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(回答先: ペレストロイカと構造改革 投稿者 書記長 日時 2002 年 9 月 03 日 17:19:34)
この標語がストロイカ(ストラクチャー)という言葉を含んでいることからも明らかな通り、ペレストロイカとは文字通り「構造改革」のことです。改革の方向性は正しかったが、民衆や社会システムの成熟度を省みなかった急進的な改革の断行は確かに多くの国民にとって不幸なことでした。
しかし、当時の保守派と改革派ののっぴきならない対立構造を度外視して打ち出された諸政策の批判するのは、貴殿の忌み嫌う(であろう)「歴史の後講釈」の最たるものではないでしょうか。先の敗戦を一刀両断に断罪するのと同じことです。
破壊的なまでの改革を断行せざるを得なかったのは、それが成功するだろうという甘い予測が指導層になかったとは言いませんが、それ以上に敵対する派閥を退ける必要性に迫られていた背景を無視し得ません(事実、当時のロシアの新聞には急激な改革を危ぶむ論調が溢れていました)。
「我が派の主張が正しいことは間違いないが、保守派の主張もある面真っ当である」などと言っていて権力闘争を勝ち抜けるわけもなく、政策が極端になることはやむを得ないことなのです。政治権力の獲得とはそういうものです。神聖不可侵の永遠の独裁者でもない限り、「賢者の政治」など及ばないことです。社会の矛盾が爆発し、全く逆の価値観が支配的になる時、振り子の振れ方が極端になるのは、あらゆる国の歴史に見出されます。そして、振り子の振れが激しければ激しいほど、それに巻き込まれて不幸になる人々の悲惨度は増大します。
尚、「悪平等主義がなくなるなら、共産主義に賛成できる」とのご発言ですが、これは例えば、「人間から嫉妬という感情が無くなれば素晴らしい社会になるだろう」と願望を表明しているのと大差ありません。嫉妬も他のあらゆる悪徳も人間が人間である以上なくなりはしません。そしてそうであることを前提に、少しでもマシな社会を築くための英知を結集するのが大事な事でしょう。