニサー 4.0はMarantz model 1を上回る浸透力と質感の正確さに脱帽です。S/NがEARなどのスタジオ用のレヴェルあれば、本当に言うことがないの ですが……。

 ちなみに5月から7月までは、Red Rose Musicのプリメインアンプ、Model5を使用していました。これも素晴らしいアンプでしたが、 我が家にはレビンソンの色香よりも、質感の正しさと、浸透力のあるサウンドが必要であることに気付き、コニサーの導入と相成ったわけです。 メインアンプは以前使っていたものですが、今、新たに2〜3、物色している最中です。
CDはLINN CD 12。

 気品ある音で、かつ中低域にかけても桁違いの解像度を誇り、ステージに演奏者がビシッと並んでくれる CD 12です。 STUDER A730の情報量の多さ、音のフレッシュさと厚みを前面に出してくる音とはまた違って、非常に洗練された美しさを感じます。

 それでは、以下、ラインナップをお示しいたします。


Main System

FrontEnd(Analogue):
 Analogue Player      EMT 927F(used 200v)
 Cartridge          Ortofon SPU A/E
 Tone arm          Ortofon RF297
 Stepup Transformer    Triad HS-1

FrontEnd(Digital):
 CD Player         LINN CD12

Pre Amplifier(used phono only) marantz Model 1(used 117v)
                  Used Tube V1-V3:Telefunken 12AX7

Line Amplifier         CONNOISSEUR 4.0

Power Amplifier         Marantz model 5
                        
Loud Speakers        TANNOY Autograph Millennium

AC Cables
 CD Player         Aural Symphonics ML-Cubed Gen 3
 Amplifier         Aural Symphonics ML-Cubed Gen 3

InterConnect Cables
 CD Player -> Line Amplifier    BELDEN YR23169 T-203D FOR AUDIO OL(60cm)
 Line Amplifier -> Power Amplifier  BELDEN YR23169 T-203D FOR AUDIO OL(1.0m)
 
Speaker Cables        S/A Labs High End Horse3.5 (8m) with WBT-0645 (8m)

etc:
 BDR The Shelf : 68.3cm×53.5cm(for EMT927)
 Spike : Michael Green's Audio Points Brass Cones (for BDR The Shelf:used 3 points)
 Audio Rack : Quadraspire Square table ST660
 AC Outlet : HUBBELL SPECIFICATION GRADE DUPLEX RECEPTACLE
 AC Step up Transformer :
  Noguchi trans. Power max E-1000(for EMT:100v -> 200v)
  Noguchi trnas. Power max U-1000EZ(100v -> 117v)

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39. 中川隆[-10055] koaQ7Jey 2020年11月09日 13:19:04 : tkQkWLqmCM : ZW14TmJkVjFwZG8=[17] 報告
楠 薫のオーディオ三昧
http://www.kusunoki.jp/audio/audioindex.html

■ 2003年4月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/history2003.html

 2001年から2003年にかけては我がオーディオシステムは激動の時を迎えました。
 職場の2階にオートグラフが納まり、岩手県一関市から、オーディオ評論家是枝氏の手による 300Bプッシュプルアンプが戻って参りまして、マランツ#5との激しいバトルと相成りました。

この300Bプッシュプルアンプ、私が注文したのですが、我が家よりも先に一関市のROYCEというジャズ 喫茶で鳴らしてもらい、なかなか好評でした。

 戻ってきた300Bプッシュプルアンプを聴いて、なるほどと合点。

 確かにマランツ#5はまるでサラブレッドの如く、ぐいぐい引っ張っていく力は見事という他 ありません。マランツ#1との組み合わせは、おそらく理想的と言って良いくらいです。

しかし、我が家のオートグラフ・ミレニアムは、オリジナルとは違い、ユニットも最新で、 しかもLINNのCD12という、最新のCDプレーヤーを導入しており、その最新のデジタル録音を 楽しむためには、やはりアンプも時代に合わせて最新のものを使用する方が、バランスが良い ようです。

 一時はコニサー4.0でマランツ#5を鳴らして、少しワイドレンジになって気に入っていましたが、 伸びやかで緻密、陰影表現が見事な是枝300Bプッシュプルアンプを聴いてしまうと、あのマランツ#5 の音がなんと古くさく聴こえてしまうのです。
レプリカ#9よりもオリジナル#8、オリジナル#8よりもオリジナル#5の方が聴感上も伸びやかで、 特に低域の寸詰まり感がなく、気に入っていただけに、これには正直、驚かされました。

マランツ#1と是枝300Bプッシュプルアンプの組み合わせでは、高域のみずみずしさは抜群でしたが、 低域方向がやや緩みがちになり、それを引き締める意味で、コニサー4.0をしばらく使用して、それで 落ち着いたかに見えました。

 しかし聴き込んでいくと、コニサー4.0は音像が大きめになり、ただでさえ大きめなオートグラフでは 巨大化してしまいます。さらに、S/Nが高能率スピーカーを前提としていないため(スキャンテック談) なんとマランツ#1より劣ることが発覚。
 しかしある程度のボリュームで聴いている分には問題なかったので、しばらくプリアンプはコニサーの ままでした。

 そんな折に出たのが、LINNのKlimax Kontrol。CD12と似たようなデザインで、ひょっとしたらこの プリアンプ、音的にもCD12の延長線上にあるのではないかと思い、MAXオーディオに頼んで、自宅で 試聴することになりました。

 これがまったくもって予想に違わぬ、CD12の延長線上に位置する、見事な出来映え。

 コニサー4.0よりもS/Nが良く、音像が肥大化せず、キュッとしまった感じで、それでいて低域の伸び やかさも一枚上手を行きます。

 同時に試聴したアンプジラ2000はスピーカードライブ能力とスピード感が見事で、JAZZのドラムスには 非常に相性が良かったのですが、女性ボーカルでは是枝300Bの色香には敵いません。 アンプジラはどこか乾いた感じがします。特にクラシックの教会音楽では、これが裏目に出てしまいました。

 というわけで、我が家にはLINNのCD12に加えて、Klimax Kontrolも居着いてしまうことになりました。

 世の中にLINNの製品を自分のシステムのどこかに入れると、だんだんLINNの製品が浸透して来て、 いつの間にかLINNの製品ばかりになってしまうという、LINN病なるものがまことしやかに言われていましたが、 何のことはない、我が家もCD12でバランスをとっているせいか、アナログもEMT927ではいかんせん、比較的 録音の新しいものがバランス的に合わなくなってしまいました。

 そこで、ついにLP12を入れることになりました。

 これがまた、CD12と似通ったサウンドというか何というか、まぁ、CD12がLP12のサウンド傾向を追随して いるわけなんですが、カートリッジが光悦の翡翠を使用し、ケーブル類を調整すると、デジタルもアナログも 違和感なく聴けるシステムと相成りました。

 と言うわけで、以下、ラインナップをお示しいたします。

Main System

FrontEnd(Analogue):
 Analogue Player      LINN LP12
 Cartridge          光悦(Kouetu) 翡翠(JADE)
 Tone arm          LINN EKOS
 Power Supry        LINN LIGO

FrontEnd(Digital):
 CD Player          LINN CD12

Phono Amplifier        Benz Micro Switzerland PPI type9

Line Amplifier         LINN Klimax Kontrol

Power Amplifier        是枝(Koreeda) 300B push-pull amplifier
                        
Loud Speakers        TANNOY Autograph Millennium

AC Cables
 CD Player         Aural Symphonics ML-Cubed Gen 3
 Line Amplifier       Aural Symphonics ML-Cubed Gen 3

InterConnect Cables
 Phono -> Line Amplifier        BELDEN YR23169 T-203D FOR AUDIO OL(1.0m)
 CD Player -> Line Amplifier       BELDEN YR23169 T-203D FOR AUDIO OL(60cm)
 Line Amplifier -> Power Amplifier   BELDEN YR23169 T-203D FOR AUDIO OL(1.0m)
 
Speaker Cables        S/A Labs High End Horse3.5 (8m) with WBT-0645 (8m)

etc:
 Audio Rack : Quadraspire Square table ST660
 AC Outlet : HUBBELL SPECIFICATION GRADE DUPLEX RECEPTACLE

http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/history2003.html

■ 2005年7月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2005/history2005.html

 2005年は、ちょっとした出来事がありました。

 それまでタンノイ一本槍で来た私でしたが、ヤフー・オークションでJBLのオリンパスの出物が あったので入手。これがなかなか素敵な音で、古いジャズのレコードを再生するのに、抜群の 相性を示しました。

 考えてみたら当然で、レコード全盛期のスピーカーですし、当時、パラゴンかオリンパスか、と 言われた、美しい格子模様のフロントグリルを有するオリンパス。復活したEMT927Fも加わり、 Marantz model 1が、俄然、光輝いてきました。

 となると、せっかくのMarantz model 1を活かすには、やはりMarantz model 9が必要。 と言うわけで、model 9も入手し、AET SCRのインターコネクトケーブル、スピーカーケーブルを 得て、生き生きとしたジャズの雰囲気を伝える組み合わせが出来上がりました。

 さて、メインシステムですが、オートグラフ・ミレニアムを石のアンプで動かしたらどうなるか、 ということでVIOLAのBravoを試聴。

 その頃使っていた、ユニゾンリサーチのS6のコクと色気、それに躍動感が及ばない様に思った のですが、実はこれはLINNのLINN Klimax Kontrolとの相性が悪かったためで、Cadenzaと Symphonyの組み合わせでは、Klimax KontrolよりもさらにS/Nが良く、チェロのアンプを手がけて いた方々によるアンプだけあって、高域の少し線は細いものの、美しくみずみずしいサウンドは、 他に類を見ないほど。

 発作が起きて、二つともセットで購入してしまうことになりました。

 このアンプ、現代最高峰のアンプと言っても良く、オートグラフ・ミレニアムの欠点をも露呈 することになってしまいました。

 これは設置した部屋のせいもあるのですが、オートグラフ・ミレニアムはコーナーにちゃんと ぴったり付けるようにしないと、十分な低域が出ません。しかも同軸2ウェイでは、高域が歪っぽく なり、澄んだ美しい透明な高域が出ないことがあります。

 これが逆に弦楽器では、眩のこすれる際の、生々しさをうまく出してくれるのですが、ジャズを 鳴らした際の、シンバルの「シャーン」と余韻を伴い、超高域まで伸びていく美しい音色や、デジタル 録音のS/Nが良く、ホールの余韻をふんだんに取り入れた優秀な録音を再生となると、どうも最新の スピーカーの方に分があります。

 もちろん、下手な録音の場合は、最新のスピーカーでは、録音のまずさも露呈してしまいますので、 ある一定レベルのサウンドを保証する意味では、タンノイのスピーカーは素晴らしいものがあります。  タンノイのスピーカーは、ユニットだけでなく、そのエンクロージャーの独特の響きでもって 音を再構築し、スピーカーで新たなライブの音を作り出す、と言うのが特徴です。ですから、 タンノイ・ホールと称されるほどの個性的な独特の響きは、そのサウンドを好きになれるかどうかが、 一番の問題でしょう。

 個人的な好みを申し上げるのなら、タンノイの音は「凄く好き」です。しかし、もう少し色彩感を 出して欲しい。セッティングの問題ではあるのですが、低域ももっと出て欲しい。

 こんなかなり贅沢な望みを満足させてくれたスピーカーが、Sonus FaberのStradivari Homageでし た。現代のスピーカーの中で、クラシック音楽を中心に、ジャズなどの最新デジタル録音を楽しく 聴くことが出来るスピーカーは、他にもいろいろあるかと思いますが、VIOLAのアンプが生きてくる 組み合わせで、となると、このスピーカーをおいて他にないように思います。

 実際、このスピーカーになって、FM放送が楽しめるようになりましたし、Jポップも気持ちよく聴ける ようになりました。Rie fu(りえ ふう)の曲に巡り逢えたのも、Stradivari無くしてはあり得なかった、 と言えましょう。

 と言うわけで、以下、ラインナップをお示しいたします。


Main System

写真、真中の列が、ソナスファベールのストラディヴァリ・オマージュに
つながるメインシステムです。

FrontEnd(Analogue):
 Analogue Player      LINN LP12
 Cartridge          光悦(Kouetu) 翡翠(JADE)
 Tone arm          LINN EKOS
 Power supply        LINN LIGO(写真上段)

FrontEnd(Digital):
 CD Player          LINN CD12

Phono Amplifier        Benz Micro Switzerland PPI type9

Line Amplifier        VIOLA CadenzaA (写真上段)

Power Amplifier        VIOLA Symphony(写真下段)
                        
Loud Speakers        Sonus Faber Stradivari Homage

AC Cables
 LINN LIGO         Synergistic Absolute Reference AC Master Coupler x2-Series
 CD Player          AET SIN 1.2m
 Line Amplifier       AET SIN 1.2m
 Power Amplifier       Kharma KPC-GR-1a Grand Reference

InterConnect Cables
 Phono -> Line Amplifier : Kharma KIC-R-1a Reference
 CD Player -> Line Amplifier : AET SCR(1m RCA-RCA)
 Line Amplifier -> Power Amplifier : KHARMA KIC-GR-1b Grand Reference XLR 1m pai
 
Speaker Cables        AET SIN(7m)

etc:
 Audio Rack : Quadraspire Square table ST660
 AC Outlet : HUBBELL SPECIFICATION GRADE DUPLEX RECEPTACLE

http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2005/history2005.html

40. 中川隆[-10054] koaQ7Jey 2020年11月09日 14:14:13 : tkQkWLqmCM : ZW14TmJkVjFwZG8=[18] 報告
楠 薫のオーディオ三昧
http://www.kusunoki.jp/audio/audioindex.html


■ 2016年8月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2016/audiohistory20160812.html

恐らく、今までで最もシステムがたくさん存在し、ゴチャゴチャしていた頃だと思います。

白いB&W Sigunature Diamondがメインの部屋に移動し、パワーアンプがQUAD II、プリアンプが アルケミストで鳴らしておりました。

あまり高額で無く、もう少し低価格帯で何とか良い音が出ないものかと苦闘していた頃です。
その甲斐あって?、このシステムが東京の友人宅に納まることになりました。
B&W Sigunature Diamondの現代的なワイドレンジなサウンドが功を奏して、QUAD IIを 組み合わせても古くさくなく、実に鮮烈なサウンドでした。

System3

私の原点とも言うべき、タンノイのスピーカーの中でも、最も欲しかった スーパーレッドモニターのお目見えです!

http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2016/AudioSystem20161225-2.jpg

アンプはプリがEAR864、パワーがEAR861。
クラシック音楽はもちろん、ジャズも実に気持ちよく鳴らしてくれます。

タンノイではジャズは鳴らない、タンノイはクラシック音楽専用、ましてや畳の へやではジャズは絶対無理、などと言って憚らない方々にお聴かせすると、 目が点になって、絶句するのが楽しくて、ついつい、やり過ぎてしまいます。

スピーカーケーブルはAET Evidence SP 2.7mです。
電源ケーブルも、インターコネクトケーブルも、皆、AET Evidence Evidenceシリーズで 固めているせいか、実にワイドレンジでスケール感抜群で切れ味もあり、拙宅には 欠かせないケーブルです。
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2016/audiohistory20160812.html

■ 2016年8月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2016/audiohistory20161002.html

夏休みの間に、白いB&W Sigunature DiamondとパワーアンプがQUAD II、プリアンプの アルケミストが都内の友人宅に嫁いでいきました。

お陰でスピーカーの部屋はスッキリとしました。


System3

タンノイはジャズを鳴らしても、JBLやアルテックとはまた違った、味わいがあります。
特に低域は底から沸き上がってくるような感触で、キックドラムなどは若干、質感が違う 気がしますが、それがまた寸詰まりにならずにスケール感があって、とても個人的には 好みです。

ただ、その部分が、JBLでジャズを聴くファンなどには、異質に感じられるのかも知れません。

ケーブル類はすべてAET Evidenceシリーズで固めているので、「これはAETのEvidenceの音だ」 とおっしゃる方もいますが、だとしてもこの音、なかなか他では出せません。
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2016/audiohistory20161002.html

■ 2017年12月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2017/audiohistory20171230.html

EARのEAR864BとEAR 861は故障することもなく、修理を終えたタンノイのスーパーレッドモニターと共に元気よく 鳴っています。

EAR912とEAR509 IIはKubala・Sosnaケーブルを介してSonus Faber Stradivari Homageを鳴らすと、実にエロティック、 デカダンスの極みのサウンドを聴かせてくれます。

バッハ(Johann Sebastian Bach)のヴァイオリン・ソナタや教会音楽、中でも女性2声によるCouperin 'Motets'には 高貴さを通り越して、禁断の香りが漂います。
Tim de Paravicini氏はまだ健在で、アナログレコードに現在は精力を傾けている模様。
長生きされることを心より祈るばかりです。
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2017/audiohistory20171230.html

■ 2019年5月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2019/audiohistory20190501.html

再びスピーカー3システムとなってしまいました。

新たに加わったのは、ご覧になっておわかりのように、マジコA3です。 マジコのスピーカーシステムの中では、比較的廉価ですが、これがけっこう良い音がします。

現在、マジコA3を鳴らす真空管アンプと言えば、Tim de Paravicini氏のEARでしょう。

と言うわけで、真空管プリアンプのEAR 864とEL34のプッシュプルパワーアンプEAR 534を置いているのです。

以前使用していた、EAR 861は、と言うと、出力段の 真空管、EL309がヨシノトレーディングにも無くなったため、メンテナンスが出来ない状況となってしまい、その代わりがこのEAR 534なのです。

サウンド的にはEAR 534の方が少し低域側にシフトして、 野太い印象。
しかし基本的にはTim de Paravicini氏のEARサウンドを受け継いでいて、濃厚でありながら みずみずしい中高域、しなやかで懐の深い低域が見事です。

ちなみに現在、Tim de Paravicini氏は300Bのパワーアンプを試作しているとの情報がありました。
また、ヨシノトレーディングは、Tim de Paravicini氏の奥さまの郷里に一緒に住まわれている ようで、ヨシノトレーディングの本社は、拙宅から車で2時間ほどの、福岡県朝倉市秋月今小路307に移転しています。
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2019/audiohistory20190501.html

41. 中川隆[-10053] koaQ7Jey 2020年11月09日 14:19:24 : tkQkWLqmCM : ZW14TmJkVjFwZG8=[19] 報告

楠 薫のオーディオ三昧
■ タンノイ・スピーカーシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/TANNOY/TANNOY.html

1926年、ガイ・R・ファウンテン(Guy Rupert Fountain 1900年〜1977年12月)はタンタル合金を主成分とする、 電解整流器「Tantalum alloy」を開発。「ガイ・R・ファウンテン社」を設立(後のタンノイ社)、Tannoyという商標で 生産、発売を開始することになります。

1933年、タンノイ社は2ウェイ・スピーカーを開発。ただし当初はアメリカマグナボックス社製のウーファーを搭載して いて、タンノイオリジナルのウーファーを搭載するようになったのは、1936年からです。

1947年、ロナルド・H・ラッカムらと、デュアル・コンセントリック・ユニットを開発します。アメリカのアルテック社が 開発した同軸2ウェイの604にヒントを得、自社製マイクロフォン開発の校正用音源として試作されたのがそもそもの始まり と言われています。高域はコンプレッションドライバーによるホーン型、低域はコーン型ダイレクトラジエーターとして二つ を同軸上に一体構造とさせて、シングルマグネットに二つのボイスコイル用ギャップを刻み込むという手法が用いられました。

そして1947年9月に大戦後初めて開かれたオーディオショー、「オリンピア・ロンドン展」に出典。14kHzまでの広帯域、 低ノイズを誇るデッカのffrrシステムに適したスピーカーとして、デッカの「デコラ」に採用されます。

初期のデコラはモノラル仕様でしたので、真ん中にデュアルコンセントリック、両脇にダイレクト・ラジエーターが二つ付いて いました。出力段には直熱三極管のPX4が搭載。ステレオ時代になるとスピーカーはEMI、出力段はEL34に変更されています。

1953年、デュアルコンセントリック・ユニットを搭載した「オートグラフ(Autograph)」がニューヨーク・オーディオショーに 発表、同時に発売されます。搭載されたユニットは全体に丸みのあるデザインとなり、銀色のハンマートーンの塗装のため、 「モニター・シルバー」と呼ばれ、1953年〜1957年8月頃まで製造されています。型番はLSU/HF/15で、オリジナルと同じです。参考までに申し上げると、「モニター」の正式名称が付くのは、「モニター・レッド」からで、これも「モニター15」 「モニター12」と呼ぶのが正式で、型名はLSU/HF15と記されています。

1957年8月から1967年にかけて製造されたモニターレッドとシルバーの違いはピンク色のハンマートーンで磁気回路を覆うカバーが 塗装され、名称の元となったのはもちろん、マグネティックギャップの改良が施され、磁束密度の向上、耐入力upが図られている 点で、初期モデルは飴色のセンターキャップ、後期モデルは黒色に変更されています。

さて、オートグラフの最大の特徴は、オールホーンシステムで、低域のホーンはバックロードタイプとし、ホーンロードを折り 曲げることにより小型化していること、超低域再生のためにコーナーと床をホーンの延長、つまり仮想ホーンとして活用するた め、左右に分割した「マルチセルラー・ホーン」を採用しています。
もともと、ガイ・R・ファウンテン氏はクラシック音楽ファンで、オーケストラの再生音がそれまでのスピーカーシステムでは 不満でならず、特に低域のスケールアップを図るため、業務用のホーンシステムの技術を導入しようと考えたと言われていま す。

こうして、モノラルでありながら、スケールの大きい、あたかもコンサートホールに居るかの様な立体感とハーモニーの 美しさを兼ね備えたシステムが出来上がり、直筆の署名(Autograph)をすべてに入れたところからも、自信の程が伺えると いうもの。

ともすると「モッコリ」してしまうオリジナル・オートグラフの低域。しかし当時のスピーカーシステムとしては、これだけ 低域まで伸びたものは劇場用を含めてもほとんどなく、コーナーに設置することにより、部屋全体がスピーカーシステムの一つ として働き、その再生する音に包まれる快感を一般家庭でも味わえるようになったという点では、特筆すべきことだったと思われ ます。

これは私見ですが、ステレオ化したオートグラフは、その考え方として、小さなヘッドフォンで重低音まで聴くことが出来る のと同じで、仮想巨大ヘッドフォンの様なものなのではないか、なんて考えています。

また、ガイ・R・ファウンテン氏がセパレートの2ウェイ方式ではなく、同軸型を選んだのは、当時の技術では位相管理が同軸 型の方がし易かったことも無関係ではないでしょう。

加えてモノラル時代でもマルチマイクで収録しているため、金管楽器が突出して聴こえたり、あるいはマイクロフォンの性能が 悪くてバスドラムのピークのある低域やコントラバスの伸びやかな低域をうまく拾えていないのを、電気信号をもとに一点音源で、 まるでその場で楽器でも演奏しているかのように、音を再構築させる意図があったのではないか、と思えてなりません。

1953年のタンノイ・カナダに続いて1954年にはタンノイ・アメリカが設立され、1955年に北米大陸の販売拡充を狙って、 エンクロージャーのデザインがそれまでの高級家具調から一新され、現在の形となります。

ちょうどモニターレッドが開発された1957年というのは、アメリカ・ウエストレックスの45/45方式によるステレオレコード、 イギリスのデッカとサグデンによるVL方式によるステレオレコード技術が開発された頃。その際、チャンネル間の位相特性が問題 となり、デュアル・コンセントリックがその再生においても優れている点がプロの間でも評判となって、アメリカではアルテック 604が、イギリスでは「モニター・レッド」(正式には「モニター15」)がスタジオでもモニター用として使われる様になります。

モニターレッドを搭載したオートグラフを1964年、かの剣豪小説家、五味康祐氏が輸入。「オーディオ巡礼」などの著書で一 躍有名になります。

さらに1967年、インピーダンスが15オームから8オームになったモニター・ゴールドの時より、TEACが輸入代理店となり、 本格的に輸入を開始するようになります。

しかし、1974年、工場が火災の為にユニット製造が不可能になり、旧・西ドイツのクルトミューラー社製のコーン紙による、 HP(ハイ・パフォーマンス)Dシリーズに転換することになります。HPDシリーズが完成した1974年、ガイ・R・ファウンテン 氏が引退してハーマンインターナショナル社に株を売却。同年、オリジナル・オートグラフの製造が中止となります。

けれども1976年TEAC社製エンクロージャーによるHPD385内蔵のオートグラフが新生・タンノイ社から発売されます。 1977年12月にガイ・R・ファウンテン氏が亡くなりましたが、1979年にはK3808搭載モデルを出し、その後タンノイ社は株 をハーマンインターナショナル社から買い戻し、現在に至っているというわけです。

1981年、N.J.クロッカー社長、T.B.リビングソトンらはハーマンインターナショナルから株を買い戻し、タンノイ社が復活 したのを記念に、それまでクラシックモニターで使われていたK3838のバージョンアップ版、K3839Mを搭載した、 かつてのオートグラフの流れを受け継ぐ容姿を誇るG.R.F.Memoryを発売。その後も改良を重ね、現在に至っています。

1961年からは10インチ・ユニットを製造、IIILZとして発売。1967年にMk IIとなります。

タンノイ社が復活して2年後、10インチ、25cmユニットを搭載した「スターリング」が発売となります。

1982年に発売した「ウェストミンスター」も、「ウェストミンスター・ロイヤル」と発展し、これに「エジンバラ」を 加えた4モデルを中心にその後も生産が続けられています。

1983年には、それまでタンノイ社の承認を受けてTEAC社で製造していたレプリカ・オートグラフが製造中止となっています。

そして、2001年。新たにタンノイ本社が「オートグラフ・ミレニアム」と称した、現代にマッチした「オートグラフ」を発売しました。

話はそれますが、タンノイはウエストミンスター等々、地名に関連した名称を付けるのがお好きな様で、 Ardenはシェークスピアで有名になった、イングランド中部の地方の名です。

Cheviotはイングランドとスコットランドの間に広がる丘陵地帯で、羊毛が盛んな土地柄。羊の料理が美味です。

DevonもDevon種牛(乳&食用牛として有名)というのがあるくらいでして、イングランド南西部の州の名称です。

Berkeleyはアメリカ・カリフォルニア州の都市で、カリフォルニア大学の所在地として有名。せっかくだったら、 Berkshireにすれば、イングランド南部のブチ豚(正確には黒ベースの白まだら豚)の産地だったのですが……。 ということからおわかりの様に、価格の高いものからA→E(Eaton)までのラインナップとなっているわけです。

現在、オリジナルのオートグラフを最も素晴らしい音で聴かせてくれるのところとしては、長野県原村の 「ペンション・ムジカ」 が挙げられるかと思います。メインアンプは広島の音楽家(フルート演奏家)のお手製で、WE-262B-349A-284Dのモノラル構成。 ステレオプリアンプはカンノ・スーパーパーマロイ・トランス結合式タイプSPU、プレーヤはガラード401、カートリッジは オルトフォンSPU-G、昇圧トランスはカンノSPU30、CDプレーヤーはフィリップスLHH1000という組み合わせで鳴らしています。 さすがにマランツ#1&#2の組み合わせによる、低域まで伸びて凄みがあり、スケール感十分で、箱鳴りまで良くコントロ ールされた鳴り方とはいかないかも知れませんが、サッと吹き抜ける高域の美しさといったら、20年以上20軒以上ものオート グラフを聴いてきましたが、最右翼と言って良いでしょう。低域は決して出過ぎず、モコつかず、見事なコントロールでした。 ペンションですから、宿泊可能。お願いすれば誰でも聴けるというのも嬉しいですね。

以下、タンノイ・スターリング、G.R.F.Memory、Autograph Millenniumの写真を掲載いたしております。 いずれも「銘機」に相応しい、スピーカーです。


タンノイ・スターリングです。
真ん中にあるのはレプリカのMarantz model 9。 私は最初のスターリング、3代目のスターリング・TWと、続けて10年以上、スターリングを 使い続けました。室内楽を奏でる点では、G.R.F.Memoryよりも優れていると感じるくらい、 素晴らしかった!

ちなみにスターリングはオリジナルは1983年発売:アッテネーターはボリウム方式。

2代目HWは1986年発売:アッテネーターからロックネジ方式によるTREBLE ENERGYコントロールを採用。スピーカーターミナルが変更。
3代目TWは1992年発売:バイワイヤリング対応。
4代目TWWは1995年発売:コルクバッフルから通常タイプになった。
5代目HE(ハードエッジ)はトールボーイ型で1998年12月発売です。

G.R.F.Memoryです。
専用台を付けたスターリングより、こちらの方が背が高くなります。 TW,TWW,HE(ハード・エッジ)等、少しずつ改良が加えられています。ちなみに写真はTWWです。
このモデル、これだけ手の込んだ造りになっているのに、ペアで128万円。能率も95dBとよく、周波数特性は、 なんと29Hz〜25kHzと、このシリーズのトップモデルである、ウエストミンスター・ロイヤルよりも低域が出 るのです!
スケールの大きいオーケストラ曲、ジャズを聴くにはうってつけです。

タンノイ・オートグラフ・ミレニアムです。
詳しくはこちらをご覧下さい。
http://www.kusunoki.jp/audio/TANNOY/Autograph_Millennium/Autograph.html

http://www.kusunoki.jp/audio/TANNOY/TANNOY.html

42. 中川隆[-10052] koaQ7Jey 2020年11月09日 14:21:24 : tkQkWLqmCM : ZW14TmJkVjFwZG8=[20] 報告

ウェストミンスター・ロイヤルが聴ける店 _ 一関市 _ ジャズ喫茶 ROYCE
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/212.html

オートグラフが聴ける宿 _ 原村 _ ペンション・ムジカ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/213.html

三重県 青山高原 タンノイ博物館
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/714.html

43. 中川隆[-9878] koaQ7Jey 2020年11月17日 12:45:47 : GmJ0HtwMbI : NzRCRVhEMHdYY1E=[23] 報告
Mr.トレイルのオーディオ回り道
オーディオで一番面白いのは同軸ユニットシステム 2018年08月12日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/8a4492ce59a748fea5bb38f6371faeef


オーディオをやっていて一番面白いのは「スピーカー選び」。今までに沢山のSPを鳴らしてきたが「同軸38cmユニット」を使ったシステムが今でも欲しいと思う事が有る。

例えばALTEC 604-8Gを使った620AモニターSP。サイズ的に自宅で使うには丁度良い大きさで、能率が高いので1W/chのアンプで楽に鳴らせる。604系や605系は615箱や612箱に入れて鳴らしていた事もある。定位の素晴らしさがまず頭に浮かぶ。1インチスロートのコンプレッションドライバーが38cmコーンの中心部に同軸配置されていて、独特の鳴り方をしてくれる。結構スケールの大きい鳴り方をしてくれる。但し、オリジナルの内部配線では1/10くらいの性能しか出て来ない。内部配線のグレードが上がれば上がるほど性能アップしてくれるユニットだ。

こちらはタンノイHPD-385を使ったレクタンギュラーヨーク。タンノイHPD385は若い頃「アーデン」で使っていた事もある。その時は鳴らし切らずにJBL#4343と入れ替えた事が有る。アーデンよりレクタンの方がよりクラシック音楽に合う様に感じる。このSPを特製のムラードEL34ppモノラル×2台+マッキン:MX-110プリでドライブしていた時の美音も忘れ難い。

同じ同軸38cmユニットであるが、ALTECとタンノイでは性格が違う。ALTECはどちらかと云うとJBLに近い「生音の雰囲気」の音作り、それに対しタンノイは「箱鳴り」をうまく使って「雰囲気豊かに響き」を生かして鳴らすタイプ。このSPでブラームスの交響曲第2番を鳴らしていた時の得も言われぬ響きの良さに聴き惚れていた時期もある。

結局、同時期に現在のオリンパスシステムと自宅のSP-707J+αシステムを持っていたので、前述2種のSPは手放してしまった。私のJBLユニットを使ったSPシステムは「弦楽器」・「女性ヴォーカル」の質感と「ピアノ」・「ドラム」の質感を同時に満足させるサウンドを出して来ます。偏にDECCAリボンツィーターを使っている為。

同軸ユニットのSPは、ユニットの数が少ない事がメリットでもあるが、それがデメリットでもある。一つのユニットでは出て来ない音が有る事を承知して使わないといけない。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/8a4492ce59a748fea5bb38f6371faeef

44. 中川隆[-9135] koaQ7Jey 2020年12月21日 17:58:48 : 3zP1R1s2bc : MG41NHJjem1sTW8=[51] 報告
オーディオ懐古録掲示板
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/subject.cgi/music/11602/


TANNOY総合スレ(Part1)
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1296285912/l50
TANNOY総合スレ Part2
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1320146185/l50
TANNOY総合スレ Part3
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1345360476/l50
TANNOY総合スレ Part4
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1359120136/l50
TANNOY総合スレ Part5
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1379074819/l50
TANNOY総合スレ Part6
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1397950538/l50
TANNOY総合スレ Part7
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1423704997/l50
TANNOY総合スレ Part8
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1471674499/l50
TANNOY総合スレ Part9
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1515328289/l50
TANNOY総合スレ Part10
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1553521581/l50
TANNOY総合スレ Part11
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1596031365/l50

タンノイがフルレンジ・ファンに与える至福
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1116629073/l50

TANNOY Autograph
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1295264289/l50

タンノイVLZと38年
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1169287259/l50

タンノイ アーデン
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1162729400/l50

JBLとTANNOY
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1110765266/l50

45. 中川隆[-8788] koaQ7Jey 2020年12月30日 10:50:53 : wwip1cR3BF : OGYwQ28xSnhaUVk=[7] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋 2020年12月30日
たった1枚のCD再生から始まったオーディオ改革
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi
このCDの第二トラック「タラント〜ソンソンセラ」のフラメンコ・ダンサーの床を踏み締める「ドスン・ガツン」の音の再生がオーディオシステムの改革へと繋がったのだから「音楽ソフト」の重要性に改めて思いを深くした次第。

これをきっかけに、スピーカー「ウェストミンスター」(改)の低音域を「280ヘルツ」から「150ヘルツ」(−6db/oct)にして、サブウアーファー化したところ驚くべきサウンドが登場したのである。

まあ、自分独りでかってに「粋(いき)」がっていれば世話はないですけどね(笑)。

ところで、先日のNHKのBS放送で「ヒューマニエンス〜40億年のたくらみ・聴覚〜」という番組を観た。

人間の五感のうち、聴覚に焦点を当てて長い人類の歴史の中でどう発展してきたかという興味深い番組だったが、出席されていた指揮者の「佐渡 裕」さんが述べておられたのは人間の耳にとって一番重要な周波数帯域は声の再生と密接に関係する「200〜4千ヘルツ」だそうだ。

敷衍するとオーディオシステムだってこの帯域を何ら違和感なく自然な音に聴こえるように再生するのが基本であり、これがいわば「基礎編」というべきものだろう。

そして「200ヘルツ以下」と「4000ヘルツ以上」の再生が「応用編」と位置付けられても何ら異論はないと思う。

ただし、この「応用編」ともなると「基礎編」の何倍もの「血(お金)と汗(手間)と涙」が要るのがオーディオ愛好家の宿命ですね(笑)。

そこでの話だが、この基幹となる「200〜4000ヘルツ」の周波数帯域には「音が濁るのでマグネットの違うSPユニットをコイルやコンデンサーあるいはチャンデバなどのネットワークを使って混ぜ合わせないほうがいい」というのが私の個人的な意見です。

言い換えると、クロスオーヴァーの設定に当たっては、200ヘルツ以下、あるいは4000ヘルツ以上とするのが理に適っているはず。

ただし、ジャズの再生は「何でもあり」なので特にこだわる必要なし。

問題はクラシックの再生で「ハーモニー」が命なのでこの「200〜4000ヘルツ」の帯域に少しでも音を濁らせる要素があるとちょっと拙い!

たとえば、ここで俎上に載せるのがあの「タンノイ」である。クラシック向きのスピーカーとして愛用されている方も多いと思うが自分はどうしてもこの音に馴染めなかった。どこか不自然なのである。

そして、ようやくその原因の一つがクロスが1000ヘルツに設定されていることに思い至った次第。

まあ、音は好き好きなので気に入ってさえいればそれでいいのだが、タンノイの中古品がオークションで溢れかえっている現状を鑑みると、その辺に一因があるような気がしてならない。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi

46. 中川隆[-7044] koaQ7Jey 2021年2月27日 10:36:37 : d0iBYUDfQo : UXE3bmpyektNRms=[8] 報告
Mr.トレイルのオーディオ回り道
タンノイ モニターゴールドVLZについて 2021年02月27日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/e1f721eb92bef163be1cd5a7a375e5e2


もう15年くらい前に、サブスピーカーとして使っていた。ユニットとBOXを別々に求め自分でくみ上げた。タンノイのスピーカーは24才頃に「アーデン」を使った事が有った。このVLZ(25cm)はレクタンギュラーヨーク(38cm)と一緒の時期に使っていた。

https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/e1f721eb92bef163be1cd5a7a375e5e2

アーデンはこの様なセッティングにすると響きの良いサウンドになります。24才当時はこの様なノウハウもなく、ブロックの上に直置きでした。鳴らない低域に閉口しました。

レクタンは良いサウンドで聴く事が出来たと思いました。さて、主題に戻ってVLZのお話。タンノイは25p・30p・38p口径の2ウェイスピーカーです。高域はコーン中心部を使ってホーン型になっています。

8畳くらいの部屋ならば、「30p」クラスが最適だと思う。38pでは重すぎ、25pでは軽いと感じます。マニアの方は直ぐに「ビッグサイズ」にしたがりますが、個人的には「30p」ユニットがタンノイの場合最高だと感じます。

モニターゴールドの25pを導入したのは、「弦楽器」のストリングスを楽しむ為。「いぶし銀の音」と雑誌で評されていますが、個人的には「ベールを被った音」と思います。ネックはネットワークと内部配線・4Pコネクターだと思う。この部分は一体化されているので「壊す」つもりでないと触れません。他には1000Hzクロスの2ウェイマルチアンプ方式で鳴らすしか有りません。

結局、4Pコネクター部の保持や接触不具合で手元に置くのを諦めました。サウンドはそこそこ良いサウンドでした。

https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/e1f721eb92bef163be1cd5a7a375e5e2

47. 2021年3月21日 09:56:09 : 56w0TbOpRk : SWJDemhtTzJaUWc=[6] 報告
TANNOY(タンノイ)の歴史 〜守り続ける美学、至高の響き〜(前編)
https://audio.kaitori8.com/story/tannoy-1/


英国の老舗スピーカーメーカー「TANNOY(タンノイ)」。

現在、本社はスコットランドのノース・ラナークシャーコートブリッジにあるが、創業は1926年、ガイ・ルパート・ファウンテン(Gay Rupert Fountain)により、英国ロンドンのウエスト・ノーウッドに設立された。
タンノイと言えば、日本のオーディオファンにとってはJBLと並びスピーカーシステムの頂点に君臨するブランドだ。そして、数多くの人間を虜にしたブランドとしても有名で、芥川賞受賞作家「五味康祐」はその最も有名なうちの一人だろう。

一貫した美学と誇りを堅持し、神格化された存在にすらなっていった「タンノイ」。
今日わたしたちは、そんな英国のスピーカーブランド「タンノイ」の、戦前の歴史について一緒に振り返りたい。

目次
1.ファウンテンの青年期
2.タンノイ誕生
3.黄金時代
まとめ

1.ファウンテンの青年期
1-1.ガイ・ルパート・ファウンテン
ガイ・ルパート・ファウンテンは、タンノイの創業者である。

彼は19世紀最後の年の1900年、ヨークシャー地方リーズ近郊で生まれた。リーズは、今でこそ金融経済の中核をなす都市として発展を遂げ、「北の首都」と称されるに至っているが、当時は羊毛産業を中心とする工業都市だった。
彼はグラマースクール(日本で言う中学校)までをその土地で過ごした。卒業後は航空部隊(英国空軍の前身)へ入隊予定だったが、第一次世界大戦は1918年に集結した。そこで、彼は将来を求め、何のあてもなかったがロンドンへ向かった。

1920年、ガイ・ルパート・ファウンテン、二十歳のことだった。

1-2.ランカスター自動車会社


まず、ファウンテンはロンドン南東のウェスト・ノーウッドに生活拠点を置いた。そして、彫板作りを専門とする会社で働き始める。
が、自動車技術に強い興味を抱いていた彼は、数人の友人とともに「ランカスター自動車会社」を設立する。この会社は、当時では一般的だった受注生産方式をとり、車台(シャシー)に車体を架装するコーチワークを主にしていた。

1-3.電子技術への関心
1920代中頃になると、ファウンテンは電子機器に関心を抱くようになる。
この頃と言えば、ちょうどラジオやトーキーと言った、当時の最新技術を駆使して提供される娯楽に世間が注目していた。また、この産業を開拓しようとパイオニア達はやっきになっていた。
ファウンテンもそうした将来性に魅せられた一人であり、この産業に大きく魅了されていく。

当時の電子機器が直面していた問題は、真空管のヒーター用電圧やプレート電圧を提供する電源部にあった。整流器というものがなく、すべてをバッタリーに頼っていた。
しかし、鉛酸バッテリーは価格も高く、かさばり、その上頻繁に充電しなければならなかった。一方、レクラニシェタイプの乾電池も、高価で寿命が短いという欠点があった。
この問題は業務用ならまだしも、例えば家庭用ラジオにおいては解決は急務であった。
そこで、ファウンテンは交流電源から直流の電源をとる方法を考え始めるのである。

2.タンノイ誕生
2-1.整流器の完成
ファウンテンはグラマースクールまでしか学校を出ていなかった。また、彼は天才でも理論家でも発明家でもなかった。職人だった。彼の物理と化学の知識は基礎的なもののみであり、優れた整流器を考案し製造するには相当な試練があったと思われる。
しかし、彼は試行錯誤の末、とうとう家庭で簡単に取り扱うことができる上、十分信頼できる電解整流器を完成させる。
この整流器の完成により、1926年、ファウンテンはその製造のための会社「タルスメア・マニュファクチャリング社」を設立する。26歳の時である。

2-2.タルスメア・マニュファクチャリング社
ファウンテンは、ロンドンのウェスト・ノーウッドにあるTulsemere・Road(タルスメア・ロード)に面したガレージの二階に工場を置き、この整流器の製造を開始した。と同時に、励磁型ダイナミックスピーカーの開発にも取り組み始める。
この事業は順調に拡大し、1930年にはスピーカとアンプの仕事が大いに発展したこともあり、工場をもっと大きな場所へと移動する。
といっても、ここもガレージの二階である。つまり、タルスメア・マニュファクチャイング社は、ガレージの2階から、それよりもちょっと大きいガレージの2階へ引っ越したというわけである。
自動車づくりから始まったファウンテン。彼はよほどガレージが好きだったに違いない。

2-3.ネーミング
1932年、ファウンテンは社名を自分の名前と同じ「ガイ・R・ファウンテン社」に変更し、「タンノイ」の商標を登録する。
タンノイの由来は、当時の主力製品であった電解整流器の金属電極材料「タンタル(Tantalum)」と「鉛合金(lead alloy)」を結びつけた造語である。
したがって、音とは全く関係がなく、創業者の名前とも無関係という珍しいブランド名といえる。
また、整流器を製造するために設立した「タルスメア・マニュファクチャリング社」も、その名前の由来はユニークだ。

タルスメア・マニュファクチャリング社は、ロンドンのウェスト・ノーウッドにあるTulsemere・Road(タルスメア・ロード)に面したガレージの二階に工場を置いていた。
そう。およそこの社名は、工場が面していた道路が由来なのである。

3.黄金時代
3-1.飛躍
1933年、タンノイ社は2ウェイスピーカーを作り出す。
このスピーカーにはウーファーとトゥイーターそれぞれにレベルコントロールがあり(この年に製造されたスピーカーのウーファーは、米国マグナボックス社製である。タンノイ独自のウーファーで生産に入ったのは1936年以降)、さらにトゥイーターには周波数補正用の回路を持たせるなど、その考え方は現在の製品に匹敵するものだった。

そして1934年には、タンノイ社は高性能・高品質のマイクロフォンやスピーカーを設計し、その製品ラインを整えていた。同時に、10Wから200Wのパワーアンプも揃えるに至る。
さらに、独自の工場を建設し、タンノイは創立10年もしないうちに、その高い技術で欧州のオーディオ業界のリーダー的存在となっていた。

3-2.ガレージとの別れ


1934年、自社工場建設により、ガレージに別れを告げたファウンテンとタンノイ社。
この年から第二次世界大戦が勃発する1939年の数年間は、タンノイ社の第一次黄金期といってもいいだろう。
この時期のタンノイ社による高出力・高品質の音響機器や中継機の完成は、当時の社会活動・経済活動に非常に大きな影響を与えた。音楽はより多くの人間を楽しませるようになり、政治家や社会的リーダーの声は、パブリックアドレス装置を通して、ごく一般の大衆も触れられるようになった。

一方、野外のスポーツゲームでも、観戦者はゲームを一層親密に楽しめるようになり、駅などの公共機関に設置された音響装置は、多くの人間に正確な指示を与えられるようになった。
また、経済界においても、急速に進展する産業界の情報が簡単かつ確実に伝わるようになっていった。
タンノイ社は、こうした情報革命の先端に活動範囲を置き、常に自社製品とその生産技術の開発に注力した。
この経験と知識の積み上げこそ、今日のタンノイの基盤を作り上げていることは間違いないだろう。

まとめ
若かりし頃のファウンテンを語る上で、まず特筆すべきは工場の場所だろう。
1926年、ファウンテン社を創立したのはレンガ造りの建物の、二階の貸部屋だった。
1930年、業務拡張に伴い移転したその先も、一階がガレージの二階建ての家だった。
車づくりから始まったファウンテン。彼はそういった環境がよほど好きだったに違いない。
次に特筆すべきは、ネーミングについてである。
ファウンテンほど、ユニークなネーミングセンスをもつオーディオメーカーはないだろう。
会社が面する道路の名前が社名の由来だったり、製品の材料がブランド名の由来になったり。

いずれにせよ、これだけは言い切れる。
ファウンテンには若い頃から鋭い経営感覚が備わっていた。

しばしば、JBLとタンノイは比較されるが、JBLの創設者ジェームス・B・ランシングと、タンノイの創設者ガイ・ルパート・ファウンテンを比較すると、経営才覚には明らかな違いが見えてくる。
米国と英国と、二人は場所こそ離れていたが、およそ同じ頃に自身初となる会社を設立している。

また、同じくらい音への探究心と技術力はあっただろうに、ランシングは経営不振が原因で1941年に会社を買収されてしまうが、ファウンテンは1940年代には、欧州でオーディオ業界のリーダー的存在となっていた。
人生の幕の下ろし方も二人は全く異なる……が、その話はまた別の機会にするとして、今日は、皆さんと一緒にタンノイが礎を築いた戦前の歴史が振り返れたことを幸運に思う。

https://audio.kaitori8.com/story/tannoy-1/

48. 2021年3月21日 09:57:09 : 56w0TbOpRk : SWJDemhtTzJaUWc=[7] 報告
TANNOY(タンノイ) 〜守り続ける美学、至高の響き〜(後編)
https://audio.kaitori8.com/story/tannoy-2/

1940年代後半から1950年代前半にかけて、ファウンテンは以下の領域におけるプロジェクト実行に心が駆り立てられる。

@大音量が放射できる音響装置
A特殊産業における通信装置
B非常に高品質なスピーカー

もちろん、ファウンテンはこれらの全てに成果を残す。
しかし、今日ここでは、わたしたちはBの項目を軸に、戦後のタンノイの歴史を一緒に紐解いていきたい。
思想を明確に表現し、数々のユニークな製品をこの世に生み出した「タンノイ」。
この記事により、伝統を守りつつ進化を遂げるタンノイのフィロソフィが、皆さんと再認識できれば幸せだ。

目次
1.戦争とタンノイ
2.第二次黄金時代
3.新生タンノイ
まとめ

1.戦争とタンノイ
1-1.第二次世界大戦とタンノイ


1939年、ドイツ軍のポーランド侵攻により第二次世界大戦が勃発すると、イギリスは自国の経済活動のすべてをこの戦争に集中させた。タンノイ社もその例に埋もれず、生産設備の全ては国防計画に振り向けられた。飛行場の警報装置、戦車や潜水艦内での緊急通報装置、砲兵隊の指揮伝達通信機、軍需工場内で使われる通報装置、等々の生産である。

しかし、1945年に終戦を迎えると、タンノイ社はすぐさま再生装置や通信機器の製造を再開し、新時代へ向けての研究開発を始める。

一方で、この頃からタンノイ社の製品品目の一つに、会議場内でのコミュニケーション機器や通訳装置が加えられる。実際、戦後の国際協力関係の進展に伴い、タンノイは世界の代表的な会議設備の多くを手がけている。国際連合の臨時本部となったパリの会議場、ジュネーブの国際連盟跡の会議場、ニューヨークの国連本部ビルなどはその納入先の一例だ。
そして、それ以後、タンノイは国際会議での通訳装置、音響装置の供給において世界でも有数のメーカーとして活躍し、重要な国際会議場にタンノイの装置を取り付けていない国はない、とまで言われるほどになる。

1-2.タンノイの代名詞「デュアル・コンセントリック」誕生
タンノイは第二次世界大戦を経て、軍のPAシステムや通信機器の優秀性によりその名をより高めたが、1947年、さらにその名は広く知れ渡る。ロナルド・H・ラッカムらと、今なお基本構造が変わらないあのユニット「デュアル・コンセントリック(通称「モニター・ブラック」)」の開発に成功するのである。
これは米国アルテック社が開発した同軸2ウェイ604にヒントを得て、自社製マイクロフォン開発の校正用音源として試作されたのが始まりと言われている。
高域はコンプレッションドライバーによるホーン型、低域はコーン型ダイレクトラジエーターとして、この二つを同軸上に一体構造とさせながら、シングル・マグネットに二つのギャップを刻み込んだユニークな設計だった。

こうしてタンノイの代名詞「デュアル・コンセントリック」は誕生し、その構造は今日まで脈々と受け継がれているのである。

1-3.デッカとの出会い
デュアル・コンセントリックが発表された1947年の9月、ロンドンにて第二次世界大戦後初となるオーディオショー「オリンピア・ロンドン展」が開催された。ここでデュアル・コンセントリックは非常に注目を浴びることになるのだが、偶然にも、タンノイのブースの前にはデッカのブースがあった。そして、これがタンノイの大きな転換期へとつながる。
デッカは、既にSPレコードで広域の限界再生周波数を従来の8kHzから14kHzにまで伸張することに成功していた。しかし、肝心の14kHzまでの再生能力を持つスピーカーを手にすることができていなかった。
そこでタンノイのデュアル・コンセントリックに白羽の矢が立っのだが、このデュアル・コンセントリックはデッカの一般市販用の製品「デコラ」への採用が決まると、次いでデッカの録音スタジオモニターとしても採用されていく。

こうして家庭用・モニター業務用という二つの異なった分野でデュアル・コンセントリックは活躍を始めるのだが、このデッカとの出会いは、ユニットの将来を方向付け、タンノイに幅広い活動を約束するものとなった。

2.第二次黄金時代
2-1.オートグラフ誕生の背景
LPレコード発売の1948年前後を契機に、世界中のオーディオメーカー各社から新しい豪華な家庭用スピーカーシステムの発表が相次ぐ。
また、FM放送が開始された1950年代に入ると、家庭でのハイクオリティな音楽再生熱に拍車がかかった。
そうした中、タンノイもモニター・ブラック発表後間もなく、「デュアル・コンセントリック・ラウドスピーカーシステム」と称するバスレフ式のコーナー型システムを作る。
が、これは評価が得られなかった。このため、すでに人気になりつつあったヴァイタボックスの「CN191」やエレクトロボイスの「ザ・パトリシアン」などに対抗するものとして企画されたのが、オーディオ史上屈指の名器「オートグラフ(Autograph)」である。
創業者ガイ・ルパート・ファウンテン自らがオートグラフ(自筆サイン)を刻み、その名をモデル名としたことがその名の由来だ。

発表されたのは1953年、米国ニューヨークのオーディオ・フェアでのことだった。

2-2.第二次黄金時代
1953年、タンノイはオートグラフを発表すると、それからは後に名器と呼ばれる新作を次々と発表する。
1954年には「ヨーク」「ランズダウン」、1955年には創業者のイニシャルをとった「GRF」である。
この頃から、タンノイは本格的に北米大陸のマーケットに進出する。
1953年には、ハイファイスピーカーの販売とPAシステムのレンタル及び補修を業務活動とする「タンノイ・カナダ」を設立。
1954年には、ハイファイスピーカーの販売と米国市場にあったデザインシステム製造を狙い、「タンノイ・アメリカ」を設立。

特にタンノイ・アメリカでは、イギリス本国の少品種の製品構成とは大きく異なり、当時のアメリカニーズに沿った様々なバリエーションモデルが豊富にラインナップされていた。

3.新生タンノイ
3-1.運命の1974年
オートグラフを筆頭とした商業的成功に支えられ、名門タンノイは順調に経営を推移させていく。しかし、1974年、自体は突如急変する。
まずは、コーン・アッセンブリー工場の火災である。
これにより、自社にてユニットエンクロージャーの生産が不可能となる。
そして、ほぼ時を同じくして、ファウンテンが引退を決意する。

1926年に会社を創立して以来、48年間に渡りタンノイ社を牽引してきたファウンテンも、このときすでに74歳。さらに二回の心臓発作を起こしており、満身創痍の状態だった。
こうした経緯を経て、ファウンテンはタンノイ社の将来の発展を考慮に入れ、最終的な決断を下す。
それは、当時すでに世界的な規模で活躍していた音響多国籍企業「ハーマン・インターナショナル社」へのタンノイ社売却だった。

3-2.死別
1974年、タンノイ社は、ハーマン・カードン、オルトフォン、JBLなどを傘下に従えていたハーマン・インターナショナルの一員となり、いわゆるアルファベットシリーズの「アーデン」「バークレイ」「チェビオット」「デボン」「イートン」などを発売する。

一方、ハーマン・インターナショナル社の社長ハーマンは、タンノイとの協議の際、タンノイ全社員の受け入れと、製品コンセプトは変更しない旨を約束していた。その上で、今後の技術革新にタンノイ社が対応すべく、タンノイには新たな資本が投入されることとなった。これにより研究開発部と管理部門の二つの工場が建てられ、1977年発表「バッキンガム」や「ウィンザー」、1978年発表の「メイフェア」から「オックスフォード」までの新しいラインなど、次々にタンノイの血を受け継いだ新製品が発表された。
しかし、製品が量産合理化の傾向を強めたことは確かであり、旧タンノイのスタッフはそれに不満を募らせていた。
そんな中でのことだった。

1977年12月、タンノイの創始者ガイ・ルパート・ファウンテンは軽い病気にかかった後、永遠の眠りにつく。享年77歳だった。

3-3.新生タンノイ


ファウンテンの葬儀には、ともに50年近く働いた数人の従業員を始め、最近タンノイ社の社員となった若者までが参列した。
彼らは「ガイ・ルパート・ファウンテン」の意思をより継承した製品づくりを実現したく、1981年、N.Jクロッカー社長やT.B.リビングソトンらはハーマン・インターナショナルから株を買い戻し、新生タンノイとしてタンノイを再スタートさせる。

そして、同1981年にオートグラフの流れを受け継ぐ容姿を誇る「GRFメモリー」、翌1982年にはロンドン伝統の地名を冠した「ウェストミンスター」と「エジンバラ」、1983年には「スターリング」と、15、12、10インチ口径のデュアル・コンセントリックを巧みに使いこなした新生タンノイの面目躍如たる製品をたて続けに発表。さらに1996年には、タンノイ70年の技術と伝統を結集した4ウェイの弩級システム「キングダム」を発売する。

現在まで、必ずしも順調に経営が推移してきたわけではない英国名門のタンノイ。

それでも、こうして伝統を守りつつ進化を遂げ、タンノイは今も健在しているのである。

まとめ
人によっては、ハーマン・インターナショナルの傘下にあった1974年から1981年の間を、「タンノイ暗黒時代」と言う。
「もし、あのままアメリカ企業の傘下にあったら、今の高いブランドイメージはなかったかもしれない」。そんな風に言う人もいる。
しかし、もしハーマン・インターナショナルがあのタイミングでタンノイを傘下に収めていなかったら、現代にタンノイという企業はなくなっていたかもしれない。

1974年という年は、ファウンテンが引退を決意した年であり、コーン・アッセンブリー工場が火災に見舞われた年である。

わたしは、ファウンテンがタンノイの将来を見据えてハーマン・インターナショナルに会社を売却した判断は正しかったと思うし、N.Jクロッカーを中心とするタンノイのスタッフが、ハーマンから株を買い戻したことも正しかったと思う。
要するに、わたしはガイ・ルパート・ファウンテンがタンノイを誕生させたその瞬間から今に至るまで、(もちろん1974年から1981年の8年間も含め)どの1秒を切り取っても、タンノイのフィロソフィに敬意を払うし、これからもタンノイのサウンドを愛し続けていく。

いかなるときも、一貫した主張の歴史と伝統を堅持したタンノイ。

これからも、わたしたちの心を振るわす音を期待したい。

https://audio.kaitori8.com/story/tannoy-2/

49. 中川隆[-6352] koaQ7Jey 2021年3月26日 08:01:03 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[3] 報告
タンノイ コーネッタ、ALTEC405A
公開日 : 2017年8月31日 / 更新日 : 2017年10月30日
https://omofu.net/2017/08/31/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%BF%E3%80%81pioneermh300%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%B3/

自作スピーカー オーディオ
幻のタンノイ コーネッタ
75年頃ステレオサウンド誌に「幻のタンノイ コーネッタ」の記事が発表されました。
VLZの空想上のエンクロージャーでオートグラフのような5角形をしておりました。
この記事内容に共感、VLZも所有していたので、自分オリジナルのコーネッタを設計制作しました。
(製作記録写真なし)

VLZ時代の初期の写真
VLZ時代

構想
製作記事はオートグラフのような簡易ショートホーン、変形5角形で正面バスレフダクトで簡素な設計。

メインはVLZの25cmだが、将来30cmを取り付けられるようにする。
フロントショートホーンを装備するが、取り外し可能、平バッフルに取り替えで38cm取り付け可能とする。

豊かに広がる低音を求めてサイドにバスレフポートを配置するが、オンケンタイプダクト、パイプダクト、スリット何れにも変更できること。

一時コーナーヨークを所有
タンノイ コーナーヨーク
していたことがあり、レイアウトに散々苦労しました。
教訓から、邪魔なお尻をスパッと切り取り、変形6角形(下写真)にする。

コーネッタ上

お尻、ホーン部の減少分を加え、設計した結果850x1200と大型に、奥行きは400と短く邪魔者扱いされない、これは重要な課題でした。
コーネッタ
奥行きが深いVLZは後蓋に当たり蓋することができない、その部分を凸にした。

タンノイからアルテック
コーネッタはCD、FM、テレビ用です。
明快で自然な会話と音楽の再生が求められます。これが意外と難しい。

5年程使いましたが、躍動感に不満を感じ、小細工の出来ないVLZを諦めてAltec 414-16に変更し、上に811B+802Dを乗せました。
切れの良いサウンドにほぼ満足していました。

箱製作の不思議
スピーカーボックス製作記事は正面、背面、側面の板を上下から押さえ込む形がほとんどです。
これは家具、調度品からの由来で豪華な天板を使用し装飾が目的。
なぜか自作品でも踏襲されています。
道具としての箱は、制作上の不合理、強度不足で誰もこのような(上記)箱は作らないでしょう。
特にベニヤでは積層部が露出、みっともない。

平台
平台
樽のように天板、底板を側板が取り囲むのが普通で、最も強度があり、使い勝手が良いのです。
箱以外で、ステージで使われる箱馬や平台等も同じです。
WE(ウエスタンエレクトリック)の超大型ホーン12Aなども、この形で作られています。
この平台は使い古しで廃却されるものを、自家用に10枚運んだもの。

以上の事で製作記事は天板があるので変更、12Aに習って柾目の米松板(元材 25×50mmを集成)で製作しました。
材料は製材所で10年以上売れ残った2寸角を購入、良い部分を削り出す。
べニアと違い本物の板は年月を経ると風格(時代)が出てきます。
割れ、隙間が出ることもありますが、本物の証しです、それをアクセントとして生かして修理すれば良いのです。

サイドは丸孔がたくさんありますが、タンノイ風に縦桟を配したサランネットをはめ込む予定だったが、このままでもなんとか見られるので進んでいない。

地デジの時代
BSアナログの音は良く、地デジも期待していましたが音には少々がっかりしました。

タンノイ コーネッタ

時が経ち、静かな音楽を好むようになると、静寂さが損なわれているようで気になり調べる。
ウーハーの振動がホーン伝搬しているようだ。
セメダイン369(製造中止)で十分デッドニングしているのでこれ以上は無理である。
ショートホーンを取り外し、低振動の平バッフルを制作する、結果が悪ければ元に戻せば良いだけ。

構想と製作
低振動の平バッフル

バッフルはウーハーの振動を押さえ込むのではなく吸収するようにします。
基板は18mmの集成材を使用、集成材は厚みが一様でなくうねりがあるので注意が必要。
見えないところですが、こだわりのためベニヤは使いません。

集成箇所が剥離しないように適当に補強を入れます。
ユニット下の補強分は、ユニット取り付け、ローテーションに便利、そこに乗っけて位置決め、片手で楽々作業できます。
515Bの箱も同様に受けがあります。

ユニット側に制震材セメダインHC205を1o塗布、集成材の平面を補正し、厚手のポリエステル不織布を張り付ける。
(ユニットとバッフルを絶縁するため)
箱側にはHC205を2mmの厚さに塗布、その上に6mmの防音材を張り付けた。
(制震、それと箱本体とバッフルを絶縁するため)
箱には20本の木ねじで固定していますが、緩く締め付けます。
手で叩いた音の響きが「コン」が「コッ」に。

サランネットを付けた状態、見た目は何も変化なし。
しかし中はショートホーン撤去によるメカニカルな美しさは無くなり、平凡に。
音はとても静かになりました。

414は中音が充実しているので、ショートホーンは必要ないようだ。
大音量では迫力が落ちたよう、共振は爆音に有利に働き、聴き手によっては力不足と感じるかも

ウーハーが静かになると811Bホーンの鳴きが気になりました。
以前から811Bの後継を探していましたが適当なものが見当たらない。
H808の後期のものなら良さそうだが、物が出ない、ebayで一度見かけたが$4000を超えていた。
H1005より数が少ないようで全く手が出ない。
H1005は大きすぎる。

パイオニアMH-300マルチセルラーホーンに802Dを移植して試聴
パイオニア MH-300マルチセルラーホーン

壁の丸い板は地震対策(転倒防止)

811Bを撤去して802Dを移植して試聴する。(1500hzクロス)
ステーはステンレスで製作、簡単な構造、差し込みネジで高さ調節。

短いスロートの効果?指向性も品書きどおり広角、ホーン隅部はレベルが落ちますが
90°位は完璧で、部屋に横置き設置でも、聞く位置を気にしなくてもよい。

「マルチセルラーホーンはセルの干渉で高域が落ちる」との記事も。
どうして干渉するのか浅学の私にはわかりません。
また「音がソフトになる」とも聞きました。
もしかするとセルの入り口で、セル仕切り板の厚みによる反射が影響しているかもしれません。

1500クロスだから?
高域も気が付くほど落ちないし、鮮度も良い、他のマルチセルと比較試聴したこともないので解らない。
811Bよりは明らかに聞きやすく、明瞭である。

パイオニアMH-300マルチセルラーホーン

少し低音不足
HFホーンをパイオニア Pioneer MH-300砂入りに変えた結果、落ち着いた綺麗な音色に
2wayではほぼ限界と思われるまでになりました。
ただA-5程ではないが 少し低音不足でソースによってはTCを必要とします。

低音をブーストすると414が無理するようでボーカルが不自然になります。
15インチで聞くような音質傾向になります。
自然な会話、それは重要なこだわりです。

それならSWと。
友人の FOSTEX CW200Aを拝借して仮置き。
結果は音色が合わずバラバラの印象で即却下。

夢を託して ALTEC 405A
ALTEC 405A

大パワーはいらない。
極小音量でバランス、解像力が崩れないこと
ニュース番組でも自然であること。

ALTEC 405Aはボーカル再生は世界一と評されています。
私のコーネッタはバッフルが簡単に交換できるので、大好きな405Aを主役に抜擢してみました。
ボーカル部は妥協できません。
ALTECと言えば2wayが常識、私もそうして来ましたがやはり静かに聞く環境では限界があるようです。

今回はフルレンジに+ウーハー+ツィターで単に3分割したのではありません。
あくまで主役は405A、414と802は補佐役にします。

バッフルは国産針葉樹
イタヤカエデなど高級合板は綺麗だが所詮ベニヤ、凝るのであれば自分で気に入った材料で集成する。
響きが良ければ、安価な材料が良いと思ってます。

ホームセンターで構造用国産針葉樹のベニヤが目に入った、試作なのでとりあえずこれで。
木目が綺麗でたたくと程よい響き、2枚目をたたくとイマイチの響き。
良く見ると歪があり、節の空洞が多い。

店員さんに了解を得て、30枚近くひっくり返して2枚を選んだ 3×6”1枚¥1080円 恐縮して購入。

2枚を裏面どうし合わせて24oとして重ねて穴を空ける。
405Aは24oでは厚すぎるので半分は3cm大きく穴をあけた。
今まで穴はジグソーで加工、丁寧に修正してきた。
面倒なので今回Y’オクで中古のトリマ(¥4000)を購入して加工、一発でOK。
接着剤は手持ちのボンドE-205、木に吸収されるので2度塗りをする。
木ネジ30本ほどで強固に接着、更に木口、表、裏面共にE-205を吸収させる。

同じベニヤの裏面どうし接着すると歪が相殺され、曲りが生じない。

ユニットの取り付け
ユニットの取り付

べニヤは微妙に平面に歪があり、修正している、止めネジは軽く締めるだけでよい。

配線材は使い古しの2sqVCT(細い方は300v太い方は600v共に2sq)私は水素脆化のないOFCを好むが、高価なので機能的に必要なアンプに使うだけです。

この414-16と802Dは同じシステムに入っていたもの。
ユニットの色が異なるが、ラベルは同じグリーンのデザインです。
ALTECが一番輝いていた頃の製品と思われます。
405Aも同年代、旧ロゴ405Aは茶色のダンプ材がドーム周辺に塗られている、見た目はあまり綺麗でないが音は良い。

ALTEC 405A

405Aの開口部は梳毛フェルトをリング状にカット(バッフル板穴あけより難しい)して埋め込んだ。

ネットワーク
ネットワーク

改造前のオリジナルはN1505で1.5kクロス、L側12db、H側18db/oct。
コイルやコンデンサーの方向は統一されていない。
あまり細かいことは気にしないようだ。

低域のクロスは100、150、200、250で試聴、200hzが無難。
高域は1.5k、2k、2.5k、3k、4.2kで試聴、ベストは3k、手持ち部品の関係で2.75kに決定。
MH-300は短いスロートに変更しているので、3kでも問題なく拡散している。
405Aはローカット無し、その他6db/oct。

コンデンサーは 安価なDayton+スチコン(長年保管した逸品、富士通)、低域用コイルは自作品でカットコアー銅箔、高域用はFOSTEX LM。
他のオリジナルパーツはアッテネーター以外全て撤去。
オリジナルのターミナルも貧弱で2sqが取りつかないので大形に取り替えた。

雄大な音
雄大な音、コーネッタ

元々箱の構造からスケールの大きい音ですが、低域の厚みが増し更に雄大に。

鈍重な重低音とは異なり、12Aシステムに似て軽く心地良い。
12〜15インチの大口径の中低音は凄い迫力、でも自然でない。

爆音再生は必要なし、静かな環境ではソースを選ばない、MH-300の効果?ALTECに似合わず 室内楽も大変上品、大編成も難なく再現します。
前期ウエスタンやオールホーンのような音質傾向です。

ボーカルは絶品、ちあきなおみが元気に帰ってきた!
ニュース番組では、大型スピーカーは止って、テレビ付属のスピーカーが鳴っているようです。

405単独、414と802の2wayに切り替えられるようにしたが、3wayの良さが際立ち、替えることも無く、固定した。
ほぼ課題が解消されたようで満足、SPに関しては、この製作記事が最終になりそうです。

専用の遮音された部屋があるでもなく、家族に迷惑をかけることも無く、飄々として時をすごしてます。

舞台の仕事、生音から離れてはや20年近くになりますが、持ち込みのPAは別として、音場をそれらしく再現できるのはALTECが良いと思っています。
頑丈で壊れないのが一番かな。
レンジが広いJBLや国産も素晴らしいのですが、なぜか壊れるのが早いようで安心して付き合う気がしないのです。
その点TANNOY(RED)も良かったがネットワークが弱点で、缶ずめを壊してまで修理する勇気がなかった(ネットワーク部品を変えるとTANNOYと言えないそうだ?)。
またコネクタも欠陥部品、3LZはやむなくハンダ付けした。

’82年頃、にこの414と802を購入したのですが、当時12インチは人気が無く、セット(802、811B、414ペア)上物で5万円程でMJ交換欄で入手。(片方の414に少しボイスタッチあり格安、ダンパー修正しました)
3LZは同時期6万で購入しました。

10年前は中古市場にごろごろ有った405Aも最近はすっかり消えてしまいました。
安かったので粗雑に扱われ消耗されたのでしょう。
旧タイプ405Aのストックはまだ少しあるので大切に保管したい。

綺麗な化粧板も時が経てば剥がれる、角はベニヤの接合点、損傷したら無残、修正出来ない。
私の箱のコーナーは削り出しの1本物、重量は嵩むが損傷しても、おたやん 目立たず、アラが出ない。

Y’オクでも使用感の有るベニヤ製品や消耗品は安い、骨董実用品は使い込んだ方が高い。

素朴な木工品は使い込むほどに風格がでます。

私が製作したのは、12Aと515の箱とコーネッタの3点です、目一杯手間をかけて、メーカーの量産品より格上の物を作ることが自作の醍醐味と思っています。
12Aは別として、バッフル、ダクトに汎用性を持たせて衣替え可能として、ユニットは変わっても対応できるようにしました。
飽きることも無く一生使えます。

パイオニア CS-A55


CS放送(SPACE DiVA)専用で使用。
大掃除で一時取り外しました。
気に入って使い続けている物にパイオニア製品が多い。
組格子シリーズの最廉価版で20cmと6cmのコーン型2ウエイ。
しっかりした組格子は無傷、小型ながら96dbの高能率、クロスエッジで長寿命、フルレンジの如く使いやすく癖もない、今昔を問わずこのような製品は少なく、貴重と思います。
(2012年10月記、2017年改訂、転記)

https://omofu.net/2017/08/31/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%BF%E3%80%81pioneermh300%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%B3/

50. 中川隆[-6351] koaQ7Jey 2021年3月26日 08:03:05 : RGiSZl5RR1 : MDg5UmRkd3RZNlE=[4] 報告
TANNOY コーネッタ
2014.06.21 製品紹介
https://soundcreate.co.jp/tannoy-%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%BF/


色々悩まされていたTANNOYコーネッタでしたが、ずいぶん鳴りがよくなって参りました!

きちんとご紹介致しましょう!
TANNOY コーネッタ
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

幻のコーネッタとも言われる、このスピーカー。
元々、「コーネッタ」という名のスピーカーは、アメリカタンノイで四角い箱で作られていたものがありますが、そのスピーカーと特に縁があるわけではなうようです。
ステレオサウンドの1976年発売号で、その当時手に入りやすかった295HPDを使って、なんとか家に置けるサイズで、あこがれのTANNOYオートグラフに少しでも近いものを・・・ということで企画されたキャビネット作成によるものが、このコーネッタ。
当時からとてもよい鳴りっぷりで、「幻のコーネッタ」とまで言わしめたスピーカーなのです。
サイズは、こんな感じ。オートグラフは高さが1500以上ありますし、横は1080、奥行き670ですから、それからするとだいぶ小ぶりですね。
(Legatoに入っていますしね)
20140621_613611
それでも現代のスピーカーと比べると十分大きい感じはしますが、コーナー型の賢いところで、これが意外と圧迫感が無いのです。
ちなみに、295HPDと上に書きましたが、この個体にはモニターゴールドが入っています。
20140621_613599
10インチのモニターゴールド。マグネットカバーがゴールド色のため、こう呼ばれます。
マグネットはもちろんアルニコ。67年から74年ごろに作られ、このコーネッタの頃にはすでにHPDシリーズになっていました。
雑誌の企画でHPD295を使っていたのは、そもそもモニターゴールドに音色が近いことなどの理由だったので、モニターゴールドが搭載されているのは願ったりかなったり。
ちなみに、この大きなキャビネットに、なぜもっと大きなユニットにしないのか?
と思ってもみたりしますが、この10インチを使っているところがこのスピーカーの魅力的な部分のようです。
このスピーカー、大型スピーカーのゆったりした鳴り方はするものの、キレ味がよくて、生々しさがあります。
今は、調整はフラットにしています。下手にいじらないほうがいいことがよくわかりました。
OLYMPUS DIGITAL CAMERAこれはあえて10インチのユニットにして、バスレフ型にしているのが正解だったのでしょうね!
20140621_613598
下はネットワークの部分。
20140621_613597
アッテネータは、背面につけています。
これについては、入荷した当初苦労させられました。
(5月11日の記事参照)
サランネットを外してみます。
お腹のところにあいているのは、バスレフポート。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
キャスターがついているので、動かすのに不便はありません。
このサイズだとさすがに・・・。
重量は測っていないのですが、キャビネットの中身をみても目一杯はいっているわけではないので、簡単に動かせます。
キャビネットは米松で、外装の仕上げはチーク。
店頭では、MAJIK DSMはお手のもの。
SNEAKY DSMでも十分に鳴ってしまいました。
ずいぶん魅力的に鳴ってきたね、と以前にいらしたお客様にも言って頂き、可愛がって育てております。
価格 ¥850,000(外税/ペア)
※本店にはHPD295搭載のコーネッタがあります。

https://soundcreate.co.jp/tannoy-%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%BF/

51. 中川隆[-5894] koaQ7Jey 2021年4月08日 13:57:12 : dyVNzycV9Q : dXdmQ2x3RGpxc3M=[38] 報告
audio identity (designing)宮ア勝己 
7月 30th, 2018
真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その1)
http://audiosharing.com/blog/?p=26694

「タンノイはいぶし銀か」を書き始めたところ。
タンノイの同軸ユニットにはフロントショートホーンが不可欠だ、と、
以前から書いていることをくり返している。

もうひとつ不可欠(フロントショートホーンほどではないが)といえるのが、
KT88のプッシュプルアンプである。

世の中に出ているすべてのKT88プッシュプルアンプを聴いて書いているのではない。
タンノイに接いで聴いているのは、マッキントッシュのMC275、
マイケルソン&オースチンのTVA1、ウエスギ・アンプのU·BROS3、
それからジャディスのJA80(これはパラレルプッシュプル)だけである。

けれど、このどれでタンノイを聴いても、よく鳴ってくれる。
真空管アンプの音が出力管だけで決るわけでないことは重々承知しているが、
それでもタンノイにはKT88プッシュプルだ、と口走りたくなるほど、
それぞれに魅力的、ときには魅惑的な音をタンノイから抽き出してくれる。

JA80で鳴らしたGRFメモリーの音は、フロントショートホーンがついていないけれど、
もうこれでいいのかもしれない……、
そんなふうなある種の諦観に近いところに誘われている感じさえした。

やや白痴美的な音でもあった。
CDで聴いていたのに、以前一度だけ聴いたことのあるカートリッジの音を思い出してもいた。
グラドのSignature IIである。

1979年に199,000円もしていたカートリッジで、
瀬川先生が熊本のオーディオ店に来られた時に持参されていた。

このカートリッジのことは、「ラフマニノフの声〃ocaliseとグラドのSignature II」で書いている。

甘美な音がしていたカートリッジだった。
私も、欲しい、と思った。
高校生にはとても手が出せない価格だったけれど。
http://audiosharing.com/blog/?p=26694


Date: 8月 3rd, 2018
真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その2)
http://audiosharing.com/blog/?p=26758


タンノイのスピーカーにはKT88のプッシュプルアンプ。
これには異論がある、という人は多いかもしれない。

私だって、乱暴な書き方なのはわかっていても、
ジャディスのJA80で鳴らしたGRFメモリーの音は、
もう聴く機会はない、と諦めていたグラドのSignature IIの音を、
もう一度聴くことが叶った、と思わせてくれた。

この音が、私にとって、タンノイにはKT88プッシュプルという組合せを、
決定づけてしまった。

もっと長い時間聴いていたい、と思わせる音ほど、
短い時間しか聴けなかったりする。
このときのタンノイとジャディスの音もそうだった。

もっと聴きたい、と思っていただけに、よけいに印象深い音として記憶されているのだろう。

マッキントッシュのMC275、マイケルソン&オースチンのTVA1、
ウエスギ・アンプのU·BROS3、ジャディスのJA80、
こうやって書き並べていくと、
アメリカ、イギリス、日本、フランスと国がバラバラなのに気づく。

ジャディスだけがモノーラルで、あとはステレオ機。
トランスと真空管のレイアウトも、それぞれ違う。
MC275とU·BROS3は似ていると思われるかもしれないが、
トランスの順序、内部配線の仕方を比較すると、違いは大きい。
それにTVA1とJA80はプリント基板による配線である。

この四機種を同時比較したことはない。
タンノイのスピーカーで比較試聴すれば、それぞれの違いははっきりする。
そうなると、これら四機種のKT88プッシュプルに共通して感じている良さは、
あくまでも個人的に感じている良さではあるが、それは否定されてしまうかもしれない。

それでも、あえて書けば、意外にもこれらのアンプのフレキシビリティは高い、と感じている。
http://audiosharing.com/blog/?p=26758


Date: 8月 4th, 2020
真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その3)
http://audiosharing.com/blog/?p=32761


今日、東京は暑かった。
出掛ける用事がなくて、よかった、と思うほどに暑かった。

そんな暑い日中に、コーネッタをKT88のプッシュプルアンプで鳴らしてみたいなぁ、と思っていた。

私がタンノイに接いで聴いたことのあるKT88のプッシュプルアンプは、
マッキントッシュのMC275、マイケルソン&オースチンのTVA1、
ウエスギ・アンプのU·BROS3、ジャディスのJA80の四機種だけであることは、(その1)で書いたとおり。

いずれも、いまとなっては30年、40年ほど前のアンプだから、
いまでは新品で手に入れることはできない。

ジャディスのJA80は、いまMKIIになっているが、
いま日本に輸入元はない。

話はそれるが、この十年ほど、こういうことが増えてきた。
以前は輸入されていて、ある程度知れ渡っていた海外のブランドが、
いまではすっかり忘れられてしまっている、という例が意外とある。

そのブランドがなくなってしまったわけではなく、
単に日本に輸入されなくなっただけの話だ。

しかもアジアの他の国には輸入元がある。
日本にだけない、という例が具体的には挙げないが、まだまだある。
しかも増えてきているように感じる。

それらのブランドは、なんらかの理由で日本の市場から淘汰されただけなんだよ、
そんなことをいう人もいるけれど、ほんとうにそうなのだろうか。

そういうブランドもあるだろうけど、なにか日本だけが取り残されつつあるよう気もする。

話を戻すと、コーネッタは比較的新しいトランジスターアンプで鳴らしたい、という気持に変りはないが、
それでも、こんなふうにふとKT88のプッシュプルアンプで鳴らした音を聴きたい、と思う。

なにもこんな暑い日に、こんなことを思わなくてもいいだろうに……、と自分でも思いながらも、
なぜKT88なのだろうか、とも考えていた。
http://audiosharing.com/blog/?p=32761


Date: 8月 8th, 2020
真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その4)
http://audiosharing.com/blog/?p=32803


真空管パワーアンプの音が、出力管だけで決るわけがないことは百も承知だ。
この項で挙げている四機種のKT88のパワーアンプは、どれも音が違う。

それでも、そこに何か共通項のようなものを、少なくとも私の耳は感じている。
もっと厳密にいえば、タンノイのスピーカーで聴いた時に、そう感じている。

「五味オーディオ教室」を読みすぎたせい──、とはまったく思っていない。
マッキントッシュのMC275がKT88のプッシュプルだから、ということではない。
私の場合、タンノイで聴いたKT88のプッシュプルアンプは、MC275が最初ではないからだ。

KT88のプッシュプルアンプは、他にもいくつもの機種がある。
それらでタンノイを鳴らしたことはない。
もしかすると、私が聴いたことのないKT88のプッシュプルアンプで、
タンノイを鳴らしてみると、KT88にこだわることはないな、と思うかもしれない。

KT88のプッシュプルアンプのなかにも不出来なアンプは少なからずある。
そのこともわかっている。
それでも、タンノイを、真空管アンプで鳴らすのであれば、
まずKT88のプッシュプルアンプということを、頭から消し去ることができないままだ。

真空管パワーアンプの音が、出力管だけで決るわけがないのだが、
だからといって、出力管の銘柄、型番が音に関係ないわけではない。
鳴ってくる音のどこかに、出力管に起因するなにかが存在しているのかもしれない。

それがタンノイのスピーカーと組み合わされた時に、
私の耳は無意識のうちに嗅ぎ分けているのかもしれない。

コーネッタを鳴らすのに、真空管アンプを作るのであれば、
デッカ・デコラのパワーアンプ、EL34のプッシュプルのコピーにしようか、と思っている。
いい感じに鳴ってくれるだろうな、と夢想しながらも、
それでもKT88のプッシュプルアンプ、と思ってしまう。

しかも、ここがわれながら不思議なのだが、
KT88のプッシュプルアンプを自作しようという気は、ほとんどない。
市販品のなかから、いいモノがないか、と思ってしまうのは、なぜなのか。
http://audiosharing.com/blog/?p=32803


Date: 8月 13th, 2020
真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その5)
http://audiosharing.com/blog/?p=32848

聴いてみたかったKT88のプッシュプルアンプといえば、
ユニゾンリサーチのプリメインアンプP70である。

でもエレクトリはユニゾンリサーチの取り扱いをやめてしまっている。
しかもユニゾンリサーチも、P70、P40(EL34のプッシュプル)の製造をやめている。

P70を聴く機会はなかった。
エレクトリがとりあつかいをやめた理由も、ウワサではきいている。

どんな音だったのか。
周りに聴いている人もいない。

でも、P70のアピアランスは、気に入っている。
優れたデザインとは言い難い。
それでも、コーネッタを接いで鳴らすには、いい感じじゃないだろうか。

そう思いながらも、P70にはトーンコントロールがなかったなぁ……、となる。
1970年代後半ごろから、トーンコントロールをパスするスイッチが、
プリメインアンプにつくようになってきた。

さらにはトーンコントロールを省く製品も出てくるようになった。
いまではトーンコントロールがついている製品のほうが、
高額な価格帯になるほどに少数となってくる。

プリメインアンプにはトーンコントロールは要らないのか。

ステレオサウンド 55号の特集ベストバイで、
瀬川先生はケンウッドのL01Aを、プリメインアンプのMy Best 3の一つにされている。

55号のベストバイでは、誰がどの機種にどれだけ点数を入れたのかまったくわからない。
51号もそうだったのを反省してなのか、55号では各製品ジャンルのMy Best 3が載っている。

瀬川先生のプリメインアンプのMy Best 3は、L01Aの他に、
サンスイのAU-D607とラックスのL58Aである。

ところが59号のベストバイで、瀬川先生はL01Aには一点も入れられていない。
http://audiosharing.com/blog/?p=32848


真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その6)
http://audiosharing.com/blog/?p=32855


ステレオサウンド 55号と59号の中間、57号の特集はプリメインアンプだった。
ケンウッドのL01Aも取り上げられている。

瀬川先生の、57号での評価は高いものだった。
音の躍動感に、やや不足するものがあるのは読みとれるが、
《音の質の高さは相当なものだと思った》とある。

しかも、瀬川先生が熊本のオーディオ店に来られたときに、
サンスイのAU-D907 Limitedを買ったことを話した。
瀬川先生は、L01Aのほうがあなたの好みだよ、といわれた。

L01Aは聴いたことがなかった。
それでも気になっているプリメインアンプだった。

それでもAU-D907 Limitedは175,000円、
L01Aは270,000円だった。

当時高校生だった私に、この価格差はそうとうに大きく、手の届かない製品であった。
でも、その時の口ぶりからもL01Aを高く評価されていることは伝わってきた。

なのに59号での結果である。
当時も、なぜだろう? とおもったものだ。
答はわからなかった。

いま、その理由を考えると、L01Aにはラウドネスコントロールはついていても、
トーンコントロールはなかった。

しかも57号に、
《ファンクションにはややトリオ独自の部分があり、例えば、テープ端子のアウト/イン間にイコライザーその他のアダプター類を接続できない回路構成》
とある。

瀬川先生は、59号でサンスイのAU-X11には1点をいれられている。
AU-X11にもトーンコントロールはついていない。
けれどテープ入出力端子に、トーンコントロール、イコライザーなどの周辺機器を接続できる。

このあたりに、L01Aへの0点の理由が隠れているような気がしてならないし、
AU-X11にトーンコントロールがついていたら、2点以上になっていたであろう。
http://audiosharing.com/blog/?p=32855


真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その7)
http://audiosharing.com/blog/?p=32860


(その1)を書いたのは、二年前。
そのころはタンノイを買うことになるとは、ほとんど思っていなかった。

なので、ここでのサブタイトル、「KT88プッシュプルとタンノイ」は、
タンノイの特定のモデルではなく、あくまでもタンノイの同軸型スピーカー全般のことだった。

それが今年6月にコーネッタを手に入れた。
そうなってくると、「KT88プッシュプルとタンノイ」のタンノイとは、
コーネッタということに、意識しなくてもそうなりつつある。

最初のころのKT88プッシュプルとは、KT88のプッシュプルのパワーアンプのことを想定していた。
それがコーネッタ以降、プリメインアンプも含めてのことになってきている。

KT88プッシュプルのパワーアンプということならば、
コントロールアンプは別個に考えればいいわけで、
トーンコントロールのことは考えていなかった。

コーネッタとの組合せを、この項でも意識する。
そうなるとプリメインアンプ、それもトーンコントロール付きかどうかが気になる。

コーネッタを鳴らしてみたいプリメインアンプとして、イギリスのCHORDのモデルがある。
ソリッドステートアンプなので、この項とは直接関係ないわけだが、
それでもコーネッタとの組合せは、かなりいいように想像している。

そのCHORDのプリメインアンプは、
輸入元タイムロードでは、現在プリメインアンプは取り扱っていない。

CHORDのサイトをみると、製造中止になったわけではなく、
現行製品であることがわかる。

CHORDのプリメインアンプは日本ではあまり人気がないようだが、
私はけっこう気に入っているが、トーンコントロールに関しては、不満がある。

トーンコントロールがついていないだけでなく、
テープ入出力端子をもたないから、そのへんの拡張性はまったくない。

このことはCHORDのプリメインアンプに限ったことではなく、
ほかのブランドのプリメインアンプでもそうなのだ。
http://audiosharing.com/blog/?p=32860

Date: 12月 15th, 2020
真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その8)
http://audiosharing.com/blog/?p=33809


ラックスから、今年プリメインアンプのプリメインアンプのL595A LIMITEDが登場した。

今回も往年のラックスのアンプ・デザインの復活であり、
これまで続いてきたずんぐりむっくりからの脱却でもある。

L595A LIMITEDのページには、《一体型アンプの矜持》という項目がある。
L595A LIMITEDはフォノイコライザーはもちろん、
2バンドのトーンコントロールも備えている。

さらに音量連動式のラウドネスコントロールもついている。
テープ入出力端子は、時代の流れからなのか、ないのだが、
プリ・パワーアンプのセパレート機能はついている。

プリメインアンプ全盛時代のプリメインアンプそのまま、といいたくなる内容である。

さまざまな機能を削ぎ落として、音質をひたすら追求しました、
というアプローチのプリメインアンプもあってもいいが、
それならば、いっそのことセパレートアンプにしてしまえばいいのに、と私は考える。

だからL595A LIMITEDは、逆に新鮮にみえてくるところもある。
管球式のプリメインアンプは、いまでも存在している。

けれどほとんどの管球式プリメインアンプは、さまざまな機能を省略しすぎている。
そこに、プリメインアンプの矜恃は感じられない。

なかにはかなり大きな図体の管球式プリメインアンプもある。
それでも機能は最低限度しかついていなかったりする。

音がいいことだけが、アンプづくりの矜恃ではないはずだ。
http://audiosharing.com/blog/?p=33809


Date: 12月 18th, 2020
真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その9)
http://audiosharing.com/blog/?p=33822

(その8)でテープ入出力端子のことにちょっと触れたので、
ここでのテーマとは直接関係ない話なのだが、
プリメインアンプの現行製品で、テープ入出力端子を備えているのは、
どれだけあるのだろうか。

しばらく前からアナログディスク・ブームといわれている。
それからしばらくして、カセットテープがブームになってきた、ともいわれた。
オープンリールテープも、静かなブームだ、ときく。

カセットテープにしろオープンリールテープにしても、
アンプにテープ入出力端子がなければ、けっこう扱い難い。

なのにテープ入出力端子をつけてほしい、という声を、
ソーシャルメディアでもみかけたことがない。

私がフォローしている人たちがツイートしていないだけで、
そういう声はあるのかもしれない。

でも、カセットテープ、オープンリールテープの音に惚れ込んでいても、
再生だけで録音はしていない人が、いまでは案外多いのかもしれない。

録音をしなければテープ入出力端子の必要性は、あまり感じないし、
テープデッキの出力を、アンプのライン入力に接続するだけで事足りる。

テープデッキを再生だけに使うのも悪いことではないし、間違っているわけでもない。
それでも、やっぱり録音器であるわけだから。

でも、何を録るのか、といわれるだろう。
音楽を録ることだけにとらわれすぎていないだろうか。

カメラを買ったからいって、誰もがスタジオを借りて撮影するわけではない。
家族の写真を撮ったり、身近な風景や動物を撮ったりする。

なぜオーディオの録音器だけが音楽だけを録ることにこだわるのか。
スマートフォンのカメラ機能で、気軽に撮るように、
身近にある音を録ってみたらいい。
http://audiosharing.com/blog/?p=33822


Date: 12月 22nd, 2020
真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その10)
http://audiosharing.com/blog/?p=33842


コーネッタを鳴らすKT88のプッシュプルのプリメインアンプについて、
具体的に考えてみる。

出力はどれだけ欲しいのか、となると、50Wは欲しい。
コーネッタは、さほど高能率スピーカーではない。
これは、あくまでも昔の基準でのことであって、
いま市販されているスピーカーシステムとの比較では高能率となる。

それでも私の感覚としては、能率はやや低め、ということになる。

アンプの出力は音場の再現と大きく関っている。
オペラを聴くとよくわかる。

歌手がソロで歌っている。
さほど大きくない音量では、出力の低いアンプであっても、
クォリティの高いアンプであれば、気持よく鳴ってくれるのだが、
そこに合唱が加わって、クレッシェンドしていくと、音場がぐしゃっとくずれることがある。

出力に余裕のないアンプに起りがちな現象である。

だからコーネッタに50Wの出力というのは、最低限といってもいい。
私の部屋はさほど音量が出せるわけではない。
それでも50Wは欲しい、と考えている。

もっと音量を出せる環境であれば、出力はもっと欲しいところだ。

75Wの出力といえば、マッキントッシュのMC275がそうである。
規模としては、一つの目安となる。

MC275をベースに、ラインアンプ(これも管球式)で、
トーンコントロールを装備したプリメインアンプとなると、かなり大型になる。

自家用として使いたくない大きさになるはずだ。
そこまでなるならば、セパレート形式のほうが、
パワーアンプを目につかないところに設置すれば、ずっとすっきりする。
http://audiosharing.com/blog/?p=33842

Date: 1月 11th, 2021
真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その11)
http://audiosharing.com/blog/?p=33938


コーネッタを手に入れたことで、
この項のテーマが微妙にずれてきてしまっている。

だんだんとコーネッタにおける黄金の組合せ的なことを考え始めている。

別項で「黄金の組合せ」について書いている。
黄金の組合せという表現がつかわれるようになったのは、
タンノイのIIILZとラックスのSQ38FDの組合せからであろう。

この組合せの音は聴いたことがない。
それでもなんとなく想像はつく。

IIILZとコーネッタは、基本的には同じユニットといってもいい。
もちろんMonitor GoldとHPD295Aは違うユニットだ、という人もいるのはわかっている。

それでも別ブランドのユニットと比較すれば、どちらもタンノイの10インチ同軸型ユニットである。
ならばコーネッタにもSQ38FDが合うのだろうか。

これも別項で書いているのだが、
ラックスのLX38(SQ38FD、SQ38FD/IIの後継機)で鳴らしたスペンドールのBCIIの音は、
いまでも聴きたい、と思うほどの音だった。

熊本のオーディオ店で、この組合せで、と瀬川先生にいった。
瀬川先生は、なかなかおもしろい組合せだ、といわれた。
接続が終って、音が鳴り始めた。

カートリッジは、ピカリングのXUV/4500Qにした。

スピーカーにしてもアンプにしても、カートリッジもそうなのだが、
どれもはっきりとした個性をもつ音だ。

鳴ってきた音を聴かれた瀬川先生は「玄人の組合せだ」といわれた。
自分で考えた組合せということもあって、
私にとっての「黄金の組合せ」といえば、この組合せの音である。
http://audiosharing.com/blog/?p=33938


Date: 1月 12th, 2021
真空管アンプの存在(KT88プッシュプルとタンノイ・その12)
http://audiosharing.com/blog/?p=33940


この組合せ、この時の音があまりにも印象的だったこともあり、
私にとってラックスの38といえば、SQ38FDでもSQ38FD/IIではなく、LX38である。

しかも私はウッドケースというのが、あまり好きではない。
LX38はウッドケースがオプションになっていた。

おそらくウッドケースをつけると値上げしなければならなかったため、
なんとか価格も維持するためだったのだろう。

だとしても重いコートを脱ぎ捨てかのようでもあり、私はLX38を好む。
ではLX38の程度のいいのを探してきてコーネッタを鳴らしたいか、となると、
興味がまったくない、とはいわないまでも、それほどではない。

なぜかというと、まず一つはスペンドールのBCIIとコーネッタは、
同じイギリスのスピーカーシステムであっても、ずいぶんと性格が違う。
それに当時はアナログディスクで、カートリッジはピカリングだった。

いまはそうではない。
ピカリングのXUV/4500QのようなCDプレーヤー、もしくはD/Aコンバーターはない。

あのころとずいぶんと、いろんなことが変ってきている。
LX38の出力管、50CA10も、いまでは製造されていない。
探せば、まだ入手できる真空管ではあるが、
なんとなく避けたい気持があったりする。

中国で、さまざまな真空管が製造されているが、
50CA10は、そのラインナップにはない。おそらくこれから先も期待薄だろう。

他にも、こまかな理由がいくつかあって、
LX38で、どうしても──、という気持にはなれないでいる。

やはりKT88のプッシュプルアンプで鳴らしたい、という気持のほうが、強い。
いい音の真空管アンプであれば、なにもKT88のプッシュプルにこだわる必要はない──、
頭では、そう理解していても、一度はKT88のプッシュプルで鳴らしてみたい。

それも自分の手で鳴らしてみたい。
http://audiosharing.com/blog/?p=33940

52. 中川隆[-5887] koaQ7Jey 2021年4月08日 17:53:22 : 7vJmlBbsA6 : YzNyY2VzangxR2s=[3] 報告
audio identity (designing)宮ア勝己 
Archive for category 604-8G


Date: 12月 2nd, 2009
同軸型ユニットの選択(その1)
http://audiosharing.com/blog/?p=1017


JBLの4343について、これまで書いてきた。ワイドレンジについては、いまも書いている。
これらを書きながら考えていたのは、放射パターンを考慮したときの同軸型ユニットの優位性について、であり、
同軸型ユニットを中核としたスピーカーシステムの構想について、である。

アルテックの604シリーズ、タンノイのデュアルコンセントリック・シリーズ──、
両社の伝統的ユニットを使い、最低域と最高域を、ぞれぞれ別のユニットで補う。

すでに、実際の製品として、アルテックには6041があり、タンノイにはキングダム・シリーズがある。
にもかかわらず、自分で確認したいこと、試してみたいことが、いまもくすぶっている。
そのくすぶりが、書くことで次の段階へとうつろうとしている。

今日、604-8Gが届いた。
http://audiosharing.com/blog/?p=1017


同軸型ユニットの選択(その2)
http://audiosharing.com/blog/?p=1025

同軸型ユニットを中心としたワイドレンジのスピーカーシステム構築を考えれば、
タンノイとアルテックの同軸型ユニットを、私と同世代、上の世代の方は、最初に思い浮かべるだろう。

タンノイにするかアルテックにするか……。
別に迷ってはいなかった。最初に手にしたほうを使おう、そういうつもりでいたからだ。

主体性のない、やや受け身のスピーカー選びだが、それでも、モノとの巡り合いがあるだろうから、
ひとつくらい、こんなふうにスピーカーを選ぶのもいいかもしれない。

タンノイには、五味先生の本でオーディオと出合っただけに、その想いは簡単には語れない。
アルテックは、ここに書いたことをきいて知っていただけに、
一度は、自分の手で鳴らしてみたいと、ここ数年想い続けてきた。

タンノイとアルテック、ふたつとも手に入れてシステムを組むというのは、いまは無理だ。
だから、最初に私のところに来てくれたほうを使おうと決めた。そしてアルテックが到着した。
http://audiosharing.com/blog/?p=1025


同軸型ユニットの選択(その3)
http://audiosharing.com/blog/?p=1026


604-8Gに関して、こんな記事が出ていたことがある。
管球王国 Vol.25において、604シリーズ6機種の試聴記事が載っている。

そこで、篠田寛一氏が、604-8Gに604EのネットワークN1500Aを使うと、
「604Eに限りなく近い音で鳴る」と発言されている。
これを受けて、杉井真人氏(どういう方なのかは知らない)が、
「8Gのネットワークを解析するとわかるのですが、かなりイコライジングしているんです。
音質補正回路みたいなものが入っていて、
ある帯域にピークやディップを持たせたりして独特の音作りをしています」と補足されている。

604-8Gのネットワークには型番はない。
クロスオーバー周波数は1.5kHzで、ウーファーのハイカットは12dB/oct.、
トゥイーターのローカットは18dB/oct. となっていて、レベルコントロールは連続可変で、ツマミはひとつ。

この専用ネットワークは、ほんとうに杉井氏の指摘のとおり、
回路構成によって独特の音作りを行っているのだろうか。
http://audiosharing.com/blog/?p=1026


同軸型ユニットの選択(その4)
http://audiosharing.com/blog/?p=1027


手もとに604-8Gがあるから、ネットワークの内部を見ることができる。
シャーシー内部には、鉄芯入りのコイルが2個、コンデンサーが3個、
あとはレベルコントロール用の巻線型のアッテネーターだけである。

12dB/oct.のハイカットフィルターには、コイルとコンデンサーがひとつずつ、
18dB/oct.のローカットには、コイルはひとつ、コンデンサーはふたついる。
ハイカット、ローカットあわせて2個のコイルと3個のコンデンサーは、最低でも必要である。

インピーダンス補正や周波数特性をいじるのであれば、さらにコンデンサーやコイルが必要になる。
604-8Gの専用ネットワークには、必要最小限の部品しか収められていない。
インピーダンス補正も周波数のイコライジングを行なう部品は、何ひとつない。

アルテックのサイトから、604-8Gのネットワークの回路図がダウンロードできる。
見れば一目瞭然である。どこにも杉井氏が指摘されるようなところは、ない

杉井氏の「解析」とはどういうことなのだろうか。
http://audiosharing.com/blog/?p=1027


同軸型ユニットの選択(その5)
http://audiosharing.com/blog/?p=1028

おそらく杉井氏は、604-8Gと604-8Hのネットワークを混同されていたのだろう。
勘違いの発言だったのだろう。

604-8Hはマンタレーホーンを採用している関係上、ある帯域での周波数補正が必要となる。
それに2ウェイにも関わらず、3ウェイ同様に中域のレベルコントロールも可能としたネットワークであるため、
構成は複雑になり、使用部品も増えている。

だから、杉井氏の発言は、604-8Hのネットワークのことだろう。
勘違いを批判したいわけではない。

この記事の問題は、その勘違いに誰も気がつかず、活字となって、事実であるかのように語られていることである。

この試聴記事に参加されている篠田氏は、エレクトリでアルテックの担当だった人だ。
アルテックについて、詳しいひとのはずだ。
604-8Gと604-8Hのネットワークについて、何も知らないというのはないはずだ。

本来なら、篠田氏は、杉井氏の勘違いを指摘する立場にあるべきだろうに、
むしろ「アルテックのあがき≠ンたいなものがこの音に出ている」と、肯定ぎみの発言をされている。
http://audiosharing.com/blog/?p=1028


同軸型ユニットの選択(その6)
http://audiosharing.com/blog/?p=1033


604Eのネットワーク、N1500Aは、クロスオーバー周波数は1.5kHzで、
減衰特性はウーファーは6dB/oct.、トゥイーターは12dB/oct.。
604-8Gのネットワークとはスペックの上では減衰特性が異るわけだが、
もっとも大きな違いはスペックに、ではなく、回路構成にある。

いま市販されている大半のスピーカーのネットワークは、並列型であろう。
604-8Gのネットワークも並列型である。

パワーアンプから見た場合、ウーファーとトゥイーターに、それぞれネットワークの回路がはいったうえで、
並列接続されたかっこうになっている。だからこそ、バイワイアリングという接続方法も可能になる。

直列型は、文字通り、ユニットを直列接続した回路構成となっており、
ウーファーのマイナス端子とトゥイーターのプラス端子が接続される。
12dB/oct.の場合は、並列型と同じようにトゥイーターの極性を反転させることもある。

604Eと直列型のネットワークN1500Aの組合せもその例にもれず、
ウーファーとトゥイーターのマイナス端子同士が接続される。
一見、トゥイーターの極性を反転しているかのように思えるが、
N1500Aの入力端子のプラス側は、トゥイーターのプラス側に接がっている。
http://audiosharing.com/blog/?p=1033


同軸型ユニットの選択(その7)
http://audiosharing.com/blog/?p=1034

つまり、604Eは、N1500Aを接いで鳴らすと、ウーファーは逆相接続になる。
プラスの信号が入力されると、コーン紙は前にではなく、後に動く。

もちろんウーファーを正相接続にして、トゥイーターの極性を反転させるという手もあるだろうし、
ウーファーもトゥイーターも正相接続もあるなかで、
アルテックは、ウーファーを逆相にするという手を選択している。

それに直列型のネットワークを採用する例では、ウーファーのプラス端子が、
そのまま入力端子のプラスとなることが多いはずだが、
この点でも、604EとN1500Aの組合せは異る。

スピーカーユニットを逆相にすると、音の表情は大きく変化する。
フルレンジユニットで試してみると、よくわかる。

これらのことをふまえてN1500Aの回路図を見ていると、アルテックの音づくりの一端がうかがえる。
http://audiosharing.com/blog/?p=1034


同軸型ユニットの選択(その8)
http://audiosharing.com/blog/?p=1040


604EとN1500Aの組合せにおける、こまかな工夫にくらべると、
604-8Gと、そのネットワークの組合せは、ウーファーもトゥイーターも正相接続で、
スピーカーの教科書に載っているそのままで、おもしろみといった要素はない。

それだけN1500Aと604-8G用ネットワークの仕様は違うわけだ。
だから管球王国 Vol.25にあるように、604-8GにN1500Aを組み合わせれば、
純正の組合せの音は、同じアルテックの604というスピーカーの中での範疇ではあるものの、
かなり傾向は異ってきて当然であろう。

優れたユニットであればあるほど、活かすも殺すもネットワーク次第のところがある。
604-8Gでシステムを構築するにあたって、ネットワークをどうするか。

604-8Gについているネットワークをそのまま使うつもりはない。
ひとつのリファレンスとして、純正ネットワークの音はいつでも聴けるようにはしておくが、
ネットワークに関しては、新たに作る予定でいる。

N1500Aと同じ回路のものを試しにつくってもいいが、私が参考にするのは UREIの813である。
http://audiosharing.com/blog/?p=1040


Date: 12月 16th, 2009
同軸型ユニットの選択(その9)
http://audiosharing.com/blog/?p=1041

ゆくゆくは604-8Gをマルチアンプ駆動で、チャンネルデバイダーはデジタル信号処理のものにして、
時間軸の整合をとった同軸型ユニットの音を鳴らしてみたい、とは思っている。

それでも最初はネットワークで、どこまでやれるかに挑んでみたい。
ネットワークの場合、時間軸の整合はとれないと考えているひとが少ないようだ。
コイルとコンデンサーといった受動素子で構成されているネットワークで、
604-8Gの場合、ウーファーへの信号を遅らせることは不可能のように捉えられがちだが、
けっしてそんなことはない。

たとえばQUADのESL63は、同心円状に配置した8つの固定電極のそれぞれに遅延回路を通すことにより、
時間差をかけることを実現している。
KEFのレイモンド・クックも、ネットワークでの補正は、高価になってしまうが可能だといっている。

またJBLに在籍した後、マランツにうつりスピーカーの設計を担当したエド・メイは、
マルチウェイスピーカーの場合、個々のユニットの前後位置をずらして位相をあわせるよりも、
ネットワークの補正で行なった方が、より正しいという考えを述べている。
ユニットをずらした場合、バッフル板に段がつくことで無用な反射が発生したり、
音響的なエアポケットができたりするため、であるとしている。
http://audiosharing.com/blog/?p=1041

同軸型ユニットの選択(その10)
http://audiosharing.com/blog/?p=1042


レイモンド・クックもエド・メイも具体的な方法については何も語っていない。

ふたりのインタビューが載っているのは、
1977年発行のステレオサウンド別冊「コンポーネントステレオの世界’78」で、
当時出版されていたいくつかの技術書を読んでも、
ネットワークでの時間軸の補正については、まったく記述されてなかった。

だから、どうやるのかは皆目検討がつかなかった。
ただそれでも、ぼんやりとではあるが、コイルを多用するであろうことは想像できた。

同時期、アルテックの604-8Gをベースに、マルチセルラホーンを独自の、水色のホーンに換え、
604-8Gのウーファーとトゥイーターの時間差を補正する特殊なネットワークを採用したUREIの813が登場した。
813についても、ステレオサウンドに詳しい技術解説はなかった。

可能だとわかっていても、そのやり方がわからない。
少し具体的なことがわかったのは、ステレオサウンドの61号のQUAD・ESL63の記事においてである。
長島先生が書かれていた。
http://audiosharing.com/blog/?p=1042


同軸型ユニットの選択(その11)
http://audiosharing.com/blog/?p=1043

ステレオサウンド 61号の記事には、ESL63の回路図が載っている。
たしか長島先生の推測を元にしたものだったと記憶している。

8個の同心円状の固定電極に対して、直列に複数のコイルが使われている。
同心円状の固定電極は、外周にいくにしたがって、通過するコイルの数がふえていくようになっていた(はず)。

やはり、コイルの直列接続によって、時間軸の遅れをつくり出しているのはわかっても、
動作原理まではわからなかったし、どういうふうに定数を決定するのかも、とうぜんわからなかった。

ESL63やUREIの813に使われている回路技術はおそらくおなじものだろうと推測はできても、
具体的なことまで推測できるようになるには、もうすこし時間が必要だった。

ESL63の翌年にCDプレーヤーが登場する。
そしてD/Aコンバーターのあとに設けられているアナログフィルターについての技術的なことを、
少しずつではあるが、知ることとなる。

フィルターには、いくつかの種類がある。
チェビシェフ型、バターワース型、ベッセル型などである。
http://audiosharing.com/blog/?p=1043

同軸型ユニットの選択(その12)
http://audiosharing.com/blog/?p=1044

UREIの813のネットワークに使われているのは、ベッセル型フィルターである。
おそらくESL63のディレイ回路も、ベッセル型フィルターのはずだ。
ベッセル型フィルターの、他のフィルターにはない特徴として、
通過帯域の群遅延(Group Delay)がフラットということがあげられる。

つまりベッセル型のハイカットフィルターをウーファーのネットワークに使えば、
フィルターの次数に応じてディレイ時間を設定できる。

604シリーズのウーファーのハイカットを、ベッセル型フィルターで適切に行なえば、
トゥイーターとの時間差を補正できることになり、
これを実際の製品としてまとめ上げたのが、UREIの813や811といったスピーカーシステムと、
604E、604-8G用に用意されたホーンとネットワークである。

ホーンの型番は800H、ネットワークの型番は、604E用が824、604-8G用が828、
さらに813同様サブウーファーを追加して3ウェイで使用するためのネットワークも用意されており、
604E用が834、604-8G用が838であり、TIME ALIGN NETWORKとUREIでは呼んでいる。
http://audiosharing.com/blog/?p=1044

同軸型ユニットの選択(その13)

川崎先生は「プレゼンテーションの極意」のなかで、特徴と特長について語られている。
     *
「特徴」とは、物事を決定づけている特色ある徴のこと。
「特長」とは、その物事からこそ特別な長所となっている特徴。
     *
ベッセル型フィルターの「特徴」が、同軸型ユニットと組み合わせることで「特長」となる。
http://audiosharing.com/blog/?p=1046


同軸型ユニットの選択(その14)
http://audiosharing.com/blog/?p=1094

UREIの813のネットワーク(TIME ALIGN NETWORK)は、回路図から判断するに、
ウーファー部のハイカットフィルターは、6次のベッセル型である。

ベッセル型フィルターの通過帯域内の群遅延特性はフラットであると前に書いているが、
そううまくウーファーの音だけに遅延がかかって、トゥイーターからの音と時間的な整合がとれているのか、
と疑われる方もおられるだろう。
メーカーの言い分だけでは信じられない、コイルとコンデンサーだけのネットワークで、
タイムアライメントをとることが、ほんとうに可能なのか、と疑問を持たれても不思議ではない。

ステレオサウンドの46号の特集記事はモニタースピーカーだった。
その次の47号で、46号で登場したモニタースピーカーを、三菱電機郡山製作所にての測定結果が載っている。

アルテックの620A、JBLの4343、4333A、ダイヤトーンのMonitor1、キャバスのブリガンタン、
K+Hの092、OL10、ヤマハのNS1000M、そしてUREIの813の、
無響室と2π空間での周波数特性、ウーファー、バスレフポート、パッシヴラジエーターに対する近接周波数特性、
超高域周波数特性、高次高調波歪特性、混変調歪特性と混変調歪差周波掃引、
インパルスレスポンス、群遅延特性、エネルギータイムレスポンス、累積スペクトラム、
裏板振動特性、デジタル計測による混変調歪が載っている。
http://audiosharing.com/blog/?p=1094


同軸型ユニットの選択(その15)
http://audiosharing.com/blog/?p=1157

ステレオサウンド 47号の測定結果で比較したいのは、
アルテック620AとUREI・813であることはいうまでもない。

813のネットワークの効果がはっきりと出ているのは、
インパルスレスポンス、群遅延特性、エネルギータイムレスポンスにおいてである。

620Aのエネルギータイムレスポンスは、まず-40dB程度のゆるやかな山があらわれたあとに、
高く鋭く、レベルの高い山が続く。
最初の山がウーファーからのエネルギーの到達を示し、それに続く山がトゥイーターからのものである。

813はどうかというと、ゆるやかなウーファーの山の中ほどに、トゥイーターからの鋭い山が入りこんでいる。
ふたつの山の中心が、ほぼ重なり合っている形になっている。

620Aでのウーファーの山のはじまりと、813でのはじまりを比較すると、
813のほうがあきらかに遅れて放射されていることがわかる。
インパルスレスポンスの波形をみても、このことは読み取れる。

620Aでは、やはりゆるやかな低い山がまずあらわれたあとに鋭い、レベルの高い山が続く。
813では、ゆるやかな山の始まりが遅れることで、鋭い山とほぼ重なり合う。

群遅延特性も、同じアルテックの604-8Gを使用しているのに、813はかなり優秀な特性となっている。
http://audiosharing.com/blog/?p=1157


同軸型ユニットの選択(その16)
http://audiosharing.com/blog/?p=1159

ウーファーとトゥイーターの中心軸を揃えた同軸型ユニットは、
その構造ゆえの欠点も生じても、マルチウェイスピーカーの構成法としては、
ひとつの理想にちかいものを実現している。

同軸型ユニットは、単体のウーファーやトゥイーターなどにくらべ、
構造はどうしても複雑になるし、制約も生じてくる。
それでも、各スピーカーメーカーのいくつかが、いまも同軸型ユニットを、新たな技術で開発しているのをみても、
スピーカーの開発者にとって、魅力的な存在なのかもしれない。

KEFは1980年代の終りに、Uni-Qという同軸型ユニットを発表した。
それまで市場に現れた同軸型ユニットとあきらかに異り、優位と考えられる点は、
ウーファーとトゥイーターのボイスコイルの位置を揃えたことにある。

アルテックの604シリーズ、タンノイのデュアルコンセントリック・ユニットが、
トゥイーターにホーン型を採用したため、ウーファーとトゥイーターの音源の位置のズレは避けられない。

パイオニアのS-F1は、世界初の平面振動板の同軸型、しかも4ウェイと、規模も世界最大だったが、
記憶に間違いがなければ、ウーファー、ミッドバス、ミッドハイ、
トゥイーターのボイスコイルの位置は、同一線上にはなかったはずだ。

ユニットの構造として、Uni-Qは、他の同軸型ユニットを超えているし、
同軸型ユニットを、スピーカーユニットの理想の形として、さらに一歩進めたものともいえる。
http://audiosharing.com/blog/?p=1159

Date: 2月 16th, 2010
同軸型ユニットの選択(その17)
http://audiosharing.com/blog/?p=1160

Uni-Qをもってして、同軸型ユニットは完成した、とはいわないが、
Uni-Qからみると、ホーン型トゥイーターのアルテックやタンノイの同軸型は、あきらかに旧型といえるだろう。

ただ、オーディオマニア的、といおうか、モノマニア的には、
アルテックやタンノイのほうに、魅力を強く感じる面があることは否定できない。
Uni-Qの優秀性は素直に認めても、個人的に応援したくなるのは、アルテックだったり、タンノイだったりする。

空想してもしかたのないことではあるが、もしJBLがUni-Qを開発していたら、
モノとしての魅力は、マニア心をくすぐるモノとして仕上っていただろう。

Uni-Qは、あたりまえのことだけど、あくまでもイギリス的に仕上りすぎている。
もっといえば、いかにもKEFらしく仕上がっている。
そこが魅力でもあるのは重々承知した上で、やはりもの足りなさも感じる。

すこし話はそれるが、アルテックとタンノイの同軸型ユニットを比較するときに、磁気回路の話がある。
タンノイはウーファーとトゥイーターでひとつのマグネットを兼用している、
アルテックはそれぞれ独立している、と。

たしかに604や605などのアルテックの同軸型ユニットにおいて、
ウーファーとトゥイーターのマグネットは独立している。
が、磁気回路が完全に独立しているかという、そうではない。

604の構造図をみればすぐにわかることだが、ウーファー磁気回路のバックプレートと、
トゥイーターのバックプレートは兼用していることに気がつくはずだ。
http://audiosharing.com/blog/?p=1160

同軸型ユニットの選択(その18)
http://audiosharing.com/blog/?p=1161

アルテック、タンノイといった古典的な同軸型ユニットで、
ウーファー部の磁気回路とホーン型トゥイーター(もしくはスコーカー)の磁気回路が完全に独立しているのは、
長島先生が愛用されてきたジェンセンのG610シリーズがそうである。

完全独立、ときくと、マニアとしてはうれしいことではあるが、
ふたつ以上のマグネットが近距離にあれば干渉しあう。

干渉を防ぐには、距離を離すことが手っとり早い解決法だが、同軸型ユニットではそうもいかない。
ならばひとつのマグネットでウーファー用とトゥイーター用を兼ねよう、という発想が、
タンノイのデュアルコンセントリックの開発に当たっては、あったのかもしれない。

もっともマグネットは直流磁界で、ボイスコイルが発する交流磁界の変化によって、
磁束密度が影響を受ける、それに2次高調波歪がおこることは、
いくつかのスピーカーメーカーの解析によってはっきりとした事実であるから、
一つのマグネット(ひとつの直流磁界)に、二つの交流磁界が干渉するタンノイのデュアルコンセントリックでは、
音楽信号再生時に、どういう状態になっているのかは、専門家の話をうかがいたいと思っている。
http://audiosharing.com/blog/?p=1161

同軸型ユニットの選択(その19)
http://audiosharing.com/blog/?p=1163

振動板の駆動源といえるマグネットが兼用されているため、
節倹の精神によってタンノイはつくられている、ともいえるし、
口の悪いひとならば、ケチくさいつくり、とか、しみったれたつくり、というかもしれない。

けれどオートグラフという、あれだけ意を尽くし贅を尽くしたスピーカーシステムをつくりあげたタンノイが、
その音源となるユニットに、節倹の精神だけで、ウーファーのコーン紙のカーブを、
トゥイーターのホーンの延長として利用したり、マグネットをひとつにしたとは、私は思っていない。

ボイスコイルがひとつだけの純粋のフルレンジユニットでは、ワイドレンジ再生は不可能。
かといって安易に2ウェイにしてしまうと、タンノイが追い求めていた、
家庭での音楽鑑賞にもっとも大切と思われるものが希薄になってしまう。
そのデメリットをおさえるために、できるかぎりの知恵を出し、
コーン型のウーファーとホーン型のトゥイーターを融合させてようとした結果が、
タンノイ独自のデュアルコンセントリックといっていいだろう。

これは、外観からも伺えないだろうか。
アルテックの604の外観が、同軸型2ウェイであることを顕示しているのに対し、
タンノイのデュアルコンセントリックは、何も知らずにみれば、大口径のフルレンジに見えないこともない。
http://audiosharing.com/blog/?p=1163


同軸型ユニットの選択(その20)
http://audiosharing.com/blog/?p=1165

タンノイの同軸型ユニットは、必ずしもマグネットがひとつだけ、とは限らない。
1977年ごろ登場したバッキンガム、ウィンザー、このふたつのシステムに搭載されているユニット2508は、
フェライトマグネットを、高音域、低音域用とにわかれている。

バッキンガムも、ウィンザーも、ウーファーユニットを追加したモデルだ。
このときのタンノイの主力スピーカーシステムは、アーデン、バークレイなどの、いわゆるABCシリーズで、
使用ユニットはアルニコマグネットのHPDシリーズ。いうまでもなくマグネットはひとつだけ。
さらに同時期登場したメイフェアー、チェスター、ドーセット、アスコットには、2528DUALが使われている。
このユニットもフェライトマグネットだが、低音、高音で兼用している。

HPDシリーズはのちにフェライトマグネット使用のKシリーズに換っていくが、
Kシリーズも、マグネットひとつだけ、である。
2508のマグネットがふたつあるのはフェライトマグネットだからではないことが、このことからわかるだろう。

1996年、キングダムが登場する。
このキングダムに搭載されている同軸型ユニットも、またマグネットを2組持っている。
http://audiosharing.com/blog/?p=1165

同軸型ユニットの選択(その21)
http://audiosharing.com/blog/?p=1166


キングダムのユニット構成は、同軸型ユニットを中心として、低域にサブウーファーを、
高域にスーパートゥイーターを追加した4ウェイである。

ここまで書けば、察しのいい方ならば気がつかれるだろうが、
タンノイのスピーカーづくりのありかたとして、同軸型ユニットだけでシステムを構築する場合には、
従来からのウーファーとトゥイーターのマグネットを兼用させたものが、
そしてレンジ拡大のためにウーファーやトゥイーターが追加されるときには、
マグネットが独立したタイプが使われる。

このことから推測されるのは、重視する要素が、システム構成によって違いがあるということだ。

それぞれの同軸型ユニットが重視している要素は、調和か明晰か、ではなかろうか。
このことは、エンクロージュアの構造、つくりの違いにも顕れている。
http://audiosharing.com/blog/?p=1166

同軸型ユニットの選択(その22)

タンノイの創始者、ガイ・R・ファウンテンと、
チーフエンジニアのロナルド・H・ラッカムのふたりが音楽再生においてめざしたものは、調和だった気がする。
それも有機的な調和なのではなかろうか。
http://audiosharing.com/blog/?p=1374


同軸型ユニットの選択(その23)
http://audiosharing.com/blog/?p=1582


この項の(その18)でふれているが、同軸型ユニットにおいて、
ウーファー用とトゥイーター用のマグネットが独立していた方がいいのか、
それともひとつで兼ねた方がいいのか、どちらが技術的には優れているのか、もうひとつはっきりしない。

タンノイのリビングストンは、ステレオサウンド別冊「世界のオーディオ」のタンノイ号で、
アルテックの604との比較、それにマグネットを兼用していることについて語っている(聞き手は瀬川先生)。
     *
これ(604のこと)に比べてタンノイのデュアル・コンセントリックは全く違います。まず、ホーンでの不連続性はみられません。第二にコーンの前に障害物が全くないということです。第三に、マグネティックシャントが二つの磁束の間にあるということです。結局、タンノイは一つのマグネットで二つのユニットをドライブしているわけですが、アルテックは二つのマグネットで二つのドライバーユニットを操作しているわけで、この差が大きなものになっています。
     *
第三の理由として語られていることについては、正直、もうすこし解説がほしい。
これだけではなんともいえないけれど、
少なくともタンノイとしては、リビングストンとしては、
マグネットを兼用していることをメリットとして考えていることは確実なことだ。

そのタンノイが、同軸型ユニットなのに、
ウーファーとトゥイーターのマグネットを独立させたものも作っている。

そのヒントとなるリビングストンの発言がある。
     *
スピーカーの基本設計の面で大事なことは、使われているエレメントが、それぞれ独立した思想で作られていたのでは、けっしていいスピーカーを作り上げることはできないと思うのです。サスペンションもコーンもマグネットも、すべて一体となって、それぞれがかかわり合って一つのシステムを作り上げるところに、スピーカーの本来の姿があるわけです。例えば、ボイスコイルを研究しているエンジニアが、それだけを取り上げてやっていると、トータルな相関関係が崩れてしまう。ボイスコイルだけの特性を高めても、コーンがそれに十分対応しなかったり、磁束密度の大きいマグネットにしても、それに対応するサスペンションがなかったりするわけで、そこでスピーカーの一体感というものが損なわれてしまう。やはりスピーカーを作る場合には各エレメントがそれぞれお互いに影響し合い、作用し合って一つのものを作り上げているんだ、ということを十分考えに入れながら作る必要があると思います。
     *
「一体」「一体感」「相関関係」──、
これらの言葉が、いうまでもなく重要である。
http://audiosharing.com/blog/?p=1582

53. 中川隆[-5743] koaQ7Jey 2021年4月14日 11:06:34 : FQrGsP3YVY : VUVVL3ZhT3JrRms=[7] 報告
2021-03-24
TANNOYスピーカーについて、その1
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/03/24/092949

TANNOYスピーカーとの付合いは長く、50年近くになります。

TANNOYのスピーカーユニットは、日本の気候には適応力がなく、大昔の物である事から程度の良い物はかなり少なくなって来ていると思います。

TANNOYのスピーカーユニットは、ご承知の通りデュアルコンセントリックと言う同軸構造で、ウーハーの中心からツイーターの音が出るホーン構造が特徴です。
このホーンーの金属部分が錆びやすく、程度が悪化すると使用に適さなくなります。

ちなみに、通常では画像にしない、私のユニットで何とかスマホで撮ったのがこれです。
f:id:we300ba:20210324091616j:image
ウーハーのダストカバー越しで、薄くて見にくいですが、中心にたくさん穴の空いている部分が、ツイーターのイコライザーです。
現在の製品で極めて高価になったアルニコマグネット使用のユニットは、錆に対して改善されているようですが、20世紀で一番量産されたHPDシリーズでは、性能が優秀であるにも関わらず、程度の良い物が少ないのは残念な事です。
いきなり、あまり一般的でない内容から、TANNOYの話を進めていきます。

次回からは、HPDユニットのメンテナンスを紹介したいと思います。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/03/24/092949

2021-03-27
TANNOYスピーカーについて、その2
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/03/27/201012

話が前後しましたが、TANNOYスピーカーのメンテナンスと言えば、まずエッジの交換があげられます。

何をするにも、まずウーハーのコーン紙をフレームから外す事になり、その時ウレタンエッジは破れてしまいます。
時々、ウーハーのセンターキャップまで破り外しする方がいらっしゃいますが、これはまったく必要ありません。

HPDタンノイの場合、ウーハーコーンを外すには、本体の背中を向け、まずボイスコイル引出し線をハンダコテで端子から外す事になります。

次に、12個のエッジ押さえ金属板(昔から矢紙と言われている)を止めているマイナスネジすべてを外します。

そしてボイスコイルを支えている、ダンパーを押えているリング状の金具のボルトを全部外すと、コーンは難なく単体になります。

これがHPDタンノイの最大の特徴で、現代の高級TANNOYのユニットにもない利点です。
こうして外されたコーン紙は、まずエッジの張換えをする事になります。
エッジ交換にも、いくつかのパターンがあり、それは次回にいたします。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/03/27/201012

2021-03-29
TANNOYスピーカーについて、その3
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/03/29/115509

TANNOYのHPDが総分解、再組立が出来る事は、多くの人がご存知です。
HPD愛好家は、たいてい1組どころか2〜3組スペアにお持ちであると思います。

従って、エッジ交換はネットを検索するとたくさん出てきます。

しかし、純正のエッジだけの販売は日本代理店のTEACでも扱っていません。

昔ならば、純正コーンアッセンブリーで1個21500円で販売されていた記憶があります。

現在はファンテックとか言うエッジ専門店で代用品が売られています。

発泡ウレタン製のエッジの寿命は20年が限界です。(但しHPDでもHPD295Aだけはゴム製エッジで状態の良い物がたくさんありますが、エッジ以外の部分でやはり劣化がありますので、メンテナンスは欠かせません。)

ですから、HPD愛好家はたぶんいろいろと工夫されているのでしょう。

実は私もその一人です。

私のHPDは、20年程(正確には26年)前に思い切って自然素材の牛革にしました。


f:id:we300ba:20210329114616j:image

これが完成した画像です。

素材は念のために、2台分作りました。


f:id:we300ba:20210329114828j:image

これが、薄い牛革で裁断したものです。

ちなみにユニットの裏側からの画像がこんな感じです。


f:id:we300ba:20210329115048j:image

このエッジは、もうゆうに25年以上経過していますが、変質どころかうまく馴染みベストコンディションです。

次回は、その作り方を紹介いたします。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/03/29/115509


2021-04-03
TANNOYスピーカーについて、その4
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/04/03/082138

今回からHPDの実際のメンテナンスの紹介をしたいと思います。

準備するものは次の物ですが、まず言える事は決して急いで作業をしない。

2〜3日位では無理で、1ヶ月はかけたいところです。

100円ショップなどで売られている直径30Cm程の回転台、コンパス、ボール紙、切れ味鋭いハサミ、マイナスドライバー、インチネジスパナ(ダンパー外し用)、透明ゴム系接着剤、サンドペーパー、シルバー色塗料ミニ缶、1Cm幅刷毛、そして素材となる牛革のシート等です。素材は、今はどうか知りませんが、昔、秋葉原のホコ天大通りに革布専門店があり、そこで入手しました。

作業は大きく分けて、

1)エッジの型紙の作成、素材の裁断

2)コーンへのエッジの接合(少し難しい)

3)ホーンの錆取り

4)完全に接着完了したコーンアッセンブリーの、本体への取付

5)コーンの芯出し(これがかなり難しい)

6)最終組立

の順になります。

次回から、上記の項目別に説明いたします。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/04/03/082138

2021-04-04
TANNOY スピーカーについて、その5
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/04/04/144255

1)エッジの型紙の作成、素材の裁断

まずスピーカー直径分の大きさのボール紙を用意して、コンパスで矢印間の直径円を描きます。

f:id:we300ba:20210405124001j:image

次に同心で下図の矢印間の内径を引きます。

f:id:we300ba:20210405124031j:image
f:id:we300ba:20210405124227j:image

ここでエッジへの接着剤糊面を5mmに設定します。c の寸法はエッジをどの位たるませるか、で決まりますが、あまりたるませると安定性が悪くなります。

私の場合はB 寸法を約3.8Cmに設定しました。HPD315Aの場合は、ドーナツ円外径は30.5○、内径は23.0○、その差7.5、その1/2は3.75CmがおのずとB寸法になります。

上記のコーン寸法からドーナツ状の描き画を、正確に90°に4等分します。

さらに取付状態の補正として、90°線に対して外径Cの円弧上で下図の様に4mm(HPD315Aの場合)だけ直線状に増寸します。

これは、トライアンドエラーで発案した重要な事です。

f:id:we300ba:20210405133320j:image

上記の黄緑色の部分が、4枚のエッジの1枚分の型紙です。

この型紙になぞって牛革にボールペン等で書込み、さらに裁断したものが、その3のページにアップしてあります。

こうして4枚分の分割エッジが出来上り、4枚の突合せ端面は組上がった時にわずかずつ重なりあい、エアー漏れは生じません。

牛革は厚さにムラがありますから、出来るだけ薄くて大きな素材が必要となります。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/04/04/144255


2021-04-08
TANNOYスピーカーについて、その6
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/04/08/110602


2)コーンへのエッジの接合

コーンにエッジを接合するには、回転させながらやるのが効率的です。
特に接着剤を塗布するには、スピードと正確さが必要です。
その前に、コーンに付着した古い従来のエッジはカッターの刃の割った部分などで十分掻き落とします。

コーンの外周径でくり抜いたボール紙を90度ずつ4等分にして、それをコーン裏側外周に当てて90度ごとに鉛筆で線を引いておき、90度ごとに4枚のエッジが正確に貼り付くように下準備をしておきます。

これが正確でないと、一枚ずつ貼っていき最後にきちっと揃わずオシャカです。

やり直しは、たぶん結果を最悪な状態にします。

接着剤に速乾性がありますから、きれいに仕上げるにはそれなりのスキルが必要です。

こうして貼りつけたエッジは、接着面の全周を指先で圧着して完成です。

貼り付けしろは、市販のウレタンエッジと異なり、5mm程です。

その後、しばらく乾燥させて完成です。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/04/08/110602


2021-04-10
TANNOYスピーカーについて、その7
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/04/10/171013


3)ホーンの錆取り

コーンアッセンブリーが完成したところで、ツイーターホーンの点検をします。

HPDは45年程前の製品ですから、鉄材のホーンが錆一つ無いというのは、稀です。

白サビ程度ならば簡単に補修が出来ますが、錆色に錆びた状態は、面積によっては相当苦労します。

錆は結露によって発生します。

冬寒い部屋に急に暖房を入れますと、ダストカバーを通して鉄材ホーンの表面に細かい結露が生じます。
イギリス本土では湿気も日本程ではなく、部屋も広いのか、薄いメッキでも大丈夫なのでしょう。HPDは日本製のユニット類よりはるかに、お粗末なメッキです。
中古品で入手されますと、すでに補修済が多く、この項目はスキップしましょう。

白サビ程度なら、サンドペーパーで軽く擦りきれいに布で拭き取るだけで十分です。

その後から、油性のシルバーカラーの塗料を薄めて軽く塗布します。

あまり濃い塗料を厚く塗ると逆効果で、剥離しますから要注意です。
白サビ、赤錆共に、ペーパーがけの際はボイスコイルのギャップにセロテープ等を貼り、ゴミが入らない様に注意しましょう。

その他、程度の悪化した物はツイーターのダイアフラムまで及ぶ事がありますが、ここから先の分解はあまりお薦め出来ませんので、今回はここで終わりとします。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/04/10/171013


54. 中川隆[-5600] koaQ7Jey 2021年4月17日 17:02:21 : RSLdzPRb1s : Y0wwMFV6MDlreDI=[41] 報告
Date: 5月 25th, 2011
ワイドレンジ考(その58)
http://audiosharing.com/blog/?p=4579


GRFメモリーの登場・成功によって健在ぶりを示しはじめたタンノイは、
翌年ウェストミンスターとエジンバラを発表。
1983年にはスターリング、’86年には創立60周年を記念したモデル、RHRを出す。

名声を回復していくタンノイのラインナップから、バッキンガム、ウィンザーはいつのまにか消えていた。
オートグラフの思想を受けついだモデルであるはずなのに、短い寿命だった。
バッキンガムの後継機種は発表されなかった。

だからウェストミンスターが、現代版オートグラフとして認識されていったように思う。

’90年に、スタジオモニターとしてSystem 215が出る。
15インチの同軸型ユニットに同口径のウーファーを加えたものだが、これをバッキンガムの後継機種とは呼べない。
System 215は’93年にMKIIに改良されたが、地味な存在には変りはなかった。

’88年には、アルニコマグネットを復活させた同軸型ユニットを搭載したカンタベリー15と
カンタベリー12も出している。

’81年以降のタンノイの流れをみていると、バッキンガムの後継機種はもう現れないものと勝手に思っていた。
ところがキングダムが登場した。1996年のことだ。

キングダムこそ、バッキンガムに感じていた物足りなさを完全に払拭しただけではなく、
オートグラフの思想を受けついだ、しかもオートグラフと肩を並べることのできるスピーカーシステムが、
やっと登場してくれた、と思わせてくれた。
オートグラフの登場から43年かかって、キングダムは登場した。
http://audiosharing.com/blog/?p=4579

55. 2021年7月24日 21:45:54 : vm2m0Yb61c : OVJpa2FtQ0tMUlU=[24] 報告
Autograph miniはClaireで
2021-07-23
https://ameblo.jp/oohpopo/entry-12688034063.html


個人的な好みで言えば、英国のスピーカーは傑作アコースティックエナジーAE-2や

SL-700のセレッションへとどうしても目が向いてしまう。
古典的なスピーカーとなったTannoyは好みの音に合うものが少なく、
今まで遠くにあったスピーカー.

もし自分が手にするなら、英国の小さなレコーディングスタジオに良くある、
10inch位のSRMなど。

古くはマージービートから伝統的ブリティッシュロックなんかに合うサウンドで
解像力を無視した上に、これに限定すれば、この選択肢はありかと思う。


写真は気怠く横たわっている艶っぽいお姉さんに視線が行ってしまうのだが、
主役は横にあるスピーカー。
ミニはミニでもオートグラフ・ミニ。

ツィッギーのミニスカートにオースチン・ミニ
挙句、「ミニミニ大作戦」という映画まで作ってしまった。
英国はミニの元祖のような国でこうしたミニ化はお家芸でもある。

このオートグラフのミニチュアのようなモデルは
調度品としても相当良く出来ている。

JBLの4312のミニチュア=4312Mのような、おもちゃではない。
本邦は意外と音の良いモデルで、普段は好みの音からは外れるTannoyでも、
ちょっと欲しくなる小型スピーカーだ。


聴くなら英国にこだわりたい。
ザ・ビートルズの「ラバーソウル」から、
小コンボのジャズヴォーカルだろうなと思う。


英国のジャズヴォカールのトップアーチスト。
クレア・マーチン。
今では重鎮となった彼女だが、
相変わらず趣味の良い知的なブリティッシュジャズの王道。
広い部屋で彼女のCDのかけ流しが最適だろう。

https://ameblo.jp/oohpopo/entry-12688034063.html

56. 2021年9月02日 18:54:06 : 3lgZtywAYU : ak1WYnZ3TXhvUEk=[27] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋
物言わぬは腹ふくるるわざなり 2021年09月02日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/84ac87a9f6581ad98126dc338b457f44


実を言えばブログを公開している以上多くの読者から好感を持ってもらうに越したことはないのだが、つい口が滑ることがある。

たとえばスピーカー「タンノイ」(イギリス)について。

あの「五味康祐」さんが愛用され、巧みな音楽評論と相俟って感化されたタンノイの愛好者はとても多い。まあ、クラシックファンに限ってのことだが。

実は自分もその例に漏れない。

20歳代の頃の「VLZ」(口径25センチ)を嚆矢(こうし)として、「インパルス15」、「ウェストミンスター」と手を広げてきたが、残念なことにそのうちどうも自分が求めているサウンドとは違うことがわかってきた。

そこで、思い切って同じイギリス勢のグッドマンやワーフェデールに手を広げたわけだが、現時点では「やはり正解だった」と、ほぼ納得。ただし、どうせ自己満足に過ぎないのだが。

となると、タンノイに対して溜まっていた不満がつい反面教師のように噴き出てきてしまう。

具体的には口径38セントのユニットの音声信号への反応が鈍いのが嫌いだし中高音域の艶と潤いにも乏しい。

もちろん、「それがタンノイのいいところだ」と反論される方がいても少しも不思議ではない。なにしろ感性の相違なんだから。

よく知りもしないで欠点をあげつらうのは良くないが、実際に使ったうえでのコメントだから許されるはずだと内心思っている。

そうすると、面白い現象に気が付いた。

タンノイを否定するようなことを書いた都度、このブログのアクセスが目に見えて減るのである(笑)。

このブログの読者は日ごとの凹凸はあるにしても平均でいけば1日「900人」前後がせいぜいだが確実に50人程度は減りますね〜。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」、こんなブログなんか読みたくもないというわけ。

そういえば、その昔「加銅鉄平」(北大電気科卒)さんというオーディオ評論家がおられた。いろんな著作を通じて勉強させてもらったがその中にこういう一節があったことを憶えている。

「オーディオ愛好家のお宅に訪問してシステムの悪口を言うのは、あなたの子供はバカですねと言うのと同じだ」

ことほどさように、日頃から愛情を注いでいるシステムに対して悪口を言われるのはご本人にとって神経を逆撫でされるようなものだろう。

たしかに自分だってシステムを悪し様に言われると気分的に落ち込むだろうが、立ち直るのも早くて「人それぞれでしょう。万人にとって正解のない世界なんですから」と、きっと開き直ることだろう。

ここで一つ気になるのが、タンノイ愛好家がグッドマンやワーフェデールなどを幅広く聴き込んだうえで使われているのかどうか・・。

ただ「巧みな言い回し」や「ブランド信仰」に踊らされた挙句に使っているだけだとしたらこれは悲劇ですね。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/84ac87a9f6581ad98126dc338b457f44

57. 中川隆[-15778] koaQ7Jey 2021年10月27日 22:02:26 : wUdshiPjJo : SzUwV0tEY2FjSUE=[3] 報告
TANNOY ARDEN 導入記 | 禁断のKRELL 2021年09月12日
https://ameblo.jp/507576/entry-12697620904.html

TANNOYの系譜 | 禁断のKRELL 2019年05月30日
https://ameblo.jp/507576/entry-12465042048.html

58. 2023年2月08日 16:44:07 : F1HK90DybM : VWlDZS85U0dRN2s=[1] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋
あの手この手の「高音域」対策
2023年02月08日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/65581f33634423f0de4c65bad75d308e

前々回の「オーディオ愛好家のご訪問」からの続きです。

さて、試聴会もいよいよ佳境に入って、今度はいよいよ我が家の本丸「ウェストミンスター」の試聴に移った。

ウェストミンスターといっても、中身の方は「タンノイ」のオリジナルとは「似て非なるもの」で大改造を施している。

ただし、これはけっして胸を張って自慢できる話じゃないので念のため〜(笑)。

きっとオリジナル信奉者は腹を立てるに違いないが、自分としてはいかにオリジナルであろうと出てくるサウンドが気に食わなければ、思い通りに変えさせてもらうという主義である。

(長い宮仕えをして散々屈折した思いをしてきたので、せめてオーディオくらいはという気がある)タンノイだろうが何だろうが権威には盲信しないし、所詮は利益を追求するメーカーだからコストの追求によって犠牲になっているところが多々あるに違いないと思っている。

たとえば「お粗末な部品」を使った「ネットワーク」なんて最たるものだが、それも「タンノイの音づくりの一環だ」と開き直られればそれまでなんだけどね・・。

いずれにしても、これほど改造を施すと、おそらく下取り価格が情けないものになるのだろうが、どうせ死んだ後の話だから知ったこっちゃない〜(笑)。

で、この際だからどこをどう変えたかというと、まず口径38cmの鈍重なユニットを追放して口径30cmのスピード感溢れるユニット(赤帯マグネット)に交換、そして長大過ぎて音が遅れ気味の「バックロードホーン」も仕切り板を取り払って短縮し、ようやく違和感がしないレベルまで仕上げた。

もちろん「ネットワーク」に至ってはご存知のとおり、すっかり別物にしている。

そうだ、これからは「ウェストミンスター」(改)という表現にしよう。

おっと・・、試聴会の話だったね(笑)。

最初は順調な滑り出しだった。

「こういうスケール感に満ち溢れた音に移ると、AXIOM80が何だかちまちました音のような気がしてきます。それかといって、分解能も鮮度もいいし、素晴らしいサウンドですよ、これは〜」

「そうでしょう、80もいいんですけどオペラやオーケストラを本格的に聴くとなるとちょっと物足りないです。所詮はサブ的な位置づけになりますね・・。」

このシステムの長所がもろに発揮されるのは「チェロ」の鳴りっぷりで、それはもう筆舌に尽くしがたいほどの胴鳴りを伴った豊かな弦の音色が部屋中にゆったりと漂ってくる。やはり重量が100kgに及ぶ箱だけのことはある・・。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/65581f33634423f0de4c65bad75d308e

59. 中川隆[-11635] koaQ7Jey 2024年2月11日 19:52:43 : n4p04CquLw : bG9tSjdBTFhRTk0=[17] 報告
<■79行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「音楽&オーディオ」の小部屋
「タンノイ」と「グッドマン」に思う
2024年02月10日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/b09091765cd15b924d513c70224d7035

「〇〇さん、タンノイのユニットに興味ありますか?」と、連絡があったのはオーディオ仲間のSさんからだった。

「ええ、無いことも無いのですが・・」と歯切れの悪い返事をしたところ、「現在オークションにタンノイの(モニター)レッドのユニットが出品されてますよ。あなたが好きな口径30cmです。しかも中央部があめ色で、これはレッドの初期バージョンです。シルバーの音に近いとされていますので特に人気がありますよ」

ほう・・、俄然色めき立った(笑)。

レッドとかシルバーとか「何のこっちゃい?」という方がおられるかもしれない。

クラシック音楽向けとされる英国のスピーカー「タンノイ」の歴史は古い・・、そしてユニットの変遷をいくつも重ねてきた。

古い順に、モニター「ブラック」、「シルバー」「レッド」「ゴールド」「HPD」・・といった具合で、この色彩の命名はマグネットのカバーに由来したものだ。

で、タンノイは古ければ古いほど音が良いとされている・・、何故かはわからないが、憶測すると真空管と同じで大衆に向けて広範に普及しだすと材質の吟味から細かなツクリまでメーカーはコストを念頭に手を抜きたがる傾向がある。

所詮は利潤を追求するのが生き残っていくためのメーカーの使命ですからね〜。

ちなみに、名管とされる「WE300B」の初期バージョンの「WE300A」は先年のオークションで「160万円」の高額で落札されたのはまだ記憶に新しいところ、たかが真空管だけどね・・(笑)。

で、「レッドの前期版」だが、さっそくオークションで見つけて「ウォッチリスト」に登録して見守ることにした。

で、途中経過の入札価格を見た途端に戦意を喪失した・・、20万円以下ならともかく、もうすでに越えている(笑)。

あとはどのくらいの額で落札されるかに興味が移った。

もったいぶらずに決着をつけると「落札日は2月7日」落札額は「459,300円」・・。

え〜っ、およそ46万円もする価格に驚いた。

さっそく「S」さんにご注進・・、「例のレッドは46万円でしたよ!」「ああ、それは安かったですね。業者の販売価格は60万円台ですからね・・」「ほう・・、それを知ってる人たちが殺到したんですね、まったく生き馬の目を抜く世界とはこのことですねえ・・」

ただし、これは私見としてズバリと言わせてもらうとタンノイは実力の割には買い被られている。つまり、お値段と実力が釣り合っていない。

これも「五味康佑」さんが「タンノイの回し者」とまで言われたように、あの独特の「音楽評論」とともにその素晴らしさを過剰と思えるほどに吹き込んだせいだ・・、愛読者はまるで魔法にかかったみたいに「タンノイ」が欲しくなるんだから〜(笑)。

実はこの自分がそうだった・・。

我がタンノイ遍歴を述べてみると「VLZ(イン・キャビネット)」に始まり、「インパルス15」そして「ウェストミンスター」へとグレードアップしていったが、結局今となってはバランス的に「VLZ」がいちばん良かったと思っている。

そして、今や「ウェストミンスター」の中身はすっかり原型を留めておらず、口径38cmのユニットは追放の憂き目に遭い、長大なバックロードホーンは自分好みに簡略化している。

そして、まことにお粗末な部品が使われているネットワークは即刻廃棄して、クロスオーバーを「1000ヘルツ」から「ハイカット100〜200ヘルツ(ムンドルフのコイル)の切り替え方式」にして、ようやく好みの音になってくれた。

仲間たちは「あのタンノイを改造するなんて度胸がありますねえ」と、一様に感心してくれるが、内心「こいつアホとちゃうか」と思っているかもねえ(笑)。

まあ、どう思われようといい・・、人生一度きりなんだからせめてオーディオくらいは心行くまで好き勝手にさせてもらおう。

ブランドとかオリジナルにこだわるのは「愚の骨頂」だと思っているが、はたから見るとどうなんだろうねえ・・。

で、タンノイにひきかえ、格上とされている同じ英国の「グッドマン」が、実力以下に過小評価されているのが残念でたまらない。

現在愛用しているのは「AXIOM80」(2ペア)、「TRIAXIOM」(口径30cm同軸3ウェイ)、「AXIOM150マークU」(口径30cm)の3つのユニットだが、独特の哀愁と翳りを醸し出す音ヅクリにぞっこんである。

グッドマンは例外が若干あるとしても、基本的に口径38cmのユニットに手を出さなかったところにメーカーとしての矜持と慧眼を思い知るのである。

で、これほど際立った能力があるのに「存続」という面でタンノイの後塵を拝したのはなぜか・・、やっぱり「エンクロージャー」を作らなかったせいかなあ〜。

レコードやDACなどの前段機器、増幅機器のアンプなどではどうしても解決できない次元の違うノウハウ的なものがエンクロージャーに秘められている気がしてならない、いわばオーディオの最後の砦・・。

つい、オークションの話からあらぬ方向へ発展してしまった。

はなはだ身勝手な独演会はこのくらいにして、違ったご意見もお伺いしたいところですね(笑)。

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60. 中川隆[-10962] koaQ7Jey 2024年4月10日 17:42:17 : EBxoLrKf52 : dzZnbFNnU1RmcXc=[3] 報告
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「音楽&オーディオ」の小部屋
口径38cmのユニットを使わない理由
2024年04月10日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/82e3ceca619afb033285a5fc0e42e5ed

オーディオ記事を書くたびに、いつも脳裡の片隅にあるのが(記事の内容を)「ジャズ・ファンが真に受けると拙いなあ」・・。

なぜなら、クラシックとジャズでは音の楽しみ方が違うと思う・・、つまり前者はハーモニーを重視し、そして後者はリズム感を通じて力感や勢いを楽しむ音楽だから〜。

もちろん私見である。

ほんとうに いい音 はクラシックもジャズも差別なく聴けるものだ・・、「実際に我が家がそうだ」というご意見もきっとあることだろう(笑)。

そこで、わかりやすい実例として我が家で「口径38cmのユニットを使わない理由」を縷々述べてみよう。


先日のこと、オークションにワーフェデール(英国)の口径38センチ(15インチ)のユニットが1本出品されていた。

お値段は「13,800円」と超安いうえに、音がメチャいいとされている「赤帯マグネット」付き!

原則として我が家では「38cm」はお呼びではないが、コスパがいいとついフラフラッとくるのはいつものこと(笑)。

我が家のウェストミンスターに使えそうなユニットなので落札したいところだが、なんといってもステレオとしてはあと1本欲しいところ。

そこでヨーロッパのSPユニットに関して独自の輸入ルートをお持ちのTさんに伺ってみた。

「実はお伺いしたいことがあります。現在オークションにワーフェデールの口径38センチのユニットが1本出品されてます。落札したいのですが、ステレオ用としてあと1本欲しいところです。

そこで、T様のルートから同じ口径38センチが手に入る可能性はありますでしょうか。まことに勝手のいいご相談ですが、いかがなものでしょうか。」

すると、ご丁寧にも次のような返信があった。

「お元気ですか。

ご照会の件ですが、当該のオークションも覗いてみましたが、アルニコの15インチタイプはなかなか見つけられないと思います。

15インチはどちらかというとアメリカ人好みのようで、イギリス国内では、Wharfedaleに限らず、15インチのユニットそのものが、あまり見受けられないように思います。
ご期待にそえず申し訳ありませんが、これに懲りず、また何かありましたら、いつでもご照会なり、ご相談なりしてください。 では、失礼いたします。」

というわけで、手に入れるのが難しいとなればオークションの出品物を諦めざるを得ない。1本だけではどうしようもないので〜。

さて、ここで何が言いたいのかといえば、イギリスでは15インチ(38センチ)のユニットがあまり見受けられないということ。

たしかにグッドマンやワーフェデールなどの有名どころにしても、15インチがあることはあるがめったに見かけない。

後日、この件を「有識者」に話したところ次のようなコメントがあった。

「そうなんです。イギリスは口径30センチのユニットが圧倒的に多いです。音のスピード感と繊細な表現力と適度な量感をマッチングさせるとなると口径30センチのユニットがベストと考えているのでしょう。

私もそう思います。したがって、あなたのユニットの選択は間違っていないと思いますよ。口径38センチのユニットを思いどおりに動かすのはたいへんです。タンノイの昔のユニットがなぜいいかというと、コーン紙の重さが軽いのも一因でしょう。」

この言葉にたいへん意を強くしたのは言うまでもない(笑)。

口径38センチのユニットはそれなりの魅力もあるのだが、どうしても空気を押し出す量と抵抗、そしてコーン紙の重さを考え合わせると、音声信号に対する追従性に問題が出てくる。

それがイヤで我が家のユニットはウェストミンスター内蔵のユニットまで含めてウーファー系はすべて「口径30センチ」に留めている。

いわば、クラシックの低音は主として箱の響きを利用して鳴らす、その一方ジャズの低音は口径の大きなユニットを強力なアンプで これでもかといわんばかりに ガンガン駆動する・・。

で、我が家で使用している小出力の「3極管シングル」アンプとの絡みもあるので一概には言えないわけだが、これまで使ってきた口径38センチのユニットはすべてオークションに放出してしまった。   

そういえば、タンノイの創始者「G.R.ファウンテン」氏が愛用していたのは「オートグラフ」ではなく、口径25センチの「イートン」だったことはよく知られている。

これがクラシックを愛好するイギリス人の良識あるオーディオ観といっていいだろう。

自分もタンノイは「VLZ・イン・オリジナル・キャビネット」「インパルス15」「ウェストミンスター」と使ってきたものの、一番バランスが良かったのは最初に使った「VLZ」だった。今となっては手放さなきゃよかった(笑)。

まあ、クラシックファンの中で「口径38センチ」のユニットを使っておられる方はたくさんいらっしゃるので、こればかりは是非もないが肝心の「お耳のセンス」の方は「?」だと内心秘かに思っている。

というか、好きとか嫌いというよりも「ブランドを盲信」されている方が大半だろうし、改造する勇気も無いし面倒だというのが実状だろう。

そこで、外野席から反論・・、「お前の勇気なんて蛮勇というものだ」という声が聞こえてきそう(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/82e3ceca619afb033285a5fc0e42e5ed

61. 中川隆[-10922] koaQ7Jey 2024年4月13日 09:33:16 : zTx5EuLQw2 : YnNHSk5RYk1hMnM=[6] 報告
<■86行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「音楽&オーディオ」の小部屋
ボーカルの再生
2024年04月13日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/5df57a85f390c82c217b8a1b266699b0

先日のブログ「小澤征爾 指揮者を語る」の中で紹介した小澤氏のコメントを改めて再掲させてもらおう。

「音楽の根源は人間の声から始まったと我々は思っているわけ。それから楽器は声の代わりに音楽をつくってきた。だんだんとそれが、声ではとても出ない高い音や低い音をヴァイオリンとかで出せるようになった。

だけど音楽の根源は声だとすると、息を吸うことは絶対必要で管楽器は息を吸わなければいけないけど、ヴァイオリンなどの弦楽器は息を吸わなくても弾ける。しかし、そこのところで、息をみんなにうまく吸ってもらう指揮者もいて、それがいい指揮者だと言われる。」

というわけで、声が音楽の根源だとするとオーディオだって声の再生が出発点だと考えてもおかしくないですよね〜。

人の声は日常的に聴きなれているので、再生装置で聴くときも「生の声」との違和感にいちばん気が付きやすいのでなかなか厄介な存在だと思う。

で、声の再生に有利なスピーカーといえばやはり「同軸ユニット」ですよね〜、そして同軸ユニットといえばタンノイかなあ・・。

「タンノイ」に関しては我がオーディオの歴史において重要な位置を占めているものの、一方では複雑な思いがあってなかなか一口では語れないブランドである。

「VLZ・イン・オリジナル・キャビネット」、「インパルス15」、「ウェストミンスター」と遍歴したが、「VLZ」のときは当時黄金の組み合わせと言われたラックスのアンプ「SQ38FD」で鳴らしていたのだが、このアンプは出力トランスが故障した。

これまでずっと真空管アンプを使ってきたが、出力トランスがイカレタなんて後にも先にもこの機種だけで、これは真空管アンプとしては絶対にあってはならない故障だと思う・・、腹が立ったので以後、ラックス製品はいっさい使わないことにしている。

それもこれもあって、嫌気がさしてきてとうとう「VLZ」と「アンプ」をセットで手放して、次は15インチのユニットにしたが、これまたうまく鳴らせなかった。というか、その頃からどうもタンノイの音が自分に向いているのだろうかと懐疑的になってしまい、とうとうオリジナルユニットを外して現在に至っている。

こうして満足に使いこなせなかったタンノイだが、さすがにボーカルの再生を含めて同軸2ウェイユニットの音像定位の優位性には見るべきものがあった。

以前、オーディオ仲間のU君(福岡)から次のようなメールをもらったことがある。ちなみにU君は工学部で音響学を学んでいる。

「小さな口のボーカル再生が望ましいと言ったのは、録音する際のテクニックから来ています。通常、ボーカルを録音するにはボーカルマイクを使用するのはご存知の通りです。

そして特別の事情がない限り、ボーカルはセンターに定位させます。「センターに定位」と言ったのは、左端から右端までのどの位置にも自由に定位させることが出来ますが、普通はセンターにさせるからです。

そしてセンターに定位させると、左右チャンネルに同位相・同レベルの音声信号が記録されます。このボーカルの入ったCDを再生すると、ボーカル音声信号に関しては同位相・同レベルの音波に再現されるのが理想ですが、「同位相」というところで引っ掛かって来ます。

音波の位相が乱れる原因はスピーカーのマルチウェイにあります。本来なら一つの音声入力に対して、それに対応した一つの音波が発せられて耳に到達すれば良いのでが、マルチウェイの数だけ音波が発せられ(当然強弱の差はありますが)、空間で合成されて一つの音波となります。

この時、各スピーカーで発せられた音波の位相が微妙に違うため、本来あるべき音波波形から崩れてしまうことが、ボーカリストの口の大きさにつながります。

原理的に、ソロボーカリストは“センターで小さな口”で録音されている筈です。小さな口を小さく説明しようとしましたが長くなりました。」

ボーカルの再生に当たっての聴感上の留意点として、一般的にボーカリストの口の大きさがどのくらいに聴こえるか、息継ぎ(ブレス)が明瞭に聴こえるかといったところが上げられる。

ほら、五味康祐さんの名著「西方の音」の中にも、「歌手がカバのように大きな口を開けて唄うスピーカーがある」という表現が出てくる!(笑)

というわけで小さな口で歌うように聴こえるという点ではフルレンジや同軸ユニットの優位性は圧倒的だし、これを敷衍すると一つのシステムの中にSPユニットが多くなればなるほど不利になるのは言うまでもない。

ただし、もちろん同軸ユニットも万能ではなくて周波数レンジの狭さやスケールの面においてオーケストラの再生などにはあまり向かない。

この両面を一挙に解決しようとしたのがタンノイの同軸ユニットというわけだが、個人的には周波数レンジや繊細さの面でちょっと物足りない。

結局「あちら立てれば、こちら立たず」 → 「二兎を追うもの一兎を得ず」

そういうわけでオーケストラとボーカルの両極端のいずれかに(システムが)特化してしまうのか、それとも中庸で我慢するか、オーディオはこういう選択の行きつ戻りつで、ただひたすら時間だけが過ぎていく(笑)。

最後に、我が家のスピーカーのうちボーカル再生において「ベスト3」を挙げておこう。

1 「AXIOM80」(英国グッドマン)

2 「PL100」(英国モニターオーディオ)

3 「TRIAXIOM」(英国グッドマン)

2番目の「PL100」だが、7000ヘルツ以上に「ツィーター」(ワーフェデール)を付け加えて、この程ようやく愁眉が開きました。

小口径ユニットの有利性、箱の響きを極力排した優れた応答性・・、最高で〜す!

実はこれが書きたいばかりに、あれやこれや延々と引っ張ってきました(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/5df57a85f390c82c217b8a1b266699b0

62. 中川隆[-8895] koaQ7Jey 2024年10月08日 08:05:25 : msnnjg3DAo : RkkuOTQyc2x6MWM=[3] 報告
<■55行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「音楽&オーディオ」の小部屋
オーディオはメーカーを疑うことから始めよう
2024年10月08日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2061b295eb41f26722c3784aa8c54cfb

前々回のブログ「高域特性の良いコンデンサーの波及効果」の文面をまだご記憶でしょうか。

ちょっと不安なので、念のため該当箇所を再掲しましょう(笑)。

JBLの「LE-175」ドライバーに付いている純正の「小型ハチの巣ホーン」を「マルチ・セルラー・ウッドホーン」に取り換えた話です・・。

こういうコメントを加えていました。

「ワクワクしながら耳を澄ますと・・、いやあさすがに「LE-175」ですな!

小型ハチの巣ホーンよりは明らかにウッドホーンの方が伸び伸びとした音が出る。「純正」が「伏兵」に敗れるレアなケースだね、これは〜。

とはいえ、お値段的には「ウッドホーン」の方が上なので「JBL」がコスト削減したという見方も成り立つ・・。

いやむしろ、JBLのポリシーとして「マルチ・セルラー・ウッド・ホーンを使いたくない」というのが正解かもね〜。」

とまあ、今にしてみると素人の「生兵法」みたいなコメントだったが、これに、さっそく反応していただいたのが、JBL愛好家の「T」さん(東海地方)。一昨日(6日)に次のメールが届いた。

「JBLのLEー175で気になった事をお知らせします。JBLでは最初にマルチセルラーホーンを出していました。しかしバッフルに取り付ける時に大きいのでコンシューマーのスピーカーとしては小型にする必要があり1217−1290(小型ハチの巣ホーン)になったと考えられます。小型にしたために情報量が減りました。」

成程・・、そういうことでしたか!

つまり、音質的にはマルチ・セルラー・ホーンの方が良かったのに、スペースの関係で仕方なく小型のホーンにしたというわけですね。

「押しも押されもせぬ」天下の「JBL」なのに・・、そういう安易な(?)妥協をしていることにいささか驚かされた。

で、これから導き出される答えはただ一つ〜。

メーカーの純正品といってもあまり当てにならない・・、諸事情のため音質を二の次にしている事例がある!

ちなみに、諸事情というのは、まずは「コスト」、「スペース」、そして「下請け企業への配慮」といったところだろうか。

以上、まったく「我が意を得たり」で、ここぞとばかり(我が家の)メーカーを信用していない典型的な事例を上げてみよう。

まず、血祭りにあげたい筆頭はタンノイの「ウェストミンスター」である。

分解して詳細に調べたところ、ボックスに内蔵してあるネットワーク(クロス1000ヘルツ)に極めてお粗末な部品を使っていることに驚いた。これでは「いい音」の出ようはずがない。

とはいえ「これもタンノイの音づくりの一環だ」と主張されれば身も蓋もないが、良質の部品を使ったうえで、そう主張してもらいたいな〜。

使ってあるユニット(口径38cm:同軸2ウェイ)も、極めてお粗末なマグネットが付いていたので、即刻「お払い箱」にして取り換えたのは言うまでもない。

天下の「タンノイ」や「JBL」でさえこれだから一流のブランドといってもゆめゆめ信用できないですよね。

つまり「ブランド」への盲信は禁物・・、「オーディオはメーカーを疑うことから始まる」といっても、過言ではないかもしれませんよ〜。

スピーカーの場合に特に顕著のような気がしますが、もちろん全否定ではなく部分的な「いいとこ取り」精神が肝要ではないでしょうか・・、以上、ちょっと調子に乗って「我田引水」気味だったかな〜(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2061b295eb41f26722c3784aa8c54cfb

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