(回答先: 上杉鷹山と米沢藩の構造改革 投稿者 あぼーん3世 日時 2002 年 3 月 06 日 15:34:44)
幕末に起こった銀の流入と金の流出を食い止める切り札となったのが、万延小判です。
この小判、小ぶりで金の含有量も天保小判の1/3でした。従って、天保小判1枚に対して、万延小判3枚が交換されることになります。
この直前、すべての日本国民はふるいにかけられ、
経済的な面で、天国行きと地獄行きに分類されてしまいます。
天保小判の価値に早くから気づいた日本人は、これを集めて財産を3倍にします。すなわち、努力なしで天国に行きます。
そして、天保小判を持たない人や、情報不足でわずかのプレミアムでこれを手離した人は、後に生活に苦しむことになるのです。
開国と共に、輸出品の生糸やお茶は、高騰して、庶民の手に入らなくなります。また、幕府は、万延小判との交換で、洋銀を回収して近代兵器を手に入れます。すなわち、綿織物などの消費されるものは、ほとんど輸入されず、輸入による物価の下落は期待できなかったのです。
そして、万延小判によって通貨の発行量が、瞬時に3倍近くに増加したのです。
いったい何が、起きるでしょうか?
答えは、幕末の大インフレーションです。
1860年(万延元年)から1866年(慶応2年)までの7年間で、物価は約7倍に高騰します。
庶民はの生活は、苦しくなり、社会不安が高まります。
こうした状況で、明治維新を迎えたのです。
さて、日本の国債残高は、GDPの120%を超えています。これは、先進国では一番悪い数字です。あの陽気で楽天主義国家のイタリアより悪いのですよ。
この国債を減らすには、どうすればよいか?
消費税を大幅にあげる。
公共事業や補助金を大幅に減らす。
いや、どちらもやらずにすむ究極の方法があるのです。すなわち、日銀が通貨の番人の役目を放棄して、銀行券を乱発して、国債を引き受ければよいのです。簡単です。
◆◆21世紀の日本で、万延小判が、そのうち出回るかも知れませんね。◆◆
◆◆その場合、インフレと円安・・年金生活者の運命は?・・・◆◆
◆◆ 日本人皆で、痛みを覚悟して、早く構造改善に取り組まないと、◆◆
◆◆歴史は、繰り返します。◆◆