http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/686.html
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(回答先: 伝説の静電型スピーカー QUAD ESL57・ESL63 投稿者 中川隆 日時 2017 年 2 月 10 日 20:25:45)
「このスピーカーを持つ者はあまねく人生を過つ」
とまで言われた往年の銘機であり、私にとっては忘れることの出来ないスピーカーである。 このスピーカーにさえ出会わなければ、おそらくここまでオーディオに深入りすることもなかっただろうし、ましてアンプの発売元になるなどと言う事は想像さえ出来なかった。
ともかく最初に見たときの強烈な印象は忘れることが出来ない。独特のフォルムに魅せられ「これはいい音がする」と直感し惚れ込んだのだった。
最近友人のG氏がその「AXIOM 80」を手に入れたそうである。このSPの反応の速さと来たら現代SPもかなわないだろう。ともかく何をいじっても音が変わるし底知れぬ可能性を感じさせ、それがまたマニアを虜にさせるのだ。
SPの魅力はともかくとして、G氏が私みたいな運命を辿らないことを願うのみである。今回のことは彼のために喜ぶべきかはたまた同情すべきか大いに迷うところなのだ。
http://www.allion.jp/blog/audio_roman/2002/07/10/52.html
初期はオリジナルですが、次からは復刻版になります。復刻版、は二度出ていますが、いずれも補修部品で復刻されています。
ただ、中期と後期ではコーン紙が大きく異なっています。
中期はオリジナルと同等ですが、後期は再生産品となります。
この点に注目すれば、初期と中期はそれ程変わらないと言えるのではないでしょうか。当方が入手したユニットは中期のようです。ユニットを仰向けにして上から息をふっと吹きかけるとコーン紙がぐっと下がり、レスポンスの良さが見て取れます。
それが、後期ユニットになる少し事情が違うようです。アンプの高出力対策でしょうか、カンチレバーの材質(ベークライト)が変更されているようです。
因みに、アキシオム80のコーン紙には、はじめからカンチレバーが付いていたようです。
1. 初期(1960年代)
オリジナル。お尻の形状とロゴマークに注目。
2. 中期(1970年代)
補修部品で復刻。オリジナルと同等のコーン紙を使用している。
3. 後期(1984)
オーディオ・ニックスにて復刻(約1000本)。補修部品を使用して復刻しているが、コーン紙は再生産品。
http://garrard301.exblog.jp/11138738/
一番長く使ったスピーカはグッドマンの AXIOM-80 でした。いろいろな動機が重なって私は1968年10月に最初の80を2本買ったのです。1987年までの20年間は自家用スピーカと言えばアクシオム-80でありました。 アンプ設計に手を染めた最大の理由はアクシオム-80を鳴らすためであったのです。そういう方は何人もおられるようです。今日、一家を成したアンプ設計家のその多くはこのスピーカになんらかの啓示を受けたものと拝察しております。
蛇足ながら20年ほど前に突如として現れた復刻板アクシオム-80はオリジナルとはフレームの材質、コーンの構造が全く異なっていてこれは似て非なるものでありましょう。
このスピーカには様々な顔があります。80の愛好者にはスコーンと抜けるリアルな音をもってこのスピーカの本領とみなす流派と、真綿で弦を擦るがごとき耽美的音調をその本質と見なす流派があります。私はその中間でありますがいずれにせよ人の様々な音への思いをすべて受け入れる深遠なる懐の深さがこのスピーカにはあります。
トランジスタアンプは不可と言う人もおられますが一概にそうでもありません。BBCモニタでありますが英国内での評価のほどは良く知りません。原設計は戦時中だと聞き及んでおります。ボイト、ラウザーとはかなり性格が異なるようで日本には1950年代半ばから入っています。
良く知られているように故瀬川冬樹氏は45シングルで鳴らされたこのスピーカを生涯理想の音とされておられたようです。このスピーカの設計者がその後作ったスピーカは多々ありますがそのどれもが一聴して柔らかな音を出しますから本来の方向はリアル派とは異なるのでしょう。低域共振点は20ヘルツ台で大変に低く、エッジ、ダンパのコンプライアンスが高い割には最大振幅に制限があるためにアナログ時代は極めて使いにくいユニットでした。ピックアップ系の共振が問題にならないデジタル時代の環境では大変使いやすくなっています。
いろいろな使い方がありますが一番無難なのは低域に別途大型ウーファを追加した2ウエイでありましょう。適切なウーファーの選択は困難ですが今日の水準でも十二分に満足できるレベルになります。150〜200Hzで繋げばよろしい。1本使用ARU箱の音と2本ARU箱や4本ARU箱とは全然音が異なります。
箱にユニットを取り付ける際には決して締め過ぎないことが肝要です。むろんフレームは大変頑丈ですからどんなに締め過ぎても変形することはありませんがバッフル面に軽くついている程度にする方が音がよろしいのです。
アンプも同様で、あまり締め付けトルクを与えない方が良い箇所は沢山あります。かつてアンプ研究家の辰口肇氏はウーファーのエッジ、ダンパーを糸吊りに変更した理由を精密秤に例えて説明しておられましたが正しく同感でそれは80にも言えることでありました。
長い音道をもつホーンスピーカでもそうかもしれませんが、アクシオム-80を使っていると空気の持つ一筋縄では行かないさまざまな性質に気付いて森羅万象の本質に思いを巡らすのです。 ことは空気に限りません。電流の流れ方もそうでしょう。常識的にはスピーカケーブルの抵抗値は低い方が良いのですがそうでもないことが多いことは皆さんもよく御承知のことと存じます。とくにこの80はその最たるものでしょう。ラウザーユニットとは異なってインピーダンス変動が大きく、常識が通用しないことは驚くべきものがあります。
単発使用では定電流駆動に近い特性のアンプがベストなのですが2発、4発ではそうではありません。近いうちに指定4発箱に入れたシステムをつくる予定ですがアンプは新たに作る必要があるでしょう。
ドイツの業務システムにはトーンゾイレ型という形式があります。もう撤去されましたが近くにある陸上競技場には長らくドイツテレフンケン社のメタルコーンをいくつも縦にならべた全高10m以上の柱のような全天候型スピーカがありました。あの「永田秀一」さんがJRC日本無線の音響部門の顧問をされておられた時に全国何ケ所かにテレフンケンのこのシステムが導入されました。
さてトーンゾイレ形式は昔RCA社にもあったようですが多数のスピーカを並列使用する際には一番合理的な方法でしょう。80を多数使用する時には普通はトーンゾイレタイプが思い浮かぶものです。でも今回はオリジナルの設計に従いました。2発指定箱の経験からいってもステレオイメージは劣ると思いますが音場再現性がすべてではありません。今はなぜか音場再現性が重視されすぎています。かく言う私も音場再生大好き人間ですが、心のどこかで手に取るように音源の位置が分かることはむしろ不自然ではないかと思うことがあります。実際の演奏会場では目をつぶって楽器の位置を当てることは困難ですから。
http://www.audio-maestro.com/su_dina_zhuang_zhi_2.html
フルレンジ好きの人ならば、一度は憧れたであろう「GOODMANS AXIOM80」という英国製の特異なスピーカーが手元にございます。愛好者には古くは 故瀬川冬樹氏や是枝重治氏などが有名でしょう。私も数年前より80年代に発売された復刻版を数セット取り扱いました。旧タイプとは、コーン紙の形状や厚さが大きく異なっています。
旧タイプのコーン紙は、薄くて張りがあり、外周部分に折り返しを付けてコーン紙全体の強度を上げる構造でした。それに対して復刻版はポテッと厚めで、その外周部分は切りっ放しでありました。
カンチレバーも、旧タイプでは薄くしなやかなモノでしたが、厚めのものに変わっていました。旧タイプより耐入力が増している事から想像するとそれらと関係があるのかも知れません。復刻版は現在手元にはありませんが、オークションなどで手に入れることが出来る様です。価格は上がっていますが・・。
旧タイプも稀に目にしますが入手は絶望的かもしれません。
AXIOM80は、コーン紙が「フラフラ」して扱い難いと云う定説が昔からありました。アナログ時代には確かにレコードの反りなどの理由によりコーン紙が揺さぶられ、ボイスコイルが底打ちする可能性があり、狭帯域のシングルエンドの真空管アンプが有利でした。故瀬川冬樹氏は無帰還でトランス結合の「UX-45シングル」で鳴らしていたようです。能率が高く、2W程度の出力でも充分に楽しめました。
メーカー製の専用箱は私の知る限りは昔から存在せず、付属の図面を元に家具屋へ注文するか自作でした。通称「ヤマハ箱(ヤマハで製作されたもの)」も見たことが有ります。何れにしろ「専用 ARU」との組み合わせが一般的でした。
現在 AXIOM80 を駆動するアンプは「6BM8/ECL82 超3極菅接続」を私は使用しています。小型の出力トランスを持つエレキット製品の改造品です。見た目は非力なのですが、音の広がりや奥行き感などに優れ、安価で簡単に改造出来て、とても満足しています。
http://rmuk.exblog.jp/
先日、AXIOM80のスピーカーを復刻品からオリジナルに替えました。
オリジナルのコーン紙のよく動くのには驚きました。フッと息を吹きかけるとオリジナルはグッと動きます。それと比べると復刻品は同じようにしても動きません。
このよく動くコーン紙のおかげでよく弾み繊細で密度の高い音が聴けるのでしょうか
しかしながらこのスピーカーにその本来の能力を発揮させるのはかなり難しいらしく、まずエンクロージャーを選ぶのとアンプも選ぶ必要があるようです。僕は6RA8のシングル・アンプで鳴らしていますが、その相性には非常に満足しています。オリジナルのAXIOM80の箱の中に説明書が入っていて、その内容の一部にエンクロジャーの図面が3つが掲載されていましたが、実際はその図面どおりのモノを制作しても思うように鳴らないと聞きました。どうも低音がうまく出ないようです。僕のエンクロージャはその図面とは全く違う設計となっています。
これにツイターをつけるとまた別世界の音になるという話を聞いてモノは試しとつけてみました。上に2つ乗っているのがそのツイターですが両方を聴き比べてみて右側のツイターの方が音がやわらかく自然な感じをうけたのでそれを繋いでいます。そのツイターはドーム型ツイターですがメーカー名が分からないという代物ですがドイツ製という事は聞きました。ツイターを付け足した再生音は高域が広がり、不思議なことに低域も以前よりしっかりした印象を受けましたが、その分中域がすこし痩せたように思え、これも一長一短じゃないかと感じます。
http://blog.goo.ne.jp/kuiren/e/0456de7031bd22c3e17d4345bb6de382
銚子の散歩道 2010年11月22日
先月スウェーデンのエンジニアが所持していた、AXIOM80 が2台届いた
フレーム裏側に製造週/年のゴム印がある。 1949年製、最初期モデルだ。
GOODSELL社製ステレオアンプに二本結線してテストしてみた。
予想していたのと違い、妖精のような高域再生で、低域はグーッと下まで延びている。 思わずT氏と顔を見合わせた。 上質な妖気が漂う。
初期モデルの特長はあとで詳しく述べるが、フレームの型離れがキレイであり、そのためか一層精悍さが増して見える。
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/51732846.html
銚子の散歩道 2010年12月12日 AXIOM 80 スピーカーシステム
AXIOM80 がオフィスに運ばれてきた。 僕が遊び呆けている間も、T氏はせっせと響きを確かめながら、英DECCA社のラボラトリで試作されていたキャビネットを忠実に再現していて(かたち・寸法だけでなく音の響きも含めて)、1949年製と1958年製 AXIOM 80を取り付けてある。 音を出してみる。
間違いなく、これはAXIOM80 絞りたてのエッセンスがそのまま空間を満たしている。
潤いたっぷりにレコードに反応するように再生している。 音そのものでしあわせにしてくれる音。
趣があって、現実にはありえない妖精のような艶が音の色を滑らかに吹いていく。
ヤミツキになる音のタチのようで、あっという間に何時間も聴きこんでしまった。
ただ雰囲気をかもし出すだけではなく、音のかたちを立体として克明に穿っていき、その周りの透明な音場を水晶質にしている。 そこから演奏家の伝えたい気持ちが、何にもさえぎられずにみえているのは快楽だ。 堂々と実際にはありえない快楽質の再生をしている。
高音がどうの、低音がどうのというのを気にせずに、湧き上がる音楽の色気にそのまま入っていってしまった。 能率は高く、8~12畳前後のリスニングルームの空間に最適だと思う。 後方の壁面に反射させて再生するも可能なので、近いうちに試してみる予定。 取りあえず、聴いた直感をそのまま書いた。
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/51742326.html
第35回 GOODMANS AXIOM−80を鳴らす。
このコラムももう35回目になりました、35回の節目としてマニアの間では究極のユニットとか伝説のユニットと云われているGOODMANS社のAXIOM−80フルレンジスピーカーを取り上げます。
今回ご紹介するユニットはレプリカではなく1950年製の最初期オリジナルユニットになります。
巷ではAXIOM−80はマニアを引き付ける麻薬的なサウンドで魅力的な音だとかこのスピーカーで聴く弦楽器の再生はこれ以上ない!とか云われ一度このスピーカーの虜になるとタンノイ、アルテック、JBL等では味わうことの出来ないスピーカーと云われていますが果たしてどれ程のユニットなのか実験を行いながら試聴しましたので興味がおありの方は最後までお付き合いください。
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/img/img35_01.jpg
1950年前後の超レアなユニット、状態も大変よくコーン紙の補修もありません。
AXIOM−80
AXIOM−80をネットで検索しますと色々な方が評価していますからあえて私が詳しく述べる必要はないのとAXIOM−80に関して自分はそれ程詳しくはありませんが使われた方のコメントを読みますとAXIOM−80は大変気難しく簡単には鳴らないと云われている、
私のコラムでも以前に書きましたが故瀬川冬樹氏がこのユニットを使っていたと紹介しましたが
このユニットはオリジナルと復刻(レプリカ)があり
その今はないヒノオーディオでヒノ製のボックスに入ったレプリカのAXIM−80を聴いたことがあります。
その時の印象として大変指向性が強よくて高域は耳に付くきつい音でこれが噂のAXIOM−80の音かとがっかりした覚えがある。
皆さんもAXIOM−80を聴かれた方はオーディオショップがほとんどと思われますがショップの場合は適当にセッティングして展示してあるアンプを繋いでの音出しがほとんどですから本来の実力は見えてこないのとこのような簡易的な鳴らし方ではAXIOM−80が可哀そうに思える。
ショップで鳴らすAXIOM−80は魅力が乏しく他のスピーカーのが良く聴こえて来る。
残念ながら適当に接続してセッティングしたAXIOM80は本来の音とは程遠いサウンドでこれがAXIOM−80の実力かと思われるとこのユニットは哀れである。
AXIOM−80のオリジナルBOXは存在しない!
色んな方のAXIOM−80のコラムを読みますとAXIOM−80をオリジナルボックスに入れて楽しんでいる方が沢山いますが、GOODMANS社はユニットを装着したオリジナルボックスは存在しません。
当時GOODMANSはシュロリ貿易が輸入元でこのユニットをヤマハがGOODMANS社からライセンスを受けて製作されたと聞いています。
ヤマハボックスはAXIOM−80の図面を元に後面がコーナーになっていて前面にARUを取り付けて販売されていた、
時々写真で見るオリジナルボックスはすべてヤマハが製作したものですがこのボックスは評判が悪く本来のAXIOM−80の良さが出ないボックスと云われている、
もう一度はっきり云わせて頂くと
AXIOM−80のオリジナルボックスは存在しません。
仮にオリジナルと称して本国からユニットを装着した物が入荷したのであれば英国の箱屋が作ってユニットを入れたものと思われる。
タンノイの様なオリジナルボックス付きの場合100%失敗はしないがグッドマンズ社の場合はユニットだけの販売では一部マニアでしか使えない欠点がある。
私が高校生の頃名古屋の納屋橋にありましたヤマハビルのオーディオ売り場にこのAXIOM80がヤマハボックスに収納されて展示してあったのを覚えています。
またシュロリ貿易が出していたGOODMANSの総合カタログがありこれを目に通すと一風変わったユニットが載っていました、これが現代でも幻の名器と云われるAXIOM80で真っ赤なマグネットを装備した見た目にも高級感があったのを覚えています。
当時の販売価格は1本26,000円ぐらいだったと記憶しています。またこのユニットを装着したヤマハボックスに入れたのを聴いていますが当時の耳のレベルでは凄いとは思わなかったが国産品しか知らない私でしたから外国製と云うことで魅力はありました。
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/img/img35_02.jpg
センターのサブコーンは薄いベークライトのような素材を使ってあるのが本来のオリジナルになります。
AXIOM−80のレプリカ
オリジナルとレプリカ、確か真空管の名器でマッキントッシュのC−22、マランツ#7もレプリカがありましたね、良質なオリジナルが無い為やむを得ずレプリカを購入された方が沢山いますが、ルックスは同じでも音質的にオリジナルとは似ても似つかない音ですがこれは仕方がないかも知れません。
AXIOM−80もオリジナルとレプリカタイプが存在しますが、今の時代良質なオリジナルを手に入れることは至難の業かも、
ヤフオクで時々AXIOM−80が出品されていますが、ユニット単体で30〜40万ぐらいで落札されているのを見ますといかにこのユニットの人気があるのか伺えます。
良質なオリジナルが手に入らなければレプリカになりますがこのレプリカも曲者で、外観はAXIOM−80と同じ作りですが音質的にはまったく違います。
またオリジナルの場合も初期型、後期型が存在する事がわかりました、
私が所有していますAXIOM−80は1950年代の初めのユニットですから完全な初期型になります。
AXIOM−80の使いこなし
今までステントリアン、ワーフェデール、グッドマン、パイオニア、コーラル、ヴァイタボックスなどのフルレンジユニットを使ってきましたが、スピーカー遊びはフルレンジが一番面白いのとボックスに入れれば即鳴るのが魅力でしたが、フルレンジ程上手く鳴らせないユニットはありません。
オーディオはフルレンジ派もいればマルチ派もいます。あるマニアが云っていた事ですがマルチを追求して鳴らしている時に俺は音を聴いているのか楽を聴いているのか自己不信に落ちいって最終的にフルレンジに戻したと云っていましたが、確かに3Way、4Wayの大型ホーンを使ったスピーカーの音を聴いていますと歪感の少ない良い音に聴こえますがじっくり聴きますと音の定位がバラバラで一つにならないのと楽器や人の声を聴きますと音像が大くなり不自然感は拭えません。
音楽を楽しむと考えたらフルレンジ型やコアキシャルスピーカーが自然体で音楽が楽しめる。どちらも一長一短があるからオーディオは面白いのではないだろうか、
早速ですが私なりにAXIOM−80の使いこなしになりますが、良いスピーカーほど簡単には鳴らない、特にこのユニットは箱を選びアンプを選ぶ傾向があるのがわかった、
ヤマハが販売したGOODMANSの指定箱では正直低域の量感が乏しくバランスがすべて上に行ってしまい高域がきつく疲れる傾向の音になってしまう、
また解決策として低域の量感を増やす為ウーファを追加して2Wayでやられている方がいますが、理論的には正しいのですがウーファとAXIOM−80の繋がりに問題があるはずです。
AXIOM−80はフルレンジですからこのユニットを低域のみカットして使えば何処かの部分でディップが生じるのと音色が同じでない為不自然になってしまう、
では同じGOODMANSのユニットを低域で使用すれば解決するのかと云えばこれは難しくカット&トライで挑戦するしかない、GOODMANSでもAXIOM−80は特別な音色を持ち合わせていますから音色は一致しない、
今回は私の所有しているタンノイGRFタイプのボックスにこのユニットを実装して試聴しました、このボックスの容積は約250?、ボックスの材質はフィンランドパーチで板厚は19mmでバスレフタイプなります。
他の方が書かれたブログを読みますと
AXIOM−80はバスレフ、バックロードではスピード感がなく付帯音がくっ付いて鳴らない
と書いてありましたがそれは本当なのか実証してみたいと思いますが、その辺はカット&トライでやって見たいと考えています。
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/img/img35_03.jpg
マグネットは17000ガウスもある強力マグネットで現代のスピーカーでは考えられない強力なアルニコマグネットを採用しているのは脅威でもある。
AXIOM−80音出し
早速このユニットを実装しての音出しですが、取りあえずユニットのみ裸の状態で音出ししてみました、
最初に出てきた音はどこにでもある特別な音ではなかったがこれをボックスに実装したらどんな音になるのか胸がわくわくしてくるのがわかる。
世界の名器と云われたユニットが果たしてどんなサウンドを奏でてくれるのかスピーカーマニアならこの気持ちは理解していただけるのではないだろうか、折角鳴らす以上比較対照するものがなければ評価のしようがない、
ここで片側の左側はAXIOM80を装着し右側をVITAVOXのDU−120コアキシャルを取り付けての比較試聴なら私の様な阿呆耳でもはっきりわかるはずだが未知の体験であるがため試聴には慎重にならないといい加減なレポートでは参考にならないとお叱りを受ける。
またこのAXIOM80は真空管アンプを選ぶらしいがWE−300Bを使えばきっと鳴るはずだが果たしてどうなのか、
早速であるが巷では最高の球と云われているWE−300Bシングルで試聴開始した、
試聴のシステム
プレーヤー ヤマハGT−1000
トンアーム GRACE G−565ロングアーム
カートリッジ オルトフォンSPU−GとSL−15E
昇圧トランス ゼンハイザー 1950年代のヴィンテージトランス
ブリアンプ マランツ#7
WE−300Bシングルアンプ、メトロアンプ
試聴レコードとCD ビバルディのバイオリンソナタその他
以上のシステムでの試聴になります。
全体で聴くAXIOM80は高域の透明感は見事なのだがいかんせん低域の量感が薄くバランスが上に持ち上げた音になる。
シングルアンプの場合はトランスの磁化の影響で低音が出にくいのかも
これは300Bアンプが悪いとは思えない、
答えはこのスピーカーにはシングルアンプは合わないではないか、
250リッターのボックスを使っても低域不足は不満が残るが、中高域の音色はロンドンウェスタン系の特徴のある個性のある音で巷ではこのスピーカーの虜になるのがわかる。
音色を一言で云うならセピアカラーの音とHMVの蓄音器に近い一種独特のサウンドと云える。
特にバイオリン、ピアノの響きと音色は特筆すべき良さが感じ取れる。
ケフェレックのバッハのピアノ曲はスピード感のある付帯音の付かない切れ味の鋭い日本刀のようなサウンドだが長い時間聴いていると低域不足の不満が見え隠れしてくる。
次にVAITAVOXのDU−120に切り換えると、中高域はほとんど同じ音質と音色だが低域から中低域にかけてAXIOM80では出なかったふくよかさが出て品位の高さで差が出た、
低域の量感は25pユニットでは難しいかも知れないが、AXIOM80はVAITAVOXに劣らず品位の高い音でタンノイ、アルテックでは味合う事のできないマニアを虜にするサウンドだが、大編成のオーケストラの場合は口径が小さい分無理の様な気がするがジャズトリオをかけるとあのクソ喧しい一般的なジャズサウンドとは違うしっとりとしたコクのあるサウンドに変身する、
ジャズもボーカルもグッドだが低域がもう少し出れば文句なしだ、
またバッハなどの室内楽、器楽曲を聴くとこれ以上望む必要がないぐらい味のあるサウンドになる。
サブバッフルを取り付けての試聴
メトロアンプで鳴らすAXIOM80
WE−300Bシングルアンプで鳴らしたAXIOM80だが、このユニットを使っている方は良質のアンプを繋いで鳴らされていると思うが、プッシュプルアンプを使うとどんな音になるのか、早速アンプを交換して再度試聴を試みた、
このメトロアンプは前回のコラムで紹介したトランスは
米国製のシカゴ・スタンダード(スタンコア)トランス
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-034.html
を使った自分では最高のアンプと思っているが、AXIOM80はアンプを選びトランスまでも選ぶスピーカーでこんな気難しいユニットは聞いた事が無い、今回は出力管はGECのKT−66に交換しての試聴になる。
接続後最初に出てきた音はWE−300Bでは出なかった低域の量感が豊かになり中高域は刺激のない味のあるサウンドでピラミッドバランスに変身したのは驚きであった、
やはりこのユニットはシングルアンプでは簡単には鳴らないことを痛切に感じた、
多分このサウンドこそ本来のAXIOM80のサウンドかも知れない、
AXIOM80はダブルコーンのため高域がきつくなるのが当たり前ですがこのメトロアンプではトランスの影響で長時間聴いていてもまったくきつくならずに疲れない、
その後VAITAVOXに切り換えて試聴したが、好みとしてはVAITAVOXのが自分には合うように思えるのとVAITAVOXのDU−120は日本には10セットぐらいしか入って来なかったスピーカーですからある意味AXIOM80より貴重に感じる。
最後に色々切り換えて試聴したがどちらがVAITAかAXIOM80かわからなくなってきた、どちらも特徴のあるロンドンウェスタン系のサウンドでよく似た音には間違いない、
最後にAXIOM80を上手く鳴らすには
容積の大きなボックスで
材質はフィンランドパーチ、米松合板辺りを使い
吸音材を調整しながらバスレフでの使用がベスト、
またアンプはプッシュブルが適合で出力トランスは有名なトライアッド、ウェスタン、シカゴ、スタンコア辺りを使用すれば本来のAXIOM80の良さが出てくるような気がしますが
国産のトランスを使ったマニアが作った自作のアンプではまずは簡単にならないことをご報告しよう、
名ばかりの国産のトランスではAXIOM80の良さを十分に引き出すのは難しいのと世界の名器に対して失礼である。
あとがき
今回はAXIOM80を取り上げての試聴でしたが私個人に云わせると巷で云う名器とは思わないのと、このユニットは価格がべらぼうに高くなってしまったがそれだけの価値は無いと思うがAXIOM80に恋こがれた方なら価格の問題ではない、
AXIOM80もそうだが長年英国スピーカー遊びをしてきた私ですから特別凄いとは感じなかったが一般的に見ればこのユニットも名器の一つかも、
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-035.html
Axiom80 レプリカ vs. オリジナル
オークションに出品された「AXIOM80」4本 2014年05月29日
現在「AXIOM80」を2セット所有しているが、両方とも復刻版なのがやや残念なところ。出来ることなら「オリジナルユニット」をせめて1セット欲しい〜。なぜならオーディオの世界では、復刻版がオリジナル製品を上回る例は一度も聞かないから(笑)。
しかし、「AXIOM80」(オリジナル)愛好者のKさん(福岡)は次のように言って慰めてくれる。
「な〜に、気にするほどの違いはありませんよ。むしろ低音域などは逆にしっかりした音が出ているくらいです。」
とのことだが、持たざる者の僻みは根が深い(笑)。
そこで、日頃の思い断ちがたく、1週間に1度くらいの割合でオークションで「AXIOM80」で検索していたところ、努力の甲斐あって何と「AXIOM80」が4本まとめて出品されているのを発見!しかも1952年物というからマニア垂涎の「オリジナル」に間違いない。
ちなみに上記が最初期の「AXIOM80」である。(このオークションの現物写真ではない)
このところ、オークションで乗り気になった商品は必ず事前にKさんに相談することにしている。Kさんは間違いなく真空管に関しては日本有数といってもいいくらいの詳しい方だし、旧式のSPユニットにも実に薀蓄が深い。
朝一の携帯で「AXIOM80が4本も出品されてますね」と、報告すると「知ってますよ。しかし、ちょっと程度が悪そうですね。長期間、陽の当たるところに放っておかれたみたいです。大阪の修理専門店で手に負えるかどうかがカギでしょう。」
さすがにKさん、ちゃんとアンテナを張って承知しておられたが、オリジナルをもう1セット欲しいと言っておられた割にはあまり乗り気が無さそうなご様子。
「う〜ん、入札に参加しようか、どうしようか?」実に迷うところである。
出品元が九州管内なら程度を調べるために現物確認に行ってもいいくらいの価値があるが、神奈川となるとちょっと遠すぎる。まあ、「のるかそるか」の覚悟で、価格の上がり具合で判断することにした。ちなみに、価格の方は今のところ67500円なり。
オリジナルで程度のいいものなら、4本で軽く50〜60万円が相場といったところだが、このユニットの魅力に心から惚れ込んだ人ならこれ以上の値段がつくことも十分あり得る。このユニットでないと出ない音があるというのは、凄い魅力である。
説明文を熟読すると「AXIOM80」についてのこれまで知らなかった情報が沢山記載されていた:
名器解説:Goodman AXIOM-80
スピーカーの概念を根底から覆えされたAXIOM-80、これにより初めて瞬間(表現)を体験、以後、バスレフ(共振)とホーン(残響)に決別した。
高速応答の速さは比類がない。この様な高性能は未来の未知の形態であって然るべきだが、古い時代のフルレンジというに似つかわしくない機構に驚く。 性質は振動系の動作が速度形であり、通常の使用方法は通用しない。駆動するアンプは内部抵抗の低い高性能でないと真の価値は引き出せない。
構造的にはフリーエッジ、フリーダンパーであり、エッジ&ダンパー部分にはそれぞれ3点のベーグライト製カンチレバーで吊られている。そのカンチレバーは板バネ状にセットされ、前後ストローク方向にバイアスがかかっており、バイアスは中点位置でバランスが保たれる構造になっている。現在開発中の超伝導スピーカーとも一脈通じる設計思想であり「エッジ、ダンパー」レス構造の元祖と言える。
磁束密度は強力で17,000ガウスを誇り、当時としては製造可能な最大限の値であろう。振動系のコーン紙は軽量かつ硬質であり、その先端は強度アップのためR状に整形されており、その特異な構造のため軽量コーンにもかかわらず共振周波数(f0 )は20Hzと低い。
このスピーカーの異例とも言える特徴は、約800Hzより低い周波数は−6db/octで降下している事だ。また800Hzより高い周波数特性はピークディップの連続でやや高域上昇の傾向にある。
この特異な特性はお世辞にも良いとは言えない。このままではあたかもLPレコードのRIAA補正無しの如く、低音の全く出ない状態で、歴代このスピーカーのオーナーを最も悩ませた要因である。
低域不足を補うため、誰しも考える事はバスレフの様に共鳴箱を用いたり、ホーンロードを低い周波数までかけレベルアップを行ったりしたが、ことごとく無残な結果となった。
実はこの800Hzより低い周波数の−6db/oct領域、この帯域は振動系の動作は速度型であり、過渡特性はたいへん優秀である。したがって800Hzより降下しているというより、速度型が800Hzの高い周波数までカバーできている、と解釈するのが適切だ。これが実現できているスピーカーはまさに恐るべき高性能といっていいだろう。
AXIOM-80をベストに鳴らすためには、この良質の速度型領域をバスレフ(共振箱)やホーン(残響)で劣化させてはいけない。エンクロージャーは共振がなく、振動系に空気負荷がかからない状態でなければいけない。具体的には無限大バッフル、次いでJIS箱の様に超大型の箱、になる。低音が出ないからといってアコースティクな小技は最終的に最悪の結果となる。
AXIOM-80の指定エンクロージャーに、Goodman社は有限エンクロージャーにARU(アコースティク・レジスター・ユニット)を装備した物がある。このARU 設計者は当時Goodman社の E・J・ジョーダンだ。動作はあまり知られていない様なので解説しよう。
前面に開口があり一見バスレスの変形の様に見えるが、動作はバスレフの要素は無く、仮想無限大バッフルもしくは背圧のかからない仮想大型密閉箱となっている。開口に付けた ARU はその開口が共振周波数を持たない構造となっており、インピーダンスもfoのピーク1つのみになっている。
具体的な構造は前面に全体に金網に覆われ、中央部分は金網そのままだ、このままでは共振してしまうが、その淵には通気性のある繊維が貼られていて、開口であってもそれはおぼろげな開口で共振を上手に逃げている。
かって【ラジオ技術誌】で発表された「フェルト箱」とも一脈通じるところがあり、こちらは箱自身が共振点を持たない。試聴結果はさすがに良く似た音色だ。
結果、有限の箱でありながら、振動系から見るとあたかも無限大バッフルの如くの動作となる。ただしバスレフの要素がないから低域の増加は全く期待できない。800Hzより−6db/octの下降そのままだ。
私流の鳴らし方
さて、ここまではAXIOM-80の解説だったが、これからは私流の鳴らし方をご披露しよう。ただし、この試みは約30年以上も前で、未だ音楽ソースの主流はLPだった頃で現在ではサブソニック等の配慮は軽度でよろしいだろう。
以下、続く。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/b158e5faac8b1985deb4140fdcb4222a
「AXIOM80」鳴らし方の一考察 2014年05月31日
前回の解説の中で「AXIOM80によって初めて瞬間(表現)を体験し、以後、バスレフ(共振)とホーン(残響)に決別した。」との記載があり、「瞬間(表現)」とは耳に馴染みのない言葉だし、実際に「AXIOM80」をきいたことのない人はピンとこないだろうが、このユニットの高速応答ぶりについてまことに“言い得て妙”である。
スピーカーがすっかり消えて無くなってその存在を意識させず「ただ音楽だけに浸れる」それが「AXIOM80」である。
解説者の実体験に基づいた詳細な説明がさらに続く:
私流の鳴らし方
まず速度型領域の補正を行う。スピーカーが800Hzより−6db/octで降下しているから、RIAAの様に−6db/octの補正回路を挿入しイコライジングを行う。これで初めてフラットな再生が可能となる。
このままでは超低域まで補正が効いているから、50Hz近辺よりoct/-18dBのサブソニックフィルターを設ける。AXIOM-80は電気信号の追従性が群を抜いて優れている。
カートリッジの数Hzの揺らぎも完全に追従するので、これを避けるためにフィルターは不可欠。50Hz以下の信号は補正の+6db/octとフィルターの-18dB/octで最終的にスピーカーは50Hzよりoct/-12dBで降下する、現在はデジタル時代であるためサブソニックは極少であり-6dB/octでも大きな問題にはならないだろう。
この状態で初めてバランスの取れた音質となる。速度型領域に共振も残響もない。あれだけヒステリックだった音質も、透明度の高い澄んだ音質の中での高速応答の小気味良さは比類がない。
AXIOM-80 その生い立ち
AXIOM-80、その生い立ち、詳細は不明である。文献によると第二次世界大戦中にはすでに存在していたが、やがて終戦となりGoodman社より販売される様になった訳だが、このAXIOM-80 だけが Goodman の製品群の中でも異質な存在で、したがって設計製作社は全く記録がない。昔の大戦中にこれだけ立派な製品が完成されていた事が脅威である。
実は私の推測で確かな証拠は無いが、このスピーカー用途は潜水艦のソナーのモニター用ではなかったか?、っと思う節がある。と言うのも、二アフィールド的に耳元にセットし、真空管アンプの電源を入れると、真空管のヒーターが温まり、真空管内部の電極が熱膨張で伸びてゆく金属音が克明に聞こえる。それもかすかにでは無く、自分があたかも真空管の内部に居るが如く明瞭に聞こえる。もしソナーのモニターが用途ならば、特異な周波数特性も高速高感度も納得がいく。
AXIOM-80 迷信?
AXIOM-80 は誕生が古いが、決して骨董品の類ではない。現在でも通用するのは勿論の事、なかなかこれを凌ぐ代物にはお目にかかれない。比較的類似の物を探すと、次項の ESL-57 とかリボン型スピーカーの様に付帯音が着かない構造の物が似ていて、それだけ高性能である。
ところが世評では駆動するアンプに、WE300B 等直熱三極管シングル無帰還の様なアンプがベスト、という評価となっている。確かに嫌な音のしないこれ等のアンプは聴き易い音質となるのは確かが、内部抵抗の高いアンプは低音が膨らみ気味でよく響くのが、AXIOM-80 の優秀な電磁制動を妨げる方向にあるので AXIOM-80 に関する限り心情的なノスタルチックは捨てなければならない。
小手先の誤魔化しは総て白日のもとに音として表現してしまう。
その後のAXIOM-80
AXIOM-80 は1970年末期再生産のレプリカが発売された、しかしこのレプリカはオリジナルと比べ相当異なった製品となってしまった。
最も異なる部分は速度型領域の周波数が800Hz近辺まで確保されていたものが200Hzまで低下した事だ。考えられる原因として、第一に磁束密度の低下、第二に支持系の抵抗増大、第三に振動系質量の増大、等で AXIOM-80 が持っていた大きな特徴が著しく損なわれている。
実際現物を調べたところ、ベーグライトのカンチレバーも厚みの大きなボテッとした材料に変わり、デリケートなフリーエッジ・ダンパーの特徴は損なわれている。振動系のコーン紙も周辺の一体R形成では無く円錐状の切りぱなしとなっており、磁束密度の差はこの時期未だガウスメーターを持っていなかったので不明だが、その他の手抜きを見る限り怪しいものだ。
その変わりと言っては何だが、裸のままの特性は速度型領域が 800Hz が 200Hz に低下したため、一寸聴きには聴き易くなった、要するに極普通のスピーカーに近くなり、あの高速高感度の特徴は大部分失われている。
AXIOM−80を我が物とし、鳴らし方も満足し安定した状態を保っている。
もうこれ以上を望んでも一般市販のスピーカーではいくらお金を出してもこれに敵うものはない。
そんな時、良からぬ考えが頭をよぎる。この驚異的ともいえる速度型領域である800ヘルツの周波数をさらに高い周波数まで上げ、さらに高速度に対応したらどうなるのか?ここから先は前人未到の領域である。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/18813f52fedf348c5aef9b4ad60700a1
意外な展開で終わったオークションの顛末 2014年06月02日
前回からの続きです。
「AXIOM80は潜水艦ソナーのモニター用として開発された」という説には驚くが、その可能性十分ありと思わせるところにこのユニットの凄さがある。そういえばdCSの製品も潜水艦のソナーの解析技術が民生用に転用されたという話を聞いたことがある。WE300BやVT25真空管もそうだし、名器と言われるものの出自をたどると軍事用に開発されたものがかなりある。
「人間の命がかかった製品の開発」と「人間の単なる満足感を目指した製品の開発」とでは、まず国策としての位置づけからして違うし、設備環境の充実度に伴う工作の精密さなどまるっきり次元が違って当たり前で、たとえ民生用として転用されてもその緻密さは十分に生かされている。
さて、全国津々浦々のお宅で「AXIOM80」がそれなりにいろんな方法で鳴らされており、そして「我が家の音が一番いい」という方が、さぞや沢山おられることだろう(笑)。
しかし、敢えて言わせてもらうと、自分もたしかに「AXIOM80」に惚れきってはいるが、それかといって手放しで絶賛かというとそうでもない。
私は自分の持ち物を100%信用するほど単純な人間ではありましぇ〜ん(笑)。
やっぱり大オーケストラのスケール感豊かな音となると、程度の差こそあれ(我が家の場合)JBL3ウェイシステムに一日の長がある。
ホンネを言わせてもらうと「AXIOM80」を使う場合には、その弱点を補完するシステムが別途必要ではなかろうかと思っている。
演奏家の息遣いがリズムとなって伝わってくるかのような「AXIOM80」。
その一方、ピーク(山)とかディップ(谷)が微塵も感じられない広大なレンジを持ち、管楽器の咆哮をきくだけで元気が出てきて奮い立たせてくれる「JBL特に375ドライバー」。
この二つは我が家ではまったくクルマの両輪といっていいくらいの存在感がある。
ただし、「お前はAXIOM80を完璧に鳴らしきっていないから、そんなことをほざくのだ」と言われれば甘んじて受け入れるしかない(笑)。たしかに、現状では駆動するアンプをはじめ補正回路など十全とはとても言い難いし、まだまだ道半ばの研究途上というのが正確だろう。
それに加えて、(AXIOM80の)オリジナルユニットと(我が家の)復刻版との違いもあり、前回の解説でも如実に分かるようにその違いは大きそうだ。
やはりオリジナルユニットを我が家のシステムで一度鳴らしてみたい気がする。これをうまく鳴らさない限り、「AXIOM80について語る資格がない」と言われればそれまで(笑)。
ウ〜ン、あれやこれやでオークションの対応をどうしようか、程度の悪い4本のうち2本でも使えれば正解かなと、随分迷った挙句、入札額が11万円に上がったところでまあ「15万円」くらいならいいかと、こらえきれずに入札したところあっけなくフラれてしまった。
つまりそれ以上の高額入札者がいたということだが、これできっぱり諦めがついて「この額以上はいっさい追いかけません」と珍しく毅然とした態度を取った(笑)。
そして、落札翌日のメールによると最終的な落札結果は「229,888円」(4本分)だった。う〜ん、明らかに別途修繕代がかかることを思えば何とも言いようのない微妙な価格。
実は、物語はこれで終わらなかった。当日の夜になって出品者から当方宛てに次のようなメールが届いた。
「はじめまして、 グットマン スピーカー AXIOM80 を出品致しました〇〇〇と申します。
実は先ほど落札者様より連絡をいただいたのですが、ご本人様のご都合により、急きょキャンセルさせて欲しいとの事でした。
何度かお話した所、悪意があったとは思えませんでしたから表面上は処理することに致しました。最終の入札額でお譲りできればと思っております。
無理な相談とは思いますが、もし宜しければ前向きにご検討お願いします。また失礼ながら他の入札者のかたにも連絡させて頂いておりますので今回は連絡が先にとれた方にお譲りしたいと思っております。連絡お待ちしております。」
こりゃ、まるで一度ソデにされた女性から「相手が悪かったのでもう一度ヨリを戻そうよ」と言われたようなものだなあ(笑)。
普通は意地とプライドでもってアッサリ「ダメです」と拒絶するところだが、そこは「ストレイ・シープ」で正直いってやはり未練がある。つい、「ダメ元」の気持ちでチョッピリ値下げして「〇〇万円ならOKですよ」と返信メールを出したところ、アッと驚くメールが返ってきた。
「ご返信ありがとうございます。仕事でメールの返信が遅くなってしまいました。お取引となりました場合〇〇様からのお問合わせをいちばん最初にいただいておりますので金額は入札いただいた金額〇〇万円(送料無料)で大丈夫です。
お振込みの確認後の発送となります。発送の準備もございますのでお返事の際にお届け先のご住所又はお届けの時間帯指定などのご希望があれば一緒にお願いします。確認できましたら折り返し振込先のご案内をお送りいたします。どうぞよろしくお願いいたします。」という望外の返事。
そこで、当方宛ての住所を急いで連絡したところ、“あにはからんや”その後はいっこうに返信なし。2回ほど催促のメールを出すもまったく応答なし。期待させておいて、あっさり肩すかしをくらってしまった。
ヤレ、ヤレ、どうやら出品者の心変わりがあった模様だが考えられる理由は二つ。
1 色よい返事をしたものの、〇〇万円以上の価格で引き取り手が新たに現れたので、利益優先で鞍替えした。
2 落札後にときどきこういうメールが来ることがあって詐欺のケースがよくあるという。そこで警戒してこちらから「代引きで送付してください」と注文を付けたわけだが、そこで騙すのをあきらめた。
どうも1の理由が可能性が大きいように思うが、元々出品者は中古専門の洋服屋さんでオーディオ屋さんではなかったので、「AXIOM80」の相場がサッパリ分からなかったに違いない。こちらが変に値切ったばかりに何だか可哀想なことをしてしまった。
届いたメールに知らん顔をするのはさぞや心苦しかったことだろう。「罪を憎んで人を憎まず」(笑)。
なお、この件を仲間のKさんにも報告したところ「それが顔の見えない取引の怖さですよ。品物の程度が悪そうだったので、結果オーライだったかもしれませんね。」と慰めてもらった。
まあ、縁がなかったというべきだろうが、「逃がした魚は大きかったかもしれない」と今でもチラッと脳裡をよぎる〜(笑)。
また、31日(土)の午前中、東京ご在住のSさん(オリジナルのAXIOM80愛好家)から珍しくお電話があって、「ブログを拝見しました。結局、落札できたんですか?」と、問い合わせがあったので「実は、かくかく、しかじか」と、申し上げたところ「もし、どうしてもオリジナルが欲しければ別途提案がありますよ。」と、ほんとうにありがたい申し出があった。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/5b2009da8b3e01a0f0826d0ff67f62fb
「AXIOM80」のネガティブ・キャンペーン? 2014年07月14日
日頃から愛用しているSPユニット「AXIOM80」(以下、「80」)だが、残念なことに2ペアとも1970年代に復刻されたもの。
1950年代初頭に発売されたオリジナル・ユニット(以下、「オリジナル」)は別格の存在という話をよく聞くので、どれほどの違いがあるのか、一度自宅のシステムの中に組み入れて鳴らしてみたいとの思いは尽きない。
先日のことだが「オリジナル」の愛好者のSさん(東京在住)から、次のようなメールが入った。
「R形状マグネットエッジの最初期型オリジナル80がペアでヤフオクに出てます!
〇〇で整備済とのことで状態良さそうです。
片方のコーン紙に補修がしてあるようですが、左右で特性が合っているのなら問題ないでしょう。補修の有り無しよりも、折り返し形状エッジのオリジナル軽量コーン紙がついている事が最重要ですから。
破れたからといって後期の重いコーン紙に取り替えられていたら、オリジナルの最大の美点が失われてしまうところでした。
今回の物件は、ウェンブリー工場製造であることは勿論のこと、ベークライト製カンチレバーの厚さが薄いこと、マグネットカバーのエッジ部にRがついていること、サブコーンの色が焦げ茶色であること、どこをとっても1950年代末頃から1960年代前半にかけて製造された第T期バージョンです。
その中でも最初期の製造と判定できるAXIOM80でしょう。この先、完動品がペアで出てくることは相当稀だと思います。30万円までで落ちるなら間違いなく買いでしょう。既に結構な数の入札者が居るのが気になりますが、頑張ってください。」
久しぶりに“血湧き肉躍る”話(笑)。
とはいっても、メールにあるように(入札額が)30万円以上の勝負をするつもりはない。いくら「音楽=オーディオ=命」といっても、それで飯が食えるわけでもない。
また“お金優先”と言われるかもしれないが、オーディオに限らず何ごとにつけ「性能 ⇔ 対価 ⇔ 満足度」の相互の兼ね合いをはかるクセをつけておくことは「頭の体操 → ボケ防止」にとっても非常にいいと思う(笑)。
冗談はさておき、すぐにウォッチリストに登録して注意深く見守っていると、中古専門のストアからの出品なので例によって「1000円」スタートながら、あっという間に21万円まで跳ね上がってそこから小康状態に入り、いよいよ落札当日になった。
夕食を終えて、就寝前になってからいよいよおもむろに始動開始。これで結着だといわんばかりに「299000円」でいきなり入札したところ、何とその額以上のもっと高値をつけた入札者が既にいたのには驚いた!
な〜んだと、一気に冷めてしまった。物事にはすべて“のり”(法、則、典、範、矩)というものがあるように思う。いくら「オリジナル」といってもこれ以上追いかけるつもりはないので、いつものとおり「足の裏叩き」を終えてご就寝(笑)。
翌朝、いったいいくらで落札されたんだろうとパソコンを開いてみたら「301000円」で落札されていた。
ウーム、2000円差かあ!ただし、本気で自分が勝負を仕掛けたらおそらく競り合いになってもっと値上がりしたことだろう。
というわけで、今回も「オリジナル」とは縁がなくてとうとう涙を呑みました(笑)。
しかし、改めて考えてみるのに「AXIOM80」はそもそも30万円に匹敵するような性能を持っているんだろうか?
オリジナルを使っているオーディオ仲間のKさん(福岡)によると「とても30万円以上の値打ちはありませんよ。」と、はっきり仰る。Kさんは歴戦の強者で、アルテック、JBL、タンノイなどを経て「80」に至った方で、しかも無数のアンプを使いこなしてきた方である。
これに勇気を得て、今回はいつもとは違って「80」をマイナスの視点からいくつか列挙してみよう。
いわばネガティブ・キャンペーン(笑)
☆ 「80」はけっして万能型のユニットではない。たとえば、弦楽器群のファンダメンタルな響きはとうてい望むべくもないし、あの雄大なワーグナーやマーラーなどの音楽には向かない。線が細すぎる。したがって、せいぜいボーカルやヴァイオリン・ソロを聴くぐらいが関の山でとてもメインのシステムとなる資格はない。
☆ とにかく中低音域が物足りない。その辺も含めてうまく鳴らそうと思うとメチャ手間がかかるユニットである。そもそも完璧に鳴るかどうかも定かではない。実際にいろんな方々の「80」を聴いてみても、自分も含めて“あと、ひとひねり必要”という印象を受けるばかり。
☆ とても気難しいユニットなので全体的なシステムの構成にも配慮しなければならず一か所でも手を抜くとすぐに反応する。取り分けパワーアンプの選択が難しくてとても一筋縄ではいかない。
我が家の例では、WE300Bアンプ(1950年代オールド)、PX25アンプ(ナス管)、刻印付き2A3(1940年代)アンプなど一般的に定評のあるものを使ってみたがいずれも「帯に短し、たすきに長し」で決め手に欠けており、いまだに「ああでもない、こうでもない」と迷路を彷徨っている。
実際に「80」の紹介記事が掲載されている「いまだからフルレンジ」(別冊ステレオサウンド)にも次のような箇所がある。(115頁)
「このユニットの本領を発揮させるには相当の力量が必要で、当時としても独特の繊細で、ふっくらした艶やかな響きを堪能していた人は稀だったと思う。」とある。
おそらく筆者は「瀬川冬樹さん」(伝説のオーディオ評論家、故人)に違いない。瀬川さんほどの方が後になって「80」から「JBLシステム」へ転向されたが、今ではその気持ちが分かるような気がしている。
とまあ、以上のとおりで結論から言えば“うかつに手を出さないほうがいい”ユニットである。
ところで、今回の例にもみられるとおり「80」の近年になっての高騰ぶりは目に余るものがあるようだ。
原因はいろいろあろうが、実をいうと「80が異常に値上がりしたのはあなたのブログにも一因がある」と、一部の方から責め立てられている。
http://blog.livedoor.jp/alargaret/archives/9710962.html
オリジナル版と復刻版〜その1〜 2014年10月21日
現在愛用しているSPユニット「AXIOM80」(以下「80」)はスペアも含めて残念なことに2セットとも復刻版。オリジナル版と比べて音質が落ちるという話をよく聞くが、実をいうと「もうこの音で十分」という気持ちをずっと持っていた。
しかし、同じ「80」仲間のSさん(東京)から「〇〇さんは80の伝道師だと思っていますので、ぜひオリジナル版を所有して欲しいと願ってます。」という言葉には正直言って心を揺り動かされた。
別に稀代の名ユニット「80」にふさわしい繊細な耳を持っているわけでもなし、愛着とか“こだわり”にしても自分よりもずっと熱心な方々が全国に沢山いらっしゃるので、伝道師とはちょっとおこがましい気もするが、こうしてブログでその魅力をこまめに発信するという意味では少しはその資格があるのかもしれない(笑)。
そのSさんから10日ほど前にメールが入った。
「ヤフオクに第一期版80がペアで出てます。今回のはコーン紙もカンチレバーも間違いなくオリジナルです。マグネットエッジがR形状かつサブコーンが茶色ですから完璧に最初期のものです。」
ずっと以前のブログに掲載したことがあるが、「80」は製造年代によっていろんな変遷を遂げている。大まかに分けるとT〜W期ぐらいに分かれていて、マグネットの磁束、カンチレバーの薄さ、コーン紙の厚さの違いなどが指摘されている。
いずれも音質を左右する重要な箇所になるが、最初期のものはマグネットがもっとも強力、カンチレバー(下記の画像で白い線で囲んだ部分)がもっとも薄い、コーン紙がもっとも軽いとされており、音声信号に対する反応がもっとも敏感で繊細とされている。
これまで沢山の「80」がオークションに出品されてきたが、いずれも「帯に短し、たすきに長し」で何らかのキズがある物ばかりだったので、今回ばかりはSさんの言葉をしっかり受け止めて大きな期待を持ってパソコンを開いた。
該当する「80」の解説文にはこうあった。
「オーディオマニアの叔父が使っていたもので定かではありませんが1940年代終わりか1950年の初めごろ購入されたと聞いております。GOODMANS社のAXIOM80の最初期タイプ保管品の出品です。目視チェックしたところコーン紙の状態は非常に良く破れや補修跡がない美品状態です。
1本のみボイスコイルタッチがありましたので大阪の専門業者に修理して頂きました。65年ぐらい前のアンティークなユニットですが長期保管のため多少コーン紙など埃や汚れはあります。1本はコーン紙が少し茶色に変色していますが動作、機能に関してはまったく問題なく両方とも低域、高域ともビリ付きもなく正常に動作しました。
このような極上ユニットは今後出品されることはまずないと思います。
バイオリン、ピアノ、ボーカル、ジャズのピアノトリオはスピード感のあるこれ以上ないサウンドを聴かせてくれます。またaxiom80のレプリカユニットもありますが外観は同じでもオリジナルとは似ても似つかないサウンドですからレプリカをお持ちの方は是非最初期タイプのオリジナルユニットを落札して聴いて使ってください。
2本で一セットになります。テスト試聴では2本とも問題ありませんでした、65年前のユニットですから写真を参考にしてノークレームノーリターンでお願いします。」
こんな文章を読むと、つい「乃公(だいこう)出でずんば蒼生を如何せん」という気になろうというものだが(笑)、文面から推測すると、おそらくオーディオマニアだった叔父さんの遺品なのだろう。なぜならマニアが存命中にオリジナルの「80」を手放すはずがないから。
「名品を手に入れようと思えば所有者が亡くなったときが狙い目」とはよくいったもので、これから最初期の「80」の所有者の寿命がボチボチ尽きる頃なので世に出回る確率が高くなるかもしれない。
それはともかく、Sさんに次のような短いメールを返信した。
「いかにも程度が良さそうですね。今度こそは内心、秘かに期するものがあります(笑)。情報提供ありがとうございます。」
ようやく本物に巡り会えた気分で今回のオークションには珍しく気合が入った。
落札期日は10月13日(月)の夜。
結果から言えば、123件もの競争をくぐり抜けて見事に落札。
今回は極上の逸品とあって通常の2割増しほどの落札価格だったが、「鵜の目鷹の目」とはよくいったもので入札参加者の皆さんホントによくご存知でホトホト感心する。
待望の現物が到着したのは、16日(木)の午後だった。じっくりと検分したが、まさに65年間にわたって注ぎ込まれてきた愛情と熱意が伝わってくるかのような程度の良さだった。
さあ〜、いよいよ10時過ぎからオリジナルの「80」の取り付け作業開始。
なにせ精密機器なので、ネジ回しのときに手が滑ってドライバーでコーン紙を突き破ろうものなら、もう自殺ものである。「半田ごて」の取り扱いにしても、細心の注意が要る。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/90e3b1297bfa6be1c342f3d85153000c
オリジナル版と復刻版〜その2〜 2014年10月24日
前回からの続きです。
ようやく手に入れたオリジナルのSPユニット「AXIOM80」だから、グッドマン指定のエンクロージャーに取り付けるときはハラハラドキドキで緊張の連続だった。
結果的には滞りなく進んだが、作業のポイントはバッフル面への取り付けネジ(4か所)を均等に締め上げること、そしてやや軽めにしておくこと。
(SPユニットの)取り付けネジの締め付け具合はとても微妙である。以前、JBLの38センチ口径ユニットをタンノイ・ウェストミンスターに取りつけたときに、1か所のネジが緩すぎたばっかりに弱音のときに音が歪んでしまったことがあるので要注意。
これが取り付け終了後の画像だが、ご覧のようにSPコードは極細の単線(プラス側はクラングフィルム製、マイナス側はウェスタン製でいずれもヴィンテージ品)を使用している。撚り線を使ったこともあるがどうも音が滲むような気がしてならない。
またエンクロージャーの生命線とでもいうべき「ARU」(アコースティック レジスタンス ユニット)の部分については名設計者E・J・ジョーダン氏に逆らうようでまことに申し訳ないが、こればかりは我が儘を許してもらって、余分に極細目のステンレスの金網を上から張り付けている。
周りを赤いテープで囲んだ箇所がそうだが、この1枚で低音域がより豊かに鳴るような気がして仕方がない(笑)。
片チャンネルの作業におよそ20分、計40分でようやく無事に取りつけ完了。
さあ、いよいよ試聴である。長いことオーディオをやっているが最初の音出しのときほど緊張し、胸が高まることはない。とても最初から元気よくガンガン鳴るCDをかける度胸は持ち合わせていないので、まず可憐なソプラノ歌手「有山麻衣子」さんを聴いてみた。
実をいうと、あまりうまく鳴って欲しくないという心理もチラリと働いていた。その奥底には長年愛用してきた「復刻版」に肩入れする気持ちが明らかにあり、音質に大きな差が出るのはちょっと困るというような心境・・・。
「オリジナルと復刻版とは音質に雲泥の差がある」と散々、耳にタコができるほど聞かされてきたので、それに対する反発心ももちろん否定できない。
マニアの心理はとても複雑なのである(笑)。
そういうわけで、誰よりも両者の音質の差があまりないことを願っていたのは“ほかならぬ”この自分なのだが、実際に試聴してみると「明らかに違う!」。
低音や高音が“どうのこうの”というよりも、「音の佇まい」がごく自然で柔らかいのである。これに比べると、復刻版はやや肩肘張った強面(こわもて)という印象がする。こればかりは、片方だけ聴いている分にはなかなか分かりづらいポイントである。
日頃から“音の好き嫌い”を判断する要素のひとつとして「作為のない自然な柔らかさ」は必須だと思っているので「さすがにオリジナル!」と満足。
ようやく安心してお気に入りのCDを片っ端から引っ張り出してきて聴くとともに5台の真空管アンプとの相性を改めて探った。
「71A」、「WE300Bオールド」、「PX25」1号機と2号機、「刻印付き2A3」のそれぞれ直熱三極管シングルアンプ。
いずれも甲乙つけ難しだったが、これまでやや“くすんだ”存在だった「WE300B」と「PX25」が見事に息を吹き返したのが印象的だった。両アンプとも高域方向にややクセがあったのだがオリジナルによって見事に調教された感がある。
アンプの個性はスピーカー次第で生きもすれば死にもするので、早々に見切りをつけることなく簡単に手放さないほうがいいというのが自分の経験則。比較的容易に改造できるし、「球転がし」が出来る真空管アンプの場合、特にそうだ。
ひとしきり試聴した後にSさん(東京)に「オリジナルのあまりの音の良さに茫然としています!」とメールを打ったところ、次のような返信があった。
「遂にやりましたね!第一期バージョンの中でも最初期ロット版は数多くの80の中でも別格なのだと思います。私が手に入れたLHH2000もそうですが、最初期物は使ってある部品に手抜きが無いというのもあるのでしょうが、技術者が製品を世に問う為の気概が篭っているのでしょうか?
何故かその後で量産される物とは別物になってしまいます。設計は同じなのにオーディオ製品には間違いなくこの法則が当て嵌まるのが不思議です。サブコーンが茶色の最初期ロットは、いったい何台製造されたのでしょうか?まず市場で見掛ける事はないので、〇〇さんが今回手に入れられたのは奇跡に近いのかも知れません。それではどうぞ復刻版とは違う高音の伸びをお楽しみください。ソースはお選びになって低域は望まずフルレンジでお使いになる事をお勧めします(笑)。」
オーディオ機器の場合、メーカー側が改良と称して何代にもわたって製作するものが多いが、ほんとうに改良に値するのかどうか疑問に思うことが多い。単なる目先を変更するだけで値上げする口実になっているのでは?
古典管だって、「71A」、「WE300B(刻印)」「2A3の1枚プレート」「PP5/400」など最初期版がいまだにベストとされているので、「大量生産への移行 →コストダウン →品質劣化」の流れは残念なことに古くて新しい課題ともいえる。Sさんが仰る通り。
さて、“念には念を”で、生き証人(?)としてクルマで10分ほどの所にお住いのYさんに連絡して来てもらった。このところ、2週連続で我が家にお見えになっているので復刻版の音を熟知しておられ、オリジナルとの違いがたちどころに分かるはず。
試聴後のご感想は、やはり自分と同じだった。「明らかに違いますね。オリジナルに比べると復刻版の方が何か作られた人工的な音のように感じます。」
どうやらこれで「オリジナルとレプリカ論争」はひとまず終止符を打ってよさそうだ(笑)。
そして20日(月)の午後には大分から3名のマニアが集結。
改めてオリジナルの音を確認してもらったが「これはレコードの音と変わりませんね!」にはつい、うれしくなった。
そして後半に「JBL3ウェイマルチシステム」を聴いていただいたところ、「ジャズを聴くならやはりこれぐらいのスケール感がないと・・・」と、圧倒的な好評を博した。
日頃から大型システムを聴き慣れている向きには、小編成用の「AXIOM80」の世界に対してどうも違和感を持たれるようで、そういう意味ではとても万人向きのユニットではないことを再確認した。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/f15ce559f50be6b15eeddd325e35bd07
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