★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 雑談専用2 > 1266.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
Re: 同胞とは何か?国家と階級について想うこと
http://www.asyura.com/0306/idletalk2/msg/1266.html
投稿者 如往 日時 2003 年 9 月 02 日 21:09:56:yYpAQC0AqSUqI

(回答先: 同胞とは何か?国家と階級について想うこと 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 9 月 01 日 20:56:26)

 すみちゃんさん、こんにちは。
 不躾な投掛けにも拘わらず、真摯さに充たされた回答をいただき有り難く存じます。そして、すみちゃんさんの読解力に照らしてみてここで敢えて逐語的な解説をしなくてもよいように思われました。さすがの頭脳の明晰さに驚いております。


 吉本隆明が下部構造に関する考察を暫し脇におきながら『共同幻想論』で試みたことは、上部構造の解体であると言えます。それは、大戦の死者たち(同胞)の相貌を『固有時との対話』の詩作によって受け留めたことを端緒にして、『転位のための十篇』として応答したことの、時を超えて今度はそれと重層する論理的な回答の試みであたっと思料しています。
 それから、吉本(敬称略)にとってこの投企は遣り残していたものだった、とそう感じています。その上部構造の解体の部分だけを私たち全共闘世代は自分達の行動原理に絡め取ろうとしていたのです。吉本(敬称略)はさらに、『異端と正系』では戦後思潮を築こうとしていた日本の左右両方の文学潮流にたいする批判を試みます。戦前・戦中・戦後と日本においてそれまでの文学や思想はある特定のContextに倣ったもので独自性の欠片もないと批判し、逸早く一定のContextに依拠することから脱して自身が用いているFunctionとParameterを再検討し新たな「試行」を開始すべきとのメッセージを発していたと悟ったのは、しかしずっと後になってのことでした。つまり、当時の私たちは上部構造の解体だけに一切の望みを託していただけで、その向うに新たな実存のメルクマールを見い出そうとしていたわけではなかったのです。
 それほどの社会主義思想のたたき上げでもなく、吉本(敬称略)自身がマルクス主義をどのくらい自己検証してきたのか不明な部分も残されています。確か大岡山の学生(東工大)で終戦を迎えたときに、戦後に対応するものとして既にマルクス主義を用意していたとは考えられませんし、それまでは軍国青年であったとしても不思議ではありません。それでも死地に導かれた人々の相貌を自らの詩作の才で受け留め、その後responsibleなものとしてマルクス主義を設営していったというのが経緯ではないかと推量しています。

 次に、すみちゃんさんのマルクス主義に関する質問(?)は内容とともに概ね承知し、それは吉本(敬称略)の問題意識の捉え方の明快さに表象されていると考えます。特に、【下部構造決定論では不十分だとして一歩踏み出した動機はここにあったようです。下部構造決定論では、日本的専制を十分に把握することができないという問題意識。従って、おそらくは、国家の消滅には、下部構造の革命だけでは不十分であるという問題意識。】には、吉本思想の過激なアジェンダが隠されているのですが、それを受け入れるか否かによって「呈上」ないしは「降服」に導かれる分岐点があると思量しています。

 伝統的上部構造の解体のために古事記を牽いたのはやや難があったと見ています。すみちゃんさんも【はっきり言って古代支配者の恣意的な歴史改竄が含まれていること】を指摘されていますように、それこそややもすると幻想を幻想【血という観念】で追尾することになりかねませんし、現在も上部構造の一隅にも属さない私(たち)にとってそれは至難の業です。
 遠野物語については、何故日本人が所謂日本的思考をするに至ったのか、その経緯を興味の中心に据えて、東北俘囚と各代の天皇との関わりや漢語(呉語)の流入による倭語との融合状況に遡行しつつ、鋭意探索中のような次第ですので、現状は教示に及ぶに堪え得るあものがなく申し訳ありません。ただし、時(歴史)の揺らぎの中で、この共同幻想には異形の命脈に上部構造や下部構造から醸し出されるのとは異系のものの息吹を感じることは可能だと思われます。

 【国民国家は究極的には過渡的なものでしょう。しかし近未来においてマルチチュードが全世界的に連帯するといった可能性は私に信じられませんね。地理的、言語的な障壁は大きいように感じられます。】
 私も同じような悲観的な見方をしています。しかし、もしずっと先にそれを可能にするものがあるとすれば、例えば地域的なMatrixを何かアナーキックな意識によって活性化し繁栄させ、他の地域と出遭う段階のそれぞれの場面において調整を図っていく他はないと想われます。人類はそれを可能にする装置も智慧も獲得して来ていると推察していますが、簡単に捨て去ってしまうようであれば、最早絶望しか残されないのかも知れません 。

 (私には永らく「ちゃん」づけで呼ぶ習慣がありませんでしたので、ご厚意にもかかわらず「さん」づけをとおさせていただきましたが、悪しからず。) 
 また、会いましょう。

 次へ  前へ

雑談専用2掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。