(回答先: Re: その他についてのレス 投稿者 596 日時 2002 年 4 月 16 日 23:12:01)
596さん、こんばんわ。
経済問題で論議してきましたが、より根源的な問題だと考えているテーマでレスがありましたので、それを優先します。
>>クローンをつくる研究をいくらやっても、クローンが生物学的にどういう問題を引
>>き起こすかはわからないことが多いので、それを確認するためにはクローンを実際
>>につくるしかありません。
>クローンは動物実験で十分に研究する必要があります。動物でクローンを作って、
>十分に長生きでき、奇形もできなくなれば、そのとき、人間クローンを作るかどうか
>決める。十二分に危険性を低くした上で人間クローンを作れば何も問題はない。
クローン動物実験の是非はともかく、動物実験をいくらやっても、クローン人間の“生物学”的な問題は検証できません。これは、別の種の動物についても言えることです。
“慎重”を期すのなら、“クローン人間村”でもつくって、数世代にわたって検査を続けなければならないでしょう。
>>クローンとりわけ人間クローンの研究や“製造”は、「人間のためにどう貢献」
>>し、「人間のためになぜ必要」なのでしょうか?
>21世紀中にコンピュータやロボットは人間を越える。
>劣等な遺伝子を組み替えたり天才クローンを作ったりしなければコンピュータに追い
>越されるのが早くなるだけ。
>超天才クローンを1万人も作れば、そこからノーベル賞級の研究がいくつもなされる
>でしょう。
>近いうちに、幹細胞から心臓や肝臓を作ったりできるようになりますから、心臓や肝
>臓を取り出すためにクローンを殺すようなことはありません。そんなことをしたら殺
>人になりますから。
「21世紀中にコンピュータやロボットは人間を越える」とは、何がどういう基準で超えるのですか?
例えばですが、コンピュータの記憶力の“確かさ”や計算能力の“高さ”は人間を超えるということだったり、ロボットが“状況判断力”を持って指示されたことを的確に反復的に処理する能力で人間を超えると言うことでしょうか?
それなら、とっくに追い越されています。
「コンピュータに追い越されるのが早くなるだけ」と言われますが、ある能力=手段でコンピュータに追い越されることで、なにか問題が生じますか?
どんな「天才クローン」を造っても、単純な演算処理を高速で行うために人によって造られているコンピュータの単純な演算処理能力を超えることはできないでしょうし、できたとしても、それでなんらかの意義があるとも思いません。
石は人間の拳より大きな打撃を標的に与えます。それに負けないよう、頑丈な拳を持つ人間を造りますか?
車は人間より速く走ります。走力で車に負けない人間を造りますか?、
「劣等な遺伝子を組み替えたり天才クローンを作ったりしなければコンピュータに追い
越されるのが早くなるだけ」の“劣等な遺伝子”の「劣等」や“天才クローン”の「天才」の基準は何ですか?
「超天才クローンを1万人も作れば、そこからノーベル賞級の研究がいくつもなされる
でしょう」については、ノーベル賞級研究にどういう評価を下すかは人それぞれの価値観ですからことさら問いませんが、そのために“超天才クローン”を造ればというのは、人の思考力というものやクローンというものに対する596さんの認識に疑念を持たざるを得ません。
クローンで、人の記憶や思考力が“転写”されるわけではありません。
「近いうちに、幹細胞から心臓や肝臓を作ったりできるようになりますから、心臓や肝
臓を取り出すためにクローンを殺すようなことはありません。そんなことをしたら殺人になりますから」については、心臓や肝臓を作るのは母体以外では無理だと思っていますので、“近いうちに”できるという論拠を示してください。
現在言われているクローン技術よりも、母体と同等の生殖機能を持つ物をつくる技術の方がずっと困難です。それは、クローン技術を使わずに人を造るようなものですからね。
また、脳死者から心臓や肝臓を取り出すことも、“罪に問われない殺人”です。脳の機能に高い“価値”を見出している人たちが、脳死を人の死と定義してもいいと考え、法律でもそれに従っただけです。
心機能停止後24時間経過しなければ火葬もできないという法律の方がまともな規定だと考えています。
===================================================================================
>消費税が十数パーセントの欧米は日本よりも景気が良い。
日本は、あのとんでもない「バブル期」があったこととその後処理の誤りでドツボにはまっています。
欧米は、消費税が十数パーセントだから、GDP成長率をプラスで維持しているわけではありません。
ドイツを除く欧州先進諸国は長期的な停滞状況にあり、移民の流入などで人口が増大していることでグロスのGDP成長率をそこそこ維持しているといったものです。
GDP成長率で判断されない方がいいですよ。
一人当たりのGDPで見れば、「デフレ大不況」の日本も、ルクセンブルブに次ぐ世界第2位を維持しています。
成長の有無は別として、GDPの取り分がどうなっているか、政府及び地方自治体の歳入負担がどうなっているかが大きな問題なのです。
最大の問題は、多くの人がどういう生活をしているかにあります。
>来年、確実に値段が上がることがわかっていれば今年中に買っておこうという気に
>なります。
だから、耐久消費財の需要は、消費税が低い段階で高まり、高くなるにつれ減少していくことになるのです。
前回のレスでも、「「消費税の年度ごとの上昇」は、年度を経るごとに耐久性がある商品に対する需要が減少し、経済成長はマイナスになります。ですから、レーガノミックス的な構造改革を行えば、さらに経済状況が悪化することになります」と書いたのです。
まったく的外れのレスだと思いますが...
>>衆議院を廃止。衆議院は政権交代ができにくいから。
>現在の選挙制度だと衆議院の方が政権交代につながりやすいと思いますが...
>衆議院は与党の一番都合の良いときに選挙できますから衆議院で逆転するのは難し
>い。
>参議院選挙では逆転したことが2,3度ありましたが衆議院優先なので政権交代は
>起こりませんでした。
たいした問題ではないのであまり論議してしても仕方がないとは思っていますが、「与党の一番都合の良いとき」と言っても、4年の任期以内に必ず選挙を行わなければならないのです。
参議院選挙の逆転は「消費税導入」に伴う“反乱”で生じたもので、「消費税導入」がどれほど有権者の意向に反したものであったかを示したものと言えます。
逆に言えば、参議院で自民党がなかなか単独過半数を回復できないことが、参議院で“逆転”が起きにくい証でもあります。
>統合して1つになれば少しは統合されて省略できることが出てきます。
>族議員がなくなり国民全体のことを考えるようになります。高級官僚も日本全体のこ
>とを考えるようになります。
省庁統合は、見掛けだけ大きく見せる「行政改革」の手法だと考えています。
統合しても部局はそのままに近いかたちで残るので、族議員もなくならないし、高級官僚も省の代わりに部局のことを考える可能性が高いと思います。
(官僚は、ごく一部の人を除いて日本全体のことを考える必要はなく、職務として与えられた範囲を考えればいいのですが)
族議員については存在自体を悪だとは思っていませんので、前回も書いたように、利益が議員に還流しないように法律を整備することがポイントだと思っています。
官僚については、「天下りの全面禁止」と「失策の法的責任明確化」がポイントだと思います。
>>どのような方法で洗脳するのかわかりませんが、誰が、「どういうものがキリスト
>>のような心と定義し、キリストのような心になったと判断する」のでしょうか?
>キリストのような心になっていれば弱い者いじめすることもなく不正もしません。脱
>走の機会があっても脱走しません。
>進んで便所掃除もするでしょうし、右の頬をぶたれれば左の頬を差し出すでしょう。
レスが少しずれていると思いますが、書かれているようなことでそれを判断するという主旨だと判断します。
>>郵政省関係は、「郵政公社」に横滑りすることになると思いますし、そうしなけれ
>>ば「郵政公社」はまともに動かないと思います。(よっぽどやることがない職員を
>>抱えていたのならわかりませんが..)
>公社では徹底的に合理化が行われません。第三セクターとかいうものもほとんど赤字
>です。
「徹底的に合理化」とはどういうものですか?人減らしですか、それとも労働強化ですか、サービス低下ですか?
「第三セクター」は、596さんのような“公営企業批判”のなかで、採算性で民間企業が二の足を踏む事業を自治体出資をベースに会社形態で行っているものですから、赤字が出ているのはやむを得ないとも言えます。
赤字が出ることが悪いのではなく、赤字が出ないという経営見通しを出して「第三セクター」を設立したことが問題なのです。
自治体は、地域で必要なサービスで、それをある限度額の代金で提供すべきだと判断したら、赤字(=税金による補填)でも行いたいと問えばいいのです。
>>あの農水省が検査していることに大きなき疑念を感じますが、主食である米の検査
>はきちんと行う必要があると思います。
>悪い米を販売すれば売れなくなりますから農協自身が厳重に検査します。
ブランド米の不正や食肉の詐欺を見ればわかるように、違うものを売っても売れるのです。農協系の食肉販売会社も、詐欺を行っています。
どうせ味もわからない人ばかりなのだからほっとけばいいじゃないかとも言えますが、詐欺で不当な利益を上げていることは事実です。
>>すぐあとに書いていることでもありますが、そのような理屈と地価の安さで地方に
>>工場が進出していったのですが、長期不況のなかで倒産したりなくなったり縮小さ
>>れたりしているのです。
>>ですから、手をこまねいていても、「自然と貧富の差は修正される」ことはないと
>>考えます。
>地方はその分だけ物価が安く、暮らしやすいから大丈夫です。空気もきれいで人もぎ
>すぎすしていない。
「地方は物価が安く暮らしやすいので給与水準も低くて済む」ことで、地場産業が育ったり、大手企業が進出したりしたのです。
「空気もきれいで人もぎすぎすしていない」ことはいいことだと思いますが、総体的に低い給与水準でも仕事が得られない状況が続けば、穏やかな精神的に維持できないと思います。
ところで、596さんは“反近代主義者”なのですか?
>工場の海外移転がなければ日本の黒字が多くなり円高になって不況になります。
「円高で不況になる」という論拠を示してください。
>日本が円安になれば海外からの輸入も少なくなり景気も良くなります。
>円安になれば財政出動なく日本は再建できます。
「景気が良くなる」というのもそうですが、「円安になれば海外からの輸入も少なくなる」という論拠を示してください。
米国は、プラザ合意でそれまでの半分というとんでもないドル安にしましたが、輸入は増大しました。
>宅配会社や輸送会社は数社で競争しているから安くなります。郵便は郵便局が独占し
>ているから安くなりません。
価格を安くしたいのなら、国営宅配会社を設立し、黒字を条件に価格の安さを最優先とする経営をさせるのが最短です。
国営宅配会社の経営者は、黒字と価格の最安を実現することで、高額の報酬をもらえるようにします。(労働強化でそれを実現したら、辞任は当然のこととして厳罰にも処します。もちろん、他の宅配会社も、労働基準法違反は厳重に取り締まります)
民間会社だから効率が上がるとか、競争があれば必ず価格が安くなるといった主張は、“神話”でしかないのです。
株主のための利益をあげなくてもいい公営企業の方が、論理的に、同じサービスや商品を低価格で提供できます。
>>「赤字になっても自分の金ではないので平気で無駄なことをし」てきたのは、公営
>>企業の勤労者ではなく、自民党を中心とした政治家です。
>自民党を中心とした政治家もそうですが、公営企業は倒産することがないので平気で
>赤字を続けている。損益計算が公表されることがない。
「倒産することがないので平気で赤字を続けている」というのは、公営企業に対する難癖だと思います。公営企業の経営責任は、国会議員や政府にあります。
大手銀行などを見れば、「倒産させられないことがわかっているので平気で赤字を続けている」こともわかります。
>>法人税減税といっても、赤字企業は法人税を支払う必要がありませんから、現在の
>>ような倒産の続出や不良債権の増大という状況に効果がある政策ではないのです。
>黒字企業を更に黒字にすることができます。成長産業に投資することと同じです。
>停滞産業に資金を投入しても、停滞産業を長引かせるだけで、成長産業への転換を遅
>らせます。
>成長産業へすばやく転換することが求められています。
「黒字企業を更に黒字にすることができます。成長産業に投資することと同じです。」というのはどういう意味ですか?
企業が投資を行えば、全額ではありませんが費用になるので黒字は減少します。
私も提案している「投資減税」と「法人税減税」は、まったく性格が異なるものです。
「投資減税」は、償却期間を短くするなどで費用を過大に計上できるので利益を減らすことができるので法人税が減るというものです。
596さんが言われる「法人税減税」は、計上した利益に対する税率を下げるものですから、費用はできるだけかけない方がよいという判断を経営者に生じさせます。その結果、株式や不動産への投資が増大するかも知れませんが、失業者が減少したり、設備投資が増えるという保証はありません。