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ディアスポーラじゃぱねすく (第一回)
http://www.asyura2.com/0403/lunchbreak3/msg/218.html
投稿者 まっくす 日時 2004 年 4 月 21 日 06:14:02:1gyEqZlfbcB1s
 


※これは「新々スレ」となります。直接的には、
「我々の生活の中にある古代文明の知恵を拾うという問題設定」
http://www.asyura2.com/0403/lunchbreak3/msg/183.html)へのレスです。

※この場をお借りして、kkou さんとへなちょこさんの適切なフォローに感謝します。

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すみちゃん、こんばんは。

いつまでも「あがりがまち」にいるのもなんですんで(笑)そろそろ始めます。
レスがオリジナルの位置とは前後しますが、お許しを。


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我々は、自分らの歴史と言葉の中から、自分らの頭で何かを生み出さないと
いけない地点に立っているという認識に賛成です。

そのために、ごく優しい(易しい)表現で、
愛の世界を作り出すための基幹技術を検討することにしましょうか?

私を含めた庶民の持つ愛の世界を書物の中から,伝統の中から拾い上げる。

思いついた言葉を空中に放り投げるような感じで行くしかないですね。
あんまりそういうことは考えたことがないから。
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御意。これがけっこう今までにない試みだったりすると思います。
Mさん期待の、って部分ですね。

日本語ってのは不思議な言葉で、漢字のオブラート(意味)をまとうことで
外来(概念輸入・消化)へ対応しつつ、その裏に古代そのまま(和語)を
保存してたりする。俗に言う音読み訓読みですね。さらにその上、
カタカナとアルファベットがあるんで、遊べるし、こなせるしで何でもござれです。
言語自体が「ディアスポーラ」っぽい。そこに大きな可能性を見ます。

ところが、それと裏腹に、ちょっと議論とかになると、明治以降に翻訳された漢語を
使わざるをえず、理解や共感の足かせになったりするから相当工夫しなきゃいけない。

このような文脈で、すみちゃんが、

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竹内文書は、八幡書店発売時に資料のごくごく一部を確か図書館で読みました。
後は幾つかの通俗入門書を読んだくらいです。 学生時代ですけどね。
正直言いまして、良い印象がなかったのですが。
明治精神の産物という感じが強いんですよね。
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伝承は、やはり江戸時代のものが良いような気がします。

正直言いまして、明治期以降のものは、
時代のイデオロギーを背負った、公安関係の臭いもすることがある。
こういうものを除去しなければならない。
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と、仰る気持ちはよくわかります。気持ちが向かわないというか、
リアクションがよそ行きになっちゃうわけでしょ?

それならいっそ、着流しの世界。半村良ですね。

「伝承は、やはり江戸時代のものが良いような気がします」というわけで、
その辺りからネタ放り投げてくれませんか?


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平安−江戸時代に、古代文明の知恵が蘇っているということではないでしょうか?
平安の前の奈良時代、江戸時代の前の戦国、室町時代。
いずれも戦国=そして外国侵略=占領の影が見えます。
それを鎖国によって決着させた時代。
その時代に古代文明の知恵が噴出すると。

ある意味で昭和後半から平成初めの「閉じようとしている世界」に似ています。
今回は滅亡の相みたいに見えますが。
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この歴史認識はすごく共感します。
時代の節目で「土着系のくそ力」みたいなのが噴出するんですよね。
土着って言っても、漁撈関係も入ってますが。

私の「鎖国論」と殆ど同型の発想です(あとで出てきます)。

ただ、何としても「今回は滅亡の相みたいに見えますが」の部分だけは
取り除いていきたいです。そのために「ディアスポーラ」生成(復権)の
ためのツールとして「貨幣」の話もしてるわけで。


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疼痛ですが、
徳川家康を思い出しました。

家康は、戦国時代に生まれ、
岡崎の松平家は滅亡し、今川家に人質にとられ、
家臣は離散。 領民は今川の奴隷となり、
しかし蘇って戦乱を終わらせたわけです。
我々の立場が彼より苦しいなんてことは絶対ないですね。

日本列島居住民がディアスポーラの中から蘇るように。
祈りをこめて。
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八切止夫っていう作家(?)、ご存知ですか。
「日本列島居住民」(彼の用語では「天の王朝」、古代海人族の末裔)について、
「社会内ディアスポーラ」の立場でいろいろ本に書き散らした人です。

すんごい文章読みにくいんですが、ネタは新鮮で面白く読めます。
彼が家康について書いてます。いまならカッパ系の体裁で簡単に
手に入ると思いますよ。

代表作『天の日本古代史』(作品社)については、このまったりスレでも
紹介するつもりでいます。

*****

さて、ちょっと込み入る感じなんですが、ここから本体部分です。

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まっくす:
「現代に「転輪聖王」を召喚したいと思えば、とりあえず「暴力」に
よる法の支配しか考えられない、ということになっています。」

すみちゃん:
仏教もあまり知らないのでついて行けるかどうか?
もともと「転輪聖王」はそういうものでしょう。
誕生時に「平和」になるか「戦争」になるか分からない二面性があるんだよね。
アショーカ王にもその二面性があるように伝えられていますね。
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すみちゃんの主観的認識でいいんですが、なぜ文明は「平和」になるか
「戦争」になるか分からない二面性があると思われますか?

あるいは、「平和」って「戦争」状態の合間だけに存在する、一種の凪だと
お考えですか?


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まっくす:
「ダルマ=からだ」が支配原理となれば、人間社会は相当ましなものになる
はずです。私は婉曲な言い回しながら、日本の「天皇」にその兆しを感じて
います。

すみちゃん:
「ダルマ」ですか。サ・ダルマ・プンダリーカ・スートラというあのダルマ。

この言い方ですと、アリストテレスの「オイコノモス:エコノミー」を
連想します。共同体が、生きていくために、他の生きとし生けるものの身体に
依存し、交換をしていかなければならない。その共同体の法。
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ええ、です、です。

「身体に依存」するという表現はいいですね。
こういう連想的思考法ははげみになります。

経済ってのは結局、関係性の問題だからね、生殺与奪の関係も含めて。
そこから罪障感や不殺生への道のりはあと一歩です。

いきなりディアスポーラへ飛んじゃえば、秦の始皇帝でも"彼ら"でも基本は
同じだけど、よそ者ってウソから始めるしかないんだよね。

どうも土地捨てた(追放された?)人々の恨み、ひがみ、喪失感みたいなのが、
「暴力」の根底にわだかまってる気がする。

そういう人にとって「安住の地」ってどこなんだろ?


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まっくす:
(「転輪聖王」を実体として考えるとき、私の念頭には「天皇」が浮かびます。)

すみちゃん:
これは阿修羅で嫌われそうなネタですねえ(笑)。
私は別にアレルギーないからいいよ。
あちこちで書いてきたように、「近代天皇制」はやっぱり嫌いです。
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ちょっと注釈入れておくと、私にとって必ずしも天皇=現人神じゃないんです。
「天皇」と括弧に入れてるのは、それを、古代から連綿と継続している、
ひとつの情報系として捉えているからです。
こういう認識は、すみちゃんとは異なるものですか?

「近代天皇制」(天皇主権説)が嫌いっていう感覚はそれなりに共有できるけど、
天皇ご自身のせいでもない気がします。

あれってやはり、急造の「擬似一神教システム」だったんじゃないでしょうか。
輔弼する側の都合ですね。まあ、日本史は殆どそうだけど。

明治以降は、「天皇機関説」やそれに類する、殆どそちらが伝統的といえる
考えかたは、とにかく排撃の対象となった。列強の毒牙は(一応)相当の
深部まで及んでることになる。

すみちゃんは「近代天皇制」のどういう部分が嫌いですか?
(もしさんざん書いてきたネタだったら、関連投稿のリンク先だけでも教えて。)


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まっくす:
なぜなら、東寺は「宇宙論的ダルマ」の象徴であり、皇居は「日本土着のダルマ」の
象徴です。この二つがMさんの示唆するように、同じ「国事」として現在に生きている
事実は重いと思うのです。この連続性こそが日本再生のキーとなると考えています。

すみちゃん:
国事の話は存じませんでした。
そういうものですか?
私は一般人だからよく分からないですね。
外から見ている限り、皇室のエネルギーは凄く衰微していると思うけど。
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「国事」は形式に過ぎないと見るのが近代的常識でしょうが、
じゃ、その場合「内容」は何になるのか?考えると眠れなくなる(笑)。

ここでのエネルギーの意味は、現人神としての天皇の求心力が弱まっていると
いうような意味ですか?それとも、国民の意識が希薄化している?


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易姓革命システムではなかったことが、中国ほどには悲惨な歴史を
たどらなかった理由だという点については、説得力を感じます。
中国史は壮絶みたいですから。
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どうも、秦の始皇帝の焚書がトラウマかもしれません。
日本人の私から見ると、駄目なもの、弱いものを「天」の命ずるまま滅ぼすという
無茶苦茶な発想は、おいおいという感じ。

「リセット」することが人心の一新につながるのか、いちいち正史を書き換える
ことにそんなに意味があるのか?いろいろ疑問です。

広すぎる国土の宿命かもしれませんが。


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まっくす:
「それでは日本が現代の「転輪聖王」として、世界の圧倒的な非対称を調停するには、
どうすればいいでしょうか?」

すみちゃん:
あっ。 これは凄いですね。
そんなことは考えたことがありません。
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この辺を一緒に考えてくれるとありがたいんだよね。

すみちゃんも現状は居心地が悪いでしょう?煮詰まったって言ってたし。
次の心地よい社会を築ける文明はどこにあるのか。
客観条件を考えてみてくださいよ。

私のかんがえる基本条件は4つ。

●地政学的な優位性がある。
●歴史の連続性を保っている。
●民主的な素地を持っている。
●現状において経済強国である。

消去法で考えると、もっと簡単かも。

●奪うことをまず考えるイギリス型社会?違うでしょ。
●騙すことをまず考えるフランス型社会?違うでしょ。
●何でも新しければいい(先に行けばいい)アメリカ型社会?違うでしょ。
●上の悪事をすべて使いこなすユダヤ社会?どこに土地あるの?
●破壊と再構築を繰り返す中国型?違うでしょ。
●動かないインド型?ちょっとひかれるけど、やっぱ違うでしょ。
●宗教のくさびのきいたイスラム社会?違うでしょ。
●その他の搾取されたり、破壊されたり、我関せずの諸国?違うでしょ。

それぞれ、なんか欠けている社会ですよね。
以上を踏まえて次へつないでいきます。

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まっくす:
「「経済」に「愛」を貫くには、庶民の「ダルマ」を実装する「技術」を
生み出すしかありません。

そのような技術を胚胎し、実装する力の源は、私の考えでは
「神話」(近代的な夾雑物の少ない純粋な感性=思考のエキス)のなかに
存在しています。そして、そのような神話的感性の担い手は「庶民」しかいない、
と思っています。」

すみちゃん:
庶民が包蔵する「神話的感性」
そういうことですか。
何となく分かるような気がしますが。
それは戦後、特に1985年以降にずいぶんと消滅してしまったと思いますね。
それをもう一度探るという感じになりますか。
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ええ、そういうことになります。

荒廃した人心から「神話的感性」を取り出し、みんなに思い出してもらう
作業は骨が折れるけど不可欠だと思ってるんです。
それさえできれば、相当有利ですよ、この国は。

すみちゃんの悲観的イメージを中和するために、あえて書きますが、
「1985年以降にずいぶんと消滅してしまった」のが人心(神話的感性)なら、
一方に「1985年以降に圧倒的に優位な金持ちになった」状況がある。
とすれば、後者を武器に前者を建て直すしかないんじゃないか?

武器にすべき条件は「鎖国」になります。

●インターネットと言葉の壁
日本の庶民がマスメディアの壁を乗り越えて相互にコミュニケートし、
覚醒可能な情報化社会になったこと

で、一方に言葉の壁があって日本人同士のあうんの呼吸が、
近代外人(日本の外人かぶれも含む)には意味不明という、
逆利用すべき状況があります。

→江戸時代の物理的鎖国と異なる次元の、精神的鎖国状況

●歴史的文脈
20世紀文明を謳歌していた近代西欧社会が疲弊し、
頼る場所が日本しかなくなりつつあること

彼らは閉塞の打開を「暴力」を通じた世界再編で試みるが、
情報の伝播力の前に説得力を失っています。EU対英米
(あるいはそのサブシステム同士の))「内ゲバ」が長引けば長引くほど、
日本が漁夫の利を得やすいんです。(「暴力」は頼って欲しくないけど)

→地球そのものの政治的鎖国状況

●世界同時デフレ状況
かつてほど「奪う」思考が意味をなさず、マスタースレイブ関係の継続が、
本質的な相互依存関係に近づいていること

→地球そのもの経済的鎖国状況

*****

今回はここらで、いったん打ち切ります。
いいかげん寝ます(笑)。

第一回了

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