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「常温核融合技術の可能性は?」
http://www.asyura2.com/0601/dispute24/msg/280.html
投稿者 空也 日時 2006 年 9 月 02 日 10:20:54: 5XFeAMI0dyA4I
へのレスです。
> 高温での核融合を起こす起爆装置はかなり大型になるでしょうが、常温の核融合
>を起こせるならば起爆装置はかなり小型化できるのではないでしょうか?日本でも
>一時は常温核融合の研究がはやってましたが最近は騒ぎが静まったようですね。
・「核融合」は「核分裂」とともに、20世紀半ばから研究されている分野で、けして新規なものではありませんです。
ただ、「核分裂」の方が相対的に簡単であるために、軍事利用のニーズにともない研究が先行していったと言えると思います。
・「核融合」は、比喩的に言えば餅と餅、あるいは粘土と粘土をくっつけて一つの塊にすることです。これを原子核同士で行うことですね。
ただし、原子核は+の電荷を持つために磁石のN極やS極同士をくっつける時のように力がいるわけです。
この力をどこからどのように持ってくるかが「核融合」の実用化技術でです。
・自然界では、太陽(恒星)が「核融合」反応の好例です。最初は月と同じように冷え切っていた宇宙塵の塊に過ぎなかったのですが、引力で周辺の塵を集めて巨大化し、内部が圧力で高熱になり、一定の高圧と高熱に達した時に「核融合」が始まったのです。
太陽に匹敵する高温と高圧を「原子爆弾」で作り出すのが「水素爆弾(水爆)」です。他の装置・機構で高温と高圧を作り出そうというのが、平和利用型の「核融合炉」であり、軍事型の「純粋水爆」です。
(参照;「核融合 (08-01-03-13)」(原子力百科事典))
http://www-atm.jst.go.jp:8080/08010313_1.html
・このうち平和利用型の「核融合炉」については、先進各国で研究施設がありますが、いまのところインプットより大きなアウトプットを得るような装置はないと思われます。
(参照;「核融合炉」(原子力百科事典))
http://www-atm.jst.go.jp:8080/dic_0891_01.html
・軍事型の「純粋水爆」は、施設規模に制限のない「核融合炉」が実現していない以上、現時点では存在しません。
・「常温核融合」の常温とは、高温高圧ではないという意味に過ぎません。概念的には高温高圧を要しないということは大きな装置を必要としないという予測は出来ますが、それは前提条件ではありません。
高温高圧核融合よりも巨大な装置で実現するかも知れません。
いずれにしろ、現時点では「常温核融合」は実現していない技術であり、核物理方面でも実現性に否定的見解を持つ研究者のほうが多いようです。