晴耕雨聴 2018年08月10日 111.5kg Bell&Howellの移動映画館用スピーカーをGETしました(前編) https://91683924.at.webry.info/201808/article_5.html画像 https://91683924.at.webry.info/upload/detail/013/416/33/N000/000/010/153389494265633703177.jpg.html 画像 https://91683924.at.webry.info/upload/detail/013/416/33/N000/000/010/153389496530239766177.jpg.html 画像 https://91683924.at.webry.info/upload/detail/013/416/33/N000/000/010/153389499091158998177.jpg.html (上から正面、裏、裏蓋を開けた、移動映画館用のスピーカーです。裏蓋はユットの口径に近い穴が開いていて、後面開放に近い箱だと思います。板材は合板です。おそらくバーチ材。箱は塗装ではなく、壁紙のようなシートが張ってあります。ツートンでナカナカおしゃれ。箱の上には留め金具がついていて、片方の箱の取っ手には金具の鍵がまだ付いていました) 上のスピーカーは、先日江東区古石場のG.T.K.オーディオに寄った時、帰り際に目にとまったブツです。 出入り口のすぐ近くに置いてあったのですが、なかなか可愛いキャビネットでしょう? これは何ですか?と店主の下村さんに訪ねますと、Goodman’sのユニットが仕込まれた移動映画館用スピーカーとの事です。なんでも、16mmフィルムを使用する移動映画館で使われたものだそうです。 16mm移動映画館なら音声はモノラルでしょうから、2台同じものが揃うのは珍しいと思いGetしてしまいました。 正面にはG.B.-Bell&Howellのプレートが貼ってあります。G.B.はグレートブリテンの略でしょう。Bell-Howellといえばアメリカの映画機材の会社ですね。民生用の8mmカメラも有名でした。 スピーカーの中身はGoodman’sのダブルコーン、アルニコマグネットの30cmユニットだそうで、実はお金のかかったスピーカーですね。ユニットはG.T.K.オーディオで交換したそうで、Goodman’sのAXIOM22同等品ですが、もうひと世代前のタイプだとか。 自宅に帰ってググってみますと、AXIOM22は有名なAXIOM80やAXIOM301の上位機種で、販売当時の価格はAXIOM80の$52.30、 AXIOM301の$43.50に対し、AXIOM22mk2は$65.00だったそうです。 301はフェライト磁石なので安いのはわかりますが、日本では神格化されているAXIOM80の上位機種とは驚きました。 AXIOM80は故・瀬川冬樹先生が愛用したスピーカーとして有名です。ステレオサウンドの創業者、原田勲社長も愛用しておられました。 季刊ステレオサウンドの創刊号は、当初黒のバックにAXIOM80を正面から撮った写真が使われる予定だったとか。 当時資本関係のあった出版社が、「そんなスノッブな写真じゃ雑誌が売れない」と文句をつけて、なんだかゴチャゴチャした写真に入れ替えたそうです。 原田社長はこの幻の創刊号表紙がとても気に入っていた様で、ステサンの200号だかの記念号の記事にこの表紙を載せておられます(思い切って200号の表紙をホントにコレにしちゃえばよかったのに)。 実はAXIOM80には驚かされたことがあります。 行きつけのオーディオ店、オーディオマエストロに入ったとき、「うわー、今日は良い音してますね」と思わず店主の是枝さんに言ったことが過去2回あります。 1回目の時の話はまたいずれ書く事にしますが、2回目はほんの1〜2年前の話です。 この時に鳴らされていたのがAXIOM80の4発入りARUバスレフ箱でした。実に情報量が多く、深々とした、伸び伸びとした、同時に繊細な音色で驚きました。 オーディオショップですから、普段は売れる商品を鳴らしているのですが、この日は是枝さんの個人所有のスピーカーを鳴らしていた訳です。 AXIOM80、ベンプレ親父は一度購入しかけたことがあります。私が学生最後の頃、今から35年ほど前に、AXIOM80が復刻されて、今は廃業した輸入代理店、オーディオニックスから販売されました(オーディオニックスの企画だったらしいです)。 このユニットを買いに、当時は確か横浜にあった、FALの古川さんのお店に行き、復刻AXIOM80を聴かせてもらいました。 しかし、この時はFALの平面型スピーカーの上に乗せたESSグレートハイルのハイスピードな音に仰天し、そちらを買ってしまいましたw オリジナルAXIOM80と復刻版AXIOM80は細部で微妙に異なっていましたので、買わなくて良かったのかもしれません。 AXIOM22(の前駆型)を買ったのに、80の話ばかり書いていても始まりませんなw https://91683924.at.webry.info/201808/article_5.html 晴耕雨聴 2018年08月10日 111.5kg Bell&Howellの移動映画館用スピーカーをGETしました(中編) https://91683924.at.webry.info/201808/article_6.html
画像 https://91683924.at.webry.info/upload/detail/013/416/33/N000/000/010/153389569745607451177.jpg.html 画像 https://91683924.at.webry.info/upload/detail/013/416/33/N000/000/010/153389571925978008177.jpg.html (ユニット後方からの写真はスピーカーボックスを開けて撮りました。この箱はカバンのスナップのような金具が付いていて、簡単に開閉できます) ユニットはAXIOM22に近いということなので、ネットでAXIOM22mkUの写真、記事も拾ってみました。 ユニットは外していませんので、前面からの写真は海外のビンテージオーディオ販売店のHPで拾ったAXIOM22の写真です(サブコーン紙が傷んでますね。補修、ザツやない?)AXIOM80にもAXIOM301にも似ていませんな、22は。 ベンプレ親父が気になったのはコーン紙のバックカバーです。楕円形の穴が四つ開けてあるだけで、開口率が低くなっています。AXIOM80、301は開口率を精一杯とっていますから随分違います。 じつはこのカバーを見て何か思い出しませんか?そう、モニターシルバーからHPD385Aまでのタンノイ同軸2wayユニットのコーン紙バックカバーとソックリです。この形にはなにかノウハウがあるのでしょう(まさか12インチのタンノイ・コアキシャルと同じパーツじゃないよね?Goodman’sはOEMでも名を馳せていましたが・・・) これを見ると22は、構造が大きく異なる80は勿論の事、301の設計者とも違うのではと想像します。Goodman’sは英国最大のスピーカーメーカーでしたから不思議はありませんし。 ベンプレ亭書斎にやってきたGoodman’sのユニットですが、AXIOM22と同口径、同じアルニコマグネットですが、ダンパーが蝶型のベークライトダンパーという事です(ユニットを付けたままでは見えませんが)。22はコルゲーションタイプで布製と思いますので、ここが大きく違いますね。 ベークダンパーは過大入力で折れる危険性はあるものの、音質は大変良いと思います。 アルテックの210エンクロージャーにはアルテック515B、515、ロンドンウエスタン2080Aと使用してきましたが、ベークダンパーの515、2080Aは布製コルゲーションダンパーの515Bよりも締まった音です。 このGoodman’sダブルコーンはデッカデコラのモノラルタイプに使用されていたそうです。シングルコーン型は時々出回るものの、ダブルコーン型は希少だそうです。 さて、いつものように日本オーディオRC2でF特を測ってみました。 画像 再生周波数は120Hz〜8KHzくらいですね。もっと大きな箱に入れたら下は伸びると思いますが、モノラルの16nnフィルムの音声なら、下は150Hzも出れば十分だったのでは。 最近のPAスピーカーでも音楽以外の拡声用なら低域再生は200Hzあたりからです。 次は音を聴いてみましょう。 プレーヤーはTD124mkT、針とアームはDECCA MKT、ベンツマイクロACE SH。プリはVsrislopeV、パワーは同TL10を使ってDECCAのLP、チョン・キョン・ファ、ブルッフのバイオリン協奏曲でこけら落としです。 全てビンテージのイギリス製品ですが、いやー、予想通りの高貴な音ですな。レンジは足らないですが、聴きどころを押さえています。 次はジャスを。エバンスのLPからポートレイト・イン・ジャズを。プレーヤーはデンオンDN308F、針はベンツマイクロACE SH、フォノイコはトライゴンのバンガードU+ボルケーノU。プリ以降は同じです。 ムフフ、透明感あふれる粒立ちの良い美音です。 https://91683924.at.webry.info/201808/article_6.html 晴耕雨聴 2018年08月10日 111.5kg Bell&Howellの移動映画館用スピーカーをGETしました(後編) https://91683924.at.webry.info/201808/article_7.html
画像 https://91683924.at.webry.info/upload/detail/013/416/33/N000/000/010/153389640826625582177.jpg.html (HMV3000の前にBell&Howellを設置しました。ガラクタ市ではありませんよ) (映画を映すとこうですね。スクリーンがケラれる事はありません。パワーアンプはひとまずベンプレ亭書斎に残っていたカービンDCM200Lという60w+60wのトランジスタD級アンプを使いました) さて、ベンプレ亭書斎でのお披露目公演も済みましたので、彼女(スピーカーはドイツでは女性名詞だそうです。JBL D130でも女性名詞なのかな?)の仕事場を決めてあげないといけません。 これで何を鳴らすのかって? そりゃ、16mmフィルム、移動映画用なんでしょう・・・? 旅館で集まって、こっそり見るブルーフィルムに決まってまんがなw いや、流石にベンプレ親父もそんなブツは持っていません。昔の日活ロマンポルノでも逝きましょう。 そうですね、ロマンポルノでも初期作品が良いでしょうな。 残念ながらフィルムではなくDVDですが、日活ロマンポルノの輝ける第一弾、白川和子の「団地妻 昼下がりの情事」と併映された片桐夕子「女高生レポート 夕子の白い胸」でも観てみましょう(近年の業界では女子高校生を女子校生と表記しますが、当時は女高生だった様ですね)。 画像 写真は当時のオリジナルポスター(なんでこんな物、持ってるんでしょうかねw)、上に乗せてあるのは最近手に入れたDVDです。 片桐夕子、ナカナカ良いですよね。イモ臭いところがいい。コメディポルノですが、「性教育ママ」なんか面白かったです。「夕子の白い胸」はシリアスなドラマですが、彼女はコメディの方が合ってますよね。 片桐夕子は当時としては珍しく、ピンク映画の経験なしに日活ロマンポルノにデビューしたそうです。小沼勝監督の自伝「わが人生 わが日活ロマンポルノ」を読むと、オーディションにやってきた彼女は、「自信のあるのは胸です」と発言したそうです(なるほど、それにインスピレーションを受けてデビュー作は「夕子の白い胸」なんですな)。 後年、映画「蛇にピアス」のオーディションで吉高由里子さんは同じことを発言し、その場でペロンと出した事で主演女優をgetしたそうですが、片桐夕子の時代(1971年デビュー)を考えますと、大胆な発言をするお嬢さんでしたな〜 話がそれちゃいましたが、女王陛下の国から来られたエッチな声のお嬢さんに乾杯です。 そうだ、何かニックネームをつけてあげましょう。映画「わらの犬」の主演女優、スーザン・ジョージにちなんで、スーザンにしてあげましょう。 わらの犬はGoodman’sと同じイギリスの片田舎が舞台、スーザン・ジョージはイギリスの女優です。 わらの犬、封切りは1972年、一般映画でした。中学2年生だったベンプレ親父は、渋谷の映画館でなんとなく休日のヒマつぶしに観てビックリ。 当時はR15なんてなかったから・・・内容はググってみてください。ちょっと書けません。 でも映画としては面白い映画でしたな。サム・ペキンパー監督の代表作だそうです。 さて、Bell&Howellで演る「夕子の白い胸」は実に心に染みますな。男と女の純情が悲しい、美しい映画です。 音楽でもオリジナルのモノラルLPを再生するときは、大掛かりなマルチウェイ、マルチアンプよりも、オイロダイン、WE13aで聴く方がピッタリきます。というより、客観的にも良い音がします。 映画もそんな所があるのでは。Bell&Howellでスターウォーズやジュラシックパークを演ってもダメでしょうが、日活ロマンポルノならBell&Howellの方がピッタリきます。いや、良い音です。ホンモノ感がありますな。 これから、リブート・プロジェクト前の日活ロマンポルノの旧作群はBell&Howellで逝きます。これがホントの音です。ホントの日活ロマンポルノです。 良いものを手に入れることが出来ました。 P.S. ( `・ω・) ウーム…後編はオーディオブログではなく、エロブログになっちゃいましたw でもそんなもんだね。「エロビデオの再生にはタンノイ・モニターレッドが最適だ」と言ってるマニア氏、知ってます。 それから、Bell&Howellの名前は「夕子」にしました。この方が親しみがありますからな。 https://91683924.at.webry.info/201808/article_7.html
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