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(回答先: Re: 的はずれな横レスですが 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 8 月 30 日 21:04:15)
すみちゃんさん、こんにちは。
思い掛けずレスをいただき有り難うございます。
というよりも、一度はすみちゃんさんと、できれば『共同幻想論』(吉本隆明)をテキストにして、互いの見識を照合できればと考えていました。岸田秀をあたったとのことから、おそらく吉本隆明までに遡行しておられるのではないかと想われたのです。
善きつけ悪しきにつけ、私の同世代は吉本流世界(歴史)認識の洗礼を受けたものでした。さらにもう少し前の世代は詩人としての吉本隆明というモメントに同期した人達が大勢います。けれども、彼の『固有時との対話』や『転位のための十篇』は私にとって決して身体性として結実し得ない精神のコスプレの対象とでしか、その心象風景を想像することができません。
そして、辛うじて当時は、『異端と正系』に既定のあるContextをトレースして文明や歴史を読み解くのではなく、例えばマルクス主義というFunctionの試行と集積による展開に、戦後世界のメルクマール擁立となるべきParameterを求めるという営為を穿つことができると感受していました。またそれは理系の吉本ならではの視座の提示であったと思われます。
それにしても、若しやすると吉本隆明に関しては私の個人的な趣向に終結するかも知れませんので、後はすみちゃんさんの感興しだいと予め受け留めおいて、簡単なレスにしたいと考えます。
>ロランの汎欧州主義は、言語や基底文明の共通性への信頼なくしては成立しがたいものであると理解しています。それが一種の駆動力になっているが、かなり無理があると思っています。
私がロマン・ロランを牽いた表向きの理由はご了解いただけていると思っています。また、ロマン・ロランにはベル・エポックへの憧憬が作用していたのではとの推測と日本では灰谷等が今日的な意味での回復を称揚していることを踏まえて、すみちゃんさんと同じような認識を持っています。
>同胞の苦境を見捨てられるのかな?他に駆動力はないですよね。私にはまったく思いつきません。
すみちゃんさんが考えている「同胞」の意味を教えていただけないでしょうか。地理的意味でしょうか、言語的意味でしょか、歴史的意味でしょうか、状況を超えて顕現する「同胞」の諸相及び意味とは何になるのでしょうか。
>私は神と神の代替物は(一般的には)信用できません。同胞を苦しめた者ほど神に頼るという歴史的事実がありふれていることを、良く知っているからです。特に残虐な戦争の兵站を担った者達が熱心な信仰者になるケースは多いですね。
その理非を傍らにおけば、彼らにとっては贖罪の意味もあろうかと想っていますが、信仰が彼らに真に贖いを与うことはないと考えています。
>以上的外れなレスで申し訳ありません。
何をもって的外れなレスと考えられるのか不思議ですが、首記の件を提出できた切っ掛けにもなったと感謝しています。もちろん、ご回答いただければ幸せに感じますが、でき得るならば緩やかにやってゆきましょう。私儀、実は余り手も速くなく、また今はアカデミズムとは全く門外漢でもありますことから手元蔵書が不揃いのために、ただでさえ流れの速いスレッドを追尾することに苦闘しているような現状です。
また、会いましょう。