(回答先: チューリップ球根暴落事件 1 投稿者 あぼーん3世 日時 2002 年 3 月 06 日 15:27:22)
さて、バブル崩壊の語源となった「南海泡沫株事件」は、18世紀初頭のイギリスでおこります。
1711年南海株式会社が、ロバート・ハーリー伯爵によって設立されます。南海とは、南アメリカ大陸の海岸のことです。この会社は、イギリス政府によって、南アメリカ大陸との貿易の独占権が与えられていました。見返りに南海会社は、政府の負債の一部を引き受けました。
当時イギリスの東インド会社が、目覚しい発展を遂げていたこともあり、連想から、この株の将来性を先取りして人気は急激に高まります。イギリスは、強大になりつつある国家、多くの人が富を蓄えていました。
1720年のことです。1月には、わずか128ポンドだった株価が、6月には、1050ポンドに暴騰します。
ところが、よく考えてみると、南アメリカ大陸はスペインの勢力下にありました。
この事実に変化がない限り、イギリスと南米との貿易の拡大は、ありえなかったのです。南海株式会社は、ほとんど利益をあげていませんでした。また、将来的にも発展の見通しはなかったのです。
驚くべきことに、南海株式会社を真似た株式会社が詐欺師達によって多数設立されます。永久機関を開発する会社、海水から黄金を取り出す会社、馬の保険を扱う会社など、後にこれらの会社は、泡沫会社と呼ばれました。イギリス政府は、国策会社南海株を守るためこれらの泡沫会社を禁止します。
しかし、南海株の実体は、次第に皆が知ることとなります。
大暴落が始まり、同年9月には175ポンドになってしまいます。
多くの人が、破産します。南海株は、バブル崩壊以降、南海泡沫株と呼ばれるようになります。イギリス経済は、大混乱になり、責任者の魔女狩りが始まります。 命の危険を感じたロバート・ハーリー伯爵は、大陸に逃げ21年間身を隠します。多くの南海会社関係者や関与した政治家が、自殺したり、財産を没収されたり、刑務所に入れられました。
(参考文献)バブルの物語 ガルブレイス著 ダイヤモンド社
◆◆さて、「南海株とIT株の類似性」なんて言ったら、誰かに怒られそうですね。◆◆