(回答先: 湾岸戦争と株価の動き 投稿者 あぼーん3世 日時 2002 年 3 月 06 日 15:54:40)
1995年は、阪神大震災とオウム真理教事件のあった年ですが、
もう一つ忘れられないのが史上空前の円高です。
1995年3月、巨額の貿易黒字を背景に、円相場は80円台に突入します。
そして、4月19日、一ドル79円75銭の史上最高値をつけます。
その後、一進一退を繰り返しますが、何と7月末まで80円台に居座ります。
このレートで採算の取れる輸出企業はほとんどない、と言われ、関係者は深刻な事態を迎えます。海外進出を決断した中小企業も多かったと思います。
もちろん、巨額の貿易黒字が円高の主因ですが、もう一つの原因があったのです。
一年前の1994年のことです。外国人投資家は、逆に円安に賭けていました。
100円など高すぎる。おまけに超低金利。円を借りて、他の通貨に換え投機を行う。5年後円安になり、そのレートで返せば、為替差益が手に入る。
こうした思惑から、1994年多くのユーロ債が非居住者によって発行され、
その額は10兆円にも達しました。いわゆる円キャリ・トレードです。
このため円が必要以上に売られ、1994年は、13兆円もの巨額経常黒字にもかかわらず、100円前後の円安水準を維持できたのです。
ところが、この需要が収まると、円はじりじりと高くなります。
円安に賭けていた、外国人投資家は大慌て。
コスト低減どころか巨額の為替差損が発生します。
10兆円のうちのかなりの部分(一説では半分)が、1995年損切りされたのです。
外国人投資家の円買戻しのピークが、80円台の円高を招いたのです。
8月2日、榊原英資・国際金融局長が練り上げた、対外投資促進策が発表されます。
ジャパンマネーが欧米に還流する。この一瞬が、相場の転機でした。
この日、円は2円60銭も暴落します。
◆◆ジョージ・ソロスは、この日の相場で900億円儲けたそうです。◆◆
◆◆円は、一ヶ月後には100円台まで戻ります。◆◆
◆◆ 最近の日本、逆に円安ですが、この話参考になったでしょうか?◆◆