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天皇制に関する雑談的諸問題(だらだら長文)
http://www.asyura2.com/0406/idletalk11/msg/1134.html
投稿者 バルタン星人 日時 2004 年 11 月 13 日 12:17:35:akCNZ5gcyRMTo
 

参照スレ
Re:なるほどね。天皇=「一部のバカ野郎」というわけですね。石原さん。
http://www.asyura2.com/0411/senkyo6/msg/642.html

雅子さんと奥さん (よしののぶつぶつ日記)
http://www.asyura2.com/0406/bd37/msg/833.html

開かれた皇室」論者は自分が何を言っているのか分かっているのか【宮台慎司Blog】
http://www.asyura2.com/0406/bd37/msg/872.html

マドオンナさん、愚民党さん の記事への板跨ぎマルチレスです。

石原慎太郎がTVで天皇発言へのコメントを求められた時の、憮然というか憤怒ともいうような表情を何回か見て判ったんですが、たぶん石原は今上天皇に言いたいでしょう。「余計なことに口出すな。黙ってろ!」って、でも口に出したら終わりだから必死に堪えている。(笑)
石原には天皇への敬愛や天皇制そのものについての(アイロニカルなものも含め)情念とも言うべきものが何も無い。もろ政治的利用だけ、それが三島由紀夫と違うところだと思います。(石原は元々左翼=民青上りの戦後世代だし、三島コンプレックスの塊)

明仁殿下はその辺判っているんじゃないかと思います。要は石原みたいなキャンキャン吠えるだけの野良犬になつかれても蚤をうつされる(敵をつくる)だけだで迷惑だということ。中公新書の『昭和天皇』(保坂正康と原武史の対談)は本屋で立ち読みしたのですが、最後の方で今上天皇の話が少し出るます。たぶん敗戦の直後でしょうが昭和天皇が明仁少年に「あのまま戦争を続けたら三種の神器も守れないし、国民を沢山殺すことになった」と言っていたとあります。(保坂は「要は三種の神器(天皇家の存続)が第一、国民は二の次」と書いていましたが、御家大事と言う事でしょう)、あと「調子の良い部下を信用するな」とも言ったようです。(苦笑)

じつは今回と同様な例が1990年の木島長崎市長銃撃事件でもありました。木島さんは自民党員なんですがある種奇矯な人で、銃撃した右翼団体員とも顔見知りで市長室で歓談したりしていたのです。ところがその木島市長が「天皇に戦争責任がある」と言い出したので「裏切られた」という思いが募って銃撃に至ったわけです。いわゆる「言論弾圧」とは少し様子が違い私怨に近いのですが、逆に窓ガラスを撃って逃げるというようなパフォーマンスじゃなくて本当に殺す気で銃撃して木島市長は重症を負いました。
このとき明仁殿下が「言論の自由を暴力で犯すことは許しがたい」と異例の発言をされたのですが、(1989年、「国民とともに日本国憲法を守り」という「護憲宣言」を発して天皇の地位についたがという伏線があるわけですが)その発言に全国の右翼は驚愕し、落胆したわけです。賛辞は戴けないまでも、せめて黙っていて欲しかった、「陛下の御心にそうものだ」という意味づけをも禁止されてしまったわけですから。逆に一般市民はもとより左翼まで明仁殿下にシンパシーを持ったんじゃないか「天皇批判もお認めになるリベラルなお方だ」ということで、明仁殿下の「一人勝ち」ですね。この方は凡庸を装っているけど、なみなみならぬ政治的嗅覚の持ち主だと思いました。

明仁殿下の幼少時の相談役がヴァイニング女史、成人してからは小泉信三氏ですが二人ともクゥエーカー教徒ですね。小泉氏とはジョージ五世を題材にして「帝王学」を御進講したようですが、いまでもイギリス王室が理想と思っておられるんじゃないでしょうか。だからイギリスの学校でユニオンジャックを「強制」的に掲げさせたりGod save the Queenを歌わせるようなバカなことをしている訳がないのは先刻ご承知でしょう。

ですから天皇(革命)主義を掲げるような集団とは縁を切りたい、邪魔だと思っているだろうし、「御心」を察した鈴木邦男(一水会顧問)はこんなことを書いています。「尊王、愛国を声高に叫ぶものが天皇制を支えているのではない。むしろ陛下の御心にそぐわない。額に汗して働き、その日その日をつつましく生きる無告の民こそ天皇制をささえているのだ」と。
恐ろしいことを言いますねクニオちゃんは。
今でも神道系の宗教団体の人たちは宮城の清掃奉仕という形で皇居に入っていますし、時には「親しくお言葉を戴く」こともあるようです。こういう人たちは総じて「街宣右翼」には批判的です。「皇居の周りを大音量で軍歌を流して徘徊し陛下の静謐を妨げている、不敬である」と言って。

こうした神道系の団体も含めていわゆる「右翼、神道思想」と絶縁して「近代法体系によって位置づけられた王室」として純化し無色透明になれるのかというと難しいのではないか、網野善彦ではありませんが、天皇制はそういう「闇の勢力」と結びつかざるを得ない背景がある。
中世非農耕民の職能集団(山(鉱山)師、鍛冶師、木地師、漁師や芸能民ら)の起源はなぜが天皇に結びつくことになっています。政争に敗れて流浪する皇子が職能集団の娘と交わって子をなすという貴種流離譚=マレビトですね。実はこういうペルセウス=スサノオ型の説話はアフリカの無文字社会やミクロネシアとか世界中にある。つまり「起源」、共同体を超越する表象は共同体の中からは出てこないというアポリアは必ず「外」からやって来るという形で解決される。天皇自体が「ヨソモノ」なわけですから...って話は長くなるのですっ飛ばします。
彼らには系図があって頂点には天皇がいる。そうした集団は世俗的権力を飛び越えて直接天皇家と結びついて種々の特権(往来、交易の自由)を保障されると同時に「初穂」という形で一般的な租税と別に天皇家に献納していました。浅田彰が書いていましたが「京都御所の塀は中が覗けそうなくらい」低くて重い扉ではなく簾の向こうに天皇がいる。中国や西欧の王や皇帝の「城砦」ではないわけで、結界あるいは霊的な場ともいうべきものかもしれません。軍事的には信じられないくらい無力と言っていい。しかし一旦事あれば、これらの集団はいわば天皇家を奉る「私兵」になるわけで『異形の王権』後醍醐天皇の宮中に出入りした「異形の人=バラサ」もこうした人たちなのでしょう。『日本書紀』にあるようですが賭博の始まりも天皇家(天智天皇)だそうですから博徒の元締めと言えないこともない(笑)
明治維新で天皇が入れ替わったという「陰謀論」には判断停止しますが、『紀記』を見ても謀殺、不倫、近親相姦なんでもありで、血統的連続性など、はなからあるわけない。事実としても少しも驚くには当たらないと思っています。(笑) 保田與重郎はそれらも含め全部認めてしまうわけです。だから天皇は良いんだ、儒教的道徳で賢しらにことあげるのは「からごころ」だと言って。今月号の「すばる」で中沢新一が「僕のおじさん」網野善彦について語っていたけど、網野の天皇観は右翼の人にも好意的に受け取られた、むしろ網野は本当は天皇が好きなんじゃないかと言われてた。でも中沢新一によれば網野は「天皇制は抱きつく様に近づいて刺し違えるくらいじゃないと倒せない」と言っていたようです。そういえば中沢の話にも出てきた網野の『蒙古来襲』に『とはずがたり』が出てくるんですが(後深草天皇の皇女のダブル不倫の話 ?)ほとんどラクロの『危険な関係』かというくらいで蒙古が攻めてきて国が滅亡するかという瀬戸際なのに蒙古の「も」の字もなくひたすら淫楽に耽るという...あれ、なんの話だっけ。(笑)

例えば、(ほとんどあり得ない話ですが)日本共産党は「民主連合政権」と言っているわけですが、もし、万が一ですよ(笑)不破哲三首相とかになった場合天皇制を廃止しますかね、私はしないと思う。天皇家を法体系の外に放り出すことは特定の政治勢力に担がれる可能性を想定すると極めて危険です。何らかの形で法の「縛り」の下の置くしかない。下手に手をつけると一気に政権から滑り落ちる。むしろ取り込むことを考えるんじゃないか。つまりそのくらい天皇制というのは世俗権力にとって厄介な存在なわけです。不破哲っちゃんも「宮本天皇」には散々手を焼いたので判っているでしょう(笑)
妄想ですけど今上天皇と不破哲っちゃんが、お文学やお芸術について親しく懇談されている様が「赤旗」の一面に載る。不破哲っちゃんの談話が「陛下の御見識や平和を愛するお心には感服しました」とか「陛下の御心にそう政治こそ我が日本共産党」と書いてあって「臣 哲三」とか言い出すかもしれない。(笑)いやー妄想だけど結構リアルだ。見澤知廉の『天皇ごっこ』もそんな雰囲気の話でしたけど。
つまり世俗的権力がどうなろうと天皇制だけは残るんだ、だから石原ごときと「無理心中」は真っ平御免ということでしょう。

でも今の状態は綱渡りですね。天皇制と天皇家のキャラクターがあまりに密接不可分に癒合している。結局宮台慎司が言っているように「天皇と国民がどういう近代法体系上のお約束をしたのか」が不明瞭なのが根本的な問題。明仁殿下は天皇制を本当はユニオンジャック=旗の様なシンボルいわばメタ記号にしてしまいたいのではないか。つまり天皇がメタ記号になれば具体的にそこに当てはまる生身のキャラクターは何でもいいわけです。そうしないと中にいる人間はリベラルで文化的な理想的なファミリーというイメージをいつまでも演じ続けなくてはならない。ちょっとしたスキャンダルが制度そのものを揺るがすことになりかねないからです。これは中にいる人にとって物凄くキツい。つまり本来京都御所に居られるべき方が江戸「城」におられる事で何ともすわりが悪くなっている。

ブッシュ再選後の世界と2005年体制
http://www.asyura2.com/0406/bd37/msg/828.html

雅子妃で言えば「御成婚」の時小和田家が水俣病のチッソと関係があることが懸念材料になったと記憶していますが、ご本人の来歴、身体的特性はもとより親族、数代前までの家系の犯罪歴の有無、履病歴に至るまで(たぶんご本人のご存じないことまで)調べ上げてファイリング
し、必要に応じて閲覧されているのでしょう、きっと。そういう自分の全てを「公務上」知り尽くした人と日常的にコミュニュケーションを取らなければならないというのはどうなんでしょうか、想像を絶しますが。
ですから「人格否定発言」の意味は非常に大きい。前記の本の保坂正康の発言でも「中にいる人がこんなに不幸になるなら、そういう制度を続けていいのかという声が起きてくるだろう」とありましたが。


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