http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1111.html
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(回答先: 伝説の ソナス ファベール ガルネリ・オマージュ 投稿者 中川隆 日時 2017 年 2 月 10 日 22:04:53)
ソナス・ファベール ストラディヴァリ・オマージュ
Sonus Faber Stradivari Homage - YouTube動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Sonus+Faber+Stradivari+Homage%E3%80%80
STRADIVARI Homage (ストラディヴァリ・オマージュ) 販売終了
http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/HOMAGE.html#STRADIVARI
■GRAPHITE(グラファイト) 販売終了
5,600,000円(税別・ペア)
■RED(レッド) 販売終了
5,600,000円(税別・ペア)
■WALNUT(ウォルナット) 販売終了
5,600,000円(税別・ペア)
※上記の価格は2本1組(ステレオペア)での価格です。
ソナス・ファベール「オマージュ・シリーズ」
−いにしえのヴァイオリンの巨匠達に捧げる頌歌−
1993年、リュートの形に霊感を得て、オマージュ・シリーズの先鞭を付けたGUARNERI Homage(ガルネリ・オマージュ)が誕生しました。ガルネリ・オマージュは、限りなくポイント・ソースに近い音場を再現する理想的な音楽再生用コンパクト・スピーカーの具現化でした。
1998年に発売されたAmati Homage(アマティ・オマージュ)もまた、リュート形に由来するものでした。アマティ・オマージュは低域周波数スペクトラムの放射面積の拡大により、オーケストラのクレッシェンドをより生々しく実在感あふれるスケールで再生するスピーカーの提案でした。
そしてさらに5年の歳月を経て、ガルネリ・オマージュとアマティ・オ、アージュのコンセプトは更なる前進を続け、無限大平面における音源の優位性(2πラジエーション)の解明というもっとも可能性を秘めた新たなる方向を見出しました。ソナス・ファベールの弛まざる探究心から生まれたこの平面バッフル方法論は、ヴァイオリンのハーモニーを創り出す表板(ハーモニック・プレーン)の役割に通ずるものがあります。STRADIVARI Homage(ストラディヴァリ・オマージュ)は、このハーモニック・プレーンの考えを取り入れて完成しました。
今日なお、誰にも到達できないヴァイオリンの最高峰であり続けるストラディヴァリ。ストラディヴァリ・オマージュは、この不世出のマエストロを讃え、スピーカー作りを通じてその他神へ手を差し伸べる試みと言えます。
これまでのソナス・ファベールのモデルと大きく異なる無限大バッフルへのアプローチに基づき、ネオジミウムマグネット・リングラジエター装備のツィーター、アルミニウム+マグネシウム合金振動板によるウーファーなど、数々の最新テクノロジーを駆使したその斬新な設計は、音のエネルギーを確実に抽出し、蓄積し、集中させることを目的としています。
それはまさにアントニオ・ストラディヴァリの奇跡的な楽器造形、朗々たる響きをインスピレーションとする壮大なプロジェクト。そして、スピーカーの歴史における大きな一歩です。
リュートの形に霊感を得て誕生したGUARNERI Homage、それは限りなくポイント・ソースに近い音場を再現する理想的な音楽再生用コンパクト・スピーカーの具現化でした。1998年に発売されたAMATI Homageもまた、リュート形に由来するものでした。アマティ・オマージュは低域周波数スペクトラムの放射面積の拡大により、オーケストラのクレッシェンドをより生々しく実在感あふれるスケールで再生するスピーカーの提案でした。
そして更に歳月を重ね、ガルネリとアマティのコンセプトは更なる前進を続け、無限平面における音源の優位性(2πラジエーション)の解明というもっとも可能性を秘めた新たなる方向を見出しました。ソナス・ファベールの弛まざる探究心から生まれたこの平面バッフル方法論は、ヴァイオリンのハーモニーを創り出す表板(ハーモニック・プレーン)の役割に通ずるものがあります。STRADIVARI Homageは、このハーモニック・プレーンの考えを取り入れて完成しました。まさに、ニコラ・アマティの弟子の天才ヴァイオリン職人、アントニオ・ストラディヴァリへのオマージュにふさわしいスピーカーです。
形式 3ウエイ4スピーカーシステム・リア・バスレフ型
使用ユニット
260mm口径アルミ・マグネシウム合金コーン型ウーファー(×2)
150mm口径コーン型スコーカー
33mm口径リングラジエーター付きドーム型ツィーター
再生周波数 22Hz〜40kHz
公称インピーダンス 4Ω
出力音圧レベル 92dB/W/m
推奨アンプ出力 30W〜300W
外形寸法・重量 W650mm×H1360mm×D500mm・75kg
http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/HOMAGE.html#STRADIVARI
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楠 薫のオーディオ三昧
■ Sonus Faber Stradivari Homage ■
http://www.kusunoki.jp/audio/Sonus_Faber/Sonus_Faber_Stradivari/Sonus_Faber_Stradivari.html
イタリアはクレモナでその技を競った数多の弦楽器製作者の中でも、ニコラ・アマティの弟子で天才ヴァイオリン職人と言われたアントニオ・ストラディヴァリ。 彼に捧げたオマージュというだけあって、このスピーカーはSonus Faber社の、いや、現代のスピーカーシステムの中でも最高傑作の一つと言えましょう。
Sonus Faber社は1980年に陸のベネチアと呼ばれる、北イタリアのヴィチェンツァの地に、Franco(フランコ) Serblin(セルブリン)によって創立された、< スピーカー専業メーカーです。社名のソナス・ファベールとは、「音の工房」という意味で、1988年、Electa(エレクタ) Amator(アマトール)が同社の製品として 初めて日本に紹介されました。低域用には18cmの小型ウーファーを、高域用には2.8cmのソフトドーム型ツィーターを配し、エンクロージャーには寄せ木細工を使用。 フロントバッフルは本革張り、スピーカースタンドのベースには大理石を使用するという凝り様で、その端正で美しいたたずまいと、濡れた美しい音色の弦楽器が、 クラシック音楽ファンを魅了しました。
1993年には、密度や剛性の異なる42ピースの木材を組み合わせたリュート型の、18世紀の弦楽器製作の巨匠、ガルネリを讃えたGuarneri(ガルネリ) Homageを発表して、 注目を浴びました。 そして1998年に発表されたAmati(アマティ) Homageはそれまでの路線とちょっと異なり、スタンドの上にスピーカーを載せるのではなく、スタンドの部分も含めて 一つのエンクロージャー構造としたトールボーイ・タイプのスピーカーとなり、さらにスケールの大きい音を楽しむことが出来るようになりました。
さらに5年の歳月が流れ、2003年に新たなコンセプトでヴァイオリンのハーモニック・プレーン(表板)の考えを採り入れた、奥行きの浅い、平面タイプの エンクロージャーによるスピーカーシステムを発表しました。 その特徴は先に書いた通りで、補足するなら、ヴァイオリンのAmatiに対してStradivariがそうであるように、スケールが大きく、朗々とした鳴りっぷりが非常に魅力的です。
以前私が使っていたタンノイのスピーカーは、「タンノイ・ホール」と称されるほど、特徴のあるホール感タップリの音を聴かせてくれます。どんな音源を持ってきても、 タンノイの音に染めてしまうので、ある意味では安心して聴いていられるメリットがある反面、ウィーンフィルのムジークフェラインならではの音を楽しみたいと思った時、 あるいはアナログ・レコードではなく、CDならではの空間分解能に優れた、広がりのある音場を楽しみたい場合には、この「タンノイ・ホール」が邪魔してしまうことが ありました。
デジタル録音以前のアナログ録音の時代は、各楽器の音を明瞭に収録するため、マイクロフォンを多数使用する「マルチマイク・セッティング」が中心でした。 しかしこれはともすると、トランペットとフルート、ヴァイオリンが、別々の場所からニョキッと顔を出し、本来、ホールで聴くことの出来る、見事に融け合った、 美しい響き、とはいきません。そこで特にスピーカーではユニットの持つ固有の音だけではなく、エンクロージャーの響きを上手に引き出すことによって音をブレンド・ 再構築し、あたかもホールの中で聴いているような雰囲気を醸し出す必要があったのです。
言い方を変えれば、クラシック音楽を中心にアナログレコードを主にお聴きになる方には、それが媚薬のように効いてくるわけで、「CDの音が堅くて嫌だ」 「CDはキンキンしている」と感じていらっしゃる場合には、うってつけのスピーカーと言えましょう。 しかし、タンノイのスピーカーの特徴である同軸2ウェイ(デュアルコンセントリック)ユニットは1947年、ロナルド・H・ラッカムらが開発、 1953年、ニューヨーク・オーディオショーに発表されたAutograph(オートグラフ)に搭載、同時に発売された、50年以上も前の技術です。
新しいCD時代ならではの良さを楽しむには、一つのスピーカー・ユニットに低域を担当するウーファーと、高域を担当するツィーターを組み込むのは、 歪みの点でも不利です。そして不足する低域をエンクロージャーを共鳴させることで補う手法は、音像がどうしても大きくなりがちで、 ピンポイントの音像で音場描写を得意とするCDには、その良さが活きてきません。
その点、Stradivari Homageはエンクロージャーをあまり共鳴させず、反響をうまくコントロールしながらユニットの性能を最大限に引き出すエンクロージャー構造とし、 ワイドレンジ、低歪率、高分解能でありながら、クラシック音楽などでは深々とした低域の再生を可能としています。それでいてパルシブなサウンドにレスポンス良く 反応出来るので、デジタル録音された最近の演奏なら、ジャズやポピュラー音楽でも、その実力をいかんなく発揮してくれます。 とは言うものの、基本的には Electa(エレクタ) Amator(アマトール)以来の、濡れた美しい音色をしっかり受け継いでおり、E.A.Rやユニゾンリサーチの 真空管アンプと組み合わせ、女性ボーカルを聴いていると、思わず生唾を飲み込んでしまうくらい、色気タップリの音を楽しむことが出来ます。
※下記の画像をクリックすると、拡大して画像をご覧になれます。戻る時には、ブラウザの「戻る」ボタンをクリックして下さい。
正面像です。
ユニット前面のみネットがかけられています。
背面です。
最初からスパイク対応のベースをエンクロージャー
底面に取り付ける構造になっています。
背面ダクトから中のウーファー付近を
見ることが出来ます。
前面足下です。
前の方がスパイクが長めです。
http://www.kusunoki.jp/audio/Sonus_Faber/Sonus_Faber_Stradivari/Sonus_Faber_Stradivari.html
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楠 薫のオーディオ三昧
■ 2005年7月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2005/history2005.html
2005年は、ちょっとした出来事がありました。
メインシステムですが、オートグラフ・ミレニアムを石のアンプで動かしたらどうなるか、 ということでVIOLAのBravoを試聴。
その頃使っていた、ユニゾンリサーチのS6のコクと色気、それに躍動感が及ばない様に思った のですが、実はこれはLINNのLINN Klimax Kontrolとの相性が悪かったためで、Cadenzaと Symphonyの組み合わせでは、Klimax KontrolよりもさらにS/Nが良く、チェロのアンプを手がけて いた方々によるアンプだけあって、高域の少し線は細いものの、美しくみずみずしいサウンドは、 他に類を見ないほど。
発作が起きて、二つともセットで購入してしまうことになりました。
このアンプ、現代最高峰のアンプと言っても良く、オートグラフ・ミレニアムの欠点をも露呈 することになってしまいました。
これは設置した部屋のせいもあるのですが、オートグラフ・ミレニアムはコーナーにちゃんと ぴったり付けるようにしないと、十分な低域が出ません。しかも同軸2ウェイでは、高域が歪っぽく なり、澄んだ美しい透明な高域が出ないことがあります。
これが逆に弦楽器では、眩のこすれる際の、生々しさをうまく出してくれるのですが、ジャズを 鳴らした際の、シンバルの「シャーン」と余韻を伴い、超高域まで伸びていく美しい音色や、デジタル 録音のS/Nが良く、ホールの余韻をふんだんに取り入れた優秀な録音を再生となると、どうも最新の スピーカーの方に分があります。
もちろん、下手な録音の場合は、最新のスピーカーでは、録音のまずさも露呈してしまいますので、 ある一定レベルのサウンドを保証する意味では、タンノイのスピーカーは素晴らしいものがあります。 タンノイのスピーカーは、ユニットだけでなく、そのエンクロージャーの独特の響きでもって 音を再構築し、スピーカーで新たなライブの音を作り出す、と言うのが特徴です。ですから、 タンノイ・ホールと称されるほどの個性的な独特の響きは、そのサウンドを好きになれるかどうかが、 一番の問題でしょう。
個人的な好みを申し上げるのなら、タンノイの音は「凄く好き」です。しかし、もう少し色彩感を 出して欲しい。セッティングの問題ではあるのですが、低域ももっと出て欲しい。
こんなかなり贅沢な望みを満足させてくれたスピーカーが、Sonus FaberのStradivari Homageでし た。現代のスピーカーの中で、クラシック音楽を中心に、ジャズなどの最新デジタル録音を楽しく 聴くことが出来るスピーカーは、他にもいろいろあるかと思いますが、VIOLAのアンプが生きてくる 組み合わせで、となると、このスピーカーをおいて他にないように思います。
実際、このスピーカーになって、FM放送が楽しめるようになりましたし、Jポップも気持ちよく聴ける ようになりました。Rie fu(りえ ふう)の曲に巡り逢えたのも、Stradivari無くしてはあり得なかった、 と言えましょう。
と言うわけで、以下、ラインナップをお示しいたします。
Main System
写真、真中の列が、ソナスファベールのストラディヴァリ・オマージュに
つながるメインシステムです。
FrontEnd(Analogue):
Analogue Player LINN LP12
Cartridge 光悦(Kouetu) 翡翠(JADE)
Tone arm LINN EKOS
Power supply LINN LIGO(写真上段)
FrontEnd(Digital):
CD Player LINN CD12
Phono Amplifier Benz Micro Switzerland PPI type9
Line Amplifier VIOLA CadenzaA (写真上段)
Power Amplifier VIOLA Symphony(写真下段)
Loud Speakers Sonus Faber Stradivari Homage
AC Cables
LINN LIGO Synergistic Absolute Reference AC Master Coupler x2-Series
CD Player AET SIN 1.2m
Line Amplifier AET SIN 1.2m
Power Amplifier Kharma KPC-GR-1a Grand Reference
InterConnect Cables
Phono -> Line Amplifier : Kharma KIC-R-1a Reference
CD Player -> Line Amplifier : AET SCR(1m RCA-RCA)
Line Amplifier -> Power Amplifier : KHARMA KIC-GR-1b Grand Reference XLR 1m pai
Speaker Cables AET SIN(7m)
etc:
Audio Rack : Quadraspire Square table ST660
AC Outlet : HUBBELL SPECIFICATION GRADE DUPLEX RECEPTACLE
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2005/history2005.html
■ 2008年7月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2008/audiohistory200807.html
2008年夏は、梅雨明けが例年に比べて2週間近く早く、暑い夏を迎えました。 同時にオーディオも、いよいよ佳境に。今までストラディヴァリとJBL DD66000はプリアンプが共通で、メインアンプも 同じVIOLAを使用していましたが、ストラディヴァリはその性能をさらに活かすべく、アンプをAYREのものに変更。 CDプレーヤーはLINN CD12で共通ですが、レコードもそれぞれ専用ターンテーブルとし、よりクラシック音楽、ジャズに 特化した音に仕上げてみました。
System1
写真、真中の列が、クラシック音楽用のソナスファベールのストラディヴァリ・オマージュに つながるシステムです。今までのVIOLA Symphonyに代わって、AYREのアンプが、ストラディヴァリの空間 描写能をさらに存分に発揮してくれるようになりました。中段がプリのKX-R。下段がモノブロック・パワーアンプの MX-R。アルミニウムの固まりから精密に切削加工された筐体が見事です。
NFB(ネガティブフィードバック)がゼロ、というのがウリのようですが、そういう技術的なところは抜きにしても、 このアンプの空間の広がりは見事で、しっかりローエンドから超高域まで再生してくれます。
FrontEnd(Analogue):
Analogue PlayerLINN LP12(台上)
Cartridge光悦(Kouetu) 翡翠(JADE)
Tone armLINN EKOS
Power supply:LINN LIGO(写真上段)
FrontEnd(Digital):
CD PlayerLINNCD12(写真上段)
Phono AmplifierBenz Micro Switzerland PPI type9
Line Amplifier:AYRE KX-R (写真中段)
Power Amplifier:AYRE MX-R(写真下段)
Loud SpeakersSonus Faber Stradivari Homage
AC Cables
LINN LIGO:AET SIN 1.2m
LINN CD12:AET SIN 1.8m
AYRE KX-R:AET SIN 1.8m
AYRE MX-R:Kharma KPC-GR-1a Grand Reference Power2.0m
InterConnect Cables
Benz Micro Switzerland PPI type9 --> AYRE KX-R : AET SCR(1.5m RCA with WBT-0110Ag逸品館加工)
LINN CD12 --> AYRE KX-R : AET SIN(RCA 1.0m)
AYRE KX-R --> AYRE MX-R : Kharna KIC-GR-1b Grand Reference XLR 1m pai
Speaker CablesAET SIN(7m)
etc:
Audio Rack : WAKATSUKI Audio table
AC Outlet : HUBBELL SPECIFICATION GRADE DUPLEX RECEPTACLE
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2008/audiohistory200807.html
■ 2010年6月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2010/audiohistory201006.html
この間、もう一つ驚きの進展がありました。
それはクラシック音楽をメインに聴く、ソナスファベールのシステムです。
今まで、同一メーカーでケーブルを固めると、音に偏りが出てしまうため、プリ-->メインアンプ間は、Kharma KIC-GR-1b Grand Reference XLRを 使用して、特に高域が鋭くなりすぎるのを防ぎつつ、みずみずしさを演出するようにしていましたが、Evidenceシリーズは、なんとそれが 不要で、Kharmaですら、その分解能の悪さを露呈してしまったばかりか、ローエンドの切れ味、伸びやかさも一歩譲ることを証明して しまうことになりました。
まるで家訓のように、時には掟のように自らを制すべく「同一メーカーのケーブルで固めない」を金科玉条の如く守り続け、 禁じ手として封じてきた私にとって、まさに目から鱗の音でした。
何事も、先入観を捨ててゼロから見直すことの重要性を改めて思い知らされた気がしました。
私の耳元で、「SOLO」っと呟いた友人から、「この音なら、金を出してでも、もう一度聴きに来たい音だ」と、私にとって、 最大の賛辞をいただきましたが、私自身も、BRAVOにこだわっていたら、おそらく、到達出来なかった、ワンランク上の音だと 確信を持って言えます。
でも、困ったことが一つあります。
それは、最新の録音の良い演奏とも、一昔前に良い録音と言われた演奏も、オーディオレベルが上がったため、 その差が聴き分けにくくなったこと。
そして、今まで聴こえていなかった音が聴こえてしまい、Bill EvansのWalts For Debbyなどでは、お客のおしゃべりが妙に気になってしまいます。 拍手するお客もこれほどたくさん居たのか、と驚かされます。ウェイター(ウェイトレスかも知れませんが) もっとグラスはぶつけないように運べよ、と愚痴も言いたくなってしまいます。 そこのオッサン、バカ笑いは止めろよ、とスピーカーを睨み付けてしまいたくなってしまいます。
System1
写真、真中の列が、クラシック音楽用のソナスファベールのストラディヴァリ・オマージュにつながるシステムです。
新生LP12がメインボードに戻ってきて、本格的に我がオーディオシステムに加わり、クラシック音楽もアナログディスクが楽しめるようになりました。
代わりに、あの、CD12が横に追いやられて、今ではクラシック音楽システムでしか聴くことが出来なくなってしまいました。
LP12、正確に言うとURIKAからのラインケーブルもEvidenceに替えたところ、今までは高域寄りだったエネルギーバランスが、中低域まで しかもエネルギッシュかつ透明感を伴った鳴り方に変わり、音の鮮度も2ランクくらいupして、超最新のアナログプレーヤーを聴いている かのような錯覚を覚えます。
しかし、メインのKlimax DSシステムによるクラシック音楽は、AET Evidenceシリーズのケーブルが加わって、今までより空間描写が さらに素晴らしく、しかも粒立ちの良い、ローエンドから高域までビシッと伸びた、それでいて耳障りでない、高解像度の音を楽しめる ようになりました。
こうして言葉にして書くと、何だか通り一遍の書き方になるのですが、間違いなく、スピーカーかアンプを変えたくらいに相当する、 ワンランクアップした音です。
それは先に書いたように、Kharma KIC-GR-1b Grand ReferenceのXLRケーブルや電源ケーブルが介在しなくなったお陰なのかも知れません。
それにしても怖るべし、AET Evidence。
FrontEnd(Analogue):
Analogue PlayerLINN LP12(ボード上)
Cartridge光悦(Kouetu) 翡翠(JADE)
Tone arm LINN EKOS SE
Power supply:RADIKAL
Others:KEEL,TRAMPOLIN II
FrontEnd(Digital):
DS Player:LINN Klimax DS(ボード上段)
CD Player:LINN CD12(写真左台上)
Phono Amplifier:URIKA(LP12 in Body)
Line Amplifier:AYRE KX-R (ボード中段)
Power Amplifier:AYRE MX-R(ボード下段)
Loud SpeakersSonus Faber Stradivari Homage
AC Cables
LINN LIGO:AET Evidence AC 1.2m
LINN CD12:AET SIN 1.2m
AYRE KX-R:AET Evidence AC 1.2m
AYRE MX-R: AET Evidence AC 1.2m
InterConnect Cables
LINN CD12 --> AYRE KX-R : AET SIN Evo RCA 1.2m
AYRE KX-R --> AYRE MX-R : AET Evidence XLR 1.2m
Speaker CablesAET SIN(7m)
etc:
Audio Rack : WAKATSUKI Audio table
AC Outlet : HUBBELL SPECIFICATION GRADE DUPLEX RECEPTACLE
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2010/audiohistory201006.html
■ 2010年10月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2010/audiohistory201010.html
世の中、本当に上には上があるものです。
First Watt J2のところでも書いていますが、あの、298万円もしたセパレートのメインアンプ、Ayre MX-Rを、ネルソン・パスの手による定価40万円のFirst Watt J2が、いとも簡単に主役の座から引きずり降ろしたのですから。
サブシステムのB&W Sigunature Diamondのアンプ探しの一環として、当初はOVER model PM1 が圧倒的な存在感を示したのですが、OVER model PM1の原型ともなった、ネルソン・パスの First Wattのアンプということで興味を持ち、試聴してみました。
OVER model PM1も凄かったのですが、First Watt J2は、達人と名人の差、とでも言いましょうか、ちょっと次元が違いました。
OVER model PM1の音は、出てくる音、一つ一つに凄いと感心しました。実際、今まで我が家で 聴いた、サブシステム用の音としては、最高でした。音の美しさなど、なかなか真似が出来ない ものです。
しかし、First Watt J2は、それをいとも簡単にやってみせた上に、抜群の解像度をひけらすこともなく、 当たり前の音を当たり前に、「この楽器、そう言えば、こういう音だったよな」と、 実に自然に聴かせてくれるのです。しかも気品があり、さらにスピーカーがソナスファベールの メインシステムでは、男を喜ばせるツボを知り尽くした、小悪魔的な、とろけさせてくれる音まで聴かせてくれるのです。もちろん、スピーカーがソナスファベールのストラディヴァリだから成せる技、なのかも知れませんが。
一見、大人しい物静かで真面目そうな小娘だと思ったら大間違い。
脱がせてみたら、眩暈がするくらいの見事なプロポーションに加え、どこで覚えたか、 身も心もとろけさせる手練手管で、年甲斐もなく我を忘れて、この娘のためなら何でもしてあげたく なるような音、とでも申しましょうか。
現実世界を、一瞬、忘れさせてくれるような、そんな音を奏でてくれます。
メインアンプなのにボリュームの無いメインアンプのFirst Watt J2をダイレクトのKlimax DSに 繋ぐことが出来るのは、Klimax DSのソフトウエアがCara 9にupdateされたため、可変出力が 可能になったからです。
それはともかく、この音を聴いた時、おそらくどなたでも考えることだと思いますが、 「メインのシステムで聴いたら、どんな音がするのだろう?」
First Watt J2の値段は\400,000。一方、Ayre MX-Rは\2,980,000円。誰が考えても、 Ayre MX-Rに軍配が上がるであろうと考えることでしょう。
さらに懸念もあります。
それは、出力は8Ω負荷で25Wですが、拙宅のソナスファベールのストラディヴァリは4Ωなので、通常は出力が増加するケースが多いのですが、素子にJ-FETを使用しているFirst Watt J2は、逆に出力が15Wに減少してしまうのです。92dBと、比較的高能率のスピーカーではありますが、15Wで駆動するとなると、さすがにパワー不足になるだろう、と。
その懸念は、音が出た瞬間に吹き飛びました。
Ayre MX-Rも透明感があって、空間描写能に優れた良いアンプですが、2階桟敷の遠くで聴いている 感じ。対して、First Watt J2は指揮者のちょっと後ろくらいで聴いている感じ。
解像度が抜群で、オーケストラに少し顔を突っ込んで聴いているような錯覚を覚えます。それでいて 録音されている余韻も見事に再現してくれるので、同じオーケストラでもホールの違いで響きが 違ってくることを、これほど描き分けてくれるアンプはありません。
低域も、高域も十分に伸びて、それでいて高域が耳障りになることもなく、低域もだぶついたり、 寸詰まりになることがありません。正直言って、驚きました。
そしてさんざん考えた末、ソナスファベールに繋がるメインアンプを、Ayre MX-Rから交代することに決断したのです。
もちろん、下取りに出してもお釣りが来る金額。そこで何をしたかと言うと、そのお金で新しい AETのEvidenceシリーズのケーブルを購入したのです。
これがまたツボにはまって、粒立ちと解像度の抜群に良い音を奏でてくれるようになり、力感が 一層増して、15Wでも本当にパワー不足感の無い、クラシック音楽と女性ボーカルシステムが 出来上がりました。
VIOLAのLegacyに挟まれ、真ん中にチョコンと小さくちんざしているのが、First Watt J2。 ま、Legacyがあまりにも大きすぎる、と言えば言えなくもないのですが。
なお、ネルソン・パスのご尊顔を仰ぎたい方は、First WattのWebをご覧下さい。
まるで仙人のような、それでいてスケベそうなところは、E.A.R.のティム・デ・パラビッチーニ にそっくりです。音も真空管とFETの違いはありますが、たとえば、E.A.R.の859 Integrated Amplifier と、どことなく似通っているような気が、しないでもありません。
System1
パワーアンプが一台になり、しかもそれをスピーカーの前に持って行ったため、大幅なシステム変更が 成されました。
今まで左の電源コンセントの近くにあったラックが無くなり、代わりにDSやCD、電源部を段積みする ことになってしまいました。 AETのEvidenceシリーズを、ほぼ全面的に取り入れることによって、音の解像度、粒立ち等が格段に 増し、低域の寸詰まり感も解消しつつあります。
FrontEnd(Analogue):
Analogue PlayerLINN LP12(ボード上)
Cartridge光悦(Kouetu) 翡翠(JADE)
Tone arm LINN EKOS SE
Power supply:RADIKAL
Others:KEEL,TRAMPOLIN II
FrontEnd(Digital):
DS Player:LINN Klimax DS(ラック上段下)
CD Player:LINN CD12(写真左台上)
Phono Amplifier:URIKA(LP12 in Body)
Line Amplifier:AYRE KX-R (ラック中段)
Power Amplifier:First Watt J2
Loud SpeakersSonus Faber Stradivari Homage
AC Cables
LINN LIGO:AET Evidence AC 1.2m
LINN CD12:AET SIN 1.2m
AYRE KX-R:AET Evidence AC 1.2m
First Watt J2: AET Evidence AC 1.8m
InterConnect Cables
LINN CD12 --> AYRE KX-R : AET SIN Evo RCA 1.2m
AYRE KX-R --> AYRE MX-R : AET Evidence XLR 6.6m
Speaker Cables : AET Evodemce SP 2.7m
etc:
Audio Rack : WAKATSUKI Audio table
AC Outlet :WATTGATE Model 381
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2010/audiohistory201010.html
■ 2012年4月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2012/audiohistory201204.html
あの、First Watt J2を超えたのは、やはり ネルソン・パスのアンプでした。
First Watt SIT-1。
V-FETの最新版、スタティック・インダクション・トランジスターと呼ばれるSIT素子を使用した純A級動作をする、出力10W、消費電力200Wの、 とても熱くなるモノラル・アンプです。
J2でもヴェールを一枚剥いだような、鮮度の高い音でしたが、SIT-1は、エッジがクッキリ描かれ、音の一粒一粒がキリリと引き締まっていながら、 音の表情が多彩で、楽器の立ち位置までが手に取るようにわかると言ったら言い過ぎかも知れませんが、空間に広がる音の余韻と、本体部分を クッキリ描き分けるあたりは、他に追随を許さない出来映えと言って良いかも知れません。
オーケストラのファーストヴァイオリンの最前列が2人であることを、音でわからせてくれた、初めてのアンプです。
なめらかな音はなめらかに、荒っぽい音は荒く、底を這う低域は、底を這うように、当たり前のことなのかも知れませんが、質感をこれだけ 正しく出してくれるアンプも珍しいかと思います。
パワーは10Wですが、ソナスファベールのストラディヴァリを鳴らしても、J2の時よりパワー不足感を感じないくらいです。
そういうわけで、メインシステムのクラシック音楽用は、First Watt SIT-1に交代となりました。
System1
モノラル・アンプになったので、スピーカー前のアンプの配置を、少々変更しました。
それにしても、本当に熱くなるアンプです。
最初は内側にFirst Watt SIT-1を置いていましたが、あまりにも加熱してしまうのと、Legacyがソナスの スピーカーのウーファー前に来てしまって、熱の関係もあって具合が悪いので、いろいろ考えた 末、First Watt SIT-1を両端に持ってくるようにしました。 コントロール・ルームの入れ替えは今のところありません。
ただ、First Watt SIT-1がRCA入力だけなので、AYRE KX-Rからの出力もRCA対応にするため、メーカー指定の 変換プラグを使用することになりました。当初は音の劣化が懸念されましたが、その部分で劣化 したと思われる分は、十分、他で取り返しているように思います。
FrontEnd(Analogue):
Analogue PlayerLINN LP12(ボード上)
Cartridge光悦(Kouetu) 翡翠(JADE)
Tone arm LINN EKOS SE
Power supply:RADIKAL
Others:KEEL,TRAMPOLIN II
FrontEnd(Digital):
DS Player:LINN Klimax DS(ラック上段下)
CD Player:LINN CD12(写真左台上)
Phono Amplifier:URIKA(LP12 in Body)
Line Amplifier:AYRE KX-R (ラック中段)
Power Amplifier:First Watt SIT-1
Loud SpeakersSonus Faber Stradivari Homage
AC Cables
LINN LIGO:AET Evidence AC 1.2m
LINN CD12:AET SIN 1.2m
AYRE KX-R:AET Evidence AC 1.2m
First Watt SIT-1: AET Evidence AC 1.8m
InterConnect Cables
LINN CD12 --> AYRE KX-R : AET Evidence LINE RCA 80cm
LINN Klimax DS --> AYRE KX-R : AET Evidence LINE XLR 80cm
AYRE KX-R --> First Watt SIT-1 : AET Evidence RCA 6.5m
Speaker Cables : AET Evodemce SP 2.7m
etc:
Audio Rack : WAKATSUKI Audio table
AC Outlet :WATTGATE Model 381
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2012/audiohistory201204.html
■ 2012年12月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2012/audiohistory201212.html
2012年4月に、久しぶりにシステムを一部変更したのは前出の通り。
ネルソン・パスを超えるのは、やはりネルソン・パスしかいことを改めて思い知りました。
First Watt SIT-1は、出力10Wとは思えない、力もあり、音の形をより正確に、色彩豊かに描きます。
そして、そのSIT-1に合うプリ探しが、とんでもない結果を産んでしまいました。
なんと、11月にはOCTAVE HP500SE/LEの正妻の座への復活!
以前、Ayreのアンプを使用していた時には、このプリアンプも試してみていたのですが、 少し音がクリアさに欠け、音が重たいと感じたのですが……。
それが、メインアンプをFirst Watt SIT-1に変えてから、どうもAyreのラインアンプの音が 浮遊して地に足がついていない音だと感じて、他のプリアンプをいろいろ試聴することにしました。 解像度などの点と、メインアンプと同じ作者だけあって傾向が似ているということで、 ほぼ、パス・ラボのPASS XP-30に決まりかけていたのです。
試聴機を返却し、AYRE KX-Rを下取りに出して購入資金を捻出し、他のプリも一応試すことに して、手元にクラシック音楽用のプリアンプがなくなったので、とりあえずは OCTAVE HP500SE/LE でも鳴らしておくか、と繋いでみて、ぶっ飛びました。
First Watt SIT-1でSonus Faber Stradivari Homageを鳴らすと、鋭く鳴り過ぎて、ちょっと どうかな、と思っていたところを見事に補い、透明感がありながら、懐の深い鳴り方をします。
しかも、伸びやかでストレス・フリー。音ではなく、音楽に身を委ねることが出来る音です。
加えて音が単調にならず、色彩豊か。
メインアンプに寄り添った鳴り方をしているかのようです。
もっとも、拙宅のOCTAVE HP500SE/LEは、Limitted Editionで、現行のSVとは回路的にも 少し違うようですが、詳細はわかりません。
さらに真空管を交換し、私好みの音になっている点も見過ごせません。
ですから、同じOCTAVE HP500SEでも、現行品を購入して、同じ音で鳴るわけではないのですが、 懐が深くてしなやかで伸びやかな鳴り方はムラード。
楽器の質感を正確に描き出し、色彩豊かでシャープな鳴り方は、テレフンケン。
たまたまでしょうが、それぞれの持ち味が生かされて、うまく溶け合った音、と言えましょう。
それが活かされる、真空管の持ち味が損なわれない卓越した回路技術も重要なのでしょう。
OCTAVE HP500SE/LEについて、 詳細はこちらまで。
http://www.kusunoki.jp/audio/OCTAVE/OCTAVE-HP500SE-LE/OCTAVE-HP500SE-LE.htm
System1
スピーカーやメインアンプの入れ替えは無いので、フロント画面はまったく同じです。 しかし、システム・ラックの中は、それなりの移動がありました。
今まで、クラシック音楽用のラインアンプはAyre KX-Rでしたが、見事に返り咲いた OCTAVE HP500SE/LEが 鎮座することになりました。しかも、ジャズ用のEMT927のフォノ部も兼ねて、です。
ですから、EMT927の音を、今まで聴けなかったSonus Faber Stradivari Homageで鳴らすことが 出来、同じソースでの聴き較べが可能となりました。
FrontEnd(Analogue):
Analogue PlayerLINN LP12(ラック上)
Cartridge光悦(Kouetu) 翡翠(JADE)
Tone arm LINN EKOS SE
Power supply:RADIKAL
Others:KEEL,TRAMPOLIN II
FrontEnd(Digital):
DS Player:LINN Klimax DS(ラック左中段)
Phono Amplifier:URIKA(LP12 in Body)
Line Amplifier: OCTAVE HP500SE/LE (ラック左上段)
Power Amplifier:First Watt SIT-1
Loud SpeakersSonus Faber Stradivari Homage
AC Cables
LINN LIGO:AET Evidence AC 1.2m
OCTAVE HP500SE/LE: AET Evidence AC 1.2m
First Watt SIT-1: AET Evidence AC 1.8m
InterConnect Cables
LINN Klimax DS --> OCTAVE HP500SE/LE : AET Evidence LINE XLR 80cm
OCTAVE HP500SE/LE --> First Watt SIT-1 : AET Evidence RCA 6.5m
Speaker Cables : AET Evodemce SP 2.7m
etc:
Audio Rack : WAKATSUKI Audio table
AC Outlet :WATTGATE Model 381
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2012/audiohistory201212.html
■ 2015年10月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2015/audiohistory20151011.html
以下、写真の説明です。
下段左:GAS「THAEDRA II」(ボンジョルノ)
ラック下段: S.S.T. 「Son of Ampzilla 2000」(ボンジョルノ)
下段右:GAS「THAEDRA」(ボンジョルノ)
ラック中段:LINN Klimax Renew DS & LNP-2L電源
ラック上段:Sonus Faber Musica
VIOLA LEGACYの右上:Mark Levinson LNP-2L
VIOLA LEGACYの左上:SUMO POLARIS(ボンジョルノ) JBL DD66000の間:200V-->115V & 100Vトランス
ジェームス・ボンジョルノ氏の手によるアンプが幾つか試聴出来る環境になったので、個人的な感想を書いてみることにします。
試聴を行った組み合わせは、スピーカーはHARBETH HLCompact 7ES-3
ソースはLINN Renew Klimax DSで、主にジャズです。
インターコネクトケーブルはAET Evidence RCA、スピーカーケーブルはAET Evidence SPです。
ケーブル類は他にも
・WE-AIW 10GA SP cable(YラグはWBT-0681Cu フォーク部内寸: 8mm使用)
・EXIMA Speaker Cable
・BELDEN 8423 TRS phone-XLR silver(XLR側RCAに変換プラグ使用)
も使用してみましたが、全体の本質的な傾向は変わりませんでした。
スピーカーをSonus Faber Stradivari Homageでも聴いてみましたが、相性なのか、Sonus Faber Stradivari Homageの密度が濃くて透明感のある、 繊細でしなやか、伸びやかなサウンドにはちょっとマッチしない感じの音で、これはスピーカーはSonus Faberを選択するな、 ということだと悟り、Sonus Faber Stradivari Homageでの試聴は中断しました。
KISO HB-X1は低域が元々、あまり出ないので、微妙な比較試聴にによる評価には向かないみたいで、結局、スピーカーはHARBETH HLCompact 7ES-3で 判断することにしました。
SUMO POLARISは音の響きや音の粒立ちを大切にするというより、グイグイ引っ張っていくような鳴り方をするようです。
音が一つの塊になったような感じもします。その分、色彩感が乏しくなったような感じも受けます。
この傾向はプリアンプもSUMO ATHENAを使用するとさらに顕著に出てきます。
SUMO ATHENA & POLARISではマッチョな男たちが、筋肉美を競っているような、ちょっと暑苦しさを覚えます。
でもこれは見方を変えると、低域が出過ぎてコントロールで苦労していた方にはとても朗報なアンプとも言えます。
GASアンプジラはファンの回転音が人によっては耳について、小さい音量や、音楽の余韻まで楽しむ方には向かないでしょう。
しかしそんなことは気にせず、ある一定以上の音量で、スピーカーをガンガン鳴らして楽しむ方には、好ましいアンプに映るでしょう。
さらに音の粒立ちも少し大きめで、ハッキリ、クッキリしていますので、大きな部屋で大型システムを少し離れて聴くのに適しているかと思います。
次にパワーアンプをS.S.T.「Son of Ampzilla 2000」に固定し、プリアンプを変えてみました。
GAS「THAEDRA」は初期型と、IIがあるようですが、IIでは音の粒立ちも良く、低域も良く出ていて楽しめる音です。
これを初期型のTHAEDRAにすると、音の粒立ちがわずかに大人しくなり、中高域はフレッシュ感のある、伸びやかさが伴う一方、低域は出てはいるものの、 量感がそれほどではなく、寸詰まり感がわずかにあるように思います。
ダンピングファクターが大きくて低域の制動が良すぎるのでしょうか?
とは言うものの、IIの音を聴いていなければ、寸詰まり感なんて覚えないほどで、それくらいIIは開放的で華やかな音です。
しかし、よくよく聴いてみると、IIは音の粒立ちが大きく、低域は初期型と較べて、ちょっと強引に持ち上げているようなピーク感があります。
その後のSUMO程のマッチョ感まではありませんが、低域の量感が強めで、高域も音の粒が大きめ。
つまり、作った音、という気がするのです。このあたりが評価が分かれるところかと思います。
でも、HARBETH HLCompact 7ES-3のエンクロージャーを上手に響かせ、大型スピーカーにも負けないくらいの鳴りっぷりを披露してくれるあたりは、脱帽です。
SUMO ATHENAは寸詰まりを通り越して、ちょっと解像度不足か、と思わせるような音で、半日鳴らしても改善しませんでした。
かといって、パワーアンプがSUMO POLARISの時よりは分解能が良いので、パワーアンプだけ問うなら、この組み合わせの方が好みです。
しかしGAS「THAEDRA」IIの色彩感、表情の豊かさには及ばないので、SUMO ATHENAの出番はありません。
と言うわけで、私の選んだ組み合わせは、GAS「THAEDRA」II & S.S.T.「Son of Ampzilla 2000」です。
そしてこれはスピーカーを「KISO HB-X1」に変えても、十分に楽しめる音でした。
しかし、これはあくまでジャズやポピュラー音楽をHARBETH HLCompact 7ES-3で聴くことを前提としたアンプの選択です。
クラシック音楽、中でも室内楽を聴くなら、プリメインアンプですが、 Sonus Faber Musicaの、気品があってしなやかで懐が深く、 馥郁として爽やかに吹き抜けていく音を一度耳にしたら、これを超えるのはFMアコースティックくらいしかないかな、なんて思ってしまうほど、 衝撃を受けたものです。
Sonus Faber MusicaとSonus Faber Stradivari Homageとの組み合わせはさすがと思わせるものがありますが、せっかくのStradivari Homageの解像度を活かすなら、 パワーアンプはFirst Watt SIT-1の圧倒的な鮮度(曇りがなく明瞭で勢いのある音)、空間分解能も活かしたいところです。
が、SIT-1ではいかんせん、パワー不足。
そこで、Sonus Faber Musicaのヒューズをフルテックのオーディオ用に交換してみることにしました。
First Watt SIT-1でも効果があったので、ぜひ試してみようと思っていました。
驚いたことに、解像度が上がって、直接音と音楽ホールの残響成分が共鳴して、時に唸るような音のしなりを体感できるようになったのです。
高額なアンプでも、これを濁りなく鳴らしきるアンプは、本当に数少ないものです。
かのボンジョルノの手によるGAS THAEDRA II & Son of Ampzilla 2000では生き生きと鳴り、 音は弾んでくれて粒立ちが素晴らしいのですが、音のしなりまではもう一歩のところで、 Sonus Faber Musicaほどは再現できません。
残響の美しさでは、浮遊感が見事なAYRE KX-R(プリアンプ) & MX-R(パワーアンプ)が今までの中では 最右翼に上げられますが、それとも違い、しっかり地に足を付けています。
イタリア貴族のお姫様が嫁ぎ先で手の込んだ高級な宮廷料理ばかり食していて、 このところ元気がなく、とんと笑顔を見せてくれなかったのが、 郷里の友人たちが訪ねて来て、持ち込んだソウルフードを食したところ、破顔一笑、 「これよ、これ!」そう言うと、大きく目を見開いて元気に歌い出した、 そんな感じの歌いっぷりです。
思わず、聴き手の自分まで、胸が高鳴り、そして胸が熱くなるような鳴り方でした。
室内楽はもちろん、オーケストラも、大貫妙子や坂本真綾、Rickie Lee Jonesなどの 女性ボーカルも見事!
久しぶりに感動のサウンドでした。
おそらくFMアコースティックならもっと解像度もあるだろうし、低域も出るでしょう。 EARの妖艶さに及ばないのは、言われるまでもありません。
First Watt SIT-1の抜群な解像度と、まるで近世の名刀のような、 切れ味鋭くローエンドまで伸びきったサウンドにはさすがに敵いません。
でも、弦楽器の奏でる、芯がありながら余韻がしなる響きの美しさ、 吹き抜ける爽やかな風の心地よさは、これはこれで、また格別。
かつて長野県原村の「ペンション・ムジカ」で聴いたオートグラフの 颯爽と爽やかに吹き抜けるサウンドを彷彿とさせます。
写真はこちら
残念ながら2013年4月末で閉店とのこと。最後にもう一度、行ってみたかったですね。
ちなみにシステムは以下の通り。
プレーヤ:ガラード401
カートリッジ:オルトフォンSPU-G
昇圧トランス:カンノSPU30(カンノ・スーパーパーマロイ・トランス結合式タイプSPU)
WE-262B-349A-284Dのモノラルパワーアンプ
CDプレーヤーはフィリップスLHH1000
オートグラフはスピーカーで音を再構築し、あたかもそこで演奏しているかのように鳴らす、音像型スピーカーです。
Sonus Faber Stradivari Homageはエンクロージャーをうまく響かせる音像型の特性を持ちながら、 スピーカーユニットの持つ抜群な解像度と、100kHz近くまでフラットな特性を武器に隠し持っています。
Sonus Faber Stradivari Homageの中高域の明るさ、緻密でエネルギー感のある音はこういう風に 鳴らせば線が細くもならないし、余韻の美しさを引き出せるんだ、というようなお手本のような鳴らせ方を Musicaは聴かせてくれます。
まぁ、Sonus Faber Musicaのその名が示すように、自分の所のスピーカーを鳴らすのを 最善に考えたプリメインアンプですから、うまく鳴って当然なのでしょうが、個人的な 感想を言わせていただければ、「自分の所のスピーカーの良いところも悪いところも 知り尽くしていて、どう鳴らせば良いか十分なノウハウがあるんだから、ずるいよなぁ」です。
ともすれば、Sonus Faber Stradivari Homageの中低域の厚みが不足しがちなところも見事に解消されています。
ローエンドだって、FMアコースティックやFirst Watt SIT-1程には伸びていませんが、 肉厚で実体感のある音です。First Watt SIT-1の時のようにトルク不足による、中低域のパンチ力不足に陥ることはありません。
もっとも、ジャズに関して言えば、細川綾子さんの女性ボーカルは抜群ですが、余韻まで全部響かせてしまおうとするので、 音が重なり合ってしまい、シンバルを切れ味鋭く鳴らして色彩豊かに描き分けることは、不得意のようです。
とは言うものの、余韻の部分とアタックの部分をきちんと描き分けて余韻が漂う様を楽しむのなら、 むしろSonus Faber Musicaは最右翼かも知れません。
System1
今、実験的に、クラシック音楽専用に、LINN Klimax DSからアンバランスで直接、Sonus Faber Musicaに AET Evidence RCAで入力、再生する方法を試みています。
LINNKlimax Renew DSでは音の芯が少し弱いところが、カバーできて、よりフレッシュなサウンドになっているように思います。
さらには、5月の時点でシステム・ラックの中は、かなり変更がありました。
それまでの頑丈な左右2列の大型ラックを止め、一列ずつ、別のQUADRASPIRE(クアドラスパイア)の ラック(Q4D SlitとQ4 Slit)に収めることになりました。
一つはBUFFALOから出ている、オーディオ専用のNASDELA N1Z の導入(しかも2台!)で、一つ一つの棚の高さはそれほどではないのですが、段数が倍増したこと。
そしてもう一つは発熱が凄くて、Q4DもSlitタイプで熱を逃がしてやらないと熱が籠もって DELAやLINN Klimax DSが加熱してしまうこと。
FrontEnd(Analogue):
Analogue PlayerLINN LP12(ラック上)
Cartridge光悦(Kouetu) 翡翠(JADE)
Tone arm LINN EKOS SE
Power supply:RADIKAL
Others:KEEL,TRAMPOLIN II
FrontEnd(Digital):
DS Player:LINN Klimax DS(ラック左上段)
Phono Amplifier:URIKA(LP12 in Body)
Line Amplifier: OCTAVE HP500SE/LE (ラック右下から3段目)
Power Amplifier:First Watt SIT-1
Loud SpeakersSonus Faber Stradivari Homage
AC Cables
LINN LIGO:AET Evidence AC 1.2m
OCTAVE HP500SE/LE: AET Evidence AC 1.2m
First Watt SIT-1: AET Evidence AC 1.8m
InterConnect Cables
LINN Klimax DS --> OCTAVE HP500SE/LE : AET Evidence LINE XLR 80cm
OCTAVE HP500SE/LE --> First Watt SIT-1 : AET Evidence RCA 6.5m
Speaker Cables : AET Evodemce SP 2.7m
etc:
Audio Rack : WAKATSUKI Audio table
AC Outlet :WATTGATE Model 381
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2015/audiohistory20151011.html
■ 2016年8月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2016/audiohistory20160812.html
メインのSonus Faber Stradivari HomageはParavicini312とDan D'Agostino Momentum MONOで 鳴らすという、変則的なシステム。
メーターの下の、上から見えないところに、小さな突起のようなスイッチがあり、 指を足許に差し入れて突起に触れると電源が入って歌い出すというシロモノ。
Dan D'Agostino氏は実にエッチでスケベな男に違いありません。
ボンジョルノ氏はお亡くなりになりましたが、Dan D'Agostino氏はまだまだお元気のようで、 なによりです。
System1
クラシック音楽用のプリアンプがOCTAVE HP500SEからParavicini312
に変わりました。
OCTAVE HP500SEではどちらかと言うと、こぢんまり、カッチリ、キッチリしたサウンドでしたが、 Paravicini312になってからは、少しスケールが大きく、よく歌うようになりました。
FrontEnd(Analogue):
Analogue PlayerLINN LP12(ラック上)
Cartridge光悦(Kouetu) 翡翠(JADE)
Tone arm LINN EKOS SE
Power supply:RADIKAL
Others:KEEL,TRAMPOLIN II
FrontEnd(Digital):
DS Player:LINN Klimax DS(ラック左上段)
Phono Amplifier:URIKA(LP12 in Body)
Line Amplifier: Paravicini312 (ラック右下から3段目)
Power Amplifier:Dan D'Agostino Momentum MONO
Loud SpeakersSonus Faber Stradivari Homage
Speaker Cables : AET Evidemce SP 2.7m
etc:
AC Outlet :WATTGATE Model 381
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2016/audiohistory20160812.html
■ 2017年5月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2017/audiohistory20170503.html
システムが実にスッキリしました。
サブシステムのKISO HB-X1を手放し、スピーカーケーブルもWestern Electricの8GAスピーカーケーブルに、フルテックのロジウムメッキYラグCF201(R)を使用していましたが、Nordosrt Odin2 の試聴をきっかけに、Nordosrt Odinとの比較試聴も行い、スピーカーケーブル、電源ケーブルはクラシック音楽用のSonus Faber Stradivari Homageを鳴らすシステムには、Nordosrt Odinを導入しました。
Nordosrt OdinとNordosrt Odin2の違いは、見た目的には、Odinが電源ケーブルにはフルテックのプラグを使用しています。
スピーカーケーブルは、平形フラットケーブルのL,R中心に、白と黒で色分けしているのがOdin2で、
色分けしていないのが、Odinです。
音的には、Odin2が繊細で、音の色数も多く、一聴、ワイドレンジですが、低域の量感が少なく、高域が繊細な分、力感に乏しいイメージです。
その点、Odinは低域に凄みすら感じられるほど厚みと深みもあり、それでいてもたつかず、芯のある粒立ちの良い高域が魅力的です。
結局、一ヶ月ほどお借りしてさんざん試聴した結果、値段的な面もあって、代理店ご推薦のOdin2ではなく、Odin購入と相成ってしまいました。
EAR509 IIに接続すると、こんな感じです。
このOdinが、これまたEAR509 IIの線の細さを補って、実にちょうど良い感じに低域 から高域まで、ビシッと線の太さが整った、見事な楽器の質感を聴かせます。
それでいてEAR509 IIの繊細さ、空気感を損なうこと無く、AET Evidence SPと Evidence ACで組み合わせた時の妖艶さ、思わず抱きしめたくなるほどの色気に 惑わされながらも、Odinの爽やかな高原の美少女タイプのサウンドを選択することに なりました。
実は、2013年にヨシノトレーディングからプリアンプEAR912と真空管セパレート・パワーアンプEAR509 MkIIを借りて自宅試聴し、EAR912 & EAR509 Mk IIの抱きしめたくなるような色気に惑わされながらも、素直で余裕のあるParavicini312とDan D'Agostino Momentum MONOの組み合わせに一時期、落ち着いたつもりだったのですが、Dan D'Agostino Momentum MONOの、質実剛健で筋肉質のサウンドは、Odinの爽やかで、 ここぞと言うときには凄みすら感じられる低域のスケール感を得たEAR509 IIの前に、 僅差で敗れ去った次第。
Dan D'Agostino Momentum MONO、けっこう良い線行っていたのですよ、本当に。
もうちょっと、色気と繊細さがあれば、残っていたのかも知れません。
「そんなに胸、大っきくなくても、あまりまとわりつかず、そっと寄り添ってくれて、弾けるときは思い切り弾けてワクワクさせられ、一緒に居て(聴いていて)楽しいのが 一番」ってことで、決定となった次第。
でも、Odinの、新品のアンプが十分購入出来るほどの出費は痛かった!
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2017/audiohistory20170503.html
■ 2017年12月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2017/audiohistory20171230.html
システムがさらにスッキリしました。
クラシック音楽用のシステムが、プリがSpectral DMC-30SVに、パワーがSpectral DMA-260 series2 に変更となりました。
実はSpectralのアンプは、何度も聴いたことがあります。
最初は大学在学中で、マーチンローガンのスピーカーをSpectralのプリとパワーアンプで 駆動していたのですが、えらく高域寄りの空間描写に固執したような鳴り方をしていました。
当時はタンノイのスターリングを愛用し、伸びやかでスケールの大きな低域が好みだった こともあり、選択肢からあっさり外れてしまったものです。
その後も、大学近くのショップで何度か聴きましたが、マーチンローガンにサブウーファー のようなものを付けて聴いた時も、あまり感心しませんでした。
それが、再びSpectralの名を私が信頼するオーディオショップで耳にし、たまたま そのお店が処分価格で放出する現行のDMA-260 series2を拙宅で試聴したところ、 真空管アンプのようなきめ細かさに加え、音の立ち上がりが素早く力感があり、Spectralならではの 空間描写の良さも手伝って、そのサウンドに惚れ込み、購入を決定。
さらにショップの試聴用デモ機のSpectralのプリアンプ、DMC-30SCが処分価格で放出される と聞き、最新のDMC-30SVと拙宅で同時比較試聴することにしました。
DMC-30SCでは全体のエネルギー感が高域寄りで、もう少し低域の凄みが出ると良いと思っていたところ、 30SVでは浮遊感と空間描写能は30SCより劣るかも知れませんが、重心が下がって伸びやかでかつ 芯のある低域を聴かせてくれたので、思わず身を乗り出して聴き入ってしまいました。
処分価格ではないので、高額ではありましたが、あの音を耳にしてしまっては、後には戻れません。
ヤフオクで使用しないアンプとケーブルを売却し、最新のDMC-30SVを購入することにいたしました。
クラシック音楽を聴くには低域まで伸びとしなやかさが欲しいし、夏場の暑い盛りに真空管パワーアンプの EAR509 II以外の選択肢はないか、 いろいろ探していて、音の鮮度とローエンドの伸びと切れに関しては、Spectral DMC-30SVとSpectral DMA-260 series2 の組み合わせに辿り着いたものの、Eau Rouge ER-PS Signatureの電源ケーブルを導入した段階では高域のエネルギー感が強く、 「ちょっと声高の目つきが鋭い、ヒステリー気味のお嬢さん」的鳴りっぷりで、その時点ではスピーカーケーブルはOdinが 最もイメージに近いと思ったのですが、エージングで改善されるレベルを超えている気がして、もう少し落ち着きが欲しい と思っていました。
たまたまMAXオーディオのオーディオフェアにTim de Paravicini氏が来訪する旨を伝え聞き、ご尊顔を拝したく EARのブースを訪れた際、 Yoshino Trading(ヨシノトレーディング)社長で、奥さまの芳野さまより、 Yoshino Tradingが輸入代理店を務める、「Kubala・Sosna」 のスピーカーケーブル、Expression(エクスプレッション)をお借りして鳴らしてみることにしました。
国内はおろか、アメリカの「ケーブルカンパニー」という、ケーブル専門店でも識らない、超マイナーな アメリカのケーブルメーカーだったりします。
しかしそのサウンドは高域のみずみずしさと色艶が見事で、この点に限ってはNORDOST Odinをも凌ぐ程のレベルでした。
もっとも、低域がボテボテ気味で切れ味がなく、NORDOST Odinの芯があって、コリッとした中〜低域の歯ごたえ のようなものが感じられず、この時点では取って代わることはあるまい、と思っていました。
値段が識りたくてホームページを見て、これがベーシック・モデルと知って驚きました。
なんと、NORDOST Odinの10分の1の価格!
これはトップ・モデルのElation(イレーション)を試すしかない、と発作が起きて試聴機をお願いしたのですが、 残念ながらないとのこと。それならば、と、注文してしまいました。
トップモデルでも、NORDOST Odinの3分の1近くの値段!
ちなみに画像の最下の電源ケーブルはEau Rouge ER-PS Signatureです。
このケーブル、
年末に届いて繋いだ当初は、ボテボテ気味の低域でしたが、翌日には引き締まってきて、高域が繊細でいながら、 粒立ちが良く、透明感もあり、低域がふくよかで重厚なのにキレもある、実に良いとこ取りのような不思議なケーブル なのです。
確かに華かさ、ゴージャスさ、中低域のキレの点ではNORDOST Odinに及びませんが、懐の深い伸びやかで、 それでいてボテボテにならない低域は、見事です。
もし、Sonus Faber Stradivari Homageを鳴らしているクラシック音楽用のシステムでなく、ジャズを鳴らしている DD66000のラインナップなら、NORDOST Odinの方を選ぶでしょうが、まるで拙宅のクラシック音楽用のシステムの、 NORDOST Odinですら不満に思っている部分をオーダーメイドで一つ一つ解決して作り上げたケーブル、と言っても 良いくらいです。
ひょっとしたら、メーカーの試聴機が拙宅と同じ、ということは、まずあり得ないでしょうから、非常に近い 組み合わせなのかも知れません。
しかも、これ、ヨーロピアン・ジャズなどをかけると、しなやかで色彩感豊か。
DD66000のラインナップより高解像度なのも手伝って、最近の音の良いジャズ・ディスクやハイレゾをダウンロードして 聴くには、むしろ好ましく思える程。
これには再度、驚きました。
DD66000のジャズ用ラインナップに関しても、進展がありました。
それはEau Rouge ER-SP735のスピーカー・ケーブルです。
音の粒立ちの点ではNORDOST Odinに軍配が上がりますが、シンバルの伸びやかな響きと、伸びていながら、 切れ味の良い低域を聴かせてくれるこのケーブルは、そんなに太くはないし、電源ケーブルのEau Rouge ER-PS Signature ほど凝った造りをしているわけではありません。
しかし高域の芯の部分とローエンドまでしっかり伸びていながら、だぶつかない点は共通するものがあります。
たぶん、Eau Rougeの製作者は、そういった音が好みなのか、目指す音のイメージがそうなのでしょう。
NORDOST Odinという高い授業料を払って、拙宅のシステムにさらに適合するケーブルがあることを識ることが出来て、 ケーブルの選択肢がさらに広がった感があります。
しっかし、まさかNORDOST Odinがシステムから消えてしまうとは、夢にも思いませんでした。
ヴァレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団(=キーロフ歌劇場管弦楽団)のストラビンスキー作曲「火の鳥」 は、録音がとても良いのですが、弦バスの密やかでいながら、凄みのある音をうまく再生出来るシステムはなかなかありません。
Kubala・Sosna「Elation」は、それを見事に聴かせてくれました。
静謐性に優れ、緻密でダイナミックレンジが広く、美しくしかも芯のある高域。
低域はスケール感があって深々としていながら、いざとなった時には量感を伴いながらも切れ味のあるサウンドは、 なかなか他では聴くことが出来ないかと思います。
もう少し華やかですが、これに良く似たサウンドを、かつて耳にしたことがあります。
1957年にMC型ステレオカートリッジを開発。
1974年にはFB(フラックス・ブリッジ)型カートリッジ(MI(ムービング・アイアン)型カートリッジと同じ原理)を開発し、 2015年2月6日に90歳で亡くなった、Joseph Grado氏のライン・ケーブルやヘッドフォンを彷彿とさせるのです。
1983年にニューヨーク市ブロードウェイに建設され、マンハッタン区リンカーン・センター内に1966年移転、開業した 「メトロポリタン歌劇場」でテノール歌手として出演。
ウェストフィールド交響楽団の演奏会では歌劇「オテロ」の主役を演じたりもした、Joseph Grado氏。
Kubala・Sosna「Elation」を聴いていて、Joseph Grado氏の手によるラインケーブルを最初に聴いた時の記憶がまざまざと蘇ってきました。
Kubala・Sosnaが目指す響きの最終到達地点は、「リッチでウォーム、なおかつ音楽の響きが高い透明度を持つ」 ニューヨーク市マンハッタン区セントラルパークのすぐ南に1891年創設、ミッドタウンのランドマークでもある 「カーネギー・ホール」サウンドだとか。
このホールは、クラシック音楽だけではなく、ビートルズやローリングストーンズ、フランク・シナトラ、ボブ・ディラン スティーヴィー・ワンダー、デヴィッド・ボウイらも公演したコンサートホールで、ある意味、オールラウンドのサウンド が求められます。
しかし個人的に聴き込んでみて、やはりクラシック音楽が一番。
でも、ヨーロピアン・ジャズや女性ボーカルがこれまた見事なのです。
DD66000のグイグイ迫って来て、「カツーン」と鋭く突き刺さるシンバルの音も魅力なのですが、Kubala・Sosnaケーブルを 得てSonus Faber Stradivari Homageで奏でるこのサウンドは、別の魅力を引き出してくれます。
今のところ、他には大きな変化はありませんが、さらに少しシステムを整理してみようかとも思っています。
それにしても、私の愛するオーディオ・メーカーの創設者達が、次々と亡くなっていきます。
フリッツ・ゼンハイザー博士 2011年 5月17日 98歳没
オーディオテクニカの松下秀雄 2013年3月5日 93歳没
Sonus Faberの創業者、Franco Serblin (フランコ・セルブリン)2013年 3月31日76歳没
スレッショルドやGAS AMPZiLLAにAmpzilla2000,Ambrosiaの設計者James Bongiorno氏も2013年に逝去したとか。
1943年生まれですから70歳でしょうか。まだあと10年はオーディオの世界で頑張って欲しかった気がします。
こういった個性溢れる製作者による銘機もまた寿命を迎え、かつてのサウンドを聴かせてくれる機器が姿を消して 行っています。
Marantz model 1 & 9はその最たるものでしょう。
幸い、Marantz model 1はかつてハーマン・インターナショナルで修理を担当していた方が興した鳥栖エレクトロニクス によって、錆びて接続も悪くなったRCAジャックと電源プラグ&コネクター部を交換。内部のコンデンサー類も状態の 良い物に入れ替え、以前のみずみずしいサウンドが蘇りましたが、Marantz mode 9は電源トランスが巻き直さないと いけない状態で、まだ手元には戻ってきていません。
EMT927Fはゴロ音が大きくなってきたので、一部の部品を入れ替え、完全な状態までもう一歩のところ。
Mark Levinson氏はまだご健在ですが、私が好きなのは、初期のMark Levinsonブランドのアンプ群です。
LNP-2Lは故障したモジュールとRCAジャックを入れ替え、野太さと繊細さを備えた、初期のMark Levinson LNP-2Lの サウンドが蘇りました。
ML-2Lも修理とオーバーホールを終え、20.6と共に戻ってきました。
かのJames Bongiorno氏の手によるGAS「THAEDRA」(初期型プリアンプ)とGASアンプジラ初期型は修理で復活したのですが、 GASの後の時代のSUMOのプリアンプのAthenaは復活不能。
SUMOのパワーアンプPOLARISは無事、修理して戻ってきて、今は某内科クリニックの待合室用BGMアンプとして 良い音を奏でています。
EARのEAR864BとEAR 861は故障することもなく、修理を終えたタンノイのスーパーレッドモニターと共に元気よく 鳴っています。
EAR912とEAR509 IIはKubala・Sosnaケーブルを介してSonus Faber Stradivari Homageを鳴らすと、実にエロティック、 デカダンスの極みのサウンドを聴かせてくれます。
バッハ(Johann Sebastian Bach)のヴァイオリン・ソナタや教会音楽、中でも女性2声によるCouperin 'Motets'には 高貴さを通り越して、禁断の香りが漂います。
Tim de Paravicini氏はまだ健在で、アナログレコードに現在は精力を傾けている模様。
長生きされることを心より祈るばかりです。
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2017/audiohistory20171230.html
■ 2019年5月現在のオーディオシステム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2019/audiohistory20190501.html
再びスピーカー3システムとなってしまいました。
新たに加わったのは、ご覧になっておわかりのように、マジコA3です。 マジコのスピーカーシステムの中では、比較的廉価ですが、これがけっこう良い音がします。
クラシック音楽用のシステムが、プリがSpectral DMC-30SVはそのままですが、パワーアンプがSpectralの最新 DMA-280に変更になりました。
ラックの後ろの狭っ苦しいスペースに納まっていますが、床の振動を極力受けないように、 BDR The ShelfにMichael Green's Audio Points Brass Conesを使用しています。
それというのも、一昔前、「2ちゃんねる」からの来訪者がアンプやケーブルを持ち込んで、道場破り的な比較試聴をしていて、 最近はだいぶ落ち着いて来ていたのですが、昨年の暮れあたりから再度、増加の一途を辿っているのです。
一番困るのは、仕事をしている真っ最中に電話をかけてきて、「空港に着いたから迎えに来てくれ。云々……」。
来訪理由は私が貸し出したオーディオシステムを、とあるお店で聴いて、ウチの場所を訊いたとか、今度オープンするジャズ喫茶の ことを聞いて来たとか、いろいろです。
確かにそういう話はありますが、まだ未定の部分が多く、決定ではありません。
それにしても、どこでそんな話を聞きつけてきたのでしょうか?
問いただしても、口を濁すばかりで、ハッキリしません。
で、そういう方々の中には、持ってくるだけならまだしも、自分勝手にパワーアンプの電源を切ったり入れたりして、 パワーアンプのAmpzillaのヒューズを飛ばしたり、パワートランジスタを飛ばしたり、電源ケーブルやスピーカーケーブル、 インターコネクトケーブルを引っこ抜いてケーブルを傷めてしまったりと、最近、修理続きで途方に暮れてしまった次第です。
また、猛烈な発振音でスピーカーが飛んでしまいそうになったことも。
さすがにDD66000やSonus Faber Stradivari Homageを飛ばすわけにはいきません。
さらに持ち込んだアンプがあまり音が良くなかった理由を、「スピーカーが大型でダブルウーファーなんて一般的じゃない」とか、 「平べったい変な形状のスピーカーが良い音で鳴るはずがない」とかいろいろ理由を付けて、自分のアンプは世界でもトップクラスの 音だ、とか言い張る方が数名いらっしゃって、閉口してしまいました。
その方々は皆、不思議と自作の真空管アンプ、845プッシュプルだったり、KT120プッシュプルだったりします。
そこで現在、マジコA3を鳴らす真空管アンプと言えば、Tim de Paravicini氏のEARでしょう。
と言うわけで、真空管プリアンプのEAR 864とEL34のプッシュプルパワーアンプEAR 534を置いているのです。
以前使用していた、EAR 861は、と言うと、出力段の 真空管、EL309がヨシノトレーディングにも無くなったため、メンテナンスが出来ない状況となってしまい、その代わりがこのEAR 534なのです。
サウンド的にはEAR 534の方が少し低域側にシフトして、 野太い印象。
しかし基本的にはTim de Paravicini氏のEARサウンドを受け継いでいて、濃厚でありながら みずみずしい中高域、しなやかで懐の深い低域が見事です。
ちなみに現在、Tim de Paravicini氏は300Bのパワーアンプを試作しているとの情報がありました。
また、ヨシノトレーディングは、Tim de Paravicini氏の奥さまの郷里に一緒に住まわれている ようで、ヨシノトレーディングの本社は、拙宅から車で2時間ほどの、福岡県朝倉市秋月今小路307に移転しています。
さて、SPケーブルは EINSTEIN GREENLINE vivoce2mに、aetの金メッキしたバナナプラグを取り付け、 オルトフォン8N 6mと比較試聴中です。
なんとこれらの端末加工も依頼され、仕方なく、aetのとっておきの金メッキされたバナナプラグを使用する羽目に。
「条件を同じにしてくれなければ、比較にならない」と言うのはわかりますし、EAR 534がYラグが使いづらいターミナルとなっているのでバナナ プラグに変更しなければならないのは仕方がないかも知れませんが、取り付けたバナナプラグは、そのまま持ち帰るご意向の様です。(笑)
サウンド的には、 EINSTEIN GREENLINE vivoce2mは、少しゴムっぽい弾力のある低域ですが、逞しく量感のあるサウンドです。
一方、 オルトフォン8N 6mは、懐の深い伸びやかな低域で、一般に言われているような、高域が伸びないようなことはなく、 聴感上はピークがなくフラットに伸びているように思います。
aet Evolution1302は、おそらくこのクラスとしては、コストパフォーマンスは最高レベルでしょう。
製品版で2.5mモノだと3万円程度の様です。
「S」と「F」の2種類タイプがあり、「EVO-1302S」は力強く、ハイスピードなサウンド、「EVO-1302F」はぶ厚く、 温度感溢れるサウンドとのことです。
実際には自分のシステムに繋いで聴いてみないとわからないかと思いますが、個人的には「F」の力強い厚みのあるあるサウンドが好みですが、 これは人それぞれかと思います。
ちなみにSpectralの DMA-280のターミナルは、バナナが 使えないため、Yラグ指定です。
そのため、 aetの新型スピーカーケーブルはYラグで製作してもらうことになりました。
このケーブルはまだ試作段階とのことですが、販売するとなると定価ではベンツのEクラスが購入出来るほどだとか。
試作品と言うことで、安くして貰うつもりですが、値段によっては、お返ししなければならないかも知れません。(^^;
このケーブル、ポイントはスピーカー側の ケーブル内部に埋め込まれた素子です。
少しプックリ膨れた部分があるのがおわかりになるかと思います。
これがどういう物なのかは企業秘密のようですが、これを応用した 電源タップのテスト品が5月1日に届いて、現在、試聴中です。
キャメロットのタップをaetで改造したもので、商品化する前段階の様です。
画像、右がオリジナルで、左が改造品。重量がオリジナルが1,260g、改造後は1,350g。
内部の配線も大幅に入れ替えている様です。
内部撮影は、製品化前の段階ですし、企業秘密的な部分もあるでしょうから、控えさせていただきました。
aetの新型スピーカーケーブルのサウンドは、実に透明感のある中高域で空間描写に優れ、低域はだぶつく ことなく、少し細身ながらキレの良いサウンドが特徴。
一方、電源タップは、元々のキャメロットの電源タップの性格もあるのでしょうが、 野太く、低域が良く出る芯のあるサウンド。
通常、電源タップを間に挟むと、鮮度が落ちて音が悪くなる筈なのですが、この電源タップは、まだエージングの途中ですが、 それでも鮮度が上がって、腰の据わった中低域が支える安定感のあるサウンドになったのには驚きでした。
http://www.kusunoki.jp/audio/audiohistory/AudioSystem2019/audiohistory20190501.html
- Sonus faber を二流にしたパオロ・テッツォンが Sonus faber を止めた 中川隆 2022/5/17 07:47:08
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