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(回答先: まとめてレスします。 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 9 月 03 日 14:36:50)
私が基本的に財政再建問題に関して疑問に思うのは、国民生
活を便利にし国民経済を保護するための社会事業である公共投
資・財政出動のために国が国民から借りた借金がどうして「国
家破産」に結びつくのかということである。
その国の借金は究極的には全体としての国民の借金であるか
ら、累積債務を国民の経済生活・財産に大きな影響を与える思
い切った政策によって処理するのは当たり前である。
つまり、そうした思い切った経済政策を行えるだけの社会の
安定性とか国民が自らの社会システムを集団で維持する決意が
ある限り、国の累積債務が致命傷になることはないはずである
。
今までの日本政治の経済運営が自然に行き着く先は、そのよ
うな「社会の安定性」と「国民の実力」と「目に見える国富」
と「社会を維持するための公益志向の集団的決断」による財政
問題の処理である。
戦争をするよりはずっと安全で簡単と思われる。
逆に言えば、自らの社会を維持する決意を全体として持たず
、そうした態度が国政の支配権を握った場合には、いわゆる「
国家破産」に陥るのだろう。
日本の社会システムの安定などには関心を示さない外国人が
日本の財政問題につけこんで自分の利益や乗っ取りのために色
々な破壊工作・悪宣伝を行うことが事態を複雑にすることはあ
るが。
「累積債務問題は実はたいしたことはない・あわてることは
ない」というまともな経済学者や評論家、政治家もけっこうい
る。バランスシートによって財政の比較的健全性を説明する者
もいる。
私には今財政危機を騒ぎ立てて構造改革を行い国民意識から
も実体経済からも景気を冷やそうとする動きが正当なものであ
るとはどうしても思われない。
それは金とか通貨システムは社会運営の道具や決まりごとに
過ぎず、社会の利害のためには何とでもしてもよいということ
を理解していないところから来るものだと思う。
金が社会をコントロールするのではなくて社会が金をコント
ロールするのである。少なくとも日本では上述のようなし方で
それを前提として政治による経済運営がなされてきたのである
。
だから突然金を絶対基準・支配者とした経済運営に方向転換
したら、それこそこれまでの政治の全否定になり、経済活動を
収縮させ国家を破産させてしまう。
今日本に必要な為政者は、様々な社会全体の問題解決ために
有益な共通認識・共通判断を国民間に醸成し、「社会システム
」の公益のために国民を協力的行動へと指導していける人物で
ある。つまり戦時の独裁者に近いあり方が要請されている。
一連の思い切った貨幣と通貨システムへの政治的介入が内外
で日本の貨幣と通貨システムの「信用」を大きく低下させても
私はかまわないと思う。
日本人が全体としてやたら財産を貨幣形態のままで貯めこむ
ことが財政悪化と不景気・デフレの原因となっているのだから
貨幣の信用が低下するのはむしろ日本には適切かもしれない。
インフレはそれ自体国家と個人の実質債務を減少させる。
円の為替価値が激減すれば、企業の国際競争力は増大するし
、輸入品に押されてきた業界も有利になる。さんざん悪く言わ
れる割には円は高く、日本産業は大きな国際ハンディキャップ
を課せられてきたのである。日本の労働者の平均賃金は大幅な
円安になれば国際比較ではかなり安くなるのである。
>ペレストロイカとは文字通り「構造改革」のことです。改革
>の方向性は正しかったが、民衆や社会システムの成熟度を省
>みなかった急進的な改革の断行は確かに多くの国民にとって
>不幸なことでした。
改革の方向性が正しかったと思うのは匿名希望さんが自由市
場競争主義者だからであって、旧ソ連諸国の現実としては未だ
に決着がついた話ではありません。ソ連のころより国民経済の
規模が縮小し、生活レベルも低い国がほとんど(全部だと思い
ます)でしょう。他国産業との市場競争に太刀打ちできる産業
など少ないでしょうし、事業提携という形で外国資本に国内資
源の利権や企業の経営権を分け与えたり、経済を外資にコント
ロールされたりしているはずです。
また、急進的な改革の断行が旧ソ連諸国民経済を破壊し、彼
らがなかなか浮かび上がってこれなかったのは「民衆や社会シ
ステムの成熟度」の問題ではないと思います。ただ単に「改革
」による経済的諸条件の無秩序な変化が経済システム・サイク
ルを破壊したことによるのだと思います。
>保守派の主張もある面真っ当である」などと言っていて権力
>闘争を勝ち抜けるわけもなく、政策が極端になることはやむ
>を得ないことなのです。
私は保守派の主張のほうが経済に関しては改革派のそれより
も理にかなっており、国民の福利のためになったといっている
のです。つまり、社会主義体制下で経済効率化・自由化・民主
化を段階をふんで慎重に行うべきであったといっているのです
。つまり、急進改革派は間違っていたと思うのです。
>これは例えば、「人間から嫉妬という感情が無くなれば素晴
>らしい社会になるだろう」と願望を表明しているのと大差あ
>りません。
ヨーロッパ社会・共産主義には伝統的に「平等」が理想・目
標とされています。私はそういう平等主義を計画経済とか統制
経済とかの社会主義の他の要素から排除できれば、社会・共産
主義も理想的なものになるのではないかと言っているのです。
最近現実があまりにも醜いせいもあり、「神聖不可侵の永遠
の独裁者」をよく思念することがあります。