(回答先: Re: 「メナム政権の改革の大部分は間違っていなかった」では議論は無駄だと思います 投稿者 あっしら 日時 2002 年 4 月 15 日 18:21:19)
596さん、こんばんわ。
>>累進税緩和策は、「余裕ができた金は株を買うほうに回るはずで株を売り払うよう
>>にはならないはず」なのに下がりました。
>>だからこそ、おたずねしたのです。原因と言われる別のこととは何でしょうか?
>累進税緩和策は株価上昇の原因にはなっても株価下落の原因にはなりません。
>バブルが有ったからバブル崩壊がありました。日本にそれほどの能力も無いのに日本
>に資金が集まりすぎてしまった。
>資金が集まりすぎたと思ったら、すぐに対応しなければいけません。
90年(実質的には89年秋)の「株式バブル崩壊」は仕掛けられたものですが、仕掛けが有効に働く条件があったからこそ、みごとに崩壊していったのです。
簡単に言えば、「消費税導入」により、その分企業の売り上げと利益が減少し、株式市場に投入される余剰資金が減少したことが、「株式バブル崩壊」の前提としてあったのです。
ご存じのように日本の株式市場は法人取引が75%以上を占めていますから、株価が“異常”に高くなった状況で法人の余剰資金が減少すれば、株価は下落せざるを得ないのです。
97年の「消費税2%アップ」でも、個人消費はみごとに2%減少しました。
そして、その後、日本経済は本格的な「デフレ不況」に突入したのです。
「所得税累進緩和」を実現するために消費税を導入したり税率をアップさせたことで、株価が下落したり、不況を悪化させたのです。
>インフレは年をへるごとに高くなるのであれば早めに買っておこうという気になりま
>す。
>デフレであれば来年はもっと安くなるから、今は買わないでおこうという気になりま
>す。
>消費税を年毎に高くするのはインフレのような効果を持たせるのです。
>消費税が低いうちにできるだけ早く構造改革を終わって、消費税が高くなる頃には構
>造改革の効果が出てきます。
>そうすれば改革の痛みも少なくてすみます。
インフレ率がどうなるかは結果的なもので、いつ終わるかもわからないインフレと、明確にわかっている「消費税の年度ごとの上昇」とでは、経済活動に及ぼす影響は根本的に異なります。
「消費税の年度ごとの上昇」は、年度を経るごとに耐久性がある商品に対する需要が減少し、経済成長はマイナスになります。
ですから、レーガノミックス的な構造改革を行えば、さらに経済状況が悪化することになります。
>>何度も繰り返しますが、改革の中身を具体的に列挙してください。
>自分独自のですけど、
>衆議院を廃止。衆議院は政権交代ができにくいから。
現在の選挙制度だと衆議院の方が政権交代につながりやすいと思いますが...
参議院は「3年ごとの半数改選」・「選挙区には2〜4人区もある」・「比例選出もある」...
>特殊法人等の徹底して民営化。または廃止。
特殊法人のなかには、キャリア官僚や与党の“既得権益”になっていることで、かつては必要であったかもしれないがある時期から必要がなくなっているのに存続し、天下り官僚への給与・退職金の支払い元や補助金の支給元になっています。
そのような特殊法人は、廃止するか改編しなければならないと思っています。
民営化については、民間が事業に二の足を踏むだろうと考えられた事業が特殊法人で営まれていますので、民営化はスムーズにいかないと考えているし、前から書いているように民営化したからといって黒字になるという保証もありません。
特殊法人の問題は、天下り利権になっていること石油公団のように巨額の赤字を抱えているところです。特殊法人の累積赤字をどう処理するのかという問題があります。
79と言われている特殊法人の実態を精査して、廃止や改編が必要なのか、赤字であっても国費を投じて存続させなければならないものかを論議すべきだと思っています。
>自衛隊と警察と消防の統合。
危険性が伴う仕事という共通性はありますが、訓練や出動対象は異なります。
自衛隊と警察の統合については、「自衛隊は普段は訓練ばっかりしていて実際に戦争するとなると役立つかどうか。自衛隊も暴力団や暴走族と戦っていれば、実際の戦争にも臆することなく戦うことができる。人員を節約することもでき一石二鳥です。」という説明をいただきましたが、“戦いの場数”を踏んで“場慣れ”させるということなのかあと思っていますが、それが、近代戦の訓練になるとも人員を節約することができるとも思いません。
ドラスチックな方法を使ってでも、公務員を減らすべきだという主張の一つだと受け止めておきます。
>12省庁を廃止し総理府だけにする。
大臣・副大臣・政務官・事務次官などは1/12になりますが、12省庁になったときと同じで中央官庁の公務員数はほとんど変わらないと思います。
これも、ドラスチックな方法を使ってでも、公務員を減らすべきだという主張の一つだと受け止めておきます。
>重大犯罪者は徹底して洗脳。キリストのような心になったら釈放。
現実でも矯正が行われています。
どのような方法で洗脳するのかわかりませんが、誰が、「どういうものがキリストのような心と定義し、キリストのような心になったと判断する」のでしょうか?
>天下り禁止、政官業の癒着禁止、企業献金と労組からの献金禁止。
全面的に賛成です。
「天下り禁止」と「企業献金と労組からの献金禁止」は具体的な事柄なので法律で禁止できますが、「政官業の癒着禁止」は、政治家が経済政策や国家予算を決めていることから、何をもって癒着と規定するのかから始まって、ごたごたする問題だと思います。
「それは癒着だ」と非難しても、「日本経済の全体を考えて決定したことだ」だとか、「民間企業を活用しただけだ」となりますから、「天下り禁止」と「企業献金と労組からの献金禁止」をまず行って様子を見るのがいいと思います。
>政治ポスター禁止。徹底して金のかからない政治にする。イギリスのように。
「政治ポスター禁止」と「徹底して金のかからない政治」がどこまで密接なつながりをもっているのかわかりませんが、献金規制で“金をかけられない政治”にすることが出発点だと思います。
>徹底して情報公開。住民の目線で物事を考える。
官公庁の情報公開は必要です。
「住民の目線で...」というのは、気持ちはわかるつもりですが、スローガンに類することに思われます。
>ゆとりある教育は学ばなくても良い学科の削減から。
>音楽、習字、古典、運動会の練習の廃止。体育、国語の半減。
そして、数学・理科・社会・英語の教育を拡充させるということですか?
>>「必要としていない部署」というのは、具体的にどのような部署でしょうか?
>以前の郵政省関係は民営化、廃止すれば大部分が必要なくなる。米の検査はいまだに
>農水省がやっている。
郵政省関係は、「郵政公社」に横滑りすることになると思いますし、そうしなければ「郵政公社」はまともに動かないと思います。(よっぽどやることがない職員を抱えていたのならわかりませんが..)
あの農水省が検査していることに大きなき疑念を感じますが、主食である米の検査はきちんと行う必要があると思います。
>従業員の給料の安い地方は企業の利益が多く出るので多くの企業が集まってくる。自
>然と貧富の差は修正される。
すぐあとに書いていることでもありますが、そのような理屈と地価の安さで地方に工場が進出していったのですが、長期不況のなかで倒産したりなくなったり縮小されたりしているのです。
ですから、手をこまねいていても、「自然と貧富の差は修正される」ことはないと考えます。
>>現実を理解されていないようです。
>>現状の経済的苦境のなかで、東京(首都圏)の付加価値生産はそれほど下がらず、
>>地方を直撃しているのです。それは、不況による地元企業の倒産や工場の海外移転
>>などによるものです。
>地方を優遇し熊しか通らないところに立派な道路を作ってもそれは非効率。税金の無
>駄遣い。
レスを理解されていないようです。
地方の経済苦境は、不況による地元企業の倒産や工場の海外移転などによるものですから、それを防止する政策が必要なのであり、「熊しか通らないところに立派な道路を作」る政策を求めているわけではありません。
>>誰もがインターネットを使っているわけではありませんし、インターネットを知っ
>>ている人なら、自分の預金をインターネットを使って動かす危険性をわかっていま
>>す。
>>“みずほの騒動”を見てもわかるように、専用回線を使っていてもあの有様です。
>>オープンなインターネットの危険性をもっとまじめに考えた方がいいと思いますよ。
>インターネットで多少の危険性はあるもののやがてどんな小さな銀行支店も情報端
>末を持つようになります。
>少人数で対応できるようになります。
この部分の前回のレスの主題は、「銀行と情報の取引を行っているわけではありません。インターネットで振り替えはできても、インターネットで、お金を運べるわけではありません」というものです。
それはともかく、“顧客に仕事をさせて効率を上げる”銀行は、それに見合うよう、振替手数料を引き下げたり、金利を上げたりすべきですね。
>郵便局は郵便物しか配達しませんが、配達専門会社は郵便物も新聞も牛乳も、その他
>頼まれればなんでも配達すれば効率的になって1個あたりの単価が安くなります。
>特定郵便局のような自民党の集票のために存続しているような組織は一刻も早く廃止
>し、特定郵便局の不条理不合理を無くさなければなりません。
宅配会社や輸送会社も、同じ路線や同じ地域で重複して車を走らせるのではなく、総合的に調整すれば、資源の無駄がなくなります。
特定郵便局については、局長の地位が世襲的なものになっていることが最大の問題だと思っています。
>公営であれば赤字になったら国民が尻拭いをしなければなりません。赤字になっても
>自分の金ではないので平気で無駄なことをします。
>民間であれば赤字になったら存続が脅かされるので必死になって効率化に勤めます。
「赤字になっても自分の金ではないので平気で無駄なことをし」てきたのは、公営企業の勤労者ではなく、自民党を中心とした政治家です。
選挙地盤を強化したり受領献金を増やすために、鉄道を敷かせたり、道路を造らせたりしてきたのは、自民党を中心とした国会議員であって、公営企業の勤労者ではありません。
民間企業も、自分の金と思うのは株主や経営者までくらいで、一般従業員は公営企業の勤労者と同じ意識です。
>>それは、ともかく、「法人税」は黒字を計上した企業が負担するものであり、赤字
>>企業は0%ですから、たんなる法人税減税は、不況脱出に効果があるとは言えない
>>ものです。
>法人税が低ければ外国との競争に少しでも貢献できる。日本の企業が有利になる。
>又、日本へ外国企業も招き入れることができる。
>中国との安売り合戦にも対抗できるようになるかもしれない。
法人税減税といっても、赤字企業は法人税を支払う必要がありませんから、現在のような倒産の続出や不良債権の増大という状況に効果がある政策ではないのです。
利益を上げている企業も中国を中心に生産拠点を移していますから、たんに法人税を下げても、その移転費用捻出に貢献するだけになってしまう可能性もあります。
需要が停滞し、地価も人件費も高い日本ですから、法人税を下げたからといって、金融以外の外国企業が日本に進出することはあまり見込めないと思います。
徐々に“棲み分け領域”を侵食されていますが、日本企業は、中国の安売りに対抗する必要はないのです。中国の中級品以上の家電製品などの輸出は、中国に進出した日本企業が主として行っています。
中国の金持ちは、3倍高くても、中国製フォルクワーゲンではなく、輸入日本車を買いたがっています。
日本企業は、日本の経済回復を第一優先としなければ、今後中級品以上の商品も中国企業にシェアを奪われ、国益を第一に考える中国政府の政策で、中国市場からも撤退せざるを得なくなるでしょう。
>人間のためになることなら何でもしたほうが良い。
>人間のクローンも実際に作ることは時期尚早だけれど、クローンの研究だけは続ける
>必要がある。
「人間のためになることなら」を、誰が判断するかや何を基準とするかが問題です。
クローンをつくる研究をいくらやっても、クローンが生物学的にどういう問題を引き起こすかはわからないことが多いので、それを確認するためにはクローンを実際につくるしかありません。
(倫理的宗教的な問題であれば、クローンをつくる研究を行わなくても論議できますが...)
クローンとりわけ人間クローンの研究や“製造”は、「人間のためにどう貢献」し、「人間のためになぜ必要」なのでしょうか?