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(回答先: 酷い音のインチキ・レプリカを量産して伝説の評価を落とした Goodmans Axiom80 投稿者 中川隆 日時 2017 年 2 月 11 日 15:19:57)
グッドマン・スピーカーの世界
Club SUNVALLEY-私のオーディオ人生-第9回
GOODMANスピーカー by Y下
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-009
マニアの音の共通点とサウンド
オーディオシステムの音を過去から現代まで沢山のマニアの音を聴かせて頂きましたが一つの共通点が見えくる、その共通点とはオーディオを長くやっている人ほど音はけして高音質、大音量ではなく音楽を聴かせる音になっている。しかも真空管を採用したデバィスがほとんどで半導体アンプや今流行のデジアンプで鳴らした音は良かったことは一度もない、「電気臭い音の代表だ」半導体アンプは音が平板になりスピーカーの回りでしか音が鳴らない、
最近はSUNVALLEY AUDIOさんが出している樽スピーカーの真似事のような小型タイプも巷で見るが一度聴いてみると樽スピーカーを超える音にはならない、猿真似はあくまでも所詮猿真似である。
音に関して熟成したマニアの音は低域も高域も欲張らずバランスの取れたサウンドを聴かせてくれます。家庭の部屋でコンサートホールと同一の音などは再現することは不可能に近いが真空管アンプを使用すると不思議とコンサートホールの雰囲気感が出てくる、例えを上げますとかの有名なウェスタンエレクトリックのサウンドは現代から見れば特性は悪いはずですが真空管アンプで鳴らすと音楽を心地よくリラックスして雰囲気感を大切に聴かせてくれる響きを持っている。確かに(生の音)とは違う音ですが独特なサウンドで中域に密度がありコクのあるサウンド、現代の上も下も伸ばした中域の薄い貧弱なスピーカーとは方向性が違う、名器と名の付くスピーカーは「音楽を美味しく聴かせてくれる」楽器の要素が秘められている、英国のヴィンテージスピーカーもウェスタンに共通した部分が多少感じ取れる。オーディオを追求して行くと最終的にはクレデンザ、HMVなどの蓄音機などの電気臭くない音を意識するのではないだろうか
(この部分に賛同する方も異論のある方もいると思いますが長い期間オーディオを追求して行くと私の言っている事が理解できると思う、)
オーディオの再出発はスピーカーありき
オーディオを再出発するにあたって一番悩ますのはスピーカーです。スピーカーの選定でその人の聴くソースのオーディオ人生は決まるような気がする。1970年代に使用していたスピーカーはエレクトロボイスのユニットを使っていましたが再度同じスピーカーはほしいと言う気が湧きません。(もうコリゴリ)
既製の出来合いのスピーカーシステムの場合、改造が出来ませんから遊び心があまりなく面白みに欠ける部分がありますが失敗をしないのであれば選択の余地はありますが自分の求める音と違えば即売りになってくる。以前から私はフロアー型のスピーカーが自分好みでありました。デザイン的にはタンノイのコーナータイプが部屋の調度品になる素晴らしいデザインですがタンノイのスピーカーシステムはだけは価格が高く私としては手が届きません。特にあのオートグラフはほしいのだがリビングには置いてもらえない、置いたら私は家を追い出される、
クラッシックファンはタンノイで決まりは今の時代も同じですが、あのタンノイサウンドは下手に鳴らすと高域が多少ソリッド的でヒステリックになり低域がボーボーした傾向がある、俗に言うドンシャリ(上手く鳴らせば素晴らしい音ですが)中々良いタンノイサウンドには巡り合わないが私が聴いた中でお見事と言えるタンノイサウンドは皆さんご存知のSUNVALLEY AUDIOさんの試聴室のタンノイだけである、
皆さんが使用しているタンノイサウンドがブリテッシュサウンドの代表と思われているが私は違うと思う、他にも沢山のスピーカーの名器は有りますが英国のヴィンテージスピーカーでタンノイ以外は不思議と巷ではあまり見かけない、ヴィンテージの専門店の話によると「イギリス政府が本国のヴィンテージ品は外に出すな」とおふれがあったとかないとか事実だとすれば非常に残念でもある。
GOODMANと瀬川冬樹氏
GOODMANの名前をご存知のマニアは昔からオーディオと共に歩んで来られたと人と思われる。私が高校生の頃ある雑誌に瀬川冬樹氏の書いたレポートにこのような文章が書かれたのを今も記憶している。瀬川氏は「GOODMANを代表する海外のスピーカーは国産と違って音楽性がある」「海外のスピーカーは一日の長がある」このようなレポートを読んだとき音楽性?一日の長?この文章は到底理解できずこの意味は謎であったが最近になってこの意味がわかってきた、
この時代名古屋の納屋橋にヤマハビルの中にオーディオ売り場があり此処で海外の最新のシステムを見ることが出来た。今も鮮明に覚えているのはGOODMAN AXIOM−80、301、ワーフデールスーパー12RS/DDだ、
特にマランツ#7は雑誌の写真でしかお目にかかったことのない超高級品も展示してあった、このアンプはデザインも素晴らしく音質も第一級の芸術的なアンプで何時かは手に入れたいと夢でも思ったが価格は当時で15万円はした記憶がある。オーディオマニアなら誰でも手元に置きたい芸術的な逸品ですが、
この#7が発売されたのは1958年もう50年前になります。私が10歳の「鼻タレ小僧」の時代です。果たして当時の状態が維持できているのか「オレ流アンプの導入選択」でじっくりと解析します。マランツ#7の購入をご検討されている方はマランツ#7を自分なりに美化しない真実のコラムを書きますのでしばらく待ってください。
展示コーナーの片隅にシュリロ貿易が扱っていたGOODMANのカタログがあり日本ではスピーカーユニットと言えばパイオニアPAX−20A、コーラル8CX−7、松下8PW1の20cmクラスがマニアの自作の対象であったがこのGOODMANのAXIOM−80を見た瞬間一度は使いたいユニットの一つでもあった、真っ赤なアルニコマグネットが印象的でお粗末なフェライトマグネットを採用した現代のスピーカーとは違う、
瀬川冬樹氏こそGOODMAN AXIOM−80とマランツ#7を45アンプで鳴らされてこよなく愛された方でその魅力にハマッた一人ではないだろうか、
GOODMANスピーカー
前置きが長いぞ!早く本題に進めと聞こえてきそうですから本題に入ります。スピーカーの購入で夢にまで見たGOODMANスピーカーが候補にあがった、当時のパンフレットを見ますと「GOODMANスピーカーは音の世界をリードする!」マニアの心をくすぐる歌い文句だが、今の時代果たしてGOODMANスピーカーは手に入るのだろうか、1970年代でもまずはお目にかかることは無く音を聴くどころか持っている人も少ない、ヴィンテージショップですら見かけない、仮にあったとしてもGOODMAN=AXIOM−80、AXIOM−301ぐらいでその他のスピーカーは巷ではまず見かけない、
今の時代は本当に便利な世の中だ、インターネットで検索すれば見つかる、ネットで検索するとGOODMANでも見たことも無い大型のホーンスピーカーとツィーターが目に飛び込んできた、「俺はミーハーだから珍しいものなら買う」パンフレットにはない非常に珍しいユニットだ、型式はMidax400ホーンとTrebax100ツィーターで勿論アルニコマグネットである。
Midax100はカタログに載っていたがMidax400のユニットは
カタログには乗っていない、多分日本では発売されなかったレアーな製品ではないだろうか、イギリス本国では小ホールなどで活躍していたのかも? 写真を見てください、外径は幅400mm高さ200mm奥行き480mmのスロートの長いドライバー付きの大型ホーンユニットでマグネットは小さめですがいかにも音が良さそうな気がする、振動板は一般的なアルミ合金ではなくフェノール系の振動板を採用しているのがミソである、アルミ系の振動板はどちらかと言えば音質的に多少冷たい感じがしないでもないがフェノール系は心地よく耳に聞こえてくるのが特徴だ、
30数年前に使用していたエレクトロボイスのホーンドライバーやツィーターもフェノール系の振動板だがアメリカとイギリスでは音の作りは違う、
GOODMAN Midax400ホーンドライバー
ホーンはアルミダイキャストと思われるが1960年代の代物としては非常に作りが良い、インピーダンスは15Ωで使用帯域は600Hz〜7000Hzの帯域で使用とマニュアルに記載されている。
日本には小型のMidax100がカタログに載っているがイギリスのスピーカーではヴァイタボックスもホーンがあるが珍しいユニットの一つでもある。
長いスロートの奥にかすかに振動板が見える
長いスロートの奥にかすかに振動板が見えるTrebax100ホーンツィーター
このユニットはGOODMANスピーカーのマニアなら良くご存知でこのユニットだけで使用する方もいる、このユニットもフェノール系の振動板で非常にソフトな耳あたりの良いユニットです。
このタイプはホーン部分は樹脂ですが、まれにアルミダイキャスト製を見ることができます。樹脂とアルミでは多少音の傾向が違うらしい、「オーディオはこんなことで音が変わるとは不思議な世界だ」
低音用はGOODMANのAudiom-60の30cmスピーカーでこの上にAudiom−80(38cm)がありますが一般家庭では30cmのウーファーで十分だ、
GOODMANのスピーカーユニットをネットで検索して手に入れたのだがこれは私にとっては宝物である。一週間に一度は手にとってニヤニヤしながら眺めていると満足感がいっぱいになってくるがオーディオに興味のない人から見れば「あいつはアホか!」
と思われそうだが・・・・・「思いたければ勝手に思え!の心境だ」
果たしてどんな音になるのか夢が膨らむ、一度もイギリス製のスピーカーを使用したことも無いから尚更だ、
購入後、数ヶ月たってから我慢が出来ずに一度だけラジカセのスピーカーに接続して中音ホーンだけを鳴らしてみた、出てきた音は「なんじゃこりゃ!」カラスがカァーカァー鳴くような音で音楽にもならない、そう言えば中音スピーカーはスコーカーと呼ばれている「鳥の口ばしと言う意味の通り」の音である。
GOODMANスピーカー購入での難題山積み
GOODMANスピーカーを購入したのは良いのだが、果たしてどんな音なのか、他では聴くことは出来ないのに本当にGOODMANらしい音とは?どんな音なのだろうか、AXIOM−301は一度マニア宅で聴いたことがあるが鳴らし方が悪いのか中域が粗く分解能が悪かったのを憶えている、昔はエレボイで苦汁を飲まされた記憶が蘇えって来た、せっかく買ったのにこのユニットを入れるボックスはどうするんだ!グッドマンスピーカーと言えば必ずARUが付くはずなのにそんな代物などまずは手に入らない、グッドマンスピーカーを3Wayで鳴らすには肝心なネットワークをどうするのか、難題山積みである。
現在使用中のGOODMANスピーカーシステム
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-009
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Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生/第10回 / SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋
by Y下
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-010
第10回のコラム製作中にサンバレーの大橋氏がガイシホールの帰りに拙宅にお寄りくださいました、グッドマンスピーカーとWE−300Aの試聴
店主日記を見られている皆さんはもうご存知だと思います。9月6日の「Y下の300A」です。
鳴かせてみせるぞ!英国ヴィンテージスピーカー
第9回目はGOODMANスピーカーを紹介しましたが、購入したのは良いがすべてが未知数、スピーカーユニットは不思議な物で上手に磨けば努力次第で「ダイヤモンドにもなり」下手に磨けば「石コロにもなりうる」である、
英国スピーカーの挑戦は私にとっては未体験だ、特にグッドマン3Way、コアキシャルタイプのバイタボックス、ステントリアン等はタンノイと違って使っている人は極少数で知らない人が多いと思う、こんな超レアーが付くスピーカーを聴かれた方は少ないから情報がまずない、しかもオリジナルの音などあって無いようなものだ、タンノイなら周りを見れば持っている人は沢山いる、クラシックファンが10人いれば8人まではタンノイと言われている、ヴィンテージショップに行けば何時でもタンノイなら試聴できるから購入しても失敗がなく誰が鳴らしてもタンノイトーンになり安心感はある、
第1回のコラムで書きました戦国の武将の「鳴かぬなら、鳴かせてみようホトトギス」の心境でもある。またコラムがスピーカー編である以上GOODMANの次は店主日記で紹介されましたバイタボックスその次にステントリアンをご紹介させて頂きます。
GOODMANユニット
前回のコラムでGOODMANスピーカーを写真でご紹介しましたがあれは本当にGOODMANなのか?疑いの眼差しで見ている方もお見えかも知れません、また一度もGOODMANスピーカーを見たことも無いから「全体の写真を見せろ」と声が聞こえてきそうですから今回は中音ホーンのみボックスからユニットを外して再度写真でアップしました、(Club SUNVALLEY初公開)
GOODMANの中音ホーンの写真です。開口部分は200×400で奥行は480あります。このホーンはスロートが長いので低い周波数帯から使用できます。英国のホーンスピーカーはあまり見かけません。
左側はウーファーでAudiam60になります。フレームを見ますと何となくタンノイのレッドによく似ています。このスピーカーはグッドマンでも初期タイプのウーファーでこれとよく似ていますのは同じグッドマンのAXiom−150になります。
真ん中の写真はこのスピーカーのネットワークになります。多少汚い配線ですが色々テストしたため雑になってしまいました、黄色の色の筒状になっているのはHOVLANDのMUSICAPコンデンサーで素材はフィルムになります。
右側の丸いユニットはツィーターで同じグッドマンのTrebax100になります。
オレ流の料理
オーディオで一番難しく奥が深いのはスピーカーシステムと言われています。このGOODMANをどのように料理するのか思案の為所であり腕の見せ所でもあります。もちろん個人の感性が特に入ってくる部分で「耳と頭」の悪い私ですが自分なりの構想を1〜7にまとめてみた、
1.
ヴィンテージスピーカーは現代のスピーカーと違ってエッヂがフィックスドエッヂを採用してあるため重低音は望めないのでエンクロージャーは出来るだけ大型にして低域を豊かにする。
2.
使用するエンクロージャーの材質は何が適材なのか、また吸音材を何にするか、
3.
リビングに設置する以上は見栄えも大切にしたい、
4.
エンクロージャーの形式は密閉型、バスレフ型、バックロード型、後面開放型、平面バッフルと色んな方式があるがどれが自分好みかをじっくり検討する。
5.
スピーカーユニットを生かすも殺すもネットワークと言われているこの部分に重点的に力を注ぎたい、3Wayのマルチも面白いがアンプが3台とチャンデバも必要になって予算オーバーになるので今回はL,Cの組み合わせのネットワークで行くことにした、特に使用するコンデンサー(C)で音がガラリと変わる体験をしているので自分なりに好みの合うコンデンサーを幅広く選択する必要がある。
6.
3Wayで使用するため二次、三次のクロスオーバーをどこに設定するか
7.
スピーカーボックスの外観はどの様な形にするのか、「この部分こそ好みの世界でもあり楽しみでもある。」
自分なりにまとめた大筋の7項目ですが3と7の構想だけは音には関係ない気がしないでもないが毎日顔を突き合わせて音楽を聴く以上、工作技術が小学生以下の私が作ったみかん箱のようなみっともないボックスでは良い音でも悪く聴こえる「オーディオもセンスの問題で外観が悪いと音も悪い?」
構想その1
ヴィンテージスピーカーを上手く鳴らすには箱の容積を大きくしないと低域が弱くなってピラミッドバランスが崩れてしまう、ヴィンテージスピーカーのほとんどはエッヂがフィックスドエッヂになっているので低域の振幅が少ないため低域が出にくい傾向がある、それを補うためにはボックスの容積を大きくすれば豊かな低域が望めそうだ、
構想その2
昔はエンクロージャーの材質をラワン合板で製作した経緯があるがラワン合板の響きは付帯音がついて回り響きが悪い、「作り方が悪いのか耳が悪いのか」は記憶にないが良い響きでなかったのは頭の片隅に残っている。当時は特殊な合板は手に入らないからコストの安いラワン合板が簡単に手に入れることができたので自作マニアはラワン合板でスピーカーボックスを製作する人がほとんどであった、
今は色んな材料が手に入る、米松合板、アピトン合板、フィンランドバーチなどの集成材はスピーカーボックスには良い音が出そうな合板が沢山出ている。昔から米松合板はアルテックのA5,A7に使用されているが確かに響きは良いがコストは高いけど実際はどうなのか未知数であるが今回は初めてアルテックに見習って米松合板を採用して見ることにした、板厚は25mmでチューニングしながら吸音材の量と補強を入れるべきかはやってみなければわからない部分でもある。
オーディオは自分なりにやってみないとわからない未知の世界だ、自分の耳と技量で馬鹿馬鹿しいことでもやってみるのも面白い、ひょっとしたら良い結果が生まれるかも?ボックスの吸音材は安くて手に入るグラスウールを使用する予定ですが「あれは触るとチカチカする」のがマイナスだ、
構想その3と7
木工工作が子供の頃から得意?であったがフロアータイプのボックス製作は労力が必要だ、それよりも腰を痛めたら病院代の方のが高いものに付くから専門の業者にお願いした方のが無難である。久しぶりに買ったMJ誌に(レコードのスズキ)の広告に特注家具、「スピーカーボックスなど製作します」の文字が書いてあった、
場所は神奈川県の川崎市だが名古屋からは高速を使えば4時間ぐらいで行ける、せっかく作っていただく以上は一度面識を持つ必要もあるがオーナーがどんな人柄であるか不安もある、
事前にアポを取ってから東名高速を4時間かけて行ったのはよいが「レコードのスズキ」の場所がわからない、近所の方に場所を聞いても知らないとの返事
が返ってきたが周りをよく見るとレコード店や木工工房と言うより駐車場完備の木工所の建物がありそこに大きく鈴木産業の文字が目に飛び込んできた、
レコードのスズキ
初めてお会いした鈴木氏は非常に温厚なタイプでこちらの要望にも嫌な顔をせずに親切に対応してくれたのが印象に残る、ここの「レコードのスズキ」の工房の中に入ったらびっくり仰天、右を向いても左を向いてもスズキオリジナルのスピーカーボックスとスズキオリジナルの真空管アンプが所狭しに陳列してあるではないか、「ここはヴィンテージオーディオのご本尊だ、」関東地区のマニアの方は羨ましい、クラフトオーディオの宝庫である、このような工房は名古屋地区にはない、
スピーカーボックスの打ち合わせで奥の事務所に案内されたが、この事務所も凄い!部屋の中は「真空管、真空管」どうしてこんなに大量にストックされているのか不思議でならない、
早速スピーカーボックスの打ち合わせを開始すると奥から20代半ばの青年が打ち合わせに入ってきた、この青年は鈴木氏の息子さんで木工職人らしくお父さんとは似ていない中々のイケメン男だったのが印象である。(笑)
スピーカーの外観はタンノイのGRFメモリーに似たデザインで決定したのだがGRFメモリーとはどんな外観なのか正直言って知らなかった、すべて鈴木氏にお任せである、
ボックスの材質は米松合板の25mm厚でツキ板はウォールナット仕上げに決定した、サランネットはタンノイに似たようなサランネットが気に入ったのでこれに決めた、出来上がりの納期は約1か月とのこと、その間に真空管アンプを自作すれば完成と同時に聴ける、どんな音で音楽が奏でるか楽しみだ!
構想その4
スピーカーのエンクロージャーを設計する場合、ボックスの構造をどのようなタイプにするのか、これ又頭を悩ます部分でもあります。外観などは予算との兼ね合いで決まりますがボックスの構造になるとどれが最適なのか実際に試聴してみないと結論は出ません。
最初の案としてバックロードも考慮していましたが3Wayを一つの箱に納めるのはユニットの構造上難しいので断念しました、密閉型は相当な容積がないと低域が豊かになりません、その昔エレクトロボイスのスピーカーを密閉型にして試聴してみましたが低域のレゾナンスが高く期待通りの音ではなかった、
後面解放型の場合はスピーカーボックスの後ろの部分が硬い材質でできた部屋でないと効果が出ない、日本の建築は最近の家の壁はブラスターボードの上にクロスが貼ってあるのがほとんどでどうしても低域が逃げてしまう恐れがあります。リスニングルーム専用の部屋にするなら床も壁も考慮して設計しますけど・・・・
最後に残ったのはバスレフタイプになります、このタイプは単に箱に穴を明けてポートを付ければ完成とは行きません、バスレフタイプにする以上必ず位相反転しないと逆効果になってしまいます、最近は便利になったもので市販のパソコンのソフトを使ってデーターをプロットするだけでポートの径とダクトの長さが求められるが計算はあくまで計算であって最終的には耳で調整する必要がある、今回はバスレフタイプで製作することにした、
構想その5
スピーカーユニットを生かすも殺すもネットワークと言われています、ネットワーク回路は複雑でなくコイルとコンデンサーの組み合わせですから難しく考える必要はありません。何Hzでクロスさせるか減衰量を6dB、12dB、18dBにするかだけです。これもネットワークの計算式で求めることが出来ます。ただしスピーカーの能率の差がありますから必ずアッテネーターのボリュームを介してやらないと音量のバランスが取れません、コイルも空芯か鉄芯を使うか議論もありますが今回は深く考えないようにしました。問題はコンデンサーを何にするかこれが悪いと音に影響します大切な部分です。
今回は4種類のコンデンサーを使ってヒアリングテストをしました、ただしあくまでも私個人の評価であってこれが一番とは言えません、使用するスピーカーのユニットで評価はひっくり返る場合もありますからあくまでも参考にして下さい。
1.
WEのオイルコンデンサー
2.
一般的なローコストのフィルムコンデンサー
3.
イギリスのTCC社のオイルコンデンサー
4.
HOVLAND,MUSICAPフィルムコンデンサー
リファレンス用コンデンサーはHOVLAND,MUSICAPでの比較試聴です。
1,
WEのオイルコンデンサーは価格的には非常に高価です、巷ではオイルコンはWEが最高と言われていますが、今回のテスト試聴では音全体がモャ〜とした感じで抜けが悪いような気がしました。
2,
音の傾向は少しきつい音で歪感が感じられ長時間聴いていますと聴き疲れする傾向があります。エージングすればと思いますがエージングだけの問題ではなさそう
3,
このコンデンサーも価格的にも高価なコンデンサーです。音の傾向は多少硬い部分もありますが長時間かけてエージングかければ評価も変わると思います。
4,
このHOVLANDのMUSICOPは不思議にも同じ定数でもこのコンデンサーは低域が伸びてきます。音は嫌味な音にならず歪の少ない爽やかな音の傾向になります。このコンデンサーの代理店でウェスタン・ラボの宮岡社長が絶賛していた通りのコンデンサーで私も大のお気に入りの一つになりそうです。
以上がテストをしたコンデンサーですが音の捉え方は人其々です、皆さんも実験して見るのも面白いかも知れません。
構想その6
最後は何処でクロスさせるかですが、GOODMANのユニットの取扱説明書を読みますと(英文)中音ホーンは600Hz〜6000Hzの範囲で使用と書いてあった、今回は安全を見込んで下は700Hz上は5000Hzの12dBでクロスさせることにした、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-010
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第12回グッドマンスピーカーの音と
英国ヴィンテージスピーカー by Y下
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-012
SUNVALLEY AUDIOさんのコラムでの私の情報の発信の場として紹介させて頂いておりますが今回はグッドマンスピーカーと私が愛蔵しています英国ヴィンテージスピーカーの全容を写真付きで公開したいと思います。写真撮影とそれに付随する文面は素人です。その辺はご考慮をお願いしたいのと音に関しては私個人の主観ですから参考程度にしてください。
最近入手した非常に珍しいスピーカー、このスピーカーに見憶えのある方は長くオーディオに携わった諸先輩の方と存じます。名前は○○製で12インチです、英国ヴィンテージスピーカー(パートU)で詳しくご紹介させて頂きます。
グッドマンを鳴らす真空管アンプ
グッドマン3Wayを鳴らすには現代の半導体アンプでは鳴らない、このようなヴィンテージスピーカーは真空管アンプで駆動するのがベストである。このスピーカーに合わせて試作した出力管はチェコで生産されていたKRのPX−25ナス管を清水の舞台から飛び降りる気持で大奮発して購入したのはよいがこのPX−25は古典球ではなく現代の技術で製作されたらしいから鳴らすまでは未知数である。
いよいよグッドマン3Wayシステムのユニットを実装しました、ネットワークは予め製作しておきましたのでスピーカーシステムは完成、さぁ?英国のスピーカーはどんな音色と音質なのか未体験ゾーンに突入であるが試聴する音源は安物のCDプレーヤーで出力をダイレクトにメインアンプに接続しての試聴方法です。
スピーカーは自分の個性が主張できる
オーディオの音に関してはあくまで個人の主観になります。言葉や文章で色々書いても読まれた方は想像だけで終わってしまう、過去の名器でもひどい音の出し方を聴けばそれがそのスピーカーの能力と判断してしまえば大変残念なことになります。セッティングもデタラメでボックスも簡易型でアンプなら何でも良いではスピーカーが惨めになるだけでこの辺を弁えないと違った評価になってしまう、今まで色んなマニアの能書きを聞かされて耳にタコが出来たがよ〜く話を聞いていくと単なる個人の主義主張にしかならない、世のオーディオマニアは能書きは一流、音は三流になっているのが多い、もっと素直な気持ちになれば音も素直な音になるのにと思うこともある。オーディオの世界は不思議なもので20年30年経っても良い音がでなければ死ぬまで出ないと思う、どこかで方向を転換すれば道が開けるはずだが・・・・良い音を出そうと思ったら耳より性格を治す事と言いたい、(これは私にも言える)
又スピーカーに限らずオーディオもそうだが他人まかせの評価を鵜呑みにせずにじっくり聴きこんで決めないと必ず後悔する。
グッドマンスピーカーの音
グッドマンスピーカーとアンプを接続して少しづつ音量を上げてみる、出てきた音は言葉では言い表わせない音である。アメリカのスピーカーとはまったく違う音である、一言で言うと地味な多少暗さを伴った響きで個性の強い音色でもある。ホーンスピーカーなのにホーン臭さがなくアルテックのA5、A7とは明らかに音作りが違う、この答えではグッドマンスピーカーは理解できない、ここで比較対照できるスピーカーがなければ答えにならない、
皆さんがお持ちのタンノイスピーカーと比較してみた、比較対照は私の友人が愛用しているタンノイのオートグラフで内蔵ユニットはモニターシルバーである、勿論部屋もアンプ違うから絶対的な評価ではないことを付けくわえさせていただきたい、
タンノイのモニターシルバーの音は上質な木作りのコンサートホールの響きでゆったりとして雰囲気を大切にした音、それに対してグッドマンは宮殿のホールで聴くエレガントな響きになる、タンノイもグッドマンも同じヴィンテージスピーカーである以上は音の傾向として似たような色感だ、どちらも優劣を付けられないレアなスピーカーでもある。タンノイもグッドマンも音の共通点は品位があり中域に厚みとコクをプラスした音になっている。(これが英国の伝統あるサウンドなのか?)現代のタンノイスピーカーはこれに多少繊細感がプラスされ上も下も伸ばした音になっているが人によっては中域がうすいと言う人もいる(この部分が日本人好みかも)音のコクとか味は少なめな感じで料理で言えば薄味的な印象と感じとれるがタンノイが好きなマニアなら気にもならない、タンノイもグッドマンも同じ英国製ですから極端には音の方向性は違わない、なぜだろう?ヴィンテージマニアにこの点を指摘したら「タンノイはグッドマンにOEMで作らせていたから似たような音」「タンノイもグッドマンも同じである」と言われる「やっぱり」昔も今も同じなのか、そう考えると必死にタンノイを探さなくてもグッドマンでも十分ではないか、
同じグッドマンでもAXIOM−80を聴いたことがあるが多少高域が煌びやかになるぐらいで大きな差はないが過去に聴いた記憶を紐解いてこちらの3Wayタイプと比較すると中音ホーンの抜けの良さや緻密さではAXIOM−80とは異なる音色です。
グッドマンはもう過去の古いスピーカーになってしまったが、今このスピーカーを聴くと現代のスピーカーとは見劣りは感じられないぐらい良いユニットなのだが一般的には手に入りにくいのとユニットを実装して音楽を楽しむマニアが減少したのも原因ではなかろうか、中古ショップに出ているグッドマンもあってもAXIOM−301か80ぐらいでその他のユニットはあまり見かけない、売れた本数が少なかったかも知れない、
VITAVOX,DU−120
VITAVOXと聞くと私以上の諸先輩はよくご存じですがこのスピーカーを知らない方に少し付け加えていただきます。VITAVOX(ヴァイタボックス)は戦前からある有名なスピーカーでロンドンウェスタン直系のスピーカーメーカーと聞いている。シアター用が専門ですが家庭用にも素晴らしいシステムも出していました、特に有名なのはVITAVOX191コーナーホーンとバイトンメィジャーがあります。191コーナーホーンはタンノイのオートグラフと二分するぐらい素晴らしいのが特徴で家具の調度品にはピッタリ当てはまるデザインでもあります。昔私がエレクトロボイスの3Wayでオーディオを楽しんだ時に京都のジャズ喫茶「ヤマトヤ」にこの191コーナーホーンが鎮座してあった、音は芳醇な響きで非常に奥ゆかしく鳴っていたのを記憶しています。この音を初めて聴いた時「オーディオは聴かせてくれる音」これこそ自分が求めていた音だったのかも知れません、その夢は30数年経っても忘れられないぐらい私に強烈なインパクトを与えてた、VITAVOXと聞くだけで私にとっては未体験な音に感じる不思議と謎の多いスピーカーである。今回ご紹介するDU−120はVITAVOXではコアキシャルスピーカーユニットでこのタイプ以外にDU−121もあるがこちらはフェライトのマグネットの2本しか発売されなかった、このスピーカーの詳細を少しご説明します。ユニットは多分1950年の後半から1960年の前半に発売されたものでマグネットは大型のアルニコマグネットを搭載、ツィーターは特殊なポリエステルフィルムの振動板になっておりツィーターの音だし部分はアルミのパンチングで保護されている。クロスオーバーは2000HZで低域側をカットせずにそのままスルーになっている、ネットワークはコンデンサー1本だけで高域のみのカットになっています。この時代の同軸はネットワークを使用せずにコンデンサーのみでのカットが結構ありましたが私に言わせればケチな方法と思う、本格的に使うならネットワークもアッティネーターも必要ではないだろうか、その点タンノイのユニットは高いだけあってしっかりしているがあのネットワークを収容してあるケースがプラモデルのイメージと重なるので少しマイナスだ、
ヴァイタボックス12インチのコアキシャルスピーカーでフレームをよ〜く見ますとタンノイのモニターレッドによく似ています。マグネットは強力なアルニコマグネット
スピーカーユニットの中心にツィーターが飛び出している。ツィーターの振動板はポリエステルフィルムで珍しい振動板でもある。
マグネットカバーにVITAVOX−DU120のシールが貼ってある。スピーカーからの引出し線は私が一部改造した部分です。
ヴァイタボックスの音
グッドマンのウーファーを外してこのユニットを実装しての試聴になりました、
出てきた音は「何んだ!こりゃ〜」こんなスピーカーの音は今まで聴いたことがない!ひどいのも限度がある、低音がまるでなく中高音はカミソリを振り回したような鋭い響きで音楽を聴くには耐えないスピーカーではないか、これがVITAVOXの音なのか!今回の購入は大失敗かも?言葉が出ない絶句である。昔はエレボイのスピーカーで苦汁を味わされて泣かされた経験が蘇ってきた、このスピーカーこそ名器ではなく迷器であるが考えようによっては良いスピーカーこそテクニックと苦労が必要ではないだろうか、上手く鳴らせば感動ものであるが今の時点では落胆の言葉がぴったりだ、
DU−120の改造
このスピーカーを宿らせるにはこのままの状態では不可能のなで大手術が必要だ、病院に行ってユニットに点滴を打てば治る問題ではない、手術をすればきっと当時の音が必ず宿るはずの気持ちで早速改造に取り組んだ、改造はこれに合わせたネットワークを自作するのとボックスを新たに特注で作ってもらう事、吸音材の量を調整しながら耳で確認する方法しかない、ボックスはグッドマンは米松合板を使用していたから今回はフィンランドバーチで作っていただくことに決定した、
改造後のVITAVOX.DU−120
ボックスが完成してユニットを取り付けて音だしで固唾を飲んでヴァイタの音を待った、出てきた音は最初に聴いた音とは似ても似つかない実に渋い音である。この時代のスピーカーの開発者は多分この世にはいないと思う、このスピーカーの本当の音などは私にもわからない、知っているのはスピーカーの開発者と当時携わった方だけだと思う、何十年も前のスピーカーに使用してあるカットオフ用のオイルコンデンサーははっきり言って塵である、オイルコンデンサーが当時の状態を維持しているはずはない、こんな塵コンデンサーでもオリジナル崇拝者は使っていると聞く、はっきり言って良い音を出す以前の問題では・・・・これはアンプにも言える、私に言わせればビンテージアンプもそうですが今の時代からすればパーツはすべて当時の状態ではないのにマニアはオリジナルを尊重している、これは一種の宗教のようなもので不思議なマニアが沢山いる、
グッドマンスピーカーとの比較
同じ英国の伝統あるスピーカーなのに音の傾向はずいぶんと違う、グッドマンはどちらかと言えばふくよかさが前面に出していたがこのヴァイタボックスはより古典的なドライな音色を持っているがボックスの材質も違えば容積も違うから「これがヴァイタの音だ!」とは断言できない、クレデンザ、HMV,ウェスタンと発展してきた音響技術の延長線上にあるような大変地味な音でかの有名な191コーナーホーンの音に似た奥ゆかしく暗い響きを伴っている、大橋氏が日記に書かれた「石作りの教会で聴く音」と表現されていますが的を得た答えだと思う、
最後にこのスピーカーの音の印象を大橋氏が店主日記で的確に表現されていますからこれを参考にして頂ければ幸いです。(2006年6月13日の第3試聴室現る?)の日記(店主日記は終了致しました。)です。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-012
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第35回GOODMANS AXIOM−80を鳴らす。by Y下
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-035
大変長らくお待たせしました、このコラムももう35回目になりました、35回の節目としてマニアの間では究極のユニットとか伝説のユニットと云われているGOODMANS社のAXIOM−80フルレンジスピーカーを取り上げます。
今回ご紹介するユニットはレプリカではなく1950年製の最初期オリジナルユニットになります。巷ではAXIOM−80はマニアを引き付ける麻薬的なサウンドで魅力的な音だとかこのスピーカーで聴く弦楽器の再生はこれ以上ない!とか云われ一度このスピーカーの虜になるとタンノイ、アルテック、JBL等では味わうことの出来ないスピーカーと云われていますが果たしてどれ程のユニットなのか実験を行いながら試聴しましたので興味がおありの方は最後までお付き合いください。
1950年前後の超レアなユニット、状態も大変よくコーン紙の補修もありません。
AXIOM−80
AXIOM−80をネットで検索しますと色々な方が評価していますからあえて私が詳しく述べる必要はないのとAXIOM−80に関して自分はそれ程詳しくはありませんが使われた方のコメントを読みますとAXIOM−80は大変気難しく簡単には鳴らないと云われている、
私のコラムでも以前に書きましたが故瀬川冬樹氏がこのユニットを使っていたと紹介しましたがこのユニットはオリジナルと復刻(レプリカ)がありその違いを比較したわけではありませんが今はないヒノオーディオでヒノ製のボックスに入ったレプリカのAXIM−80を聴いたことがあります。その時の印象として大変指向性が強よくて高域は耳に付くきつい音でこれが噂のAXIOM−80の音かとがっかりした覚えがある。
皆さんもAXIOM−80を聴かれた方はオーディオショップがほとんどと思われますがショップの場合は適当にセッティングして展示してあるアンプを繋いでの音出しがほとんどですから本来の実力は見えてこないのとこのような簡易的な鳴らし方ではAXIOM−80が可哀そうに思える。ショップで鳴らすAXIOM−80は魅力が乏しく他のスピーカーのが良く聴こえて来る。残念ながら適当に接続してセッティングしたAXIOM80は本来の音とは程遠いサウンドでこれがAXIOM−80の実力かと思われるとこのユニットは哀れである。
AXIOM−80のオリジナルBOXは存在しない!
色んな方のAXIOM−80のコラムを読みますとAXIOM−80をオリジナルボックスに入れて楽しんでいる方が沢山いますがGOODMANS社はユニットを装着したオリジナルボックスは存在しません。当時GOODMANSはシュロリ貿易が輸入元でこのユニットをヤマハがGOODMANS社からライセンスを受けて製作されたと聞いています。
ヤマハボックスはAXIOM−80の図面を元に後面がコーナーになっていて前面にARUを取り付けて販売されていた、時々写真で見るオリジナルボックスはすべてヤマハが製作したものですがこのボックスは評判が悪く本来のAXIOM−80の良さが出ないボックスと云われている、 もう一度はっきり云わせて頂くとAXIOM−80のオリジナルボックスは存在しません。仮にオリジナルと称して本国からユニットを装着した物が入荷したのであれば英国の箱屋が作ってユニットを入れたものと思われる。
タンノイの様なオリジナルボックス付きの場合100%失敗はしないがグッドマンズ社の場合はユニットだけの販売では一部マニアでしか使えない欠点がある。
私が高校生の頃名古屋の納屋橋にありましたヤマハビルのオーディオ売り場にこのAXIOM80がヤマハボックスに収納されて展示してあったのを覚えています。またシュロリ貿易が出していたGOODMANSの総合カタログがありこれを目に通すと一風変わったユニットが載っていました、これが現代でも幻の名器と云われるAXIOM80で真っ赤なマグネットを装備した見た目にも高級感があったのを覚えています。当時の販売価格は1本26,000円ぐらいだったと記憶しています。またこのユニットを装着したヤマハボックスに入れたのを聴いていますが当時の耳のレベルでは凄いとは思わなかったが国産品しか知らない私でしたから外国製と云うことで魅力はありました。
センターのサブコーンは薄いベークライトのような素材を使ってあるのが本来のオリジナルになります。
AXIOM−80のレプリカ
オリジナルとレプリカ、確か真空管の名器でマッキントッシュのC−22、マランツ#7もレプリカがありましたね、良質なオリジナルが無い為やむを得ずレプリカを購入された方が沢山いますがルックスは同じでも音質的にオリジナルとは似ても似つかない音ですがこれは仕方がないかも知れません。
AXIOM−80もオリジナルとレプリカタイプが存在しますが今の時代良質なオリジナルを手に入れることは至難の業かも、ヤフオクで時々AXIOM−80が出品されていますがユニット単体で30〜40万ぐらいで落札されているのを見ますといかにこのユニットの人気があるのか伺えます。良質なオリジナルが手に入らなければレプリカになりますがこのレプリカも曲者で外観はAXIOM−80と同じ作りですが音質的にはまったく違います。
またオリジナルの場合も初期型、後期型が存在する事がわかりました、私が所有していますAXIOM−80は1950年代の初めのユニットですから完全な初期型になります。AXIOM−80の使いこなし
今までステントリアン、ワーフェデール、グッドマン、パイオニア、コーラル、ヴァイタボックスなどのフルレンジユニットを使ってきましたがスピーカー遊びはフルレンジが一番面白いのとボックスに入れれば即鳴るのが魅力でしたがフルレンジ程上手く鳴らせないユニットはありません。オーディオはフルレンジ派もいればマルチ派もいます。あるマニアが云っていた事ですがマルチを追求して鳴らしている時に俺は音を聴いているのか楽を聴いているのか自己不信に落ちいって最終的にフルレンジに戻したと云っていましたが確かに3Way、4Wayの大型ホーンを使ったスピーカーの音を聴いていますと歪感の少ない良い音に聴こえますがじっくり聴きますと音の定位がバラバラで一つにならないのと楽器や人の声を聴きますと音像が大くなり不自然感は拭えません。音楽を楽しむと考えたらフルレンジ型やコアキシャルスピーカーが自然体で音楽が楽しめる。どちらも一長一短があるからオーディオは面白いのではないだろうか、
早速ですが私なりにAXIOM−80の使いこなしになりますが良いスピーカーほど簡単には鳴らない、特にこのユニットは箱を選びアンプを選ぶ傾向があるのがわかった、ヤマハが販売したGOODMANSの指定箱では正直低域の量感が乏しくバランスがすべて上に行ってしまい高域がきつく疲れる傾向の音になってしまう、
また解決策として低域の量感を増やす為ウーファを追加して2Wayでやられている方がいますが理論的には正しいのですがウーファとAXIOM−80の繋がりに問題があるはずです。AXIOM−80はフルレンジですからこのユニットを低域のみカットして使えば何処かの部分でディップが生じるのと音色が同じでない為不自然になってしまう、では同じGOODMANSのユニットを低域で使用すれば解決するのかと云えばこれは難しくカット&トライで挑戦するしかない、GOODMANSでもAXIOM−80は特別な音色を持ち合わせていますから音色は一致しない、
今回は私の所有しているタンノイGRFタイプのボックスにこのユニットを実装して試聴しました、このボックスの容積は約250?、ボックスの材質はフィンランドパーチで板厚は19mmでバスレフタイプなります。
他の方が書かれたブログを読みますとAXIOM−80はバスレフ、バックロードではスピード感がなく付帯音がくっ付いて鳴らないと書いてありましたがそれは本当なのか実証してみたいと思いますがその辺はカット&トライでやって見たいと考えています。
マグネットは17000ガウスもある強力マグネットで現代のスピーカーでは考えられない強力なアルニコマグネットを採用しているのは脅威でもある。
AXIOM−80音出し
早速このユニットを実装しての音出しですが取りあえずユニットのみ裸の状態で音出ししてみました、最初に出てきた音はどこにでもある特別な音ではなかったがこれをボックスに実装したらどんな音になるのか胸がわくわくしてくるのがわかる。世界の名器と云われたユニットが果たしてどんなサウンドを奏でてくれるのかスピーカーマニアならこの気持ちは理解していただけるのではないだろうか、折角鳴らす以上比較対称するものがなければ評価のしようがない、ここで片側の左側はAXIOM80を装着し右側をVITAVOXのDU−120コアキシャルを取り付けての比較試聴なら私の様な阿呆耳でもはっきりわかるはずだが未知の体験であるがため試聴には慎重にならないといい加減なレポートでは参考にならないとお叱りを受ける。
またこのAXIOM80は真空管アンプを選ぶらしいがWE−300Bを使えばきっと鳴るはずだが果たしてどうなのか、
早速であるが巷では最高の球と云われているWE−300Bシングルで試聴開始した、
試聴のシステム
プレーヤー
ヤマハGT−1000
トンアーム
GRACE G−565ロングアーム
カートリッジ
オルトフォンSPU−GとSL−15E
昇圧トランス
ゼンハイザー 1950年代のヴィンテージトランス
ブリアンプ
マランツ#7
WE−300Bシングルアンプ、メトロアンプ
試聴レコードとCD
ビバルディのバイオリンソナタその他
以上のシステムでの試聴になります。
全体で聴くAXIOM80は高域の透明感は見事なのだがいかんせん低域の量感が薄くバランスが上に持ち上げた音になる。シングルアンプの場合はトランスの磁化の影響で低音が出にくいのかもこれは300Bアンプが悪いとは思えない、
答えはこのスピーカーにはシングルアンプは合わないではないか、250リッターのボックスを使っても低域不足は不満が残るが中高域の音色はロンドンウェスタン系の特徴のある個性のある音で巷ではこのスピーカーの虜になるのがわかる。音色を一言で云うならセピアカラーの音とHMVの蓄音器に近い一種独特のサウンドと云える。特にバイオリン、ピアノの響きと音色は特筆すべき良さが感じ取れる。ケフェレックのバッハのピアノ曲はスピード感のある付帯音の付かない切れ味の鋭い日本刀のようなサウンドだが長い時間聴いていると低域不足の不満が見え隠れしてくる。
次にVAITAVOXのDU−120に切り換えると中高域はほとんど同じ音質と音色だが低域から中低域にかけてAXIOM80では出なかったふくよかさが出て品位の高さで差が出た、低域の量感は25pユニットでは難しいかも知れないがAXIOM80はVAITAVOXに劣らず品位の高い音でタンノイ、アルテックでは味合う事のできないマニアを虜にするサウンドだが大編成のオーケストラの場合は口径が小さい分無理の様な気がするがジャズトリオをかけるとあのクソ喧しい一般的なジャズサウンドとは違うしっとりとしたコクのあるサウンドに変身する、ジャズもボーカルもグッドだが低域がもう少し出れば文句なしだ、またバッハなどの室内楽、器楽曲を聴くとこれ以上望む必要がないぐらい味のあるサウンドになる。
サブバッフルを取り付けての試聴
メトロアンプで鳴らすAXIOM80
WE−300Bシングルアンプで鳴らしたAXIOM80だがこのユニットを使っている方は良質のアンプを繋いで鳴らされていると思うがプッシュプルアンプを使うとどんな音になるのか、早速アンプを交換して再度試聴を試みた、
このメトロアンプは前回のコラムで紹介したトランスは米国製のシカゴ・スタンダード(スタンコア)トランスを使った自分では最高のアンプと思っているがAXIOM80はアンプを選びトランスまでも選ぶスピーカーでこんな気難しいユニットは聞いた事が無い、今回は出力管はGECのKT−66に交換しての試聴になる。
接続後最初に出てきた音はWE−300Bでは出なかった低域の量感が豊かになり中高域は刺激のない味のあるサウンドでピラミッドバランスに変身したのは驚きであった、やはりこのユニットはシングルアンプでは簡単には鳴らないことを痛切に感じた、
多分このサウンドこそ本来のAXIOM80のサウンドかも知れない、AXIOM80はダブルコーンのため高域がきつくなるのが当たり前ですがこのメトロアンプではトランスの影響で長時間聴いていてもまったくきつくならずに疲れない、
その後VAITAVOXに切り換えて試聴したが好みとしてはVAITAVOXのが自分には合うように思えるのとVAITAVOXのDU−120は日本には10セットぐらいしか入って来なかったスピーカーですからある意味AXIOM80より貴重に感じる。
最後に色々切り換えて試聴したがどちらがVAITAかAXIOM80かわからなくなってきた、どちらも特徴のあるロンドンウェスタン系のサウンドでよく似た音には間違いない、
最後にAXIOM80を上手く鳴らすには容積の大きなボックスで材質はフィンランドパーチ、米松合板辺りを使い吸音材を調整しながらバスレフでの使用がベスト、またアンプはプッシュブルが適合で出力トランスは有名なトライアッド、ウェスタン、シカゴ、スタンコア辺りを使用すれば本来のAXIOM80の良さが出てくるような気がしますが国産のトランスを使ったマニアが作った自作のアンプではまずは簡単にならないことをご報告しよう、名ばかりの国産のトランスではAXIOM80の良さを十分に引き出すのは難しいのと世界の名器に対して失礼である。
あとがき
今回はAXIOM80を取り上げての試聴でしたが私個人に云わせると巷で云う名器とは思わないのとこのユニットは価格がべらぼうに高くなってしまったがそれだけの価値は無いと思うがAXIOM80に恋こがれた方なら価格の問題ではない、AXIOM80もそうだが長年英国スピーカー遊びをしてきた私ですから特別凄いとは感じなかったが一般的に見ればこのユニットも名器の一つかも、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-035
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