(回答先: 世界大恐慌と失業者 投稿者 あぼーん3世 日時 2002 年 3 月 06 日 15:40:58)
太平洋戦争後、進駐軍(GHQ)の施策で一般の人に最も多大な影響を与えたのは、昭和21年2月17日に実施された預金封鎖でしょう。
悪性のイインフレや食糧難に対処し、銀行券の流通量を減らすため、この日突然、個人や法人が、銀行に預けていた現金は、全て封鎖されてしまいます。(手元にあった5円以上の紙幣も強制預金させられます。)
そして、3月からは旧紙幣は、まったく使用できなくなり、旧紙幣に印紙を貼った新円のみが流通することになったのです(新円切り替え)。新銀行券を印刷する時間がなかったのです。
封鎖された預金は、毎月世帯主が毎月世帯主が300円、家族が100円のみを新円として、出金することができました。
新円切り替え後も物価高騰は、続きました。物価が年間5倍というハイパーインフレの中、多額の資産を現金で持っていた人の受けた打撃は、はかり知れないものがあります。戦前の大金持ちの多くが、このために没落しました。
一方、その直前に物に換金して財産を増やした人もいます。
例えば、国際興業の小佐野賢治氏は、戦前に軍部との取引を通じ巨額の現金を保有していましたが、昭和20年ホテルを三つ購入します。
東武鉄道の根津嘉一郎から熱海ホテルと山中湖ホテルを、東急の五島慶太から強羅ホテルを手に入れ、預金封鎖を偶然免れることが出来ました。当時は、観光ホテルの経営は、成り立たないと思われていたのです。ところが、小佐野は、GHQにホテルを貸すことで利益を得ます。
また、インフレによる資産の増加もあり、大実業家への道を開くことができたのです。