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(回答先: おひまなら聞いて下さい 投稿者 書記長 日時 2002 年 8 月 29 日 17:56:26)
グランド・デザインを提示することもなく、私の考えが有効であることを理解せよというのは、盲人にゾウの足を撫でさせゾウ全体を想像してみよ、と発言しているに等しいと承知しています。その上で貴殿への反論を試みます。
>それは、匿名希望さんは何らかの「紙幣大量発行とその市中
への注入」とか「(結果として)インフレを引き起こすような
政策」も選択肢に入れているということなんですか。
Yesです。これまでの私の議論からしてもさしてsurprisingなことでもないでしょう。
>「英米系経済学
」という宗教を信じていない人間にはその妥当性が自明なこと
ではありません。
万能ではありませんが、市場主義と競争原理が経済の8割方の問題への対処法であることは宗教ではなく、歴史的事実であり、サイエンスの論理的帰結点です。このことを度外視して、人工的な介入により何かより価値の高いことができると考えるのはある意味で傲慢とも言えます。
「効率的かつイノベーションを産み出す社会を追求する」という命題を否定すると、際限のない先延ばし政策や現状維持策や改革拒否の方向に必ず引きずられます。そして冷酷な「経済の摂理」の手ひどいしっぺ返しを受け、その被害と痛みは自ら改革を志向した場合とは比べ物にならないほどになります。一人でやれる仕事を無理矢理二人でやらせてはならないのです。もう一人は別の価値創造に回すべきです。
ただ、8割方はこれで良いのですが、残り2割にも英知を傾ける必要があります。弱肉強食の19世紀的な世界に逆戻りすれば良いというほど事は単純ではありません。この2割の領域は他の8割とは別の論理で動く世界であるべきです。そして8割の世界が産み出すボラティリティや諸矛盾を包み込み解毒してゆく世界でなければなりません。
上記は、従来の公務員組織を含む「公共セクター」をその2割として温存せよ、と言っているのではありません。公共セクターにも然るべくメスが入り、効率が生める部分は効率を生み、維持すべきところは維持するという作業は欠かせません。その上で、新たな社会にどうしても不可欠な仕事を見つけ出し、維持された従来の公共セクターと共に「新しい公共セクター」として再編成する必要があるのです。その経済全体に占める割合は2割ではないかも知れないし、状況によって変動するようなものになるかも知れません。