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ウェスタン・エレクトリック 300B を使ったアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/107.html
投稿者 中川隆 日時 2018 年 10 月 04 日 22:21:33: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

WesternElectric 復活!

Western Electric - Official Home Page
http://www.westernelectric.com/index.html


Greetings from Western Electric - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=dTVe_jDW-lo


2018/01/19 に公開
An update from the new Rossville Works facility. Follow Western Electric for updates on the 300B.

Get notified when pre-orders begin: http://eepurl.com/c4xBYv

http://westernelectric.com
http://facebook.com/westernelectric
http://twitter.com/westernelectric
http://instagram.com/westernelectric


▲△▽▼


2018年05月11日 WesternElectric 復活!
http://soundjulia.seesaa.net/article/459313369.html


WesternElectricが復活し、

300B はもちろん、アンプや CDP まで製造しています。


以下 米国値段 

日本円にする場合、

今日の為替ですと下記のドルを約110倍すると円になります。


300B 1本:599ドル

300Bマッチドペア管:¥1299ドル

116-C RIAA プリアンプ:7695ドル

97-A モノブロックアンプ:50995ドル

203-C CDプレーヤー:¥6195ドル


その他755のコーン紙や KSナンバーのケーブル各種

今月 WE91Eアンプも発表しています。


基盤を使用した配線のウエスタンのアンプ??今風...。

どんな音がするのか聴いてみたい気はします...。
http://soundjulia.seesaa.net/article/459313369.html



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帰ってきた Western Electric??? 2018/8/17
https://blogs.yahoo.co.jp/nightwish_daisuki/64267622.html


WE300Bがアメリカで再生産されるようです。

アンプも作る

CDまで作るのはやり過ぎじゃないか?(笑)


再生産するWE300Bについて(ホームページより)

ジョージア州ロスビルで製造され、100%アメリカ製の材料と部品で製造されています。


Q.新しく製造されたWE300-Bと何年も前に製造された新しい旧在庫WE300-Bとの違いは何ですか?

A.現在製造されているWE300-Bは、

  過去に入手可能であったよりも高品質で高品質の材料を利用することができます。

  現在のチューブは、ターボ分子真空ポンプの採用により、前回よりも真空度が高く、

  寿命が長くなります。管は新たに製造されますが、

  the filamentary cathode core material は、元のWE在庫(シカゴWestern Electric Hawthorne Worksの1963年溶融)

  から得たものである。

  WE300-Bsの製造に使用された工具は元々の装備であり、1943年までのものもある。


オリジナルの異様な高騰の歯止めになるとよいのですが・・・

コメント

さすが早耳!(笑)。

球派はまだまだ多いようですから、きっと売れるでしょうね。
中国球は一度視聴した事がありますが、お話にならぬ音でした。 ロシア球に差し替えたらまるでLambda(RSMN 2003)を導入したくらいの変化を感じましたよ(笑)。
2018/8/17(金) 午後 10:19[ flying mole ]

> flying moleさん

中国球も今は侮れないらしいですよ。
知らんけど(笑)

そういえば拙宅の2A3はロシア(Sovtek)です。規格以上の電圧に耐えるタフな奴o(^-^)o
2018/8/17(金) 午後 11:13[ nightwish_daisuki ]


20年くらい前に、日本の某デストリビューターが独占正規販売の形をとってWEの300Bを高額販売しましたが、売れ行き思わしくなかったようです。そのうち不正規の並行輸入が入って値崩れ。
2018/8/18(土) 午前 7:19[ AudioProject ]

300Bを語ったら日本一?の大先輩が言うには、カソードやヒーターなどの素材の違いが音に影響すると、言ってます

数年前?タモリさんの番組で300Bを聴いていて、奥からショップのおじいさんが桐箱に入ったweのオリジナルをうやうやしく持ってきて

比較試聴 一同騒然、確かに違いますね〜 爺さんニンマリ そのプリント見たら88でした 大先輩に言わせたらゴミなんですね 私も笑っちゃいました

でもですよ、タモリさんは結構なオデオマニアで昔から300Bを知ってます 有名なショップでの取材、オールドなんか出せなかったんですよね(私の想像ですから、確かな事は?)

オクをたまに覗きますが、異常の値段に驚いてます この再生産、マトモな物を出してくれる事を切に願ってます
2018/8/18(土) 午前 7:53[ 気まぐれ ]

変な球に手を出すのなら関西製造の300Bを推薦
知名度は少ないけれど音はいいですよ
もっとも組み合わせで音が変わるのはこの世界では常識
2018/8/18(土) 午前 8:55[ マロンコクトー ]

> 内緒さん

まぁ・・・必ずしもそうでなくて「球転がし」なんて遊びをするのも
テレビで紹介される程度に有名です(^^
2018/8/18(土) 午前 9:06[ nightwish_daisuki ]

タモリ倶楽部の球転がしですね。
その88は音割れしてましたが・・・プラセボ効かせれば良い音に聞えましたよ(^^
タモさんはマニアであり、紳士ですね〜♪
2018/8/18(土) 午前 9:08[ nightwish_daisuki ]

> マロンコクトーさん
コメントありがとうございます。高槻ですね(^^
タモリ倶楽部の影響で「まじめな音」というイメージを植えつけられてしまいました(笑)
2018/8/18(土) 午前 9:10[ nightwish_daisuki ] 返信する

300Bシングルアンプまだ手元に残っていますよね?。
残っているようだったらこの300Bに代えてみたい気持ち湧きそうですね。
湧かなかったりして_笑。
2018/8/18(土) 午前 9:42[ 彗星あさかぜ ]

> 彗星あさかぜさん

JB300Bはメインの座に居座っておりますo(^-^)o
いまの音を変えたくないのでWEに浮気するかというとしないですね。これはサンバレーの中国球でいきます。

寝ている91B型があるのですがそちらにはWE球がマッチしそうです。
2018/8/18(土) 午前 10:26[ nightwish_daisuki ]
https://blogs.yahoo.co.jp/nightwish_daisuki/64267622.html


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ウェスタン・エレクトリックについての詳細は


情熱のオーディオ WesternElectric 病棟
http://mikami.a.la9.jp/audio/western_electric.htm

G.I.P.Laboratory WesternElectric 励磁型スピーカーユニット復刻版
http://www.gip-laboratory.com/indexjapanese.html

ウェスタンエレクトリック伝説
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/208.html


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 中川隆[-13437] koaQ7Jey 2018年10月04日 22:24:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19012] 報告

2010年01月13日
3種類の WE の代表的なアンプ(91/124/86)を極力オリジナルパーツと元回路に拘って製作しました。
(実は途中で50シングルも作りましたが・・・)

同じプリ・アッテネーター・スピーカーでジャズとボーカル・ロックなどを聞いた結論として、どれが良いなどと恐ろしい事は言えそうもありませんが、

感想として・・・・

一番印象的なのは124です。ちょっと化粧の濃い目のお姉さんで・・・パッと目にものすごく惹かれます!
でも長く聞いていると、若干飽きてきます。(でも又聞きたくなります)

次に86アンプは趣がまったく異なり、自然で清楚な山の手のお嬢様の感じです(笑)
八島誠コレクションにも、「変に強調する所が無く何時間聞いていても疲れない自然の音」とありますが正にそのとおりです。
ただ、ちょっと刺激好きな私としては物足りない・・・・(すごく綺麗で輝きも余韻もあります)

そこで91Typeを元の310A2本のオリジナル回路に戻し、NFBのかけ方もオリジナルにしたものを
聞き比べました。

どうしてシングルでこれだけしっかりした低音が出るのか(出すぎという人もあるようです)わかりませんが、強力な低域と澄んだ広域が絶妙です。
ただ、124のような色気はありません。

勿論、回路のくせもあるのでしょうが、124はオール5極管・86はオール3極間・91は5極管と3極管
となっていますので、相関関係があるかとも思われます。

50シングルに触れませんでしたが、低域の硬さとスピーカーからの音離れの良さは、こちらが勝ちですがWEの音とは異なります。

そんな訳で、回路の面白さや「おしつけがましさ」を取ると124が魅力的です。
https://smcb.jp/communities/2154/topics/588869

2. 中川隆[-13436] koaQ7Jey 2018年10月04日 22:29:15 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19012] 報告

【第1話】オーディオ仲間の新年会でWE252A〜Edまで真空管聴きくらべ 2010年1月9日
http://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10139&i=10210


・上段左から 210、250、WE300B、WE252A、PX25、DA30
・下段左から RE604、LK460、Eb、AD1、Ed新、Ed旧、RV258旧、RV258新、RV239
http://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10210_801.jpg

2010年1月9日に行った、地元長野県を中心とするオーディオ仲間の新年会として行われた「真空管聴きくらべ」のレポートです。


上段左から 210、250、WE300B、WE252A、PX25、DA30

下段左から RE604、LK460、Eb、AD1、Ed新、Ed旧、RV258旧、RV258新、RV239


写真は当日聴いた真空管のうち、わたしが用意したもので、このほかに、

45、71A、WE252Aプリント、WE275Aナス管、4300B、AD1直管、ValvoのEd

を聴きました。ウエスタン・エレクトリックの各種丸管など、さらに多数の真空管を用意してあったのですが、途中で「このままでは肝心のドイツ球にたどり着けない」ということになってしまい、以上の真空管を聴きました。

アンプはバラック作りのユニバーサル機で、6SN7パラレル1段によるトランス・ドライブ、半固定バイアス、直流安定化電源、そして出力トランスはU808という構成でした。

お世辞にも立派なアンプとはいえませんが、これといった見どころが無い代わりに、最近の高性能トランスを使ったアンプのような個性も無く、球の違いがストレートに聴き取れました。

音源は某メーカーの音質評価用CD、スピーカーは Europa Junior KL43004 でした。

意外かもしれませんが、Europa Junior はとなりにあった フィールドの Eurodyn 以上に明瞭、かつ正確に真空管の音のちがいを表現し、比較には最適なスピーカーでした。


はじめに聴いた45は、まさしく中庸で癖のない音でした。意外にひ弱でなくて45と大差の無かった71Aに対し、210は色彩を控えた古風な音で個性的に聴こえました。250もややモノトーンながら、厚みがあって魅力的でした。なお、45と71Aのみ、別のアンプで聴き、続けて71Aを試聴アンプでも聴きました。

ここでおなじみの WE300B をリファレンスとして聴きました。写真では不鮮明ですが、3桁シリアルの1950年代のオールド球でした。繊細でありながら厚みがあって悪い音ではないのですが、ありふれているためか、みなさんの印象は薄いようでした。続いてWE252Aの刻印にしたところ、250をウェスタン風にカラフルにしたような魅力的な音に、みなさんの表情が変わり、「いいね」といった声が数人から出ました。プリントのWE252Aに換えてみると、刻印よりも少しだけ薄味ながら同様にすばらしい音でした。

このあたりで「このペースでは時間が足りない」ということになって、WE275A のナス管でウエスタンを締めくくることにしました。WE300Bを引き締めたような音で、みなさん好ましく感じていました。

ここからイギリス球で、スタートは4300Bでした。300Bを透明で格調高くした雰囲気の音を聴いたみなさんは、オーナー氏の「WE300Bより良い」という説明に納得していました。続いてはDA30で、1本目がエミッションが出ないというトラブルに見舞われましたが、2本目はこれまでの真空管とは格のちがう、スケールの大きさと繊細さを兼ね備えた音を出してくれました。音の色付けの少なさと低域の明瞭さでも優れていました。続いてはPX25で、予想どおりDA30に近い音色でしたが、若干伸びの無い感じで、全体的な印象は思ったよりも異なりました。

ここで宴席に移動してネパール料理を食べたあと、いよいよドイツ球を聴くことになりました。まずはRE604の真鍮ピンで、初期の球です。RE604にはさらに古いトップシールの球もあるそうですが、現物を見たことはありません。イギリス球はアメリカ球に比べて伸びやかな傾向がありますが、ドイツ球はそれに加えて色彩感と厚みがあるように感じます。45よりも鮮明な音でした。つぎのLK460はRE604を少し地味でソフトにした感じで、悪くありませんでした。

中型管に移って直管の Klangfilm のAD1(製造は Valvo)を聴いたところ、これまでのどの真空管とも明らかに違う音でした。みなさんしきりに「透明で癖が無い」と溜息のような感想を漏らしていましたが、そんなに癖が無いと感じるということは、逆説的に個性が強いということになるのでしょうか?そのつぎはValvoのEbで、これぞドイツという感じの厚みがあって雄大な音は、じつに魅力的でした。

AD1は写真のように即席のRV258型ソケット用アダプターを付けて聴きました。Ebよりも引き締まった、緻密な音でした。続くEdシリーズも同様なアダプターで聴きました。ValvoのEdは、たった1本なので確証はありませんが、内部構造、特性、そして音もEbと同じでした。Siemensの新型Edは、これまで聴いた古い球に比べると少し硬質な音で、「やっぱり新しい球の音だ」と、みなさんの評判は良くありませんでした。それに比べて旧型のEdは、EbとTelefunkenのAD1の中間くらいのバランスの良い音でした。ただ、音自体には高価なこの真空管を買うだけのメリットは感じられませんでした。

最後は大型管シリーズで、はじめの旧型RV258は少し硬い音でしたが、「低域がとても良い」という意見がありました。つぎの新型RV258は旧型とは異なって、色彩が豊かに感じられるのに、落ち着きのある魅力的な音でした。最後はバイアスの深いRV239でしたが、PX25とDA30のような差は感じられず、RV258の新型とよく似ていました。深夜0時までかかってドイツ球を聴き終わり、楽しい新年会は幕となりました。

さて、新年会と同じくこの記事も長くなってしまいましたが、みなさんの評価を大雑把に集計すると、直管のAD1が1番、新型RV258が2番、3番以降は意見がまとまらず、といったところでした。45系といえるRE604やLK460と45自身、(一枚プレートの)2A3系といえる300Bや275AとAD1やEdなど、製造国による傾向のちがいを越えた、共通するニュアンスを聴き取れたのも収穫でした。レンズでいえば45〜RE604系がコントラストが良くて明解なテッサー型なら、300B〜AD1系が繊細で解像度の高いガウス型といったところでしょうか。

もちろん、このような短時間の試聴で各真空管の本質的な音が理解できるはずもありませんし、1本だけのサンプルでは不正確でしょうが、ふだんから「どの球を買うべきか?」「どの球でアンプを作るべきか?」と悩める参加者のみなさんは、とても真剣に聴いておられました。もっとも、真空管による音のちがいなんて、アンプ全体からすれば一つの要素に過ぎないのですが、ついつい夢中になってしまった新年会でした。

【第3話】真空管聴きくらべパートII(RV258, RV239 編) 2010年5月16日
http://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10139&i=10212

左から古い順に並べた RV258 と P41/800
http://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10212_801.jpg

新年会の真空管聴きくらべで好評だった RV258 系の真空管について、第2ラウンドの試聴会を行いましたのでご報告します。

参加者は会場の都合で突然中止になった、サウンドパーツさんのイベントから流れて来たみなさんです。米国系〜英国系で遍歴を重ね、WE300A や DA30 などの主要球を所有する大ベテランの諸氏ですが、ここに来てドイツ系の球へと切り替えつつあります。


左から古い順に並べた RV258 と P41/800


RV258 は1928年に登場したとされる TELEFUNKEN 製の球です。

古い設計なので、プレート電圧が 700 〜 800 V と高いものの、フィラメントが 7.2 V 1.1 A で 7.9 W なのに対して出力 10 W と、非常に効率が良い球です。グリッド・バイアスも -70 〜 -80 V とちょうど良いレベルで、価格も Ed や Da などのポスト・チューブや AD1 系の球に比べれば安く、とても実用的です。

R は真空管を、V は増幅器を表しますので、RV は増幅器用の真空管という意味になります。RS237 などの RS が通信用の真空管なのに対し、RV が本来のオーディオ管というのは使っていて気分が良いものです。じっさい、211系などの送信管よりも素性の良さを感じます。

300Bが実際のオーディオ用途でそれほど使われなかったのに対し、プロ用の大出力アンプで大成功を納めた RV258/RV239 は、戦前・戦中のドイツ球にしては数多く現存していますが、さすがに最近は入手が難しくなってきました。


RV258 の音は一言でいうとニュートラルです。初期の直熱3極管全般の明るく澄んだ音色に通じるところがり、特別にドイツの音だ!というほどの個性はありません。パワーに余裕があることもあって、音楽のジャンルを選ばない万能選手といえる球です。

AD1 や Ed のように暗いフィラメントの球とはちがって、明るいトリア・コートのタングステン・フィラメントなのが良いのかもしれません。いっぽう、パワーがあっても大型送信管のような鈍い音ではなく、210/VT25 のように古風な音でもありません。ニュートラルなのですが、RV258 を聴いたあとだと、ほかの球はつまらない音に感じてしまうことが多いから不思議です。


試聴は新年会と同じ 6SN7 パラレル+結合トランスのバラック・アンプに EUROPA JUNIOR で行いました。

初めはシリーズIの球で1930年4月の製造でした。TELEFUNKEN のこの系統の球には、エッチングで製造月年の表示があるので、正確な年月がわかります。最古のシリーズという先入観のためか、みなさんは少し渋めの音に感じたようです。もちろん、同じ RV258 の音のなかでの微妙な差ですし、こちらのほうが柔らかくてシリーズIII以後の球より聴きやすいという感想もありました。

2本目はシリーズIIで、1930年10月の製造でした。シリーズIIはIとほぼ同じ構造で、プレートもこの2本は同じ茶色で、シリーズIII以降の灰色とは異なります。また、電極の支持方法が少しだけ改良されています。このプレートの茶色は、純粋なニッケルを高温炉で酸化させたときの色ですので、コーティングなども無い単純なニッケルのプレートかもしれません。音もシリーズIとほとんど同じでした。

3本目はシリーズIIIで、1931年8月の製造でした。プレートの色が変わったということは、材質か表面仕上げが変わったということです。そのせいか音も変わって、非常に良いバランスです。これといった癖もなく、ニュートラルに感じました。

4本目はシリーズIVで、1932年9月の製造でした。ここまでの製造年月はわずか2年ほどで、ごく短期間に改良が進められたことになります。シリーズIIIとの違いはやはり電極の支持方法で、頂部に大きなマイカが使われるようになりました。正直なところ、わたしにはシリーズIIIとIVの間には、ほとんど音の差が無いように感じられました。


プッシュプル用に4本揃えるのは困難になりつつある RV258IV

5本目もシリーズIVですが、ベースが黒から白に変わっています。1934年7月の製造でした。シリーズIVは長期間製造されていて現存する本数も多いので、これがメジャーなモデルということになります。黒ベースのシリーズIIIとIVの差がほとんど無かったのに反して、同じシリーズIVどうしなのに、黒ベースと白ベースでは明らかな差がありました。1本だけでは個体差かも?ということになりますが、写真の物も含めて黒白ともに4本づつあって、この差は明らかでした。ベースの色のように、少し現代的でワイドレンジに感じました。ベースの材質は黒が真鍮、白がアルミです。

6本目はシリーズVで、1940年5月の製造でした。シリーズVになってようやく、1920年代の名残をとどめるトップシールから普通の形状に変わります。ここから戦中の球になりますが、作りはしっかりしており、けっして粗悪品ではありません。音も白ベースのシリーズIVに少しだけ艶を乗せた印象で魅力的でした。

7本目はシリーズVIで、1943年4月の製造でした。大戦が激化したこのころになると、わずかに品質が落ちているように見えますが、シリーズVの音にしっとりとした落ち着きを加えた聴きやすい音で、けっして悪くありませんでした。人によってはもう少しスッキリしたほうが良いと思うかもしれませんが、個人的には一番好きな音かもしれません。

8本目はシリーズVIIで、1952年9月の製造でした。これだけが戦後の球で、構造もかなり変わっています。とくに、プレートの断面が楕円形から8角形になっていて、かなり異なる印象を受ける外観です。品質は非常に高く見えます。音もガラリとちがう雰囲気で、ちょうど新型 Ed の音が旧型 Ed や AD1 よりも良くいえば明瞭で鮮やか、悪くいえば硬くて上ずり気味なのと同様でした。わたしたちの言葉では「新しい球の音」ということになりますが、もちろん微妙な差ですので、この新型管の個性がちょうど良いスパイスになることも多いでしょう。

最後はタングスラム製の RV258 である Tungsram P41/800でした。概観は金色の真鍮ベースに大きな ST管が乗ったような独特の形です。また、この球は普通の酸化物コート・フィラメントで(トリアも酸化トリウムですが)、プレートの形状も含めてナス管の PX25 に近い構造のせいか、音も普通の真空管に近い印象でした。


点灯中の RV258IV(抵抗はヒーターON時のラッシュ・カレント防止用)

以上の結果から、RV258 はどのシリーズも優れた球であって、300B のように製造年代が古いほうが良いということもなく、どれを購入しても損は無いといえます。

シリーズIとII、およびIIIとIVは見た目も音も差が小さいので、ペアで使っても良いと思います。また、シリーズVとVIのペアも許容範囲だと思いますが、シリーズVIIをVI以前とペアにするのは厳しい気がします。

その後、II、IV、VIと偶数シリーズの RV239 も聴きましたが、同じシリーズの RV258 と共通する特徴が聞き取れました。もっとも、同じシリーズなら構造や材質が同じで、ちがうのはグリッド巻き線のピッチだけですから、当然の結果といえます。

また、RV239 は RV258 よりも内部抵抗が若干低いことが音にも表れますが、PX25 と DA30 のような明らかな優劣はなく、-150 〜 -180 V とバイアスの深い RV239 で増幅段が1段増えるばあいには、かえって RV258 のほうが良い音になってしまうかもしれません。
 

3. 中川隆[-13435] koaQ7Jey 2018年10月04日 22:38:34 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19012] 報告

300A・300B を使ったウエスタン・エレクトリックのオリジナル・パワーアンプ


300A採用のアンプは、『D-95036-F/G』、『86』、『91』、『92』と、1938年以降の製造された『TA-7467』、『TA-7477』があるが(他に300Bを採用した『42』、『46』のモディファイド・ヴァージョンなどがある)、

ファイナルステージがプッシュプルの『86』。シングルの『91』、この2種がシアター用として、もっとも重要な存在である。


1) Western Electric 86 Amplifier

WE-86-C回路図
http://kankyu.ehoh.net/page013.html


 『86』は、1934年に発表されているが、’35年のType1〜4システム、’36年のM-3〜4“ミラフォニック・サウンドシステム”の「ダイフォニック」システムをドライヴするパワーアンプとして運用、出力管300Aをプッシュプルで用いた、ウェスタンでもっとも著名な製品の一つである。

 
『86』は(A)と(C)型で最小47db から最大99db、(B)型で36dbから96dbの幅広い固定式ゲイン・コントロールが行えるのが特徴である。
 
まず入力信号は1次インピーダンス200Ω、2次インピーダンス110kΩ、昇圧比1:23.5のインプット・トランス261-B(パーマロイ・コア)で受ける。

 『86-A』のアウトプット・トランスは166-A、『86-B』では166-B、『86-C』では159-Bとなる。

 159-Bは1次インピーダンスが4.13Ω、2次が6Ωと12Ωで、

6Ωのタップの場合 3.5Ω〜7.5Ωのインピーダンスを持つレシーヴァー、

12Ωの場合には7.5Ω〜15Ωのレシーヴァー

を接続するようにとの指示がある。 300Aのバイアス抵抗(ワード・レオナルド製)は、60オームと510Ω(合計570Ω)で、ここには300A×2本分の電流が流れるから、1本分に換算すると1.140Ωになる。わざわざ60Ωと510Ωに分割してあるのは、B電源と510Ωの間に16μFの電解コンデンサーを接続し、A.C.分(B電源のリップルや出力管のアンバランスから生ずる歪)をキャンセルする手法である。また同時に300Aの、高域における電源インピーダンスを下げる効果もある。

『86』はウェスタンで最初に本格的に電解コンデンサー(エアルヴォックス製)を採用したアンプで、これも画期的なことであった。

 『86-A』『86-B』とも、パワー・トランスには当初60Hz専用のコア・ヴァリウムの小さめのもの(323^B)が採用されたが、発熱およびレギュレーションの点で不利なため、1935年に47Hz〜63Hz対応のD-96970に交換された『B-86-A/c-86-A/86-C』が生まれる。

 『86』は、映画産業の隆盛の波に乗った、ワイド・フリクェシー&ヴォリュウム・レンジを謳う“ミラフォニック・サウンドシステム”を導入したシアター用に、1934年から’37年の間、大量に生産された。 客席数が800〜1500席、100,000〜250,000立方フィート(2,831〜7,079m3)のエア・ヴォリウムを持つシアターでM4システムや、M3システムにおける、ステージ・レシーヴァー駆動用の終段アンプとして充分な実力を発揮した。

 TA-4161-A低域レシーヴァー、594-Aレシーヴァー、26-Aホーンを主体とする“ミラフォニック・サウンドシステム”を本機で鳴らしてみると、わずか15Wの出力であるにもかかわらず、その卓越した表現力、色彩感豊かな描写、そして圧倒的な重量感は現代の数百Wのアンプに勝とも劣らないことを強烈に思い知れされる。

オーディトリアムにおける音響機器のテクノロジーは、1930年代にはすでに完成の域に達していた。それが現代民生用オーディオシステムにあまり継承されていないことは残念でならない。音響技術および音楽ソフトの分野に関しては、S/Nが改善され、ダイナミックレンジおよび周波数レンジも拡大してきたが、その代償として失われたものも多いことを考え直す時期に来ているのではないだろうか。
http://www.gokudo.co.jp/index2.htm

__________

2) WE−91B


WE-86-C回路図 ・WE300Bシングル回路図
http://kankyu.ehoh.net/page013.html


WE-300Bをシングルで使ったアンプとしてその信頼性と設計の良さが語り継がれている。初めて原型のWE-300Aが1936年にWE-1068トーキー映画アンプシステムのWE-86アンプに使われた。その後WE-91Aに使用、改良された300Bが投入されると91Bに改版となった。

電圧増幅はWE-310A(Ef=10V)を2段使い、十分な増幅度を得ている。入力はフォトセル用にT1で昇圧しハイゲインとしている。整流管は274Aを採用して300Bとウォームアップ時間を合わせている。

オリジナルはモノラルアンプ オーディオ用には入力Tと初段を省略する回路が参考にされてきたがオーバーオールのNFBなどの極めて高度な補正が施されている回路は今でも色褪せない。
http://kankyu.ehoh.net/page003.html

4. 中川隆[-13354] koaQ7Jey 2018年10月12日 07:24:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19129] 報告


真空管の歴史:WE300Bの登場


1920年代末から1930年代にかけては、真空管やそのデヴァイス、回路技術からその製品に至るまで、歴史的に非常に興味ある時代です。

1927年イギリスのラウンドにより5極管が発明され、製品としてはマルコーニ・オスラムから PT625として発売されている他、

フィリップス社からC643,D143などが発売されましたが

欧州に遅れること2年、1931年に米国はRCAから5極管247が開発。
1933年に同じ RCAから3極管の銘管2A3が発表。

同年発表の WE No.46c type に、WE-300として、300 typeが最初に使われました。


これは205と211の中間にあたる特性で、

さらに改良されて300Aが No.86 type に、

さらにこれをプッシュプルではなくシングルでの使用を念頭に入れ、高耐圧とした、ロック用ピンの 位置が違う300Bが No.91A に搭載されました。


ちなみにこの300B,最初はなんと電話中継用アンプの電源の電圧制御として使われ、その後、 高耐久性と素直な特性が注目され、オーディオ用に使われるようになったとか。


300Bをはじめて搭載した WE No.86-A type Power Amp. の設計が1934.9.14だそうですが

1929年にはRCAから戦前最高と言われる245を用いたRE-45型電蓄「グローブ・トロッター」が発表され、その5年後の1934年には2A3をパラ・プッシュで使用して22Wの出力を誇る、RCAの エレクローラD-22型が発売されています。

このRCAの電蓄D22 と WE No.117-A type プリアンプのもう一つのウリは、ボリュームエキスパンダーという、狭い電蓄のダイナミックレンジを広げるところにあったと言われています。


英国では銘球 PX-4 が 1929年に発表され、

フェランティー社のトランスで組んだアンプ Ferranti Model AC 6 LF Amplifier は、PX-4のフィラメント規格がちょっと違うだけの LS5Aを使用しているものの、40Hz が -3dB のギャランティー、12kHz が -1dB という驚異的なハイファイ・アンプでした。

ちなみに 1937年に発表された AC-6C では、何と 20Hzが -0.5dBだったとか。


同社の AF5Cパワー段入力トランスの周波数特性は 20Hzから10kHz が+0.5dB〜−2dB に入っていることを考えると、我が国のオーディオファンは米国の WEやRCAについつい目が行ってしまいがちですが実は。イギリスの方が優れていたのかも知れません。


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真空管回路技術&トランスのお話


1929年という年は、真空管アンプの回路技術に関しても優れたものが発表されています。

ロフティン・ホワイト直結増幅器というもので、電圧増幅段と電力増幅段をトランスやC・Rなどの カップリング・デヴァイスを使わずに直結としたことにより、音質がトランスやC・Rの呪縛から解 き放たれ、コストも抑えられると言うことで、人気を呼びました。

しかし、電子部品の精度と信頼性がイマイチだった当時のこと、アマチュアにはもてはやされましたがプロ用には 1926年頃から R・C結合アンプがイギリスのアマチュアに端を発し、ようやく普及してきた段階で、

WE No.59 ですべてトランス結合だったのが、No.86 で段間トランスが一つ減ってR ・C結合になった程度でした。


トランスを使用すると低域において時定数を1段、高域においては2段、つまり低域に於いては位相が 90度、高域に於いては位相が 180度偏移します。

R・C結合では、低域の時定数が1段、位相が 90度ズレてしまいます。

そう言う意味では、トランスよりもR・C結合の方が、出来ればカップリング・デヴァイスなど無い方が良いわけなのですが、ところがどっこい、実際に音を聴いてみると、 帯域の狭い筈のウエスタンのトランスの奏でる音の、何と伸びやかで聴きやすく落ち着いていること か。


電話の中継トランスとして作られた 111C に至っては、これをライントランスとして使った方が高域も素直に伸びやかで、低域には芯があり、かえって帯域が広く感じられるほどです。

本来ならノイズをカットし電話の会話を聴きやすくするために帯域を制限しているトランスの筈なのですが……。


英国フェランティー社、米国 WEにUTCそしてピュアレス社、フランスはピーバル社にドイツの テレフンケン……。


「真空管アンプってのはね、トランスに一番お金をかけなきゃ駄目だよ。
マッキントッシュやマラ ンツの音が良いのは、あれはトランスに金がかかっているからだよ」

とおっしゃった大先達の言葉が、今更のように思い出されます。


現代でも音が良いアンプ、EAR861 や C.R.ディベロップメンツ、そして国産のウエスギ・アンプ においても、トランスが十分吟味され、その性能を発揮されているからこそ、あれだけの音が出てくるのだと思います。


また、1937年に はWE と AT&T が共同設立したベル研究所のH.S.ブラックによる NFB理論が WE の 91Aには使われていること、

その NFBを 20dBほど使って超低域から超高域までフラットな周波数特性と、低歪率を誇ったウイリアムソン・アンプが 1947年にイギリスの「ワイヤレス・ワールド」誌に発表されています。

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Western Electricのトランスの話:WE618A


Western Electric(WE)社は、1878年イライシャ・グレイによって創設されました。

このグレイは、 電話機の発明でグラハム・ベルに 1876年2月14日、たった2時間差で敗れた人物で、

後に WE はアメリカン・ ベル電話会社の製造部門として活躍。

1897年に AT&T(American Telephone and Telegraph)に吸収合併 されます。


AT&T は当時は米国最高の頭脳集団と言われ、AT&T あるいは WE 関連の特許や素晴らしい製品開発は数多く、

1912年 プッシュプル増幅回路
1924年 の電気録音方式
1927年 NFB回路理論
1927年 トーキー映画システム
1927年 555レシーバー
1928年 世界初のステレオレコーディング
1931年 テープレコーダー試作
1932年 300A
1934年 86型 300Aプッシュプルパワーアンプ
1936年 594Aコンプレッションドライバー
1937年 91型 300Bシングルアンプ
1951年 接合型トランジスター開発
1957年 45回転ステレオディスクの開発


など、オーディオの原点とも言うべき様々な基本開発研究を行っています。

さて、この 618Aトランスですが、元々は WE No.117-A type のプリアンプなどで使用されていた入力トランスで、

30〜15,000Hz と当時としてはかなりの広帯域を誇り、

A typeは入力側のインピーダンス が 30 or 250、出力側が50k、
一般的に出回っている、B typeが出力側のインピーダンスがその半分です。

従って Atypeの方がゲインが取れるので MC用昇圧トランスとしては使いやすいかと思われます。


WE No.92-B type のパワー段の入力トランスの特性が、50〜7,000Hz だそうで、これは当時のト− キー・フォト・セルが 100〜6,000Hz だったことを考慮しての、帯域特性だと思われますが、それから考えても、30〜15,000Hz がいかに広帯域だったかが、しのばれます。

あの WE No.86Bでさえ、トータルの周波数特性が 40〜15,000Hz だったりしますので、当時としては十分な帯域特性だったのでしょう。


WE は元々、電話中継器をなど、通信関連を手がけていたため、いかに聴きやすい声を提供するかに重点が置かれ、

当時の技術では、たとえば UTCなど、その気になれば 50kHzクラスの周波数特性のトランスを作れたそうですが、WE はトランス設計の段階に於いて、「帯域制限」の考えがあったと当時の技術に詳しい小山内氏はおっしゃっております。


インピーダンスに関しては、、SPUなどのロー・インピーダンスのカートリッジでも、受けるトランスのインピーダンスがこのくらいなら、あまり問題にならないのではないかと思います。

ちなみに 618B は WE No.120-A type や 129-A type ミキシングアンプなど、様々な機器に使われて< います。


6L6 をパラプッシュにして、35〜15,000Hz の当時としては広帯域を誇る劇場用アンプ WE No.118-Atype Power Amp. が出たのが 1939年ですから、このトランスは約60年前に現役だったと思われます。
http://www.kusunoki.jp.net/audio/audionote.html#circuit


5. 中川隆[-13319] koaQ7Jey 2018年10月16日 09:29:38 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-19210] 報告

Irony オーディオ‏ @irony49371 · 7時間7時間前


 その他


23年前の雑誌から、

Western electric

WE41.42セットが 300万円
WE86が 250万円
WE91が 200万円
WE124が 90万円
WE142が 90万円
WE143が 75万円


となっています。WEは数年前アジア圏からバイヤーがやってきて買い占めて行きましたが、その前から200万円くらいまで値段が高騰してました。女性ボーカル(バラッド)なら最高峰

6. 中川隆[-13390] koaQ7Jey 2018年12月28日 07:47:47 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22210] 報告

ウェスタン・エレクトリックのオリジナル アンプ・トランスの周波数帯域


WEのトランスのデータです。
http://blogs.yahoo.co.jp/fareastern_electric/62006702.html


1937年ということでWEの映画システムのトランスがほとんど載っています。

特に91アンプは入力トランスの285Aも出力トランスの171Aも、ともに100〜6000Hzの再生帯域なのでその間にどんなに広帯域の高NFBアンプを持ってこようと特性はトランスによって決まってしまいます。


Western Electric Amplifier の周波数帯域

WE86 : 40〜10000 Hz
WE91 : 50〜 8000 Hz

なにせ入力トランスも出力トランスも100〜6000 Hz ですから。
http://n-nobo.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/1-eeb8.html

Western Electricのトランスの話:WE618A

Western Electric(WE)社は、1878年イライシャ・グレイによって創設されました。このグレイは、電話機の発明でグラハム・ベルに1876年2月14日、たった2時間差で敗れた人物で、後にWEはアメリカン・ベル電話会社の製造部門として活躍。1897年にAT&T(American Telephone and Telegraph)に吸収合併されます。

AT&Tは当時は米国最高の頭脳集団と言われ、AT&TあるいはWE関連の特許や素晴らしい製品開発は数多く、


1912年プッシュプル増幅回路、
1924年の電気録音方式、
1927年NFB回路理論、
1927年トーキー映画システム、
1927年の555レシーバー、
1928年世界初のステレオレコーディング、
1931年テープレコーダー試作、
1932年300A,
1934年86型300Aプッシュプルパワーアンプ、
1936年594Aコンプレッションドライバー、
1937年91型300Bシングルアンプ、
1951年接合型トランジスター開発、
1957年45回転ステレオディスクの開発


など、オーディオの原点とも言うべき様々な基本開発研究を行っています。

さて、この618Aトランスですが、元々はWE No.117-A typeのプリアンプなどで使用されていた入力トランスで、30〜15,000Hzと、当時としてはかなりの広帯域を誇り、A typeは入力側のインピーダンスが30 or 250、出力側が50k、一般的に出回っている、B typeが出力側のインピーダンスがその半分です。
従ってAtypeの方がゲインが取れるのでMC用昇圧トランスとしては使いやすいかと思われます。

WE No.92-B typeのパワー段の入力トランスの特性が、50〜7,000Hzだそうで、これは当時のトキー・フォト・セルが100〜6,000Hzだったことを考慮しての、帯域特性だと思われますが、それから考えても、30〜15,000Hzがいかに広帯域だったかが、しのばれます。

あのWE No.86Bでさえ、トータルの周波数特性が40〜15,000Hzだったりしますので、当時としては十分な帯域特性だったのでしょう。

WEは元々、電話中継器をなど、通信関連を手がけていたため、いかに聴きやすい声を提供するかに重点が置かれ、当時の技術では、たとえばUTCなど、その気になれば50kHzクラスの周波数特性のトランスを作れたそうですが、WEはトランス設計の段階に於いて、「帯域制限」の考えがあったと当時の技術に詳しい小山内氏はおっしゃっております。

インピーダンスに関しては、、SPUなどのロー・インピーダンスのカートリッジでも、受けるトランスのインピーダンスがこのくらいなら、あまり問題にならないのではないかと思います。

ちなみに618BはWE No.120-A typeや129-A typeミキシングアンプなど、様々な機器に使われて< います。

6L6をパラプッシュにして、35〜15,000Hzの当時としては広帯域を誇る劇場用アンプWE No.118-A type Power Amp.が出たのが1939年ですから、このトランスは約60年前に現役だったと思われます。


真空管回路技術&トランスのお話

1929年という年は、真空管アンプの回路技術に関しても優れたものが発表されています。
ロフティン・ホワイト直結増幅器というもので、電圧増幅段と電力増幅段をトランスやC・Rなどのカップリング・デヴァイスを使わずに直結としたことにより、音質がトランスやC・Rの呪縛から解き放たれ、コストも抑えられると言うことで、人気を呼びました。

しかし、電子部品の精度と信頼性がイマイチだった当時のこと、アマチュアにはもてはやされましたがプロ用には1926年頃からR・C結合アンプがイギリスのアマチュアに端を発し、ようやく普及してきた段階で、WE No.59ですべてトランス結合だったのが、No.86で段間トランスが一つ減ってR・C結合になった程度でした。

トランスを使用すると低域において時定数を1段、高域においては2段、つまり低域に於いては位相が90度、高域に於いては位相が180度偏移します。R・C結合では、低域の時定数が1段、位相が 90度ズレてしまいます。

そう言う意味では、トランスよりもR・C結合の方が、出来ればカップリング・デヴァイスなど無い方が良いわけなのですが、ところがどっこい、実際に音を聴いてみると、帯域の狭い筈のウエスタンのトランスの奏でる音の、何と伸びやかで聴きやすく落ち着いていることか。

電話の中継トランスとして作られた111Cに至っては、これをライントランスとして使った方が高域も素直に伸びやかで、低域には芯があり、かえって帯域が広く感じられるほどです。本来ならノイズをカットし電話の会話を聴きやすくするために帯域を制限しているトランスの筈なのですが……。

英国フェランティー社、米国WEにUTCそしてピュアレス社、フランスはピーバル社にドイツのテレフンケン……。

「真空管アンプってのはね、トランスに一番お金をかけなきゃ駄目だよ。マッキントッシュやマランツの音が良いのは、あれはトランスに金がかかっているからだよ」

とおっしゃった大先達の言葉が、今更のように思い出されます。

現代でも音が良いアンプ、EAR861やC.R.ディベロップメンツ、そして国産のウエスギ・アンプにおいても、トランスが十分吟味され、その性能を発揮されているからこそ、あれだけの音が出てくるのだと思います。

また、1937年にはWEとAT&Tが共同設立したベル研究所のH.S.ブラックによるNFB理論がWEの91Aには使われていること、

そのNFBを20dBほど使って超低域から超高域までフラットな周波数特性と、低歪率を誇ったウイリアムソン・アンプが1947年にイギリスの「ワイヤレス・ワールド」誌に発表されています。
http://k-d.jpn.com/audio/audionote.html


▲△▽▼

2013.12.20
我が、蹉跌のオーディオファイル #28.欲しかったスピーカー
http://audio-file.jugem.jp/?eid=34

オーディオに興味を持ち始めてから約40年程経つが、当初最も欲しかったスピーカーにクラングフィルム、(後にシーメンス)オイロダインがある。

引き出しを整理していたらシーメンス当時のカタログが出てきて、オイロダインのスペックが載っていた。

ちょっと驚くのは再生周波数で、何と50Hz〜15,000Hzとあった。

今時数万円のスピーカーだって人間の可聴範囲20Hz〜20,000Hz付近をカバーしている。

そこで、スピーカーの再生周波数に付いて一寸調べてみたら、どうやらこういう事らしい。

スペックがどの様な数字であるかは兎も角、「実際にスピーカーから出る低音の60Hz以下は音というよりも風圧として肌で感じるもので、強烈なドラムやベースの唸りの様な低音は大概80Hz〜100Hzくらいである」という。だから、60Hzが出れば通常僕らが聴いているオーディオの低音に何ら不足を感じるものではなく、まして50Hzが出るなら映画館などの大鉄桟を巨大な大砲の発射音や炸裂音で揺るがすに実は充分な低音が出る事をオイロダインのスペックから読み取る事が出来るのだそうだ。

そして高音は「4KHz〜6KHz以上の純音の音色を判別する事は非常に難しく」この辺りで音程に対する判断は鈍って来るものらしい。

僕らが聴く「スピーカーの音(無論録音前の原音も)を決定づけるのは純音ではなく倍音であって、倍音は整数倍で膨らんで、大体13〜14KHzほど先からは殆ど聴こえてこない」ものらしい。

だから、オイロダインの50Hz〜15KHzという周波数帯域はこれらの条件を低音で10Hz、高音で1KHzばかり其々上回っており、従ってオイロダインで聴けない音は無いといってもよいという事になるらしい。

だから、2〜3万ながら矢鱈に周波数帯域の優秀なスピーカーが量販店などに出回っているのは、要するに僕ら消費者が悪いという事になるようだ。

つまり、食紅で真っ赤な蛸しか買わないとか、胡瓜や大根や長芋も真直ぐなものしか買わないとか、そうした次元と同じ事で、本質よりも見た目を重視する発想と同じ理屈になると考えてよいだろう。

生産者は売れなければ困るから、食紅が体に毒だろうが薬だろうが兎も角真赤っかに塗りたてちまう。流石に近頃では暮れの御徒町でもこんな蛸は滅多に見掛けないが、一昔前は真っ赤っかが常識だった。

食の安全が叫ばれる現在でも、野菜などは相当にいかがわしい色付けや型の細工、或は遺伝子の組み換え、延命処置などをしてあるものが出回っているようだ。
そういうものでなければ、僕らが買わないから、言い換えるなら、音が良かろうが悪かろうが最低でも20Hz〜20KHz出る事にしなければ買う人が居ないから、メーカーは無理してでもこういうものを造るし、測定の仕方で再生周波数表示などどうとでも云える事でもあるから、何が何でもこれ以下の数字は発表すまいとする。

基より、こんな数字は音質には何の係わりもない事で、それは曲った胡瓜も真っ直ぐな胡瓜も味や栄養価に変わりが無いどころか寧ろひん曲った胡瓜の方が(自然栽培)数段勝るというのと同じ事であるようだ。

従って周波数50Hz〜15KHzのオイロダインのスペックは、実質的に巨大空間における再生音に何の不足もないということを示しているのだが、既に各メーカーの宣伝文句に毒されてしまっている僕らは、この数字に目を疑い「そんな程度のものか」と吃驚して「大したこと無い」と見下してしまう。




▲△▽▼

40万の法則とスピーカー

シングルユニットスピーカー好きの戯言

「40万の法則」というのを聞いたことがある、あるいは知っている方は経験豊富なオーディオファイルではないでしょうか。

戦後(昭和20年代中盤)NHKによる「快い音」の研究成果の一つで、 快く聞こえる音は、最低遮断周波数と最高遮断周波数の積がおよそ40万になっているというものです。

周波数帯域でいうと、

200Hz〜2kHz(電話レベル)
100Hz〜4kHz(構内放送、ボイスチャットレベル)
80Hz〜5kHz(AM放送レベル)
27Hz〜15kHz(FM放送レベル)
20Hz〜20kHz(人の可聴域、HiFiオーディオレベル)

というくくりになろうかと思います。

中心周波数は、40万の平方根であるおよそ630Hzで、これは人間の内耳、口腔の共振周波数とおおむね一致します。

内耳の自然共振周波数を中心とした確率分布(標準偏差)のエネルギーバランスをもつ音(つまり40万の法則にあう音)が、人にとって最も受け入れやすい、快い音となる。

と言い換えると分かりやすいでしょうか。

また、楽器や声などの個別の音色は、基本となる周波数の音(基音)と、倍音と呼ばれる高調波成分の音の混ざり具合と、それぞれの成分の時間変化が音色を決定するのですが、人の感覚は、特に耳の感度が落ちる低い音程域(主にベースパート)では倍音成分がしっかり聞こえていれば基音が欠落していてもあたかも基音があるかのように聞こえる(補完して音程が取れる)という特性があります。
このため、再生帯域がより広くなるときは、40万より大きい数字になっても快さは低下しないとする説もあります。

ここから導き出されることは、再生周波数帯域を広げてもそれだけでは快い音は得られず、帯域の取り方とエネルギー分布(バランス)が重要だ。ということです。

気を付けなければいけないのは、40万の法則は「必要条件」でも「十分条件」でもなく、当てはまっていなければ快い音がしないというものではありませんし、ましてや当てはまっていれば必ず快い音がするというものでもありません。

音の快さの傾向として周波数レスポンスを考えた時、どのようにまとめられているかとか、システムの設計/製作にあたってのターゲット設定の指標の一つとしての役割でしかありません。

語弊を恐れず言い換えると、オーディオ機器は重い方が良い結果を得る確率が高い。というのと同レベルで、40万の法則への当てはまり度合が高い方が、好ましい結果を得る確率が高くなる。といった程度のものです。
これは、音の傾向、快さは、周波数レスポンスだけでは決まらないからです。

また、40万という帯域の指定より、中心周波数630Hzの方が大切です。

それらをふまえて。。

現代のオーディオ機器で考えた場合、ラインレベルの音源(ソース)とアンプについては人の可聴域である20Hz〜20kHzがフラットに出せない機械を探す方が難しいくらいに高性能ですが、厄介なのがスピーカーです。

一般的なダイナミック(マグネチック)スピーカーは、磁界の中に振動版と連結したコイルを置き、コイルに交流の信号電流を流して発生した力で振動板を前後に動かして音波に変換する、線速度一定型のデバイスです。

線速度一定ということは、周波数と振幅が反比例する(周波数が低いほど振幅が大きく、周波数が高いほど振幅が小さくなる)ということです。

物理(物性)的にみると、周波数が高くなるほど振動系の重さと振動板のたわみでコイルと振動板の追従性が悪くなり、歪んだりレベル低下したりします。

高い周波数で歪まず音圧を得るには、剛性が高く追従性の良い、強くて軽い振動系が必要で、サービスエリアを広くするには口径を大きくできません。

一方、低い周波数では口径を大きくするか、感度と直線性を保ったままストローク(振幅)を大きくしないと必要な音圧が得られません。

周波数が低いほど必要な振幅が大きくなるので、スイングさせようとボイスコイル幅をむやみに大きくしても、コイルに磁界の掛かっていない部分が多くなるので効率が悪くなったり、振幅の限界近くで直線性が悪化したり、そもそも振幅が取れず底突きしたりなんていうことが起きます。

フルレンジユニットで考えた場合、20Hzと20kHzは周波数で1000倍違いますので、20kHz時と同じ音圧を20Hzで得るのに、20kHzの時の1000倍の振幅が必要となります。
口径が大きなユニットの場合、低域の必要振幅は確保できても高域の追従性と指向性が問題になりますし、口径が小さい場合、良好な高域特性は得られても低域で必要な振幅が取れなくなるという、完全に二律背反の世界です。

つまり、振動板の前後運動(ピストンモーション)だけでオーディオ帯域をリニアかつフラットに再生しようとするならば、物理的、物性的な制約からスピーカーユニットごとの受け持ち周波数帯域を分割したマルチウエイスピーカーでなければ到底無理ということになります。

ところが、趣味の世界はおかしなもので、評価の高いスピーカーにはフルレンジユニットのものが少なくありません。

レンジは狭くともバランスのとれた周波数レスポンスを持つものであったり、音の評価は周波数レスポンスだけで決定されるものではないということの現れですね 。

可聴帯域全域でリニアでフラットな特性を得るにはマルチウェイが必然的に必要となるのですが、マルチウェイならそれでよいかといわれると、20Hzの再現なんて超大型システムでもなければ望むべくもなく、40Hzでさえ、きちんとピストンモーションで鳴らせるスピーカーシステムはお父さんのお小遣い(現実的な価格)とウサギ小屋に収まる現実的なサイズでお目にかかることはほぼ出来ません。
それどころか、巷にはマルチウェイであっても先の人の基音部補正能力を逆手に取ったかのような低音域の雑なスピーカーで溢れているのが残念無念だったりします。

また、マルチウエイシステムには受け持ち帯域を分割する際に起きる特性の変化があり、境界付近の周波数ではユニット同士から発生する音波を合成したときに起きるさまざまな問題の解決も必要となり、実はこれがかなりの難問だったりします。

つまり、スピーカーシステムは、マルチウェイでもフルレンジでも、構成や使用するパーツによって大なり小なり特性や性能に何かしらの妥協が必要になります。

マルチウェイシステムは真面目に作ればどうしても高価になりますし、組み合わせや測定など開発にそれなりのリソースが必要になり、ちゃんとしたメーカーのちゃんとした製品に個人で太刀打ちするのは容易ではありません。

逆に、フルレンジ一発でもユニットとキャビネットの組み合わせと、40万の法則にあるように、無理に再生帯域を広げなくとも再生出来る周波数帯域の使い方が上手であれば大型マルチウエイに負けない感動体験は得られる訳で、メーカーでは対応できない(工業製品としては採用できない)工夫もできるこちらの方が個人でメーカー製品に対抗するには有利です。
(もちろん、負けないと言っても同じ土俵で戦うというわけではありませんので念のため。)

さて、そのフルレンジスピーカー。
メリットはユニットから直接放射される音域ではほぼ点音源であることに由来します。

複数ユニットで帯域分割されていないことから、ユニットごとの受け持ち帯域間のいわゆる「つながり」にまつわる問題が原理的に存在しないため、空間表現が自然で上手と言われています。

デメリットは分割振動による高音域での歪み増加が避けられず、ツィーターより歪みや周波数特性の暴れが大きくなること、直接放射による低域再生に無理がある(限界が早く現れる)ことなどが挙げられます。
昔は6インチ(16cm)級のダブルコーン型が主流でしたが、最近は5インチ、4インチのシングルコーンが多い感じです。

口径が小さくなっているということは、分割振動の問題が以前より小さくなり高域特性はよくなっていても、低域の再生能力が問題になります。

先ほどの40万の法則を考えるならば、小口径化で高い方に伸びた特性のぶん、低域側も伸ばす必要があります。

そのためには高性能なユニット(低い共振周波数と大きくリニアな振幅特性)、振動板からの直接放射だけに頼らないキャビネット(形式、実装)の工夫が必要となります。

スピーカーユニットが良好な高域特性を持ちつつ大きくリニアな振幅特性を持つということは、軽く頑丈な振動系であることに加え、ダンパー、サスペンションの柔らかさ、機械的な振幅余裕が必要です。

この場合、バスレフやバックロードホーンで低域の音圧を得るか、エアサスペンション(密閉)ならば真空管アンプなど出力インピーダンスの高いアンプで低域共振周波数周辺をブーストするなどの補正が必要になります。

そこで問題になるのが、バスレフやバックロードの低域の立ち上がりの遅さや収束の悪さであったり、周波数特性の大きな凸凹だったり、ブーストする場合の大きな振幅増加です。

どんなに素晴らしいユニットを使っても、単純に周波数特性だけ狙って作ると音圧は得られてもブーミーで締まりのないゆるゆるな低音になったり、振幅不足で歪みっぽい低域になったりします。
ここの処理が腕の魅せ所ですね。

余談になりますが、いわゆる「ハイレゾロゴつき製品」のうち、スピーカーについては高域側の再生周波数が40kHzをクリアしていればよいこと(しかもレベルはメーカーお任せ)になっており、歪みや低域側の特性については規定がありません。
周波数特性150Hz〜40kHzなんていう手のひらサイズのスピーカーにハイレゾマークがついてたりするのは、ギャグか何かかと思ってしまいます。

更に余談ですが、基音部がないと気持ち悪かったり、変な基音部ならないほうがマシと言われる方には楽器演奏に長けた方が多いように思います。
http://www.ezto.info/stpress/2016/01/563.html


▲△▽▼


蓄音機の周波数特性 2016年11月12日
http://cheapaudio.blog23.fc2.com/blog-entry-852.html

蓄音機の周波数特性を見つけたのでご紹介します。

横浜蓄音機ミュージアムのサイト
http://emgmark7.com/dish.html

をご覧ください。


ヒズマスターズボイスというモデルだそうです。

https://blog-imgs-91-origin.fc2.com/c/h/e/cheapaudio/20161112090211c86.jpg

100Hzと4kHzがほぼ同じレベルですから、40万ヘルツの法則通りですね。具合良く聞こえるよう、ホーンの形状を入念に作り込んだのだと思います。帯域は狭いですが、高低のバランスが良いので十分に音楽を楽しめたのでしょうね。

タブンこういう形の装置だと思います。

https://blog-imgs-91-origin.fc2.com/c/h/e/cheapaudio/HMV.jpg

装置の下部に大きなホーンが格納されています。一切電力を使わない超エコシステムですね。

これに比べると、現代の一般的な小型ブックシェル サイズのバスレフ型は明らかに高い方へ偏り過ぎでしょう。しかも、最近は蝙蝠さん領域まで特性を一生懸命に伸ばしていますよね。私としては、まず低い方向へ伸ばすよう努力するのが筋だと思うのですが。。。ドナンデショーカ?????

我々の感覚は非常に相対的です。

低音が十分と感じるかどうかは、高音の大きさによって左右されるという事です。
同様に、快適な再生音量も周囲の暗騒音レベルによって左右されます。静まりかえったクラシックのコンサートであっても、何百人もびっしりと人が居るわけですから、自分の部屋でヒトリ静かに聞く場合に比べて暗騒音は相当大きいはずです。ロックコンサートなら、それはもう凄まじい暗騒音でしょう。ですから、オウチでヒトリ静かに音楽を聴く際に、ライブと同じ音量にして聞く必要は全くアリマセン。相当な苦痛を強いられるはずですから。脂汗が出そう。。。耳にも良くないし。。
http://cheapaudio.blog23.fc2.com/blog-entry-852.html

7. 中川隆[-12965] koaQ7Jey 2019年1月16日 12:44:04 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22225] 報告

CDのスペクトラム(周波数帯域) Uploaded Jan.28th,2010
http://web1.kcn.jp/oshikuma_lab/theatertopics4.html


市販CDソース(新旧)の中から優秀録音と思われるものを含めてそのスペクトラムを調べて各々のソースに必要とされる帯域とそのピークエネルギ−に対する情報を得ることにする。測定は各ジャンル毎に分類して行った。測定サンプル数は多くないが傾向を把握することができる。詳細な測定結果を次に示す。


1) オーケストラのスペクトラムは全帯域(35Hz-20kHz)にわたり概ね一様となっている。フルバンドジャズやフュージョンのスペクトラムは広帯域(35Hz-20kHz)にわたり概ね一様となっており、オーケストラ同様に全体のバランスをチェックする目的に適している。


2) 大太鼓の基音は約40Hzであるから、大太鼓を十分再生するには40Hz以上の再生帯域が必要である。一方、オルガン曲では、測定した2曲共にアナログ録音であるが、約30Hzから録音されている。オルガン曲を十分再生するには30Hz以上の再生帯域が必要である。


3) オーケストラやフルバンドジャズのピーク音圧は高いので、広帯域特性とダイナミックレンジを備えたスピーカを選択することが必要である。


4) これらとは対照的に小編成のジャズ、室内楽、ソロ楽器、ボーカルの帯域は相対的に狭いので、広帯域でなくとも必要とする帯域をカバーするスピーカであれば大きな問題は発生しないと思われる。

かって、故池田圭氏宅で男性ボーカル録音をWE555で試聴したことがあったが、再生帯域上の問題は感じられず堂々とした再生音が得られていたと記憶している(WE555+15Aホーンの組み合わせによる音圧周波数特性は 5kHz以上でロールオフ特性となるが、高音域成分の少ない男性ボーカル帯域を再生する目的には特性上の問題は少ない)。


5) (1)、(4)からスピーカ再生帯域は、通常言われているクラシック向き、ジャズ向きという分類でなく、種類や編成によることがわかる。

以下の測定では、測定用として特性を管理したCDプレーヤと半導体アンプ(プリ部)を用いて、プリ出力として得られる各曲のピーク値を記録している。


オーケストラ

スペクトラムは全帯域(35Hz-20kHz)にわたり概ね一様となっているため、全体のバランスをみる目的に適している。

橙: ミネソタオーケストラ/RR907CD/Track7(Tchaikovsky/Hopak from Mazeppa)/Eiji Oue
緑: ドイツグラモフォンベストレコーディング(Stereo Sound Reference Record Vol.9)/C30G00102/Track10&11(ストラヴィンスキー火の鳥)/ブーレーズ指揮、シカゴ交響楽団
紫: ワーグナー ニベルングの指輪/SICC20008/Track2(ワルキューレの騎行)/ジョージ・セル指揮, クリーブランドオーケストラ
黄: ストラビンスキー春の祭典/SICC 20040/Track2-3/ブーレーズ指揮,クリーブランドオーケストラ
青: ベートーベン前奏曲集/TDGD90013/Track2(Coriolan)/サー・コリン・デイヴィス指揮, バイエルン放送交響楽団

室内楽

測定した2曲の帯域は狭く高域のエネルギーが少ない。広帯域特性よりも質感の再生が重要となってくる。

緑: モーツァルト ピアノトリオ/UCCG-1285/Track7/アンネ・ソフィー・ムター, アンドレ・プレヴィン, ダニエル・ミュラー・ショット
紫: ヴィヴァルディ 四季/UCCP-9057/Track1(春 第一楽章)/イ・ムジチ

オルガン

2曲共にアナログ録音であるが、約30Hzから録音されており、低域テスト用として十分である。

緑: サンサーンス交響曲第3番/3UCCD7056/Track2/エルネスト・アンセルメ指揮, スイス・ロマンド管弦楽団
紫: 菅野レコーディング Best Sound Selection/SSSA1(TGGS119)/Track2(JSバッハ/オルガン・コラール)

ピアノ曲

測定した3曲のスペクトラムは、非常によく似ており、帯域は70Hz-数kHzとなっている。

紫: リスト 超絶技巧練習曲/UCCG-1440/Track13(ラ・カンパネラ)/アリス=紗良オット
緑: 献呈/TOCE55880/Track3(ショパン 幻想即興曲)/蔵島由貴
橙: Stereo Sound Best Sound Selection柳沢功力/SSRR1/Track7(シューベルト 楽興の時)/内田光子

弦楽器(ソロ)

バイオリンソロに比べてチェロソロは低域に伸びており、しかも高域にもスペクトラムが広がっている。スペクトラムの観点からみるとチェロがソロ楽器として全帯域のスムーズなつながりのテストに用いることができる。

緑: バッハ & イザイ/NF-53002/Track7(Obsession)/ジョゼフ・リン(violin)
紫: 菅野レコーディング Best Sound Selection/SSSA1(TGGS119)/Track1(パガニーニの主題による変奏曲/ヤーノシュ・シュタルケル(cello))

女性ボーカル

4曲/4人とも非常によく似た狭帯域スペクトラムとなっている。8kHz付近のピークに違いがありレベルこそ低いものの声の特徴に影響を与える(聴感上の違いと一致する)。ボーカルを生かすために伴奏のエネルギーが控えめとなっていることが読み取れる。

紫: イタリア歌曲集/POCL1753/Track1(アラゴネーゼ)/チェチーリア・バルトリ(メッゾ・ソプラノ)
青: スペイン歌曲集/457 726/Track4(エリザベート・シュワルツコップ(ソプラノ))
橙: 鮫島有美子/SD104/Track2(この道)
緑: さくら横丁/VICC60276-3/Track3(からたちの花)/佐藤美枝子

男性ボーカル

男性ボーカルは女性ボーカルに比べて数100Hzのエネルギーが大きいことが特徴であり、この帯域の再生能力が影響する。また、5-10kHz付近のピークはレベルこそ低いものの声の特徴に影響を与える。

緑: ロンドンベストレコーディング(Stereo Sound Reference Record Vol.9)/C30L00101/Track4(ペーター・シュライアー(バリトン))
紫: スペイン歌曲集/457 726/Track1(ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ(バリトン))

ジャズ&フュージョン

フルバンドジャズやフュージョンのスペクトラムは広帯域(35Hz-20kHz)にわたり概ね一様となっており、オーケストラ同様に全体のバランスをチェックする目的に適している。オーケストラやジャズのピーク音圧は高いので、広帯域かつ大音圧再生可能なスピーカを選択することが必要である。

一方、これらとは対照的に、小編成のジャズの帯域は50Hz-5kHzに偏っており、新旧録音で大差ない。そのため、古典的な30-38cmシングルコーンでも再生できそうな特性である。

緑: My Funny Valentine/TKCV-35348/Track6(It's all right with me)/Eddie Higgins Quartet
紫: 甦るビッグバンドサウンド/MLZJ2001/Track10(シング・シング・シング)/角田健一ビッグバンド
橙: マーカスミラー/VICJ-61266/Track9(シルバー・レイン)
青: Alfie/A9111/Track1(Alfie's Theme)/Sonny Rollins with orchestra conducted by Oliver Nelson


ポップス

スペクトラムの主要な帯域は、50Hz-5kHz程度で低域のエネルギーを必要する一方、高域にかけてなだらかに減衰する。中低域中心の伴奏とボーカルという構成となっているためと思われる。

緑: ビートルズフォアエバー(1993年版)/UND-2/Track3(Rock and Roll Music)/ザ・ビートルズ
橙: Stereo Sound Best Sound Selection ノンサッチ/SSRR2(WQCP745)/Track1(After the Gold Rush)/k.d.Lang
青: Stereo Sound Best Sound Selection ノンサッチ/SSRR2(WQCP745)/Track8(Tan Bi)/Youssou N'Dour
紫: 大吟醸/YCCW0034/Track8(時代)/中島みゆき
黄: Taking a Chance on Love/SICP 632/Track5(I won't dance)/Jane Monheit, Michael Buble

http://web1.kcn.jp/oshikuma_lab/theatertopics4.html

8. 中川隆[-12574] koaQ7Jey 2019年1月31日 12:13:05 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22231] 報告

クラシック音楽の再生では周波数帯域は 80〜 5000 Hz で必要十分


Western Electric 755A
再生周波数帯域 70〜13,000Hz 


私の書斎にWestern Electric 755A がやってきた日のことは、忘れられない。
システムに繋いで、そろそろと音出しをしてみる。

  聴きなれたレコードを何枚かかけてみると、愕然としてしまった。
当然のことではあるが、愛聴盤というものは、どこにどんな音が入っているかを暗記しているものであるが、

このスピーカーで聴くそれは、まったく別物であった。今迄聴こえていなかった音が、豪華絢爛に再現されてくるのであった。  

それはあたかも、澱んだ東京の空に浮かぶ見慣れた星空から、一転して空気の澄み切った山の頂きから仰ぎ観る天空の星星の情景そのままに、

天空一面、星、星、星のショーの大星夜を目の当たりにしたようなものだった。


  星星が煌く音となり、その微粒子が壮大な音楽を構築しているかのようであった。
今迄、自分は一体、何を聴いてきたのだろうという悔しさと、
まだレコードにもCDにもいくらでも秘められた音が入っているのだという嬉しさが頭の中を過ぎった。
http://mikami.a.la9.jp/audio/we755a/we755a.htm


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☆ 私と蓄音器EMGマークZ との出会い その1 ☆
http://emgmark7.com/dish.html

私は昭和23年生まれで今年2013年で65歳になります。大田区、久が原に中学時代までいました。。そこには祖父の卓上蓄音器(ビクトローラVV1−90)が家にあり私が4〜5歳の頃、姉がゼンマイを巻き聴いていました。小さいながらも、黒い盤が回るのを見たり、中を覗き込んだり、後ろに回って誰かが中にいて唄っているのではないかと、その当時は不思議に思ったものでした。

また父は音キチでステレオに凝りマッキントシュのアンプやタンノイのスピーカなどが沢山転がっていました。私が中学時代にどっちのスピーカの音が良いか、よく聴き比べを父に頼まれ、何回も聴き比べをしていくうちに耳が肥えていったように思います。

そんな環境で育ったため私は大学では音響の専門機関である財団法人―小林理学研究所と関連のある大学へ行き物理の中でも音響学の勉強をしました。専門は室内音響で当時のコンサートホールの残響時間や室内の周波数特性の測定でした。

40年位前になりますが、その当時の新宿厚生年金会館のホール音響はひどいものでした、ニニー・ロッソが毎年日本に来てクリスマスコンサートをしていました、トランペットをニニーが吹くと1秒くらい遅れて後ろの壁から反射して聞こえて来ます。壁や天井・床が並行のため反射して戻ってきます。そんなことで小林理研に依頼があり部屋の残響時間や周波数特性の測定に駆り出されたことを今でも思い出します。

もちろん今ではコンサートホールは並行な壁や天井はなく音の良いホールになりましたが、いまだに音の悪いホールは初台のオペラシテイー位になりました。

その後、私は補聴研究室へ配属になり、補聴器のフィッテイングの研究をし、昭和60年に独立、補聴器フィッテイング研究所を設立、当時、補聴器のフィッテイングの技術が世界的に無かったため、外耳道の鼓膜面までの共鳴を考慮した調整法を確立し、現在では、日本全国から補聴器の調整を求めて来所されます。

また趣味としては、父からステレオ装置を譲り受け、CDの音を聞いていましたが、なかなか良い音に巡り合えず、昔聴いた蓄音器の音が懐かしく思っていました。しかし蓄音器には全く知識が無く、踏み込めないでいました。

そんな時、15年位前から、私は茶道を始め、毎年正月には初釜をして楽しんでいました。9年位前に知人から港南台に茶室を造った家があるので見に行かないかと誘われ訪問しましたら、そこの旦那さんが蓄音器を持たれており久しぶりに聴かせていただきました。昔聴いた懐かしい音に感動し、そこで初めて銀座に蓄音器の老舗シェルマンがあることを教えてもらいました。

2003年11月21日、東銀座のシェルマンに行きました。二階に上がり磯貝社長にお目にかかり、言いました。

『ここに並んでいる蓄音器を順番に聴かせて下さい、私が聞いて一番音の良いと思う蓄音器を一台購入します。』

その当時は蓄音器に関する知識が全く無く、1台目は確かアメリカのものだと言っていました、聴いた瞬間、音の抜けが悪く、ボーカルは遠くで唄っている声でした。

二番目はイギリスのもので、一番大型のサイズだと言う2種類でした、アメリカのとは違い音の抜けは良かったです、大きさは同じでしたが、後の方が音の艶がありました。

4番目は上にラッパが出ていてこれもイギリス製と言っていました。大きな音で鳴っていましたが、低音と高音のバランスが悪く低音ばかりが大きく聞こえます。しかも低音が絞まらずボンボンと聞こえます。

5台目も同じメーカーでフロア型でした。これを聴いた瞬間、鳥肌が立つようでした。高音も良く出ていて、低音もズンズンと絞まっています。高音と低音のバランスがとても良く、ボーカルは音がフォーカスされ、目の前で唄ってくれているようでした。音楽が終わらないうちに、これを下さいと言っていました。

あと2〜3台未だ聴いていない蓄音器はあったのですが、もうこれ以上の蓄音器はないだろうとその時、思いました。蓄音器の知識が全く無い訳ですから、頼りになるのは私の耳だけでした。若い頃から耳は訓練していたため、スピーカからの音楽を聴いて周波数特性がある程度描ける位の耳は持っていました。

この蓄音器マークZの周波数特性はピーク・デップの無い比較的フラットな特性で、しかも今まで聴いた蓄音器の中でも高音から低音まで良く再生している広帯域特性とその時、判断しました。これが、私が初めてEMGマークZに出会った瞬間でした。


☆ 蓄音器 EMGマークZ とは! その2 ☆

それから1週間くらいして、自宅にマークZを設置にシェルマンの磯貝社長が来られました。設置を見ながら社長に聞きました。

『この蓄音器はシェルマンでは何台位扱いましたか?』

かなりの台数が出ているだろうと、予想していたのですが、以外な回答でした。

実はこの蓄音器はシェルマンでは、初めてと言うこと、EMGの蓄音器の中でも大変珍しく幻の蓄音器と言われている事を聞きビックリしました。

では、日本では何台位入って来ていますか?と聞くと、数年前に梅屋さんが初めて入手し、世界の蓄音機の本に掲載されている写真がその実物で、多分これが1台目ではないか、しかしこの蓄音器は回転むらがあったと聴いているとのこと。今日納めたこの蓄音器がおそらく日本で2台目ではないかと思うと言われていました。

そんなに珍しい蓄音器だと言うことを全く知らずに手に入れた事に感銘しました。そして、更にこの蓄音器について知りたいと思い、書物を探しましたがなかなか見当たりませんでした。インターネットでEMG蓄音器で検索すると静岡の林コレクションが見つかり、早速、連絡を取り遊びに静岡の林コレクションへ出向きました。

なんと林静雄さんもEMGの熱烈な愛好者で、EMGの息子さんのジョー・E・ジンと家族ぐるみで交流があり、以前に家族でイギリスの自宅に遊びに行った話をいろいろとお聞きし大変、参考になりました。静岡にお邪魔した時に聴かせて頂いたEMGマーク\もマークZ程ではないが、乗用車に乗るためにコンサートなどの移動用に便利な蓄音器と思い求めました。鎌倉のコンサートで使用していたマーク\はこの時に求めたものです。

林さんにお聞きしましたら、EMGの息子さんの家に殆どんの蓄音器の機種が残っていたが、マークZだけが息子さんの家にはすでに無かったそうです。EMGの蓄音器をあれ程、情熱を持って集められておられる林さんでもマークZには未だ一度も出会ったことが無いと言う話を聞き、益々この蓄音器に興味が出て文献を探すことにしました。

間もなくしてE,M,G,STORYと言う書物が見つかりました。この書物によると、マークZは1928年7月に発売され、1927年に出たHMV202より共鳴管は少し短めだが、マークZの音は繊細で、今まで世に出た蓄音器の中でも、低音から高音まで一番広帯域である。EMGの蓄音器の中でも一番良いモデルである。と書かれており、HMVの蓄音器を意識して造った事が読み取れます。

また、林さんに指摘されて初めて知って調べましたら、マークZは世界の蓄音機ではホーンはパピエ・マーシュ(紙)と書いてありますが、本当はエボナイトだと言うことが本を読んで分かりました。実際にマークZの下から頭を入れて、見えない部分をカッターで削ってみました、紙の上にコーテイングしているのではなく、確かにエボナイトむき出しでした。このことで、低音がズンズンと絞まった音の理由が分かりました。

低音は波長が長いため、材料が軽くて軟らかいと振動で動き音が歪ます。低音を再生するには、重くて硬い材料が良いのですが、HMVのように金属にすると重すぎて移動が困難になります。そこで、金属でなく、紙でない、中間のエボナイトを採用したことが成功した一因と思います。

更に箱に入れてホーンの周りを固定したことで低周波数でもホーンが動かず歪の少ない音になったと思われます。また更に調べていくとEMGは全ての蓄音器がエクスポーネンシャルホーンと言うこと、これは全ての周波数の共鳴がホーンの真ん中に音像が出来、ボーカル等は、点音源になることです。従ってボーカルは声がフォーカスされ、そこで唄っているようにリアルに聞こえます。

また他社の大型蓄音器はリエントラントホーンと言う構造、これは点音源にならず、横に広がった線音源になります。しかも共鳴管の途中で管を二つに分けたため、聴く場所によって、上のスピーカから出た音と、下のスピーカーから出た音で干渉し、ある周波数では位相が反転すると言うとんでもないことが起こっているのです。聴くと音はフォーカスされず、広がってしまいます。カメラで言えばピンボケの状態です。しかし、一長一短があります。エクスポーネンシャルホーンはどの位置で聴いても位相が反転するようなことは起こらず、ボーカルやバイオリンソロなどはとても良いのですが、大編成の交響曲などは、点音源のため、全ての音が真ん中に集中し広がりが無くつまらない音になります。

リエントラントホーンはフォーカスはしないものの、交響曲は広がりがあり聴き易くなります。オールマイテーの蓄音器はリエントラントホーンかもしれません。このように蓄音器の構造を調べて行くと、EMG蓄音器の中でもマークZだけに、エボナイトを使用したこと、またマークZだけが、ホーンを箱に入れて固定したことで、EMGの蓄音器の中でも最高の音を造ることが出来たと思われます。

またEMGがHMVよりも更にハイファイの音を求めたため、エクスポーネンシャルホーンに執着したこともうなずけます。

このように私は、良い音の蓄音器が見つかると、どうして音が良いかを音響的に解明していく事に興味を持っています。また音の良くない蓄音器に出会うと、どうして音が悪いかを音響的に解明しようとします。その点では少し異色の趣味かもしれません。 

   


☆ 蓄音器EMGマークZ その3 ☆

私はこの蓄音器マークZの音がとても気に入り、もう1台、イギリスでマークZが出たら購入することを磯貝社長に伝えましたら、翌年、もう1台出て来ました、残念なことに、すでにモーターは電気に交換されていましたが、音は問題無く繊細な音を聞かせてくれています。

マークZの箱の模様は一台一台、異なっており、箱はデザイン会社 に注文して製作したそうです。2か月前にマック杉崎さんとお会いしましたら、初めのマークZはマックさんが所有されていたそうで、その後手放されて、現在は茨城県石岡の 世界的蓄音器マニアと私が思っている、青柳さんが所有されています。

2004年の雑誌、ステレオサウンドNo153に菅野沖彦さんのレコード演奏家訪問に青柳さんの自宅の写真 が載っておりマークZがあるのにビックリして磯貝さんにすぐ連絡しましたらこの蓄音器が一台目のものと分かりました。この機種はEMG STORYの本の写真に掲載されているものと同一で、模様が放射状になっている蓄音器です。この写真の実物が日本に入って来たことになり、林さんがEMGの息子さんの家に行ったときにはマークZだけは無かった、 つまり、既に日本に来ていた事になりつじつまが合います。

ではEMGの蓄音器はいったい何台位、造られたのでしょうか?
文献によると、マーク]は150台、マーク]aが75台、 マーク]bがオーバーサイズを含めても、たった50台だそうです。マークWが350台、マーク\が350台。

ではマークZはと言うと、これは記録が無く推測でしかないそうですが 数十台のようです。この数を見ると]bが50台と言うことは、もう既に日本にその殆どが入って来てしまったようで、もうイギリスで見つけようとしても難しい状況になっているようです。 しかもマークZは市場に出ることが殆ど無いことからかなり製造した台数は少ないと想像されます。

私は、こんなに良い音の蓄音器を独り占めしてはいけないと思い、8年前から 毎年10月の戸塚のフォーラム祭りの市民持ち込み企画に申し込み、EMG蓄音器クラブとして9時から4時まで約7時間コンサートを開催し、毎年70人くらいの方が聞きにきてくれています。去年は年を召したご婦人の方が一番で来られて最後までおられ、曲をリクエストされていました。毎年2〜3人ですが、EMGのマークZの音を日本ではどこで聴けるのか、検索をかけると私の掲示板に書かれているマークZの記事を読み、連絡が入ります。自宅に来られてマークZを聴いてもらうと、その音にびっくりされて帰られます。今度上京した時には、自分のSPレコード盤を持参するので、また是非聴かせて欲しいと言われます。

そんな方が全国に15人位おられるため、EMG蓄音器クラブなるものを 8年前に立ち上げました。会員は全国に散らばっているため、全員が一同に会する事はありませんが、クラブの年1回の行事として、毎年10月にコンサートを開催している訳です。

蓄音器の老舗シェルマンでは、以前に蓄音器の周波数特性の測定をするため、私が以前、所属していた小林理学研究所に依頼をしたそうですが、見積もりが高額のため実現出来なかったそうです。 そんなことで、私がシェルマンの蓄音器の周波数特性を測定するようになりました。

新しい蓄音器が入荷すると、周波数特性を取り、音を聞き良い音の蓄音器は店に展示する前に 私がゲット出来る特典があります。

平成17年にHMV194の素晴らしい音に巡り合いました。やはり聴いた瞬間にこの蓄音器を下さいと言っていました。

HMVのフロア型蓄音器ですが、もともとリエントラントホーンは音が良くないと言う私の先入観があったのですが、この194を聴いて考えが変わりました。後で周波数特性を測定しましたら、図―1のように200Hzから3000Hzまで周波数がフラットでした。その後も他の194を沢山聞きましたが、これ程の蓄音器に未だ出会っていません。

図―2はマークZの周波数特性です。周波数特性だけで音の良し悪しは勿論分かりませんが、一つの参考データです。

蓄音器の周波数の測定には2種類あり、一つは、周波数特性測定用のSPレコード盤があります。三分の一オクターブバンド毎の純音が録音されており再生しながら、騒音計でレベルを読み取って行きグラフを作成します。

もう一つの方法はクリック音を再生しマイクで受けてその信号をファースト・フーリエ変換(FFT)と言う手法でパソコンで計算し周波数軸に変換します。クリック音はレコード盤に縦に傷を一定間隔で入れ、再生します。

下の図は前者の方法で測定したものです。蓄音器によっては、ある機種の蓄音器は4台位測定しても周波数特性が殆ど不変と言うものもありますし、ある機種では、4台測定すると4台共、周波数が異なると言う機種もあります。蓄音器の周波数特性を図にして発表することも考えましたが、蓄音器の優劣に直結する可能性があり、差し控えております。

以上、私が9年前にEMGに出会い現在までやって来た事です。あまり参考にはならないと思いますが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。なお今年の4月、湘南SPレコード愛好会にEMGマークZを持参しますので、興味のある方は聴きに来て下さい。


☆ 蓄音器による鉄針・ソーン針・竹針の周波数特性の違い ☆
ゲストルーム
一般的に鉄の針は強い音、竹の針は柔らかい音と言うイメージがあるが、一体どのような周波数特性なのか大変興味があるところです。今回は蓄音器シェルマンの2階でHMV203の蓄音器をお借りして、実験を行いました。

図−3の赤線が鉄針ミデイアムを使用したときの周波数特性。青線がソーン針を使用した時、黒線が竹針を使用した時のものです。

まず、黒(竹針)と青(ソーン針)を比較してみると、250Hzでは両者とも同じレベルの90dBSPLであることが分かります。

500Hzでは8dBソーン針の方が音が大きい、1KHz、2KHz、4KHzでは10dBソーン針の方が音が大きいことが読み取れます。

即ち、低音域よりも高音域の方が竹針の減衰が大きいことが分かります。

次に赤(鉄針)と黒(竹針)を比較しますと、250Hz以下の低音部分は4dB位、鉄針の方が音が大きいことが分かります。しかし高音域1KHz,2KHzでは15dB位、4KHzでは約20dB位鉄針の方が音が大きいことが読み取れます。

従って竹針は低音域よりも高音域の減衰が多いため、音が柔らかく感じる訳です。この図を見るとソーン針は鉄針と竹針の略中間の特性と言うことが分かります。何かの参考になれば、幸いです。 


☆ 蓄音器の周波数特性 ☆


初めて銀座のシェルマンに伺い、聴かせていただいた時の蓄音器の特性を後日、測定させていただきました。最初に聴いたのがアメリカ製のビクトローラ・クレデンザでした、その時の蓄音器の特性が図―5の赤線の特性です。

500Hzが80dBSPLと他の蓄音器と比較すると10dBから20dBも弱いことが分かります。500Hzが弱いと音の抜けが悪い事につながります。この蓄音器もシェルマンで中も解体しメンテナンスが済んだ状態でした。

またこの図の黒線はもう1台別のクレデンザの特性です。このようにクレデンザは製造期間が長かったことと、製造台数が多かったため、中の構造に多少の変更などがあり、周波数特性にかなりのバラツキが見られます。

黒線の特性は500Hzが102dBSPLも出ていて、音の抜けはかなり良いです。クレデンザには当たり外れがありますので、音を良く聴いて抜けの良い蓄音器を選ぶことが必要です。

次に聴いたのがイギリスのHMV202とHMV203でした。その時の周波数特性を図―6と図―7に示します。サイズはどちらも同じと言うことですが、

比較すると500Hzで202型は90dBSPL,203型は100dBSPL出ていて、10dBも203型が出ています。従って音の抜けの良いのは203型かもしれません。HMV202と203型は比較的個体によるバラツキは少ないようです。

次に聴いたのが図ー8のEMG ]bオーバーサイズでした。周波数特性を見ても、明らかなように1KHzと500Hzは100dBSPLも出ているのに、3KHzでは80dBと高音域が出ていないことが分かります。エクスポーネンシャル・ホーンの径が大きくなり共鳴管の長さが長くなるほど、高音域の減衰が大きく、低音と高音のバランスが悪い事が分かります。

そして、最後に聴いて、鳥肌が立つようだったのが、EMGマークZアップライト・グランド型でした。その特性が図―2です。フラットに近い特性が読み取れるでしょうか?

このように、私の耳で聞いて感じたことが周波数特性を取って見ると、略特性に出ている事が分かります。私が蓄音器の音を聞いて聴き終わらないうちに、購入を決めたのは、図ー2のマークZと図―1のHMV194の2台だけでした。


☆ 針の太さの違いによる、周波数特性の変化 ☆

鉄針のラウド(太針)とソフト(細針)は、いったい、どのような周波数特性になっているのでしょうか?

一般的にはラウドは大きい音、ソフトは小さい音と言うイメージがあるが本当にそうでしょうか?

私もこのことには、大変興味があり、蓄音器の老舗シェルマンの二階をお借りして実験を行いました。使用の蓄音器はEMG―]bです。図−4の赤線がラウド(太針)の特性であり、黒線がソフト(細針)の特性です。

これを比較すると、1000Hzから低い音は、どちらも同じ大きさの100dBSPL音ですが、2000Hzでは、5dB位太い針の方が音が大きい、また3000Hzでは約8dB.4000Hz以上の高音域では、約10dB位太い針の方が音が大きい事が分かります。

従って、針の太さがラウドとは、全体の音が大きくなるのではなく、高音域が出るのがラウドと言う事になります。針の太さを太くすればするほど、高音域が出てきます。これは、ソーン針でも同じ結果になりますので、高音域を出したい時は太い針を使用した方が良い事になります。

しかし、どちらの針も騒音計で音圧レベルを測定すると略同じレベルになります。何故かと言うと500Hz〜1000Hzの音のレベルが100dBSPLもあり、高音域3000Hz〜4000Hzでは、太い針で90dBSPL、細針で80dBSPL位なので、全体の音のエネルギーはどちらの針も同じ略100dBSPLと言うことになります。
http://emgmark7.com/dish.html


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ウェスタンサウンドは人の声が良い

 今まで沢山のウェスタンサウンドを聴いてきましたがどのサウンドも一つの共通点がありました、

ウェスタンの音は一言で云うなら音にコクと味が少なくしかも奥に展開するサウンドにはならない、

聴いていると味のない食パンを食べているようなサウンドだ、

また劇場用のサウンドは観客席に攻めてくるサウンドが特徴ですが、以前有名な方がウェスタンの594を持ち込んで試聴会を開いたことがありましたが、ウェスタン特有の音の浸透力に乏しくこのサウンドには魅力を感じなかったのが残念であったが人の声だけは良かった、

 ウェスタンのシステムを採用した劇場を調べますとピンク映画館が多いのがわかった、

なぜならピンク映画館の女性の声は生々しく聞こえないとしらけますね、

特に人気のあった日活ロマンポルノあれは良かった!

 ウェスタンで聴かされる大事な場面での彼女達の声に色気があった、

今思うとウェスタンサウンドは人の声は素晴らしい!
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-036.html

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ピアノの音響特性 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%81%AE%E9%9F%B3%E9%9F%BF%E7%89%B9%E6%80%A7


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音階の周波数
https://tomari.org/main/java/oto.html


音階は、「音を高低の順番に並べたもの」あり、音の高低は周波数で表します。

音は、周波数が半分になると1オクターブ低くなり、周波数が倍になると1オクターブ高くなります。

1オクターブには12の音があり

(@ド、Aド#(レ♭)、Bレ、Cレ#(ミ♭)、Dミ、Eファ、Fファ#(ソ♭)、Gソ、Hソ#(ラ♭)、Iラ、Jラ#(シ♭)、Kシ)、

その12の音は、隣り合う半音間での周波数の比率が同じです。
(音階に対して等比数列的に増える)

音の周波数を a0,a1,a2・・・・a12 とし、この等比数列の公比をrとすると、

a12 = a0r12 = 2a0 であるから、r12 = 2 より r=12√2(r=1.059463094)、

よって

an =a0rn = a0*(2(1/12))n

となります。

通常常音階の基準音として使用される「ラ」の音 (ピアノ鍵盤の49番目) は、440Hz の音が使われております。

この基準音階周波数と上記の式より、ピアノの鍵盤(通常88)の周波数を計算すると下記の表になります。音のサンプル波形は正弦波形です。


ピアノの鍵盤の音階と周波数

鍵盤番号 周波数(Hz) 音階名※

1 27.500 ラ A0
2 29.135 A#0
3 30.868 シ B0
4 32.703 ド C1
5 34.648 C#1
6 36.708 レ D1
7 38.891 D#1
8 41.203 ミ E1
9 43.654 ファ F1
10 46.249 F#1
11 48.999 ソ G1
12 51.913 G#1
13 55.000 ラ A1
14 58.270 A#1
15 61.735 シ B1
16 65.406 ド C2
17 69.296 C#2
18 73.416 レ D2
19 77.782 D#2
20 82.407 ミ E2
21 87.307 ファ F2
22 92.499 F#2
23 97.999 ソ G2
24 103.826 G#2
25 110.000 ラ A2
26 116.541 A#2
27 123.471 シ B2
28 130.813 ド C3
29 138.591 C#3
30 146.832 レ D3
31 155.563 D#3
32 164.814 ミ E3
33 174.614 ファ F3
34 184.997 F#3
35 195.998 ソ G3
36 207.652 G#3
37 220.000 ラ A3
38 233.082 A#3
39 246.942 シ B3
40 261.626 ド C4
41 277.183 C#4
42 293.665 レ D4
43 311.127 D#4
44 329.628 ミ E4
45 349.228 ファ F
46 369.994 F#4
47 391.995 ソ G4
48 415.305 G#4
49 440.000 ラ A4
50 466.164 A#4
51 493.883 シ B4
52 523.251 ド C5
53 554.365 C#5
54 587.330 レ D5
55 622.254 D#5
56 659.255 ミ E5
57 698.456 ファ F5
58 739.989 F#5
59 783.991 ソ G5
60 830.609 G#5
61 880.000 ラ A5
62 932.328 A#5
63 987.767 シ B5
64 1046.502 ド C6
65 1108.731 C#6
66 1174.659 レ D6
67 1244.508 D#6
68 1318.510 ミ E6
69 1396.913 ファ F6
70 1479.978 F#6
71 1567.982 ソ G6
72 1661.219 G#6
73 1760.000 ラ A6
74 1864.655 A#6
75 1975.533 シ B6
76 2093.005 ド C7
77 2217.461 C#7
78 2349.318 レ D7
79 2489.016 D#7
80 2637.020 ミ E7
81 2793.826 ファ F7
82 2959.955 F#7
83 3135.963 ソ G7
84 3322.438 G#7
85 3520.000 ラ A7
86 3729.310 A#7
87 3951.066 シ B7
88 4186.009 ド C8


※音階名は国際式音名表記です。

人間が聞くことが出来る周波数は、個人差や年齢差はありますが20Hz〜20000Hzと言われています。

聴力は年齢を重ねるとともに衰えていき、とくに高い周波数の音が聞こえづらくなっていき、15000Hz以上の音は20代後半ごろよりだんだん聞こえなくなるようです。

下記の周波数音も、どのように聞こえるかお試しください。


https://tomari.org/main/java/oto.html


▲△▽▼


ピアノの一番低い音は聞こえない
http://myamada.my.coocan.jp/003-piano.html


楽器の音というと,心地よく聴けて当然と思っていた.しかも,誰もが聞いたことがあるピアノが出す音ならば聞こえて至極当然だ.しかし,驚いたことに3割の人にはピアノの一番低い音(一番左端の白鍵)の周波数(27.5Hz)(参照)の音が全く聞こえていないし,残りの7割の人にもあまりはっきりとは聞こえていない.
 
人の可聴域は 20Hz〜20000Hz ときく.可聴域には個人差があるし,高齢になると高音域が聞こえにくくなるので,誰にでも 20Hz〜20000Hz が聴こえるわけではない.よく話題に上るのは,お年寄りが耳が遠くなって大声を出さないと会話できなくなることだ.私の父も,普段はテレビを高音域を強めに調整して且つ大音量で鳴らしている.母は父より耳が聞こえるのでその音量に少々げんなりしているようだ.たまに帰省したときは,少し音量を下げてもらったり,耳栓をしたりしている.要するに,可聴域というと高音域側が問題になることが多い.
 
「可聴域と音程の判別能力」について記述したサイトによると,138名へのアンケート調査(有効回答の年齢幅は5〜56才)で,可聴域の上限は,およそ 9000Hz〜22000Hz で,平均は約 18000Hz とのこと.また,別のサイトで可聴域の年齢テストをやってみたら,私は 16000Hz までは辛うじて聞こえた(音程の違いは判らなくて,鳴っていること だけが判る)が,17000Hz は全く聞こえなかった.さらに,また別のサイトの可聴周波数域チェッカで自分の可聴域をチェックすると 13750Hz だった.2つのテストで少々結果が違うのだが,聴こえる高い音には限界があるということは実感できた.音程が非常に高い音や非常に低い音は,アンプやスピーカーの特性によっては鳴りにくいことも考えられるので,正確にはちゃんとしたスピーカーでテストした方がよい(今回は,PC用のスピーカーでやったので鳴りにくかったということはあり得る).いずれにしても,ピアノや他の楽器の一番高い音は 4000Hz 程度なので,健常者には充分に聴こえる周波数だ.
 
さて,本題の低音側だが,上記サイトによると,可聴域の下限は,およそ 11Hz〜73Hz で,バラつきが大きく,年齢による傾向は特に認められないとのこと.私がここに掲載されていたグラフの点を数えてみると,下限が30Hz以上の人は(2点以上が重なっているものは1点として数えた),16人/57人=0.281 となった.つまり,約3割の人は30Hzの低音が(音量をいくら大きくしても)全く聞こえない.私の場合,低音に関しても,可聴周波数域チェッカで自分の可聴域をチェックしてみると(10Hzきざみ),30Hz は何とか聴こえたが,20Hz は音量を上げても全く聴こえなかった.こんな私には,いったいピアノの最低音 27.5Hz が聴こえているのだろうか?
 
そんなことを考えながら,家のピアノの一番左側のキーを叩いて耳を澄ましてみると,最低音のあたりは「ビーン」という雑音ばかりが目立ち,ピアノらしい澄んだ音色とは掛け離れた音であることにあらためて気づく.以前から,ピアノの一番低い音の辺りはビンビンした音で,あまりきれいな音ではないなあと感じており,ピアノの性能が悪いのが低音の音色の悪い原因と思っていた.しかし,実は自分の耳が悪かったためなのかもしれない.きっと倍音ばかりが聴こえていて肝心の基音がほとんど聴こえていないのだ.今まで,聴こえている気がしていただけだったのか‥‥‥ (;_;)
 
ネットで調べていて,ピアノよりも低い音がでる楽器を見つけた.ベーゼンドルファー社のピアノには,一般的なピアノの最低音のラ(27.5Hz)よりさらに低音のド(16Hz)まで出るものがあるという.16Hzになると過半数の人が聴こえないのではないか.そして,極めつけは,パイプ・オルガンで,さらに1オクターブ下のド(8Hz)の音が出るものがあるらしい.ここまでになると殆どの人が聴こえないはずだ.だいたい,8Hzというと,1秒間に8回だ.太鼓を1秒間に8回叩くぐらいなら私にもできるが,それによって聴こえる超低周波音だ.何か聴こえる人いますか?
http://myamada.my.coocan.jp/003-piano.html

▲△▽▼


高音と低音は音ではなく色や体振動として感知される


耳トレ!

耳トレ!-こちら難聴・耳鳴り外来です。 – 2011/10/3 中川雅文 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E8%80%B3%E3%83%88%E3%83%AC-%E3%81%93%E3%81%A1%E3%82%89%E9%9B%A3%E8%81%B4%E3%83%BB%E8%80%B3%E9%B3%B4%E3%82%8A%E5%A4%96%E6%9D%A5%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82-%E4%B8%AD%E5%B7%9D%E9%9B%85%E6%96%87/dp/476781202X

                      

大学教授で現役のお医者さんが書いたこの本には「耳の健康」に対する情報が満載で実に”ため”になる本だった。


☆ 日本語は世界一「難聴者」にやさしい言語

どの国の言語にもそれぞれ固有の周波数帯というものがあり、母国の言語を繰り返し聞いて育つうちにその周波数帯以外の音を言語として聞き取る脳の感受性が失われていく。

そのため生後11歳くらいまでには母国語を聞いたり発音する能力に特化した脳が出来上がる。

日本語で頻繁に使われる周波数帯は125〜1500ヘルツで、英語は200〜12000ヘルツと随分と違う。日本語は世界の言語の中でもっとも低い周波数帯の言語で、英語は世界一高い周波数帯の言語である。

したがって、英語民族は高齢になると早い段階で高い音が聞き取りにくくなって不自由を感じるが、日本人はすぐには不自由を感じない。その点で日本語は世界一難聴者にやさしい言語である。

※ これは一人で二か国の言語を操るバイリンガルの「臨界期」が10歳前後と言われる所以でもある。また、英語圏の国で製作されたアンプやスピーカーなどのオーディオ製品には、高音域にデリカシーな響きをもったものが多いが、これで謎の一端が解けたような気がする。その一方で、とかく高音域に鈍感な日本人、ひいては日本のオーディオ製品の特徴も浮かび上がる。


☆ 聴力の限界とは

音の高い・低いを表す単位がヘルツなら、音の強さや大きさ(=音圧レベル)は「デシベル(dB)」であらわす。

人間が耳で聞き取ることのできる周波数の範囲は「20〜2万ヘルツ(空気中の1秒間の振動が20回〜2万回)」の間とされているが、イルカやコウモリなどは耳の形や構造が違うのでこの範囲外の超音波でさえ簡単に聞き取れる。

ただし人間の場合は20ヘルツ以下の音は聴覚ではなく体性感覚(皮膚感覚)で感じ取り、2万ヘルツ以上の音(モスキート音)は光や色として感じ取りその情報を脳に伝えている。

※ 人間の耳は一人ひとりその形も構造も微妙に違うし、音を認知する脳の中味だって生まれつき違う。したがって同じオーディオ装置の音を聴いたとしても各人によって受け止め方が千差万別というのが改めてよくわかる。

自分でいくら「いい音だ」と思ってみても、他人にとっては「それほどでもない」という日常茶飯事のように起こる悲劇(?)もこれで一応説明がつくが、音に光や色彩感覚があるように感じるのは超高音域のせいだったのだ!


☆ 音が脳に伝わるまでの流れ

耳から入った空気の振動は外耳道と呼ばれる耳の穴を通り、アナログ的に増幅されて鼓膜に伝わり、アブミ骨などの小さな骨に伝わってリンパ液のプールである蝸牛へ。そこで有毛細胞によって振動が電気信号に変換され、聴神経から脳に伝わる。これで耳の中の伝達経路はひとまず終了。

この電気信号が言語や感情と結びついた「意味のある音」として認識されるまでにはもう少し脳内での旅が続く。

電気信号が聴神経や脳幹を経て脳内に入ると、まず、大脳の中心部にある「視床」に送られる。ここは、脳内の情報伝達の玄関口となっている。視覚、聴覚、皮膚感覚などあらゆる感覚情報が必ず通る場所で、単純に音だけを聴いているつもりでも、様々な感覚情報とクロスオーバーしている。

また「視床」を通過すると音の伝達経路は「言語系ルート」と「感情系ルート」の二つに大きく分かれる。前者は最終的に「言語野」に到達するが、後者は大脳の一次聴覚野を通らず、いきなり「扁桃体」に直結していて「イヤな音」「うれしい音」というように音を直感的・情緒的に受け止める。

※ 音楽を聴くときにカーテンなどでスピーカーを隠してしまったり、あるいは目を瞑って聴いたりすると、機器の存在を意識しないでより一層音楽に集中できるのは経験上よく分かる。

さらに、直感的なイメージとしてオーディオマニアが音楽を聴くときには主として「感覚系ルート」がはたらき、それ以外の人たちが(音楽を)聴くときには主として「言語系ルート」が働いているように思うが果たしてどうだろうか・・・。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/c85e3a32c3aca5331dd2fb7adaf73d2a

9. 中川隆[-11741] koaQ7Jey 2019年3月03日 09:54:00 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[240] 報告

名管「WE300B」に肉薄した真空管 - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2019年03月01
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1f35672cf4e959f116f078aac249ff3a


我が家の真空管アンプ群の中で、もし「ベスト1はどれですか?」と問われれば、どう答えようかと思うことがときどきある。


その日の気分次第に左右されるところもあるし、聴く音楽ソースによっても違うが、それらをいっさいおしなべて均してみたとするとやはり「300B」アンプに落ち着きそうだ。

   

現在、出力管を「WE300B」(1988年製)と「6A3」(1930年代製刻印付き)を交互に挿し代えながら楽しんでいるが、ケーブル類の交換などの周辺環境の変化に伴い、ますます存在価値を増しているのがWE300B。

「WE300Bはとても丈夫な真空管です。ごく控えめの動作に設定していますので、少なくともあなたが生きているうちは寿命が持つと思いますよ。」とは、このアンプを改造していただいた北国の真空管博士の弁だが、やはり高価な「WE300B」を常時使うのはちょっと抵抗感がある。

「高嶺の花はそれなりにそっとしておきたい」、マニアならこの心理お分かりですよね〜(笑)。

そこで、「WE300B」に肉薄した真空管を新たに手に入れて常時使用にすれば精神衛生上すこぶるよさそうだ。

さて「WE300B」の類似管として製作された球は山ほどあると言っても過言ではない。中国製、チェコ製、ドイツ製、日本製などいろいろだが、それらの中で比較的音がいいとされているのは「スヴェトラーナ」(ロシア)である。

第二次大戦後、ドイツの技術者を連れて帰って軍事用の球を作っていたという由緒あるメーカーなので信頼度は上の部である。民生用と違って軍事用は人間の命がかかっているのでよりシビアなツクリが求められる。

そこで、めったにオークションに出品されないスヴェトラーナ製の300Bに対してアンテナを張っていたところ、ついに引っかかったのが次の球。

   

   

真空管の点灯時に「紫色の光」がほのかに垣間見えるのは真空度が高い証拠で、これでほぼ新品同様であることがわかる。

オークションの解説にはこうある。

「Svetlana スベトラーナ SV300B マッチドペア 釣鐘式 Sロゴ レア品の新品同様品です。98年5月のペア管です。

資料も少なくレア品の理由をご存知の方は非常に少ないと思いますが、
このSV300B(Svetlana)は旧ロシア・サンクトペテルブルグにあるスヴェトラーナの工場で製造された300Bです。

写真の本体自体の構造を見て頂ければ判断頂けると思います。
WE300B(ウエスタンエレクトリック)を忠実にコピーしたレプリカで上部のオムスビマイカや釣竿型フィラメント固定具まで再現しています。

ウエスタンエレクトリックWE300Bにも劣らない丁寧なつくりで繊細で透明感のある音質がとても素晴らしい真空管です。コレクターの方や音質の優れた300Bをお探しの方には是非手にして頂きたい品物です。

新品をおろして数十時間しか使用しておりませんのでまだエージングの段階かもしれませんが動作は良好な状態でございます。

フィラメントの断線も一切なくゲッターの残量も良好でございますので写真を御確認下さい。プリントの印字のかすれもありません。残念ながら箱とデータシートはありませんが、間違いなくマッチドペアのVS300Bでございます。」

以上のとおりだった。

出品者の説明を鵜呑みにするほど「お人好し」ではないつもりなので(笑)、さっそく「北国の真空管博士」に連絡してご判断を仰いだのは言うまでもない。

「今は手いっぱいなので夜中でも見ておきましょう。」

そして、その翌朝のこと・・。

以下続く。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1f35672cf4e959f116f078aac249ff3a

____


真空管「SV300B」の実力 2019年03月03日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/d95260711f596f1ba29a9e5e8844cf6b


前回からの続きです。

遂にネットアンテナの網にかかったスヴェトラーナ製の「SV300B」。

   

巷では「WE300B」に優るとも劣らない緻密なツクリで音もすこぶるいいという評判である。

(即決で)落札しようか、それとも潔く諦めようか。

肝心の懐具合もいささか心もとないし「To be or not to be」と、まるでハムレット並みの心境だ(笑)。

そこで、前回のブログで記載したとおりオークションでの画像と解説の是非について我が家の真空管の主治医である「北国の真空管博士」のご意見を求めたところ次のような回答が戻ってきた。

「スヴェトラーナ製の300Bは初期の頃のものが一番いいです。その中でもSVブランドがより上位とされていますが、画像を見る限りとても程度がよさそうですよ。

真空管の命ともいえるフィラメントは音色と耐久性を大きく支配しますがこの球はとてもいいツクリがなされています。

   

(即決の)お値段からするといいお買い物だと思います。海外のオークションでも人気があってもっと高値で出品されています。

ただし良い球になればなるほどエージングに時間がかかる傾向があります。本領を発揮させるには2週間程度必要でしょう。もし、購入されたとしたら初めに半日ぐらいは整流管を引っこ抜いてエージングしてください。」

いつも否定的な博士にしては珍しく前向きなコメントに勇気百倍の思いで踏ん切りがついたのは言うまでもない(笑)。


「SV300B」が到着したのは落札してから二日後だった。見るからに程度が良さそうだ。

さっそくアンプに挿しこみ、博士の指示通り整流管を引っこ抜いて一晩エージングしてから音出しをしたのは翌朝のことだった。

スピーカーはウェストミンスター(改)。

   

ハラハラドキドキワクワク、この歳になってもこういう緊張感と胸弾む感覚を覚えるのだからオーディオさまさまである。

そして第一印象は・・。

音が前に出てくるのではなくて奥の方に広がるタイプなので、これは明らかにヨーロッパ系の音である。これなら長く付き合えそうだと、ほっとひと安心。

さあ、あとは手持ちの「WE300B」とどのくらい違うのか、試聴テストである。

さっそく大好きな愛聴盤のオペラ「魔笛」(モーツァルト)で聴き比べてみた。

左右両方のスピーカーの間にステージ(舞台)が展開されているとすると、魔笛の登場人物が遠ざかっていくときの足音が無限の漆黒の闇に溶け込んでいくように聴こえるのが「WE300B」である。

その点「SV300B」は遠ざかっていく足音が早めに消えてしまうのでステージの奥行き感が短いように感じた。ちょっと余韻が足りないかな〜。

とはいえ自分の耳だけでは心もとないので近隣のオーディオ仲間に来てもらって再度聴き比べたのは昨日(2日)の午後のことだった。

テスト盤はジャズの方がクラシックよりも音質の差が出やすいので、「枯葉」にした。

   

アルトサックス、トランペット、ピアノ、ベース、シンバルなど多彩な楽器のそれぞれの響き具合を確かめれば真空管の音の差は一目瞭然だろう。おっと、「一聴瞭然」かもね(笑)。

オーディオ仲間の感想によると「WE300Bはとてもリッチな音です。響きが豊かでもう言うことないです。その点SV300Bはネクタイを締めた実直なサラリーマンみたいでちょっとかしこまった感じですかね。

しかし、大いに素性の良さを感じますのでエージングが進むともっと良くなることでしょう。

後で聴かせていただいたゲリー・カーのコントラバスは素晴らしい音色でしたし、しかもオルガンがまるでスーパーウーファーを使ったみたいに深々とした低音を響かせるのには驚きました。」

「同感です。」と、自分。

「SV300B」の実力に「お値段」以上の手ごたえを感じた次第で、どうやら購入して正解だったようだ(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/d95260711f596f1ba29a9e5e8844cf6b

10. 中川隆[-10749] koaQ7Jey 2019年4月13日 07:49:15 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1293] 報告

Western Amp
http://www.yasunaga.co.jp/WE/WEamp.html

このページはアメリカWestern Electricのアンプ情報を掲載しています。私が現在使用しているアンプの数々です。 WE20B,WE46C,WE49,EW62,WE118,WE124,WestrxRA1474,RA1479等

WE46Cの詳しい写真があります。

Inside ofWE46C Power Amp 205DPPpage

This WE46C is so nice sound in Push Pull amprifire.

WE49 (264C X 2 ) Line Amp

49の電源

WE62 (262A X 1) Line Amp


WE118 para pushpull amp

WE124 amp


WE118 amp para push pull ( 6J7x2,6L6x4,274Ax1)

WE124 amp ( WE348Ax2,WE350Bx2,WE274B )

WE124 amp ( WE348Ax2,WE350Bx2,WE274B )

Altec 1569 para pushpull amp. (6CA7x4,5U4Gx2,6CG7x2)

Westrex RA1474 X 2, RA1479 powersupply. このプリアンプはAシェルのレコード用に使用しています。マーリック*のLC付き。*現エルタス社の社長が昔作ったトランス。 Westrex RA1474D X 2, RA1479 powersupply. これはOrtofonトランス付きのGシェルに使用。前段のトランスはパスして使用。




このリアイコライザーはLCRでまぼろしのマーリック製です。音がいい カートリッジの最高はときかれたら迷わずOrtofon トランス付きのGシェルと答えます。当然古いやつ!


 最高の電源、ただしWE300A,WE274A刻印,WE348AメッシュWE351,WE313CAなどすべてWEの球を使用しないと最高の音は望めません。特にWE300Aの音がきめて! だれかWE300Aを譲ってください。

24V Tungar power supply バルブ電源 WE288A Tungar Bulb. Trans is made by Hiroshima Trans. This wasmade by Mr.Izummi live in Hiroshima.  WE20B電源、年代違いで2台あります。140Vから300VのB電源が取りだせます。


Western のアンプの最高は?

 Westernのアンプの最高はWE59,60,61,62だと言われています。WE59に使用されている出力管はWE252Aです。この球は1930年より1978年まで製造、57A,59A,59B,67A アンプに、10A,11A,15A,16A, RTE; D-96566 Navy RTE、309A Police Radio等に使用されました。つい最近TUBEWORLDで数千ドルで売っていましたが、買いそびれてしまいました。残念!ただし1949年当時は252Aは20.00ドル、300Bで6.95ドル、350Bが15.20ドルでした。

http://www.yasunaga.co.jp/WE/WEamp.html

11. 中川隆[-9822] koaQ7Jey 2019年6月06日 14:40:50 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2618] 報告

最近疑問に感じる事、タンノイのSPを駆動するのは真空管が勝るが、一番相性の良い真空管は何れか? 2019年05月05日
https://blog.goo.ne.jp/yk1231yk/e/f9b4c644cda1475c83ae443b59a5eeeb

最近不思議に思うは、何故五味康祐氏は数ある真空管アンプの中よりマッキントッシュを代表する真空管ステレオパワーアンプ MC275定格出力:75W+75W(4/8/16Ω)150W(2/4/8Ω)を選んだか?

TANNOY Monitor 15"は能率悪いSPともおもわないが?TANNOYと言えばやはり、五味康祐氏の話に触れないと、お座なりなの気分になる。

これまで、氏は、原稿料を前借りしては、音に心血を注いできた。その氏が、オートグラフの存在を知ったのは、確か、ヨーロッパ旅行のおり、スイスの音キチ青年にカタログを見せられたのがきっかけであったらしい。帰国後、そのカタログの情報だけを頼りに、タンノイ社にエアメールで注文を出した。注文を受けたタンノイの担当者は、さぞかし驚いたにちがいない。あの敗戦国の日本にそんな御仁がいようとは、と・・・。

1964年(昭和39)のことである。この年の秋から芸術新潮で「西方の音」の連載が始まった。そして氏のオートグラフへの求道は、多くの信者を惹き寄せたのである。


そして購入された物は1964年にユニットには15inchの同軸2ウェイユニットが採用されており、初期はMonitor Silverで、その後Monitor 15"(Monitor Red)、15" Monitor Goldと搭載ユニットが変更されています。オートグラフも改良を加えた15"のMonitor Red第2世代の物のようです。

駆動するアンプはマッキントッシュを選び聴いていた様ですが、QUAD AD-22+U×2またはWE社WE300Bを使用したシングルアンプは WE91B などより何故マッキントッシュを好んだのかが今も不思議に感じます。

タンノイ社の推奨ではアンプはQUADカートリッジはDECCAを推奨している、
何故他のメーカーを選んだのかが疑問である

出力は小さいがWE300BのWE91Bも当然候補に上がると思うのだが、何故かMC275を使用したかが疑問です。


でも一つ納得出来るのはマッキントッシュが一番出力が大きく、オーケストラ演奏にも不満はないが通常自分の部屋で聴くには2〜3Wで十分とおもうがオートグラフにはマッキントッシュが相性が良かったのか不思議に思う。実は私もマッキントッシュのC-29を使用していましたが、私の目指す音質とは違い2年程で終焉を迎えた。現在TANNOYオートグラフを300Bで鳴らしている方も多いようですのでその辺りは解明してみたいですネ♪


因みに筆者ははAXIOM80 TANNOY(VLZ)で300Bのアンプで聴いていますが、粗満足しています

調べるとVLZにはQUAD AD-22+U×2が良いそうだが現在は程度の良い物は少ないようです。

以前音楽の友の社のおまけのプリメインアンプ 2W☓2で聴いたときは音質は問題はないが、流石オケのフォルテの部分は力不足を感じたが普通に聴くには全くストレスは感じなかった、もしKT-66 またKT-88が優れているなら今後の問題として考えていきたい?

先日購入したPSVANE 300B Hifi 真空管もエージングが進み300Bの本領発揮してきたようだ、

例えばピアノ演奏の音は研ぎ澄まされ透明度が増した、以前より数段上手く鳴る様になったBach:

Goldberg Variationsの最後のアリアでGlenn Gouldがゆったりと奏でる音に混じり、なにかつぶ

やきが?ハミングが聴こえ実にライブ感を味わえる、このあたりの表現が真空管の表現が良い。

連休も終盤に近く今回購入のAWA社ブランドの6BM8/PCL82を辛抱して聴き続け多少のエージング効果が出た感じがするようになった、今後エージング効果が進めば益々期待はできそうである。

でもこれだけは言える、・・・・・

我が家のTANNOYは歌曲等人の声を聴くなら断然真空管が勝るようだ、ブラボー!


6 コメント

五味康祐氏 (WE22)2019-05-06 23:10:16

五味さんは 91 を知らなかったと思います。本人の実家は戦前、映画館を経営していてWEの555を使ったホーンシステムは聞いた記憶があるといっておりましたが、アンプ関係はほとんど知識がなかったと思います。

WEのアンプはレコード再生用には作られていないのと、当時はそれらはまったく一般的ではなかったようです。

WEが世に出だしたのは八島誠さんがS55年頃これらの紹介と販売を始め手からです。

「MJの八島誠コレクション」参照。


八島誠コレクション―日本一のヴィンテージオーディオ収集家 – 2006/6
MJ無線と実験編集部
https://www.amazon.co.jp/%E5%85%AB%E5%B3%B6%E8%AA%A0%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E2%80%95%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%B8%80%E3%81%AE%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E5%8F%8E%E9%9B%86%E5%AE%B6-MJ%E7%84%A1%E7%B7%9A%E3%81%A8%E5%AE%9F%E9%A8%93%E7%B7%A8%E9%9B%86%E9%83%A8/dp/4416105029


内容(「BOOK」データベースより)
ウエスタンエレクトリック555レシーバーから15Aホーン、1086アンプ、技術資料、映画ポスター、アメリカの映画館を丸ごと購入する豪快な買い物、そのコレクションを紹介。

momomo 5つ星のうち5.0
WE研究 2011年11月12日
WE(ウエスタンエレクトリック)等ビンテージオーディオの収集家である矢島誠氏のコレクションを図録を中心に編集した本で、名前だけは、知っているが、実際に見たことのない人には、驚きの本であり、その内部まで見ることの出来る貴重な本であります。永久保存版にふさわしい図録集です。幻のWEサウンドを想像して下さい。究極のオーディオサウンドが、聞こえて来ませんか。WEマニアの方々にお勧めします。

______


ラボにしてもサウンドインクにしても素人でしたのでそれらを家庭用として改造できる技術者の指導で徐々に浸透していきました。現在でもなかなかまともに使えているところは少ないようです。まして五味さんのころはまったく一般には知られてもおりませんし、仮に存在は知っていたとしてもそのままでは使えませんので不可能です。当然の帰結としてマッキンかマランツとなるでしょう。300Bは進駐軍の米人が小遣い稼ぎに持ち出して売っていたので決行早くに知られていました。300Aは戦前の2年足らずで生産停止したので知っている人はまれでした。


ありがとうございました、 (金ちゃん)2019-05-07 08:15:06
五味康祐氏の実家の事は本で知りましたが
300Bの事は知りませんでした。
でもクオードのアンプは当時から
有ったんでしょう、
まあ、当事者以外は解らないことなのでしょう。
参考になりました、今後共ご指導ください。

QUADU (WE22)2019-05-07 11:09:20
言葉足らずで失礼しました。おっしゃるとおり、QUADUは1953年に生産が開始され18年間名声を保ったクオードの主力で歴史的なアンプだったようです。


WE22さんありがとうございます。 (金ちゃん)2019-05-07 11:21:26

TANNOY指定は確かQUADUを提示してようです。

此の問題は本人で無いと解らないようです。
でも私はPSVANE 300Bで聴いていますが、
徐々に音が馴染んで行く様に感じます。

音しかわかりませんが (高井孝祐)2019-05-09 22:18:22
貴殿の仰るように私は音楽の分からない輩です、オリジナル91Bとレッドの入ったオートグラフの組合は知人が行っています。

WE91Bはご存知だと思いますが音を遠くへ飛ばすことを考慮して作られた劇場用アンプです、飛ばすために敢えてか、結果なのか私にはわかりませんがWE91Bではホールトーンと言われているコクのある重低音は出ません、パリンと輪郭のはっきりした音を力強く押し出しますこの辺が86などと大きく違う点だと思います。WEでも劇場用の91Bや86などと、124等のアンプでは音の傾向は全く違うと思います、タンノイのブラックは論外としてレッド以降の反応の鈍いユニットでホール感を出そうと思うと、シングルアンプではなくプッシュ駆動のクオード22やマッキン275やMC30、WEでは124等のアンプが似合うことは貴殿に音楽を知らないと言われた無知な私でも安易に想像できます、五味氏なら感覚でわかっておられたのではないでしょうか?
因みにタンノイモニターブラックとWE91Bの組み合わせが奏でるサウンドは私は素晴らしい音楽を奏でると感じました、

音楽のわからない私はWE91BとALL励磁ユニットで「音」を楽しんでいます。

コメントありがとうございます。 (金ちゃん)2019-05-10 11:03:03
素晴らしい組み合わせですね、

本物のWE91Bの音は未だ聴いたことありませんが、
以前展示されたSV-91Bを聴き確かに良い音で聞こえました。
現在の書斎には大型のSPはスペースの問題で据付られませんので
VLZを改良して聴いています。勿論ジャズも愛聴しましが
これでもオケもオペラも略満足して聴いています。
因みにSV-91Bを聴いたときのSPはアルテックでしたが
気持ちの良い音で鳴っていた記憶があります。
「角を矯めて牛を殺す」の例えのように
音楽を楽しみたいと思っています。
https://blog.goo.ne.jp/yk1231yk/e/f9b4c644cda1475c83ae443b59a5eeeb

12. 中川隆[-8897] koaQ7Jey 2019年7月31日 09:31:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3827] 報告
オークションに見る偽物ウエスタンエレクトリックの真空管の見分け方
http://www5b.biglobe.ne.jp/~tritium/nise-we.htm

真空管マニアなら誰でも知っていると言うほど有名になったウエスタンエレクトリック社ですが、「Western Electric」の文字があるだけで高価に取引されています。ということは、おのずと偽物が出現するわけで、一見して判る物から、かなり精巧な物まで有ります。

特に300B(通称オールド、1950年台以前の物)と310A,274Bの偽物は多く、判定の方法をUPします。どれか1つでも該当する場合は、出品者に質問してみると良いでしょう。


・300B
軍用で有名なUSN-CW-300Bの偽物です。
1988年製のロット8826にリプリントした物です。一応ウエスタンであることは間違いない比較的良心的?な偽物です。
  

これも軍用USN-CW-300Bの偽物です。
セトロンの300Bにリプリントした物です。
  

・310A
一見、WE310Aのように見えますが、良く見ると偽物であることが判ります。ロシア製にWEのロゴを印刷したものです。
  

.・274B
274Bには、5U4Gや5R4Gのプリントを消してウエスタンのロゴをプリントした偽物が有ります。紹介するものは、その典型的な例です。
  
http://www5b.biglobe.ne.jp/~tritium/nise-we.htm

13. 中川隆[-8912] koaQ7Jey 2019年8月01日 08:43:38 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3812] 報告

WE91B はほんとにすごいアンプだった 2013年01月19日
https://blog.goo.ne.jp/8417chiharu/e/f8c572bb16f0a1a4106baee82bd77678

ウェスタンサウンドインク WE91Bレプリカで鳴らし始めてから数日間

仕事も行きたくない、ずーっと音楽を聴いていたい
なんて素晴らしいアンプだったんだ91は


我が家のALTECは817システムで515Cをパラ接続+288-8G+311-90

これにツイーターをコンデンサーとコイルを使って付け足したもの


このスピーカーがわずか出力8ワットのアンプで鳴るなんて
思ってもみなかった!


鳴る鳴る、響く響く、凄い凄い


WE91Bとの出会いは何年前だろう、
友達のK氏がやはりALTECの
熱烈なファンで、

愛用のA4システムを鳴らしきるためにレビンソンのML2Lやジェフローランドなどのトランジスターアンプや、

国内外の真空管アンプ、新しいもの、古いもの様々なアンプを使用してきたが、

最後に行きつくアンプはこれしかないと


WE-86の


購入を決断し、ウェスタンサウンドインク行った際に私も同行して行き


私のアンプはその時思いつきで、86のおまけで購入したような


かなり安易な出会いのものであった


だから当然WE91Bの知識は全くなかったし


愛ちゃくも全然無かった


ウエスタンファンでもない私がそんな安易な気持ちで


WE-91Bレプリカを買ったものだから


「いきなり91かい、普通は最後が91なんだよ」


と、嫌味を言われたのが記憶に残っている。

免許取り立ての若いお兄ちゃんが、いきなりクラウンを買ってこれが当たり前

と言ってる生意気な奴!、車だって


「何時かはクラウン」

いろいろ乗ってみないと良さも悪さも、何がどういいのか比べうよがない


あたりまえである


しかし、私もそれなりにオーディオはやってきた
アンプもクレルやレビンソン、チェロその他そこそこのトランジスタ−アンプや

国産の真空管アンプはかなり使いこんできたので、


「いきなり91B」とは思っていなかった


が、


やっぱりウエスタンの世界では、
ウェスタンの世間知らずが

いきなり91B

であった、良さを理解していなかった


今まで聞いたシングルアンプの
ピュアではあるが低域の力の無さ、

純度は高いが

力が無くて表現力がいまいち、

なんて言葉はWE91Bには無い


スピード、力感、音色、音の濃さ、全く問題なし!、
あえて言うなら立体感の表現力がいまいちかも

でもそんなことはどうでも良いくらいの音である


91Bの中の配線は何度もワイヤリングし直して、かなり古い単線に変え

抵抗はできるだけ板抵抗に変え、
コンデンサーも出来る限り当時見つけ歩いて、古いものに変えてある

入力もレプリカながら618Bを入れて、当時やることは、すべてやりきったつもりでいた


しかしひとつだけ予算の関係で出来なかったのが

これ、整流管の5Z3

当時高くて274Aが買えなかった、いまもくやしい!

当時でも1本6万円もした、今はいくらぐらいするんだろ

ほしい


オールウエスタンで聞いてみたい。

音は違うのかなー

きっと違うんだろうなー


値段に見合う違いなのかなー

ここまでやったんだから最後までやりたいよなー


でもきっとたかいよなー
・・・

違いを知っている方はどなたかいらっしゃいますか〜?


コメント

we-91b replica (big big 123)2016-08-25 13:18:47
「いつかはクラウン」って同世代のようですね、、、羨ましいです。どこのレプリカでしょうか? 私も探しています! P&CとかWEサウンドインクとかサンバレーとかaudiocollectionとか・・・是非教えて下さい!

Re:we-91b replica (8417chiharu)2016-08-25 16:41:41

Big big 123さんこんにちは

このブログに書いてある通りです、WSI店のモデルです、

申し訳ないけどP&Cやサンバレーさんの単なる300Bシングルアンプと比べられると話になりません、

WEレプリカを名乗るなら真空管はもちろん、WEのパーツを使い、オリジナルに忠実な回路で製作するべきです、

直流で300を点火してしているモデルで91Bのレプリカを名乗るのは論外です、

we-91b replica (big big 123)2017-08-03 11:58:11

昨年は失礼しました。最近、中古ですが91レプリカを入手しました。
WSIのスペシャルヴァージョン組立品です。

外観ではインプット廻りが少し違いますが、当時はいろんなヴァージョンがあったのでしょうね。

WE球を探して聴いていますが交流点火独特の”ゾリゾリ感”には痺れます!

でも最近274Aの刻印に挿し替えてからピアノが歪むようになりました。ゲッター違いの刻印4本とも全てピアノがある帯域で歪みます。左右2台とも程度は違うのですが、歪みます。

5Z3とかプリントの274Aは歪みません。アンプ本体が悪いのでしょうか?刻印が弱っているのでしょうか?

素人の私は眠れない日々が続いています。アドバイス頂ければ嬉しいです。

Re:we-91b replica (8417chiharu)2017-08-03 19:14:32

いいですね〜
W・S・Iの91Bがレプリカとしてはベストだと思いますよ、コンデンサーと抵抗が当時の物になってるバージョンだと思います。
良いものを手にしましたね〜〜、
私の周りでは274Aの刻印ばかりで、プリントの274Aは私ぐらいですが、皆さん歪んではいないですねー、
4本全ては納得いきませんね

私のにも刻印をさしてみましたが、とくに歪み感はありませんでした、ピアノの曲は聴いていないとお思うのでなんとも言えませんが。

刻印とプリントの違いを後で聞いてみます。

聴き比べると音の違いはありますが、私はペイントで我慢します。
只今、財力に難がありまして・・・・
刻印、ナス274A・・、
所有することを諦めようとお思います

あの金食い虫を処分すれば・・・・・
https://blog.goo.ne.jp/8417chiharu/e/f8c572bb16f0a1a4106baee82bd77678

14. 中川隆[-8925] koaQ7Jey 2019年8月03日 06:52:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3805] 報告
>>13
>どこのレプリカでしょうか? 
> P&CとかWEサウンドインクとかサンバレーとかaudiocollectionとか・・・是非教えて下さい!


>ウェスタンサウンドインクの WE91Bレプリカ モデルです、

>申し訳ないけどP&Cやサンバレーさんの単なる300Bシングルアンプと比べられると話になりません、
>WEレプリカを名乗るなら真空管はもちろん、WEのパーツを使い、オリジナルに忠実な回路で製作するべきです、
>直流で300を点火してしているモデルで91Bのレプリカを名乗るのは論外です、

P&C Electronics WEアンプコピーシリーズ WE91AMP レプリカキット
http://www.pandcamp.com/menu.html
http://www.pandcamp.com/main.html


ご存じもっとも有名な300Bのシングルアンプです
オリジナルを上回る音質だと信じています


仕様
・P171Aアウトプットトランス
・D162065又は626Ainput / KS8616
・42Ainputシールドケース

CHINA 300B(6C6) 付き (2台)
受注生産
納期1ヶ月頂きます

写真と電界コンデンサが違う場合がございます。
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真空管アンプ専門店 P&C Electronics
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〒160-0023 東京都新宿区西新宿8-6-7

E-mail: amp@pandcamp.com
TEL:03-3366-3515

営業時間/AM11:00〜PM7:00
定休日/毎週 日・月曜日


アンプのこと、音質のこと、お気軽にご相談ください。


オーディオショップのP&Cエレクトロニクスへようこそ
真空管アンプから抵抗、コンデンサなど各種パーツまで
当方のオリジナルのトランスもございます、是非くまなくご覧になってください。

当店で扱っている商品は状態に差異が有るものが多く有ります故、
出来るだけ事前にお問い合わせ頂く様お願いいたします。

尚、当店は綺麗なオーディオショップではありません。部品屋だと自認しております。
1年に数回がっかりされて帰る方もいます。そのあたりご了承下さい。


おしらせ

営業再開しました どうぞ宜しくお願いします
暫くは不定期営業となります 来店前には必ずご確認ください

2月は例年通りまた全休になります
ご来店の節は必ずお電話にてご確認ください。
特価!?真空管販売中!

連絡先 03-3366-3515
携帯:080-6866-3578


ご来店の際は事前に電話にて確認お願いします。
アンプ視聴ご希望の方は、是非CDをお持ち下さい。


当店は”ただの白のミニハウス”です。
気軽にお入りください。
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P&C Electronics 2013-09-22
https://urgelife.exblog.jp/19695632/


西新宿にある「P&C Electronics」という超コアなお店に行ってきました
オリジナルの真空管アンプなどを手掛けてる知らないとなかなか一人では行けないディープ店です

店内はvintage真空管などお宝の山です!
オーナーをはじめ来店されてる常連さんも良い人ばかりで知識度合いも半端なかったです


▲△▽▼


P&C Electronics アンティック・古玩
http://www.pandcamp.com/pc/kogan.htm


古玩の思い出、寿命、楽しみ。大分辛口の話で恐縮だが私事の感想をチョイと書いてみようと。

最近この10年、全く輸入していなくてあまり資格はないが、どのくらい寿命があるのかということを思い出しながら書いています。

まあ20年前の昔話だと思ってご意見無用でお読み捨てください。


多分オーディオは塗装と修理の連続なので古いものは本当によく壊れていく。20年前ならともかく今高くなったWEの41、42等は本当によく部品取りにした。
起こす場合は二個一、三個一は当たり前で現在のショップのようにトランスの巻き直しはしないから、本当に壊れた部品は捨てていた。当時、41と42で800ドル位だったからバラバラにしても本当に儲かった日が続いた。楽しい思い出である。

42アンプはインターステージが壊れていても他のトランスが生きているから、最低3、4倍にはなったものである。41アンプが来ると恐慌で生きているものがインプットとチョークしかない。インプット5万円、チョークを2万円ソケットはついていればいいが、ついていないのが多かった。ソケット抵抗を3000円で売ってようやくペイ出来る位であった。

当時このアンプより古いナンバーは、ラジオだと思っていたので今のような盛り上がりを見せることはなかった。特に41アンプのボリュームと42アンプのインプットは必ず生きていなかった。よく20年前には42アンプのインプットにトライアドのインターステージを入れたことを覚えている。

当然その場合は、お客もそんなもんだろうと納得してくれていた。私は知らなかったが、トランスの修理をオリジナルのコアで巻きなおしてくれる人がいることを知らなかった。コールタールが詰まったケースから掘り出して接着剤で固まっているトランスを、1枚1枚剥がして同じようにコイルを作って巻き変えてくれるのである。

この大御所のトランス屋さんと知り合って4、5年経つが、それまではそんなことを出来るということを信じていなかったから、もっと昔に知り合っていれば大分儲かっただろうと思うが、ポリシーとして壊れたものは捨てるので、今迄人に頼まれた修理のみ思い出す限り15点位はお頼みした。

約、大御所のO先生15年間1日に1、2個は修理したと言うから、世の中には2、3000個は彼の手になった物が残っていると信じているのである。

当然この場合日本製のワイヤーで直されるからオリジナルですよと言う声も怪しいものである。

1度に40個も来る黒いトランス、1番切れる○型のラインアウト、トライアドのラインアウト、ピアレスの角のケース、世の中にオーディオソムリエ(真贋鑑定家)という商売があれば繁盛するんじゃないかと思う。
ともかく修理は難しい。

オリジナルがオリジナルがと言うから満足に修理ができない。せめて1年位はもつように修理をしたいがその場合、相当の部品の入れ替えを覚悟しなければならない。マッキンのプリなら20年前でも必ずラボに入った修理シールが3、4枚は付いていた。

当然皆故障するわけだが、なんとか愛情でカバーしてほしいものであろう。納得できないかもしれないが、古い真空管等を売った場合、案外いやな思いをする。今迄で1番悪い例だが、当方のとこで買った真空管がその当日に夜死亡。品物はPX4であったが、当日調子よく鳴っていて気に入って買ってもらった。彼の場合、同じ真空管が死ぬのは4本目だからクレームはなかったが、せめて1ヶ月はもってほしかった。

まぁ、某オーディオショップが売った200万の黒いアンプが1日で爆発して裁判になった例があるというから愛情をかけてあげないと臍を曲げる。この場合、このアンプは女王様かな。お客さんにも惚れた弱みがある。

私の作ったキットアンプも電解コンデンサがパンクしたことがあるので、個人的に古いコンデンサの信頼度順に並べると、1位がスプラグ、2位がコーネル、3位がアイロボックス、最後にマロリがくる。五十嵐先生ごめんなさい爆発して。
私のキットのアンプで1番売ると怖いのは91アンプのレプリカで、ねじ止めコンデンサが1番弱い。尤も1930年代に新品で出たオリジナルでも1年絶対もたなかったと思う。初期不良が多くて、案外困り果てたアンプの代表格じゃないかと思っている。でも、長く使われたのは確かで、2次大戦位まで使われたようである。カーキ色のものを随分見かけた。

真空管の交換について。

サンフランシスコの映画システムのサービスマンのポール曰く真空管は1ヶ月または500時間で全部新品に換えていたそうである。戦後場末に流れたものならわからないが、現役時代なら多分そうだろう。絶対音が止まってはいけないプロの世界なら当然だと思っている。しかし個人的に自分で使う分には10年位使えないとね。

実際に10年もつ真空管はいくらでもある。特にラジオなんか50年前のものが平気で鳴る。

理論では100万時間使ってもまだエミッションが残っていると書いてある本もある。条件が違うので何とも言えないが、1941年製造のGE製211を後生大事にとっておいた。1年前に15年ぶりに開けたところ、3、4割が空気管になっていた。けちはだめだめ。

アメリカのラジオクラブ

メンバーのほとんどが引退した年寄りだったが、ほとんどの人が技術者だったのか古いラジオを愛でるクラブが各州にたくさんある。カリフォルニアかシカゴが1番多いと思うが、随分おじいちゃんから真空管を分けてもらった。ほとんどが趣味の1930年までの古い真空管だったが買ってきて6、7割は生きていた。大体の真空管が5ドル以下で買えたのでよく荒らしをやった。それでも18、9年前には悪いなと思ってブローカーから買うようになった。

最近フィールドコイルのスピーカーが流行っているようなので私としてはやめてと言いたい。ちなみに儲かった一例、ある日メイン州から手紙が来て真空管を手放すから遊びに来いと言われ行ったところ、40cm角のダンボールいっぱいのWEの球をもらった。300Aが10本、205が20本、274のナスが5、6本その他大勢大勢が入っていた。彼は湖のダムの脇に住んでいて趣味は発電だった。すごい人が世の中にはいる。当然日本円でミリオネアになったことは間違いない。日本円で。

その帰り、1000km走ってシカゴのラジオクラブのミーティングに約束してあった101Fの丸球を100本買った。それを9000円で売ったところ、飛ぶように売れた。20年前は幸せな時代だったのである。

昔話のWE86アンプ

カリフォルニアのデビットが随分集めてくれたせいで20万で売っても相当な利益が出た。ただこのアンプ、問題はアウトプットで間違いなく必ずB電圧がスピーカー端子にもれる。10台以上は売ったがスピーカーのターミナルを必ずアースに落としておいた。最近随分そのトランスをO先生の所で見かけるから60年も経ったものは生きているほうが少ないだろう。

まぁウエスタンの場合オリジナルでも本物は少ないから、トランスの引き出し線のハンダが見た目新しいものとターミナルのハンダを付け替えてあるものは注意してみた方がいい。欲しい人はできるなら15年以上もち続けている個人の物を買ったほうがよい。

そのほかはインプットとインターステージが切れているものを見たことがなかったから、すばらしい技術と思っている。インプットまで純鉄のコアだという人がいるがウエスタンの場合は最高のパーマロイで作ったインプットトランスを搭載している。

古いインプットインターステージの簡単な修理方法

切れた側に2、3kVの交流を瞬時にかける(1秒以内)。一回でつけば儲けものである。ただ、レアショートすることもある。2〜3回やってもつかない場合はあきらめて、また1500V以下のトランスでもだめであります。

アンプは壊れる

アンプのプレート電圧は1Vでも高いほうが音がよいと思うが、音もよく球も長生きさせようと思うと定格の6、7割以下で作るのが望ましいと思う。アンプの修理を生業としている友人Y市の天才N君曰く、MC、MZ、AL等のアンプは高速道路をビンテージカーで120kmで走っているようなものだと。いい例えだと思っている。当然100kmで走ると音が悪いわけだからしょうがない。

昔の輸出用なら50サイクルの巻き線があったはずだが、60サイクル用が並行物が大半なのでトランスのコアが2割足りない。当然発熱する。真空管アンプなら球、抵抗、コンデンサ、トランス、と変えればいいが、トランジスタアンプは素子が壊れた場合なかなか同じものがつくことが少ないらしい。

ハイエンド志向の100万以上したFETアンプを入力ジャックの抜き差しで私の目の前で壊した彼は2年経っても修理できないでいる。理由は1万個以上はメーカー選別した選りすぐりの石は世の中にないそうである。したがってもう1台出物が出るまでアンテナを立てて待っている(他人のアンプは修理するのに)。最近二台目を手に入れたそうである。

彼曰く10年過ぎたトランジスタアンプを買わないこと。同じ石がペアで手に入ることはまれで、設計者の意図に反するのだそうだ。なるべく電源を入れたときにウーファーが振れたり、信号回路に電解コンデンサが入ったりするのはだめだそうである。

私の知り合いでも大型の古いフロアシステムを買ったが低音が出ないそうである。磁石をチェックしたほうがよいかも。トランジスタアンプの調整の取れていないものは、スピーカーの磁力が減ることがある。

たくさん出てきたもの

今では部品しか輸入していないが、昔は月に2、3回は500kgくらいの荷物が飛行機でやってきた。取り留めのないものも多かったが業販も多かったので変なものでも大概売れた。ウエスタンなら555、必ず10個は一度にきたから値段も安かった。1個100ドルくらいで買っていたから555はドル箱だった。オリジナルのダイヤフラムを10万で、その他アルテックは5万、Wつきはプレミアもらって12万で買っていただいた。ホーンはあまり利益が出なかったので、数が少なかった。

不思議なことに555の場合はホーンの20倍に相当する量が出てきたので、ホーンは貴重品かもしれない。当時アルテックやJBL用のアダプターがかなり売れた。アンプなら46アンプ、1台20万とるのは苦しいと思ったがバラバラにすると簡単に20万を越した。25Bコンソールも1800ドルぐらいで案外きたから、ウエスタンでは儲けの頭になったとよく覚えている。

ドンガラの箱をくず屋の前に捨てていたが、当時でも捨て賃を取られた。この間、618Bがオークションで30万で売れたと、昔のお客さんがやってきて数万買ってくれた。がちょーん。

たくさん出てきたもの2

アルテックの1568、1569スピーカの288、515、ネットワークに604、どういうわけだかプロ用の映画館のシステムはいらないよいらないよというくらい珍しくなかった。その反対に全く出てこなかったものに、288-16、515B新型は現役だったのか使っていなかったのか民製ナンバーはとても高くて、買わなかった。JBLの375とともに日本のほうが安かった。アルテックのピアレスの角型ケース入りはまったく本当によく壊れる。電源、トランス、アウトプット、チョークトランス、壊れる代表選手だから当時のケースに入れたコールタールの質が非常に悪かったと思っている。

マッキントッシュのMC30、116等は壊れてないほうが多いから、IPC、アルテックを買いたいときはシャーシの中を必ず見よう。

MR.デビット・ヨー

一番古いアンプを集めてくれたのが、カリフォルニアのデビット・ヨー氏である。トランスが壊れてもても真空管が切れていても、 一度も返品しなかったから長い間かわいがってもらった。どういうわけだかM社のC氏の付き合いのほうが古かったようだが、 私のほうにいいものをまわしてもらった。

MCMZはY市のM氏が買って私のほうには回ってこなかったので、もうちょっと古い系 は20年前当時一番あったかもしれない。今でもマランツ7とマッキンの275は50台ずつは積んであるだろう。他のアメリカのブローカーは 何度行っても一緒に食事をおごってもらうことはなかったが、台湾出身の彼には随分世話になった。その代わり他より大分高かった。

一番面白かったのは、ラジオクラブのフロアマーケットでなんと昔のラジオの本を売りに来ていた人がブックエンドに使っていた 596ツイーターが100ドルだった。彼から100ドルもらった人は満面の笑みだった。彼から46アンプは600ドル、86アンプは1800くらい、 594のドライバーは2000ドルだが、ブックエンドのスピーカーは2個一万ドルだった。ツイーターは2個150万でN氏に売れた。

当時ウエスタンでツイーターが一番高かった。555は100なのに。

ビクターの蓄音機

今のアメリカの値段は昔はデビットから2000ドルくらいで買っていた。ある日ラジオクラブのメンバーの紹介でテキサス州のジェームス氏の店に行ってみた。屋号はOLDEN YEAR MUSICAL MUSEUM。

多分彼から蓄音機を仕入れている人は相当多かったんじゃないかと思われる。
蓄音機、自動オルガン、オルゴール、自動ピアノ、エジソン電球などを売っていた。体育館ほどの広さの部屋で数人が一生懸命色々直していた。今でもやっていると思うので、気になる方は問い合わせてみたらいいかもしれない。

非常に稀有な例にエジソンの蝋管器があって、唯一無二の日本が安かった例である。エジソンの蝋管器は当時日本で5万円ぐらいで買えたが、アメリカでは1500ドルした。これに次ぐのはJBLの375で日本のほうが安かったかもしれない。

ジェンセン製と書いて はいけないかも知れないが4181スピーカーの親のジェンセンのL18は8-30の3倍は大きい蓄音機についていた。50のPPがついていて、とても欲しかったが運送費が高いのであきらめた。

20年前当時は日本でもビクターの蓄音機は1、2万で買えたのに、蓄音機のブームが来て急速に骨董屋の前からなくなった。大概変な ピックアップがついている、8-30でもポータブルでもピックアップのリプロデューサーは大差がないから1、2万で買った人が相当 得をしたはずだ。

今は全く見かけないが、音がいい針は金色のタングステンの短い針だ。100回かけても針は全く減らない。支点までの距離が短いから 音が大きい。レコード1面で針交換は面倒くさい。

当時の彼の売値、自動ピアノ全部品つき修理なし物の価値はわからないが500ドル。 ビクターの蓄音機8-30、700ドル。デビットめ。


修理

マッキン、マランツなら修理の部品にこだわる気持ちはわかるが、業務用のアンプにはあまり同情心が沸かないのでなるべく新しい部品 を使ったほうがいいと思う。昔は少しマッキン、マランツを売ったことがある。なかには修理用にコンデンサーのペンキを書いている人もいたようだ(縦線の容量)。 マッキンの場合、大概マッキンラボの修理シールがついていた。

アンプのボリュームは古くなると必ずガリガリ 言うので心配になって交換しようと思うが、まず4連ボリューム、センター付きボリューム等はないだろうと。いい修理屋さんなら、 2個一、3個一で直すだろうからいいが、なかなか難しいときは思い切ってボリュームをいっぱいにまわした状態で真横の腹に1.5mm 位の穴を開けて、接点復活材でも入れてみて欲しい。
ダメもとだから。

多分相当な確率で直ると思う。

売れないアンプ

一番ウエスタンで人気がなかったのが、118アンプ。 パラプッシュなのが嫌われたのか、6台仕入れたのに売るのに半年以上かかった。 簡単なアンプだから、300Bに改造してようやく売れた。

アルテックの1569も人気がないから、300のPPに改造すると面白いと思う。 124アンプより故障はずっと少ない。

WE124アンプ

面白いなぁこの人。124アンプでいつも悩んでいる。 何回修理に出してもまともに鳴った試しがないらしい。 僕が売ったわけでも僕が触ったわけでもないのに毎月やってくる。 話題はいつも124アンプで、一回見せてもらったがとても汚い。 なんだか線が丸まって入っている。直してやるよというと、触らせない。 わかった!この人ってこうなんだ。

ひそやかな趣味

エンジョイの仕方は人様々である。 亡くなったI県のO氏、WEの部品を触っていると世にも妙なる音が聴こえてくるとか。 十年見ていないが町田のK氏、300Bの焼印を夜磨いているとか。
あなたならどうする?

車にオーディオ、カメラに時計に模型

これらは全部同じものであるとS氏に言うと、私は模型はやってないと言う。 模型でも自作真空管アンプは似たようなもんだと言うと、軽くあしらわれる。
対極のものはなんだろう?ゴージャスなもの、ロールスロイス、美女に観劇。
泣きたくなったから、もう寝よう。

カメラは苦手

三回買ったニコマート、T国に行く度に最後の晩に夜なくなる。 お酒が悪いんである。ニコンのF4、何かのトレードでU市のF氏から。 当然当方は使わないからプロのF君へ。F君感謝して、真空管を持ってやってきた。 良いトレードだと思ったが、いまだにあるぞ。

50万で売った予定のランシングの415と287のセット。 写真家のK氏に、K氏月末にハッセル持ってやってきた。 いとこの旦那にあげたら、汚いね、もっときれいに使ってよだって。

50万と一週間あったら世界一周すぐできる。ああ残念。

20倍掛けの御大

オーディオはいくらにでも化ける。 ある日、415と287のセット、オーディオショップSに40万で。 S氏曰く、「倉島君、これを僕は800万で売るよ。気にしないかね?」。ええ本当に気にしませんよ。二台7万で売っていたRA1474、なんと大台に乗っていたようである。 まあこのOUT、よく切れる。この場合全然協力したくない。 業務用のラインアンプ、改造例はたくさんあるだろうから、ぜひご自身で弄ってみたらいい。

25Bコンソール

塊で大物だから置くところがない。いつも真っ黒になってばらしていた。 いるのは本体と電源なのに、テーブルと足も飛行機に乗ってやってきた。 どうせ捨てるのに向こうの人の好意にこたえるために梱包してもらった。

このコンソール、実は一番儲かったので2000ドルで買って100万近くになった。 129:40、130:30、131:10、電源:10に5。 安いと思われるかもしれないが、同業者のI県のT氏との取引ではこれの6〜7掛けだった。 この電源20、トランスが3個に1台しか生きていなかったから不良率は相当なもの。

もっともこの電源、WEの部品はコンデンサ一つしかついていないから、 十万で売れたのは中についている真空管代金である。 129アンプのインプットは今では高い。618B、このマイクトランスが一番値上がった。 でも当時は30オーム付きの285のインプットは2倍の1個10万で売っていた。 全然レア度が違うので285タイプのマイクトランスは高かったのである。

当時高かったのは、111C。今なら2万で売っているが当時は300ドルで買っていた。8万程度で売っていたと覚えている。 197のラインアウトは本当によく切れる。O先生のところでよく見かけた。O先生、0.15ミリの線に電気を流したらたぶんそういうことになるだろうと。

当時、ワイヤーの音にこだわっていた人は少なかったから、 中の電線は買ってもらったときのサービス品であげていた。 昔は電線でお金を取らなかったので、一束欲しいといわれれば一万円でももらおうかと言ったところである。 ある日、知り合いがやってきて「このケーブル1mものペアで7万円で売っている」と。 一台に4〜50mは使ってあるだろうから、なんだかなぁ・・・。

この頃からウエスタンの電線が音が良いということになった。 最近、綿巻きの撚り線でめっきがかかっていないというのが良いようであるが、 あのウエスタンがそんな質の悪いものを作るわけがないので全く信じていない。

ただ、ウエスタンのスピーカーケーブルは1.6ミリの錫引き単線で(594まで)、 ゴム引き綿巻き仕上げで白黒に塗り分けられていたような記憶がある。 撚り線で見たことがあるものは、野外で使う720Aの類のものには撚り線が多かった。 ちなみに今のスプールには汎用と書いてある。スピーカーケーブル用と書いてあるものは見たことがない。 電線だから何に使ってもOKです。

グレートブリテン編

イギリスには20年前には年1回程行っていた。イギリスからの運賃には結構高かったので小物が多かった。モノを非常に大切にするのかバイク屋の店頭には直列4気筒の黒いバイクや、電気屋の店頭には真空管の212が飾ってあった。

信じられないだろうけどザイレックスで売っていたPX25のナス管は1970年代製。4212の中古は15ポンド、ビンテージワイヤレスで街中で見かけた4212の新品は400ポンド。

あの4212の新品は多分まだその当時作っていたんじゃないかと思っている。買わなかったSTCの101は400本くらいあったが、1本5ポンドだった。当時のレートで1500円ほどだから全然だめだった。だから入れるものの種類は少なかった。
ガラードもクオードもアメリカから買った方が安いくらいだった。値段はリークの50が100ポンド、クオード2が200ポンドほど、PM6の中古は100ポンドほどだったが、アメリカから買ったほうが安かった。

PM6とPM2

大きい磁石は高いイギリスで買うものは大体同じなんだがちょっとずつ違うものが多かった。ドイツの職人と同じでへそ曲がりが多かったと思う。ラジオクラブのミーティングでもフェランティのようなものは1個100ポンドだという。同じものは絶対に手に入らないから宝くじ並だと思っている。さて、当時のPM6とPM2の値段、想像がつきましたか?両方とも同じフレームで同じコーン紙、プライスはPM6が68ポンド、PM2が400ポンド。信じられますか?

取り逃がしたパルメコ

ケントのPMコンポーネンツが放送局用の払い下げ品を売っていた。当時型遅れで買う人もいなかったからとても安かった。体育館ほどの広さのところに箱入りの15インチのパルメコ・ガラード301のプロ版が50台ずつあった。
とても安くてどれも15ポンドだった。

リークのアンプのプロ版もあって、同じくらいだった。たくさんあったのでこの次に買おうとしたら、無くなっていた。

運賃は品物の10倍はしただろうが買った人は笑いが止まらなかっただろう。その後すぐ50万ぐらいで売られていたのも覚えている。パルメコはその後ジョンから少し入手したが、あまりコンディションが良くなかった。
ガラードのプロ版には変わったアームがついていたので買った人は苦労しただろう。

ペアにならない

ジョン・ベーカーからいろいろなものを買ったがペアになったのは民生のアンプのクオードとリークぐらい。18インチのウーハーもあったがきれいな物がなく、気候も悪いのかあまりいい思いをしなかった。アルテックの288のコピーのようなドライバーは案外見つけたが、一つ一つよく見るとフェイズプラグも違うし・色も違うし・ヨークの厚みも違う。

4つで1000ポンドだったボイトの箱入りも全部違っていたから、もしペアで買えた人がいたら相当ラッキーさんかも。

ジェンセンのL18と13インチの4151と同じようなスピーカーはドイツでも見かけた。同じようなシステムは世界中にあったのかもしれない。


12AX7

今ではギターのお兄さんが12AX7でこだわるが20年前はテレフンケンしか売れなかった。ソ連の物が嫌いだったせいで(今はそうでもない)毛嫌いしていた。当然RCAの12AX7を買うわけだが15ドルもする。当時4桁番号のMT管は1ドルするものがなかったから、スクラップ同然だった。ソ連のものはイギリスから来て40ペンスだったから100円。

RCAは小売価格が1800円の時代に仕入れ価格が2000円近く。テレフンケンは5ドルだった。
だから今でもRCAが好きなんだ。


スクラップ

中国が世界の技術をタダで集めるせいか全てのジャンクがここに来る。世界一の材料集めの集積場である。ソ連の空母・海洋博のリグ・見たこともない某日本製映画館用真空管アンプ・品数の厚みは驚くほどだろう。多くはリサイクルされる。
オーディオも例外でなく例のコンデンサがついているから黙って捨てたつもりでも、相当量がリサイクルされるのは間違いがない。WEの131アンプも相当へこんだものを香港で見かけたから、25Bコンソールごとスクラップになったと思う。

買う量が倉庫ごととかスクラップの山ごと買うから、ピラミッドの下のほうにはお宝が埋まってるんだと思っている。日本でもN商会のI県の商品置き場、地元の人はごみだと思ってるに違いないが、ジェット機やらヘリコプターやらあるから面白いオブジェに見える。

下のほうにナイキのシステムというものが埋まっていて取れない。取ると上が崩れてしまうので山ごと買うしかないだろう。ナイキのコントローラーはWE製だから相当量ここから出てきた。

多分またこれは香港経由で買えるかもしれない。香港で見かけた倉庫いっぱいのWEワイヤー・いろいろな測定器、アメリカでは全然見ないから砂漠のピラミッドのなかにはまだまだあるんだろう。WEの92アンプ120・131etc etc etc…
アメリカのロスにいるブローカーでも見つけられないのだからどこから出てくるのか見当もつかない。ただ、アメリカは3、4年前にスクラップの輸出を禁止したそうである。
http://www.pandcamp.com/pc/kogan.htm

15. 中川隆[-8922] koaQ7Jey 2019年8月03日 07:08:13 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3808] 報告


ウエスタンサウンドインク閉鎖 2019/3/20
https://blogs.yahoo.co.jp/tiromie/41255271.html


昨日、長年のオーディオら友人と呑んでいて知りました。
確かにグーグルではに閉鎖となっています。

原因らは調べてもわかりませんでした。
ステサン通販には商品はありますが。


ケーブルと真空管数本買っただけですがびっくりです。
他界された創業者は日本にウエスタン・エレクトリックの業務用機器を輸入紹介した草分けでしたね。

最近まで代表の土井さんが管球王国に出られていたようなのですが。

別のウエスタンらヴィンテージショップの顧客は何年も前から韓国→中国→現在タイに移って、これらの国で支店も作っております。

かつてウエスタン機器を買った日本国内の顧客が順次お亡くなりになるので、そこから引き揚げては、それら国の顧客に売る商いらでながらえているようです。

とうの昔に製造終了されているものですから、流通在庫が限られますね。


ウエスタンに比べれば、それら国で人気がない大型のALTECなどお大型スピーカーは、国内での中古流通が滞るようになれば処分先はどうなるのでしょうね?

同じヴィンテージ系ショップのエルタスもとうに閉鎖。エイフルも福島の山奥に行ってしまいました。


普通のオーディオショップでは陳列の場所も取るこの手の大型スピーカーは買い取りしないそうですし。


5年後、10年後のオーディオを考えさせられました。

コメント


日本の住宅事情では 置くことすら無理
田舎もしくは山奥に家がない限りは無理
高度成長時代なら まだしも 住むところも仕事もない
今の時代 難民が増え続ける時代では 到底無理
今の若者なんて 名前すら知らない
オーディオを語るのなら隣の台湾や韓国 香港に行かないと無理なようですね 今の日本では語り部は続かない


[ マロンコクトー ] 2019/3/20(水) 午前 11:07


> マロンコクトーさん

全くそう思いました。
ゆくゆくは主を失った大型オーディオやアンプは行き場を失って放置もありえますね。空き家問題を連想しました。


ゴルゴ平蔵 2019/3/20(水) 午前 11:10

空き家問題で思い出しました
以前 古くなった空き家の解体 見てたら主を失った
大型スピーカーが出てきましたよ
大型ブルで次々と家を解体しながらスピーカーも壊されて解体 たぶん 昔と同じような家には住めないから
いらないものは 置いていくということですね悲しい


[ マロンコクトー ] 2019/3/20(水) 午前 11:36


> マロンコクトーさん

はい。買ったときにはそれなりの人気と価値があったものが、時代とともに、価値を失って来ている身近な例の一つですね。

欧米にはない空き家問題ともども、考えさせられます。


ゴルゴ平蔵 2019/3/20(水) 午前 11:52

> マロンコクトーさん

高額で売れるWestern Electricなら船賃ら輸送費をかけても高成長のアジアで売りさばけますが、人気がさほどなく、高値を付けられないALTEC TANNOY JBLその他ヴィンテージの大型では運賃が出ないようです。

ゴルゴ平蔵



2019/3/20(水) 午後 8:06

日本だけではなく 趣味の未来は富裕層になるのかな
生活も厳しい現実では 趣味に投資できる状態ではないし 今の若者たちが将来年金がもらえなくなる可能性もあり 単に趣味云々と言えるのは 今だけかも

[ マロンコクトー ] 2019/3/20(水) 午後 8:36


> マロンコクトーさん
NHKスペシャルで富の攻防という名作?がありましたね。

まさに富をオーディオと置き換えて構わない状況が日本とアジア各国との対比で感じます。

正直Western Electric機器の行方を見るだけで、現在の富の攻防がわかるくらい正直に現れています。

ウエスタンサウンドインクが閉鎖も当然に見えます。
ここはネットらも含めて商いがなくて、日本人をもっぱら相手としてWestern Electric機器らを売ろうとしてきました。
高度成長からバブルがピークで今は日本人相手にWestern Electricのような高額ヴィンテージは売れないようです。

ゴルゴ平蔵 2019/3/20(水) 午後 8:43



> マロンコクトーさん
オーディオも完全に価格破壊が進んでいるように見えます。

たとえば超最先端のハイレゾファイルは9,600円のこんなDACとPCがあれば再生できてしまいます。
Dilvpoetry TOPPING D10 USB DAC ライン光同軸出力 XMOS(XU208) ES9018K2M OPA2134

アンプは4,000円くらいの中国デジアン、スピーカーも2本3万くらいのDALIら欧州スピーカーが手に入ります。

5万で最新オーディオが完成してしまいます!


ゴルゴ平蔵 2019/3/20(水) 午後 8:50

https://blogs.yahoo.co.jp/tiromie/41255271.html

16. 中川隆[-8930] koaQ7Jey 2019年8月04日 21:25:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3800] 報告

ウェスタン・エレクトリックのアンプ仕様
A collection of amplifier specifications from the Western Electric Library.
Documents are available in PDF format.
https://www.westernelectric.com/archived-amplifier-specs.html


Western Electric 86 パワーアンプ 仕様
https://www.westernelectric.com/static/library/specifications/amplifiers/86.pdf

Western Electric 91 パワーアンプ 仕様
https://www.westernelectric.com/static/library/specifications/amplifiers/91.pdf

17. 中川隆[-8931] koaQ7Jey 2019年8月05日 06:29:35 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3800] 報告

あまりにも,有名なウエスタン・エレクトリック(WE)のアンプを取り上げるに当たり,ごく簡単に WE の歴史を時系列的にたどってみます.


1869年 グレイ・アンド・バートン電気製造店として創立.
場所 クリーブランド.
創立者.エリシャ・グレイとエノス・N・バートン.
製品:ロールピアノ,タイプライター,白熱電灯など
ウェスターン・ユニオンの傘下に入り,電信装置,電話装置を製造.

1879年 電話交換機の発明製造.
1880年 米国最大の電話機製造会社となる(社長エノス・N・バートン).
1881年 ベル電話会社に買収され傘下に入る.
1982年 ベル電話会社の特許を使用し,ベル・システムの機器供給会社となる.
1907年 WE社とATTの両研究部門を統合し,研究部門を創立(ベル研究所の前身).
1920年 ラジオ実験局の設置と運営.
1922年 送信出力500Wの送信機を製造(WEBY局).
1923年 本格的ラジオ専用スタジオの設置.

1925年 ベル研究所発足(WEとATTの共同出資).
トーキーシステムの発明.

1926年 子会社エレクトリカル・リサーチ・プロダクトを設立
(ERPI,映画専門社).

1927年 世界最初のトーキー映画 劇場上映.
1933年 トーキーシステム用 3極出力管 WE300A を開発,製造.
1934年 WEIO86 トーキーシステム発表(86Aアンプ使用)

1935年 ERPIを売却,トーキー映画事業から撤退.
音響システムの開発,製造はその後も続き,供給,保守は続けられる.

1936年 WE500トーキーシステムを発表(91Aアンプ使用).
1938年 WE300Bを開発.

1940年 WE350Bを開発.
第2次世界大戦が勃発し最高軍事機密であるレーダー製造契約に調印,製造を開始.
戦争終決までに,空,陸,海用に約70種, 57000台を製造.

http://www43.tok2.com/home/temasumo/article/-2000/MJ0012_(13)excellent-machine(54)WE-142A-amp_WatanabeN.pdf

18. 中川隆[-8856] koaQ7Jey 2019年8月12日 09:28:00 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3878] 報告
サウンドパーツ WE300B シングルエンド/ステレオ構成のアンプを作る
http://www.soundparts.server-shared.com/make300bse.html

WE300Bシングルアンプ回路設計と製作@
 
 最近の専門誌の製作記事の多くには失望させられることが増えました。

著作者の権威とは、多くの経験と見識に満ち、「その道でメシを食っていない」高度なアマチュアであって、専門誌はその作品の披瀝で読者の興味を惹くものです。

現実はどうでしょう? 

専門誌の編集者がタレント的に作った「馴れ合い」の数人の、実に経験の浅い方の試作会の様相を呈し、編集側の要望もただ安く作れ…だけに固執しているそうです。

それでは著作者の権威も何もありません。内容の格調を感じさせる記事は極端に減り、当然読者は減る一方です。

その中でも長年に亘り見識ある記事を書いておられる少数派の方とはご面識もあるのですが。

全国の真空管自作ファンが僅か10名ほどの著作者の記事だけを信じてアンプを自作したり、キット製作でお茶を濁している現実がある一方、「どげんかせんといかん」と各地に真空管ファンの集いが出来ているのは大変好ましく、それらの集いを良識と品位のあるリーダーが牽引されているのは実に喜ばしいことです。

決して一部の「親分肌」の方たちに席巻されたり、時に招かれる特定著作者の方に偏らず、逆に著作者の方に強い刺激とアマチュアの見識の高さを見せつけて欲しいと願います。

 一方真空管アンプキットは『音楽再生』は形だけのプラモデル的製品ばかり、他方ではワカル者からみれば法外な価格のアンプも売られてギョーカイは品位を失っています。

浅薄さはオーディオ界を貶めるもので、ファンは法外な価格=高級品とのイメージ先行から脱却してほしいと思います。高価なものにはウソも無い――と云うのも現実です。

 そこでかなり前に連載し、ちょっとした理由からその連載を勝手に消してお叱りを受けた300B/SE(シングルエンド)アンプの製作について、新たな見方から我流に解説します。

この連載の発端は或るお客様(S氏…とします)がお知り合いから譲渡されたキットを改造したいとのご希望からで、その改造範囲で当方が提案した回路が根幹となります。

そのキットの音質に関して真空管アンプには全く無縁だったS氏が「この音何とかならないか…」と頂いたのがキッカケではありますが、当方はメーカーで普段はご相談に応じることは控えていますので念のため。

連載は途中に寄り道し「余談」も入る上、いつ<充電>のため休むか、いつ終えるのかは判りません。

 正直私は『また300B/SEか…』と思っている人間です。満7年時にウエスタンの91型のコピーを2年に亘って120台ほど製作・販売、同年に限定10セット+試作1セットの300Bパラプッシュアンプも製作し、このパラプッシュは阪神淡路大震災で壊れた1組を除けば全部健在です。シングルとパラプッシュを合計しただけでも球数300本近くなりますが、『Live U』というMONOプッシュを長く販売してきた実績もあるので、300Bアンプの製作数を球の本数に換算すれば1000球に相当するアンプを作ったことになります。。

 <91型>はご本家ウエスタン・エレクトリック社の唯一の300Bシングルエンドのアンプで、電圧配分にも忠実なコピー(オリジナルの初段はヘッドアンプなので省略)に徹底したのが特徴でした。

他に製作した多くのWE300Bを使ったアンプも、今ならこうしたかも…と云う部分がありますが、その後の考察や音楽表現力を求める姿勢の変化なので仕方ありません。

 この20年間以上、専門誌に300B症候群的な記事が常時溢れていて食傷気味なのは私だけではないでしょう。それゆえ『300Bだけが真空管じゃあるまいし』と反駁する思いもあるのです。

専門誌がイタズラに作ってしまったその風潮は、先日ヤフオクで落札された<WE300Aペア>の金額にも表れています。何と2本で801000円!! 気ちがい沙汰(放送禁止用語?)です。

…余談ながら私が習った先輩からは「3極管にペアと云う考えは無い」と云っていました。EP/IP曲線が異なればそれは別のタマ、僅かなバイアス電圧の変動に大きく電流値が変る多極管にはペアが必用でも、バイアス値よりも使用電圧の設定に大きく影響される3極管は、同じ動作ポイントなら特性が揃っていて当然だから…ペアになってしまうのです。

2本が80万円もする300Aの値打ちを云々する立場にはありませんが、ソコまで価値を付けた球なら出力トランスには最低でも@20万円のもの(そんな金額の、正当なOPTなど存在しない?)を使われるのでしょうし、それ相応のオーディオシステムとアンプ製作の腕をお持ちなのでしょう。私なら製作は幾ら大枚を頂戴してもお断り…作ったアンプに80万円相当の球を差し込んで2年以内に壊れようものなら製作者が疑われ、恐らく2本分80万円の損害保証をさせられるでしょう。おおコワ、さわらぬ神に祟りなし。

 例えがワルくて恐縮ながら、300Bばかりを礼賛するのはMモンローが嫌いで吉永小百合が好き…と云っているような気もし、食わず嫌いの妙な憧れを300Bに抱き過ぎるのも滑稽です。

良い多極管にシッカリ予算を投入して作ればとても豊穣な音のアンプも出来ますし、それなりに物量を投入して「コレぞ300Bの音」と信じていても実際にはドライバー回路の音を大きく反映しているからです。それほどドライバー球の選択と使用法も失敗しないための大切な要素です。

 でもこれほど300Bと騒ぐワケ…それを冷静に分析すればなるほどシングルアンプなら作る意欲も湧くか…と思い当ります。WE300Bは高価ですが2本なら何とかなりそうです。球が高いのですから真剣にアンプを作ろう…と云う気にもさせて…それなりに音の良さそうなOPTや部品を選びます。比較的簡単に8W以上の出力が出ますから家庭では必要かつ十分です。

そこで私も考えを改め、折角なら本当に300Bが持てる実力を出来る限り出してくれそうなシングルエンドのアンプを作ってやろう…と云うのが今回の目的です。

 恐らくWE300Bの多くはタンスに大切にしまわれたままになっているでしょう。
サウンドパーツのお客様にも過去25年以上の保有者だけでも数えきれないほど居られ、それ以降今に至るまで25歳トシをとられてもまだ1000本以上がタンスに眠っていると予想します。

中には300Aの保有者も居られるので、いっそそれをヤフオクに出して80万円也で手放し(ヤナギの下にどじょうは2匹居なくて、その後高価な出品額の300Aは総スカンのようですが)、欧州旅行にでも行ってホンモノのクラシックを聴いて来られる方がパートナーのため…と提案したいほどです。

 さて、からかうのもホドホドにして本題に入りましょう。

 300Bはプレート損失(プレート電圧×プレート電流の最大定格)40Wのタマで、WEご本家の91型が実質プレート電圧350V×プレート電流80mA=28Wという設定は70%の超余裕設計です。

この本家本元の使い方以上の酷使(LUX/MB300などは酷使しています)さえしなければ恐らく30年は軽くモチます。そのLUXでも頂部が大きく黒ずんでもまだ平気です。
つまり過去にWE球でヘタった例を知らないものですから、70%の使用法なら創業30年の経験から30年以上でも大丈夫…と証明できます。

従って「大切なタマだから…」と91型用法を下回る「余裕を持った設計…」と云う考えはあまり意味を持ちません。60%の用法でも前述の70%の用法と事実上寿命は変わらないと思われ、逆に「もっと良い音があるのでは?」と欲求不満がつのるだけです。

300Bの本当に良い音を聴きたければ本家本元「お墨付き」の用法を採用した方が実力を知ることになります。

従って今回の連載はこれを基本に設計するのが大前提です。もし31年目に壊れても、それまでホンモノの音を聴いて来たのならが納得…というものです。

 さて下図は最近の専門誌に掲載されたキットの回路です。

http://www.soundparts.server-shared.com/make300bse.html

   
 
 記事の解説を読んで総轄すれば「魅力ある音」で、2〜3Wを超えた辺りで歪率1%を超え、6Wで5%〜8Wなら10%…というもの、5%も歪むと誰でも実際には聴き苦しくなります。

著者はこの解説記事を引き受けて本当は困ったろう…と想像します。2〜3Wで1%を超え…というトコロで既に著者の苦しい思いが伝わります。キット価格は中国球付き21万円だそうです。

この回路は間違ってはいませんが、明らかにスイング不足です。逆説的に言えば大きく歪率を改善できる余地があります。

今回は他社製品の批判が目的ではありませんがなぜスイング不足か? なぜ小出力で歪むのか…次回からの解説でお判りになるでしょう。


 WE300B・SEの設計と製作A

 300B/SEアンプを作る前に、アンプの正しい設計のための大原則の幾つかについて、最近は述べられることがありませんので解説します。

<入力電圧とパワーの関係>

 300B/SEなら高域の歪がわずかに耳障りとなるギリギリが8Wほどです。このポイントで歪率3%を少し切る程度でしょう。

 一般にアンプの入力電圧はオーディオの世界では<0dB=0.775V/RMS 1kHz>の時にフルパワーに達することと決められています。

入力信号が実効値0.775V≒ピーク1Vの時に最大パワーに達するようにパワーアンプは設計しなさい…と云う大原則です。

そうでないとプリから何Vもの大きな出力を入れないとパワーが出ないアンプや、僅かにボリュームを上げただけでスピーカーを破るほどのパワーが入る…など作り手任せの勝手な基準になるからです。

元々0dBでの「信号伝送」と云う取り決めが『大原則』で、ムカシはチューナーとか録音機の出力も0dB/0.775Vで「送り/受ける」と決められていたのに、SONYとPhilipsから出たCDプレヤーから2V以上の基準ができ滅茶苦茶になってしまったのです。…マランツ7・マッキン22プリのフォノ・イコライザーからCDに切り替えると、大きくボリュームを絞る…と云う状況はこの時から起きました。

「RMS=実効値」と云うのは、直流は一定電圧で山と谷が無いのと同じように交流の山の部分で谷間を埋めた値を示す値です。

交流波形のピーク部分を表すのが「ピーク値」、エネルギー値=RMS/実効値はピーク値を√2で割った数値ですから電圧では約0.71倍です。

もっと判り易い例では、家庭に来ている電圧が100V…と云うのはRMS/実効値=仕事量のことでピーク値は波形の山ですから141V来ています。

音楽信号はピーク値で云うときも実効値で云うときも有るので使い分けます。xxV/ピーク…とか○○V/RMSの出力…などと表現します。

パワーは電圧の二乗ですからピークパワーはRMSの2倍、『ミュージックパワー』ばピークパワーのことで、アンプの出力は仕事量としてのRMS表示が原則です。スピーカーに入る信号はRMSの2倍のピークパワーに注意しなければなりません。

 300B/SEも大原則の0dB入力時にRMS/8W超に達するものとして設計します。無論もっと大きな電圧を入れれば歪みながらも出力は増え、半導体アンプとは異なって急激に大きく歪むことはありません。

しかし仮に半導体のアンプで最大400W…と記してあれば、それも入力0dBの時に達するワットですから、そのアンプが8Wの時には0.775Vのたった2%(400W×2%=8W)時と言うことになります。現実に同じオーディオ装置でその2台を使い分けることは無いでしょうが、使う時には大出力アンプは高感度過ぎて使いにくいコトから半導体大パワーのアンプの多くには「入力用固定アッテネーター」をつけて万が一に備えると共に使い易くしています。

ボリューム以外に<−20dB>などのレバースイッチが付いているのがその例です。−20dB=10%のことで、つまり大パワーアンプは入力でいきなり感度を落さないと家庭で使うには不便であることが判ります。このスイッチをONしておけば過大入力は不可能なので0dBが入っても40W以上にはならない理屈です。でも折角のプリの信号をいつも抵抗で10%に落とすなんて愚の骨頂とも言えます。

逆説的に云えば、このスイッチを入れっ放しで使うなら、家庭で400Wのアンプを使う必用性など無い…と云えます。パワーは音質とは無関係ですから「力がある」…など専門店や専門誌に踊らされているだけです。

 でも300B/SEのアンプも入力信号0dBに達しないと最大パワーにならない…と云うのでは、ソコソコ能率の良いスピーカーを使っていても、20W以上のパワーのアンプと同居する時には感度が低い印象を与えるので不利です。そこで今少し入力感度を良くして、0.3〜0.5VRMS…つまりピークで0.5V前後の入力で最大パワー8Wに達するように作っておくのが一般的です。

<利得の考え方>

 では300Bから比較的歪の少ない8Wを取り出すにはどのように設計するのでしょうか?

出力管は一定のスイング電圧を要求します。スイング電圧はドライブ電圧と同じで、大きな信号をプレートから取り出すために指定のドライブ電圧をグリッドに入れてやります。

これはその球のバイアス電圧と一致します。つまりバイアス電圧とはスイング電圧のための入り口の高さのようなもの、固定バイアス(Fixt Bias)の時にはグリッドにはマイナス電圧を、自己バイアス(Self Bias)ならカソードにプラス電圧を作ります。

指定のバイアス電圧をスイング=ドライブするためにはバイアス電圧以上の大きな信号電圧を増幅段で稼がないと300Bは最大電圧を少ない歪率で出せません。

 ここで300Bのデータをご覧ください。マキシマムで使うのはコワいし200〜300Vのデータで作るのは2A3みたいで勿体無い…表は単なるデータですからメニューは自分で決めねばなりません。

       
 
 この表で<プレート電圧>はバイアス電圧を差し引いた実効値値のこと、パワーは球のプレートに於ける値、セカンド(二次)〜サード(三次)高調波はdB値が大きいほど歪が少ないことを表します。

この表でWE91型で採用されているものが今回の設計値です。

 <プレート350V・バイアス-71V・負荷抵抗(OPT)2.2kΩ>

…で、示された歪率の時に球出力9.6Wであることが判ります。つまり71Vドライブしたら得られる値です。 負荷抵抗が小さく…8Ω出力へのステップダウン比も小さい…つまりOPTによる音作りを避けることができて良い音質が期待できます。

従ってアース電位0Vに対し71V+350V≒420Vをプレートに掛けないと歪の少ない8Wは得られません。

 一方先に述べた原則論では、バイアス電圧71Vはアンプの入力信号が0dBの時に300Bのグリッドに送り込めるピーク電圧とする必用があります。前に述べたとおりもう少し感度を良くしてピーク電圧0.5Vで設計する方針ですから入力から300Bまでの利得を130〜150倍にし、しかも70V以上の歪の少ない信号を300Bに入れないとダメ…と云うことになります。

 以上で設計の要素が決まりました。

70V以上もの大きなスイング電圧の要求が300Bの持つ宿命です。深いバイアス電圧を持つ球ほど増幅段の設計は音を決定づける大きな要素になります。

91型は元々が光学録音再生用のプリ段を持ったアンプです。利得の大きなWE310A×2段でプリ部とドライブ回路を持つ構成、現代アンプでは91型の初段の310Aは不要です。

知っておく必要があるのは、多極管ドライブの最大の欠点は13kHzくらいから急速に高域の落ちる特性です。

WEはNFBで上手く特性を取っているものの、オーディオアンプでは310Aの1段ドライブですからそれは感度落ちなどムリが生じます。

折角皆さんお好きな「直熱三極出力管」の良い特性を生かすにはドライバーに多極管は用いたくない…と云うのがホンネです。周波数特性の良い『オール三極管構成』で作るところに醍醐味があるのです。

 ここで前回示したキットの回路をご覧ください。増幅段は6SN7で2ユニット入りの球ですが、1ユニットの利得は理想でも20倍ほど、仮に2ユニット並列でも内部抵抗が半分になるだけで利得が大きく増えるわけではありません。

回路図の6SN7 と300Bとは直結なので、300Bのカソード電圧182Vから6SN7のプレート電圧110Vを差し引いたバイアス電圧は72V、これは確かに91型のセオリー通りなのですが、感度から見ればスイング電圧の不足は明らかです。

 WE300B/SEの設計と製作B

<初段管を決める>

 初段を何にするか…選択肢が多過ぎて困ります。

音の良い球にしたいのは誰しも同じ思いですが、2段目以降を考えると利得はそれほど必用ありません。

設計条件は0.5V入力程度でフルパワーを目指すのですから、スイング電圧75V程度として150倍あれば良く、初段の「稼ぎ過ぎ」は逆に困るのです。
したがって初段はせいぜい15〜20倍とし、2段目は10倍〜15倍程度に選ぶのが妥当です。

 真空管の係数にひとつに<μ/増幅率>があります。この数値がそのまま真空管の増幅度…ではありません。<μ>次の計算に用いる係数に過ぎないのです。

  真の増幅度=μ×{RL÷(Rp+RL} RLとは負荷抵抗 Rpとは真空管の内部抵抗)

 フツーの回路で大まかに云えば真の増幅度はμの50〜70%くらいと考えてよく、代表的な球はB電圧を250V程度としたときに次の目安となります。

末尾の数字はこの球がどれほどの出力電圧が取れるか…を表す目安です。

元々このデータはRCA発表の「CR結合データ」つまりプレート抵抗と次段のグリッド抵抗(正しくはグリッドリーク抵抗)とを直流カットのため「カップリング=結合コンデンサー」で結んだ時のもの、ラジオ技術社<オーディオ用真空管マニュアル>にも掲載され、著作者の多くが参考にして回路設計をするバイブルのような存在…からの抜粋です。

  12AX7 μ100   53〜70倍  ピーク最大電圧25〜37V
  12AU7 μ17〜20 13〜14           18〜33V
  12AT7 μ60    35〜40          35〜40V
   6SN7  μ20    15〜16          38〜53V
   6SL7  μ70    37〜50          38〜54V


 倍率はカソードにバイパスコンデンサーを付けた時(=電流帰還を掛けない)の値で、全て双3極管ですが1ユニットのデータです。

このデータだけだと出力最大電圧は12AX7や6SL7が多く取れて具合が良いように見えますが、このように大きい電圧を得るために大きな値のプレート抵抗を必要としている背景があり、余り現実的な数値ではないことを理解しておく必要があります。つまりプレート抵抗を大きく取ると次段のグリッドはそれ以上の大きな値を選択しなければならないので何かと具合が悪いのです。

 もっと大きな出力電圧を得るには電源電圧250Vを上げます。300B/SEの場合、2A3の電源電圧300Vに比べれば楽に400V以上の電源電圧が得られますからそれは容易です。

この数字が重要な意味を持っていることにも気付かされます。それはキットによくある初段と2段目との直結です。直結にすると2段目の各部電圧から初段のプレート電圧を差し引く動作になります。

真空管は1本1本の動作規定があっても実際には良くも悪しくも大変ラフであり、また経年変化で電流が落ちてくるときもあります。初段と2段目とに限らず「直結」はアンプが完成したときだけ設計通りに動作しますが、経年で変化したり球を交換すれば異なる動作になる場合もあるので定期的にチェックを要し、安心して長期に使えるものではありません。

「直結」でたった1個のコンデンサーを省略できても、たとえばスピーカーが2ウェイ以上のシステムなら中高域のユニットには当然低域カット用のコンデンサーが在る…などの矛盾もあるワケです。アンプ内のコンデンサーには製作者しだいで遥かに良品が使えます。直結で2段目以降の電源供給電圧が制約されて思うようなドライブ電圧が得られず、それを避けて大きな電源電圧を求めれば市販の電解コンデンサーの耐圧を超える余計な対策や特殊部品が必要になるなど、難しいことが増えます。

 このデータに話を戻しましょう

初段の球は、バイアス電圧(=カソード電圧)が低い2段目の球のドライブのため15〜20Vの信号電圧を送り込めば良いのですから上記候補球はこの点は全てOKです。
でも2段目の利得も考えると初段に大きな利得は必用がありません。従って候補は12AU7と6SN7となります。

6SN7は6J5が2ユニット入ったタマ。大まかにはWE262B/347とも6CG7/6FQ7/12BH7とも類似、5692は高信頼球です。実際には12AU7とは定数がチョット異なるだけの類似球、ここではキットなどに多く採用され入手も比較的容易で一般的な6SN7を使うことにします。

 余談ですが、ルックスからMT管を嫌ってGT管を選ぶ方は著作者の方にも多いのですが、真空管の発達の歴史から見ればそれは偏見です。

確かにGT管は外観は堂々としていて好ましいのですが、プレート面積はMT管と同等で意外と小さく電極の支え方もプアです。シールドしにくいので外来ノイズを拾うこともあり、MT管のように電極を支えるピンがそのまま端子となっているのと違ってガラス管内からリード線を引き出して端子尖端でハンダしているので、ハンダ不良がノイズや接触不良の原因となることも多く体験しています。

振動がノイズの原因となる「マイクロフォニック」はほとんどの場合カソードの振動で、上下のマイカの支持方法でも明らかにGT管の構造は不利です。このことはパワーアンプ初段もプリアンプでも重要です。

またGT管やST管は余りに種類が少なく選択肢が限定されます。
 
 ここでWEが発表している262A(262Bもほとんど同じです)の、含蓄の多いデータをご覧ください。このデータは原則論そのもので、理解すると今の専門誌に掲載される多くの回路が何か大切ものを忘れている気がします。

 Amplification Factorは利得倍率、Plate Resistanceは262の内部抵抗でプレート電流が小さいと当然ながら内部抵抗は大きいことにも注目、Load ResistanceはRLつまりプレート負荷抵抗のことです。

出力はミリワット表示ですが大きければ出力電圧も高く取れます。セカンド/サード・ハーモニクスは2次高調波/3次高調波歪のことで、値が大きいほど歪が小さいことを表します。

初段はなるべく歪の少ない設計が求められます。データは6SN7とも類似する部分が多いので動作の傾向がつかめます。

 初段の音は2段目・3段目でどんどん増幅されるのですから、B供給電圧が大きく取れても、意味なくプレート電圧を高くする必要はありません。

今回の設計では入力信号0.5V前後から15〜6倍してくれれば良い…と云うことはプレートで歪の少ない信号電圧が10Vも出てくれれば十分なので下記データのプレート電圧112.5Vと云う部分に注目します。

球にもよりますが、初段がプレート電圧100Vを割ると音が少し暗く重くなり…つまり高域の延びを感じなくなります。また140Vを超えると低域が薄くなる傾向があります。

専門誌の著作記事が面白くないのはこの辺りの著述をもっと著作者の思いを入れて述べないからで、それは著作者の方に聞くと編集でかなり文面をカットされてしまうようですから、面白さを欠いている犯人は編修者かもしれません。

 下表で112.5V〜135Vと云う設定が在るのは初段として見る限り「わが意を得たり」、このデータを見るたびに音とプレート電圧に関係を「WEさんはよく判ってらっしゃる」と感じてしまうのです。


http://www.soundparts.server-shared.com/make300bse.html 
    
 
 ここで初段のカソード電圧の設定について、私の経験をお話しします。
それはバイアス電圧が大き過ぎると何となく音に躍動感が無くなる…と云う傾向で、飽く迄個人の感覚です。

そこで初段はバイアスを適当に小さく取ることも大切な気がします。アンプとしては理論上ミニマム1Vあれば良いのです。

カソード電圧=スイング電圧ですから、予想される入力信号電圧(この場合は1V未満)に対して大きなバイアス電圧を設定すると…水深の深いのに僅かに起きた波を増幅させる…からだと思っています。

もしバイアス電圧を許せる限り低めに取ると、アンプが最大出力に達する時に入力信号もバイアスに対しても十分に大きくスイングするのでイキイキするような気がするのです。

このことはプリのラインアウトに使うタマにも共通します。ただ、余りにギリギリでは歪率に影響しますから「程度問題」です。

 そこで上表の112.5Vを採用した場合にも−3.0V/2.8mAのデータに注目します。倍率15.5倍・内部抵抗15kΩです。

この「内部抵抗」と云う数値は、私のように専門教育を受けていない人間には計算方法が判りませんからタマのメーカー発表値に従うしかありません。

「内部抵抗値」を知るために考えられる方法は単段で動作回路を組み、プレートの出力を結合コンデンサー経由で1MΩ以上の大きな抵抗で受けて適当な信号入力と出力電圧を測っておき、次にその抵抗を可変抵抗に替えて、先に測定したのと同じ条件で信号電圧が先の結果の丁度半分になるような抵抗値が「内部抵抗」に近いと考えます。出力を受ける抵抗を十分大きくして開放に近い動作から、抵抗値を下げてピッタリ半分の電圧にになった時、内部抵抗と負荷抵抗が並列になっていると予想できるからです。

 実際には真空管の回路を考えるときにイチイチそのような係数を実験から見出すのは大変厄介で意味もなく、回路設計は多くのデータから常識的にやれば良いのです。

そこで私は球を単純に抵抗と考える<プレート電圧÷プレート電流>を回路設計上の球の≪内部抵抗≫と考えて回路設計しています。

するとこのWEデータに於いては、発表の15kΩに対して私の計算値は112.5V÷0.0029A=38.8kΩにもなって、メーカー発表「内部抵抗」の2倍以上になるのですが、RLは大きいほど歪が減る…とデータは云っているのですから問題はありません。。

同じ表で、例えば最も電流値の多い使い方をしたいなら、マキシマム・データの112.5V÷0.004A=28kΩと云うふうに回路計算するのです。WEデータでは13.4kΩですがこの我流計算値を使う方が問題がないことを経験から見出しています。実際にRL=rpつまりメーカー発表値の内部抵抗と同じ抵抗値のプレート抵抗にすると、とても歪っぽい印象で聴けたものではありません。

 ちょっとハナシが反れますが、例外としてはマッキン275の12BH7のプレート抵抗が400V近いプレート電圧時にたったの12kΩと云う例があります。これはプッシュで打消し効果を狙った上にNFBを考てのこと、プレート電圧を極端に高く設定することで出力管に必要な大きなドライブ電圧を送り込み、出力管自体は異例なほど大きなカソードNFBを掛けて利得はほとんど無い「電力変換」のみとさせるだけで、前段の12BH7で大出力時に要求される大きなスイング電圧を得てしまおうとする使い方です。凄いコトを考えた設計ですが、プッシュに大量NFBとう回路設計だから可能なもので300B/SEではとても採用できない手法です。

 また私はトランス結合とかプリOPT出力の計算の時は<プレート電圧÷プレート電流×0.6>をトランスの一次インピーダンスのミニマムの値としています。このことは300Bなど3極管とOPTの負荷インピーダンスの計算時に述べる予定ですが、あの「負荷曲線」から最適負荷を求める面倒さを避ける、いわば『簡易計算法』が<実質プレート内部抵抗の0.6倍>となることに気付いたのです。

このことは多くの製作経験と試行錯誤から得た、トラ結での優れたデータを得るに必要な要素です。

 初段の設計方針の結論として負荷抵抗RLの計算は、メーカー発表の「内部抵抗」は参考と割り切り、球を単純抵抗とした<プレート電圧÷プレート電流>を使うのが回路設計も容易で歪率が少ないと云う点でも優れていますから、今後この値で計算を進めることにします。

http://www.soundparts.server-shared.com/make300bse.html


 さて上表の右半分はプレート抵抗の選び方で、<R=rp>とは負荷抵抗=プレート抵抗を内部抵抗と同じにした時のものです。

前述の通り「内部抵抗」は球を抵抗とみた数値…つまり単純にプレート抵抗での電圧降下も1rpにつき112.5V…と云うことになりますから、供給B電圧は単純にプレート電圧の2倍の225Vにしなさい…と云うことになります。表では単純に<R=2rp>とか<R=5rp>を「提案?」していますが、これはプレート電圧を112.5Vに固定した時の値なので、1rp増えるごとにB電圧を112.5Vづつ上げろ…という意味なので簡単に実現できません。<R=5rp>と云うとB電圧は112.5V×5倍+元のプレート電圧=675V…もの高圧を求めていて、それは理想でも「理論」に過ぎません。歪率改善のためには得られるだけ大きなB電圧を得て、できるだけ大きなプレート抵抗を使うのが良い…と云うことを示唆するデータを提示したよ…とWEのデータは云いたいワケです。

 ただここで重要なコトも学びます。それはWEさんの主張するデータによれば、プレート負荷抵抗RLが内部抵抗rpを下回ることはアタマっから想定外でデータの発表すら無いと云うことです。

このコトを言い換えれば、もしB電圧の2分の1(R=rp)を超えるプレート電圧を設定すると、<RLプレート抵抗>が<rp内部抵抗>よりも小さいことになる…のですから、歪増加と云う点からも避けるべきなのです。

もしお手元に最近の専門誌の真空管アンプ回路図があれば、著作者がどのようなB電圧とプレート電圧の関係にしているか…興味をもって見てください。案外「設計真意不明」が多くあります。

折角のB電圧を習慣的に前段用<π型フィルター>として抵抗とコンデンサーで構成する「デカップリング」回路でドロップさせ、結果としてプレート抵抗を小さい値にしたり、供給B電圧の2分の1を遥かに上回るプレート電圧を設定している例が実に多いのです。

 WE300B/SEの設計と製作C

 <2段目=ドライバー管の動作を決める>

 やや唐突ですが、ここで2段目の通称「ドライバー段」の設計に移ります。

初段管と出力管の設計はそう難しいものではありません。でも2段目は違います。特に大きなスイング電圧を要求する300Bでは色んな条件があります。

300Bはμ=3.85倍…つまり単純に前段までの音を3倍以上も増幅するのですから、300A×2本に大枚80万円をはたいても「前の音」を3倍も増幅して聴かせている音…とも云えるのです。

つまりシングルエンドのアンプだから…と云っても出力管1本で音が決まるハズも無く、同じようにOPT(出力トランス)とか整流管・限られた部品・ハンダの種類だけで決まるのでもありません。

そこが自作の愉しみ…と云うワケですが、ネットに溢れる不真面目で無責任な議論は全てを針小棒大の如く述べ、今ハヤりの表現をすれば『上から目線』のあたかも100年も1万本も真空管アンプを聴いて来たかのような記述もあって大嘘だらけ、既成概念に溢れた「頭上のハエ」も一杯いるみたいです。世の中辛口でモノを述べると『上から目線』と叱られそうですからウッカリ言えませんが…。

 さて、2段目までの歪が多ければ歪っぽい音、暗ければ暗く・明るい音なら明るく…正直に出力するのも<直熱三極管>殿の持つ宿命、ドライバー段を妥協したり安直に考えると後悔します。

製作経験ではWE349/3結やEL34/3結、果てはWE421Aによるドライブから誰もが試みるドライバートランスの使用まで、実に多くのパターンのSEアンプを作りました。
どれもがそれなりの特徴を持ちますが、意外に「音」で苦労するのがドライバートランス、特に一次側に電流を流すタイプは何を試みても独特のキャラクターを感じてしまいます。

それがオーナーのお好みかどうか…と云うのが運命の分かれ道です。この記事ではフツーのCR結合回路の解説が目的ですので、トランス結合は後日に回します。
 
 蒸留水のように味も素っ気も無い、スピーカーからはミュージシャンの感情など伝わって来ない平板な音しか出ないアキュフェーズやエクスクルーシブに代表されるな高価な半導体アンプや、LUXあたりのKT88とか50CA10に高過ぎる電圧を掛けた高帰還型で性能だけを謳う低域の薄〜いアンプから、始めてチョイと出来の良いWE300B/SEを聴くとある種のショックがあります。

それがとても音楽的でシングルとしてはパワーも有るので意外とどのスピーカーも上手く鳴らし、声やピアノなどの再生もアキュやエクスの比では無く優れてナマナマしいからです。

そのことを、まるでヒヨコから孵った時に初めて接する人間を親と間違うように、WE300B/SEだけが唯一無二の真空管アンプであるかのように思われて吹聴され、ワル乗りの専門誌で「これでもか〜これでもか」と年間何度も製作記事掲載を繰り返して「良い良い」と過去20年以上も吹き込まれたら、純真無垢なファンは誰もが300Bを真空管アンプの最高峰だと思っても仕方ありません。

でもそのアンプがドライバー段の音も大きく反映しているのは勿論、300Bそのものの「用法」やOPTの性格が加わると実は「300Bシングルアンプ」には一つとして同じ音はありません。

300Bをつかったアンプの全部が良いワケなどあり得な〜〜い…のです。

まして300BのメーカーがWE以外にも多く存在する現在は「寿命3万時間」のWEと同じ性能だと云われても、1日4時間・年間250日聴いて1千時間ですから30年先にウソと判って文句は言えない、どうやら特性もWE発表値とは随分異なるようですから音も違って当然です。本当なら<300B>ではなく<299.5>とか<300.5>の名称にすべきではないか…と思いますが、本家本元が優しい会社なのか異議など誰も云わず、懲りずに益々300B同族が増殖しています。例えば<WE300B>の音に<KR300B>は近くても、<KR300B>にも独自の魅力が有る…と冷静に考えたいと思います。


 ≪閑話休題≫

 300Bをスイングするためにドライバー管に要求されることは

 ・想定する300Bの基本動作であるバイアス電圧71Vに余裕をもってピーク80V程度の信号電圧を送り込む。

 ・利得10〜15倍を得る。


 この2点であり、なるべく歪の少ない方法が望まれます。幸い300Bはコト<WE91型>の回路をみる限り400kΩ近いグリッド抵抗を使っています。これは直熱三極管では異例とも云うべき大きさ、回路設計では大変有り難い優秀なタマです。RCA50がグリッドリーク抵抗に10kΩ以下を指定しているのに比べても突出して「丈夫」、2A3なら最大グリッド抵抗の発表値は500kΩですが、これはマユツバもイイとこで100kΩでもグリッド電流が流れてしまう球がほとんどです。

グリッド電流が流れてグリッド電圧がアース間で+になってもカソードのバイアス値はほとんどそのままですからプレート電流が増えます。放置すると始めの内は自己バイアスなら電流は下げ方向に働こうとはするもののグリッドのプラス化はドンドン進んで、結果としてバイアス電圧はプラス方向に進んで電流が増える悪循環が起き「最大プレート損失=最大定格」を超えてプレートが赤熱⇒暴走…となって球を痛め、最悪の時は壊れます。サウンドパーツが出力管用にグリッドチョークを作る理由がこれです。

 さて初段に6SN7を使ったので2段目には前に述べた候補はあるものの、フツーに2段目も6SN7の1ユニットを使いたいのが当然です。従って2段目も6SN7の1ユニットを使うことにします。

前回のデータで、6SN7は概ね15倍の利得が有ります。

80V近い信号出力を得るには下表のデータを参考にするともっと大きなB電圧を得て、プレート電圧も大きくする必用があります。

 そのデータをご覧ください。やはりRCA発表のCR結合データをラジオ技術「真空管マニュアル」から転載します。


http://www.soundparts.server-shared.com/make300bse.html
 
     
 
 このデータの見方は次の通りで、真空管を語る時には良く出てくる表現でもあるのでシッカリ理解すると設計することが面白くなります。

 Ebb  B供給電圧…つまりプレート抵抗に加える電源側の電圧

 Rp=プレート抵抗(フツーはRLと云います)。この場合はMΩ…0.047=47kΩなど3例を示す Rg=次段のグリッド抵抗値 Rk=カソード抵抗 Ib=プレート電流 

 Ec=グリッド電圧/RMS⇒この値はRk/Ω×Ib/mA÷1000(電流の単位をミリアンペアからアンペアにする)…でも求められます。 

 Eb=プレート電圧⇒プレート電圧は、例えば表の左端の例を取ると Ebb/B電圧100V-47k×Ib/1.05mA=Eb/50.6V…としても求められます。

 Esig=入力信号電圧/RMS

 Eout=入力信号が上記の場合の例の際、プレートから得られる信号電圧/RMS A=利得倍率=Eout÷Esig KF=歪率

  
  表の段落の最下部分の記載は使用例の最大値を示しています。Esig/Maxの際のEout/Max⇒その際の利得倍率と最大例を許容している歪率を示します。

  つまり、表の左端の例では0.95V/RMSが信号に入った時にはプレートに12.5V/RMSの信号が発生し、その時は13.1倍の利得が有り、その数値は歪率3.9%の際のものである…と云うことです。

  音楽信号はピーク値ですから、この√2倍となります。

  100Vと250Vの電源部の各3例の、プレート抵抗と次段のグリッドリーク抵抗との関係や、その利得倍率などに特に注意してよ〜くデータを見ると、プレ ート電圧と信号出力電圧の関係が判ってき  ます。このコトに深い洞察力を持てば自ずから真空管の本来持つ動作と、ひいては回路設計に大きな興味が生じるのです。

 
 この表から2段目の6SN7の動作を探ります。

電源電圧100Vの動作例は無視して250Vの例で、最も大きなスイング電圧を得られる動作は表の最下項に記された<Eout>から、プレート電圧47kΩの52.5Vと100kΩの53Vで事実上同じです。

 300Bをスイングするとして、その動作例を表から抜き出しますと

 ・プレート抵抗47kΩ  300Bのグリッド抵抗270kΩ カソード抵抗2.2kΩ プレート電流2.4mA バイアス5.28V(カソード2200Ω×2.4mAで計算できる)プレート電圧137V

 ・プレート抵抗100kΩ  300Bのグリッド抵抗470kΩ カソード抵抗3.9kΩ プレート電流1.31mA バイアス5.11V プレート電圧119V

設計するアンプは大切なWE300Bを使うのですから、当然当店のグリッドチョーク<GCH-60>の使用が前提です。

<GCH-60>の定格は

 抵抗値9kΩ、インピーダンス250kΩ@30Hz/2.2MΩ@1kHzで、30Hz時の最大許容入力60V/RMSつまりピーク84Vで、1kHz時にはピーク100V以上でも問題の無いコトを確認しています。

従ってプレート抵抗100kΩ時に要求される300Bのグリッドリーク抵抗に470kΩのデータはグリッドチョークにもそのまま適用できますが、実際にはもっと安全圏のプレート抵抗47kΩのデータの方が好ましいと考えます。

 一方プレート電圧と<Eout>の関係を見ると、次の球のグリッド抵抗が『十分に大きな値』ならプレート電圧137Vの約38%の交流出力電圧が実効値=RMSで得られることも判ります。

表の他のデータから予想しても6SN7のように内部抵抗がある程度低い球なら、プレート電圧の35%〜40%の実効値出力が得られそうです。逆に云えば次段のバイアス電圧の2.5倍〜3倍のプレート電圧が確保できれば求めるドライブ電圧が得られそうです。このプレート電圧と次段のドライブ電圧との「比例関係」に気付くことはアンプ設計の過程で記憶すべき発見です。

このページの下の方にある連載冒頭のキットの回路図を思い出して下さい。6SN7の2ユニット並列でもプレート電圧は110Vと云う設定で本当に300Bがドライブ出来るのでしょうか?

 実際にはピーク電圧で80Vが欲しいのですから80V÷√2≒57Vつまり60Vほどの実効電圧を得れば300Bがスイングできる…と予想しても差し支え無いでしょう。60Vの実効信号電圧を得るにはプレート電圧はこの約3倍の170〜180Vを得られれば十分余裕ある設計になりそうです。
 
 ここで思い出して頂かねばならないのは、WE262Aの動作例で述べた歪の少ない設計手法⇒⇒

・プレート電圧の最低2倍はB供給電圧が欲しい。

・出来れば球の内部抵抗の1倍以上のプレート抵抗にしたい。

 …と云う条件です。では6SN7の1ユニットの動作を表すEp/Ip曲線を見ましょう。
        
表の軸縦がプレート電流mA、横軸がプレート電圧でグラフ内の数値はバイアス電圧です。

単純に横軸180Vのラインを見ると、電流は2.5mA程度から上の方が線が立っていて良さそうです。仮に2.5mAとの交差点を見るとバイアスは−7.5V程度、5mAなら−6Vほどです。

しかしココで重要な計算をする必要があります。それは6SN7の「プレート損失」のチェックです。
        

 この表は抜粋なので判りにくいのですが、データの3行目の5.0(※7.5)の数字の単位がプレート最大損失=最大定格/Wを表します。

しかしこのデータは詳細に調べると<6SN7GTB>に代表される高規格球のもので、末尾に何も付かない<6SN7>は半分の2.5Wmaxですから要注意です。

 しかもカッコ内に内部ユニットを2ユニットとも使うなら2ユニットの合計で7.5W以下でのオペレーションにしなさい…との規定もあります。

ここでは初段の使い方を低めに設定するので2段目には同じ球の第2ユニットを使うとして、最大4Wを上限としましょう。

つまり180Vのプレート電圧を必用とする一方で、電流との積は4Wを下回らないとヤバいのですから4W÷180V=22mA以下(フツーの6SN7なら13mA以下)、それでも十分余裕はあります。

 余裕があるならもっと電流を流す方が良いだろう…と考えるととんでもない間違いをします。

ナゼならもう一つの重要な要素を忘れてはなりません。それは3極管は電流を増やそうと思えばバイアスを下げなければならないからです。バイアス電圧=スイング電圧です。

300Bのグリッドに80Vを送り込むにしても6SN7は利得は15倍が限界です。そこで80V÷増幅倍数15≒5.3V…つまり6SN7自身のバイアスが、もし5.3Vを割り込むと初段からの信号電圧が門前払いとなって受け入れられず、結果は重要な2段目として300Bに十分大きいスイング電圧を送り込めません。

ここでついでに初段も検証しておけば、初段も15倍するとして、2段目のバイアスを6V程度に決めても初段は最初に想定した0.5V以上のバイアス電圧を確保すれば良い…ことになるので何ら問題はありません。

 再びEp/Ip表を見た時、−6Vよりも深いバイアスでプレート電圧180Vのラインを読むと5mAまでの好きな電流値を選べることが判ります。

ここでも大きなポイントがあります。仮にプレート抵抗の両端に、球の内部抵抗と同じ電圧の最低180Vを与えるとしてプレート抵抗値を計算すると180V÷0.005A=36kΩ…となります。これは今回の回路設計ではプレート抵抗としてミニマムの抵抗値と考えます。ナゼならWE262Aで学んだように、プレート抵抗を内部抵抗に比べて大きな値にすればするほど歪が減る…という結果が得られるのです。そのためには電源部から安直に電圧を降下させてしまうB回路のフィルター回路そのものの設計が絡むことは後に説明します。

 以上でドライバー段の大まかな計算がまとまりました。

つまり-6Vよりも大きなカソード電圧と、プレート電圧180V(アース間ならバイアス電圧6Vを加算して186V)以上を与えると300Bを少ない歪率で余裕をもってドライブできそうです。

でもドライバー球の「音」も大きな要素、何度も繰り返しますが後段の300Bで4倍近くもドライバー段以前の「音」を増幅されるのです。

経験から申せば、このプレート電圧180V…と云うのは6SN7/同GTB/5692の「音楽的な音」として許せるプレート電圧の上限ギリギリです。

その意味は、プレート電圧が200Vを超えるようなオペレーションの傾向としては、低域が薄くて高域寄りになって行く傾向があるからです。

設計上もっと大きなプレート電圧を与える方が良さそうではあっても、アース間にて200Vを少し下回る辺りが許せる「好い音」である限界と考えて下さい。

コレは飽く迄個人的主観ですが、自分用ではなくヒト様にアンプをお届けして来た実績から得た「経験値」であり、単純に電気回路だけを追究している技術屋さんが設計する回路とは主観…立ち位置が異なる、音楽優先姿勢からの主張です。
仮にドライバー段にWE349・6V6・EL34等々の3結を使う場合でも250Vで設計すると、アンプそのものにドライバー段のキャラが色濃く着き、面白くありません。それらの使用に於いてももフシギと実質プレート電圧は200V±20Vが良く、球をパワーチューブと同じ使い方をすべき部位でもありません。それはカソード電圧が高くなることにも要因が隠されているような気がします。

 このようにプレート電圧の設定は「音決め」に大きく関与しますから、出力管も含めてどのような球でも製作後に必ず多少は調整すべき項目なのです。

アマチュアの方がアンプや出力管の音質を述べる際、わずか1台か2台作ったり聴いたりしたから…と云ってあたかも「あらゆる想定を試みた…」かのように述べたり、他からの「伝聞証拠」を自身の意見のように吹聴するのは『口害』です。無論我々プロは尚更…で、アンプのどの部分にも多くの可能性や未体験の音があり、その意外な素晴らしさに喜んだり嘆いたりするものです。

そして音が万一気に入らない時には、そのアンプが正しい設計か否かも大いにアヤシむことです。

どのようなアンプであっても正しく動作しているコトが最低の条件です。

アンプが完成して音が出たら終わり…ではなく、アンプの完成は音の調整では「始まり…」そのものです。

キットでもその外観に惑わされることなくまず回路も見れば、お粗末な部分は一杯あって球や電圧について設計者がどこまで理解しているのかは疑問、購入には二の足どころか三の足も踏みます。

 何せWE300Bのプレート電圧を350Vに絞った動作例だけでも、最初に表でお示しした通り6例もあるのです。無論筆者も全部の音など知る由もなく、その検証など生涯ムリですから「WE様」唯一製品化した91型シングルのオペレーション例を信じて作るのをオススメする所以です。

でも勘違いしてはならないのは、同社では「91型」は小劇場用のローコスト製品としての 位置付けに過ぎず、実物を見ると配線材から使用部品まで比較的ローコストなものを使用しているのです。

 WE300B/SEの設計と製作D

 <電源部を考える>

 ここでいきなり全回路をご覧ください。


http://www.soundparts.server-shared.com/make300bse.html

この回路図は回路設計は当方で、実機製作とそれに基づく微修正後の回路の作成はS氏の手になります。各部電圧等の設計との誤差は5%以内に収まりました。

真空管…特に増幅段に関しては<RCA/CR結合データ>でも『50%の誤差でも概ね動作は変わらない』そうですから、ドライブ電圧の能力は電圧比例で変化しても動作そのものは意外とラフでから問題はありません。

 S氏はお知り合いから300B/SEキットの完成品を譲り受けました。元のオーナーは音質にご不満なのですから当然S氏もご納得は行かず、悩まれた末に当方にキット付属の回路図を送って来られてサデッションして欲しいとのご依頼頂いたのです。
KIT添付の回路図は敢えて掲載しませんが、初段と2段目を直結とした、KIT製品に関心のある方にはお馴染みのもので、回路として見たときに多くの矛盾が見て取れるのが惜しいです。

 サウンドパーツはこれでもメーカーですから、製作時間を束縛されるそのようなご相談には本来深入りしません。いい加減な忠告や進言は後日に尾を引く懸念もあります。

でもソコは人間…S氏に上手く乗せられてしまったのですが、ほぼ当方設計の通りに製作されたことは敬服できます。

多くの経緯を経てやっと下図に示した回路図に至りました。

http://www.soundparts.server-shared.com/make300bse.html


 ところで誤解されないようお断りしますが、この連載をルル述べてきたのは飽く迄シングルアンプを設計する基本を、300Bを例にこの機会にサウンドパーツ流に解説しているに過ぎません。

 誤りは無いとは思うものの「交流理論」に基づく学者的解説ではなく、ご注文頂いて当方にて製作している300B/SE回路でもありません。

本来はKITという、誰が作っても一定の成果が保証されるはずの製品が、<300B>と云う著名な真空管の名を冠しただけでAKB48的人気でWE球を用いなくても高価に売られます。

音質よりも「売らんかな」を優先してアマチュアの自作ファンを欺いているので、その納得の行かない部分を同じ材料なら「私ならこうする…」と云う独断的な解説をしています。

KITは回路だけではなく…例えばアースポイントの取り方などもイイ加減で、KITと云う名で「逃げて」います。ハムが出ても「直熱管には常識」と非常識な言い逃れをするのですから呆れます。

それはごく一部の例外を除いて全くのウソ、少なくとも高能率スピーカーの50センチ前でハムを感じるなら改善の余地があ

  ※掲載記事に沿って2013年2月に実機に基づき訂正された回路図です

    今後2段目のプレート抵抗を56〜47kΩに変更して、少しプレート電圧を高めに設定の予定です

    増幅段のヒーターも現実には電源トランスのヒーター端子2ヶ所とB巻線のセンタータップを33Ωの抵抗2個で結んでいます
 

<整流>

 電源部に整流管を使う理由は「真空管アンプはかくあるべし」という既成概念とルックスから来るものです。

設計通りの電圧と電流が得られるなら整流管はそれなりに便利ですが、ソケットが合うからと云って自由に交換できる…と思うとヤケドします。

傍熱整流管を使うとヒートアップ・タイムが稼げるメリットがあります。

今回のように直熱出力管を使うアンプに直熱整流管を使うと、ヒートアップ時間がほぼ同じなので整流管からB電圧が加わると同時に電流のほとんどを消費する出力管にも電流が流れ、コンデンサーに必要以上の電圧は加わらないのですが、傍熱出力管のアンプに直熱整流管を用いると、マッキンMc30/Mc60に例はあるものの、ダイオードの両波整流と変わらないので大きなメリットはありません。

 整流管の良いトコロは「両波整流」であり、冷静な回路設計ではデメリットの方が多いと思います。

その理由はフィラメント/ヒーターの消費電力と変換効率、ダイオードによる両波整流も同じように優れています。

 余談ですが専門誌では「ケンカ中」の某国製の整流管とか真空管をベタホメしたり、それを装備したアンプに高評価を与えたりしています。

最初だけ良くて2〜3年で球の天頂部や側部に黒点や妙な焼け跡がつくのが某国球の実態でこれはハッキリ異常です。往年の良い真空管でも長く使うと確かに天頂と側面の一部は少し茶っぽくなるもののそれは正常、黒い斑点が着くことなどはあり得ず明らかに内部金属が劣悪で短命の証拠です。

私個人としては、世の中で最も早く良いタマが入手できなくなるのは整流管だと考えています。最も一般的で高性能なGZ34は良いものが既に少なくて高価です。

ステレオ構成のアンプでは電流容量が整流管1本では不足する上、劣化とともに電流が落ちてしまう整流管をフィールドスピーカーに使わない理由も将来を危惧するのが理由です。

整流管は

・劣化する…整流管は回路の電流容量にもよりますが、当然経年で劣化します。多くは出力管より短命で消耗品と言え、私には274B刻印に10万円を投資する意味が理解できません。整流管が劣化してエミッション電流が流れると、それは整流管で得られる電流と逆の方向なので、整流管はエミッション電流をプラスした電流を回路に供給しようとします。その結果はムリをして電流を出そうとするので急速に劣化が進む…と云う結果になります。

厄介なのは、整流管の劣化が判るのは本当にダメになって音に影響が出るようになってからです。時にはチェックしませんと寿命までアンプは正常と思い込んでしまうワケです。

・エネルギー・ロスがある…ヒーター・フィラメントのロスがあります。最終型のGZ34で5V×1.9A〜5U4/5Z3系なら5V×3Aはロスであり、電源トランスの発熱源ともなります。

 また理論上のAC電圧×√2倍で得られるDC電圧は、何のロスも見込まない無負荷時であり、実際は最大許容電流値の80%消費くらいの時の経験値として

 ダイオードは交流の1.3倍程度の直流電圧

 5U4/GZ34で1.2倍
 5R4/5Y3系で1.1倍
 274に至っては1.05倍〜1.1倍 

 …コレは飽く迄目安ですが、これほど大きな内部損失の影響がありますから出力管の動作ポイントは整流管の交換で容易に変化します。。

 今まで5U4を使っていたアンプに274を使ったら低域の重心が増して…などと云う記述の理由が、同じ交流から得られる直流電圧の差です。たとえば5U4から400Vを得ていたものが274への差し替えで350Vしか得られなければ回路設計は根本的に変わりますから当然音も変化、やや低域寄りになるでしょう。それなら274でも400Vを得られるよう電源トランスの交流タップを別に付けておいたら……ブラインドテストをしたら誰も変化には気付かない…と思います。

チマタには「神話」が溢れていて、それを一蹴すると非難されそうですが、音質が鈍重になった…という方も多く知っています。

まして電流容量は5U4の250mAに対し274/5R4では150mAですから、上記のようなステレオ構成の300B/SEではホントは274の電流不足からもっと電圧が落ちてしまいます。

 さて整流管を使う方法は2つ、整流管の直後をコンデンサー接地する『コンデンサー・インプット』と、チョークを直列に入れてからコンデンサーで接地する『チョーク・インプット』があります。

 コンデンサー・インプットでは、整流した直流はそのコンデンサーが充電するまでの間は短いとは云えアースと短絡状態に陥ることから、整流管には大きなストレスが生じます。その充電時間はコンデンサー容量が大きいほど長いので整流管を痛めないようコンデンサーの容量が規定されています。274=4μF・5U4=40μF・GZ34/5AR4=60μFなどです。でも実際の91型アンプを見ると274を20μFとして使っています。コレは恐らく91型が電解コンデンサーを「2階建て」つまりアース間とで20μFを直列にしたものを更に2重(並列)構成しているからで、直列では10μFなのですが、更にそれを並列にして20μFとなります。

フィルムやオイルコンは「静電容量」ですから充電時間は瞬時で整流管の負担は大きい、でも電解コンデンサーならやや緩慢に充電されるから球を痛める要素が緩和される…からだと思われます。

 チョーク・インプットでもチョークを通ってからコンデンサーに充電されることに変わりはありません。でもチョークコイルには抵抗値がありますので整流管はショート状態にはならない…いわば保護回路です。従ってチョークコイルの抵抗値の規定があります。最も大きな抵抗値を要求しているのがやはり274で75Ωです。もし274などをチョーク・インプットとして使う時、許容電流の大きなチョークを使うと抵抗値はたった30Ω…というケースもあります。その時には抵抗を40Ω程度直列にして抵抗値を増やす必用がある…と云えます。

今回の提示回路に、どのような整流管でも問題ないように整流管の直後に75Ωを入れてあるのはそれが理由です。

 なおチョーク・インプットで取れる電流値は、理論上は電源トランスの交流電圧の0.9倍ですが、実際にはチョークの抵抗値とも絡みますので0.83〜0.85倍と見ておけば良いでしょう。

無論チョーク・インプットに使うチョークは『十分大きな値』が指定なのですが、一般にチョークのヘンリー表示は規定電流時のヘンリー数が記してあるので、電流値に余裕があればヘンリーも大きくなるのがフツーです。そこで実際には5Hと記されたチョークを使っても、次のコンデンサーが40μF程度ならチョークインプットとして動作する場合もありますが、常識的には7H程度以上で抵抗値も60Ω以上あるものを選びます。チョーク・インプットではチョークも電源トランスも唸る傾向があることにも注意します。伏せ型の電源トランスでは常識的に装備前にボルトの締め付けを確認する必要があるでしょう。

なお、シングルアンプの製作においてチョークインプットのみでリップルが大きく取れることはほとんどありません。もう1段チョークか抵抗でパイ型フィルターを組むのが賢明です。

 以上の計算で、同じ電源トランスを使っても両波整流のコンデンサーインプットなら、フツーはトランスのAC電流と同じDC[電流が得られます(表現はトランスメーカーで異なります)。

同じトランスからチョークインプットなら得られる電圧が理論値0.9倍なのは「損」のように思いますが、コンデンサーインプットの約1.5倍程度の電流が得られますからエネルギーは同じです。

ブリッジ整流はAC電流の約0.7倍と計算します。最近一部でナゼかもてはやされる「片波/半波整流」は電源トランスによほどシッカリしたものを使わないと、直流がトランスに流れるのでウナリや振動が出ます。またAC電流値の3分の1程度の電流しか得られない…と考える方が良いでしょう。単純に考えれば「片波/半波整流」はトランスの巻線が片側接地されるのだけがメリット、両波も同じでセンタータップが接地されます。取れるDCが両波は波形の+側への単純折り返しなのにブリッジはパルスであり、「片波/半波整流」は波形を一つづつ飛ばします。その分をコンデンサーの充電・放電で補うので、コンデンサーの音色が大切になります。私個人の考えですが、トランスの巻線が接地しているのは交流信号の「帰路」として観た時には大きな要素で、ブリッジや倍電圧整流はその点で面白くありません。

両波はトランス巻線がブリッジの2倍必要でセイタクだと云うデメリットがありますが、最初から取れるDC波形が美しい上にコンデンサーの充放電の動作に大きく依存しない電源です。

 真空管の大先輩から伺ったハナシによると「実は真空管で一番難しいのが整流管」だそうです。

多くは両波整流管ですから同じ管内に2個のプレートがあります。もしフィラメント/カソードとその周囲を囲んでいるプレートの精度がイイカゲンだと整流の波形の高さが異なります。それはリップルとなって効率も落ちます。一方多くの整流管の最大定格はAC500Vからの整流=DC化です。AC500Vは実効値なのでピーク電圧は約700Vです。2つ封入されたプレートの一方に交流のプラス波形700Vが掛っている時、もう一方のプレートにはマイナス波形の700Vが掛っていますから、その電圧差は1400Vを超えます。そこで整流管の最大耐圧は多く1450Vと記されているのです。

1450Vもの電圧差がガラス管の中で僅か数ミリで向き合っているので、当然に真空度も高くなければならず、それは出力管の比ではないそうです。

このように整流管は恐ろしいほど厳しい定格で成り立っていますから、目視でも良く見る必要があります。274のアンドン型プレートの中に「逆V時型」に吊られたフィラメントは丁度中央に位置しなければなりません。欧州の<U18/20>とか<FW4-500>等を見ると、プレート・フィラメント間が極端に狭く、余りの作りの良さに惚れ惚れしますが、米国製はラフです。

 直熱整流管のフィラメントは見ていれば判るほど、動作させれば熱で伸びます。そのフィラメント伸びを頂部のコイルスプリングや釣りバネで支えて逃げてあるものは、プレートが頂部から見た時に縦向きとして使うことで整流管の水平使用ができます。末尾に<Y>と付くものは水平使用にも耐える耐震構造だそうです。

 RCA83は水銀整流管で、DC化効率も1.2倍を少し上回るほど高効率です。

ただ最初だけは注意が必要で、使用する向き…多くは直立…でフィラメントのみ1時間程度余熱します。フィラメントの余熱で徐々に溜まっていた水銀が霧化し、球内は白くて見えなくなってやがて再び透明になります。それを終えて後にB電圧を加えても既に内部の水銀蒸気で満たされている状態が出来ているので問題なく使えます。その後電源を切ると冷えるまでに球の底部に水銀が溜まって次回使う時に発熱で正しく霧化します。83を使うアンプの多くは「余熱」スイッチを付けて高圧をいきなり印加しないようにしますが、実はそれは球を交換した場合だけで良いのです。…という根拠は、多くのバルブチェッカーに採用されているのが高圧用がRCA83、バイアス用が5Y3なのです。この場合83は試験機内で横方向に寝かせて取り付けてあり、試験機の盤面を水平か前側を下にして縦に使っても内部の水銀は水銀蒸気となる前の蒸発粒子の粗い時にプレートやフィラメントには触れませんから問題ありません。試験機を側面を下にして使えば83は多分壊れます。水銀蒸気がフィラメントに触れると一瞬紫色に輝いて後、フィラメントのコーティングカーボンが剥離して2度と使えなくなります…私に限らず、多くの失敗した者が申すのですから間違いありません。バルブチェッカーに83の余熱スイッチなんて無く、昔日の軍では蹴飛ばしたり放り上げたり乱暴な扱いを受けています。 このように一番最初のみ使用を誤らなければ問題ないのですが、多くはアンプの完成と同時に底を上にしたままチェックしますからその時にダメにするか、その時ダメにならなかった時には正立させたときに必ずダメにしてしまいます。

 つまり83整流管付きアンプを裏返しでチェックする時には5Z3と差し替えて行うか、最低30分の余熱が必用です。


 電源部からプレート用に高圧を供給する時に誤って解釈されているのは、電源部のコンデンサーの持つ意味です。

「リップルの少ない直流を得る」ことだけが目的と思われ、最近は半導体のリップル除去回路でチョークを略すものも増えています。

でももっと大切な目的が有ります。それは…

『プレート回路の帰路』

 でもあることです。

各段の真空管で増幅された信号はプレート抵抗(当然出力トランスも含む)の両端に発生し、増幅された交流信号として取り出されます。

取り出す信号はプレート〜接地間に生じたものであり、そのためにはプレート負荷抵抗のB側が交流的に接地していなければなりません。その役をコンデンサーが担っています。

当然コンデンサーには質の高いものが必要ですが、一方では出来る限り低域まで伸ばす必要がある…つまりコンデンサーは「低域時定数」でプレート抵抗と絡んでいます。

増幅段に用いるプレート抵抗の多くは大変大きな値の抵抗ですから、増幅段のB側を接地するコンデンサーはそれほど大きな値は必用ありません。
でも出力管のプレートにつながるOPT/出力トランスの実測抵抗値は低い値を示すので無視できません。

その抵抗値が大型コアでロスの少なさを強調したものなら100Ω程度の抵抗値しかありません。

もしチョーク後でOPTに直結されるコンデンサーに、粋がって旧来のオイルコン10μFを使った…とします。この場合の低域カット周波数は

 159÷(0.1kΩ×10μF)=159Hz

 …つまり、低域は約160Hzで既に3dBも落ち、それ以下はもっと落ちてしまいます。それ以下の低域はチョーク〜整流管を通じてトランスのセンタータップからアースに落ちるのです。従ってこの場合最低でも40μF以上の値、極端には大きなμFほど自然な低域が得られる…と考えても良いことになります。

 さてこのアンプで増幅段へ行く供給電圧にドロップ用の抵抗を入れないのはナゼでしょうか?

それはこの回路ならOPTに行くB電圧は大きな容量の電解コンデンサーとチョークでプリアンプの電源並みにリップルの無いものとなっているからです。

十分リップルが取れてさえいれば増幅段が仮に2段で構成されていてもπ型フィルターの必要性は全くなく、今まで申したように供給電圧は高いほど、その分プレート抵抗を大きな値にして歪率の小さな増幅段が設計できるのですから、チョーク後のコンデンサーの+側から増幅段にも直接供給しても良い…と云うよりも遥かに理想的な供給方式となります。

 注意するのは、前述の通りコンデンサーはプレートで得られた信号を取り出すために接地するのも大きな使命ですから、どの段に電圧を供給する場合でもこのコンデンサーから直接格段のプレート回路に「枝分かれ」するように送ります。そうでないとプレート〜プレート間の配線の持つ僅かな直流抵抗が干渉を生みます。コンデンサーから各部独立で供給すれば、その配線が持つ僅かな抵抗値はプレート抵抗の一部となるだけ、一切の干渉がなくて電源部が前の段との間でもつ「低域時定数」が無くなるのでブロッキング発振などの恐れも皆無となります。

 さきほどオイルコンデンサー…つまり油含浸箔コンデンサーについて少し述べました。

PCB/ポリ塩化ビフェニールは有毒物質ですから、幾ら当時のコンデンサーの音が良かった…などの風評から「何でもあり」のオーディオとは申しても使うコトは犯罪ですから止めましょう。

私がガキの頃、豆腐のような形状のオイルコン(恐らくPCB入り?)を電気技師だった父親からもらって分解したことがありました。何マイクロファラッド(μF)かは記憶しませんが、油を抜くと茶色の薄紙が錫箔と密着して巻かれてあるだけで、幅7〜8センチ×長さ10mほどの端っこに表裏二つ電極から薄い金属がガラス端子の内側に接続されていました。無論その時は何も感じず、面白くもないので捨てただけです。PCBで手はベタベタになり、ひょっとしたらその後にアトピーになった原因だったかもしれません。余談ですがそれが原因と云うのはアヤシクとも、アトピーは数年前に奇跡的に治るまで何十年も私を苦しめました。

 問題はオイルコンの構造です。電極は金属箔の7〜8センチ×10mと云う大きな面積のわずか7〜8センチの部分にしか付いていません。アンプの電源で使うだけならは「蓄電器」であれば良いので、それでも動作だけなら不都合はありませんが、この構造から想像しただけでも高域での伝達特性が良いとは思えません。仮にそのオイルコンが10μFとして、現代のフィルムコンデンサーなら同じ構造でも長い方の10mの側に電極が付けられます。僅かに電極をずらせてぐるぐる巻きにしてから両端に出ている金属箔に「ハンダ溶射」してリード線を出す構造です。同じ10μFであっても高域特性は段違いだと誰でも想像できます。

これが一部ファンに珍重され、スピーカーネットワークなど音声回路の低域カット用に旧いられるオイルイコンの音の悪さの原因です。大音量では何とかなっても、微弱信号では全く情報量が欠落する欠点があります。

そこで211や845などのアンプでよく見かけるオイルコンは少なくとも現代のフィルム型のオイルコンならともかく、30年以上も前のものを用いると高域の魅力は薄れます。


 WE300B/SEの設計と製作E
 
 <出力管まわりの設計>

 いよいよ300Bそのものの解説となるワケですが、実際にはそのオペレーションはこれまでの段階でほとんどお話ししているので語ることはほとんどありません。

300Bは自己バイアスの時には最大プレート損失40W/100mAですが、固定バイアスではマックス70mAの規定があり、常識的にプレート損失も9割を超えてはなりません。これは全ての球に言えることです。

自己バイアスの<91型>ではカソード抵抗に880Ωを用い、80mAと規定しますのでバイアス計算では880Ω×0.08A=70.4Vです。ではこれが本当のバイアス電圧でしょうか?

WEのマニュアルには300BのフィラメントをDC点火するとき、フィラメントの基準電圧を3.5Vと見て計算するように…との記述があります。

 私も先輩にバイアス電圧を仮に70Vと設定したとき、DC点火するとフィラメント1番に+5V/4番に0Vを掛けてDC点火するので、それぞれのバイアスは65Vと70Vとみなせることから、当然65Vの側にやや多めの電流が流れ、従って精度の高い熱温度計で観測すると1番側のフィラメントの方が4番側よりも温度も高くなっている…と教えられました。

 でもコレは全くウソだったことを後日知ります。

その実験はこうです。

DC点火の際、電流容量があればハムバランサーはなるべく小さな値の固定抵抗2個で構成します。仮に20Ωを1番と4番に付けてその中点にカソード抵抗880Ωを付けてアースに落とします。

実験をしたときにはプレート電流はピッタリ80mAでした。1番ピン(フィラメント5V側)と4番ピンの間にはハムバランサー40Ωによって125mAが流れています。プレート電流もカソード抵抗に向かって流れますから、この場合は80mAのピッタリ半分の40mAが加算されますので125mA+40mA=165mAが流れ、1番ピンから880Ωには20Ωの抵抗で3.3Vの電位差が生じます。

一方4番ピン側からは125mAと逆方向にカソード抵抗に向かって40mAが流れますから125mA−40mA=85mAが流れ、同じように880Ωに向かって1.7Vの電位差があります。つまり3.3V+1.7Vでフィラメント5Vと計算は合います。これはプレート電流がピッタリ半分づつフィラメントに流れていると想定した理想数値なのですが、何と現実もその通りになったのです。

 つまり先輩がプラス側からの方が電流が多いと言ったのは全くのデマであり、空想にに過ぎなかったのです。実はこの現実は後日UV211や845のように10Vのフィラメントでも確認できました。

211球は1000V/自己バイアスでも約50Vと300Bよりもバイアスが浅く、正直のところ両フィラメント端子から全く同じ電流値が流れたことにはびっくりしました。20VのフィラメントのGM70も全く等しい電流値でした。

ここで気付くのが880Ωの自己バイアス抵抗には別途に3.3Vの電圧がバイアス値として存在することです。僅かとは云えこの分だけ電流帰還が掛ることになるのです。このことはバイアス抵抗にバイパスコンデンサーを付けるよりもフィラメント1番/4番に2端子からアースにバイパスコンデンサーを付ける方が少しでもゲインが多くなることになります。

 もし固定バイアスで製作したとき、ウエスタンの云うフィラメント固有のバイアス値3.5V(前述では3.3Vになることを証明)も計算しておきませんと、単純にマイナス71Vを与えたのでは3.5V分電流が減ります。

 300Bのように5Vなら余り気にすることはありませんが、<GM70>のようにフィラメントが20Vもあるものは大問題です。しかもこの球は電流も大きいのでほとんどが固定バイアスで製作することになります。

ではこの場合のフィラメント固有のバイアス値は幾らか…と申しますと300Bがフィラメントの66%ですからほぼ13.5Vになるのも事実です。固定バイアスー90Vを作れば規定の電流が流れるか…と思えば、自己バイアスとして13.5Vが既に掛っているので、バイアス電圧は76.5Vが得られるよう設計しておく必要があるのです。

 負荷抵抗RLは次の機会に述べます。

http://www.soundparts.server-shared.com/make300bse.html

サウンドパーツ ホームページ
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19. 中川隆[-8855] koaQ7Jey 2019年8月12日 09:34:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3879] 報告

サウンドパーツ ホームページ
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資料室→→往年のアンプ回路から学ぶ
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この資料室では

・プロ機器の真空管アンプ回路図
・サウンドパーツ製作アンプの回路図
・サウンドパーツがアンプ設計や専用部品開発のヒントを得た回路図と背景
・その他あまり公開されていない興味ある図面・画像・サウンドパーツで機器から起こした回路図

 ――などを順次掲載します.


 米国ウエスタン・エレクトリックやWESTREXのアンプの回路図の多くは資料が公開されていますが、ここではメインテナンスを通じて提供された回路図を転載致しました。他の回路図はドイツから入手したものやお客様からご提供頂いたものです。

 誠文堂新光社/浅野勇氏著/監修の「魅惑の真空管アンプ正編・続編」とラジオ技術の各誌から許可なく一部回路図を転載させて頂いておりますが、真空管アンプのヒストリーをご理解頂くには格好の著書でもあります。

 今ご活躍の著者の製作記事のコピー製作に走る方が多い昨今、それらとは異なる見地から今後の真空管アンプのご研究を促すという意味でお役立て頂ければと思います。


・シングルアンプの出力管にグリッドチョークを用いる例

シングル出力段にグリッドチョークを用いる例は浅野勇著「魅惑の真空管アンプ」の巻頭/古典回路解説に複数の例が紹介されています。グリッド電流の流れ易い古典3極管のグリッド回路には直流抵抗が小さくてインピーダンスの大きなグリッドチョークが必須と云えますが、それは高価で当時は特性面でも期待できなかったドライバートランスよりも小型さとコスト面で優れていたのでしょう。RCA50/250のようにグリッド抵抗10kΩ以下…との制約があるように3極管はグリッド電流が流れ易いもの、直流抵抗の低いグリッドチョークは大切な古典3極管に必須とも云えます。WE300Bは比較的グリッド電流が流れにくい球ですが、メーカー発表データに疑問があるのは2A3で、Max0.5MΩを鵜呑みにして設計すると、時には100kΩでもグリッドに2V以上が発生、最悪の場合は電流が増え続けてバイアス値が下がる悪循環を起こしてプレート電流の暴走となり、プレートが赤熱するものもあります。

 グリッドチョークはグリッド電流そのものは防止できませんが、直流抵抗の少ない分だけバイアス電圧に影響が無いので暴走には至りません。

 下記のうちHMVアンプの応用例はプッシュプル用のプレートチョークから位相反転している例で、実に巧妙ながらもグリッドの保護と言う点からは意味が無く、採用を躊躇します。プレートチョークの利点は電源電圧が低くても十分なプレート電圧が得られる、ひいては大きな利得も得られることで、グリッドチョークを併用すると再生周波数の両端が落ちる場合がありますから、併用は十分測定をしなければ失敗します。

 それにしても浅野勇氏は多くの文献から数限りない回路に深い洞察をしておられたに相違ないのですが、「魅惑の真空管」では真空管の使用例だけに的を絞っておられます。著作書の目的からはそれも仕方ありませんが、古典的アンプ全体の回路回析や、それら資料の公開と研究成果も発表して欲しかったと思います。旧いものの中にはコストの制約を受けずに凝った回路のものも多く、それも「ひとつのロマン」であり、技術者の苦労が偲ばれます。

 サウンドパーツの回路は「シンプル・イズ・ベスト」を標ぼうしていますが、もし次々に新たな真空管が開発登場する時代に生まれていれば多分同じコトをして真空管を徹底活用するとか、「これでもか!」的回路の遊びも楽しんだでしょう。現代は例えば出力トランスなど格段に良い特性のものがあるので、入力信号に対してアンプは如何に「増幅する電線」に徹するか…が大切と考えており、その意味でピュアオーディオに徹するという原点に常に位置したいのです。



・出力管に多極管を用いてグリッドチョークでさらに大きな利得を得る

  ※この回路図ではアンプ全体のアースが漏れています

    
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・タンノイ(あのTANNOY?)での例でAFTと記すもののグリッドチョーク・スグにコピーを作れるアマチュア志向の回路 

    

     


・マーシャルのアンプでは入力段にも出力段にもグリッドチョークを入れています 

   
   

・HMVのPX25プッシュプルはドライバー段プレートチョークで位相反転⇒PX25の贅沢なアンプの例は下記のDECCAに軍配!
 
   

サウンドパーツが出力管にグリッドチョークを用いるきっかけとなったDECCAのPX25プッシュプルアンプ 

 このコンソールは大変豪華な作りで、中でもチューナーの周波数切替のイルミネーションは電源オンと共にウットリ見とれる素晴らしさです。今となって惜しいのはアナログが10インチ盤しか使えないことです。勿論回路も技術の賜物として外観に負けていません。

 フォノ入力トランスの2次側からイコライザー回路を経て出力段に至る見事なまでの全段プッシュプル構成。増幅はL63(6J5)に統一してメンテを容易にし、出力管PX25にグリッドチョークを使用しています。PX25のグリッドがグリッドチョークによって磁気結合していると、前段までの信号は出力管の両グリッドに同じ振幅で与えられ、同時に貴重なPX25もグリッドチョークの小さな抵抗値によりグリッド電流が原因の暴走から保護できます。グリッドチョークに抵抗を並列に入れているのは低域時定数が不安定になるのを回避する目的で、大きなヘンリーのグリッドチョークは超低域が不安定になりがちなので低域端を抵抗値で調整したものです。

    


・同じくダブルプッシュプルWE133Aパワーアンプの回路…コレはグリッドチョークとは無関係のWプッシュの例です

    

 WE133Aアンプは電源部が別体のミキサー内蔵用アンプですが、軽度のNFBも掛けて20〜20KHzを保証、WE124系と同じ出力トランスをわずか8Wのアンプに奢り、内部配線材ひとつを取り上げても大量に作られた124シリーズのどれとも比べものにならないコストの掛け方、1086と同じパラフィン含浸綿巻線と内容にこだわっています。

 余談ですが、よく見ないと回路図だけではお気付きにならないでしょうが、かの有名なWEのカップリング用オイルコン(例の縦長の35_×10_×80_H程度のアレです)はNFBには用いられているものの、カップリングは0.03μFのマイカです。同様に129ラインアンプでもカップリングはサンガモ辺りの小型オイル、前述の角ばったWE製コンデンサーはNFB回路で、察するにWEは音質的にはあのコンデンサーは採用したくなかったのかも知れません。86型は採用しているのですが。

 133Aは出力管は349A、個人的にはWEアンプ中で最も音質面で優れる好ましいアンプと思っています。ホールトーンを重視するアンプ群の中でも端正で情報量も多く、まさにモニターたる性格です。124シリーズのように社内QC運動によりビス1本から部品に至るまでコストを重視の時代が到来し、アンプそのものもPA向けになって行ったのとは一線を画します。ただテレフンケンV69と同様インプットトランスを使用して(このアンプのためだけに618Bインプットトランスは2次側にセンタータップが在ります)のダブルプッシュ方式は600Ωの伝送系が可能なプロ機では簡単でも一般的なプッシュプルアンプへの応用は不可能です。そこでサウンドパーツでは<入力反転チョーク>を開発する道を選んだのです。グリッドチョークならインプットトランス固有の音質面での色づけや特性の影響はほとんどありません。ちなみに入力反転チョークは1:1の2巻線ファイラ巻きのトランスと原理は同じですから特性は極めて優秀、いわば1次側の無いトランスです。オーディオ自作派にはコイルを嫌う向きもありますが、マイクロホンやMCカートリッジからスピーカーに至るまで音響はコイルのお世話にならずして増幅系を構成できません。その意味ではコンデンサーも然りで、直結アンプにこだわってもスピーカーのネットワークやイコライザーにはコンデンサーを使わない訳には行きません。

 プッシュプルアンプの位相反転をP-K分割型とかリークムラード型で片付けようとすると、真空管の微妙な特性差や経年変化を考えると、その動作は見かけの「安直」さとは程遠い調整が必要な難しいものだと言わざるを得ません。

 133AアンプやテレフンケンV69の音質を聴いてこの回路の音の良さを知ると、今更ながら現代アンプのほとんどに採用されているプッシュプル反転回路は考えたくなくなり、あのキレの悪さとか平板な音の原因ではないか?との疑いがあります。NFBに「おんぶに抱っこ」で誤魔化しているのがP-K分割/リークムラード反転回路とも云えます。

 デッカ<デコラ>の出力段グリッドチョークの働きとか多極管のUL接続の持つ裸特性の良さまで考察を進めたとき、当店のプッシュプルアンプに採用する『完全バランスプッシュプル』に帰結するのは自然な流れ…と云えます。


⇒ここにWE1126Aラインアンプを追記します。回路的には133Aを更に理想的に追究した…と云えますがパワーアンプではないところが残念です。回路図では見辛いのですが2段目にはプッシュプル用グリッドチョークを用いて、初段5極管による(極論すれば上下の出力が必ず狂っている)プッシュの信号出力をグリッド「磁気結合」によって再合成、グリッドチョークのみが可能です。

 蛇足ですが、アンプと云えばオイルコンばかりのプアな電源と、3極管シングルアンプ至上主義の方には考え付かない回路構成なのが133Aや1126の構成です。WE至上主義でもあるそれらの多くの方々は、133Aなどの魅力有る音質を確認や想像することも無いままご自分に都合の良いアンプのみをピックアップします。時代と共に進化するWE本家そのものの回路追究精神は無視することが多いのです。当時どのようなパーツや部品が作られたか(電解コンデンサーの例のように)時代考証的な発想と並行して真空管の発達と回路を考察する必要があり、そこから音質を想像するのも愉しいことです。

   

・プッシュプル出力トランスのB+/センタータップに直列に<センターチョーク>を挿入した例。

 <Loveシリーズ>パワーアンプの全て採用しているのが出力トランスへの「センターチョーク」です。ここに掲載しているのは数多い例の中でも余りに有名なアンプ、使われている真空管そのものも憧憬の的です。 

でもこの「センターチョーク」回路を採用したアンプは近年発表例が無く、まして過去のメーカー製品には全く採用された例がありません。

 サウンドパーツのこの回路に関する考え方は次の通り、チョークの動作解析の詳細は避けますが「素人的」と一笑に付して頂くことは勝手でもこの方式の採用での音の変化は笑えません。WE古典機共通のこの回路、解析結果を教えて頂ければ嬉しく思います。

 …出力トランスは当然その特性の範囲で1次で作られた信号を2次側に変換します。ただ電源側にはコンデンサーが控えており、B+回路に回り込んだ音声信号を交流的に接地すべきそのコンデンサーとの間で低域時定数が発生します。その意味で電源はリップル低減だけが目的ではなく十分低い時定数でキレイな直流を送ってくれなければ出力トランスで発生した限界低域よりも上の周波数をも一部コンデンサーで接地してしまいます。シングルアンプでは出力トランスのDC抵抗値と電源部の出口のコンデンサーとで低域時定数が成立しますので、トランスの抵抗値が大きいか電源出口のコンデンサーを大きな容量にすればトランスの特性通りの低域が出力されます。

 一方プッシュプルトランスはどうでしょうか? 旧来のトランスによくある「単巻き」では巻き始め(仮にP1)と中点(B+)との間の抵抗値は中点と巻き終わり(P2)の間との抵抗値よりも小さく、電源出口のコンデンサーが十分大きければOPTの巻線抵抗値の差とでシングルと同じように低域時定数が成立します。一方オイルコン時代のコンデンサー容量そのものが大きく取れない時代には、周波数特性の良い2〜5H程度のチョークをOPTのセンタータップとコンデンサー間に入れることで先ほどのOPTの抵抗差にチョークの抵抗を加えて、低域時定数を再生周波数の低域側に影響を与えない数値にまで追い込んだのです。その後WE86アンプからは電解コンデンサーが採用され(8本が林立します)、容量値が大きく取れることになって低域時定数が容易に下げられ、センターチョークの必要性がなくなったと思われます。

 現代トランスの多くはファイラ巻き…つまり複数線並列巻きで、P1〜B+〜P2間に直流抵抗の差はほぼ皆無です。トランスは電源との関係において「フロート」しています。これも考え方としては正解のひとつだと思います。ただヒアリングでは良いコアのトランスを持ってきて十分低域は出るものの低域の楽器の奥行き方向の定位感があまりイメージできません。これは半導体アンプは勿論、真空管のNFBアンプを常用している方には理解してもらいにくい現象です。それらのアンプでは楽器の音も人の声もスピーカーにベタッとして離れず、ステレオは左右の分離だけで奥行き方向の「定位感」が希薄です。

 でも前述のようにここをセンターチョーク式として周波数特性に優れたチョークをセンターに付加して電源との時定数を確立すれば低域のシッカリ感が違ってきます。どなたでも聴けばドラムやベース、ピアノの左手に奥行方向の音像定位が明確になるのが判ります。従って意識して電源部との間で低域時定数を作ったプッシュプル回路も成立する訳で、その良い例がWEの古典回路だと考えます。<Love One>に採用のトランスはイマドキの市販品には珍しくなった「単巻き」ですが特性面では優れていますので、回路にセンターチョークを加えています。奥行きの定位表現も十分でこのファイラ巻き全盛時代でによくぞメーカー(橋本電気)が作ったと思います。

 一方<Love Three>ではOPTのファインメットに対し、高価な100ミクロン・コアのセンターチョークを使用し、ファインメットと音的には絶妙の組み合わせとしています。低域の性格を在来のプッシュプルアンプのやや甘い音質から高域では滑らかさを、全体では立ち上がりの鋭さとスピードのあるものとしています。それゆえにエコー感も奥行き表現も有るのです。全ては下記回路に代表され、WE86型までほとんどのプッシュ、さらには99型/100型(高圧アンプでオイルコン電源ゆえの処置)に至るまでWEがこだわり続けた「センターチョーク方式」の賜物です。

 ただ、サウンドパーツの方式では多極管ウルトラリニア回路にセンターチョークを採用した結果、A級動作を超えて働こうとすると信号の大小で当然電流値が変化し、その結果センターチョークはチョーク本来の脈流を排除する方向に動作します。つまり定電流回路として動作しますのでA級動作範囲を大きく取り、<Love Three>ではもっと大きなパワーを欲するときにはチョークをショートAB級への変えられるスイッチを付けています。またE130Lではスクリーン電圧が最大250Vとの制約があるのでチョークは2コイルファイラ巻きの高級品で、同一信号でプレートもスクリーンもスイングしないと正しく動作してくれないことを確認、この方式の採用は試作段階で大変苦労しました。


 <回路図中のL1がセンターチョークです>
   


 <回路図中のL1=136-A.Retがセンターーチョークです>
   


 サウンドパーツの現行製品の基本回路

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 この回路の優位性をご認識頂きたいためにルル述べてきたのが正直なところです。

リークムラード型プッシュプルやP/K分割回路しか知らない方にはこの音質を予想すらできないと思います。

 前述のWE133AやテレフンケンのV69アンプではでは音質的に優れていても業務用のアンプとして主に600Ωの伝送系に対応するように作られているのは仕方ありません。

 これをサウンドパーツのプッシュプルアンプでは、ごく一般的な家庭用オーディオのプリアンプ等どのような出力に対しても幅広い入力インピーダン特性をもつ『入力反転グリッドチョーク』としていることが大きく異なります。この方法は過去に全く採用された例が無い点ではサウンドパーツの『特許』とも言える使用法ですが、いまどき高い特許申請をしても真空管アンを売ってそのコストが回収できるものでもありません。

また3極管を使ったWEアンプだけが採用した『センターチョーク』を多極管ウルトラリア接続でも使っています。従って回路ではAクラス動作領域を広げないとパワーが取れません。センターチョークは「定電流回路」で、大パワー領域に入る信号に応じて電流が変化するAB1級での設計は無意味なのです。

 下記したサウンドパーツの基本回路図では、出力段プレートから初段カソードへのFNBの例も記入していますが、これは製品では採用していません。でも現代スピーカーで軽度のNFBも必要と考える方のために加えておきました。近年は出力トランスの2次側から初段へのNFBがほとんどですが、ダブルプッシュでは上下のプレートから直接初段のカソードにNFBを掛けます。WE133Aのように直流カット用のコンデンサーを用いず、ごくわずかに電流も返すことで周波数としては0HzからNFBを掛けていることになり、初段のバイアスの変化が無いように設計します。DCカットのコンデンサーを入れないことで信号回路との低域時定数の干渉を無くすことが出来ます。

 飽くまで下図はあらゆる要素を織り込んで記しているだけで、多極管でもウルトラリニア回路の特性は抜群ですからNFBの必要はありません。初段のグリッドや入力反転チョークのCTタップ〜アース間に入る抵抗の意味はココでは解説を略します。

 この回路を見て音質が悪いハズが無いとはお考えになりませんか?

出力段のUL接続では多極管の性格が極めて3極管に近くなります。シングルアンプでも初段/出力段に3極管を用いた2段アンプは多少ラフな設計をしても歪みは少なく設計出来ますから、プッシュでも全2段構成は大変有利です。しかもそのようなシングル2段構成を『水面に映したような』プッシュプルとすることで、どの段を見てもプッシュによる歪みの打ち消し効果があるのです。実際には音を良くするためのノーハウは更に有るとはいえ、誰が作っても失敗しない回路にはそれぞれの真空管・出力トランス・電源の構成・採用部品の音質がより濃く反映されて当然です。つまり全ての部分「本当の」音がモロに出てきます。回路による欠点に隠されいた多くの要素が音に反映されるのです。

 <※の抵抗はNFB用で当店製品には採用しませんが、どうしてもNFを掛けたい方のためのご参考です>

   

 今後はマッキンやマランツの回路例などの回路図を掲載て行きますのでご期待下さい

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20. 中川隆[-8854] koaQ7Jey 2019年8月12日 09:44:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3880] 報告

サウンドパーツの真空管アンプ
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音楽を聴くことのみ徹底追究したサウンドパーツのアンプ

≪サウンドパーツの音質に対する考察≫

『音が良い』アンプやスピーカーと言っても「音」に基準など無く、好みが人それぞれで異なる以上「良い音」は無数に在ります

私たちプロとは「買って頂く」立場なので
専門誌の著作のように「音が良い」を毎号どの記事も繰り返す「万人受け」は通じず
一人一人のオーナーが満足されるものを作らねばならない宿命を持ちます

でも著作にはある種の権威づけだけで、事実はアマチュアに飛びついて貰えるような予算の制約などもあるので
実際に本当に音楽愛好者に満足して貰えるようなアンプやスピーカーは作れず、市販キットもその延長線に在ります

コストを切り詰めても、根幹を成す出力トランスなどにはそれなりの予算も必要なので、著作で作るコピー製品には限界があります

一方、AUDIOを自認するにはヴィンテージならマッキン/マランツ/JBL/タンノイ/アルテック
現代ならアキュやエクスクルーシブやB&Wを持たねば何となく他から認められない…との感覚があるようです

つまり日本中に溢れるこれらの機器に大枚を払えば標準以上の『良い音』のハズです

リッチな方ならスグにも揃えられるそれらは、本当に音楽を奏でてくれるのでしょうか

マネキン肌・演奏者は横一列に並んでいるだけ・感情面で伝わってくるものが無い
そんな音楽なら高級ラジカセでも再現できるのです

日頃からより良い音を求めて精進し、多くの方のご意見とかオーディオ仲間からのアイディアにも耳を傾け
無数の実験と時間を経て多数のオーナーのご満足を得られるまでに至ったサウンドパーツの製品

真剣に良い音楽ソフトを聴けば、聴くほどに真価を発揮します

音楽ソフトには今まで聴いたことない部分や表現が含まれていたのです
他の製品との比較される「修羅場」を何百もクリアしてご愛用頂き
今のサウンドパーツが存在しています

一方で専門誌が自作派の「受け」を狙ウ目的だけで作った<直熱三極管>ブーム

古典真空管には職人の魂を感じるような素晴らしいものもありますがそれはコレクターアイテム

何でも三極管なら優れている…と思うのは大間違いで音が淡泊なだけの球も多く
時代の要求で性能を追求して生まれた多極管も用法を工夫すれば実に音楽表現に優れるものがあります

ところが大出力を得る目的で作られた著名メーカー製プッシュプルは往年のマッキン/マランツのコピーばかり…

マッキン/マランツの真髄は「凝った出力トランス」なのですからコピー製品は『似て非なるもの』に過ぎません

しかもアメリカ的発想は性能とパワー競争だけの音楽性を競ったものとは言い難く
何台買い、何台作ろうとも『満足』にはほど遠いのです


サウンドパーツは83年に真空管/パーツ専門店として富山市で創業

32年間のアンプ製作数は1300台も軽く上回り、中でもプリアンプが半数近くを占めます
全ては一人で製作する手配線のアンプ、主力アンプのトランスも経験豊富なメーカーの手になる専用特注品です


画像はプリアンプ<Love Five>フルバージョンの内部です

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茶色いコンデンサーの幅は約30ミリで数年前に生産を終えたPanasonic製アルミ箔型、金属膜がメッキと同じ蒸着型とは音のクォリティがまるで違います

長い経験から音質面で十分配慮しスペースにも考慮した部品の使い分け、カラゲ配線、ハンダも鉛フリーの銀・銅を含む特注品

≪家庭で音楽鑑賞を愉しむのにピッタリの良いアンプをとは……≫

アンプ自作マニアに製作例が多い≪三極管シングルアンプ≫は比較的少ない投資で簡単に作れるので人気が有って当然です

サウンドパーツも『シングルアンプこそ最良の管球アンプ』という三極管シングルアンプに傾倒した時期があり
WE300Bシングルアンプは著名な『91型』回路だけでも130台以上を作りました

シングルアンプは球の個性を試すには絶好であり素直な音質も魅力です

でもアマチュアが「製作意欲」を満足させるための手段としてはシングルが最高でも
メーカーがその音質=楽器や声を本当にナマナマしく=再現させ、音楽リスナーのために作るにはもっと上の質を狙わねば存在意義がありません

他方メインテナンス業務でWEやKlangfilmなど映画・スタジオ業務用アンプの音質にも惹かれるものがありました

それはアンプ設計者・製作者の立場から見た回路や部品、優れた特性への興味もさることながら
「声と楽器」の再生に関して名俳優やミュージシャンを納得させ、一方では聴衆を魅了した音色だったと容易に想像できます

黄金時代の映画界は、例えばMGMではミュージシャンとダンサー8000人を丸抱え…というカネ掛け放題

音声機器にも現代オーディオ界など足元にも及ばない予算を掛けることが許されました

俳優やミュージシャンから『これは私の声ではない』『俺の楽器の音ではない』と言われるような器機は淘汰されます

そんなアンプやスピーカーこそ、特性だけを誇る現代AUDIO製品よりも「声と楽器」をナマナマしく聴かせるのです

サウンドパーツが初期の数年にハマった3極管シングル(SE)アンプ

今は貴方がハマっておられるかもしれませんが敢えて申します

それは
良い性格のトランスと部品で構成さえすれば
家庭で十分なパワーもあり音の立ち上がりやキレも良いものです

つまりシングルアンプは回路が単純で稀少な古典三極管へのこだわりという点では一つの選択肢

但し原回路のヒストリーを考察しないで専門誌の著者の作品や旧泰然とした回路にコダワルと音も『旧い』ものになります

『旧い』の定義とは…中域が充実して聴きやすくゆったりとして声が良い…という程度のもので「当然」です

サウンドパーツの<KR/PX25シングル>は当店唯一の直熱三極管のシングルアンプ
最新技術を盛り込んだ100μコアトランスを採用

シングルはコアの磁化が起きるのでファインメットはフツーの2倍のコア材でも低域では不利

かといってフツーの300〜350ミクロン・コアでは音は鈍重で「情報」として重要な小音量時がまるでダメ

完成品として大きなコスト差の無い100ミクロンコアの採用で低域も良く高域は実に爽やか…


大容量コンデンサーによる電源部

フィラメント点火はスイッチング電源(エネルギーロスが小さいので発熱でも有利)
グリッドチョークによる出力管の長寿化や音質の向上
…そこまで腐心してこそシングルアンプは存在価値があります

ではサウンドパーツのプッシュプルアンプの音質はどうでしょうか

 多くのプッシュプルアンプは音質が「マネキン肌」で演奏者は横に並んでいるだけ…と云う印象

演奏者の意気込みとか臨場感は伝わらず、リスナーはメロディを追うだけになります

原因は…「多重負帰還」・高い動作電圧・AB1級動作・中味のプアなトランス等々…
それらの欠点を知り尽くしたサウンドパーツのアンプは
演奏者の意気込み・奥行き方向に広がる音場表現・微妙なニュアンス・伝わってくる感情…を体感して頂けます

シングル構成のアンプよりも上手く、スピード感でも勝るのです
サウンドパーツの<Pushi-Pull>の音は<自然食>…つまり会話の邪魔にならず音量を上げてもウルサクない

名演奏や歌声に時間の経過を忘れ、アレもコレもと聴きたくなる…気持の高揚があります

 ナゼ他の多くのプッシュプルアンプと差があるのか?
WEモニター用<133A>/Telefunken<V69a>やKlangfilmのプッシュプルを原点としているからです

この2台に共通するのが初段も出力段もプッシュプルで構成する『ダブルプッシュプル』という回路

理論上も歪は極端に少なく、ヒアリングでも奥行きの表現が上手くて大変自然な音色があります

当時の出力トランスや回路技術から負帰還=NFBも軽度に掛けて特性を良くしています
最大パワー付近まで全く騒がしくなくて≪楽器やヒトの声の再生≫が一味も二味も違います

サウンドパーツがご家庭でフツーに使える同じ考え方で同じ回路のアンプを製作するためには
入力反転用チョークと云う部品の開発が必要でした

入力反転チョークを使うとシンプルな構成で特性も音も良いPush-Pullアンプがとても簡単に作れます

サウンドパーツ開発のこの部品は、自作マニアへの方も多く採用され「良さ」と簡単さが実証されています

 ファインメットに代表される新材料トランス・コアや巻線技術、それに使用部品も当時より格段に優れる現在
「良き時代」のプロ機の『思想』はそのままで更に優れたアンプが作れるのです
50年代後半のオーディオ黎明期マランツ・マッキンは「消費者向け」特性/パワー重視の大量生産品

楽器の音と声の再生…と云う観点では明確に映画界・スタジオ用などのプロ用アンプには劣ります

音楽表現に優れるサウンドパーツのパワーアンプは全て『ダブルプッシュプル』NON-NFBアンプです

さらに下記の回路図をご覧ください

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サウンドパーツが2013年春から採用のプッシュプル

⇒プレート固定抵抗がプッシュ用チョークとなり、コレ以上シンプルな回路はない!
新採用のドライバ―段用プッシュプル専用プレートチョークは音の伸び・奥行の定位感と躍動感が素晴らしい

※出力管用GCH-60を固定抵抗にしても有効です

データ上も当然ながら全く歪感の無い音楽の楽しさを実感させるもの
シンプルな回路構成中に唯一<足し算>をしているのが出力トランスへのセンターチョーク

A級動作を完璧にするセンターチョークはWEの技術
今のアンプに生かしても奥行表現などでは有効です


市販プッシュプルの欠点とは

そのほとんどが<リークムラード型>という回路で構成されています

少々解説明が長くなりますがここで判り易くその宿命的欠陥を解説しましょう
パワーアンプは原則として1Vの音楽信号が入った時に最大パワーになるよう設計します

どの出力管も多くの使用例があり、300Bなら60〜80V・EL34なら25〜35Vのドライブ電圧を要します

単純にはアンプの信号入力を300Bなら60〜80倍、EL34なら25〜35倍に増幅してやれば最大パワーに達します

ところが<リークムラード型>は必ず増幅2段で構成しますから250倍〜1000倍もの有り余る利得となり
そのままでは超高感度アンプとなることからNFB/負帰還で前述の必用な倍率まで落します

NFBはアンプのダンピングを良くしたり、特性改善に一定の効果があります
またNFBを掛ける前の「裸特性」が歪みの多いものであってもかなり是正します
実際<リークムラード型>は初段がシングルで、それは歪を生じる要因にもなります

そこで2段目のプッシュプル「位相反転段」で、ワザと逆位相に歪ませて初段と歪の打消しを図っています

でもそれは理想的動作であり、アンプ完成初期だけ完璧に動作しても経年で狂ってしまうのがほとんどです

また安直な設計から元々その歪打消し効果そのものがイイ加減なことも多いのです
しかしNFBは、ほぼ上手く是正しますから大変好都合なのです

では何も云うことは無いじゃないか…オっとそうは上手く行きません
NFBと云う技術には音質からみて失うものも多くあって「交流理論」だけでは成立しないのです

それは「余計に稼いで/多く返す」ために情報量も減ってしまうコト…測定では判らない要素です

「情報量」には奥行きの要素・演奏の周囲の情報・本信号に付随している微信号が含まれています

アンプのダンピング特性が良ければ音の切れ味が良くなる…と云うのはウソです
DF/ダンピングファクターは多ければ良いのではなく、スピーカーとの相性の要素です

例えばウーハに必然の高域カットのコイルを入れたらその抵抗分で計算上DFは大きく落ちます

数値だけが一人歩きする余り意味のないもの、大型スピーカーなら1ケタ台の数値が適正でしょう

結局<リークムラード型>は安直な設計を許す「毒を以て毒を制す」…方法です
NFBは特性の改善に効果的でも≪音を良くする≫…要素ではありません

サウンドパーツの<完全Wプッシュプル>は

初段球に適切なゲインの球を選んで出力管のスイング電圧を得ると同時に位相反転もやってしまいます

初段からプッシュプルですから歪はシングルに比べて格段に少なく、大振幅時ほど効果があります

しかも出力管用グリッドチョークを併用しますので、その磁気結合から得られる特性は
初段のプッシュプル動作に多少の偏差が生じたとしても出力管には均等なプッシュプル信号を送り込みます

多極管の出力管はUL/ウルトラリニア結合として三極管並みの良い裸特性の部分で使っています

初段球には三極管を用いますから、2段構成では出力管との間で歪の「自動打消し作用」も働きます

出力トランスには二次巻線抵抗値の小さなものを特注してDFを適正値にしています
以上からアンプに入力された情報は「何も足さない・何も引かない」的に大切に増幅されています

素材に良い構成部品を選び、動作ポイントを熟慮と経験値から「良い音」を探すのです

その結果は安直設計⇒NFB…とは異なるナマナマしさの溢れる音質となり
歪み成分も少ない大変聴き易いものとなるのです

それは印刷とスクリーンで見る景色が異なるように、奥行きと実在感の表現の差となって表現されます


  ≪Love Music≫シリーズ・アンプ 

パワーアンプは

プッシュプルには≪Love One≫と≪Love Three≫があります

さらに≪Love Three≫シリーズはボディ共通で出力管にPX25/EL34/E130Lの3種や6550/KT88も選べます

≪Love Three≫には現在最高の出力トランス…FINEMET大型コア出力トランスを標準で搭載

奥行き表現に優れた<完全A級・センターチョーク内蔵>モデルが標準です
一聴すれば判る一般のプッシュプルアンプとは全く異次元の音楽表現力を有しています


プリアンプは
最新の≪Love Five≫に至るまで3世代の歴代プリ・ベストセラー製品としてこだわりがあり
プリ製作600台超の実績から≪Love Five≫はサウンドパーツのプリアンプ『最終到達点』と考えています

「LCR型イコライザー」はアナログ盤の再生の最良の方式、心臓部のインダクター(コイル)が他では作れません

CD/DAC用に本格的なバランス入力もある真空管プリアンプも世界中に存在しません

増幅系の入り口に位置するプリアンプ

プリでスポイルされた音はシステム全体からは当然出ないのです

いつもパワーアンプに信号を送り続ける心臓部<ライン部>に高級スーパーパーマロイ・コア出力トランスを採用

真空管たった1段で構成されるので他のプリのような2段NFB型やSRPP出力機とデジタル臭の無さでは段違い

しかも出力トランス方式は出力の低インピーダンス化と真空管の持つエネルギー圧縮化で「力と自然感」を両立させます

サウンドパーツのアンプに他の真空管アンプの「真似」は存在しません
真空管には、真空管固有の音の良い電圧/電流配分と云う重要な要素があります
専門誌の著作の多くも「ベストの電圧/電流配分…」というコトに着目し詳しく述べている例はありません

まして市販アンプの設計を見ると、余りに無頓着で熟慮した痕跡は皆無に近いのです

WE300BとかPX25等々…優秀な出力管がその前段の音を『増幅』している意識が無いとイイ音などありません

サウンドパーツの1200台製作実績と云う圧倒的な経験から得られたノーハウは
「真空管の最良の用法」と電源部への考察です

実際には無用な最大パワーを少し犠牲ににしてでも最適の球のオペレーションで動作させる…

同じ真空管を使っても『真空管アンプはどれも同じ』では決してありません

『音楽を聴く道具』を提供することを絶対の信条としています
≪オーディオ≫はヒトによっては蒐集であり、珍しかったり高価な機器の保有も自慢の対象となります

美しくて希少で高価なものを持ちたい…心理を否定しませんが
音楽鑑賞はリッチな方の特権ではありません

このイズムはサウンドパーツの極めて「原価率」の大きな価格構成にも反映させています

オーディオ・ファンの原点として音楽の再現性を最大の目標としていることだけは変えないで欲しいのです

本当に音楽の好きなヒトが望むものは音楽シーンの再現が限りなく「らしい」こと
製作者自身、音楽を聴くときに「求めるもの」が在って、聴けば好きかそうでないか…の判断は明確で

他に納得の行くものが無いので自身作るほかなく
いつのまにか40年以上自作し、29年以上プロとして追究して来た帰結の製品として現行製品があります

製作者として好きなジャンルはJAZZ60%クラシック40%、楽器ならピアノ・サックス・圧倒的にヴォーカル≪声≫…です

ここ数年前から微力ながら「コレは…」と思うミュージシャンを支援/応援しています


<パワーアンプ>

サウンドパーツのプッシュプルアンプは<Love Threeシリーズ>として3種があります

KR製 PX25

Tungsram  E130L
Svetlana EL34WC

の搭載機を選べます

どのプッシュプルも使用する球の最も「美味しい」部分…つまり電圧と電流配分を優先し、パワーだけを追究してはいません

またE130LもEL34も「ウルトラリニア結合」という裸特性が極めて三極管に近い動作の無帰還アンプで音がイキイキしています
音質面で多極管が古典三極管に劣る…と云うのは専門誌や多くの盲信から出た根拠のない説・流言で
多極管の美点を求めて電圧・電流配分などを追い込み、回路を究めた記事やアンプは無く、サウンドパーツでは
淡泊で美しいことに終始しがちな直熱三極管の音に「豊穣さ」や「色気」を加えた感じを得ています

特にE130Lは東欧で音声用に開発された、特性的にはEL34とKT88の中間的な存在で世界で唯一サウンドパーツだけがアンプとしています

E130Lの呼称は、この球が1万時間の高信頼管であることを表し、音質はEL34の華麗さに低域のエネルギー感を加えたものです

E130Lアンプは僅かな改造でいつでもEL34/KT88/6550などのアンプに改造が可能
EL34のアンプはそのままでKT88/6550に差し替えでき、どのアンプも現在の健康度をテスターでチェックできる端子があります

画像はE130L球 同じボディでKR/PX25もEL34も構築でき、EL34アンプは6550などと無改造で互換性があります


画像は初期出荷のものです

http://www.soundparts.server-shared.com/prodct.html


回路がシンプルゆえにワイアリングも単純に見えます

実際には配置を凝縮し端子板を上手く使っているのでそのように見えるのです
青いコンデンサーは米国Musicap、アルミ箔膜にメタライズを密着させた理想のもので音質は滑らかそのものです

右のコイル2個は<センターチョーク>でA級定電流動作を選択した時に奥行き感や音の明瞭感が加わる独自のものです

最新のプッシュプルの回路がこれ

http://www.soundparts.server-shared.com/prodct.html


<Love Three>には市販アンプには無い≪ファインメット≫コア出力トランスと
100ミクロンカットコア出力トランスのバージョンが選べます

この豪華な仕様からは考えられないお求め安い価格です

生き生きした躍動感とエッジの効いた低域に爽やか高域、何と言ってもナマナマしいのが特徴です

ファインメット・コアは全体を通じての品の良さ・声などの自然感と情報量が最大の特徴

100μ(ミクロン)コアはキレ味と低域のバランスが特徴です

いずれのトランスも創業時からお取引のある<テクトロン>製

他の部品も25年以上の長いお取引先の強い協力体制の下サウンドパーツ製品のクォリティと価格が維持できています


 <Love Three>E130L/EL34> 

新たに開発したドライバー段用プッシュプルチョークを標準装備するバージョンが新価格となりました

<ファインメット63VA出力トランス>

PX25/440000円 EL34/360000円 E130L/370000円

※ドライバ―段に高信頼球E80cc採用…オプション設定6000円高


出力トランスのコアとは…

サウンドパーツのオリジナル出力トランスには最高級と云われる2種のコアを採用しています

ファインメット・コアは約23μ厚のアモルファスを鍛造して焼きなまし18μ厚にしたもの

その結果、更にヒステリシス特性が「立った鋭い特性」となり
応答性が他のコアに比べて格段に優れ、巻線技術でもロスが少なく情報量の多さが自然感を伴います

その表現力と低域表現やツブツブの情報量は目を瞠るものがあります
高価ゆえに、良さを知っていてもファインメット出力トランスを他のメーカは採用しません

サウンドパーツがロープライスで販売しているのでとても太刀打ちできないのです

今までEL34の良さを知らずに軽んじていた方も低域の良さ・楽器と声の再現性の良さに驚かれるしょう

ピアノでは指が鍵盤を叩く「ゴトゴト」とハンマーが弦を打つ音がキッチリ分離して判り
爽やかな高域はペットやバイオリンや声楽も澄みきって伸び伸び表現し、痛快ですらあります

全ての楽器の奥行き方向の存在感・実感を伴うライブの雰囲気は最高です
スタジオ録音では室内のエコー成分と基音とが明確に分離して心地良く愉しい
それはWプッシュプルに<センターチョーク>回路という極めて贅沢な構成を採用した恩恵です

この回路の原点はWE製の旧いプッシュプルアンプですが、現代アンプに採用した例はありません

≪Love Three≫では使用する真空管の「音色の良い部分」を得るための電圧/電流に腐心しています

意味の無いパワー重視や必要以上の特性を求めると失うものも一杯あるのです
逆に言えば、特性とパワー重視で設計されたアンプでは未体験の音質がソコに存在します

サウンドパーツのパワーアンプの表現力の高さは最近急速に認められ、多くの受注を頂戴して「ご支持」頂いております

お手持ちの球やKT88/6550での製作等も特注品としてお受けしております
http://www.soundparts.server-shared.com/prodct.html


サウンドパーツ ホームページ
http://www.soundparts.server-shared.com/index.html

サウンドパーツ 300B プッシュプル・アンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/114.html

21. 中川隆[-8832] koaQ7Jey 2019年8月16日 17:31:24 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3910] 報告
300Bってそんなに音がいいとは


1 名無しさん@お腹いっぱい。age02/09/29 21:24 ID:???

思えないけどな。 癖が多すぎ。
あれを真空管らしい音だと勘違いしている輩が多いんだな。
もっとスカッとした音のほうがいいだろ。
新しいタマを作ってるところがみんな300Bの亜流ってのはどういうわけ?

5 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/09/29 21:56 ID:???

復刻版で91Bタイプ(ただしNO NFB)を作ったけど、低rp の割には低音ボケボケ。
高域も310Aの電極間容量のために18kHzぐらいまでしか伸びず透明感なし。

せっかくの300Bが半ばお蔵入り状態。
2A3 や 211シングルのほうがよっぽどいい。

1さんの言うようにもう少しスカッとした音にしたい。
どなたかよいアドバイスをお願いします。
ちなみにOPTはタムラのF2007です。


6 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/09/29 22:21 ID:???

まぁ300Bはただの高性能真空管ということで。
音なんか目当てに使うもんじゃねぇ。
特に310A−300Bの二段増幅は...
甘くボケた最低な音。


7 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/09/29 22:22 ID:???
>5
とりあえずNFB掛けたら?
それと91B「タイプ」ではだめ。
完全に91Bの回路で。


8 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/09/29 23:03 ID:???
>>6 >>7
NFBは5dBほど掛けたことはあります。
低音のしまりはそこそこになるのですが、高域の透明感は出ません。
いっそのこと310Aを6SL7あたりのSRPPにしようかなと思っています。
91B回路の完全コピーだとハイゲインすぎて使いづらくなりますよね。

9 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/10/01 16:58 ID:???
>>8
減衰器入れたら?


10 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/10/01 18:03 ID:???

75→76→300B は?

11 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/10/01 19:48 ID:???
>>10
 とりあえず結論から言うと...

 3 0 0 B に N F B は 必 須 。

 馬鹿の一つ覚えみたいな雑誌の製作(政策)記事にはだまされませぬよう、呉々も御注意のほどを。
 NFB=害悪と書くというのは、非常に記事を書くのが楽になるのでね。
 悪者を一人立てて、それを叩くというのは、時の権力者が良く使う方法である。

 それとこの回路、浅野先生の回路だね。
 回路図見ているけど、出力トランスをNFループに入れているのがちょっとな...

13 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/10/01 20:51 ID:???
>>11
300Bのプレートから帰還した方がいい?


14 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/10/02 00:03 ID:???
>>13
 そうしたほうが賢明かと。
 ただ、出力トランスには、良質なるものを採用したほうが良いと思われ。
 その音がまるっきり出るので。

 NF量はお好みで、5dB以上適当に。
 あとは各段のデカップリングを厳重に。
 完成後は測定を怠らず、ピークが出たりしたら、きちんと潰すことですな。


15 ギルビーsage02/10/05 22:12 ID:???

近所の2店のうち、1店はNFBを適度にかけたアンプ、
もう1店はNFBをかけると時間情報がメチャクチャになるからとNO NFBのアンプ。

前者はスッキリしたハイスピードで水彩画風、
後者はコッテリした油絵風。


16 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/10/06 18:15 ID:???
>>15
なかなかわかりやすい表現ですな。

ハイスピード/水彩画はWEの本来の音に近そうな感じ。
−−−−−−−−−−−
↑はNFB後のWEサウンドの基本だからのぅ...

時間情報?なんなんでしょうかねぇ...


17 ギルビーsage02/10/06 23:31 ID:???
>>16
WEかぶれなのはNON−NFBの油絵風アンプを造っている店です。

時間情報と言うのは言い換えると(3次元的な?)音場感のことらしい。
歪み低減の為に信号を戻すことで時間情報が狂い、でたらめな音になる
と主張しています。

21 名無しさん@お腹いっぱい。002/10/08 22:02 ID:???
>>17
分かっております。
WEサウンドはNFB技術なしでは作れません。


18 あどばんsage02/10/07 00:19 ID:???
>>16,17
群遅延特性のことでは?
要するに信号をバカスカ?戻してるからある程度の量は残っていく・・・という感じで。

ちなみに私はアドバンスの(昔の)シングルを使ってる。
http://www.advance-audio.com/
http://www.kit-ya.jp/index.php?manufacturers_id=17


トランスはタムラのパーマロイに交換(好音質を目指してます)。
NFBは300BのPから初段へ(多分)電流帰還、と、2段目から初段へ電圧帰還。
量は・・・わからん(^^;
次は電源だ!


19 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/10/07 18:32 ID:???
>>18
トランス替えたり、NFBいじるなら発振器、ミリバル、オシロはそろえた方がいいyo。高域にピークができて、最悪発振してたなんてことがたまにあるから。中古探せば10マソでそろえられる。


20 あどばんsage02/10/07 20:45 ID:???
>> 19
NFBはいじる気は無いです。半導体アンプに比べたら遥かに少ないはずだし。
電源を

現在:大容量ケミコン+小さなL(でも左右独立)+大容量ケミコン
から
目標:大容量ケミコン(これはそのまま)+でかいL+小容量フィルム

に変えるだけです。問題はスペースだな・・・


21 名無しさん@お腹いっぱい。002/10/08 22:02 ID:???
>>20
別ケースで本格的な電源をおつくりになっては如何でしょう。
増幅器の音の半分は電源で決まります。
整流管をご使用でしょうか。それとも半導体でしょうか。
直熱整流管ならばインプットコンデンサは10MFD以下にすることが長寿の秘訣です。
半導体整流器はノイズを出すことが往々にありますから十分ご注意のほどを。


23 あどばんsage02/10/09 22:01 ID:???
>>21
細長い、エレガント?に仕上げられたケースですので、スペースが無く、またそんな狭いスペースにもかかわらず電源はトランスはすべて共通ですが、平滑回路から先は左右独立、300Bのヒーター電源も左右独立です。
で、前のほうはキチキチ。
後ろのほうは・・・電源部が入ってるからノイズバリバリなんだろうなぁ。
スペースが無いので当然?半導体整流です。
しかも半導体アンプを作ってきた人間には???な回路。

せっかく見た目のいいケースなので、あんまりごつくしたくないのです。
まあ、結果的にはトランスの塊みたいなクソ重たいアンプになりそうですが。


24 帝都電蓄堂sage02/10/12 00:47 ID:???
>>23
 製品写真見ましたが、このケースではちょっと拡張きついですね。
 というより、この大きさでよく300Bのアンプが納まったなという感じで...

 一切新規設計なさったほうがタムラ製作所の優秀なOPTも活かせますし、もっと理論的に正しい回路が採用しやすくなります。 やはり、いいものはお金がかかって重く、大きいものです。これは仕方がないことです。

27あどばん02/10/28 20:18 ID:XXIA5gko

今月号のMJのListening Room紹介のページ、N響の人が出てるところ、私のアンプと同型のものが出てるのですが…
http://www.nezu.ms/stereo_11.html

リビングに追いやられてますね(^^;
元のOPTもそれほど悪いとは思いませんでしたが。
やっぱり電源かな。

別箱…いまさら工作をする気力が持つかな…
回路、そんなにおかしいですかね? >>24


28 名無しさん@お腹いっぱい。02/10/28 20:57 ID:4V0CkYAT
>>27
その寝ずとかいう人が、

自分たちがカルテットをやるときには、4人の音が一体になるように演奏するのに、オーヲタはばらばらに聴こえるのを好む、
と言ってたの、ちょっと考えさせられましたね。


31 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/10/28 23:06 ID:???
>>27
いや、あの人はメインでヒノのでかい300Bシングルがあるから、あのアンプははじめからサブシステム用に作ったんだそうだよ。値段を考えれば立派、と評価してたから、そんなに心配しなくてもいいんじゃない? (藁


38 名無しさん@お腹いっぱい。02/11/03 07:45 ID:xaNHwDWf
>>31
逆みたいですよ。300Bのアンプがほしくなったので、手始めにエレキットのを作ったが、トランスに不満が出てヒノのキットを作った、と書いてある。

39 名無しさん@お腹いっぱい。002/11/03 08:26 ID:???

300Bシングルの音って何処か変。
トンネル内で聴いてるような音。
だらしない音。

40 名無しさん@お腹いっぱい。 02/11/03 09:00 ID:???

混濁してると思いますです。


42 名無しさん@お腹いっぱい。02/11/03 12:56 ID:m9i5T/qa

PPにすると混濁感がなくなるということですか?


45 名無しさん@お腹いっぱい。age02/11/03 15:01 ID:???
>>1
WEの300Bを使って言ってるのか?
新品だと7、8万するんだぞ。軍用だとその倍だぞ。
大丈夫か?中国球とかロシア球とかじゃないよな?


47 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/11/03 17:26 ID:???

2A3の方が好きだなあ


49 名無しさん@お腹いっぱい。 02/11/04 14:31 ID:???
>>47
45の方がもっといいぞ。

190 名無しさん@お腹いっぱい。03/02/16 00:30 ID:a8L74x6C

ウェスタンの91Bでジャズ聞いているけど、最高。
2A3も使っているけど こちらの方が音に密度在るね。
300B・・・・・・いいよ
ウエスタン300B聞いたこと在るのか?

50 名無しさん@お腹いっぱい。02/11/04 15:55 ID:ENENSbxs

WE300Bを15年ばかり使って手持ちのアンプの中で一番いいとおもってた
この前ためしにロシアだまを買って差し替えてみた するとどうだフェラーリが三菱ミニカくらいに格落ちの音になった エージングしてみたが、そう変わりなかった
どこが原因でそうなるのかわからんが ウエスタンのオールドか刻印以外は300Bジャ無いぞ もちろん無帰還出ないとトランジスターのような縮こまった箱庭サウンドになるがな 

最近は6550の良く練り上げたアンプの方が朗々とクリアーになるのでそっちの使用が多い しかし300Bのなんと無くほっとする音も捨てがたい
88は寝ぼけたのが多くてだめ


52 名無しさん@お腹いっぱい。02/11/04 16:09 ID:ENENSbxs

小さいアンプはほとんど発振してるぞ トランスいいの使ってるか
ロシアやチャイナは帰還してもだめだぞ
追加


63 名無しさん@お腹いっぱい。 02/11/05 20:21 ID:???

プッシュプルの出力管の一方を抜くと、劇的に音が良くなることがあるらしい?!


64 名無しさん@お腹いっぱい。age02/11/05 21:56 ID:???
>>63
おいおい、ネタもいいかげんにしないと玉ヲタクはドキュソが多いから本気でやっちゃう奴が
湧いて出てきちゃうゾ(w


66帝都電蓄堂sage02/11/06 00:09 ID:???
>>64
 確かに球アンプ、というか自作派は、えてして電気の知識がない方が多いですな。
 某管球**の上杉などはその典型例かと。まぁ、**は地獄とでも入れておくか。
 ああいう方には去って頂いて、正しい知識のある方に色々と記事を書いていただきたい。  あんな不逞な輩が記事を書いているから、自作派は、インチキ呼ばわりされつづける。


68 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/11/06 03:12 ID:???

上杉などはその典型例とは?本当にそんなでたらめ記事書いてんの?


69帝都電蓄堂sage02/11/07 22:30 ID:???
>>68
 定格を無視し、時代背景を無視し、安全性を無視し、読者に誤った知識をすりこんでゆく。
 これらを無視することは、最後には製作した方の財産や安全を危険にさらすことになります。 電気の知識を与えないで、またその知識を学ぶ必要を明示しないで製作記事を載せ、「初心者にも楽に作れる」とは言語道断であります。

 この電気の知識を軽視した態度は、ゆくゆくは音質改善の知識を失わせ、読者に不利益を与えるものであります。 きちんと正しい知識を普及啓蒙するべき出版社・執筆者が、この有様とはまったくもって情けない。
 まぁ、正しい知識をもたれると、何かとまずいことでもあるのでしょう。
 まず、あのような古典的な球にはそれなりの使い方があるのです。時代時代の回路の変遷があるのです。これをまずはできるだけ正確に理解せねばなりません。
 また、その回路で組まれた機械の使用部品にも、配線方法にも、配置にも、全て意味があります。
 それらの真意を汲み取り、設計に活かさないことには、いい結果が取り出せるわけがありません。
 技術は積み重ねです。基礎が出来ないうちに応用をやるのは無理です。デッサンが出来ない人にきちんとした絵がかけないのも同様です。きちんと理解したらあとは自分の解釈というのがあります。これには何十年も掛かることでしょう。

 私は、あえて上杉のアンプが好きな人を否定しません。主観が入りますから。

 その人は「今」その音色が好きなだけであって、その機械が好きなだけであって、世界の一級品に触れれば、一回正しい整備状況の音を聞けば、固定観念や妄想にとらわれ、あるいは余程に音楽センスがない方でない限り、私の言っていることが判ると考えるからです。


74 名無しさん@お腹いっぱい02/11/24 18:44 ID:RlVAdezh

AIR TIGHTのATM-300 買った。
http://www.airtight-am.net/products/atm300.html
http://k-d.jpn.com/audio/ATM300/ATM300.html


自分的には文句なしだった。 
不満というと、(元が悪くても)何でも気持ちのいい音になっちゃうだよね。
AUDIO的には正確ではないのかも


75 名無しさん@お腹いっぱい02/11/24 19:01 ID:WLR7uRYl
>>74
初段の真空管をいいものかえるともっといい音しますよ。
ATM-300のOwner's Manualの写真ではMullardが刺さっています。
初期の音決めはMullardで行なったと思われます。


76 名無しさん@お腹いっぱい02/11/24 19:20 ID:RlVAdezh
>>75
ECC82はTELEFUNKENとGEはもってるんですが、
ついているSIEMENSも悪くないのでは思って換えてません。
今度試してみます。MULLARDはなかなか売ってないような?


77 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/11/24 23:49 ID:???
>>76
Mullard の CV4003 なら

アムトランス
http://www.amtrans.co.jp/index.shtml

とかでも普通に売ってますよ。高いものでもないし。


78 名無しさん@お腹いっぱいsage02/11/25 01:47 ID:???
>>76
>ついているSIEMENSも悪くないのでは思って換えてません。
私もSIEMENSなんですがそろそろ違った音も聴きたくなってきました。
77さん紹介のCV4003を試してみようかな。
この手のMT管ってまがい物が多いって聞いているので心配だな。
CV4003に関してはそんなことはないのかな?「このオークションを見ろ!真空管編 」の”真空管@30代 ”さんに鑑定してもらえたら即買うんだけど。


79 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/11/29 20:45 ID:???

2〜3年前に買った、S無線の300Bシングルキットを使っています。
球はCR製です。
「カラッ」とした音色で、女性ボーカルとアコースティックギターはイイ感じです。
しかし、艶やかさ、滑らかさが足りません。
球を他のメーカーに替えると変化が有りますか?


80 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/11/30 13:22 ID:???

やはりWE300bを試されてはいかがでしょう。わたしはWE300bしか知らないのでなんともいえませんが、WE社の高い評価は伊達ではないと思います。
Googleで「we300b」を検索すると日本語表示だけでも多くのサイトがヒットします。ご覧になられてはいかがでしょう。
今ヤフオクでWE300bが出品されています。ヤフオクの場合自己責任になりますが、価格と写真を見る限りではお買い得だと思うのですが。よく調べられてはいかがでしょうか。


83 名無しさん@お腹いっぱい。sage02/12/06 23:27 ID:???
>>79-80
三栄無線(ですよね?)は知りませんが、

サンオーディオのWE300Bシングル
http://www2.big.or.jp/~sunaudio/

を聴いた限りでは、やはり軽快でパワフルだけど艶とか滑らかさはあまり感じられませんでした。
そういう方面は2A3の方が得意かもしれません。


103 名無しさん@お腹いっぱい。  03/01/10 21:31 ID:???

TU873や8730
http://www.elekit.co.jp/product/54552d3837334c454949
http://www.elekit.co.jp/product/54552d38373330

では300Bらしさは味わえないのでしょうか?
WEの球なんか付けたらもったいないのかな?


104 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/01/10 22:00 ID:???

どうせなら、OPTに3倍の金をかけたアンプに挿してください。


105 名無しさん@お腹いっぱい。   03/01/10 22:36 ID:???
>>104
たしかにエレキットの弱点はOPTでしょうね。
もっとも8730は以前より広帯域化したような話ですけど。


84 名無しさん@お腹いっぱい。02/12/07 02:41 ID:Cu2NvFSZ

友人が、WE300Aのアンプを持っているんだけど、めちゃくちゃいい音だったよ。
WE300Bと比べると(差し替え可能。比較試聴)、さらにソリッドに切れ込んできて、リアルさが増す感じだった。
でも、もう売ってないらしい。つーか、ほとんど出回ってないと聞いたよ。

108 8730ユーザsage03/01/20 23:05 ID:???

やはり大音量では音が歪みまくるなあ。
現用SPの能率は90dBだけど、もっと高能率なスピーカーが欲しい・・・


109 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/01/21 00:16 ID:???

エレキットのやつって,バイアスがあんまりジャストじゃないんだよな
どうしても非対称クリップが出やすい
まあ,無調整じゃしょうがないが


110 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/01/21 07:03 ID:???
>>108
聞きたい音を出すスピーカーの能率と部屋の大きさから、必要なパワーが割り出せて、それにあわせてパワーアンプを選ぶんじゃないの?

ま、そうは言いながら、ワタヒもアンプの小パワーにあわせて高能率のSPを探しているんだが(^_^;)


126 名無しさん@お腹いっぱい。03/01/30 12:32 ID:tC6csr1M

シングルで さし替えるだけで300Bの倍ぐらいでる質のいい出力管があればいいけど なかなかないね


127 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/01/30 12:40 ID:???

何が倍なんだろう?
ノイズかな? 歪みかな?


128 名無しさん@お腹いっぱい。03/01/30 13:30 ID:rhr/8Sm/

300Bと差し替えはできんけど、WE205Dはいいぞ。
300Bなんか問題にならん。


129 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/01/30 19:56 ID:???

一番きれいな音だと思ったのは45


132 名無しさん@お腹いっぱい。03/01/31 12:58 ID:pfqyxNhL

45も良いですね。とっても可憐で清楚な音がします。
45にはナス型の245があるのも魅力です。
245は音良し、姿良し、ですね。


133那須vv03/01/31 17:10 ID:???
>>132
そうですね。
45の方が清楚な済んだ音がしますよね。
それに比べたら300Bはコテコテ厚化粧です。
それに300Bに比べ背が低いからタンゴのトランスと並べても釣り合いがとれる。
でもパワーは300B、入手容易なのも300B。


134 トマト03/01/31 22:07 ID:RXEDPifd

今使ってる300BはCRのものですが、スベトラーナを使ったこともあります。
スベトラーナはサラッとした音でした。ただし数百時間でフィラメントが断線しました。あとで知ったのですが、こいつの超単寿命は有名だったらしいです。どうりで価格がぐんぐん下がって行った訳だ。
EHがこの音の傾向を引き継いでいるのなら使ってみたいですね。

137 13603/02/01 09:35 ID:MO1tU1Q/

スベトラーナって、どんな問題をかかえているんですか?
購入検討していたので、とても気になります。


138 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/01 16:48 ID:???

一定時間使うとフィラメント断線するという事故が頻発したと聞いた。
最近のものは問題ないらしいけど。


141 フジオ03/02/08 14:34 ID:cu3SMCio

300Bって、1本5000円くらいまでなら使っても良いけど、1万円を超えるんなら 801AとかVT-4Cを使った方が全然良い音が出ますね。ましてや、中国やロシア製の駄球で数万円するのを買うってのは、ブランドモノのバッグを買うバカOLと同じですね。

この球を誉めているのは、伊藤氏とか浅野氏とか新氏とかコンコルド氏あたりで、武末先生ははっきりとバカにしていましたね。


142 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/08 15:39 ID:???

新品の300Bを買う奴は、バカ。


143 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/08 16:00 ID:???
>141
故伊藤氏は最高の音とは言ってないけど、簡単な回路で良い音が出て長寿命で信頼性があるから使う。6BQ5PPも良い音と言っている。
故浅野氏や新氏は300Bに固執しているライターではないが、今更300Bの悪口は書けないでしょ。300Bと2A3は王様と女王だし(笑
佐久間氏はファッション(爆

故武末氏が1番信頼できる。早くからリップルフィルターを入れたTR安定化電源を入れていたし、何度もブラインドテストをした。結果、作り安い球かどうかは別として、そこそこのデータに仕上がった物は球の種類が違っても、さほど音は変わらないそうだ。

ラ技の那須氏も回路とトランスが音決めの決定権を持っていると言っていた。

イントラドライブの高圧送信管(言われるVT62や211等)を聴いた後では300Bですら音がかったるい。50が良いけど入手難で高い。


144フジオ03/02/09 18:30 ID:USbrNeqp
>>143
武末先生の原稿から引用します。

ラジオ技術98/12月号
「今回WE-300Bを使用するに当たって、まるで映画の『忠臣蔵』みたいに、300Bと名がついていればお客は納得して呉れるブランド指向をこの際見直して欲しいと思います。 プロ用などの高度の信頼性と超寿命を求めなければ、相当管はいくらでもあるのですから…。」

「(無帰還アンプの場合は)結論的に言って、300Bの特性に特に音を美しくするという根拠はほとんど見あたりません。むろん当初から音声再生用として設計された出力管ですから、WE社としては様々な工夫をこらしたであろうことは想像されます。しかし たとえば出力管の直線性という点から見ると、211や845などの送信管の方がはるかに優れています。」

「300Bの価格と名声を裏付けるものは、アマチュアがアンプに使って音が良い悪いのといった次元の話ではなく、真空管としての高い信頼性と超寿命の点にあるものと考えます。」


ラジオ技術75年2月号
「…300Bなどを最大規格で使用することに、寿命や信頼性の点で余りに臆病に考える態度は承服できません。というのは、われわれは国産の真空管でシングル・アンプを作るばあい、最大規格(設計中心)で使用することに何の危惧も感じません。そして、そのために寿命や信頼性が問題になることもまったくありません。そこでもし、ウエスターンの真空管が最大規格で使えないというのなら、国産のタマより信頼性が劣るということになりましょう。国産の真空管の数倍の価格は、少々無理をしても参らないというメリットなのか、それとも骨董品的価値なのでしょうか?

むろん昼夜連続運転する業務用機器や昔の映画館の映写室などの劣悪な保守状態を考えれば、設計にも特別の配慮を必要としますが、たかだか週に何時間ぐらいしか聴かないアマチュア用機器に、特殊な業務用の基準を持ち込む必要はないはずです。」

管球の王国の住人に読ませたい文章ばかりですね。真空管アンプを組もうとする人にとって、ラジオ技術社から出版されている武末先生の著作は必読書ですね。管球王国やコンコルド氏の著作なんて読まなくていいよ。

オリジナルのWE-300Bでアンプを組もうとするなら骨董品的価値もあるでしょうが、中国やロシアのタマじゃ意味がないですね。中国やロシア製の模倣球に使うお金があるのなら、武末先生の本を買いましょうよ。

というわけで、>>1さんのおっしゃるとおり。


146 名無しさん@お腹いっぱい。03/02/09 19:43 ID:NBXXGisu

武末は才能がないから、どんな球を使っても似たような音のアンプしか作れない


147 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/09 21:54 ID:???

盲目的な信奉を他人に押し付けるのはヤメたほうが良い。


148 名無しさん@お腹いっぱい。03/02/11 22:00 ID:AmYS8gcY
>>146さん
おお、武末氏をそのように評価する人に初めてお目にかかりました。
確かに、彼の書いた記事には「評価アンプと音質の差は判別できない」と文句が盛んに出てきますが、それは彼にアンプ作りの才能があるからだと思っていました。ちょっと驚き。

>>147さん
武末氏のアプローチは文学的なものではなく科学的なものですから、検証可能性があるということで、盲目的な信奉じゃないと思いますが...
文学的な表現を極力排除しているところなんて、佐久間氏の対極にある態度だと思うんですけどねぇ...


149 14603/02/11 22:09 ID:zTUxVN2O
>>148
いまからでも遅くないので、気づいてください。
彼は所詮、工業高校のしがないヒラ教師。

152 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/11 23:33 ID:???

多分、武末さんは音のこともわかっていたんだろうけど、あえて書かなかったのだろうと思う。 それを言い出すと、実験を元にした論理的な文章から逸脱してしまうから。 でも、あまり目立たないようには書いてます。

300Bシングルでは「結構美しい音」であるが、それが「かなり大きいひずみ」によって引き起こされており「試作機はでき損じ」としています。

同じ回路構成でDA-30に変更され、ひずみは減少し、音質はほとんど同じで「気のせいか堅くてしまった音がする」と言っているのは、学者の良識で、

”300Bがボケた音がする”

と言いづらかったのではないかと思います。


300Bプッシュプルでは2次歪みこそ減少したものの、

「これだけ費用をかけて、設計と調整に念をいれても出てくる音は”ごく普通の音だ”」

と書いています。
逆にかなり気に入っていたのは801Aシングルあたりではないかと思います。


153 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/11 23:40 ID:???

武末さんはそれでいいけど、武末マニアはそれを検証したのか、と言いたい。武末が気に入った音をお前も無批判に気に入るなら、佐久間のタワゴトを信じているトンチキと大差ないでしょ。


154 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/11 23:41 ID:???

実際に91アンプと801Aアンプ使っていますが、801Aの方が音が良い。
個人的な好みではなくて友人達の評価も含めて。

155 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/11 23:47 ID:???

だったらまずそこを立脚点として論旨を展開すれ。
武末の問題ではないだろ。
なぜお前およびお前の周囲は801Aシングルを良いと判断したのだ。


160 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/12 21:09 ID:???

>>155よ、むきになるな。 バブルはとうの昔に崩壊した。
300Bとて永遠に儲かるものではないのだ。
それでもJBLの4344のように、いまさら欲しくはないがかつての憧れとしてオーディオの歴史には残ることだろうよ。


164 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/12 22:23 ID:???

武末さんは、一見音がよくても測定した特性に難があればそこに踏みとどまらず、もっと高い次元のアンプ作りを常に目指していた。 武末さんにとっては300Bも通過点のひとつに過ぎなかった。
しかし、商売でやってる人にとっては、踏みとどまっていてくれる人が多ければ多いほど美味しかった。 そろそろ停滞期を終えて、新型の小型送信管あたり、作ろうというところはないのかね。


165 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/12 23:17 ID:???
>>164
測定って言うけどさ、300Bなんか測定したって大した結果出ないよ!
特性に難があるってどんなこと?
球アンプである以上、測定結果になんか左右されるべきではないのでは?
もちろん異常発振や、設計出力が出ないとか特性以前に動作に問題があるならいざ知らず。良い特性を目指す香具師には球アンプなんて作らない方が良いし、回路的に完成されつつある球アンプに特性なんて事を言い出すほうがどうかと思うぞ!


166 名無しさん@お腹いっぱい。edgayoi03/02/12 23:32 ID:???

300Bは見りゃわかるが、バタフライステムのうえに内部構造が弱い。 そのうえヒーターが長くてゆるゆる。ギターアンプのサスティーン用バネみたいなもんや。だからわんわんしてキレもない。あげくにヒーターが中点から出てないから片光りしてしまう。

伊藤爺が良いと言っているのは所詮コンシュマー用途ではない、WEの超高能率なレシーバー(ドライバー)やウーファー(ジェンセン社製)でのシステムでの話しや。

801Aが音が良いというのは今始まった話しではない。マニア間では高電圧、低電流管はトランシェント(キレ)が良くて音に浸透力があると言われていた。逆を返せば6G−B8なんてのは組んでも解体され続けてるやろ。
801Aは造りも強固や。送信管で使われ方が半端じゃないからや。
インターステージトランスでドライブされた801A(VT62)に対抗出来るのは300BではなくてRCA50とみんな思うてる筈や。
801Aは市場でだんだん見かけなくなってきた。VT62でさえ、昔は1本2500円だったのが1万円では買えなくなった。


167 名無しさん@お腹いっぱい。03/02/12 23:37 ID:E1p/i6/u
>>165
おっしゃるとおり、300Bはその価格に見合うほどの良好な特性は持ってないです。


170 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/13 00:08 ID:???

特性に難があると言うのは、回路を電気的に最適な設計して、ちゃんと測定した上でひずみが多いということですね。


171 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/13 00:19 ID:???

300Bは回路でひずみを減らせばつまらない音になってしまうが、直線性がよく、作りが頑丈な小型送信管では小ひずみでクリアな音が楽しめると言うことですね。


173 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/13 19:59 ID:???
>>170
ヴァカモノ!
電気的に設計してどうすんだよ?使用目的が違うぞ!


174 03/02/13 20:48 ID:???
>>170
そうだよ機械的に設計するんだよ。


175 名無しさん@お腹いっぱい。 sage03/02/13 22:14 ID:???

実家に親父が作ったVT62=801A?アンプがある。
構成はVT62-トランスドライブ(2:1)-75という構成。
電球のように光るこの球のアンプは実に綺麗な音を出す。
内部抵抗は少々高くて使いづらいが、VT62、VT25、211、845などの球はいいと思う。


178 名無しさん@お腹いっぱい。03/02/14 13:09 ID:NQv2U9ha

801や211はチャラチャラした軽薄な音色で好きになれなかったなあ。
音は綺麗なんだが、軽薄な感じが付きまとうんだよね。
845は結構充実した音色だったが、WE300Bに比べると、大げさなアンプになった割に、得るものが少ない感じ。
実用的なサイズ、出力で音も良いアンプをとなると、WE300Bは好適だと思う。

179 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/14 21:39 ID:???
>>178
まぁー何というか・・・
出力の点なんてあんまり関係無いと思うんだよね。
そりゃ、体育館クラスの部屋ならともかく、20畳程度ならSPの能率にもよるけど、5W程度あれば十分でないかい?
そこでよ、真空管アンプをどのような位置づけとするかだね。

その1、機能性最優先でデザイン無視!
その2、音も重要だが見た目も重要!

って事に大別されるとしたら、300Bって801Aとかのトリタンフィラメントと比べたら、圧倒的にビジュアル的に良くないね。
大体、興味の無い人間に300Bなんか見せても、ろくに光ってないし大した球じゃないと思われるのがオチ。それに比べてトリタン球は、 光ってる分ビジュアル的には激しく◎!
機能最優先なら、EL34なんかでも300Bと同等かそれ以上の音出せるし無理して金出して300Bにこだわるのは巷にあふれている300B信仰のせいだろう?
雑誌とか見ても、300Bの製作記事多すぎ!
どうよ?


180 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/15 14:39 ID:???

>>178 801や211はチャラチャラした軽薄な音色・・・

どんな設計・作製やら(藁


182 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/16 00:04 ID:???

300Bはバイアス深くて、前段を無ひずみで振るのが難しい。
どんな球で振ってますか。


183 名無しさん@お腹いっぱい。03/02/16 00:07 ID:vq605Eg7

たかが97Vで何をイッ取るか!
この軟弱者め


191 名無しさん@お腹いっぱい。 03/02/16 00:41 ID:Xhv4In/M
>>183
約100V。。。たしかに一本で振るのは大変だなぁ。
300Bにトランスドライブはイマイチ合わなそうだし。
12Aのような出力管で振るのはどうでしょう。やったことないんだけど。


185 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/16 00:12 ID:???

STC 4300B 使ってみな。すっごい艶っぽくなるから。


189 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/16 00:27 ID:???

5極管1本で振るか、3極管2段増幅かな?


193 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/16 00:47 ID:???

出力管で振らなきゃならないというところが300Bのもうひとつの欠点
プラスに振り込めればやる価値はあるのだけれど、
あの球はプラスの領域ほとんどないから発振するかも。

194 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/16 00:49 ID:???
やりにくいけど、電圧増幅管で済ませたい。


196 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/16 12:09 ID:???

300Bやりにくいな。


197 名無しさん@お腹いっぱい。 sage03/02/16 14:02 ID:???

使いにくさで言ったら送信管の方が上だけどね。


198 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/16 15:08 ID:???

70mm〜80mmも流さなくてはならないところがさらに面倒。
インピーダンスが低い分、電源の影響大。


200 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/16 16:02 ID:???

アウトプットどうする?

208 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/20 13:36 ID:???

10年程前にNL−50という球が売られてさ。
6.3V点火か7V点火かで多少議論をよんだ球なんだけど。
名前は50なんだけど実際は300B寄りの球で、セトロン製か閉めたWE工場の冶具で造ったらしい。
WEは工場を2〜3箇所もってたらしいよ。
ただし販売商社はナショナル(NL)。
実はこれが高真空で300Bよりも音が良いわけよ。
店や製作ライターが青ざめたけど300Bより良いとは書けない(笑
所詮この世界はこんなもの。カルト。


209 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/20 15:28 ID:???
>>208素人。
NL50はRCA50とは別物だが、300BよりRCA50の方が数段音がいいのは、通の間では常識。


211 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/20 17:13 ID:???
>>208
セトロンかWEかはバタフライの上端みりゃ判るんだよ。
REプリントで騙されないようにな。WEはまったいら。
波うってりゃ偽物。


213 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/21 11:23 ID:???

何方か松並さんのEF37-300Bを作られた方いらっしゃいますか?
もしくは、EF37ってどうなんでしょう?


214 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/21 21:13 ID:???

6SJ7と一緒


215 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/21 21:28 ID:???
>>213-214
正確には、6SJ7の前身でトップグリッド球。
がしかし、通ならEF39を使うw

223 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/25 08:28 ID:???

漏れの300Bはセトロンですが、電源投入時にハムが出ます。
WEとか他のメーカーの球でも出るんでしょうか?
出るのであれば何が原因ですか?
因みに漏れは直流点火してます。

224 名無しさん@お腹いっぱい。age03/02/25 18:35 ID:???
>>223
そりゃ普通だ。


228 03/02/26 20:57 ID:0K5ILgKi
>>223
電源投入直後だけハムが出るんですか?


233 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/27 10:59 ID:???
>228 
そうだす。WEも出るよ。


234 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/27 22:14 ID:???

タンノイのスターリングっていう小型同軸でバロックや小編成室内楽を
聴いてるんだけど、虎の子の300Bシングルは「気合を入れて聴く」とき。
「BGM」には6BQ5シングル。

ところが、友人は絶対6BQ5のほうが良いというので困る・・・
制作費は24万対4万なんだが(藁
来る度にそう言うから俺も最近はそうかも・・・と(爆

237 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/28 01:17 ID:???
>>234
どんな回路なのか詳しく教えて呉れないか?


238 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/02/28 05:24 ID:???

WE300Bは一般に言うところの91アンプ型。
310A−300B−5U4G
トランスはタムラPC3004−A4004−F2007。
やっぱり274A(B)じゃなきゃダメかな?
出力トランスがプアすぎたのか。

6BQ5アンプは'92年初版のラ技社「真空管アンプ24種」那須好男著より。
前段6AQ8。カソードNF使用。トランスはPH100−H5S。
ダイオード整流を整流管に変更。出力5W。凄いスピード感がある音。

おそらく自分の耳が悪いと思われる。ん、絶対そうだ。でなければ
WE300Bに悪い(笑

240 237sage03/02/28 13:15 ID:???

あぁ予想通り。
その回路は邪道です。6BQ5に負けて当たり前。
まず、最初に、実習だと思ってWEの91型回路に組んでみてください。
そしてOPTはもっといい物を探しましょう。
AFchのA4004はインダクタンスが低すぎるので、20Hくらいのものにしてください。整流管は80がお奨め。5U4や5R4なんかよりよっぽどいい音するからお試しあれ。¥0.5−3k程度。
但し茄子は耐電圧が低めなので、STの最末期の製品にすること。
PIVは1400Vなので、450V程度は軽い。
電流が足りなければパラにする。その際は各プレートに100ohm程度の抵抗を入れること。

250 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/03/01 12:43 ID:???

91型アンプの音が良いという聴覚障害者の言うことなんか聞いてはダメ。


252 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/03/01 16:01 ID:???

91型で300Bは振りきれません。
低インピーダンスの3極管もしくはトランス結合が有効。
トランスも大電圧だと帯域が狭いから結局3極管が有効。


256 名無しさん@お腹いっぱい。03/03/03 15:02 ID:9WgCcaGs

WE91B信者の多くは、実はオリジナルが、 ハイゲイン・高帰還アンプであることを知らない。


257 名無しさん@お腹いっぱい。sage03/03/03 17:03 ID:???
>>256
普通に当たり前では...
負帰還はベル研究所の発明でつ。
回路図見ればわかるし。
ただあの負帰還と後年の負帰還はニュアンスが違うといってみるテスト...


258 25603/03/03 17:07 ID:YPDxHKYh

WE91B信者の多くは、実は当時310Aの方が300Bより、7倍も高価だったことを知らない。
http://hifi.denpark.net/1033302255.html

22. 中川隆[-8831] koaQ7Jey 2019年8月16日 17:35:11 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3911] 報告
300Bシングルアンプに最適なスピーカー


Western Electric 300B プッシュプル・アンプ WE-86B
出力 20W, 周波数帯域 40〜10000 Hz

Western Electric 300B シングル・アンプ WE-91B
出力 9W, 周波数帯域 50〜 8000 Hz


WE-86B のレプリカ

Sunvalley SV-86B (オリジナルとかなり違っています)
http://ustation21.jp/ghtm/2262.htm
http://blogs.yahoo.co.jp/izumikta/24020429.html
http://blogs.yahoo.co.jp/izumikta/24020757.html
http://score1204.exblog.jp/16178874/
http://score1204.exblog.jp/16182873/

WE-91B のレプリカ

@ P&C Electronics WE91AMP (正確なレプリカです) 
http://www.pandcamp.com/wepartamp/we91kit.htm
http://www.pandcamp.com/ampkit/ampkit.htm

A Sunvalley LM91A (オリジナルとかなり違っている様です)
http://www.youtube.com/watch?v=TXGrsg1NC4I
http://multi845.exblog.jp/16213149
http://multi845.exblog.jp/16440436/
http://score1204.exblog.jp/17723612
http://score1204.exblog.jp/18068006

B Sunvalley SV-91BIII (オリジナルとは全く違っています)
http://www.kit-ya.jp/product_info.php?cPath=86_87&products_id=667

1 :4300B:2010/11/26(金) 16:21:54 ID:koPCZc22

ヴォーカルからフルオケまで。


20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/06(月) 21:54:27 ID:OlRxFuIM

300Bシングルなら大昔のフルレンジだろな。

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/27(土) 15:13:41 ID:XYfOxmDh

WE 755、ローサー、Axiom 80、P-610辺りだな
WE 555等のドライバー用には却下


ウェスタン・エレクトリック WE 755
20cm フルレンジ
インピーダンス:4Ω
周波数特性:70Hz-13kHz
出力音圧レベル :92.5dB
http://www.youtube.com/watch?v=KV5dMlmW2tQ
http://homepage3.nifty.com/western/audio/we755a/we755a.htm
http://www.soundbase555.com/product_top/755a.html
http://www.westernlabo.com/73_2515.html


ローサー TP-1 BZ1 (ユニット PM-6A×2)

PM-6A
20cm ダブルコーン フルレンジ
インピーダンス 8 or 15 オーム
再生周波数帯域 30〜20,000Hz 
出力音圧レベル 98dB 
http://www.utopianet.co.jp/product/import.html
http://www.lowtherloudspeakers.com/
http://www.lowtherloudspeakers.com/a-series.html
http://www.utopianet.co.jp/product/import.html#lowther
http://www.kawaguchiaudio.com/index.php?option=com_content&view=article&id=7&Itemid=3
http://www.anc-tv.ne.jp/~suzuki3/sp_lowther/sp_lowther_hoon.htm
http://www.sum-tech.co.jp/audio/speaker/

GOODMANS Axiom 80
24cm ダブルコーン型フルレンジ
インピーダンス:15Ω
再生周波数帯域:20〜20,000Hz
出力音圧レベル 97dB
http://garrard301.exblog.jp/11138738
http://blog.goo.ne.jp/kuiren/e/0456de7031bd22c3e17d4345bb6de382
http://audioagent.wordpress.com/2011/04/30/goodman_axiom80/
http://www.geocities.co.jp/MusicHall-Horn/3384/audio/favorite.html


DIATONE P-610
16cm シングルコーン型フルレンジ
インピーダンス 6Ω
再生周波数帯域 80Hz〜10000Hz
出力音圧レベル 97dB
http://audio-heritage.jp/DIATONE/unit/p-610.html


ウェスタン・エレクトリック WE555
http://homepage3.nifty.com/western/audio/expr2023/expr2023.htm
http://www.otono-edison.com/original/speaker/oogata.htm
http://www.gip-laboratory.com/seihinn555.html

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/24(火) 19:50:11.51 ID:fnal2Wca

300Bシングル + アキショム80
でエレガントに鳴らす。 ふわっと漂うがごとく軽やかに。
それしかないでしょう。 クラはもちろん意外とジャズもいける。

低能率SPに高域に変な味付けして、いかにもな厚化粧の最近のSPに辟易。小音量だとトロくてどうしょうもない。


4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/27(土) 16:27:37 ID:IYoOq5nQ

Axiom 80、死ぬまでに一回聴いてみたい。

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/23(日) 15:52:08.69 ID:rOIZFTKg

axion80純正箱入り
エンクロージャーを樽にしたローサーPM6

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/20(木) 19:27:51 ID:x/AlEPXH

ローサーなんか合うんでないの?


61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/21(金) 17:55:06 ID:I3m+HUFS

ローサーて今でも新品が手にはいるかなー。
昔、ピアノの立ち上がりが素晴らしいとの評判でしたよ。


64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/22(土) 21:05:08 ID:vKUN2u5q
>>60
いいねぇ
TP-1なんてほしいねぇ

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/22(土) 21:08:31 ID:xfni92nl
>>61
ローサーの輸入はユートピアがやっている。
でも伝統のAシリーズしか輸入してないみたいね。
それも20cmユニットだけで六半ユニット(16cm)は輸入してないみたい。
個人輸入で入れてもらえるかもしれんけど数ヶ月以上待ちパターンかな?

上位機種のEXシリーズやDXシリーズはレアアース使用でなかなか、ぼくも興味はあります。


67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/23(日) 13:22:03 ID:MQaJWdZ7

ローサー現在でも買えるのですねー。機会があれば一度ぜひ聞いてみたいですね。


156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/09(金) 12:01:45.23 ID:TT7zVo5L

300Bシングルアンプの音って良いですねー、もーこれで仕上がり。

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/28(日) 10:36:42 ID:YCQjsote

なんで、みんなフルレンジなの?


7 :3:2010/11/29(月) 01:32:07 ID:eIO5Y/AD

シングルだと帯域が狭く歪みが大きいからフルレンジの方が相性が良い

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/12(日) 17:45:56.37 ID:TjzpnoCO

15000ヘルツ位しか出ないスピーカーは現代ではナロウレンジで物足りない


118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/18(土) 23:54:39.54 ID:jE7ST/26

聴こえないって。


119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/22(水) 02:53:11.84 ID:tQf9Fv5w

オレも15kHzは聞こえない


123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/23(木) 12:05:12.36 ID:jugBptmJ

15kHzが聞こえないのはご老体だと思う
20kHz以上のでるスーパーツイーターは人間の耳に聞こえない
だが、効用ありとの見解も聞く
わからんが、聞こえない音に意味があるのだろうか

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/25(土) 09:06:31.16 ID:i05gwQiL
>>123
高調波(倍音)は音色の違いに関わってくるぞなもし。


128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/25(土) 14:30:59.39 ID:ExUt2P8I

超高域が中低域と同じような聞こえ方をすると思ってるバカが多いよな。
あれは、たとえるなら、
プラズマイオン発生器のような感じ方のする音なんだよ。

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 23:31:29.64 ID:+4J37b61

フルレンジを入手するにも、現行だとよさげなの無いんじゃない?
ビンテージユニットだと程度良いのが余りない。


307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/22(日) 13:42:01.18 ID:oE1OVLU9

フルレンジだと抑えがきかないし限界があるので、厭きてしまう。
で今はEMIを使っているが、あまりに味のある音がするので
もっといいアンプあるかもと・・・


312 :307:2012/01/23(月) 19:07:55.92 ID:gngjDYce

我が家はEMI DLS529

EMI DLS529
フルレンジ+トゥイータの 2ウェイ・3スピーカー
インピーダンス    : 4Ω
http://www.youtube.com/watch?v=HeH94qDDrwE
http://kodo-alma.blogspot.jp/2011/12/emi-dls-529.html
http://vintage-audio.jp/?p=83
http://audioagent.wordpress.com/2010/01/16/emi-dls529/


189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/10/10(月) 23:25:24.56 ID:gUShZ2or

300Bにはアルテックなんじゃね

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/30(火) 18:32:39 ID:BKq0cEC9

ALTEC 604-8G
40cm フルレンジ
インピーダンス 8Ω
再生周波数帯域 20Hz〜22000Hz
出力音圧レベル 103dB

http://www.mnsv.co.jp/ALTEC/images/604History.pdf
http://homepage1.nifty.com/ModernJazzNavigator/audio/a4.htm
http://www.fsinet.or.jp/~ash-k/604siries.htm
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1243814627
http://www.procable.jp/setting/07.html
http://www.geocities.jp/ph7833/dc_amp/yume_tomorrow.htm

あ、フルレンジか


330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/17(土) 12:57:00.03 ID:qYckKyUI

前段もなしボリュームもなしで604-8G鳴らしてます。なんの問題もありません
衝動買いしたD-45がホコリ被っています


334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/29(金) 21:14:55.00 ID:sZw9aJPI
409-8Eあたりがいいのでは。


ALTEC 409B・409−8E
20cm 同軸型2ウェイ
インピーダンス: 8オーム
周波数特性: 50-14000hlz
能率: 98dB
http://homepage1.nifty.com/ModernJazzNavigator/audio/a5.htm
http://www.ceres.dti.ne.jp/~takojin/Speakers/altec409B.htm


318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 09:37:57.52 ID:Xqd2qxV1

ALTEC A7型で鳴らしてます。91Bタイプにしました。
以前は途中にインターステージトランスを入れてやってましたが、初段を5極管にしてからよく鳴るようになりました。どんなスピーカーでもそれなりにいきそうです。


ALTEC LANSING A7-8
2ウェイ・2スピーカー
インピーダンス 8Ω
再生周波数帯域 45Hz〜20000Hz
出力音圧レベル(新JIS) 103dB
http://www.youtube.com/watch?v=ha0l5is3SpI
http://audio-heritage.jp/ALTEC/speaker/a7-8.html
http://members.jcom.home.ne.jp/ads/w-altec.html


326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/09(金) 02:26:08.08 ID:fAzm9OHf

ALTEC A5を鳴らせてます
プリは自作(RIAA以前のカーブに対応させる為)ですけど


ALTEC LANSING A5
2ウェイ・2スピーカー
インピーダンス 16Ω
再生周波数帯域 30Hz〜15000Hz
出力音圧レベル 106dB
http://www.youtube.com/watch?v=eWRWKyLtwYg
http://audio-heritage.jp/ALTEC/speaker/a5.html
http://samuraij.blog.shinobi.jp/altec/altec%20a5%20a7

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/08/23(火) 12:17:53.91 ID:u8oldnUO

昔、三栄無線で300Bシングルでコーラルの30cmウファーに木製ホーンにドライバで
鳴らしてけど低域も高域も音離れのよい爽やかな音で鳴っていたな。
最近は、能率の低いスピーカばかりで、あの音離れのよい音は聴いたことがないな〜。


133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/08/28(日) 03:57:09.31 ID:B3Kyygh7

300Bシングルアンプを業務用に使ったのは唯一WESTERN ELECTRICですから
現実を別にすれば最適なスピーカーWESTERN ELECTRICでしょ


327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/09(金) 20:26:45.75 ID:v6DO6rdP

WE555のアンプに使ってます。

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/03(土) 13:24:49.11 ID:bR4rOQza

WE555などを除き大型システムはいくら能率が良くても無理だよ


137 :王ディオはこんな方々:2011/09/03(土) 13:41:38.56 ID:DrFti2q+

何が無理なの? 楽勝でしょ?

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/12(月) 23:20:06.75 ID:TH9hzolu

ヤッパWE555+15A


167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/13(火) 16:11:11.48 ID:j44iLhPR

WE555+15A(17A)はフルレンジで使える物じゃないんだよ。
普通TA-4151Aがウーハーに使われてる。

TA-4151A
http://www.youtube.com/watch?v=jPgwiRNfzxg
http://www.westernlabo.com/70_2514.html

153 :魁!オーディオ塾:2011/09/08(木) 23:26:29.63 ID:+01GGZE7

300BとB&W・・・B&Wが怒り出しそうだ。
300BとKEF・・・せめてマイケルソン&オースチンとかパラビチーニとかだろ。
300Bとハーベス・・・そもそも樹脂コーンだぞ、まあ合うけど。
300Bとソナス・・・これは合うけど。
300Bとダイアトーン・・・でかいアンプのイメージあるが、まあ合うけど。
300Bと米国ハイエンド・・・それは絶対に無い。


154 :魁!オーディオ塾:2011/09/08(木) 23:33:20.83 ID:+01GGZE7

#なおWEやアルテックなどはJBLに含む。
TAD、FOSの大口径ユニット、フィールド系、WEレプリカも全てJBLの仲間と見なします。


112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/05/03(火) 00:18:35.60 ID:cW3xW8Sk
>>1
JBLとタンノイ。
JBLとタンノイとか言うと、またお前らが怒り出すんだろうなあ。


375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/01/13(日) 17:47:02.89 ID:7wj8CYyu

300Bで室内楽ならタンノイ
この場合高域の抜けの良い高槻球、カートは103が俺の好み

300Bでジャズならアルテック
この場合は暖かみのあるWE球、カートはV15Vが俺の好み

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/03(月) 10:31:19 ID:q5VRxot2

300BのシングルにAltecは定番だが

JBL 130B
http://audio-heritage.jp/JBL/unit/130a.html

JBL LE175
http://audio-heritage.jp/JBL/unit/le175.html

の組み合わせも捨てがたいぞ


328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/13(火) 00:22:45.77 ID:jVEEmpCb

375や288なコンプレッションドライバーにあいそうですね

JBL 375
http://audio-heritage.jp/JBL/unit/375.html

Altec 288-16G
http://www.clipx.co.jp/shop/horn/288G/288.html

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/05/06(金) 18:21:54.35 ID:azCcPtjD

JBLはKT88のプッシュプルで

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/11/26(金) 18:02:39 ID:NfEdOUsT

定番 タンノイ オートグラフに1票

TANNOY Autograph
15inch 同軸2ウェイ
インピーダンス 8Ω
周波数特性 30Hz〜20kHz
出力音圧レベル 96dB
http://audio-heritage.jp/TANNOY/speaker/autograph.html


114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/05/05(木) 00:21:34.22 ID:itvrXC26

同軸は、中抜けのくせにアンプの狭いレンジをさらけ出すので大変

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 18:12:52.78 ID:tjaPMKmg

ウエストミンスター鳴らしてます、バワーも十分だと思います。


144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/05(月) 17:00:47.03 ID:WkDpjUvZ

ウエストミンスターが300Bで上手く鳴ってます。私的にはですけど・・・

TANNOY WestminsterRoyal/HE
38cm2ウェイ同軸型
インピーダンス 8Ω
周波数特性 〜22kHz
出力音圧レベル 99dB
http://audio-heritage.jp/TANNOY/speaker/westminsterroyal-he.html

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/06(火) 11:07:52.87 ID:WO3Ahw4G

タンノイに300Bシングルだと、低音ぶよぶよのイメージが。
実際のところどうよ


146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/06(火) 15:47:34.09 ID:ZoSm6Fvb
>145
低域は出ますけど締まりは良いですよ。


148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/06(火) 19:16:22.45 ID:BGLxLvxt
>>145
「低音ぶよぶよ」になるのはスピーカーが壁や床に近過ぎる
から。
タンノイだけの問題ではない。


149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/07(水) 00:20:07.13 ID:LCcpCB52

タンノイと言っても色々あるからな
ブックシェルタイプは300Bシングルではきついいんじゃない、
500Wぶち込めるタンノイもあるし

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/08(木) 23:14:16.25 ID:xju1fOBd

低音の出ないシングルトランスなんじゃない?
300Bが低帰還や無帰還で普通に鳴ればまず間違いなく低音ぶよぶよだよ。
タンノイの低音ってトラアンプでも元々ぶよぶよなんだから。

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/09(金) 12:35:36.79 ID:G4hKfk2V

300Bシングルは、あまり低域を欲張らないほうがいい。


158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/09(金) 13:22:58.16 ID:4obAgkTx

シングルで低域を欲張れる球って何よ
6C33B辺り?


160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/09(金) 16:58:04.84 ID:G4hKfk2V
>>158
50

152 :魁!オーディオ塾:2011/09/08(木) 23:18:12.02 ID:+01GGZE7

スピーカー界にタンノイとJBLしか無いのに、
批判する人間って何なんだ?

しかも300Bで鳴らすSPって完全にこの2つに限定でしょ。


161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/11(日) 00:00:05.18 ID:+1HbgZzh
>>152,154
意味解らん?

何故にJBLで括る?
しかもJBLとタンノイしかなくってWE系もJBLだって?

タンノイってロンドンウエスタンの下請けの技術者だったって知ってる??
そういう括りするなら一昔前までのラウドSP全部がWE系だよ。

一般的な流通品のJBLもタンノイも300Bしかもシングルには全く合わないよ。


162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/12(月) 08:36:00.12 ID:gbRntxzF
>>161
タンノイのターンベリーやスターリングも300Bシングルアンプは合いますよ。


164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/12(月) 21:44:15.07 ID:io0wEKZm
>>161
合わないよ。特にそんな新しいタンノイにはね。

タンノイみたいに低音の鈍いSPにはウーハーを動かしてくれるSPが要るよ。
低音ダラ落ちのオモチャトランス搭載のキットとかなら行って来いになるかもしれんけど、それって凄いレベルの低い話じゃないかな?

ブラックかシルバーをWE91Bで鳴らすってのなら話は少し変わるだろうけど
それでもPPの方が良いし。

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/25(日) 18:38:57.48 ID:xLEEiI9s
>>161
差別主義者ですか?
下請けかどうかは全く関係ない。


176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/27(火) 01:22:03.88 ID:ciZBM8tT

ガイ・アール・ファウンテンがWE系列の会社の技術者だったって事でしょ。
だからTANNOYもWE直系と言えなくもない。
実際デュアルコンセントリックの1マグネット仕様、イコライザーのマルチホール等は当時WEがFM局のモニターに採用してたツルーソニックのコピーだし。
別ホーン無しのコーン紙をホーンにするのはJensenTYPE-Hのパクリ。

何の差別?
TANNOYもJBLもWE直系。
でも初期の旧製品以外は300Bシングルにはどっちもマッチしない。

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/22(水) 20:23:54.52 ID:6wdtZCD9

300Bのシングルアンプ、5Wぐらいしか出ないんじゃない?
良質な300Bって、手に入るのか?
A5,A7とか、昔のスピーカーしか鳴らせないんじゃない。
俺は、5881愛用者なんで、毎日、4320をぶちかましてるよ。


122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/06/22(水) 21:47:29.38 ID:ZntZloVP
>>121
ちゃんとドライブ段を設計すれば20W近く出せる。例は武末氏のやつ。藤本氏のやつもある。


34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/11(土) 12:46:11 ID:VwOkPMkc


JBL 4320
2ウェイ・2スピーカー
インピーダンス 8Ω〜16Ω
周波数特性 40Hz〜15kHz
出力音圧レベル 97dB
http://audio-heritage.jp/JBL/speaker/4320.html

が現役でMJのアンプのテストに使っていた頃
300Bのアンプがいつも評価が低かったを覚えている
DFが1から3くらいで10W出ないアンプなんて低い評価しかないと思った
DFが5以上で20W以上のパワーがあるアンプで無いと鳴らないSPは、多い

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/15(水) 23:07:17 ID:cOrhVHXN
>>34
moが100gもある15インチは300Bsじゃ電力量的にも駆動できんわな。
30cmでも昔のダイヤトーンとかガラス繊維系にはそれ位のもある。
大昔のオーバーダンピング気味の8インチをパリッと鳴らすのが王道だろ。

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 15:09:58 ID:qjMcPcfp

4320のウーハーは70gくらいだよ


42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/18(土) 17:49:20 ID:vEZD/bKw

4320は2215Aだろうから95gじゃね?
70gなら130や2220だよ


75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/27(木) 22:28:40 ID:jmyCLpx5

オールマイティでボーカルからオーケストラまでOKというと、
タンノイのRHRなんか合うんでない?
http://blog.goo.ne.jp/royce7799/e/134c618ea81d5d152f8dfc1b8800c2e8


TANNOY RHR/N
38cm 2ウェイ 同軸型
出力音圧レベル 92dB/W/1m
http://audio-heritage.jp/TANNOY/speaker/rhr-n.html


77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/27(木) 23:06:37 ID:9KVqnin3

決め手はJensenのTYPE-Hだよ。

タンノイ同様38cm同軸でコーン紙がホーン。
タンノイと違いコーン紙の重量が50gほどしかない。
能率もALTEC並みでフィックスドエッジで515より軽い弾んだ低音が出る。
パワーがとダンピングファクターの取れないシングルのアンプにゃぴったりだ。

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/09(金) 03:06:08.40 ID:nWLSq4UC

そこでコンデンサー型ですよ


88 :私の息子はEL34:2011/02/06(日) 01:21:06 ID:qkYfCGPb

以前 QUAD-ESL63 を300Bで駆動している例を観た記憶が有るけど
高域で公称インピが減少し、出力音圧が低いコンデンサー型をまともに鳴らせるのか知らん?

QUAD ESL63
コンデンサー方式 フルレンジ
公称インピーダンス 8Ω
再生周波数帯域 35Hz〜20000Hz
出力音圧レベル 86dB

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/06(日) 10:55:27 ID:GsyQe4HZ
>>88
球のアンプだからインピーダンスの低下は問題ないけど
ELS63に300Bじゃ明らかにパワー不足でクリップするね。


10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/01(水) 12:23:50 ID:qO9Ctg6S

Lo-D HS-500 (出力音圧レベル 88dB)
http://www.niji.or.jp/home/k-nisi/hs-500.html

なんてどうよ


11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/01(水) 13:22:05 ID:8yRnp/Qb
>>10
シングルで使うには能率が低過ぎでは?


12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/01(水) 13:31:12 ID:qO9Ctg6S

88dBだけど、聴感上は90dBくらいあるよ

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/05(日) 00:47:23 ID:9W6qq57I

やっぱ93dBくらいは無いと面白くないかも


254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/24(土) 18:14:51.21 ID:XC6WZT7/

300Bシングルアンプで使用するスピーカーは能率の良いもの
94db以上が最低の条件と思う
90dbのspで120dbの音を出すのにはアンプの出力は理論的には1000w必要となる
8wそこそこのシングルアンプで充分鳴らすには98db程度のspが欲しい
以上と個人的には思う
ちなみにフルオーケストラのオールでの最大音は120db程度と聞いたことがある

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/24(土) 22:25:31.49 ID:kW2SgdAR

↑何mで120dB?


258 :254:2011/12/26(月) 19:00:27.33 ID:mz9hmNeQ
1m


335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/06/30(土) 17:22:06.02 ID:k5rEA61/

八畳洋室で300Bシングルを94dB/wのSPで聴いているが、ポップス・室内楽は大丈夫だが管弦楽はチトつらい。
98dB/wくらい必要なのでは。


336 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/07(土) 01:01:31.45 ID:31+IMDnr

ウーハーは30cm位が限度。38cmはチトつらい。


339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 03:24:50.76 ID:2C7zr7Qc

何か情けない自作に300B基準に考えてない?
よっぽどトランスが貧相で低音出ないとか?
91アンプなら15インチは必須うだよ。98dB/w以上のね。


340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/20(金) 12:52:48.51 ID:baXgkGgS

そんなことは無い


343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/07/27(金) 19:10:22.72 ID:QS+bIdFt

シングルトランスって基本低音ボケてるから15インチ無理って人も居るんだろうね。
トランスの性能上がれば15インチは使えるし要るでしょ。

わざわざ300B使って409とか寂しくなるね。
まずはSPから、標準品買ってから球の話しようよ。


344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/01(水) 17:42:02.50 ID:4/yndy+R

タムラ2007使った自作品でアルテック604-8G鳴らしてるけど不満はないなぁ

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 12:54:49.62 ID:1vjueb8J

我が家では口径の大きなSPはハムが強調されるので20センチがベスト
これで満足するために修行の毎日だ


305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/12(木) 19:14:46.17 ID:6eavnb+x
>>304
先ずアンプをノイズが減る様に直す事だニャア。


14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/05(日) 23:11:26 ID:fjJxfc1M

100dB/m,w程度の能率は欲しい


15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/06(月) 14:34:40 ID:h9TvK1I2

さすがに100dBでは、残留雑音がキツイのでは?


16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/06(月) 20:01:59 ID:202Ivsbc

SPから離れて大音量で聴くしかないな。
部屋がでかくて防音がしっかりしていないと無理。

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/06(月) 20:10:35 ID:h9TvK1I2

しかし6Wで、大音量とは


18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/06(月) 20:15:52 ID:zqSYXll1
>>17
片側105dB SPLは結構な音量だぞ

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/04(金) 21:06:04 ID:NGPsVc64

これはどうよ?

JBL 4722/4722N
http://www.jblpro.com/catalog/general/product.aspx?PId=84&MId=1

ほんとかなー、能率104dB。


82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/04(金) 23:08:57 ID:cfNbcPpb
>>81
この手は能率が高いからってDFの低い少出力アンプで鳴らしたりするとまるで音にならなかったりする。


86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/05(土) 15:44:06 ID:Zv95xYpj
>>81
JBLの2220って、単品で101dbいくから、2本で+3dbあがって101+3=104db
ただ、8Ω物でパラにすると4Ωだから、4Ωタップのあるアンプが限られる
2220Hじゃなくて2220Jなら16Ωだからパラにして8Ωで使える

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/08(火) 12:50:28 ID:D5PBfhR/
>>81
アルテックの211,210のダブルウーファーでフロントホーン、無敵


99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/12(土) 17:37:06 ID:i4Q1zLO5
>>98
あれにマルチセルラホーンをのせたらいいね


101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/14(月) 07:47:55 ID:nVLahWUJ
>>99
それがA4


195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/16(水) 22:15:07.51 ID:MgzxBsPQ

どなたかJBLのスピーカー(S4700,4344, 4365や4348等)を300Bシングルでドライブしている方はいらっしゃいませんか。
私は今AVアンプをプリアンプにして、フロントSPを8W+8Wの真空管300Bシングルプリメインアンプ2台をパラドライブで接続しモニオおSS8をドライブしています。
去年、モニオPL300か、B&W802Diaを真剣に導入するつもりで、お茶の水オーディオユニオンで300Bアンプにて試聴しましたが、結構いい音でドライブできていました。
S4700も能率が高いSPなので300Bでドライブできるのではないかと思っています。
真空管アンプ派の方のご意見をお聞かせ願います。


196 :家政夫のミタ:2011/11/16(水) 22:27:36.00 ID:j3bLXxfS

JBL#S4700はウハハのエッジにギャザード型を採用していて中高域/高域のユニットと共にエージングが長期間必要です。出力音圧が高いので300Bの低出力を補うでせぅが短期間の視聴で相性を判断するのは危険で御座居ます。


200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/16(水) 23:23:15.46 ID:Akje/xV6
>>195
300Bシングルより300Bプッシュプルで高出力広帯域な物が必要でしょうなあ

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/16(金) 22:04:00.46 ID:Kuu4DGHc

300Bppアンプに最適なスピーカーってどの辺り?


247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/18(日) 12:01:41.92 ID:Uh4Oair3

アンプに合うSPってのは無いね。 あくまでSPが主体だから。
とはいっても300Bならば、高能率15インチによし、フルレンジによし、
トールボーイによしだろう。ただ大電流が必要なSPには合わない。


248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/23(金) 04:16:12.91 ID:YbsO1bcw

アルテックのA'なんかどう!?帯域狭そうだしボイスは明瞭で能率は高い。


249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/23(金) 07:44:55.83 ID:esMf2zD+

S/N良いのが作れれば合うよ
A*はちゃんと鳴らせば充分に広帯域だからアンプの帯域も数Hz〜数100kHz迄必要

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/20(木) 17:43:34 ID:WK4A7s51

米系以外で300Bシングルにマッチする欧州系のスピーカーが知りたい。
米は艶がなく、ひからびて乾燥している。古いタンノイはどうかな。
93db はあるが。


62 :あんちょこ ◆44iVG5nexo :2011/01/21(金) 19:45:25 ID:zykxtEEu
>>59さん
300Bは能率が高く、反応の良いユニットならオールラウンド
艶が欲しいなら、タンノイ、グッドマンが最右翼だな。
これはどちらもそれぞれ長所があるので選ぶのに悩むだろな、
ローサーは弦の爪弾く感じにハーベスとはまた違った、鳥肌系
タンノイが比較的、大編成でもいける。
グッドマン、ローサーは部分を引き出すのにはタンノイより上
悩んでくれ。


63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/22(土) 18:53:19 ID:gdXVfyJH

実はタンノイはEL34のパラプッシュで鳴らしています。
今回国産の300Bの球だけ買いましたので、将来的にはとりあえずタンノイを鳴らしてみようとおもいます。現行スピーカーではないですよね。
OTLも出力トランスから解放されて、素晴らしい音がすると推定されます。
聞いたことがありませんのでコメントのしようが有りませんが。

29 :私の息子はEL34:2010/12/10(金) 16:05:30 ID:gdW2Sdzb

今までのレスには3極管だから、こんなユニットと相性が良いと言う理論的な理由が殆ど無いよ。


31 :3:2010/12/10(金) 20:54:54 ID:WF7kvOwz
>>29
三極管の特徴は直線性に優れ、且つ内部インピーダンスが低い事だが
シングルの場合は特徴である低内部インピーダンスが出力トランスの影響で十分な低域を引き出せない
優れた直進性を活かすならばNON-NFBで軽量コーンを使用した高能率ユニットを奨める
ホーンユニットを奨めないのはシングルの癖が出易いから
スレ違いだが、もしもプッシュプルであればどの様な用途でも使用可能
バシッとした低音から澄んだ高音迄鳴る


32 :私の息子はEL34:2010/12/10(金) 22:02:58 ID:gdW2Sdzb

然し、Mr.是枝先生がWE300BにNFBを掛けることは我が国ではタブ〜としている風潮が有るが特性向上の為に軽いNFBはWE300Bに不可欠と感泣王国にカキコし鳥ますた。
まぁ最近の出力音圧レベルはシステム品では90dbを下回る物が多いから古い製品しか無さそ〜。

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/12(日) 06:02:26 ID:/MOQ446W

何でシングルならレンジが狭いと決めつけるのかな?
確かにアウトプットトランスは磁化の影響で上手く造った物でないと低音出ないのが多いけどWEの171Aだと少し緩めではあるけれど充分に低音は延びてる。
測定したって20Hzまで殆ど落ちない。

高域も310で無帰還なら落ちて当たり前だが少しNFB掛けりゃ充分にワイドレンジとなる。
何で直熱管なら無期管なのか?
91の為にNFBが発明されたというのに何故に300BシングルにNFBを掛けないのか?

確かにダンピングファクターは3くらいだからスピーカーの時代は選ぶかな。
PPの86の方がダンピングファクター低くってよりスピーカー選ぶんだけど。

まあ、良く出来た300Bシングルで鳴らせないスピーカーにろくなのは無いな。


38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/14(火) 16:24:28 ID:Ius3OPk6

AIR TIGHT ATM-300はNFB可変(当然DFもそれにつれて変る)
NON NFBポジションも有るので手軽に試せて面白いが
ATM-300限定でいうとNON NFBがベストのSPの方が少ないと思う。


44 :あんちょこ ◆44iVG5nexo :2010/12/30(木) 18:23:07 ID:4rBGa+Mz

セカンドとしてタンノイやアルテック、グッドマンを小音量で鳴らせば極上だと思うけど、いかんせんもう少しパワーが欲しい!
シングルと言わず、プッシュプルならパワー不足も辛うじて避けれる。方向は若干変わるけど、6C33Cならシングルでも不足を感じないので、ソッチの方向もアリと思う、、、。


46 :私の息子はEL34:2011/01/02(日) 09:56:35 ID:6+Q9dPl2

この前逝去した上杉氏は自作用に300Bシンクルは発表したが自身の会社からはPPしかリリースしてないことを考えると300Bシングルがバーサタイルな真空管アンプ(出力の点において)では無いと言うことだろぅ。


45 : 【豚】 :2011/01/01(土) 16:23:23 ID:8dmugWy7

PPにすると細かなニュアンスが消えてしまふ


47 :あんちょこ ◆44iVG5nexo :2011/01/02(日) 11:08:12 ID:jXfFpr3E
>>45さん
部品を厳選すれば気にならない程度まで追い込んでいける
どうしても精神衛生上受け付けないというのならバランスドシングルという手もある。
シングルでマルチはちらしの裏な感じだしお勧めしかねる。
結局PPで追い込んだほうが近道な気がする。

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/02(日) 14:05:36 ID:DRlccQC1
>>45
調整がヘタレなだけ
自己バイアスでシングルなら初心者でも


77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/27(木) 23:06:37 ID:9KVqnin3

でもシングルってまともなトランス無いんだけど
>>45は一体どんな比較をしたんだろう?
300B使ってタンゴやタムラじゃ意味ないし。


78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/27(木) 23:23:20 ID:rPWw4c1O

タムラでは意味がない。どこがどのように。
シングル仕様として。 教えてほすい。


102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/18(金) 02:36:56 ID:RzFPXph1
>>78
簡単、音が悪い以外に何がある?


103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/19(土) 16:01:41 ID:WxRMdgEG

「音が悪い」とはどういう意味か、具体的に数値化してくれれば設計の参考になる。
個人の好き嫌いで「音が悪い」と言われたって、どうしようもない。


105 : 冒険の書【Lv=5,xxxPT】 :2011/02/19(土) 20:25:52.78 ID:6ptNtTDJ
>>103
数値化出来れば誰も苦労は不要
先ず音楽を聴いてから語ろう


106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/02/22(火) 13:57:25.93 ID:u1DR9bGa

本当に設計に携わってるならそれこそ解る筈。
特性と音は正比例しないって。
それに今はコアも線材も有り合せ使うしかないのも。
アモルファス、ファインメットと言ったってトランス屋が作ってる訳じゃない。


107 : 忍法帖【Lv=13,xxxPT】 :2011/03/04(金) 16:56:18.06 ID:8Tf1Tyl5

コア材ならパーメンジュールだな


109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/05/02(月) 21:10:00.05 ID:kYdBTNXH

普通は604系かな


110 :私の息子はEL34:2011/05/02(月) 21:53:52.80 ID:85mcT8sn

いいえ、パーマロイで御座居ます。


131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/08/23(火) 02:23:31.23 ID:AwAaer+v

300B真空管で音がいいのは高価なビンテージ物だけですか?
安価な300B真空管しか買えないなら300B真空管のアンプは買わないほうが良いですか?
頑張って

トライオードのtrv-a300se
http://www.triode.co.jp/tri/pwa.html

を買おうか迷っています


151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/08(木) 23:17:27.76 ID:xju1fOBd
>>131
私は止めた方がいいと思うけどね。
300B以前にトライオードってだけで駄目なような。

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/13(火) 22:58:03.22 ID:HSgZj+AV

能率高めな古典的スピーカーを300Bアンプと組んで常用してますが
どうしてもアンプのボリュームを下げまくりで、ボリュームによる音質低下が気になります。
デジタルボリュームが付いたプレーヤーで下げてアンプのボリューム全開が気持ちよい音質でしたがデジタルボリュームの無い場合かなり絞るので気になります。

そういう時みなさんどうしてます?
抵抗数本つかってケーブルに一定のアッテネーターを付けようかと考えてみたもののインピーダンスやらなんやらわからない事が多くて踏み切れず。。


169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/14(水) 01:30:00.68 ID:2ls9J55E

ボリュームを良いのに換えれば良いだけでしょ。
TECHかIRCのアッテネーターが一番良いけど、手に入り難いのと高価なので
DELEあたりの抵抗使ったアッテネーター売ってるからそんなのにすれば?

うちではCDをマッチングトランスで受けてるんでその負荷に使う600ΩをTECHのアッテネーターとP&Gのフェーダー仕様の2種で受けてボリューム代わりにしパッシブプリ化して使ってます。


170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/14(水) 02:09:56.98 ID:svgAVhUR

ボリュームの交換考えてみます。
CDプレーヤーの出力が100Ωでパワーアンプの入力が100kΩなのですが
自分も600Ωのライントランスを挟んでます。
600:600と150:600を切り替えられるので漠然と遊んでるんですが理由はわからないですが150:600で受け渡ししたほうがレンジが広く空間が出て気持ち良いです。

固定インピーダンスのボリュームというのも気になります。
ボリュームの質だけでなくインピーダンスマッチングについても勉強しなくてはなりませんね。。


171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/14(水) 11:22:06.06 ID:2ls9J55E

600Ωのライントランス挟むならトランスにもよりますが普通負荷抵抗の600Ωとピーク止めのコンデンサーパラわないとフラット特性にはならないですよ。
(2次側OPENと記載されてる1部のタムラやマッチング無視したタンゴなんかは負荷要りませんが普通のプロ用ライントランスではみんな必要です)
入れないと低音は落ちて高音はピークが出ます。
その場合比率持たせた方がハイは落ちるので聴きやすくなります。
1:1ではなく600:600Ωと表されてるトランスはそのインピーダンスで受けないと特性は保証されておりません。

ラインの1次側にボリューム入れるなら定インピーダンスのT型やH型が要りますが2次側に入れるのであれば接点が無駄に多いそれらのタイプより普通のボリュームか L型が適します。
ボリュームは必ずしも600Ωではなくハイインピーでも良くパラに固定抵抗入れて合成抵抗600Ω付近にすれば問題ないです。
うちではそれに時定数6μSのフィルター入れて実測でフラット特性を得てます。

ライントランスはマッチングを取るとゲインが半分になるので最初は頼りなく聴こえるかもしれませんが良く聴くとそれで正常な周波数特性だとわかるかと思います。
入れない場合と周波数特性は同じでジッター除去だけが行なわれるのが理想です。
此処で音質変換機にして使うのは自由ですが間違ったトランスの使い方かと思います。
WEのトランスなんか皆さん訳解らず入れると音が変わるって使ってる人が殆どかと思いますね。

ちなみにCDの100Ω出力は何の問題もありません。
トランスレスでバッファー出力ですので。
一部のトランス送りのCDではこれまたマッチングの必要が出てきます。(スチューダーなど)

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/09/13(火) 16:11:11.48 ID:j44iLhPR

300Bって清楚?
WEの球の中では一番グラマラスなやり過ぎじゃないのかって音するんだけど。
他社のは違うのかな?
他には岡谷とセトロンとGDの4300、EHしか聴いた事ないけどどれも300Bとは思えない音でセトロン以外は2A3の方がよっぽど良いんじゃないかって思えました。


250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/24(土) 08:34:06.06 ID:dNZgcXoK

WEの300Bもいろいろあってうんぬんと
知り合いのマニアに実際に聞かせてもらった。
確かにぜんぜん違うように思った。
手元にある中華とロシアではあのふわっと広がる音は出ない。
このままではダイナコの6BQ5PPのほうがいいや。
ちなみにSPはJBLの208とグルンディッヒの楕円だけど。

聞かせてもらったのは40年代とかいう古いもの
譲ってほしいといったら死んだら上げる、といったので約束してきた。
人生に希望ができた。正直うれしい。 それまでは6BQ5でがまんしよう。


251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/24(土) 08:58:39.49 ID:v6sOHZCT
>>250
JJはないのか

253 :250:2011/12/24(土) 09:05:28.50 ID:dNZgcXoK
>>251
JJはないです。桂光やEHよりいいですか?
でもWEとは比較にならないでしょ?


260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/26(月) 22:14:01.93 ID:2gETESP9
>>250
WE以外の300Bって単なる挿し替え可能球だよ。
WEの再販物でもその域を出ない。

87年13週までが何とかWEの音。
26週からはOEMで音が全く違ってる。
再販物は間違いなくWEだけどそれ以下。

実際に聴いて古い300Bが良いと判断出来たのなら似非物には手を出さないことですね。


254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/24(土) 18:14:51.21 ID:XC6WZT7/

国産高槻300Bが結構いいよ


263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/27(火) 22:03:41.39 ID:Mm1Wgkig

WE製は300Bの新品はもう手に入らないので高槻300Bを検討するのが良いと思う
先日WE300BとTA300Bを聞き比べる機会があった
高音の抜けはTA300Bが良かった
柔らかな、いかにもよき時代のアナログ的な音はWE300Bならではある
個人的な好みはあると思うがスッキリ系のTA300BはWE300Bの現代版と言えると思う


266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/12/29(木) 17:30:58.36 ID:PPAOkO79

300BなんてシングルじゃなくてA級プッシュプルでやれば
全くスピーカー選ばなくて済む
訳のわからない高い300B使わなくて中華のドラゴン印で十分さ
AV用のインフィニティを中華の300Bで朝ドラのカーネーションいつも聴いてる

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/01(日) 00:02:47.59 ID:Oyifh8OS

エンヤって、雰囲気は、球向きの音楽だけど
中身の音がいじくりすぎて電気くさいので、300Bシングルでは、分解能が無いお団子になる
セリーヌ・ディオンの「My Heart Will Go On」
タイタニックのテーマだけど出力不足の300Bシングルで苦しい
これは、WEとかで済む問題じゃない


273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/01(日) 00:23:38.85 ID:GDw10ls9

元々300Bシングルって重心が低い曲苦手じゃない
ppかマルチアンプに向かうべきじゃないかなあ

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/01(日) 18:44:29.60 ID:sHgZ+hmc

300Bシングルはマルチ又はバイアンプ方式での高音用だよ
現在の能率の悪いトランジスタアンプ用のスピーカーでは充分に鳴らせない
やはり、中低音用にはパラPP(片チャンネル4本)でないと朗々とは鳴らない
300Bシングル又はPPはせいぜい高音用だよ
273さんとほぼ同意見
ちなみに高音300Bシングル、中低音パラPPでバイアンプでタンノイ38p鳴らしてる

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/02(月) 11:21:10.01 ID:+Vskb/4Y

やっぱとどめは、300BのパラPPですか?
震災以前の省エネなんか全く考えなかった頃の日本がとても懐かしいですねえ


277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 07:57:20.49 ID:7m57Q8WC

確かアメリカ製アンプで300Bを3パラプッシュプルにしたのがあった。
座布団位の大きさで、目方が55kgだった様に思った。


278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/05(木) 08:10:24.37 ID:5rdsFZN4

2004年の復刻300BでALTEC A5鳴らせてる


279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/06(金) 23:33:26.59 ID:jyWyxMqw
>>278
それは、シングル、PP、パラPP


280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 18:00:02.57 ID:aT9JaTDr

刻印でPPとかそんな裕福な人いるのかな?
安い球でPPにするくらいならほかにいいアンプはいくらでもある
手元の300Bシングルにいい球がほしいよ


282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/07(土) 20:25:36.61 ID:aT9JaTDr

ちなみに手元にあるアンプとは
Audio Electronic SupplyのSE-1、SPは自作でユニットはAMPEX 260 
メインのRogers PM510 は300BPP程度では鳴らしきれません。

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 21:53:20.25 ID:TIQJJ39s

WE300Bをシングル使いの場合、妖艶な高域の唄いに対して、低域の表現の薄さを感じる事を否定出来ません。
この克服に主眼を置けば最適化するかとも思います。


285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/08(日) 22:19:14.91 ID:54DBIUkj

妖艶な高域の唄い、とは言い得て妙だ。
6B4Gが好きでシングル、PPと愛用してきた
300Bシングルの高域の漂うような生命感は独特だなあ
PPでこれが出ればいいのだろうが・・・それと低域の制動感
古めの能率のいいフルレンジなら文句はない。いい音だと思う


288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 09:29:37.90 ID:10oW6wIM

初段は増幅率の高いタマを使ってのゲインを上げて、300Bにブチ込むと良く鳴るよ。
新しいキンピ抵抗よりちょっと古めがいいみたいだ。

シングルアンプは中高音用が一般的だろう。
低音はMOSFETあたりのアンプで鳴らすのがいいだろう。
プッシュの音は石とそんなに変わらない。石アンプは安く作れる。

K式DCアンプは不安定だから手を出してはいけない。
高級パーツを使ったから安定するというものではない。
300Bはタマの形状が大きくてカッコイイから大好き!


289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 09:45:16.11 ID:ZzZ1BIXC

>新しいキンピ抵抗よりちょっと古めがいいみたいだ
金皮は多少古くなっても音変わらないだろ

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 12:29:29.30 ID:dYYh6AUO

シングルで低域出ないって、当たり前だ。
馬鹿デカイ出力トランスに換装するか、超3結にでもして帰還掛けないと。
300Bだからと言って無帰還とか、変な信仰してたら相応の報いが来ただけ。


298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 18:24:55.71 ID:DfuXzkxg

能率が良くて高音が素直に伸びて抜けるスピーカー
高音はベリリウム振動板のドームツイーター又はリボンツイーターが良い

ベリリウム振動板ドームSPは販売されているが、300Bシングルには能率が悪い
まろ使用の能率の良いSPはホーンツイーターが弦などの高音域で共振しびびる
ホーンの宿命とあきらめている

やはり、本命は能率の良いシングルコーンか

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/01/09(月) 18:59:04.74 ID:cac6wubC

やはり、本命は能率の良いシングルコーンってことね。
頭では納得しているが欲張ってあれこれとSPを交換して右往左往しているうちに
かねた式に行ったり市販アンプに行ったり、やっぱQUADかな、なんてね
それなら300Bでいいじゃないか? といつか来た道に。
やはり、本命は能率の良いシングルコーンか?

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 15:45:45.94 ID:FLyHEQ+b

小型スピーカーでレンジを広げるには能率を下げるのが簡単ということだな
大型スピーカーは流行らないし
CDやSACDになってアンプ以前で簡単にレンジが広げられてしまったものだから
スピーカーも音色よりもレンジをとにかく広げる必要性に迫られたと


320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 20:09:53.84 ID:xVm+L/U2

其れでも好い人達が居るので成り立っている訳ですね。
自分としては、きっぱりとお断り致します。


321 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/02/11(土) 20:58:56.04 ID:+7ERMubx

シングルアンプはいい。終のアンプだな


322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/02/11(土) 21:40:09.94 ID:+Ahp+UO/

私の終は機械増幅だな。電気増幅で無く。


329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/03/17(土) 09:23:16.18 ID:C7dFdSdc

1本で10W程度の出力が出るのがいいです。
プレート電圧はAC400Vを直熱管で整流して鳴らしてます。
以前、AC350V整流としていましたが、音が細く迫力に欠けました。

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 18:07:14.86 ID:w5/Hlcu9

300Bはマイクロフォニックノイズが多くて駄玉だ。


348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 20:13:27.43 ID:48VBkMs1
>>346
どこの300B使ってる?
前段の球は?


349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/03(金) 20:50:39.97 ID:bVu5QRri

WEの復刻玉。送信管(4121だかなんだか、やたらデカい玉)の前段に300B使用。
ビンビン反響音が鳴るので、調べてみたら原因は300Bだった。
300Bの頭を押さえると反響音が半減するが、ずっと抑え解くわけにもいかない。
WE復刻300B、たしか16本持ってたんだが、全部売り払った。


350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 02:25:27.91 ID:0fYh92sC

なんで16本も持ってたんだよwww


353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/05(日) 18:44:15.23 ID:nbAhc9GF

あのね、復刻球は寿命の短い不良多いからスペアーたくさん要るんだよ。

>>349
4212だろ? 4211か?
そりゃマイクロフォニックとは言わん。
ドライバーに300Bでなくとも直熱管使やぁその手のノイズ出るの当たり前。
対策してないアンプ自体の設計ミスだろうが。


354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/07(火) 01:02:10.30 ID:mFPE+4yV
>>353
当たり前だったんか・・・
騙されてエライもん買っちまったな。昔の話だが。


355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/08(水) 02:51:54.20 ID:KQaGRawS

KR300Bって良い?


356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/08/10(金) 22:46:08.17 ID:FXPgDVVU

悪い


366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/11/01(木) 08:04:51.84 ID:TQO7jufe
>>356
KRなら842VHD使って見ようかと思う
エミッションラボと悩み中です
少し先の話ですけどね、、


359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/12(水) 18:42:42.86 ID:Sf8Bra+d

低音が物足りないんだけど、300Bシングルのアンプでサブウーファー足すとよくなりますか?
球替えた方がいいのかな


360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/12(水) 20:35:21.23 ID:jNqLtMu9

低音重視なら素直にPPかTRアンプ


361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/12(水) 22:27:20.25 ID:z9D1PUPg

シングルだからねぇ。
トランス替えると多少低音出るようになるよ。

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/23(日) 12:32:21.12 ID:qQTc+n+q

タマを大切にしようと思って電圧と電流を抑えると音が細くなってしまいます。
91アンプ程度の動作にするといい音がします。
古いタマをドライブ段に使うとノイズが出るけど、長時間使っていると消えてしまいます。1ケ月くらい使っていると解消します。アンプを作ってすぐにSWを入れてノイズが出たってあわてずに放置しておくと気にならなくなります。

こちらの300Bシングルは91アンプを参考に初段は5極管を使ってヒーターは交流点火ですが、ノイズはありません。

38cmウーハーを使ってますが低音はよく出てます。


365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2012/09/23(日) 21:24:08.94 ID:CYnCw7bz
>>363
素直に91を使えばいいじゃん。
俺は86だけど。
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/pav/1290756114/

23. 中川隆[-8830] koaQ7Jey 2019年8月16日 17:43:56 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3912] 報告

真空管アンプの”ロマン”と言えば、この真空管でしょう 2009年9月26日


 真空管アンプを始めますと、必ずぶつかるのが「300B」だと思うのです。

どんな真空管より絶大「王」もしくは「女王」のような存在だと思います。

「いつかは、300B…」

なんて、どこかの有名な王冠の名前の車のCMみたいですが(笑)

それほど、憧れの存在ではないでしょうか?

まず、その大きさと形状が「真空管らしい」のだと思います。
絶妙なアールを描く形状は、コークボトルラインのようで存在感も大きいです。

「いつかは俺も、300BのシングルアンプでTANNOYを鳴らすんだ…」


「今日も激務に追われた一日だった…
食事もそこそこに、リスニングルームに移動して…
今日はどのアルバムを聴こうか…

部屋の灯りを消してお気に入りの300Bシングルアンプに灯を灯す…

琥珀色のウイスキーを飲みながら音楽に身を沈める…

300Bの灯りを見つめながら…

いかん、気がつけばいつの間にか寝てしまった…
レコードは演奏を終わり針が空走のリピートを繰り返している…」


なんて男のロマンといきたいところです。

 ましてや、「生産再開」すると言いながら全くその気配も見せない孤高のNOS球超高級ブランド「Western(WE)」とくれば、もう妄想はブレーキを解除して地平の彼方まで走るはずです(笑)


「俺は、300Bのシングルアンプを購入して球は『いっかはWE』にするんだ!

きっといい音、空前絶後な音がするに違いない」


と思いたい訳です。

 ところがですね、私は日本茶をすすりながらWE300Bの音を聴いているのですが、まず見た目でWE300Bは真空管らしさがないんですよ。

いえ、形状はそりゃぁもう、最高です、チャイナお嬢と違いガラスも薄肉で「製造技術が高い」なんて思いますが、いかんせん通電した時に「灯り」が見えないのです。

今日は、300Bを堪能するためにサンバレーさんのVP-mini300MKUで聴いているのですが、前段の12AX7の方が光ります。真空管を真上から覗きますと、ぼんやり光っているのが見えますけどね。

これでは、真空管の灯りで妄想に入りたくても入れない…「うーん、残念」。

 出てくる音はですね…

私が聴いているVPやSV-2(2007)では微塵も「色気」「艶やかさ」はないです。

意外とタイトで「正確無比」な音がします。
結構高音なんか耳に突き刺さりますよ。

意外と300BシングルアンプにWE300Bを装着すると言うのは、「真剣勝負」な色合いが濃いかもしれません。俗に言う「余分な付帯音」がないと言ったところでしょうか。

私の真空管国別イメージでは


「チャイナ嬢:柔らかく甘い、ほわわーん」

「ヨーロッパ嬢:ゴージャス、どんしゃり(悪い意味ではないです)」

「大和撫子:一生懸命、きびきび」

「アメリカ嬢:元気ハツラツ、ダイナミックバディ」

「ロシア嬢:シャープ、つーん」


て感じだったのですが、このWEのアメリカ嬢は「厳しい」音がします。
いえ「厳しい」と言うのは、「耳が痛い」と言うより「厳格」「正確」と言ったところです。

 でもここまであれこれ想いを巡らせてみますと、この「厳格」なところが「WE300B」のゆえんと言いますか、なかなか真空管の中でも珍しいユニーク(唯一無二)な存在なのかもしれませんね。

…やはり聴けば聴く程その思いは強くなりますね…

なるほどWE300Bとは、こんな真空管なのですね。
弦やラッパが余分な音を出さず正確に鳴りますね…
ただボーカルになるとこの演出のなさに好き嫌いが分かれそうです。

Commented by 103 岡山 at 2009-09-26 21:41

今度は国産の300Bが出ますね。
 http://www.takatsuki-denki.co.jp/press_release/index.html

どういう音が出るのか楽しみです。トライオードさんの製品はTRV-A88(S)を使っていますが、色気は少ないように感じます。

300BはずっとWEばかり使っていますが、整流管で随分音が違います。
私の91Bでの整流管イメージは


「GD274B:粒立ちが粗、メリハリ調」、

「STC5R4GY:気品あり」、

「CETRON5R4WGB:中庸、聴きやすい」、

「RCA5R4GY:印象薄い、陰影感弱い」、

「WE274B:濃い、粘る、ねっとり


です。石アンプは作り手の「良し」とする音を聴き続けることになりますが、球は整流管・ドライバ管・出力管といずれも交換することにより好みの音を探せる魅力があると思います。ブランド(価格)に拘ることなく、好みの音を探すのもまたオーディオの楽しみではないでしょうか?

これから涼しくなる秋の夜長、球アンプに灯を入れ、好きな音楽を聴きながら お茶(コーヒー)・酒を傾ける

想像するだけでも贅沢な時間でしょ?! 


Commented by きゃーる at 2009-09-26 23:23 x
流石WE、私が持ってるチャイナ300B(TU-873初期装備品)とは違って造りが綺麗ですね^^
私のは管が斜めに傾いてるし、ガラス面にキズがあります(汗)
片側のフィラメントだけやけに明るいし・・・

WE300Bは経済的に無理だけど、一度は聴いてみたいですね^^
エレキットじゃ勿体無いといわれそうですが・・・
今はナス300Bで我慢です
ナス300Bの音は結構気に入ってたりしますけど^^

Commented by digicamek at 2009-09-26 23:44
今晩は!私は真空管を聴き始めてまだ半年です。
なにも判らず暗中模索状態ですが、やはりいつかはWE300Bと思っています。
ところでサンバレーのPrime 300B ver.4は凄くゴージャスなグローが出ましたがWE300Bはいかがでしょうか?


Commented by グローにつきまして at 2011-07-05 22:46
WE復刻版やチャイナ、ロシア球は蛍光現象(グローではないです)が良く現れますが、あれは管内に不純物が残っている為です
古いWE300Bは真空度も良く不純物による汚染が無いので蛍光現象が殆ど無いですよ。

Commented by rhr_nally at 2009-09-27 08:29
いやぁ、残念なことにWE300Bは味も素っ気もない真空管ですよ(笑)
何も起こりません(笑)

サンバレーさんのPrime 300B ver.4が最初の真空管ならば、WE300Bを高額で手に入れて灯を灯した時、「えっ?」と拍子抜けするかもしれませんよ。

でも青いグローなんて素敵ですねぇ…見たいなぁ…。
真空管なんだから、真空管らしい「灯り」が欲しいところですが、私のもつ300Bはいずれも(Prime Ver.2か3とWE)はメッシュでないのでやはり「灯り」は見えにくいです。「灯り」だけなら、845で大満足しています(笑)

Commented by なめちゃん at 2009-09-27 15:04
小生もタマに凝っていた頃、タマの一つの憧れ、目標が “WE300B” でした。

むか〜し、愛用したことがあるWE300Bを搭載した新藤ラボの300B Singleというモノラル・パワーアンプは、8Wという小出力にもかかわらず、堂々としたドライブ力で瑞々しい艶やかな響きを聴くことができました。

弦楽に限っていえばOLDのWE300Bは最高のタマのひとつと思っております。

Commented by rhr_nally at 2009-09-27 17:49
復刻版WE300Bは、入れ物も凄くて「どこにコストをかけているのかな?」なんて心配になります。サンバレーの店主さんに

「○×でWE300B出ていましたよ?」

と言うと眉をひそめて

「○×ですか?B級品ですよ!」

と厳しい口調で話されていたのを思い出します。
WE300Bは結構キワモノが市場に出回っていたみたいですよ。

 私も6SN7の高信頼管を某オークションでRCA5692てやつを買ったのですが、構造から6SN7なんですよ。質問すると「RCA5692です」と一辺倒な答え…唖然としました。
ブランド品ほど、目利きな人に選んでもらう必要があるかもしれませんね。
WE300Bもウエストレックさん、狼少年にならずに生産再開して欲しいものです。
http://rhrsp.exblog.jp/11223372/


▲△▽▼


真空管と言えば、少し古いところで高槻電器さんが300Bの生産・販売を開始されたこと(TA-300B)。実物を見たことがないのですが、日本製でしっかとした作りみたいですね…白いソケットも個人的には好きです。でも「桐の箱」に入れて販売するのは、どうでしょうか…確かに雰囲気はありますが、献上品じゃぁないんだから…

真空管と言う「部品」扱いではなく「工芸品」なんですかね…
有名な陶器みたいな感覚なのでしょうか?

でもこの桐の箱をやめて普通の真空管みたいに化粧箱に1本づつ入れてくれたらいいのに…すると価格も少しは下がると思うのですが(笑)

 あと、トライオードさんですか、WE300Bのそっくりさんを販売されるんですね。
確かに写真を見ると我が家のWE300Bそっくりですけど…そこまでWE300Bに固執する必要があるんでしょうか?

300Bとしてのスペックを明確に満たしてくれればいいと思うんですけどね…。

確かサンパレーさんも密かにWE300Bを海の向こうで復刻させることを進めていたと思いますが…してやられたのかな?

でも購入された方の情報によるとまだまだのようですね(2chのネタです)。

 いずれの価格も「部品」としてみた場合、高すぎますね。でも安すぎると「ありがたみ」や「威厳」「満足感」が薄れるんでしょうね(笑)

高槻電器さんの製品もWE300Bのそっくりさんも立派な化粧箱を開けるところから


「おおっ!」

と言う声を出して儀式が始まるんでしょうね…まぁ、それはそれでいいですけど(笑)

でも現実的な価格は、ペア3諭吉様以下だと思うのですが…

2chを通じて真空管の作成状況のyou tubeを見つけました

"How Its Made Audio Vacuum Tubes =KCK="
http://www.youtube.com/watch?v=amZbwlglbto
http://www.youtube.com/watch?v=PFQSdX1B-ic

ちょっと絶句ですね…量産品と言うより工芸品みたいな工程ですね。
昔、家電の蛍光灯の製造ラインやランプの製造ラインを見ましたが、似たように真空引きをする製品ですが、映像から見るラインは、とても量産ラインとは言い難いですね。

この製造模様がどの規模か判りかねますが量産品としてみた場合、正直バラつきが大きくコストが高く、販売価格が割高なのも分かる気がしますが…

回路を構成する「部品」として量産のバラつきなく精度が高いものを望みたいところです。

でも時代に取り残されたデバイスですね…真空管は…

メインデバイスとして大量に製造されていた頃がやはり精度・バラつき・価格共に安定していたんでしょうね…考えさせられますね。

Commented by こばちゃん at 2012-03-04 14:37
ビンテージ真空管についてですが、WE300Bと後発物との差で一番大きいのは、耐久年数だということを専門家に聞きました。

新発物は、音はともかく、耐久性は未知(検証できていない)ですね。

また、RCA5692等の赤ベースでは、トップマークは仰る通り印刷なので、こすれば消える、経年変化で消える。。まっさらは全部トップマークありだそうです。(これも専門家からの受け売りですけど。。)
その差=価格差とは?です。


Commented by rhr_nally at 2012-03-09 12:34
WEとの差は寿命ですか…なるほど。

私がWE300Bに感じているのは、厳格といいますか厳しさといいますか
とても柔らかいだの艷だのと言う言葉では言えない忠実さでしょうか。

でもWE300Bが最善とは思ってません。
さすがかもしれませんが亡霊ではないかと(笑)
http://rhrsp.exblog.jp/17445410/

出力管にWE300Bの真空管を使用したアンプ(mono×2)を使い始めて10年以上になる。その間、整流管のWE422Aを含めて故障が1回もない。製造されたのが1950年代後半にもかかわらず、あれだけ毎日使ってビクともしないのだからまさに、驚異的寿命だ。

知識の受け売りで恐縮だが、300Bは、当時アメリカの国策として軍事用の通信機器に流用されたこともあり、国の資金が相当投入されたと聞くが、人命がかかっていることからこれほど丁寧かつ頑丈に作られたものとみえる。

それにしても、当時のウェスタン社の技術力は並外れたもので、ノーベル賞級の研究者も相当居たというが、品質の信頼性はきわめて高く、当時の製品は真空管をはじめとして、トランス、コンデンサーなどオークションでいまだに高値で取引されているのも十分納得できる。

私の現用システムも300Bをはじめ、トランス、コイル、コンデンサー、SPコードなどあらゆる要所で恩恵を蒙っており、これらがなくなれば完全に崩壊する。


一時、節約根性を出してセトロン社の300Bを購入したことがあるが、当たり外れがあったのだろうが、使用時間100時間前後で、アンプのスイッチを入れて管が温まり始めるとSPからバリバリと大きな雑音が出だしたのであわてて使用中止にした。安物買いの銭失いとはこのことだった。

ところで、代用管としてCRCの4300BLXも所有しているが、WE300Bと入れ替えただけで1枚ベールがかかったような音になり、もう音楽を聴く気がしなくなる状態になる。価格がオリジナルと比べて6分の1なので、比較するのが酷なのだが、たかだか真空管1ペアでシステム全体が様変わりするので、オーディオとはまことにコワイ世界である。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/387d7045b9fb7780f4b2a053fc7b72c8

真空管にもいろんな種類があって音色も違うし寿命にも大きなバラツキがある。さらに、同じ型番の真空管でもメーカーによっても差がある。

寿命が長くて音質もいいということで真空管の王者として昔から君臨しているのはもちろんウェスタン社のWE300B。

一時製造が中断されていたものの近年の真空管ブームに乗って再開されたが、現在のものはペアで約8万円前後(ネット上)だが、これが1950年代製造のオールドものになると、戦争に実用されていた名残もあって入念に作られた高信頼菅(なにせ人の命がかかっている!)ということで20万円以上。しかし、これが実は音質もよくて一番安上がり。

この300Bオールドは20年使っても劣化しないといわれている。つまり極論すると無限の寿命といってもよい。とりあえずこの時点で1年当たりに換算するとわずか1万円となる。 拙宅の300Bオールドも生産後50年以上経過しているが、使い始めの時点で中古品だったにもかかわらず、以後約10年間ほとんど毎日使っているがビクともしないので驚いている。

これが中国製の300Bになるとペアで3万円前後だが1〜3年前後で劣化するとなると1年当たりに換算すると同じ1万円。しかも音質には明らかに差がある。どちらが得かは明らかだろう。


マッキントッシュの有名なMC275アンプに使用されているKT88(4本)もたしかに音質は迫力があっていいのだが毎日使った場合、約2年ほどで劣化するそうで不経済なことこのうえない。

これから新たに真空管アンプに挑戦する方がもしいるとすれば、WE300Bアンプにしておくのが、あとあとスペア菅の入手などいろんな意味で無難だし音質もよくお薦めである。

ただし、オーディオの常道としては、まず好みのスピーカーを設置し、次にその駆動に適したアンプを選ぶのが順番だろう。真空管アンプは出力があまり出ないので、使用しているスピーカーの能率が低い時には不適である。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1147661b0ccb82b9b993b4163b427127

▲△▽▼


現代真空管アンプ考 2009年 12月 04日


 みなさん、真空管アンプにどんなイメージをお持ちなのでしょうか?

真空管アンプとは、目の前に広がる真空管の「暖かな灯り」を見て「優しい」とか「ゆったりした」とか言う感情・感覚が先に立つんじゃぁないでしょうか?

 本当にそうなのでしょうか?

真空管アンプの中でもOTLアンプについては、この形容詞はあまり当てはまらないようです。
どうやら、答えは「トランス」の中にあるのかもしれませんね。

 今夜、素直に今私が手持ちの真空管アンプを聴いて感じる「現代真空管アンプ」について語らせて頂こうかなと。


贅沢な、WE300B 88年もの…ワインじゃぁあるまいし… (RICHO CX2)


「真空管の暖かな灯かりが、あなたを優しい音楽の調べへといざなってくれる…」

なんて感じで真空管アンプは語られてきたように思います。2A3や300Bの微妙な曲線を描く真空管を見るとそんな思いを馳せてしまうのでしょうね。

「300Bシングルで聴くTANNOY」

なんて、もう誘い言葉の最前列のような気がします(笑)

そんな300Bシングルでも最も低価格な部類に入る、サンバレーさん(元トライオードさん)のVP-mini300MKUてのを私は所有しています。このアンプ、まず一聴して半導体アンプにどぶ付けで悩んでいる人には、快感的音を響かせると思います、

但し、官能的ではないんですよ(笑)

その澄んだ透明な音色、どこまでも飛ぶ音、放射状に広がる音…

これを初体験されますと

「なんて透明で澄んだ音なんだ!」

となってしまいます、これにどこかで聴いたバロックなんか「ポチッ」とPLAYされると、もう行ったことはないけど「英国のサロン」ってこんな感じじゃぁないの?とセレブな気持ちになります。

 こんな具合に入門しますと、真空管の世界一直線となるわけです。


「ウエスタン300Bって伝説の存在だよなぁ…
きっととんでもない音がするんだよ、きっと…」


なんて妄想が爆発する訳です。そこで実際にウエスタン300Bを手にしてみますと、そこに「甘い調べ」はなく予想外に端正でタイトで厳格な音が響き渡る訳です、

いやぁ、これはもう本当に厳格な音です。

どこかのWEBサイトで読みましたがWE300Bのもっとも優秀なところは、設計スペック通りの動作をすることだと。すなわち物理特性に優れていると言うことだと思います。

意外です、ロマンで語られそうな真空管が「物理特性を極めた」と言われては…。


巨大真空管845を使用した

サンバレー SV-2(2007)
http://www.kit-ya.jp/product_info.php?cPath=86_87&products_id=216

を聴きます。

このアンプの何が凄まじいって、それはもう「トランス」に尽きます。

巨大で重量のあるトランスが林立しています、そしてこのトランスは、音楽を聴き終えて電源を切った後もいつまでも熱いのです。そう、このトランスがこのアンプの全てと言っても過言ではないのかもしれません。トランスの進化も相当なものだと思います。

線種の改良、線材の改良、自動巻線の高密度整列巻き、バインディグするエポキシ類の進化(有害物質なので置き換えられたと思います)、コアの鋼材の材質の進化と真空管全盛の頃からするととんでもない進化を遂げたと思うのです。

実際、SV-2(2007)の音に甘さはありません、まさに送信管を使用した音を送信するような放出感、音が散乱します。この特性を厳密にトランスがサポートしているように思えてなりません。

 またこの感覚は、サンバレーさんの商品だけかな?と思い、オーディオウインズさんの真空管アンプなどを借りて聴き、その感想がどうやら間違いではないようだと確信した次第です。

 そうなんです、現代の真空管アンプとは、「甘さ」や「こく」には少々遠いように思えます。

ダンピングファクター自身は、半導体に負けると思いますが「高解像度」「ハイスピード」を感じずにはいられません。

逆に部品そのものの見た目になんの透明感も暖かさもないレジンで封入された半導体の方が「甘さ」や「コク」の演出は現代の真空管アンプより得意だと感じずにはいられません。

前述のVP-mini300MKUが我が家でお蔵入りしたのは、音の透明度と拡散性、瑞々しさはあるのですが「サラダ」のような存在で確かに葉っぱの表面に丸く球になった水分がトマトやレタスをテラテラ照らしているような感覚はあるのですが、それは「あっさり」感が強く

「ああん…」(スンマセン!)

と言うような「官能的」なサウンドではないのです。私が良く言う「透明水彩絵の具」や「パステルカラー」であって「油絵」ではない感じを受けます。

「官能的な色合いやコクを求めるのは結局半導体アンプなのか?
バイポーラよりMOS FETあたりがいいのか?」

なんて、半導体アンプのA1を聴き、半導体プリのM8をつないで感じている今日この頃なのです。

誤解のないように言いますが、私は真空管アンプの透明度と意外とハイスピードで高解像度な音が嫌いではありません。これは、これで極めたいと思っているのです。でも「真空管アンプは見た目と違うよ」と言いたい今日この頃です。

Commented by たっちん at 2009-12-04 23:46 x
>「300Bシングルで聴くTANNOY」

この誘惑に見事にとらわれてしまった未熟者です。(笑)

しかーし、EL34×4の、それなりに重量級アンプを使い、次に、思いっきり軽量級の6BQ5×2を聴いて、かつて真空管アンプに抱いていたイメージを修正する必要を感じており、300Bはいまだ足踏みを続けております。

そのポイントはまさに「音のコク」で、Nallyさんの指摘と共通の部分が多く、「コクなら古い石のラックスか、マッキン(味わいがちょっと違っちゃうけど)」などと、たわけた妄想を抱いておるわけでございます。


>「真空管アンプは見た目と違うよ」

したがいまして、このご意見に一票入れさせていただきます。(笑)

Commented by きゃーる at 2009-12-05 01:25
真空管アンプはOTLでなければ、出力をトランス経由で変換して出しているので、
影響は大きいでしょうね^^
理屈はわからないのですが、特にシングルはトランスの出来がかなり影響するそうです^^
でも、マッキン等は半導体でも出力トランス積んでたりして面白いですよね^^

私もエレキットで真空管アンプを体験して、繊細で煌びやかな高域で予想外だったのですが、オーディオウインズさんの6V6アンプはスピード感はありませんが張り出し感があって、とても濃い音がします^^
最初は低域がボンついて気になっていたのですが、最近違和感がなくなってきてサックス、ボーカル等最高です^^*
聴けば聴くほど気に入って、これ買って良かったと思ってます^^


Commented by rhr_nally at 2009-12-05 08:09
真空管アンプ難しいものがありそうですね。
と言うのは、下のきゃーるさんのコメントです。
同じアンプを聴いてもずいぶん印象が違うみたいです。
うーん…ひとつは、お互いの評価の軸足「リファレンス」を何においているかもありそうですね。
真空管にふれて半導体の良さを感じている私でした(笑)

Commented by rhr_nally at 2009-12-05 08:14
この記事でOTLのことに触れなかったのですが、実はOTLこそ真空管と言うデバイスそのものの味かなぁと思います。
ただ、SV-18Dは6C41と意うメジャーじゃぁない真空管なので戸惑うのかもしれません(単なるブランド志向です(笑))
でも、個人的には気に入ってますよ。

このあたりまでのサンバレーさんがプロデュースする真空管は良かったかなと全く個人的見解ですけどね。
6V6の件、私と正反対な感想を聞かせて頂いてとても嬉しいです。
嬉しいと言う表現も少し違うかもしれませんが、この驚きが楽しい。
オーディオウインズさんを紹介した手前ホットしてます(笑)

Commented by きゃーる at 2009-12-05 14:13 x
OTLは出力がトランスを経由しないので、より球の出音を味わえそうですね^^
理屈がわからなくて言ってますが、OTLって使用できる球が限定されるのか、
あまり有名な球を使っているのみかけませんよね・・・


>6V6の件、私と正反対な感想を聞かせて頂いてとても嬉しいです。

オーディオウインズさんを紹介していただき感謝しています((__)>
最初はハムの件もあって、アチャーって感じだったのですが、特に何もしてないのに次第に音にまとまりがでてきました^^;
エージングを兼ねて、BGM的に音を鳴らしていて、背中で聴きながらPCをパチパチやっていたら、ある日、はっと後ろを振り返るような音がでるようになりました^^;

「オイオイ、今のところすげーいいじゃん・・・」てな感じで^^;

当方の耳エージングが進んだのと、合うソースしか鳴らさなくなったのが大きな原因かもしれませんが(汗)

使っているSPが違うのと、当方、球、OPTを変えているので、rhr_nallyさんとだいぶ感覚が違うのかもしれませんね^^
低域がちょっと雑に鳴る等粗もみられるのですが、全体的に聴かせるフィーリングはジャズ等にとてもマッチします^^
これが無帰還アンプの良さなのかなあと。
その反面、低能率のKitLSやD-112Eでは生気を失うというか鳴らす気も起きせんが^^;

Commented by 欄太郎 at 2009-12-05 17:22
rhr_nallyさんが言われる通りなのか、私は真空管アンプは中高域がにぎやかで、前後には深く展開するが、広がりと言うか包み込まれる様な音は苦手の様に思います、私は真空管のアンプの最大の欠点は、1時間2時間3時間と音の印象が結構違う事に有ります、結論を急いでいる時の真空管アンプは全て否定されてしまうのではないでしょうか、きゃーるさんが言われる様に耳がエージングされるのかもしれませんが(笑)、

最近手に入れたスピーカーSX-500DUもそうです、鳴らし始めは結構にぎやかで、2時間程鳴らし続けるとNS-1と間違えてしまう程です

石のプリに、球のパワーが良いかも、
KT66,6V6はハイスピードですが、6L6はまったりしていますね、

デジタルアンプは大きいパワーを入れたとき真空管アンプとの違いは歴然です、あまり大きい音で聴かないんですけどね。

Commented by rhr_nally at 2009-12-06 17:00
確かに暖機が完了するまで、本来の能力を出さないのはもどかしく
暖機をする時間、時間で違った一面を見せるのもじれったいですね。
うーん、オーディオってのは、目に見えないのでその時のコンディション、精神状態と様々なパラメーターで評価が変わりますね。
まぁ、それが良いのかもしれませんが、もし再現性がないのなら一期一会で真剣勝負で音を聴く必要があるなら…しんどいですね(笑)

「石のプリに球のパワー」我が家の現状ですね(笑)
デジタルアンプはチャンスがあったら武者修行してみます。
http://rhrsp.exblog.jp/11713787/

24. 中川隆[-8829] koaQ7Jey 2019年8月16日 17:44:59 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3913] 報告
46投稿者:現行300Bの音  投稿日:2008年08月30日(土) 22時06分58秒

現行300Bの音をひと通り総括してみたいと思います。
まず原点に立ち返って300Bの音って・・・?て訊かれたら皆さん、どう答えます?私なら


「音の立ち上がりに独特の間合いがあって僅かなタメの後、フッと立ち上がる気配感、

そしてふっくらと膨らみながら響きをしっかり残して収束していく鳴りの良さが特徴の球。

それほど音のエッジを際立たせることなく内声部の厚み,ハーモニーで聴かせる球」


とお答えしたいと思います。でも基本的にはこういうキャラクタの300Bですが勿論ブランド,メーカによって音は百花繚乱。十把一絡げに語ることは出来ません。ごく簡単にそれぞれの音の正確をレヴューしてみましょう。勿論単純な優劣をつけようという話ではありません。


 まず最初はGD4-300BC。これは現行300B群の中では最もシャープで高解像度な明るい音です。先ほど300Bの個性として「それほど音のエッジを際立たせることなく」と書きました。勿論これは悪い意味ではありませんが4-300BCはそんな300Bのキャラを有しながらも現代的で彫りの深い音と言えるでしょう。堅牢なカーボンプレート,タイト製のソケットなどに裏付けられたモノづくりの凄さとともにビシッとピントの合った音が魅力です。出音の良さといいますか音量感が優れているのも大きな特徴です。

 次にSvetlana300B。この球は現行球の仲では最もWE300Bを意識した造られ方をしていて4-300Bのような新たな試みは無い代わりにベーシックで質実剛健な球といえるでしょう。音は端整で暴れのない、どちらか言うと生真面目な表現です。バランス的にはまさに中庸。高域も低域も特に欲張っておらず300Bの持ち味を忠実に復刻した「現行標準300B仕様」と言える内容です。昔はSve300Bは高かったんですが、今や随分お値打ちになりました。


次は本丸WE300Bです。

WE300Bの音を言葉で表現するのはとても難しく、いつも言葉を選びます。何故ならWE300Bの魅力を語っているといつしか真空管アンプの魅力そのものに話がすり替わってまう・・・それほどに魅力的であり且つ真空管アンプの原点ともいうべき神々しさを湛えた球でもあります。

音的には冒頭に述べた響きの良さに加え骨太でしっかりと腰を落とした重心の低さ、そしてコクと言いますか、特に中低域の倍音の厚み・・・単にボワっと出るのでもなく幾重にも音のベールが織り重なったようなしっかりした密度感が本当に素晴らしいと思います。


私どものアンプで特にSV-91BにWE300Bを差し替えた時の変化・・・

いきなりビシっと鞭が入ったように音力が増し音が近くなる様は快感のひと言です。まさに最上級に相応しい風格と音ですね。


 続いてはPrime300Bです。これについては既に現行300Bの定番として皆さんに認めて頂いて多くの方がお使い下さっているので今更コメントの必要もないかもしれませんが、わたし的にはあらゆる300Bの中で最も響きが良く、厚みのあるサウンドだと思っています。銅プレート,金メッキのグリッド,ガラスの厚みにまで拘って製造していただいている球でGD4-300BCと対照的なキャラクタと言えるかもしれません。勿論解像度が低いとかダイナミックレンジが狭いという事ではありません。とにかく「たっぷり」聴かせてくれる・・・そんな300BがPrimeだと憶えておいて下さい。

 最後に補足的にエレハモ300Bについて。この球は高域の抜けが良く低域も締まっていて音の浸透力という点では大変優れている球です。501SEの標準球としてEHを採用したのはこのアンプの特徴である後乗りの滑らかさに僅かに高域の明るさを加えたかったから。そういう意味では良い中和効果を発揮してくれていると思います。バラツキがやや大きく選別は大変ですが一時期のようにエミ減トラブルもなく現在は品質も安定していますので、今後も501SEの標準球として頑張ってもらおうと思っています。

WE300Bはなかなか手が届かないとしても30000円前後でこれだけ選択肢がある訳ですから是非皆さんも洋服を着替えるように違う300Bを用意して気分やソースで差し替えて楽しむ・・・なんて事は如何でしょうか。こんな芸当が出来るのも真空管アンプならではの醍醐味ですから。
http://www.kit-ya.jp/blog/index.php?eid=1629


WE300Bオールドと復刻版の音質差 2011,08,12, Friday


今77年,88年,99年,06年のWE300Bと新300Bの5種類をとっかえひっかえしながらSV-91Bで聴き較べているところです。ちょっとこの写真をご覧下さい。右から77年,99年,06年,そして新300B二次試作です。こうやってみるとWE300Bでもシェイプに微妙な違いがあることが分かると思います。

77年と06年はちょっとズングリ、99年はやや細身。二次試作はこの3本の中では99年に最も近いことがお分りになると思います。

ただこの少々変な撮り方の写真はその外形の差異をお示しする為にアップしたのではありません。写真をクリックして大きな画像でよーく見ていただくとWE300Bは3本とも横方向に筋状の"紋"が見えるのが分かりますでしょうか。対して二次試作の表面は滑らかです。これが以前から申し上げているガラスの薄さの違いなのです。

言い換えればWE300Bは紋が出るほど限界までガラスを薄く仕上げていて、これがあのチーンという"お鈴"の音程を決定づけており、WE300Bの繊細で豊かな響きのポイントであろうと言われています。

対して二次試作は今までのものよりも薄くはなっているものの、WE300Bと比較するとまだ厚く、色味もやや褐色がかっていることが分かると思います。


 ただ最も大切な音に関して言うと、この二次試作、相当高いレベルまで来ていると申し上げておきます。市場で最も沢山流通している300Bは300BEH(ロシア)と300B-98(中国)の二種類だと思いますが、これらと比較して最も大きな差異として感じられるのはローレベルのグラデーション(階調表現です)でありピークで頭を打たないヘッドルームの高さです。今まで自宅ではオートグラフはPPメインで鳴らしてきましたが、今回の試作であれば91B(シングル)で十分。むしろその中高域の伸びやかさからMonitor GoldのEnergyを1ノッチ落としたほどです。

 今日偶然発見があったのはWE300Bが世代間で音質が異なることです。

試聴している時、うっかりしていて06年と77年を左右に挿して聴いていてあれ?と思ったのがきっかけでした。Tuttiでブオン!と膨らむその感じ・・・SPの外側に拡がる音場感が左右チャンネルで僅かに違うので確認したところ世代が違うことに気づいた訳ですが、

オリジナル(オールド)よりも復刻版の方が中低域の倍音が厚め・・・

言い換えればオールドの方が良い意味で渋い音だという事が分かったのです。

Ipはほぼ同じですので特性差ではありません。今回佛山で"音は復刻を狙うのかオールドか?"と訊かれた意味が漸く分かったという訳ですが、LPでもプレスで音が違うように同じWE300Bでも音が違うなんて、とても興味深いですね。これだから球との戯れは止められません(笑)。
http://www.kit-ya.jp/blog/index.php?eid=3384

2011-02-21 00:35

現在WE300B復刻版(9552)が来客中。まだmini91Bでのちょい聴きでしかWE同士の比較は出来ていませんが…自分のエミ減WE300Bオールドとは確かに微妙に音が違います。

復刻WEの状態、過去の使用時間は定かではないのでなんとも言えませんが、復刻版の方が高域がクリア、な感じです。

これが逆に「音の硬さ、新しさ」と感じる方もいるでしょう。

横への音の広がりは(現状では)エミ減WE300Bオールド(プリントとARMYのペア)の方が上と感じます。

オールドの方が高域の耳あたりが円やかで「音が濃く感じる」のは確かですね。

両者を聴いてわかったのですが、「WE300Bたる最大の特徴の一つ」は音色もさることながら【音のタメ】だと感じます。

例えば中低域(チェロの低音等)が、中国現行管だと【ブン】に対しWEだと【ウ”ゥン】みたいな(笑)。弦楽器を表現するにはこのタメが非常に重要で、これが音の実体感の再現に大きく貢献していると思います。これは新旧問わずWE300Bにあります。自分はガラスの薄さ(WEの方が薄い、響きが出やすい)が大いに関係しているのかな…と思っています。

また総じてWEの音は、自分の印象では「結構締まった音」です。ムラードの様な芳醇な雰囲気とは違います。もっと厳しい、それでいて機械的ではない音に自分は感じます。

オールドWEと復刻の関係については、色んな考え方が出来ます。「復刻WEで充分」とも言えるし、「やっぱりオリジナルWEでないと!」とも言えます。両者とも優秀な【音楽モニター管】だと思います。
http://cello300b.exblog.jp/12153216/

25. 中川隆[-8828] koaQ7Jey 2019年8月16日 17:46:27 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3914] 報告
300A・300B を使ったウエスタン・エレクトリックのオリジナル・パワーアンプ


300A採用のアンプは、『D-95036-F/G』、『86』、『91』、『92』と、1938年以降の製造された『TA-7467』、『TA-7477』があるが(他に300Bを採用した『42』、『46』のモディファイド・ヴァージョンなどがある)、

ファイナルステージがプッシュプルの『86』。シングルの『91』、この2種がシアター用として、もっとも重要な存在である。


1) Western Electric 86 Amplifier

WE-86-C回路図
http://kankyu.ehoh.net/page013.html


 『86』は、1934年に発表されているが、’35年のType1〜4システム、’36年のM-3〜4“ミラフォニック・サウンドシステム”の「ダイフォニック」システムをドライヴするパワーアンプとして運用、出力管300Aをプッシュプルで用いた、ウェスタンでもっとも著名な製品の一つである。

 
『86』は(A)と(C)型で最小47db から最大99db、(B)型で36dbから96dbの幅広い固定式ゲイン・コントロールが行えるのが特徴である。
 
まず入力信号は1次インピーダンス200Ω、2次インピーダンス110kΩ、昇圧比1:23.5のインプット・トランス261-B(パーマロイ・コア)で受ける。

 『86-A』のアウトプット・トランスは166-A、『86-B』では166-B、『86-C』では159-Bとなる。

 159-Bは1次インピーダンスが4.13Ω、2次が6Ωと12Ωで、

6Ωのタップの場合 3.5Ω〜7.5Ωのインピーダンスを持つレシーヴァー、

12Ωの場合には7.5Ω〜15Ωのレシーヴァー

を接続するようにとの指示がある。 300Aのバイアス抵抗(ワード・レオナルド製)は、60オームと510Ω(合計570Ω)で、ここには300A×2本分の電流が流れるから、1本分に換算すると1.140Ωになる。わざわざ60Ωと510Ωに分割してあるのは、B電源と510Ωの間に16μFの電解コンデンサーを接続し、A.C.分(B電源のリップルや出力管のアンバランスから生ずる歪)をキャンセルする手法である。また同時に300Aの、高域における電源インピーダンスを下げる効果もある。

『86』はウェスタンで最初に本格的に電解コンデンサー(エアルヴォックス製)を採用したアンプで、これも画期的なことであった。

 『86-A』『86-B』とも、パワー・トランスには当初60Hz専用のコア・ヴァリウムの小さめのもの(323^B)が採用されたが、発熱およびレギュレーションの点で不利なため、1935年に47Hz〜63Hz対応のD-96970に交換された『B-86-A/c-86-A/86-C』が生まれる。

 『86』は、映画産業の隆盛の波に乗った、ワイド・フリクェシー&ヴォリュウム・レンジを謳う“ミラフォニック・サウンドシステム”を導入したシアター用に、1934年から’37年の間、大量に生産された。 客席数が800〜1500席、100,000〜250,000立方フィート(2,831〜7,079m3)のエア・ヴォリウムを持つシアターでM4システムや、M3システムにおける、ステージ・レシーヴァー駆動用の終段アンプとして充分な実力を発揮した。

 TA-4161-A低域レシーヴァー、594-Aレシーヴァー、26-Aホーンを主体とする“ミラフォニック・サウンドシステム”を本機で鳴らしてみると、わずか15Wの出力であるにもかかわらず、その卓越した表現力、色彩感豊かな描写、そして圧倒的な重量感は現代の数百Wのアンプに勝とも劣らないことを強烈に思い知れされる。

オーディトリアムにおける音響機器のテクノロジーは、1930年代にはすでに完成の域に達していた。それが現代民生用オーディオシステムにあまり継承されていないことは残念でならない。音響技術および音楽ソフトの分野に関しては、S/Nが改善され、ダイナミックレンジおよび周波数レンジも拡大してきたが、その代償として失われたものも多いことを考え直す時期に来ているのではないだろうか。
http://www.gokudo.co.jp/index2.htm

__________


2) WE−91B


WE-86-C回路図 ・WE300Bシングル回路図
http://kankyu.ehoh.net/page013.html


WE-300Bをシングルで使ったアンプとしてその信頼性と設計の良さが語り継がれている。初めて原型のWE-300Aが1936年にWE-1068トーキー映画アンプシステムのWE-86アンプに使われた。その後WE-91Aに使用、改良された300Bが投入されると91Bに改版となった。

電圧増幅はWE-310A(Ef=10V)を2段使い、十分な増幅度を得ている。入力はフォトセル用にT1で昇圧しハイゲインとしている。整流管は274Aを採用して300Bとウォームアップ時間を合わせている。

オリジナルはモノラルアンプ オーディオ用には入力Tと初段を省略する回路が参考にされてきたがオーバーオールのNFBなどの極めて高度な補正が施されている回路は今でも色褪せない。
http://kankyu.ehoh.net/page003.html



16. 2013年3月24日 19:52:19 : W18zBTaIM6

91Bをステレオ仕様に変更したイミテーション・アンプがキット屋(サンバレー)から発売されています。
評価は今一つみたいですがどうでしょうか?

サンバレー ウェスタン・エレクトリック 91B 復刻版

製品名 SV-91BIII 完成品
製品概要 300Bシングルパワーアンプ
価格 328,000円(税・送料込み)

形式:300Bシングルパワーアンプ
※使用トランスは全て橋本電気製
入力:入力1系統,ヴォリューム無
配線仕様:オール手配線
ボンネット:無し

使用真空管:LM310A*4, Prime300Bver.4*2, GD/274B
(LM310Aは曙光製別注品【国内当社専売品】)

定格出力:10W+10W(8Ω、THD:10%)
周波数特性:10Hz〜70kHz(1W 8Ω -3dB)
ゲイン:27dB(8Ω)
適合負荷:4〜6/8/16Ωからご注文時に1系統選択(標準は8Ω)

サイズ(突起部・球含む):W400×D300×H220
重量kg:23


世の所謂 「91B型」300Bシングルは何故オリジナルとこんなに音が違うのだろう、という疑問からSV-91Bの開発はスタートしました。

その為にはまずオリジナルと同じ3段増幅回路を用い、通常は送信管アンプに使う大型出力トランスを300B用にアレンジ。また300Bをフルスイングする為に通常では考えられない利得を電圧増幅段で稼ぎ、「マルチループフィードバック」回路で強力に音を締めています。

並みのプッシュプルアンプを寄せ付けないドライブ力。大型SPを楽々と制動する私どものパワーアンプの最上級モデルの一つです。

店主のひとこと:
電圧増幅管にLM310Aを採用。300BはPrime300Bver.4,整流管はGD/274Bです。
※LM310Aは曙光製別注品【国内当社専売品】
http://www.kit-ya.jp/product_info.php?cPath=86_87&products_id=667

サンバレーの3つの300Bアンプ(SV-501SE、SV-91B そして mini91B)


 今我が家には300Bのアンプは3台あります。一番聴く機会の多いリビングにはSV-501SE、1階のメインのレッスン室にはSV-91B、サブのレッスン室にはmini91Bです。

 2009年4月にAutograph miniを導入し、6月にそれをドライブするメインアンプにmini91Bを選びました。それまで主に聴いていたSV-91BとSV-501 SEの違いについては、以前に書いたものを引用します。

 私達演奏家が忘れてはならない音の厚みを出す事などはそれこそ91Bの独壇場でしょう。

音と音がいつもつながっていて(legato)、それでいて1音1音発音はハッキリしないといけないのです。お茶漬けサラサラではいけないのです。この感覚を日本で[特に和風の住宅で]持ち続けるのはとても難しいです。この感覚は91Bの方がよく表現できています。

それに91でジックリ聴いたソースを501で聴くと、何かサラッと流れて行ってしまうような気がするのも事実です。でも91Bではあまり出てこない色彩感が、501 SEではよく聞こえてくるのもまた事実。

 これに Autograph mini と mini91B が加わり、メイン3機種×スピーカー3台=9通りと選択肢がとても増えました。でも結局今までのラインは崩さずに、Autograph miniはmini91Bでドライブする事にしました。

 音の幅と厚みを大事にしたいので、こうなりました。

音の拡がりや流麗さを大事にする方だと SV-91B より SV-501SE や VP-mini300MkIIを選ばれるでしょう。

私たちの世代のプレーヤーは SV-91B に魅かれる人が多いですが、もっと若い世代の人はより流麗な音に魅かれるようです。ステレオの選び方にも年代の特徴がよく表れています。

SV-501とSV-91B

 私は6BM8のシングル(エレキットのTU870)で真空管に目覚めた後、KT88(トライオードのVP-Mini88 MkII)、6BQ5(トライオードのVP-Mini84 MarkII)のシングルを手に入れ、思い出の6BM8シングルを作りました。

当初はKT88を聴いていたのですがそのうち300Bのシングルが欲しくなり、エレキットのTU-873を作りました。私は音の自然さと伸びやかさを最も重要視するので、直熱三極管それも300Bの音に魅かれて行きました。

当時は秋葉原の店頭で色々な種類の管の音をずいぶん試聴したものです。そのうち同僚の伝手もあってサンバレーと接触を持ちました。その当時はサンバレーの300BのアンプはJB300BとSV-501iだったと思います。JBも捨てがたかったのですが、SVの方を選びました。

このSV-501はコスト・パフォーマンスの点では右に出る物は滅多にないという名品だと思います。それが更にSV-501SEになって見かけは i とそっくりですが音はまるで変わりました。

 またしばらくして今度はSV-91Bが出てきました。この両者の違いは何度も書いていますが、


501SEの方はなんと言ってもその流麗さが特徴、

91Bの方は力強さが特徴


です。前にも書いたように501は固定バイアスなので、レッドゾーンに入るか入らないか位のところまでプレート電流を流すとDefaultの状態とは違うDarkな音が出てきます。

(私の家でこの状態で動作させるようになって9ヶ月が経ちますが、いまだに快調です。501 SEは2階リビングに置いてありますが、毎日必ず最低でも30分ほどは音を出しています。つまりこの程度では300Bに悪影響はないという事でしょう。501に挿している300BはWEの9952です。)


 1階のレッスン室にあるSV-91Bの方は501に較べると音を出す頻度がいくぶん下がります。 91BはもともとPrimeTubesが付いていましたが、これにSvetlanaやGolden Dragonを挿したり、PrimeTubesのVer.2を挿したり色々と試しました。この時点ではPrimeTubesのVer.2で決まりだったのですが、WEの300B(8826)と整流管274Bを挿したら更に音が活きて聞こえ、今ではWEになってしまいました。

(整流管274Bの違いによる音の変化はかなり予想より大きいのですが、274Bは品薄で高価な事を考えるとどなたにもお奨めという訳にはいきません。)

WEにしたらそれだけの意味があるかという事になると、これは人によるとしか言えません。今の時点でWEでなければダメなのかと聞かれたら、私は決してそんな事はないと答えます。今PrimeTubesで聴いても普通に聴くのであれば何の不都合もなく音楽を楽しめます。

 高い真空管を買う金があったらその差額でソフトを買うという選択の方が現実的でしょう。管のコレクションを楽しむのなら別ですが。

 結論として今501と91Bのどちらをとるのかと言われると、私は両方とも大事ですとしか言えません。

 それに色々ステレオに手を入れて行くと、段々2つが似かよった持ち味を持ってくるのです。結局どのアンプだからという事より、私が自分の好みで音を作っているという事の影響力の方がはるかに大きいのです。今の2階の501は多分他で聴ける501とはかなり違うベクトルを持っているように思います。

管をWEにするか否かは、全体のセッティングを充分やった後に調味料程度に効いてくるものです。WEでなければダメというような事は決してありません。

実際スピーカーの高域のレベル調整の方が影響力は大きいです。でも無視できない事も事実です。だから悩むのです。

300B色々

 私は300BのアンプはキットでエレキットのTU-873を初めとして、ヒノのHK-300BS、サンバレーのSV-501i、SV-501 SE、SV-91Bと作ってきました、そして300Bは

エレキットについてきた中国管、
Svetlana、
Golden Dragon、
Prime TubesのVer.1と2、

最後に

WEの88年版と99年版を使ってきました。


 Prime TubesのVer.1は2003年10月、Ver.2は2004年7月、WEは2004年10月に導入していますので、ここではそれをまとめてみます。

 色々のアンプを色々の管で聴いて何が音を一番決めるのでしょう。

私の結論はアンプが一番決定的なファクターを握っているという事です。回路の構成や動作点の置き方で基本的なキャラクターは決まってしまいます。ですから設計者の求めるものが一番表に出てくるのです。

管はそのキャラクターを発揮させるための脇役なのですが、ある意味準主役のような働きまでします。(ヴァイオリンで言うと管は弦というよりは弓に近いと言えるでしょう。)

 例えばSV-501 SEとSV-91Bですが、どんな管を使っても91Bから501のような音は出せません。

91Bは音が塊で前に出てきて、501は音の粒の細かさと色彩の多さが特徴です。

基本的にどちらのキャラクターを求めるのかをまず決めて、それをそのまま活かそうとするのか、あるいは自分の好みの方向に微調整するのかによって管選びが違ってくるのでしょう。(固定バイアスの501の場合は電流の調整によってもかなり音の肌合いが変わります。)勿論だれでもその片方で満足する人はいないと思いますが、二股をかけるようなやり方はしない方が良いです。基本的にどちらかをとって、それから管選び、そしてスピーカーのセッティング(置き方とレベル調整)までやって自分の好みの音にして行くべきだと思います。

 今言った事と矛盾するようですが、管を替えるとかなりアンプの性格が変わります。

私が現在評価する管はPrimeTubesのVer.2とWEです。

絶対的な評価についてはWEの方が上なのですが、何しろ値段は3倍以上違うのです。それだけの違いがあるかと言われると「?」としか言えません。でもWEでしか聞けない音がある事もたしかです。それこそその人の価値観の問題です。(音楽をどう思うかだけではなく、音楽そしてオーディオが自分の生活の中でどのような位置づけになるのかという事です。)

普段の生活の中で音楽を聴く事を大事にするのでしたら私はPrimeTubes Ver.2をお奨めします。WEのビンテージ物を持っていても普段は大事にとってあるというのでは本領は発揮してくれません。普段からそれをどんどん鳴らしているのでなければ本当の音など聴けません。

91Bに挿している88年版は毎日聴いている時と2〜3日間をおいて鳴らした時では最初の反応からハッキリ違います。どんな管でも毎日短い時間でも必ず聴いてあげる事の方がずっとずっと大事だと思います。

ヴァイオリンもまったく同じで、アマチュアの人にとって悩ましいのが毎日弾けない事でしょう。

 音を決める要素としては私はSV-91Bの場合300Bよりは整流管の影響の方が大きいような気がしています。整流素子によって音が違うというのはよく聞く話です。ただWE274Bは1本8〜9万する上になかなか手に入らないです。こうなるとコストパフォーマンスの問題で、その違いに意味を見いだして投資するかの問題です。私は単純に興味があるのでWEにしてそれなりに良さは味わいましたが、そこまでやる意味があるかどうかはいまだに分かりません。


 300Bに限らず管を替えれば音は必ず変わります。

SV-722の12AX7(ECC83)、SV-501 SEの前段の6BM8(ECL82)、SV-91Bの310BとAなど換えると面白いほど音は変わります。

現状はSV-722は厶印の83、501のECL-82はTUNGSRAM、310はAになっています。でも基本的なキャラクターまでは変えられません。あくまでもアンプの持ち味を最大限に活かすための調味料のようなものです。例えば塩にも赤穂の塩もあれば岩塩もあるというようなものでしょう。 
http://www.nezu.ms/komiti_bangai.html

26. 中川隆[-8827] koaQ7Jey 2019年8月16日 17:47:40 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3915] 報告
160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/10/12(水) 19:16:38.59 ID:q1EL38/8

サンバレー SV-91B は、WEに見合う価値のあるアンプですか?


161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/10/14(金) 05:07:44.38 ID:xWKduPs1

それまで、300Bには高級OPTを組合すのがセオリーだったが、WE91Bの原点に立ち返り、ちんけなOPTでも一般には十分ということを証明した最初の300Bアンプだったな。

その後、OPTをけちって価格を下げた300Bアンブが乱立した。
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/pav/1218645947/

安物のトランスでは WE−91Bの音にならない


カンノ製作所 KB300 モノパワーアンプ×2台

カンノ製作所 KB300 が当社試聴室のリファレンス真空管パワーアンプになります。2台で当時の定価\196万、非常に珍品です。

本機の回路は米国WE ウエスタンエレクトリック(株)の流用です。

出力管300Bは勿論WEの300Bで、WE1985年のカンノ製作所保管分です。

6SN7−INTR-300B真空管−OUTTRのシンプルなモノです。

入力はXLR/RCAで、入力VRがあるため、プリアンプを必要としません。スピーカーターミナルには、WBT社大型バインディングポスト型を採用しています。

しかしそのパーツ、配線技術などは格段の違いがあります。


本機は、故永沼課長全盛期の作品です。

北九州市の菅野製作所(株)の会長で居られた故菅野省三氏が、自分の音楽の趣味のため資材、私財を投入し、昭和30年台に、当時としては珍しい電子顕微鏡!!までをを購入し、米国WE ウエスタンエレクトリック(株) の真空管アンプ類を分解し、音の秘密がコア材のパーマロイにあることを発見されます。

石にも目があるように、金属にも目があります。金属結晶の分子列配合です。石の目にそって鏨(タガネ)を入れると、僅かな力で石は目に沿って割れます。TVなどでも石切場で見られたことと思います。昔の方はどのようにして金属の目を見つけるのか?

それは光線の縞に答えがあります。同じパーマロイ厚板から切断しても、組み方が違えば同じ音にはなりません。
そんなことはない!!と言われる方も多いですが、事実、組み手が変われば音は変わります。それは長い熟練と経験と音楽に対する造指の上に完成します。


残念ですが、カンノ製作所の超熟練の永沼課長が鬼籍に入られ、カンノ製作所にこれと同じ物を組める方は居られなくなりました。音の空間、静けさ、倍音、突発的な広ダイナミックレンジなど、生の演奏が持つ独特な雰囲気を、カンノアンプは再生します。

勿論8W位ですから、何でも鳴るわけではありません。オールドの16オーム仕様のSPは最高に鳴ります。オートグラフ、ハーツフィルド、パラゴン、A5などです。最高の至福の時間を貴方に与えます。貴方のそばに置きたいアンプです。
http://www.auduo-1.com/casa_007.html




18. 2013年3月24日 20:29:54 : W18zBTaIM6

131 名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2010/10/30 22:48:39

SV-91BIII が欲しいと思ってます
91B構成で高槻の300Bがどんな音がするのか?
だって本物の91Bアンプって手に入らないもの
どなたか使っておられる方、アドバイス下さい。


140名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/31 14:59:45  

91B構成の300Bアンプならもっと音の良い資材のがいっぱいあるんですが
安物志向なのですか?

141名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2010/10/31 15:58:13

所詮、素人衆に売りつけるもんだから
ここでぐだぐだ言ってもしょうがないべー


142 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/31 20:31:37

いや、でも91Bスタイルでコンパクトなのという意味ではこれ以上スマートにはなかなか出来ないよ

143 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/01 08:44:33  

いやいや、91B型をステレオで作っちゃいけないよ。
91B型はモノアンプじゃなくっちゃね。
第一、ステレオ分の電流負わせたら274Bが可哀相。


150 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/03 02:13:34
>143
>第一、ステレオ分の電流負わせたら274Bが可哀相

この点で技術的に明確な自信があるなら大橋さんに質問してよ。


152 名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/03 16:26:26
>150
274Bの最大整流電流は入力コンデンサ4uFで150mA、
入力コンデンサを増やすと140mA

ステレオ構成の300B 2本と310A 4本分だと、ギリギリだよ。
本来の91型モノラル構成なら大いに余裕があるよ。
http://desktop2ch.info/pav/1287185199/


19. 2013年3月24日 20:54:16 : W18zBTaIM6


サンバレー VP-mini300MKUは、私なりに中域が厚いと言われているシーメンスの12AX7に換装して使用しています。

しかしながら、音の透明度と放射感は恐らくだれが聴いても、特に半導体アンプに飽き初めて真空管アンプを初めて耳にする人には鮮烈に聴こえると思います。

「こんな音初めてだ、今まで何を聴いていたのだろう?」

確かにコストパフォーマンスに優れているし、この透明感と音飛びの良さはインパクト大です。

しかしです…よーく聴き込んでくると、我が家のminiとの相性では透明感と音飛びの良さとは反対に中域の薄さ「濃さ」がものたりません…。

このことに気づいてからすっかり出動回数の減ったアンプになってしまいました…。


Commented by たっちん at 2009-10-07 09:43
300Bを先々の目標に置くものとしては、「透明感と音飛びの良さとは反対に中域の薄さ」という指摘には、いろいろと考えさせられます。

今のところ、よくわかった上ででなく“300Bシングル”という神話のイメージに憧れている段階なので。(^^;


Commented by rhr_nally at 2009-10-07 12:49
300Bと言いますか真空管アンプ全般でトランスの占める割合が大きいのではないかと思います。

同じサンバレーさんのシングル3機種 VP-mini300MKUと SV-91B と SV-501SE を比較した場合、

91Bは整流管を使用している、
SV-501SEは使用していない

などから、音質も違うと言われる方もいらっしゃいますが、真空管アンプではトランスの影響が大きいのではないかと最近考えます。

「よくも悪くもトランスで音が変わる」

それを痛感したのが、きゃーるさんの6V6の試聴でした。

標準から日立のファインメットコアトランスにしたものは、随分音が違いました。標準の6V6はシャープできつめな音なのですが、ファインメット版は中域が厚く低域も分厚いと感じています。
http://rhrsp.exblog.jp/11282326/


色んな300Bアンプ。

この1年半くらいで、幸運にも色々な300Bアンプを体験(聴く)することができました。面白いのは多くの人たちと同じく、自分も初めて聴いた真空管アンプはエレキット製だった事でした。

山形の、自分がオーディオを持つきっかけとなった方がシーメンスのコアキシャルにエレキットの300Bアンプ(TU-873)を組み合わせて聴かれていました。色々なアンプを作られ、行き着いた先が300Bのしかも入門機(失礼!)のTU−873というのが興味深いです。因みにホルンを吹かれる方です。その方の友人の打楽器の方はヒノの2A3アンプを使われているそうです。

エレキットの300Bアンプは本当に自然な、「水」のようなアンプだと思いました。アンプの存在を感じさせず、SPの裏方となりいつまでも聴けるタイプ、一般的な「真空管は音がよい、柔らかい」のイメージに結構近い気がします。

(その後、サンバレープライム4とGE/6SN7GTBを誕生日にプレゼントしたら気に入って頂けて、音も変わりました。特に前段のGE/6SN7GTBで音が前にくるようになりました)

キット屋ショールームでSV−91Bを聴いた時のインパクトは凄いものでした。あれを聴いて

「やっぱり真空管って音が柔らかいんだ」

って思う人は…あまりいないんじゃないかな。

参考までに聴かせて頂いたオールWE仕様はまさに銘器。Vnでいうとデルジェス、という感じでしょうかね(笑)。

デルジェスといえば、シュロモ・ミンツもデルジェスで、練習場で協奏曲を聴いた時に(なんてキツイ音、音圧の強い楽器だろう)と思いましたが、サントリーで弾きはじめた瞬間、オケと全く引けをとらない、むしろオケをも支配し、客席の一番後ろまで届いていくその音に圧倒されました。完全にホールで本領を発揮する楽器です。


SV−501SEは下向きに倍音成分の多い「玄人」なアンプという印象。

「客席タイプ、S席タイプ」の評価も頷けます。
未だに気になるアンプです。むりやり楽器にあてはめると(笑)…アマティかな。

mini91Bはシングルなのにトルクフル、SV−91Bとはまた力強さが違う印象。楽器に例えるとテスト―レかな(これは結構良い例えでは??)


そして最近のお気に入り、VPmini300mk−Uですが、自分の印象は91Bと501SEの間のようなキャラクター。

響きが多く、低音の出方がふくよかです。

91Bの締まった低音とは違います、なるほど商品説明の「ゾリっと」とは上手い言い方です。

300Bアンプの中では手頃な存在ですが、良い意味で中庸なTU-873とは明らかに違う、ミネラルの多い音。山形でシーメンスSPにmini300を繋げたら「これ、置いてってもいいですよ」と言われちゃいました(笑)。

楽器だと「ストラド」といいたいとこですが、これをストラドにすると価格バランスがめちゃくちゃに(笑)。エンリコ・ロッカというところかな。このアンプをプリメインで使っている方は、だまされたと思って是非プリを通して入力VOLを最大にあげた本来の力を体験して欲しいです。新しい世界が見えてくると思います。お奨めは樽プリSV-20Dです。


気が付くと300Bシングルばっかり(苦笑)。

すいません、つい。VP-3000も聴きましたよ、少しですが。店主が


「シングルは音色を、プッシュプルは響きを聴く」


と仰っていますが、なるほど確かにという感じ。一度vP-3000でkitLSをじっくり聴いてみたいです。モダン最高といわれる「プレッセンダ」としておきましょうかね。

…あ、「ストラド」が無い…SV−2(2007)ですよ(笑)。スイマセンまだ音の特徴を掴みきれていないが、近いと思います。山形の先輩はこのアンプが大変気になっている様です。…でも40kgは重い。

参考までに、チェロで最高と言われている楽器はストラドよりモンタニァーナともいわれています。ストラドのA線(高弦)は素晴らしい、でも対して低弦の鳴りが最強クラスにしては…という評価です。とは言っても「ストラドはストラド」ですが。フォイヤマンや堤さんはモンタニアーナです。箱が大きくて良く鳴り、「チェロ」のイメージにぴったりの音です。

…でもどの銘器も状態や製作年代など、「ピンキリ」です。ピン(キリ?)でいいから持ってみたいもんです。
http://cello300b.exblog.jp/8402624/



20. 中川隆 2013年3月24日 21:41:27 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6


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本物の WE91B 画像
http://www.google.co.jp/search?q=WE+%EF%BC%99%EF%BC%91B&hl=ja&lr=lang_ja&tbs=lr:lang_1ja&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=2PBOUazeE8WjkgWk54CIAg&ved=0CCsQsAQ&biw=1072&bih=892

27. 中川隆[-8826] koaQ7Jey 2019年8月16日 17:50:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3916] 報告

WE91Bはほんとにすごいアンプだった 2013-01-19 11:08:58


WE91Bで鳴らし始めてから数日間

仕事も行きたくない、ずーっと音楽を聴いていたい

なんて素晴らしいアンプだったんだ91は

我が家のALTECは817システムで515Cをパラ接続+288-8G+311-90
これにツイーターをコンデンサーとコイルを使って付け足したもの

このスピーカーがわずか出力9ワットのアンプで鳴るなんて
思ってもみなかった!

鳴る鳴る、響く響く、凄い凄い

WE91Bとの出会いは何年前だろう、友達のK氏がやはりALTECの熱烈なファンで、大好なA4システムを鳴らしきるためにトランジスターや、真空管、新しいもの、古いもの様々なアンプを使用してきたが、最後に行きつくにはこれしかないとWE-86の購入を決断し、ウェスタンサウンドインク行った際に私も同行して私のアンプは、その時思いつきで購入した、かなり安易な出会いのものであった

だから当然WE91Bの知識はなかったし愛着も無かった

熱心なウエスタンファンでもない私がそんな気持ちでWE-91Bを買ったものだから

「いきなり91Bかい、普通は最後が91なんだよ」

と言われたのが記憶に残っている。

免許取り立ての若いお兄ちゃんがいきなりクラウンを買ってこれが当たり前と言ってる生意気な奴!、車だって

「何時かはクラウン」

いろいろ乗ってみないと良さも悪さも、何がどういいのか比べうよがない


あたりまえである

しかし私もそれなりにオーディオはやってきた、
アンプもクレルやレビンソンその他そこそこのトランジスタ−アンプや
国産の真空管アンプはかなり使いこんできたので、

「いきなり91B」とは思っていなかった

が、

やっぱりウエスタンの世界では、ウェスタンの世間知らずが、 いきなり91Bであった、良さを理解していなかった

今まで聞いたシングルアンプのピュアではあるが低域の力の無さ、
純度は高いが表現力がいまいち、なんてのはWE91Bには無い


スピード、力感、音色、全く問題なしあえて言うなら立体感の表現がいまいち

でもそんなことはどうでも良いくらいの音質である

そういえば91Bの中の配線はかなり古い単線で、抵抗はできるだけ板抵抗に変え、
コンデンサーも出来る限り当時見つけ歩いて、古いものに変えてある

入力もレプリカながら618Bを入れて当時やることはすべてやりきったつもりでいた

しかしひとつだけ予算の関係で出来なかったのが

これ、5Z3

当時高くて274Aが買えなかった、いまもくやしい!

当時でも1本6万円以上した、今はいくらぐらいするんだろ

ほしい


オールウエスタンで聞いてみたい。

音は違うのかなー

きっと違うんだろうなー


値段に見合う違いなのかなー

ここまでやったんだから最後までやりたいよなー

でもきっとたかいよなー
・・・

違いを知っている方はどなたかいらっしゃいますか〜?
http://blog.goo.ne.jp/8417chiharu/e/f8c572bb16f0a1a4106baee82bd77678


WE91Bは音の良いだけのアンプではない 2013-02-04 09:41:41


WE91Bが普通のアンプになってしまった!!

入力を618Bのトランス結線をするにあたって幾つか実験を試みてみました。

自作をされる方々や、真空管の先輩方に前から言われていたことですが


310の二段増幅ではゲインが高すぎる!

二段増幅は必要がない!

310一本の一段増幅にすれば音がピュアになる

あんなに深くNFBが掛かっていて音が良いわけがない、

NFBは音が死ぬ

Etc


私も言われた時はもっともなご意見だと思った

一度試して見たかったがなかなか機会が無かったので

トランス入力を試すにあたって、ついでなので

初段を外してNFBのかからない状態で310一本の一段増幅で音出しをしてみた、

が、


う〜ん音は良い、すばらしい〜

本当に音がピュアになった


なるほど

でもつまらない!


スピーカーに音がへばりついている

レンジは広くなったように感じるがエネルギー感はない

音色もきれいだが、ウエスタン特有のコクが無いし全然楽しい音がしない、
これではただの音の良いシングルアンプ


ジャンルを変えて一応数曲聞いてみるが結論は同じ


世間一般の音の良い300Bシングルアンプである


なるほど

同じWE300Bを使ったシングルアンプでもこんなに音作りが違うんだ

これではいろいろな店や記事で見る一般的な91型のアンプがあのような評価なのはうなずける

ほかにも入力を試したが、結論は

310を2本使った二段増幅でNFBをたっぷりかけないと

あの張りのある前に押し出す音の濃い音色は聴けない

そう、音が濃いのだ


618Bの入力トランスを入れるとそれに輪をかけてコクと張りが出る


貴重な体験をしたもんだ同じアンプで同じ球で同じ部品で回路をちょっと変えただけなのに入力回路をシンプルにして、球を減らして、NFBもかけないでいわゆる、シンプルIsベストの状態にしたのに、ウエスタンの世界では違うんだ


このアンプで聞いていると今まで出会ったアンプとは基本線が違うような気がしてきた


単に技術や発想だけでは語れない

音色ずけ、音作り

このアップは劇場で聴き手が

泣いたり
笑ったり
驚いたり

それを演出するため

音によって聴き手に映像以上に感動を与えるための演出装置としてのアンプ


それがWE91Bなのかもしれない

そんな気がしてきた
http://blog.goo.ne.jp/8417chiharu/e/7a917c08cf2dcbe96220681fbe10f7dc


WE91B型を 10畳以下の部屋で楽しむには?
オリジナルのWE91Bはそのまま一般の家庭の部屋に設置して聴くというのには結構問題が多く 静かに音楽を楽しむためには知識とあきらめ(妥協)が必要になってきます 

まぁ簡単に入力低いし
全体ゲインは高いし 
は取れないし・・・・

などなど

時にはSPからブーンブーンうるさいくらいになっているのに大きな音を聞かせて

どう 91Bはいい音するでしょう?

みたいなWEフリーク?さんもおられます(-.-)
http://www.audio-collections.com/cgibin/nik/nik.cgi?log=201105&id=1305034755


WE91Bタイプの残留ノイズ対策

WE91Bタイプの残留ノイズが気になっていたが、下手に手を加えて音質が変わってもいけないので、そのままにしていた。しかし、スピーカーが高能率な分、やはり深夜などはどうしても気になる。

手持ちの関係で100Ωのハムバランサーを使用しているが、以前、MJ誌で300Bは100Ωのハムバランサーで問題ないが、2A3は100Ωではハムが取れにくいにで50Ωのハムバランサーを使用すべきだ、というような記事をみたような気がする。

参考に他の300Bsの回路図を見ると100Ωを使用しているのが多いようだが、50Ωを使用しているのもある。案外、50Ωのハムバランサーの方がハムが取れるのではないかと思い込むようになった。

ということで、50Ω2WのVRを手に入れたので、早速取り替えることに。

また、入力VRが中古だったため少しガリがでていたのでこれを新品に交換、

更に入力のシールド線をMIL規格の高級品に変更、

更に更に、310Aのグリッドキャップを中国製からUSA製に変更

となかなかの設備投資をすることになってしまった。


結果、2A3だけでなく300Bでも100Ωよりも50Ωのハムバランサーの方が少しだがハムを低減できることが確認できた。

ハムで悩まれている方、一度ハムバランサーを50Ωに変更されてみてはいかがでしょうか。
http://yuzurin.blog.bbiq.jp/blog/2010/03/we91b-da03.html

28. 中川隆[-8774] koaQ7Jey 2019年8月18日 01:11:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3968] 報告
キット屋倶楽部 キット屋コラム「私のオーディオ人生」第37回門外不出!二管流アンプ武蔵誕生
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-037


大変大げさな表題ですが今まで沢山の真空管アンプを作ってきましたがこのアンプは最後のフィナーレを飾る相応しいアンプになります。

 今回は私が名付けた二刀流または二管流アンプ「武蔵アンプ」は門外不出の秘伝アンプでこのコラムを読んで頂ける方だけの本邦初公開の真空管アンプになる。

 製作に当たり今後のことを考えてもしお金が必要なことに出くわしたらそれなりの価格で売れるのではと思い妥協せずに作ることにしました、

このアンプがヤフオクに出品されることがありましたら是非入札に参加してくださいね、「Y下が金銭的に困っているから入札してあげよう」と云う気持ちがあるだけで感謝です。


二管流アンプ「武蔵」

WE−300BとVT52刻印の二刀流アンプ


 WE−300Bは巷では最高に人気がありますがVT52は300Bの陰に隠れて評価はイマイチですがWEのVT52刻印は上手く設計して良いパーツを使えば300B以上の音と云われています。


  音でVT52とよく似た球は同じウェスタンの300A、205Dがあります。

この3種類の球こそウェスタンサウンドの象徴と云えるかも知れません。

近年VT52はヨーロッパ、中国、ロシアでは生産されていませんからこの球を使った既成アンプはほとんど見かけないのと自作マニアでも300Bは製作してもVT52は作ったこともなくVT52のサウンドはほとんどの方は聴いていないと思います。

  今回は300BとVT52との直接対決できるようにそのように設計を行いました。球の聴き比べであれば同一回路と同一のパーツを使わないとまったくと云って意味も持ちません。アンプや回路、パーツが違えばおのずと音は違ってくる。またスピーカーとの相性もありますからこちらのが良いとは一概にも云えません。

  確かにメーカーの違う同等管の球の聴き比べならその違いはありますが真空管アンプは球よりもトランスの変化の方のが大きいですから球の聴き比べに固守するよりトランスの聴き比べをした方のが遥かにその差はでますから是非挑戦してください。
  今まで沢山のアンプを作ってきましたが良いパーツは価格に比例して良い音がします。上級のマニアならどれが良いパーツか熟知しています。今回は長年の経験から良い音のするパーツを選別して使用しました、

  今回の製作に関して真空管アンプの音はトランスが最大のキーパーソンを握っています。出力管の交換は同等管の場合大きな変化はありませんがトランスを交換しますと劇的な変化が認められますが最近は良いトランスがあっても価格が高く手に入れるのは至難の業かも、

  長い間自作マニアをやってこられた方はこの部分に非常に拘りを持っていますから良い音の出るアンプを作るのを知っています。面白い事にトランスにもお国柄がありこの部分の比較も面白いのではと思います。

  WE−300BとVT52の特性を比較しますと共通点が多く見られますから回路を変更すれば簡単に差し替えは可能で300BもVT52もソケットは同じですがプレート電圧、プレート電流、ヒーター電圧、ヒーター電流などの違いがありますから一つ間違えると大切な出力管を駄目にしますから一般的にはお薦めできない上級者向けになります。

  今回は製作途中でVT52と300Bも切り換えて聴けるように改造を施しましたがこれが大変な作業でした。完成後にVT52の音と300Bの音の違いがどのように現れるのか未体験ですから私も含めて皆さんも興味津々ではないでしょうか、
 

ウェスタンのVT52の謎


  ウェスタンのVT52は1940年代の初めごろ軍用機の通信管として開発されたらしくこの球に関しての特性表がありませんが規格の値を守れば超寿命の球の一つです。またヒーター電圧が6,3Vと7,0Vの2種類の規格がありますがどちらも正しいと思われます。

  一説によると航空機で飛行している時は7,0V、地上で待機している時は6,3Vで使われていたと云われていますがヒーター電圧が6,3Vと7,0Vでは必ず音は違うはずです、この部分での比較も考えて報告したいと思います。

VT52は1940年代の初めの頃軍用機の通信システムに搭載されていた、太平洋戦争中に米軍が日本を爆撃する時B−29が無線送信していたのなら好きになれない球ですが多分ヨーロッパ戦線で使用したのでは・・・・・

  自作マニアで特に音に拘りを持っているオーディオの達人なら300BよりVT52のが音は良いといいます。300A、205Dに良く似た音色はVT52と云われこの球も今後は手の届かない価格になると思いますから安く手に入るようであれば購入すべきですが回路図も読めないまともに組み立ても出来ない方は購入しても使いこなせないがコレクションとして持っていればいずれ高価になりますから買っても損はしない、

  近いうちにこの球も手の届かない高価格になるのは間違いありません、測定器をお持ちの方で自作に自信のある中級以上の方はお薦めします。またVT52のウェスタン球のプリントタイプもよく見かけますがどうも偽物臭い感じがあります。

  特にウェスタン球のトップマイカはおむすび型ですからすぐに見分けることが出来ます。VT52の刻印タイプは音が良いと云われますから刻印タイプを求めれば間違いありません。同じVT52もシルバニアや他メーカーでも出ていますがやはり本家のVT52刻印を聴きますと他メーカーのVT52は残念ながら音もさることながら価値観や魅力に欠けるがヴィンテージ管をヤフオクなどで購入される場合は特に注意しないと後で痛い目に合いますから気を付けてください。
 

真空管アンプのルックスとワイヤリング


 自作の真空管アンプこそ芸術であるこれが私のコンセプトです。今回は最後のアンプですから特にパーツと外観には拘りを持って作りました、シャーシーは1.6tの鋼板にステンレスの鏡面パネルを乗せました、真空管アンプのキーパーソンは出力トランスですからこの部分には特に拘る必要があります。ましてや使用球がWE製VT52ですから本来はウェスタンを使いますが今回はドイツのシングルトランスを使いましたこのトランスもほとんど市場に出てこない大変レアなトランスでメーカー名はENGELでテレフンケン、ノイマン、シーメンスに納入している実績のあるトランスメーカーです。 

  今回私も初めて使いますがドイツのサウンドはゲルマン民族らしい真面目で几帳面な音が特徴ですがその点米国のトランスはアメリカ人らしい豪快さがあり多少雑なところを持ち合わせている。

また日本のトランスはビールで云うならコクとキレが薄い、やはりビールもトランスもドイツに限ります。

これはトランスに使用してあるコアと巻き線技術の差だと思う、

その点ヨーロッパ系のトランスは質の良い鉄鉱石が採掘されていますから鉄鉱石の違いかも、WEのトランスは音が良いと云われていますがこのトランスもひょっとしたらヨーロッパのコア材を使っているのではと思いますが詳細は不明です。 トランスもお国柄がありどれが最高とは云えませんが自分がどんな音が好みなのか色々試して聴くのも面白い、

使用パーツと回路構成


 今回は最後の自作アンプですから自分なりに拘ったパーツを採用しました、


出力トランス ドイツENGEL社シングル10W

チョークコイル ヒューレットパッカード社の5H250mmH

抵抗 リケンオーディオ抵抗

コンデンサー カップリング スプラグ ブラックビューティー

カソードパスコン スプラグ 銀タンタルコンデンサー

ヒーター整流 東芝ショットキーバリアダイオード

スイッチ類 日本開閉器 トグルスイッチ

ボリューム アーレンブラッドレー

真空管 初段はテレフンケンダイヤマーク ECC−802S

ドライバー管 NEC 12BH7A

出力管 WE−VT52刻印

整流管 WE−274B刻印


 回路構成は簡単なCR結合3段増幅でNFBは5dBの低帰還になります。NFBなしでもテストしましたが無しの場合は低域が多少ボン付く傾向がありますからここは多少でもNFBを掛ける必要があります。

アンプ内部はラグ板を一斉使わず自分で設計を施したパターン化した自作基板を製作しました、本来はラグ板にCR類を並べてオール手配線で製作しますが「武蔵アンプは」プリント基板がメインでラグ板は一斉使っていません。

難易度はオール手配線を遥かにしのぎます。写真を見てわかると思いますが内部引き回し配線は3D方式の立体配線です。内部レイアウトと基板が出来れば回路を頭に入れれば後は鼻歌交じりでの組み立てです。製作日数は約1か月を要しました、

 アンプの出力は3.5W×3.5Wです。

もう少しIpを上げればPOWERが取れますが球の寿命を考えて低めに抑えて使用、

ヒーター電圧VT52は7V、1.18A,300Bは5V,1.2Aの直流点火にしました、

交流点火も考えたのですが7Vの交流点火ではハムが取れません。

また300Bは私の作ったSV−91Bタイプに交流点火がありますからあえて交流点火にはしませんでした、直流点火にしたWE−300Bは本来の300Bの音とは違いますが今回のメインはVT52が主役です。遊び心で300Bも使えるようにしただけと金銭的に困った時にWE−300Bを予備球として付属してやればそれなりの価格で売れるのではないか、

 一度ヤフオクに出品すると果たしてどれくらいの価格で落札されるのか興味はあります。だいぶ前になりますが私の製作したLUXのSQ−38のパネルを使ったプリアンプをヤフオクに出品したところ本家のSQ−38より高い価格で落札された記憶があります、最近のヤフオクの真空管アンプは人気のある球を使用した自作アンプの場合予想以上の価格で落札されています。また自作の真空管アンプは外観だけでなく内部配線や使用パーツに拘ったアンプでないと評価が低い傾向になる。

武蔵アンプの外観と内部の写真を沢山載せましたが自作マニアには参考にならないかも知れませんがその点をご了承下さい。

武蔵のリアパネル、リアパネルは真鍮をあしらいすべて彫刻での刻印


VT52とWE−300Bの切り換えモードで操作ミスを防ぐためロック式の
トグルスイッチを採用、これで不用意にスイッチの切り換えが出来なくなっている。

内部配線及び部品レイアウト、左上のボードはショットキーバリアダイオードを
採用した直流点火ボードで下側はB電圧整流ボード、右側は信号回路ボード

https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-037


少しピンボケですがWE−300Bを実装

ウェスタンの刻印VT52を実装

ウェスタンのVT52とWE300Bの比較VT52は一回り小さい

幻の整流管WE−274B刻印

試聴用システムの紹介


 今回はアナログでの試聴にしました、

アナログ

フォノモーター ヤマハGT−1000
アーム GRACE G−565F

カートリッジ オルトフォン SL−15E

昇圧トランス ウェスタンエレクトリック WE−618B
AWA オーストラリア

ブリアンプ マランツ#7

スピーカー ヴァイタボックス 30cmフルレンジ

試聴用アナログ キースジャレット ケルンコンサート、バッハ、無伴奏チェロの1番

比較アンプ PP5/400シングルアンプ

キースジャレット ケルンコンサート


 すべてのセッティングが終了して早速VT52シングルアンプの電源を立ち上げた、調整中にハムバランサーは最少の位置に設定してありますからスピーカーからはほとんどハムは聞えません。

最初にキースジャレットのケルンコンサートの試聴から開始、出てきた音に愕然、ピアノの粒立ち奥行感を伴ったホールトーンの響きとスピーカーの存在感が消える素晴らしい空気感のある音、音色もこれがウェスタンを強調するようなサウンドには参った!これは使ってあるVT52だけでなくトランスがドイツ製だからアメリカ的な明るいサウンドを抑えて伸びやかに音楽を聞かせてくれる。

 このような音になるのは勿論昇圧トランスのWE−618B、テレフンケンECC−802S高信頼管とWE−274B刻印が寄与しているのは間違いない、次に試聴したマイスキーの無伴奏チェロも奥行感を伴った小ホールで聴く雰囲気たっぷりのあるサウンドになった、
 

WE−VT52は凄い!


 ウェスタンマニアがウェスタンは最高と云っていますがまんざら嘘ではない、

このVT52に対抗できるのは205Dか300Aしかないのでは、

それだけ素晴らしい球なのに情報量が少ないのか音を聴いたことがないのかわからないのか一度体感してみるとその良さがわかるのではないだろうか、

この球こそコクとキレに音楽性をプラスしたサウンドには偽りはない、VT52恐るべき!

VT52とWE−300Bの対決


 「知らぬが仏」と云うことわざがあります。これをオーディオに当てはめると「聴かぬが仏」つまり良いアンプを聴いてしまうと悪いアンプは聴けなくなる。自分のアンプに満足しているのならば聴かない方のが自分の為と思う、

 最初に書きましたように同等管なら差し替えて比較できますが球の種類が違う場合同じ回路同じパーツを使ってこそ球の比較が出来るのですが残念ながらアンプも違えば使ってある出力トランス、回路が別の場合は比較としての意味は持ちません。やはりここは同一パーツと同じ回路を使わない限り正確な答えにはなりません。

 WE−300Bは巷では最高峰の真空管として君臨していますがではVT52と比較したらどんな結果になるのか、今回は私個人の比較試聴とこのアンプを大阪の今田氏宅に持ち込んで聴いて頂いた、

  早速VT52を接続しての試聴です。スピーカーはRCAのLS12フルレンジを使用、このスピーカーは30cmタイプなのに高域が良く伸びています。出てきた音は空気感を伴った懐の深いサウンド、長時間聴いても疲れにくくトップクラスの音だ、RCAはアルテック、JBLとは異なる大変渋いサウンドで私が愛用しているヴァイタボックスとは少し表現力が違いますがジャズもボーカルもOKだ、

  VT52を堪能した後300Bに交換して10分後に同じトラックからの試聴開始、

出てきた音は300Bマニアには申し訳ないがVT52と比較しますと300Bは先ほどの深みとコクが薄くなり少し派手やかな明るいサウンドが特徴で音の渋さが後退してしまう、

それに対してVT52は絵画で例えるなら水彩画を見るようなイメージとしっとり感とシルクの肌触りがありオールド的な雰囲気を持ち合わせている。

WE−300Bも決して悪くない球だがVT52を聴いてしまうと興味が薄れてしまう、


  VT52を聴かずに300Bだけで聴いていますとまったく不満がなくさすが300Bは最高の球だと頷けます。これこそ「知らぬが仏」になります。

  ウェスタンフリークは300Bには関心を示さず205Dや300Aしか興味湧か湧かないのが理解できる。

同聴して頂いた今田氏も300Bにはガッカリ、二回と300Bを聴こうとしなかったのが印象に残こった、

今田氏も大変ショックを受けオーディオ仲間に今回のVT52の良さを話したら仲間曰く300Bでは勝ち目がなく対抗できる球は205Dしかないと云っていた、


PP5/400とVT52武蔵との対決


PP5/400シングルアンプは今田氏に譲ったアンプで回路、パーツ類はほぼ同じものを使っていますがトランスだけは台湾のジェームスです。

ジェームスは台湾のメーカーでトランスのコアは日本製のオリエントHi-Bコアを使ったトランスで大変知名度があり自作マニアが良く使うトランスです。

  早速比較の為に接続を変えて試聴開始、出てきた音は甲高なサウンドであまりにもVT52とは違いなさ過ぎて私もショックだった、英国の名出力管がこんなはずではない、

  違うのはトランスと整流管だけですからトランスを変えれば違った意味での良さが出るはずだがこのアンプをVT52に改造するのは簡単ですが肝心の出力トランスがありませんからこのアンプはこれで良しにすべきと思う、

このPP5/400も以前有名なメーカーの845PPと鳴き比べした時、圧倒的な表現力の差が出た良いアンプであったがVT52と比較すると残念ながらその差歴然だ、

  PP5/400は自分が作ったアンプですからどちらが良くても不満はないがメーカー製のアンプや自作アンプとの鳴き比べはご法度であるのとモラルの問題ですから今後は門外不出にして道場破り、他流試合はやらないことにした、

私が製作した名出力管PP5/400とVT52武蔵アンプ


6.3Vと7.0Vのヒーター電圧の比較


 VT52のヒーター電圧の違いを比較しました、6.3Vでは多少音の潤い感とハリがなくなり7.0Vにしますと「これがウェスタンだ」と云えるサウンドになりました、今後は変更せずに7.0Vで使い切りますが今は武蔵を聴くのがもったいなくて外野席でお休み中です。


グッドアイデア


 これからは試聴に来られるマニアにはWE−300Bと5U4GBの組み合わせで聴かそう、帰った後こっそりとVT52,274B刻印に戻して自分だけで良いサウンドを楽しもう、マニアには申し訳ないが極上の組み合わせを聴かせるのがもったいない、こんなこと書くとあいつは性格が悪すぎる!汚ねぇ男だ、」性格の悪さを通り越して悪趣味なマニアだ、あんな性格だから病気も逃げて元気なはずだ!都合が悪くなると認知症になる。本当にあいつはタチが悪い、どおりでいつまでも長生きできるはず!何時までもこのように言われたい、


あとがき


 VT52の実力を堪能した、世の中知らないだけでもっと良い球はあるはずです。お金をかけずに良いアンプを作りたいのだがもう自作アンプは卒業してこれからは製作の楽なキットアンプに挑戦しょう、自作アンプは部品集めから始まり穴加工して製作するのだがこの作業は大変でこれからは失敗のないキットアンプのが遥かに楽しく作れます。もう一度初心に帰ってキットアンプの製作の醍醐味を味わいたい、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-037

29. 中川隆[-8773] koaQ7Jey 2019年8月18日 01:17:17 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3969] 報告

300B より遥かに音が良い VT-52

真空管アンプ「カトレア」 VT-52 「薔薇 V」 
http://www.cattlea.jp/product/?no=61


パワーは小さいけど音質では個人的に 300B や 50 よりも音が良いと思います 

この名球を一度は聞いて下さい 新しい1ページが始まります 

これまでのノウハウをすべて取り入れた電源回路やこだわり配線でチャンネルセパレーションも良いです、アウトトランスがルンダー製に成ります 交流点火で動作させ存在感有るフラットな音質です。

交流点火が可能でバージョンアップしました。

価 格 348,000円

サイズ W385*D250*H190

回路構成 カソホロドライブCR結合

入力感度 1,3V

出 力 2.5W+2.5W

使用真空管 6SL7 VT−52 GZ−34

シャーシー カリン材

B電源回路 高圧2回路別電源

NFB回路 ナシ
http://www.cattlea.jp/product/?no=61


VT-52 については

一番音が良いパワーアンプは VT-52 シングルアンプ?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/440.html

30. 中川隆[-15258] koaQ7Jey 2019年11月27日 08:01:54 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[-2337] 報告

『ウエスタンとオイロダインの組み合わせはどうかな〜?むしろ国産アンプの方がいいかも知れない』

『プッシュやパラプッシュは音がナマりますやんか。音楽信号がグルグル回ってるでしょ。

パワーは付くけどボケる。中高域の透明感はなくなる。長いお店の経験で最高のアンプ?

それはもう WE86(1086)ですわ!もうWE124がいらなくなります。あれはもう!もの凄い低域でね。

(お声にも思い入れが溢れています!) 隠れた銘機があってね、WE92、300A・B アンプ、

でも WE86 には勝てない。WE91ですか?WE91はハムがちょっと気になる事もあるからね〜』

『WE86は昔ペアで二百万くらいだったのにいまは高くなったよねぇ〜』

『うちではWE86は二十年前やったかな〜?ペアで一セット、モノラルで二台売っただけやねえ〜ものが無いからね』

31. 中川隆[-13053] koaQ7Jey 2020年3月05日 08:21:05 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[480] 報告

安物のトランスを使った 300Bアンプより 3万円のトランジスタ・アンプの方が音がいい

3万円のドイツ製プロ用パワーアンプ thomann S-75mk2 と数百万円のハイエンドアンプとでは電源ケーブルを変えた位の差しか出ない
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/983.html


真空管パワーアンプの選び方

アンプの種類にはトランジスターアンプと真空管アンプに別れ、トランジスターアンプは20年前から大きく変化して、最近は出力段にFETが、ドライバー段やプリアンプにはIC(集積回路)が使用されています。

このことが音質を大きく変えてきた原因と見ています。

出力段のFETはスピードも上がりNFB(負帰還)量も少なくて済み良くなったと思いますが、全段のICは回路が非常に小さく小型化され低電圧低電流でオーディオ向きとは言えなくなったようです。

昔のトランジスターアンプをご存知の方は分かると思いますが、昔の3本足のディスクリート型のトランジスターアンプに比べ音質が細く力が無くなったようです。昔のトランジスターアンプの一部は、真空管アンプを脅かすような清涼感や力感と質感を備えていました。

一方の真空管アンプは、人気が出始めた10年前頃から新しいメーカーが出来たり輸入品が多くなったりして、良心的な良いアンプの比率が下がり、人気を下げるような結果を招いています。

最近、5万円ほどで300Bシングルアンプとして売り出されている物がありますが、このようなアンプは一昔前の50万から100万円したアンプに使用されているトランス1個の価格ぐらいにしかならず、良い物に名を借りた貧相な製品です。同じ価格ならばトランジスタアンプの方をお薦めします。

しかし、良い音のアンプを選ぶなら真空管アンプの方がお薦めです。LPレコードが一般的な生産対象ではなくなっても、アナログのLPレコードの人気は続いているように、真空管が一般的に製造中止になって30年程になりますが、20年前には5%に落ちていた真空管アンプの人気が、現在高級機では50%を越える程の人気ぶりです。このことは、トランジスターアンプの3本足のトランジスターがICに変わり、集積回路に変わることで音質の劣化が原因になったとも考えられます。そこで、良い真空管アンプの選び方を考えてみましょう。

真空管パワーアンプの回路的には種類があり、それぞれの目的があります。

種類はシングルアンプ、プッシュプルアンプ、OTLアンプ、BTLアンプなどです。

普通のシングルアンプは2本の出力管で右と左の音を出すため、1本の出力管が片チャンネルの音の全体を受け持ち素直に増幅するため大きな出力はありませんが音質は非常に素直です。しかし、出力管やトランスで性能に差があり、周波数特性は出力トランスの使用方法や質で大きな差が出てきます。

普通のプッシュプルアンプは出力管を4本使用し、2本で片チャンネルの信号を上下に分けて受け持ち出力トランスで合成する方法を取っています。その為、大出力には向いていますが小出力時や細かい音の変化には弱い部分もあります。

一般的に販売されている物はシングルとプッシュプルが殆んどです。真空管そのものは非常に良い特性をもっていますがこの2種はトランスの性能に大きな影響を受けます。

最近の安い真空管アンプはトランスに費用をかけられていませんので出力特性は負帰還に頼り、真空管らしい音に欠け柔らかい音ですが魅力が乏しくなります。実はこれらの真空管アンプは増幅の半分はトランスが受け持っています。真空管アンプと言うよりは真空管トランスアンプと言った方が正解かもしれません。
そこで考えられたのが出力トランスを使用せず、全てを真空管で増幅する真空管OTLアンプです。またはインピーダンス変換だけをトランスにした真空管BTLアンプです。

この2種は製品化するには非常に難しいところがありますが、これらの良いアンプを手に入れると2度とシングルやプッシュプルには戻れないと言う方が以外に多いものです。アンプのメーカーを選ぶにはこのOTLやBTLを候補に入れるか、又はこのようなアンプを作れるメーカーと考える事も一つの策ではないかと思います。それは真空管や回路の事を熟知している証拠となるからです。

かつて、大手のメーカーが真空管アンプの生産をやめる時に、最高級のアンプを競った時代があります。実力のある数メーカーがそれまでは作っていなかったOTLアンプを最後にして生産を完了したのです。しかし当時は出力を競っていたせいか、その真空管の寿命は短く、安定しているとは言えませんでした。現在では真空管規格表を見直し非常に安定の良い長寿命のOTLアンプが出来ています。

良い真空管アンプを選ぶ事は非常に難しいのですが、いろいろと見てきているうちに分かった事があります。

アンプの中を覗いてみて下さい。

良い真空管アンプはプリント基板を使わず、全体がラグ板の配線で部品の一つ一つが絡げて配線されています。この方法は一見古いように見えますが、一つ一つ確実にハンダを行い長期の耐久性があり、熱を出す真空管から部品を保護しています。
次に良いのは出力管部分がラグ板配線され、全段の入力やドライバー段だけをプリント基板に乗せた物です。

最後が全てプリント基板上にした物で耐久性は考えず、早く作ることを重視した物です。

このようなことでメーカーの姿勢を見るのも一つの方法です。

また真空管アンプには安くて良いものは無いと考えるべきです。

良い真空管アンプを作るには良いトランスが必要で、ある程度高価になります。

製品化されると10万円を切ることは難しく、真空管の種類やメーカーにこだわると15万円を切る事が難しくなります。それ以上に安いものを求められるなら量産向きのトランジスターアンプの方が良い結果になる場合が多くなると思います。

もう一つの方向からお話してみます。アンプとスピーカーは切り離しては考えられません。そこで、同じ技術で2種のスピーカーを作ったとします。

一つは高能率のスピーカーで能率が100dBで耐入力が10Wあります。
一つは並の能率で90dBで耐入力が100Wのスピーカーです。

音質を重視して振動板を軽量化し磁力を強力にした物が能率100dBで10Wのスピーカーで、出力や帯域を重視して振動板を重くしボイスコイルを太くした物が能率90dBで100Wのスピーカーです。

ここが重要なところで100dBのスピーカーに10W入力した時の音の大きさは90dBのスピーカーに100W入力した時と同じ大きさです。

また、アンプの場合は同じ大きさの電源トランスを使って10Wのアンプを作る場合と100Wのアンプを作る場合では、10Wが音質重視のもので100Wが出力重視の物と考えるべきです。
そこで、音質を選ばれる方は100dBのスピーカーに10Wのアンプを組み合わせ、帯域や出力を選ばれる方は90dBのスピーカーに100Wのアンプになると思います。

しかしこの両者の場合、最大の音量は同じです。同じ場所、同じ音量でボーカルでも聞かれたとしたら、その音の魅力でたぶん90%以上の方が10Wのアンプにされるでしょう。また能率100dBのスピーカーがあれば一般家庭では3W以上のアンプがあれば生演奏を越える大きな音量が楽に出せるのです。

始めてオーディオを購入される方が音質の良さを求め、耐入力の大きなスピーカーや出力の大きなアンプを選ぶと大きな失敗につながることもあるのです。
そのほかにも経験の少ない方が測定データを重視していると失敗する事が多くあります。例えば、

NFB無で40〜15000Hzの特性を持った真空管アンプがあったとします。これでは特性が悪く現代のオーディオ用のアンプとは言えませんが、NFBをかけて25〜20000Hzのアンプにすると何とか使用できるアンプになるでしょう。

しかし、もともと良い部品を使いNFB無で25〜20000Hzの特性をもった良質のアンプに、NFBをかけて20〜25000Hzにすると測定では更に良くなりますが、実際の試聴結果は狭くなった感じがして音質も少し劣化した感じがするものです。

要するに特性を満足しているアンプにNFBをかけるとカタログに書ける特性が更に良くなったとしても音質的に悪くなってしまいます。

この場合は真空管から出力トランスまでオールオーバーにNFBをかけた為に位相にかかわる問題が発生したと考えられます。この場合に測定器では良くなった面しか測る事が出来ないのです。NFBをかける理由は他にもあり、ハム等を除去したり、増幅度を調整したりできます。しかし、手作りの高級機パワーアンプはNFBをかけないで完成させるものが多いのです。結果的には、NFBは薬にも毒にもなり、上手に使えば非常に良い結果も生む事がありますので、何でもかんでもNFBが悪いわけではありません。

当店では音質重視で最高のオーディオシステムをご希望の方には、高価でもある程度の広い帯域を持った100dBを越えるスピーカーと、音質を重視した大型で小出力の真空管アンプをお薦めしています。

システムを安く組まれたい方には、高能率のフルレンジスピーカーに真空管(米国製純三極管)シングルアンプをお薦めしています。

アンプを検討する場合はスピーカーを切り離しては考えられず、またオーディオとは自分自身が思った良い音を作る事だと考えます。色んなタイプのスピーカーに色んなタイプのアンプを繋ぎ鳴らしたとき、最高の音が出たと思う組み合わせのアンプとスピーカーが自分にとって一番良いものと思います。

このときスピーカーの種類としては高能率と低能率、アンプの種類としては同価格での低出力と高出力に分かれると思います。

原音再生を目的とされ、音楽は演奏家の意図する音に一番近いものが感動できるという考え方をお持ちの方は、高能率スピーカーに低出力アンプの組み合わせが良いと思われ、

一方で原音再生は出来るわけがないので、何か素晴らしい綺麗な音と広帯域の音を創造したいと思われる方には、低能率スピーカーと高出力アンプの組み合わせが合うように感じています。
http://www.otono-edison.com/edisonkyo/amp.htm


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なぜ真空管アンプをお薦めするのか
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm

いろいろな増幅素子の中で真空管が最も優れているからです。その事は下記に述べて証明します。では何故メーカーが本気に真空管アンプを製造しないのでしょうか、その理由は儲からないからです。

真空管アンプはある程度の性能を出そうと思うと費用がかかり、大衆に販売できるコストを超えてしまいます。

第二は真空管やトランスを他社に依頼すると利益率が低い。

第三には輸送コスト、高電圧部品の調達が難しい、イメージが良くないなどでしょう。

1,真空管の中を電子が通過する速さはトランジスターの数千倍もあります。ということは、アンプの状態では数百万倍以上にもなるのです。このことは高域の裸特性に現れるのです。(裸特性:何も補正をしない状態)

真空管アンプの特性を決定するものはトランスであり真空管そのものの特性は、ほぼゼロヘルツから数十万ヘルツまであるのです。最近はトランスも非常に優れたものがあり負帰還(補正)なしで素晴らしい特性のものができます。

トランジスターの場合はトランスを必要としません。また、トランジスターは非常に安く、高出力のものでも費用は節約できます。しかし、トランジスターそのもののもつ特性はアンプにすると2000ヘルツの高域までしか再生できず。多量の負帰還(補正)を必要とします。

この負帰還は特性を良くしたりノイズを消したりする事ができ便利ですが、実際の試聴感では音が薄くなり伸びやかさが無くなったり、音に力がなくなったり、細かいニュアンスが感じられなくなったりします。負帰還そのものが理論上に解決しているとも思えません。(生演奏すり替え実験は無帰還アンプが使用されています。)


2,次はインピーダンスに対する出力特性の問題です。

トランジスターアンプのカタログを見て下さい。

例えば8オームのスピーカーの場合は100Wとすると4オームでは160W、16オームでは60Wとスピーカーのインピーダンスが大きくなれば出力は小さくなります。

しかし、真空管アンプの場合は倍のインピーダンス変化くらいではあまり出力の変化はありません。

スピーカーシステムのカタログを用意してください。そこには、周波数特性が表として掲載されています。その他にインピーダンスの特性も表として掲載されています。載せていないものもあるかと思いますが、どのスピーカーも同じようなものです。特性表の両方を重ね合わせると周波数特性が劣化し始めたところあたりからインピーダンス特性は上昇し始めます。よく考えてください。

トランジスターアンプを使用した場合はスピーカーの特性が悪くなるあたりになるとスピーカーのインピーダンスも上がるためアンプの出力も下がり、更に周波数特性が悪くなるということです。ところが、真空管アンプではほとんど影響がないのです。

一般的なスピーカーの周波数特性とインピーダンス特性

真空管アンプとトランジスタアンプのスピーカーに繋いだ時の裸特性

3,トランジスターアンプは真空管アンプと比較して同じ出力表示でも、スピーカーをつないだ場合の本当の出力は約1/3になります。

(スピーカーにインピーダンス補正というものが付けられているものがありますがほとんど意味をなしません。なぜなら、インピーダンスは下がっても分圧された状態になっているから結果は同じです。

8オームと表示されているスピーカーは最低インピーダンスが8オームということです。そして、インピーダンスの特性表にはなだらかな線を使ってわかりやすいように簡略化してありますが本当は気象庁の地震計のようにギザギザの状態になります。

それの影響をまともに受けるということは半分しか音が出ていないことと判断しても良いと思います。)
https://www.otono-edison.com/original/amp/sinosusume.htm


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G「CDしか聴かない人には、プリアンプの代わりにボリューム付セレクターを薦めるのは何故?」

店長「プリアンプのCD入力では、プリアンプの送りだしアンプを通ることになる。この送り出しアンプは音量調整が行い易いように付けられたもので、実質的には不要だ。通す事により音質の劣化が起こる。

そこで、高価なプリアンプを止めて、アンプの無い安価なボリューム付セレクターにすることでパワーアンプに資金が使える。そうしてパワーアンプを真空管シングルパワーアンプにでもすればトランジスタの超高級品にも負けない音質に変身するのだ!殆んどの方がびっくりされる(^^)

前に言ったシンプル イズ ベストにあたる。」


G「アンプの回路に基盤を使用しない理由は?」

店長「基盤を使う事でアンプの量産は可能になるが、耐久性に問題があり、直接お客様に販売する以上なかなか使用できない。

特に真空管アンプの場合は電圧が高いため、基盤は使わずに丁寧なラグ配線にすることで耐久性があがり音質を確保できる。」


M「アンプに使用している真空管が殆んどUSA製の理由は?」

店長「真空管の製造はアメリカが非常に高い技術をもっている。耐久性が良く、品質や特性が揃っている。

真空管を比較する事でも大きな差が出てくる。
その代わり価格は数倍になるが、アンプ全体からするとそんなに大きな割合ではない。アメリカの真空管を使わずに良い真空管アンプと言ってしまうと嘘つきになる。」


営業部長「何故真空管アンプを進めているのですか?」

店長「簡単に言えば音を一番良くすることが出来るし、理論的にも良くなることが分かっているからだ。

一番大事なことは真空管の電子速度がトランジスターの5000倍以上と速い事、

次が電圧を高く使用出来る為信号増幅が素直に行える。

その他、アンプ同士、又はスピーカーに対してもインピーダンス特性上の都合が良い。

都合の悪いところは素子の大きさやヒーター電力が必要である事などで、音質に対する不都合な点は非常に少ない。

ただし、出力インピーダンスが高いことにより、トランスを必要とする事だ
真空管の特性は素晴らしいが、このトランスにより周波数帯域が制限されてしまう。そこで良質な出力トランスを使う必要がある為に、真空管アンプを安く作ろうとしても、ある程度の能力を出すにはある程度高価になってくる。

ここで断っておくが真空管がトランジスターやICよりも良いと言っているだけで、世間にある真空管アンプがトランジスターやICを使って作られたアンプよりも良いと言っている訳ではない。

真空管アンプは最近になり良さを認められ良く売れるようになった為、心無いメーカーが多く出てきている。これは聴き分ける力を持つことで災難を逃れる事が出来る。

安い国産品のものや、新しい高価な海外品には気をつけた方が良い。

真空管アンプも昔の物と違って最近では技術が発展しています。音のエジソンのアンプも昔の物とは違い無帰還でも特性表からはみ出すほどのものです。」
https://www.otono-edison.com/audionosinjitu/urabanasi.html#12


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「真空管アンプと音の響きについて」のネット記事の紹介
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c


「真空管アンプは、真空管の差し替えで音が変わります。最近私は真空管アンプに注目していますが、それは音源がPC/ネットワークオーディオになると、ますます潤いや音を作る楽しみが小さくなってしまうからです。

たしかに、PC/ネットワークオーディオでもケーブルを変えたり、再生ソフトを変えると音が変わるのですが、カートリッジの交換だけで1枚のレコードがまるで違う歌のように雰囲気までがらりと変わってしまったアナログ時代の音の変化とは、何かが根本的に何か違うように感じています。

デジタル時代の音の変化は、音の細やかさや透明感、立体感など「音質」に関わる部分で、音楽の雰囲気つまり「情緒」に関わる部分での変化が少ないように思います。

また、アナログ時代には「再生時の音作り」で生演奏よりも素晴らしい雰囲気で音楽を楽しめたのに対し、デジタル時代ではどう頑張っても生演奏を超えられないように思うのです。このアナログとデジタルの根本的な違いは、「響きの差」から生まれていると考えています。

音楽は響きの芸術です。音楽は、音の響きが多いか少ないかで情報量が変化します。良い例が「クラシック・コンサート」で、響きの美しいホールでなければ情緒深く美しい演奏が奏でられません。

演奏をより美しくするためには、楽器そのものの響きをさらに「響かせる」ことが必要です。音源がアナログオーディオの場合、再生プロセスではレコード盤そのものの響き、カンチレバーの振動など録音されていない「響き」が盛大に発生します。それを「味方」に付けることで音楽的な情報量を増やしたり、演奏の味わいを深められるのだと私は考えています。

ところが音源がデジタルになると、この「響き」が生み出されなくなります。アップサンプリングやビット伸長を行うことで音の細かさは向上しますが、響きが増えることはありません。

これが再生プロセスの芸術性でデジタルがアナログを超えられないと考える理由です。デジタルの音はアナログよりもあっさりしている、アナログのような暖かさや情緒深さが感じられない、立体感に乏しい、これらはすべて「響きが足りない」からだと考えられます。

このデジタルで不足する「響き」を補えるのが、真空管アンプです。今回のテストから明らかなように、真空管が音楽信号に呼応して響き、音楽の味わいを深めます。プレーヤー(音源)で響きを作るすべを封じられた今こそ、真空管アンプに注目すべきだと私は考えています。」

つまり、CDにしろSACDにしろさほどの変化を感じられなかった原因は「音の響き」がプアなせいだったのか、と思い当たった。

我が家の場合は、いまさらレコードに戻るのも億劫だしデジタルの音を「真空管アンプ+昔の高能率のユニット」で鳴らす方が「音の響き」にとって丁度いい塩梅だと勝手に思っている。

デジタルもアナログもそれぞれ長所もあれば弱点もあるので、長所をいかに伸ばし、弱点をいかにカバーするかが、ありふれたことだがオーディオの王道なのだろう。

そういえばオーディオ誌などを見ているとシステムや機器の「弱点」に触れている記事はまず見かけないのでうかつに信用できない。

たとえば「響きが足りないデジタルの音を響きの少ないTRアンプで鳴らす」風潮などがそうで、オーディオが衰退の一途をたどっている一因もその辺りにあると推察している。

https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2c67fa684e71ad82afe94a6cfedd509c




32. 中川隆[-5754] koaQ7Jey 2021年4月13日 22:09:24 : 34i32T20cM : VjNnTnE1eGhXTzY=[59] 報告
audio identity (designing)宮ア勝己

Date: 2月 16th, 2019
Western Electric 300-B(その1)
http://audiosharing.com/blog/?p=28228


ウェスターン・エレクトリックの300Bの再生産がようやく始まる。
30年ほど前にも、ウェスターン・エレクトリックの300Bは再生産された。

その後、300B同等管が、いくつかのメーカーから登場している。
どのメーカーの300B互換球が音がよいのかも話題になっている。

どの300Bがどうなのか、比較試聴する機会はないのでなんともいえないが、
音と同じくらいに気になるのは、ぞの外観である。

ガラスの形状の違い、
ベースの色の違い、
ベースに印刷されている文字、
それからモノによってはガラスにも印刷されていたりする。

そういったことがすごく気になる。

やっぱり外観は、ウェスターン・エレクトリックの300Bがいちばんである。
ベースが黒の300Bも各社から出ているが、
どうにもガラスの形状、特に肩の部分の曲線の違いが、いつも気になっていた。

今回再生産される300Bのプレオーダーは始まっている。

300B(一本)が699ドル、
マッチドペアが1499ドル、さらに四本マッチングしたものだと3099ドルとなっている。

日本からだと、直接のオーダーはできない。
輸入元エレクトリ経由となる、とのこと。

300B再生産のニュースは昨年秋ごろに知った。
ウェスターン・エレクトリックのウェブサイトをみると、
以前は完実電気が輸入元だったが、エレクトリに変更になっていた。

けれどエレクトリのサイトをみても、ウェスターン・エレクトリックのことはどこにもない。
今日もエレクトリのサイトをチェックしたけれど、なかった。

エレクトリが扱う(はずである)。
http://audiosharing.com/blog/?p=28228


Western Electric 300-B(その2)
http://audiosharing.com/blog/?p=28230


オーディオ店を通じて、エレクトリへの予約された方によると、
製造が始まるのは来月からで、日本に入ってくるのは夏以降とのこと。

管球王国では、きっと秋以降の号で、300Bの比較試聴を行うだろう。
どの時代の300Bが音がいいのかは、昔から話題になっていた。

一般的には刻印の300Bがいいことになっている。
何度か聴いているが、確かにいい。

けれど伊藤先生によると、必ずしも刻印が常に最高とは限らない、とのこと。
比較的新しい300Bでも、音のいいのがある、とはいう話を伊藤先生から直接聞いている。

伊藤先生ほど300Bという真空管にぞっこんだった人はいない。
その伊藤先生がいうことである。

伊藤先生によると、音のいい300Bは触ってみるとわかるそうだ。
どこが見分けるポイントか、そういうことではなく、
手にとった瞬間、いい音をだしてくれそうな300Bは直観でわかる、とのこと。

これは伊藤先生だからいえることであり、
ものすごい数の300Bにふれ、アンプを作ってきた人だからいえることである。

今回の再生産について、あれこれいう人はいるだろう。
裏事情を知っている人もいよう。
いまはブランドが売り買いされる時代である。

そういう時代において、昔のブランドの威光がどれほどあてになるか。
そんなことはいわれなくともわかっている。

そのうえで、今回の300Bの再生産は、私にとっては嬉しいニュースのひとつである。
http://audiosharing.com/blog/?p=28230

Western Electric 300-B(その3)
http://audiosharing.com/blog/?p=28232


今回の300Bは、けっこう売れるんだろうなぁ、と思う。
メーカー製の300Bのアンプを使っている人、
真空管アンプを自作している人(ここにはメーカーも含まれる)、
それからオーディオを投資として捉えている人などが買う。

私は、再生産されるのは300Bだけなのか、と思ってしまう。
どのくらい前だったかは忘れてしまったが、
ウェスターン・エレクトリックによる274B、310Aの再生産のウワサもあった。

私はいまでも300Bのアンプでいちばん美しいたたずまいをもつのは伊藤先生のシングルアンプだ、
と思う人間である。

たとえメーカー製の、お金をかけた300Bのアンプであっても、
伊藤アンプのたたずまいに並ぶモノはない。

そうなると300Bだけでなく、274B、310Aも再生産してほしい。
274B、310A(特にメッシュタイプ)は、300B以上に入手が難しくなっている。

310Aの再生産はまずない、と思っている。
300Bと違い、それほど数が出るとは思えないからだ。

整流管の274は、310Aよりは売れるだろうが、
300Bのアンプを作っているメーカー、個人にしても、
必ずしも整流管を使うわけではない。

ダイオードのほうが内部抵抗が低い、レギュレーションがよくなるから、ということで、
整流管は時代遅れだという考えの人もいる。

それに274は整流管の中でも内部抵抗は高い。
私にすれば、だからこそ、と考えるわけだが、
人の考えは人の数だけあるのだから、それはそれとしかいいようがない。

そういう状況において、いま300Bのアンプを自作するならば、
私ならばシングルアンプは選択しない。
どうやっても伊藤先生の300Bシングルアンプのたたずまいに追いつけないからだ。

ならばプッシュプルアンプだ。
http://audiosharing.com/blog/?p=28232

Date: 3月 1st, 2019
Western Electric 300-B(その4)
http://audiosharing.com/blog/?p=28321

300Bのアンプで、シングルかプッシュプルか。
フィラメントの点火という点も、プッシュプルを選択する理由のひとつだ。

300Bのシングルアンプだと、どうしても直流点火が必要となる。
そんなの簡単ではないか、と考える人もいるだろうが、
以前書いているように、直流点火にはいくつかの方法があり、
比較的簡単に直流点火が可能なのは、三端子レギュレーターによる定電圧点火である。

ハムもすんなりなくなる。
けれど三端子レギュレーターによる定電圧点火は、すすめられない(やりたくない)。
音がいい、とは思えないからだ。

以前書いていることなので詳細は省くが、
定電圧点火ではなく定電流点火すべきであり、
三端子レギュレーターによる定電流点火も可能だが、これもすすめられない。

定電流点火をきちんとやろうとするならば、
ラジオ技術に石塚峻氏が発表された回路こそがすすめられる。

とはいえ定電流回路は、意外に難しい。
ここでは詳しくは述べないが、実際に定電流点火を試みようと、
あれこれ考えてみると、大変さは作らなくても実感できる。

それに出力管の300Bを定電流点火するならば、前段の真空管も定電流点火したくなる。
そうなるとさらに大変なことになる。

ならばいっそのこと交流点火でいけるプッシュプルでいいではないか、と思う。
けれど、ここで考えるのは、300Bはアメリカの真空管である、ということだ。

アメリカの電源周波数は60Hzである。
東京は50Hzである。

別項「日本のオーディオ、これまで(ラックスのアンプ)」で指摘したように、
アメリカのアンプは60Hzで聴いてこそだ、と思っている。
同じ理由で、300Bも交流点火ならば、60Hzで聴いてこそなのだろう、と思うわけだ。
http://audiosharing.com/blog/?p=28321

Western Electric 300-B(その5)
http://audiosharing.com/blog/?p=28336


私が考えている300Bプッシュプルアンプは、
別項「現代真空管アンプ考」で書いていることとは、また別のモノだ。

究極の300Bプッシュプルアンプを、と考えているわけではない。
なんといったらいいんだろうか、気の向くままに作ってみたい、と思っている。

プッシュプルアンプも突き詰めて考えれば、
出力トランスそのものがプッシュプル動作をしているのか、まで考えていくことになる。
そうなってくると、出力トランスをどこかに特註ということになる。

そこまでやるのならばフィラメントも定電流点火にしたくなる。
出力管の300Bだけでなく、電圧増幅段の真空管も定電流点火──、
ここまでくると電源トランスも、ヒーター(フィラメント)用に専用トランスということになる。

そんなふうにだんだんと大がかりなモノになってしまう。
そういう世界のアンプを追求することもまた楽しいが、
私は300Bプッシュプルアンプに、そんなことは求めたくない、という気持がある。

300Bの固定バイアスでなく自己バイアスでいい。
出力トランスも市販のモノから選びたい。
そうなってくると、プッシュプルの平衡度を厳密に考えようとは思わないから、
電圧増幅段、位相反転回路の構成も変ってくる。

入力にトランスを使えば、そのまま一段増幅し、出力段(300B)という構成になる。
真空管の数も少なくてすむし、位相反転回路も要らない。

プッシュプルアンプとして、シンプルな、理にかなった構成なわけだが、
そんなアンプが作りたければ、それは「現代真空管アンプ考」でのアンプとしたい。

それにそんなプッシュプルアンプだと、出力トランスのことが再び気になってきて、
大げさ、大がかりなプッシュプルアンプへと発展してしまう。

そうなるのを抑えたい、
そんな気にならなくなるアンプを目指したい。
http://audiosharing.com/blog/?p=28336

Western Electric 300-B(その6)
http://audiosharing.com/blog/?p=28344


そういう300Bプッシュプルアンプならば、ウェスターン・エレクトリックの300Bでなくとも、
数多くある互換球の300Bでいいじゃないか、という考えをもつ人はいよう。

ウェスターン・エレクトリック以外の300Bでは、PSVANあたりかな、と思いはする。
それでも実際にPSVANの300Bで作ろうとしたら、
私のなかにあるウェスターン・エレクトリックの300Bの印象へと少しでも近づけようとする。

そうなるとフィラメントの点火も、定電流点火にしたくなる。
ウェスターン・エレクトリックの300Bと、それ以外の300Bの音の違いは、
理由はあれこれあるだろうが、そのひとつとしてエミッションに起因しているような気もする。

そうであれば安定化という意味でも、
ウェスターン・エレクトリック以外の300Bだと定電流点火にしたくなる。

つまり定電流点火をやらなくするためにも、
私にとってはウェスターン・エレクトリックの300Bなのである。

それじゃ300Bのフィラメントの点火には何も工夫しないかというと、
いくつかのことはやろうと予定している。

ひとつは、別項で何度も書いているCR方法である。
この方法は、スピーカーユニットに対して、これまで効果的であった。
同じことを300Bのフィラメントにも試してみたい。

300Bのフィラメントの定格は5V、1.2Aである。
つまり直流抵抗は約4.16Ωである。

300Bのフィラメントに対して、
4Ωの無誘導巻線抵抗と4pFのコンデンサーを直列接続したものを並列に接続する。

まだ他の真空管でも試していないが、何らかの効果は得られる(はず)と確信している。

同じことを電源トランスの巻線、
つまりフィラメント点火用の巻線にも施す。

あとはフィラメント用の配線材に銀線を使ってみたい。
このくらいのことならば、大がかりではない。

もう回路も決めてある。
コンストラクションもおおまかに決めている。
http://audiosharing.com/blog/?p=28344


Date: 3月 18th, 2019
Western Electric 300-B(その7)
http://audiosharing.com/blog/?p=28492


誠文堂新光社から1987年に出た伊藤先生の「音響道中膝栗毛」の巻末に、
300Bのプッシュプルアンプの回路図が二つ載っている。

一つはウェスターン・エレクトリックのTA4767をベースにしたモノ、
もう一つはテレフンケンのV69aをベースにしていて、
どちも真空管は前段に348A、出力段に300B、整流管には274Bを使っている。
真空管の本数も348A、300Bが二本ずつ(片チャンネル)で、274Bが一本と同じ。

さらにどちらも入力トランスを搭載している。
けれど前段(348A)の使い方が、この二つの300Bプッシュプルアンプでは違う。

V69aをベースにしたアンプは、
入力トランスからの信号を348Aにそのまま渡している。
つまり前段、出力段ともにプッシュプル動作となっていて、
位相反転回路はない。

入力トランスを使うからこそ、これ以上真空管の本数を減らせないといえる回路で、
伊藤先生は《回路が簡単で安定性が良好であるから》と書かれている。

以前、別項で書いているように、私は349Aのプッシュプルアンプを製作しようとしていた。
その時、V69aと同じ回路構成で作ろうと考えてもいた。
348Aもメッシュタイプも手に入れていた。

プッシュプルアンプならば、こういう回路がいちばん理に適っている、ともいえる。
なのに、考え直した。

伊藤先生の、TA4767をベースにした300Bプッシュプルは、
348Aの前段で位相反転を行っている。
しかもここでの位相反転回路はカソード結合型ではなく、
オートバランス型と呼ばれる回路の一種である。

入力トランスからの信号を上側の348Aが受け増幅する。
この348Aの出力は二つに分岐され、一つは300Bへ、
もう一つは抵抗分割回路を経て、下側の348Aに渡される。
下側の348Aの出力が下側の300Bへと行く。

つまり上側の信号経路は348A→300Bなのに対し、
下側は348A→抵抗アッテネーター→348A→300Bとなる。

そのため部品数はV69a型アンプよりも多くなる。
当然配線もその分複雑になる。
http://audiosharing.com/blog/?p=28492


Date: 3月 18th, 2019
Western Electric 300-B(その8)
http://audiosharing.com/blog/?p=28500


それにしても、ウェスターン・エレクトリックはこういう回路にするのだろうか。
ウェスターン・エレクトリックの機械は、映画館で使われる。
つまりお金を稼ぐ機械である。

だからこそ、音と同じくらいに信頼性の高さが求められる。
故障しにくいこと、故障したとしても修理がすばやく確実に行えること。
そういったことが求められている。

にもかかわらずのTA4767は部品点数を増やし、配線を複雑にする回路を選択している。
故障は部品点数が少なければ発生率は低くなるし、
簡単な回路で配線がシンプルであるほど、修理もしやすくなる。

なのにウェスターン・エレクトリックはそうしない。
そういう回路構成のアンプもある。
けれどそうでないアンプの方が多い。

私が初めてきいた伊藤先生製作のアンプ、
ウェスターン・エレクトリックの349Aのプッシュプルアンプは、
ウェストレックスのA10の回路をベースにしたもので、
位相反転にはオートパランスの一種といえる回路を採用している。

A10も、上側の信号経路と下側の信号経路とでは、信号が徹真空管の数が違う。
もちろんA10も入力トランスを備えている。

こうなるとウェスターン・エレクトリックは意図的に、
上側と下側の信号経路が、いわばアンバランス的になるようにしているとしか考えられない。

あえて、そんなことをするのか。
本当のところは設計者に訊くしかないけれど、もうそれは無理なこと。
想像するしかないことだが、結局のところ、音のはずだ。

伊藤先生はTA4767型の300Bプッシュプルアンプを、《作って見て納得した》と書かれている。
頭で考えれば、V69a型300Bプッシュプルアンプのほうが、
特性的にも音的にも、TA4767型よりも優秀である、ということになる。

けれど、音は理屈で推し量れるとは限らない。
だから私が作りたい300Bプッシュプルアンプは、そういうアンプである。

348Aも310Aも、いまではいい球が入手し難い。
だから私はウェストレックスのA10型の300Bプッシュプルアンプを構想している。
http://audiosharing.com/blog/?p=28500

Date: 4月 11th, 2019
Western Electric 300-B(その9)
http://audiosharing.com/blog/?p=28675


ウェストレックスのA10は、初段が6J7(五極管)で、
位相反転回路が一種のオートバランス型で、ここには6SN7が使われている。

そして出力段が350Bのプッシュプル(五極管接続)となっている。
350Bを四本使用のパラレルプッシュプルがA11である。

実際には6J7による前段回路が、初段の前にあるが、
一般的なオーディオアンプとして、A10のレプリカの製作記事では、
この6J7による回路は省かれる。

伊藤先生が無線と実験に発表された349Aのプッシュプルアンプは、
初段がEF86、位相反転回路がE82CC、出力段が349Aとなっていて、
やはり前段の6J7の回路は省かれている。

NFBは出力トランスの二次側からではなく、出力段からでもなく、
位相反転回路から初段へとかけられている。

A10そのままの回路では、300Bの深いバイアス電圧に対して十分な電圧とはならない。
6SN7による位相反転回路の出力電圧は上側の6SN7が30V程度で、
下側は2V弱高くなる。

30Vちょっとでは300Bには足りない。
だから位相反転回路と出力段のあいだにE80CCによる増幅段を挿入する。

信号部には、300Bの二本を含めて、計五本の真空管を使う。
電源部もダイオードではなく整流管にするから、
真空管は六本使うことになる。

この回路で300Bプッシュプルを作りたい、と考えている。
300Bは固定バイアスではなく、自己バイアスにする予定。

NFBのかけ方も、A10に準ずる。
出力トランス、出力管からNFBを戻すようなことはしない。

もちろんそうしたほうが周波数特製も歪率も良くなるのはわかっていても、
そういうことは、ここでの300Bプッシュプルアンプには必要ない、と決めてかかっている。
http://audiosharing.com/blog/?p=28675

Date: 4月 14th, 2019
Western Electric 300-B(その10)
http://audiosharing.com/blog/?p=28691


6SN7による位相反転回路と出力段300Bとのあいだに、
E80CCによる増幅段を挿入するのであれば、
最初からE80CCの前段に入力トランスをおくことで、
ノイマンのV69aと同じ構成にすることができる。

こちらのほうが回路的にもすっきりしていて、信号が通る真空管の本数も少なくなる。
しかも私が考えているA10型300Bプッシュプルアンプにも、入力トランスを使うつもりだから、
よけいに6J7、6SN7による増幅段建位相反転回路は不要──、
そう受けとられがちになるだろう。

別項の「現代真空管アンプ考」で書いている(目指している)アンプならば、
そういう構成にするけれど、ここでの300Bプッシュプルアンプは、
そういうアンプはまったく考えていないし、
聴き手である(作り手でもある)私自身の、音楽の聴き手としての生理というか、
もっといえばオーディオマニアとしての生理、本能といったものに、
直截に向きあってのアンプに仕上げたいからである。

向きあって、と書いた。
(むきあって)は剥きあって、でもある。

剥くことによって、仕上げられるアンプというものがある、と考えるからだ。
それに剥くは無垢でもあり、
誰かに聴かせるためのアンプではない。
http://audiosharing.com/blog/?p=28691

33. 中川隆[-5753] koaQ7Jey 2021年4月13日 22:44:50 : 34i32T20cM : VjNnTnE1eGhXTzY=[60] 報告
Western Electric 300-B(その11)
http://audiosharing.com/blog/?p=28694


High Fidelity ReproductionとGood Reproduction、
高忠実度再生と心地よい再生、

瀬川先生が、スピーカーを分類するときに使われていた。
私にとってのグッドリプロダクションのスピーカーといえば、
イギリスのスピーカーで、それもBBCモニターの流れを汲むモノである。

スペンドール、ロジャース、ハーベス、チャートウェルなどのメーカーがあった。
いまもブランドだけは残っているところもある。
ハーベスは、いまも生き残っている会社である。

ハーベスのデビュー作、Monitor HLは、フレッシュだった。
いいスピーカーだ、と思ったし、欲しい、とも思った。

スペンドールのBCIIよりも、その響きは明るかった。

そのハーベスも創立者のハーウッドが高齢のため引退し、アラン・ショウが引き継いでいる。
アラン・ショウによる最初のモデルは、HL Compactだった。

HL Compactの評価は高かった。
HL Compactが登場した時は、まだステレオサウンドにいたから、
皆がほぼ絶賛に近い褒め方だったのをみてきている。

けれど、私の耳には、ずいぶん変ったなぁ、と感じたし、
変ったこと自体は設計者が違うわけだし、時代の変化もあり、当然のことと受け止めても、
私がBBCモニター系のスピーカーに感じていたグッドリプロダクションといえるところが、
HL Compactからは消えていた。

消えていた、というのが大袈裟すぎるのであれば、かなり薄れてしまっていた。
HL Compactを聴いて、何か致命的な欠陥があるとは感じなかった。
バランスのいいスピーカーに仕上がっていた。

けれど、その音が私にとってはグッドリプロダクション(心地よい音と響き)ではなかった。

どうも、このグッドリプロダクションは、少し誤解されているようであるが、
やわらかくてあたたかくて、耳にやさしい感じで鳴る音だから、
グッドリプロダクションではない、と私は考えている。

確かに、そういう音は、心地よい音につながっていくことは多い。
けれど、どこかにもどかしさを感じてしまうと、
どんなに上質な、そういう音であっても、もうグッドリプロダクションではなくなる。
http://audiosharing.com/blog/?p=28694

Western Electric 300-B(その12)
http://audiosharing.com/blog/?p=28696


300Bのアンプについて書いてきていたのに、
いきなりスピーカーのことを書き始めたのは、
ここで書いている300Bプッシュプルアンプは、
私にとってのグッドリプロダクション・アンプであるからだ。

ハーベスのHL Compactは、聴けば聴くほど、私はもどかしさを募らせていた。
聴く機会は多かった。

悪いスピーカーではない。
そんなことはわかっている。
それでも、聴き惚れることがない。
その音のどこにも、そういう要素が感じられない。

しかももどかしさが、どこかにある。
もどかしさがあるから、心地よくない。

私は、HL Compactの登場によって、ハーベスのスピーカーへの興味を失ってしまった。

HL Compactが1987年、それから16年後の2003年、
HL Compact 7ES3が出てきた。

このスピーカーも評価がよかった。
けれどハーベスのスピーカーに興味を失っていた私は、特に聴きたいとも思っていなかった。
それでも偶然、あるところで耳にしたHL Compact 7ES3の音は、
どうしても拭えなかったHL Compactのもどかしさがなかった。

HL CompactからHL Compact 7ES3のあいだに登場した他のハーベスのスピーカーは聴いていない。
だから何もいえないのだが、HL Compact 7ES3は、グッドリプロダクションである。

HL Compact、HL Compact 7ES3、
どちらもグッドリプロダクションだ、と思っている人は少なくない、と思う。
そういう人には、私がここで書いていることはわかってもらえないかもしれない。

けれど私と同じようにHL Compactに、なにかしらもどかしさを感じていた人もいると思う。
その人は、ここで書きたいと思っているグッドリプロダクション・サウンドを理解してくれるはずだ。
http://audiosharing.com/blog/?p=28696


Western Electric 300-B(その13)
http://audiosharing.com/blog/?p=28698


私にとって、最初のグッドリプロダクションのスピーカーはスペンドールのBCII、
最良のグッドリプロダクションのスピーカーはロジャースのPM510である。

BCIIを自分の手で鳴らすことはなかったけれど、
PM510は自分のモノとして鳴らしている。

このPM510を鳴らすためのアンプとして計画していたのが、
伊藤先生が無線と実験に発表された349Aのプッシュプルアンプである。

この349Aプッシュプルアンプが、私にとって最初の伊藤アンプである。
それ以前に真空管アンプは、自作のモノも含めていくつか聴いていたが、
まさか伊藤先生製作のアンプが、こんなにも早く聴ける日がくるとは思ってもいなかった。

東京に台風が接近して大雨だったある日、349Aアンプをじっくり聴く機会があった。
この時から、PM510を349Aプッシュプルアンプで鳴らそうという夢が始まった。

PM510は、まさしくグッドリプロダクションのスピーカーだった。
瀬川先生が、ステレオサウンド 56号に書かれた文章を、
手に入れる前に何度も何度も読み返していた。
     *
 JBLが、どこまでも再生音の限界をきわめてゆく音とすれば、その一方に、ひとつの限定された枠の中で、美しい響きを追求してゆく、こういう音があっていい。組合せをあれこれと変えてゆくうちに、結局、EMT927、レヴィンソンLNP2L、スチューダーA68、それにPM510という形になって(ほんとうはここでルボックスA740をぜひとも比較したいところだが)、一応のまとまりをみせた。とくにチェロの音色の何という快さ。胴の豊かな響きと倍音のたっぷりした艶やかさに、久々に、バッハの「無伴奏」を、ぼんやり聴きふけってしまった。
     *
《バッハの「無伴奏」を、ぼんやり聴きふけってしまった》とある。
まさにグッドリプロダクションである。

ぼんやり聴きふけりたい──、
そのためには、出てくる音のどこかにもどかしさを感じるようであってはだめだ。

HL Compactの音を聴いていて、
この場に瀬川先生がおられたら、HL Compactの音をどう表現されるだろうか──、
何度もそう思った。

音にもどかしさを感じるだけでなく、
そのもどかしさを言葉として表現できないもどかしさも感じていた。

瀬川先生なら、きっと、そのもどかしさを的確に表現されるはず──、
そう思っていた。
http://audiosharing.com/blog/?p=28698

Western Electric 300-B(その14)
http://audiosharing.com/blog/?p=28701


私が、心底美しいと感じた最初の真空管アンプは、
伊藤先生のEdのプッシュプルアンプだった。

このアンプとそっくりなアンプを自作したい、と思ったのが、
真空管アンプについて勉強するようになったきっかけでもある。

アンプだけではなかった、
Edという、初めて見る(知る)真空管も美しい、と感じていた。

私はST管があまり好きではない。
いかにも真空管という感じがしているからで、
シーメンスのEdのような形が、私の好きな真空管である。

それでも音を聴くと、結局ウェスターン・エレクトリックの真空管ということになる。
伊藤先生のEdのシングルアンプを聴いたのは、
349Aプッシュプルアンプの一年ぐらいあとである。

その時のことは別項で書いているのでくり返さないが、
やっはりウェスターン・エレクトリックなのか……、と実感させられた。

なんだろうなぁ、と、伊藤先生のアンプの音を思い出す度に考える。
349Aプッシュプルアンプの出色の音の良さは、
音楽がデクレッシェンドしていくときの美しさにある。

すーっと音がひいていく。
それまで、そんなふうにデクレッシェンドの美しさを表現してくれるアンプと出逢ったことはない。

アンプだけではない、そういう音そのものを聴いたことはほとんどない。

五味先生は「五味オーディオ教室」、
《はじめに言っておかねばならないが、再生装置のスピーカーは沈黙したがっている。音を出すより黙りたがっている。これを悟るのに私は三十年余りかかったように思う》
と書かれていた。

スピーカーは沈黙したがっている──のかもしれない。
けれど、アンプやプレーヤー、その他のことによって、素直に沈黙できないでいるのかもしれない。
http://audiosharing.com/blog/?p=28701


MQAのこと、349Aプッシュプルアンプのこと
http://audiosharing.com/blog/?p=28730


別項「Western Electric 300-B(その14)」で、
伊藤先生による349Aプッシュプルアンプの、
音楽がデクレッシェンドしていくときの美しさについてふれた。

このデクレッシェンドしていく音の美しさは、その後、一度も聴いていない。
伊藤先生の349Aアンプだけの音だったのか──、
もうそう思うしかなかった。

349Aプッシュプルアンプを聴いて三十年以上経った。
やっと出逢えた。

すべてが違うシステムであったにも関らず、
あのときの音、デクレッシェンドしていく音の美しさにはっとした。

それが2018年9月のaudio wednesdayで、初めてULTRA DACでMQA-CDを聴いた音である。
すべてのディスクがそんなふうに鳴ってくれたわけではない。
あるディスクの、あるところだけがそう鳴ってくれた。

私は、それで充分である。
鳴らせるという確信が得られたのだから。
http://audiosharing.com/blog/?p=28730


Western Electric 300-B(その15)
http://audiosharing.com/blog/?p=28717


伊藤先生の349Aのプッシュプルアンプの製作記事は、
1973年の無線と実験に載っている。

私が持っているのは記事をコピーしたものをさらにコピーしたもので、
何月号なのかははっきりしない。

記事の冒頭に《昭和48年の御代》と書かれているから、
1973年であることは間違いない。
251ページから255ページにわたって掲載されている。

回路図には出力トランスの一次側インピーダンスは8kΩとなっているが、
実際のアンプは10kΩである。

出力トランスはラックスのCSZである。
この10kΩ(カタログには載っていないはず)という値が、
最終的にはネックとなり、片チャンネル、出力トランスが断線してしまい、
修理が非常に困難になってしまっていた。

そんなわけで伊藤先生の349Aプッシュプルアンプを聴いたのは一度きりである。
けれど、その一度きりはじっくりと聴くことができた。

アナログプレーヤーはEMTの927Dstで、
イコライザーアンプの出力をアッテネーターと通して349Aのアンプに入力。
スピーカーはJBLの2ウェイで、
ウーファーが2220、ドライバーは2440(2441ではなかったはず)でホーンは2397。

エンクロージュアはステレオサウンド 51号で、細谷信二氏担当の記事、
ジェンセン型のモノである。

この構成からわかるように、スピーカーはナロウレンジ、高能率である。
349Aプッシュプルアンプも、実はナロウレンジといえる。

製作記事の最後のページには、測定結果が載っている。
周波数特性グラフをみると、低域特性は、-3dBポイントがおおよそ70Hzである。

349Aは五極管で、出力段は三極管接続でもUL接続でもなく、
五極管接続で、出力トランスの二次側からのNFBはかけられていないのは、既に書いてる通り。

それに位相反転段と出力段とのあいだのカップリングコンデンサーの容量からいっても、
低域特性が最低域までフラットになるわけがない。

些細なことだが、回路図では0.05μFとなっているが、
使われいてるのは0.047μFである。

回路図と実際のアンプを比較していくと、コンデンサーの容量は、わずかだが違うところがある。
もっとも特性的にはほとんど差違はないといっていいくらいの違いである。

ナロウなスピーカーにナロウなアンプ。
カートリッジもまだSFLは登場していなかったから、こちらもワイドレンジとはいえない。
EMTのイコライザーアンプも、入力と出力にトランスがあるし、
トランジスター式とはいえ、古い回路構成である。

なのにまったくナロウレンジとは感じなかった。
http://audiosharing.com/blog/?p=28717


Western Electric 300-B(その15・追補)

(その15)を読んでくれた友人のOさんからメールがあった。
伊藤先生の349Aプッシュプルアンプの記事は、1973年5月号に載っている、ということだった。

国会図書館が雑誌の電子化を始めていて、
記事そのものは公開されていないけれども、目次はインターネットで検索できるようになっている。

1973年5月号に伊藤先生以外の製作記事も載っている。
それらの記事のタイトルは、真空管の型番と、
アンプの形式のあとに「設計と製作」とついている。

伊藤先生の349Aのアンプも基本的には同じだが、
「WE-349App8Wパワー・アンプの設計と製作の心得」というように、
製作のあとに「心得」とついている。
http://audiosharing.com/blog/?p=28721


Western Electric 300-B(その16)
http://audiosharing.com/blog/?p=28797


ここまで読まれた方のなかには、
ならば349Aのプッシュプルアンプを作った方がいいのではないか、
そう思われる人もいよう。

私もそうおもう時がある。
とにかく349Aのプッシュプルアンプのデクレッシェンドしていく音の美しさに魅了された。
しかも、それ以降、その美しさを、どのアンプでも聴くことがかなわなかった。

なので思い始めていたことがある。
真空管の電極の大きさが、あのデクレッシェンドの美しさに深く関係しているのではないのか、と。
だとしたら300Bのアンプでは、
いまも耳に残っているといえる、あの美しい音は出せないのかもしれない。

むしろ出せない可能性が高いのではないか。
ならば349Aを、いままた探して出すか。

349Aも、ずいぶん高くなった。
三十数年前は一本五千円程度だった。
ベースにでは、ガラスの上部に、349Aと入っている、
いわゆるトップマークの349Aでも、八千円から一万円くらいだった。

私のなかには、いまさら、という気持が少しある。
だから349Aの代りに、45という選択もあるな、と実は考えていた。

直熱三極管で、電極のサイズも大きくない。
それに45は、瀬川先生がAXIOM 80のために作られたアンプの真空管でもある。

にもかかわらず300Bのプッシュプルアンプを目指そうとしているのは、
別項「MQAのこと、349Aプッシュプルアンプのこと」でのことが関係している。

デクレッシェンドしていく音楽の美しさに、ここで再び出逢えたからである。
ならば300Bプッシュプルアンプでも、トータルで出せる──、
そう確信できたからだ。

もっともそのためにはメリディアンのULTRA DACが前提となるけれど……
http://audiosharing.com/blog/?p=28797

Western Electric 300-B(その17)
http://audiosharing.com/blog/?p=28805


伊藤先生は、無線と実験の349Aのプッシュプルアンプの記事に、こう書かれている。
     *
 他人の作ったものばかり食べている人にはわかりますまいが、本当の食通は他人に嘲笑わても厨房に入りたがるものです。
 一番大切なことをいいましょう。「誰がこれを食べるのか」ということなのです。若い人か、年寄りか、肉体労働をしている人か、どんな条件(部屋)の雰囲気で食べるのか、とそれまで考えてやるべきでしょう。アンプにしてみればスピーカーとの組合わせなのです。プリ・アンプもカートリッジももちろん大切には違いありまんが、それにも増してスピーカーとの関係を大切にしなければなりません。
 測定ではわからないのです……というと、学識のある方に嘲笑われますが、こればかりは如何にもなりません。
 それはスピーカーというものは前述したように府議名もので、アンプに較べて完璧なものが存在しないのです。あるスピーカーを捉えて、こんなアンプならいい音がするだろうなどと極めて無責任な考え方で音を出すのです。私にはそうしか方法がないのです。スピーカーの気嫌を取結ぶためにアンプを組んでいるのです。
 そして、スピーカーからきめてかかるのが一番良い音を出す途への近道なのです。
 良いスピーカーほど癖のあるもので、どんなアンプでも良く鳴るものにはろくなものはありません。
 ここでいう癖は忌(いや)な音というのではありません。誤解しないでください。
     *
349Aのアンプを作りたい、ということを伊藤先生に話したことがある。
「349Aはいい球だよ」といってくださった。
そしてアンプを自作するのならば、まず一時間自炊をしなさい、ともいわれた。

この時のことは別項「伊藤喜多男氏の言葉」に書いている。

平成の三十年間は、夕食に関しては、毎日とまではいかないけれど、自炊してきた。
「誰がこれを食べるのか」も、
三十年間ということは20代の私から50代の私まで、となる。
若い私から初老の私ということになる。

贅沢な自炊をしてきたわけではない。
伊藤先生は、こうもいわれた。
「いきなり300Bにいっても、300Bという球のほんとうの良さはわからないよ」
「349Aから始めるのはいいことだよ」

贅沢な自炊をしたくてもできない時期がけっこう続いた。
でも、それでよかったのだろう、たぶん。
http://audiosharing.com/blog/?p=28805


Western Electric 300-B(Good Reproductionの和訳・その1)
http://audiosharing.com/blog/?p=28818


300Bのプッシュプルアンプについて書いてきていて、
グッドリプロダクション(Good Reproduction)のことに触れ始めている。

グッドリプロダクションについては、これまで何度か書いてきている。
Good Reproductionを心地よい音、としてきた。

たしかに心地よい音、響きである。
でも、それだけでは何か足りないような気も、ずっとしていた。

無理に日本語にすることなく、グッドリプロダクションでいいではないか──、
とも思うけれど、それでももっとぴったりとくる言葉はないものかと、
これを書きながらも思っている。

最近おもうようになったのは、
Good Reproductionとは、居心地のよい音、響きだということだ。
http://audiosharing.com/blog/?p=28818


Western Electric 300-B(Good Reproductionの和訳・その2)
http://audiosharing.com/blog/?p=28821


Good Reproductionを、居心地のよい音、響きとすれば、
居心地のよい部屋というものを考えてみれば、
居心地のよい音、響きがどういうことなのか浮んでくる。

居心地のよい部屋といっても、たとえば真夏と真冬では、
ベースとなる部屋は同じ空間であっても、
何から何まで、真夏と真冬が同じままでは、居心地のよい空間(部屋)とはいえない。

カーテンひとつにしても、真夏と真冬とでは色を変えたくなるし、
花瓶に挿いた花にしても、季節によって変ってくる。

こまかなところが、四季によって変化していってこそ、
居心地のよい部屋へと近づいていくのであれば、
居心地のよい音というものも、そうであるはずだ。

以前書いているように、井上先生は四季によって聴きたい音は変っていく、といわれた。
真冬は真空管アンプ、それもマッキントッシュの真空管アンプの音が恋しくても、
真夏になるとすっきりとした音のトランジスターアンプに切り替える──、
そんな話をよくされていた。

音の季節感について話されていたわけだが、
実のところ、井上先生が話されていたのは、
Good Reproductionについてだったのか、と、いまごろ気づいている。
http://audiosharing.com/blog/?p=28821


Date: 5月 18th, 2019
Western Electric 300-B(その18)
http://audiosharing.com/blog/?p=28986


菅野先生が、こんなことを書かれていた。
     *
 私は食べるのも好きだが、つくるほうにも興味があり、忙中閑ありで、しばしばキッチンに立つが、料理でもう一つ面白いのが味つけの妙である。例えば、塩加減など一発で決めないとうまい料理は絶対にできない。一回塩を入れて、濃かったらもう駄目だ。いくら薄めてもうまい味は出ない。逆に、薄いところに、後で追加しても思い通りの味には絶対ならない。これは書道における一筆描きの如きもので、かすれていようとなぞったら駄目なのと同じことであろう。また、これは私の体験から分ったことだが、よく料理の時間などで、三人前で塩小さじ一杯などというが、では、六人前なら二杯かというと、そうはいかないのだ。これも料理の実に面白いところだと思う。
(「うまい料理」より引用)
     *
「うまい料理」(「音の素描」におさめられている)を最初に読んだ時は、
まだ自炊はしていなかった。
なので、塩加減について、そうものなのかぁ、ぐらいの受け止め方だった。

でも自炊を積極的にするようになってくると、菅野先生が書かれているとおりである。
《一回塩を入れて、濃かったらもう駄目だ》
そのとおりである。薄めてもうまくいかないし、
《薄いところに、後で追加しても思い通りの味には絶対ならない》のもそうである。

塩加減は、一発勝負である。
私の、たいしたものではない料理の腕でも、年に一回ほど、
見事な塩加減ができるときがある。

そういうときは、ほんとうに美味しい。
けれど、料理の素人である私は、その絶妙の塩加減を再現できるわけではない。
まぐれでうまくいくことが、年に一回ほどある、というだけである。

塩加減の、ほんとうにうまくいったといえる範囲というのは、
ワンポイントなのかもしれない、と思う。
ちょっとでも増えたら(減ったら)、もうその絶妙な塩加減から外れてしまう。

外れたからといって、美味しくならないわけではないが、
ぴたっと絶妙の塩加減におさまった味というのは、自炊を続けているから味わえるともいえる。

菅野先生は、上で引用した文章に続けて、こう書かれている。
《私は録音の時、マイクロフォンを念じておけ≠ニいう言葉を使う》。
http://audiosharing.com/blog/?p=28986

Date: 5月 20th, 2019
Western Electric 300-B(その19)
http://audiosharing.com/blog/?p=29013


塩加減で思い出すことが、もう一つある。
1980年代に、文春文庫から「B級グルメ」シリーズが出ていた。

そこに四川飯店の陳健民氏(だったと記憶している)が、
自宅でつくるラーメンが、とても美味しい、という記事が載っていた。

どんなスープを使っているのか、とよくきかれるそうだ。
でも使っているのは、醤油と塩だけ、とのこと。
その他の調味料は使っていない。
麺はインスタントラーメンの乾麺を使う、とのこと(記憶違いでなければそうだったはず)。

たったそれだけのラーメンなのに、美味しい。
このときは、自炊もほとんとしていなかったから、理解していたわけではなかった。

でも、自炊を重ねて、ワンポイントしかないといえる絶妙な塩加減のことを体験すると、
陳健民氏のつくるラーメンも、塩加減がほんとうに絶妙だからこその美味しさだったのでは……、
とおもうようになった。

陳健民氏は料理のプロフェッショナルだし、料理の天才なのかもしれないから、
いつでも絶妙な塩加減を再現できるのだろう。

中途半端な記憶なのだが、イタリアでは、
オリーブオイルは金持ちにかけさせろ、
塩は天才にかけさせろ、といわれているらしい。

オリーブオイルはケチケチせずに、
塩は絶妙の塩加減は、天才の領域なのだろう。

ほんとうに、イタリアでそんなことがいわれているのかもあやしいが、
納得できることだ。

この塩加減、
アンプの自作では、何に相当するのか。
http://audiosharing.com/blog/?p=29013


Western Electric 300-B(その20)
http://audiosharing.com/blog/?p=29015


塩加減ということで、さらに脱線していけば、
瀬川先生がステレオサウンド 56号で、
JBLのParagonについて書かれた文章から、次のことを引用したくなる。
     *
 おもしろいことに、パラゴンのトゥイーター・レベルの最適ポイントは、決して1箇所だけではない。指定(12時の)位置より、少し上げたあたり、うんと(最大近くまで)上げたあたり、少なくとも2箇所にそれぞれ、いずれともきめかねるポイントがある。そして、その位置は、おそろしくデリケート、かつクリティカルだ。つまみを指で静かに廻してみると、巻線抵抗の線の一本一本を、スライダーが摺動してゆくのが、手ごたえでわかる。最適ポイント近くでは、その一本を越えたのではもうやりすぎで、巻線と巻線の中間にスライダーが跨ったところが良かったりする。まあ、体験してみなくては信じられない話かもしれないが。
 で、そういう微妙な調整を加えてピントが合ってくると、パラゴンの音には、おそろしく生き生きと、血が通いはじめる。歌手の口が、ほんとうに反射パネルのところにあるかのような、超現実的ともいえるリアリティが、ふぉっと浮かび上がる。くりかえすが、そういうポイントが、トゥイーターのレベルの、ほんの一触れで、出たり出なかったりする。M氏の場合には、6本の脚のうち、背面の高さ調整のできる4本をやや低めにして、ほんのわずか仰角気味に、トゥイーターの軸が、聴き手の耳に向くような調整をしている。そうして、ときとして薄気味悪いくらいの生々しい声がきこえてくるのだ。
     *
Paragonのトゥイーター(075)のレベル調整こそ、
まさに塩加減ではないか、とおもう。

料理の塩加減は、一発勝負でやり直しはきかないが、
スピーカーのレベル調整は、必ずしも一発勝負ではない。

ただし、この領域になると、
いいところに決った、と思って、そこでやめることができればいいのだが、
欲深く、さらに……、とあと少しだけ動かしてみたら、だめということがままある。

それで元に戻したら……、とはなかなかならない。
巻線抵抗のアッテネーターは、けっこうヤクザな造りである。

もとに戻したはずなのに、そうはならないのが巻線抵抗である。
とはいえ根気よくやれば、最適ポイントを探しだせる。
http://audiosharing.com/blog/?p=29015

34. 中川隆[-5752] koaQ7Jey 2021年4月13日 22:55:28 : 34i32T20cM : VjNnTnE1eGhXTzY=[61] 報告
Western Electric 300-B(その21)
http://audiosharing.com/blog/?p=29019


真空管アンプを自作する、
そこでの塩加減はなんのか。

こじつけなのかもしれないが、ハンダ付けにおけるハンダの量のような気がする。

二十数年前に、知人に頼まれて抵抗とコンデンサーだけの、
いわゆるパッシヴ型のデヴァイダーを作ったことがある。

4ウェイ用で、モノーラル仕様。
シャーシー加工が終り、依頼してきた知人が一台、私が一台を作ることになった。

当然だが、使用部品は同じ。
内部の配線もプリント基板を使わずにラグ端子を使って行った。
配線材は左右チャンネルで同じになるように、線材の長さだけでなく向きも揃えた。

そうやって二台のパッシヴ型のデヴァイダーが出来上った。
ステレオで聴いた後に、スピーカーを一本にしてモノーラルでも聴いてみた。

知人が作ったモノと私が作ったモノとの比較試聴である。
部品が同じだから、基本的には同じ音といえるけれど、
まったく同じ音でもなかった。

ここでの音の違いは、ハンダ付けの違いに起因するとしか思えない。
もちろん同じハンダ(キースター)を使っている。

けれど一箇所あたりのハンダの量は、知人と私とでは違いがあった。
知人のほうが一箇所あたりのハンダ使用量は多かった。

多かったといっても、二倍も違うわけではない。
ハンダの量の違いは、作っている途中で、知人も気付いていた。

ハンダの量は多すぎても少なすぎてもダメであり、
塩加減と同じで、ハンダ付けも一発勝負である。

パッシヴ型のデヴァイダーだから、いくら4ウェイ用とはいえ、
使用部品点数は少ないし、ハンダ付けの箇所も多いわけではない。
真空管アンプに比べれば、ずっと少ない。

それでもハンダ付けでのハンダの量は、
少なからぬ違いとして、音としてあらわれることは事実である。
http://audiosharing.com/blog/?p=29019

Date: 5月 25th, 2019
Western Electric 300-B(その22)
http://audiosharing.com/blog/?p=29040


パッシヴ型のデヴァイダーでは、
ラグ端子を使い、部品のリード線がしっかりと絡むようにした上でのハンダ付けだった。

つまりハンダ付けをしなくとも音は出る(信号が流れる)状態での、
ハンダの量による音の違いが生じたわけである。

その理由について、ある仮説をもっているけれど、
いまのところ公表するつもりはない。

大事なのは、ハンダの量で音は変る、ということである。
とはいうものの、パッシヴ型のデヴァイダーを作ってから、
けっこう年月が経っている。

その間にどれだけのハンダ付けをしてきたかというと、
やっていない、といったほうがいいくらいでしかない。

ハンダ付けがヘタになった、と自覚している。
こんな腕前では、ハンダの量を、ハンダ付けの箇所すべてできちんとコントロールできるわけがない。

そうなると、300Bのプッシュプルアンプを作る前に、
少なくとも一台は、ハンダ付けの勘を取り戻すために作る必要性を感じている。

私は、真空管アンプ自作マニアではない。
何台も何台も、真空管アンプを自作して、手元に置きたいわけではない。

一台の、300Bプッシュプルアンプが欲しい。
満足できる300Bプッシュプルアンプが欲しいだけである。

市販されているモノに、残念ながら満足できないから、
自作するしかないと思っているだけである。

100%満足できるモノを、市販品に求めているわけではない。
70%くらい満足できれば、充分だと思っているにも関らず、
それでも見当たらないのが現状である。

もっとも、このことは私にとって──、ということでしかない。

ならば300Bプッシュプルアンプの前に、どんなアンプを作るのか。
大袈裟なモノにはしたくない。

ステレオ仕様(300Bプッシュプルアンプはモノーラル仕様の予定)で、
出力管は6V6あたりにしようかな、と思っている。

ならばウェストレックスのA10と同じ回路構成で、となる。
つまり伊藤先生の349Aプッシュプルアンプを、
349Aではなく出力管を6F6にして──、そんなことを考えている。
http://audiosharing.com/blog/?p=29040

Date: 7月 3rd, 2019
Western Electric 300-B(その23)
http://audiosharing.com/blog/?p=29349


300Bのプッシュプルアンプの前に作る予定の6F6のプッシュプルアンプは、
本番(300Bのアンプ)のために試しておきたいことがあるからでもある。

昨晩の「オーディオの楽しみ方(つくる・その42)」、
ここでの自作の電源コードの一工夫は、そのまま真空管アンプの内部配線にも使える。

大袈裟、大掛りでもよければ、出力管を含めてヒーターの定電流点火にしたいところだが、
すでに書いているように、ここでの300Bのアンプでは、そこまでするつもりはまったくない。

それでもヒーター(フィラメント)の点火の仕方は、
試したことのない方にとっては想像以上の音の変化だと思う。

真空管アンプ内部には、信号ラインの他に、
電源系も高電圧・小電流の直流、低電圧・大電流の交流とがある。

ここをどう処理するのか。
配線テクニックの腕のみせどころとなるわけだが、
それよりも、周囲のケーブルに影響を与えない、
周囲のケーブルからの影響を受けにくいような方式を採用すべきである。

今回の自作の電源コードの構造は、ずっと以前から試そうと考えていた。
自作の電源コードのヒントは、中学生時代に読んだ技術書の中にあった。

こういう手法があるのか、と思ったし、
オーディオ機器はなぜ採用しないのか、とも疑問に思っていた。

システムコンポーネントの組合せの自由度の高さを、
その方式は少しばかり損うことになる場合もある。

それでもメリットは大きい。
とはいえ、私もずっと頭のなかにあるだけで、手を動かして試してはこなかった。

それを思い出したようにいまごろ実践したのは、いくつか理由がある。
http://audiosharing.com/blog/?p=29349

Date: 11月 30th, 2019
Western Electric 300-B(その24)
http://audiosharing.com/blog/?p=28812


300Bのプッシュプルアンプは、私にとってのグッドリプロダクション・アンプなだけに、
徹底してオーディオ機器としての音色を磨き上げたい。

そのためにしたいことは、徹底的に灰汁をとっていくことだ。
面倒がらずにていねいに灰汁をとっていくことでしか得られない味があるように、
アンプの内部からも、そういう灰汁へと結びついていく要素を面倒がらずにていねいになくしていく。

部品を吟味していくだけでは、
良質の素材を用意しただけではおいしい料理がつくれないのと同じで、
雜味のたっぷり残った音は、私の望む音色ではない。

そういう300Bのプッシュプルアンプをつくりたいのだから、
(その23)で書いているように、
配線方法にいままで真空管アンプに採用されたことのないやり方でいく。

もしかすると誰かが既に試しているかもしれないが、
少なくとも私がこれまで見てきた真空管アンプ、
メーカー製、オーディオ雑誌の記事などでは見たことはない。

周囲のケーブルに影響を与えない、
周囲のケーブルからの影響を受けにくいような方式を採用すべき、と書いているが、
だからといってシールド線を使えばいい、というものではない。

中学生ののころは、なぜ シールド線を、
信号系ではなく電源系の配線に使わないのか、と疑問だった。

私になりに、その理由をいくつか考えた。
それでも疑問点は残ったままでもあった。

300Bのプッシュプルアンプに採用するやり方は、大袈裟にはならない。
パッと見て、どんなことをやっているのかわからないところがある。
それがいいな、と思っている。
http://audiosharing.com/blog/?p=28812

Date: 1月 10th, 2020
Western Electric 300-B(その25)
http://audiosharing.com/blog/?p=31044


真空管アンプを設計するにあたって、
固定バイアスにするか自己バイアスにするか──、
どの段階で決めていくのだろうか。

私は早い段階から、どちらのバイアスのかけ方にするかは決める方だ。
ここでの300Bのプッシュプルアンプにおいては、
この項の最初のほうに書いているように、自己バイアスで考えている。

理論的に考えていけば、自己バイアスよりも固定バイアスだろう。
この自己バイアスか固定バイアスかは、
スピーカーユニットでいえば、永久磁石か励磁型かの違いに似ているように感じることもある。

励磁型(フィールド型)こそが、
スピーカーユニットの磁気回路として理想だ、という謳うメーカーや、
そう主張するオーディオマニアは少なくない。

ウェスターン・エレクトリックの初期のスピーカーはすべて励磁型だったことも、
このことは関係しているのだろう。

励磁型の音は聴いている。
確かに惹かれる音を出してくれる。

それでも励磁型のスピーカーを、
スペースや予算のことを考えなくてもいいのだとしても、
自分のリスニングルームに導入するかというと、ちょっと考え込む。

励磁型は、当然のことながら、電磁石ゆえに外部電源が必要になる。
この電源をどうするのか。

定電圧電源を製作すれば、なんの問題もない、というのであれば、
励磁型の導入も、個人的に現実味を帯びてくる。

けれど実際には電源によって、大きく音が変りすぎることを経験している。
励磁型が最高の性能を目指してのモノであるならば、
その性能を最高度までに発揮するには、そうとうに大掛りな電源を必要とする。
http://audiosharing.com/blog/?p=31044


Date: 1月 13th, 2020
Western Electric 300-B(その26)
http://audiosharing.com/blog/?p=31053


励磁型の電源は、メーカーがつけてくる電源をそのまま使うのが無難ではある。
無難とはいえるが、必ずしも最良の結果とはいえないのも事実である。

永久磁石では得られない性能をめざしての励磁型なのだから──、
というおもいは、励磁型スピーカーに惚れ込めば惚れ込むほどに強くなっていく、であろう。

スピーカーユニットに手を加えることは生半可なことではない。
でも外部電源ならば……、と思うはずだ。

もっと大きな電源にしてみたら、
最新の電源にしてみたら、とか、
電源についてあれこれ勉強すればするほど、なんとかしたくなるはずだ。

非安定化か安定化電源か、
安定化電源ならば、定電圧電源なのか、定電流電源なのか。

このへんのことは、ビクターがSX1000を開発するにあたって、そうとうにやっていて、
そのことは当時の広告にも載っている。

定電圧電源にしても定電流電源にしても、回路によって性能は違ってくるし、
使用部品によっても音は違ってくる。

部品に懲り出すと、電源トランスはトロイダル型がいいのか、それともEI型がいいのか、
電源トランスの磁束密度は……、とか、
トランスの取付方法はどうするのか(意外にも高額機でも安直な取り付けのモノが少なくない)、
シャーシーはどういうものにするのか、
他にもいろいろあって、それだけでもかなりの量になってしまう。

思いつくことをすべて比較試聴して検証して──、
そんなことをやりはじめたら、肝心の音楽を聴く時間を大きく削ってしまうことになるはずだ。

でも、時間とお金を費やして、理想に近いと思える電源が実現したとしよう。
きっとかなり大型の電源になっているだろう。

大型になり、重量が増せば増すほど、置き方の注意もさらにシビアになってくる。
ウーファーだけ励磁型ならば,電源の数は二つで済むが、
マルチウェイで全ユニット励磁型ともなれば、電源の数は増え、
置き方の解決は難しくなっていくばかり。

そしてもうひとつ、
電源事情はますます悪くなっていくばかりである。
http://audiosharing.com/blog/?p=31053

Western Electric 300-B(その27)
http://audiosharing.com/blog/?p=31065


励磁型用の電源については書きたいことはまだまだあるが、
ここでは真空管アンプのこと、
ウェスターン・エレクトリックの300Bのプッシュプルアンプのことがテーマなので、
このへんにしておくが、真空管アンプにおいての固定バイアスの電源も、
励磁型の電源と同じところがある。

凝ろうとすれば、いくらでも凝れる。
電源トランスから別個にして、というのが理想に近い。

それから非安定化なのか安定化なのか。
安定化ならば──、励磁型の電源について書いたことと同じことがいえる。

凝れば凝るほど大掛りな電源となっていく。
場合によっては屋上屋を重ねることにもなりかねない。

電源トランスから独立させた固定バイアスの真空管アンプの音は聴いたことがないが、
その効果は音にはっきりとあらわれることだろう。

けれどバイアス用電源にそこまで凝る、ということは、
アンプ全体の電源に関しても、そういうことになる、ということだ。

バイアス用だけでなくヒーター用の電源トランスも独立させることになる。
そうなるとモノーラル構成でも、電源トランスは最低でも三つになる。

最低でも、としたのは、もっと凝ることもできるからだ。
各増幅段用に電源トランスを独立させていく──、
こんなことをやっていると、シャーシーの上にはトランス類がいくつ並ぶことになるだろうか。

トランスの数が増えれば、相互干渉の問題からトランス同士の距離も確保しなければならない。
振動の問題も、トランスが増えれば増してくるし、
重量の問題も大きくなってくる。

真空管アンプ一台の重量は、モノーラルであっても50kgを優に超えるであろう。

電源はエスカレートしやすい。
それは江川三郎氏がハイイナーシャのアナログプレーヤーの実験と同じようで、
ここまでやれば、という限度が見えてこないのかもしれない。
http://audiosharing.com/blog/?p=31065

35. 中川隆[-5744] koaQ7Jey 2021年4月14日 09:49:48 : FQrGsP3YVY : VUVVL3ZhT3JrRms=[4] 報告
2020-08-26
真空管WE300Bシングルアンプ
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2020/08/26/213820

自作してから30年程経ちますが、真空管を含め無故障です。
western electricに今頃になって感心しています。長寿命です。
このアンプには長く前からタンノイのHPD315A(DEVON)が接続され、良好です。

WE300Bを囲む円筒状の網は、真鍮ワイヤーを茶筒に巻き付け加工した自作品である。

91MDKと付けたマークはWE91Bアンプが由来でMDKはモドキという意味である。
最初、初段は5極管であったが12AX7,12AU7と試行錯誤の結果、12AU7に落ち着いた。
整流管はダンパー役で5RK16、実際にはダイオード整流で500μFのコンデンサーが付いているが、高電圧の突入電流を防止するためタイマーでコントロールされている。
さらにWE300Bを保護するためにダンパー管を実装してある。
なお、このアンプの入力端子には、western electric製のインプットトランス(600:7000)が接続され、marantz CD34 CDプレーヤが音源となります。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2020/08/26/213820

2021-01-08
300Bシングルアンプは、単純だが難しい
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/01/08/135525

中国製の300Bアンプのレビューの書き込みである。
失礼ながら、「こんな事にならない様に、ひと言、申し上げたい。

まず、以下はそのレビュー内容。
××××××××××××××××××××××××××××××××××××××
上位レビュー、対象国: 日本
5つ星のうち5.0Amazonで購入
安いので腕自慢は購入を。2019年4月4日に日本でレビュー済み
先ずは、音質はとてもよいです。
3カ月使用後、ハムバランサー用の100V47uFコンデンサーが液漏れ白煙を上げる。
故障したのは300B真空管の絶縁不良で、当該コンデンサーに400Vが印加された模様。
この際、ハムバランサの1kΩ30wの抵抗の異常発熱で半田が溶融し当該抵抗器が落下。
これらの部品は故障時の耐性がなく、真空管故障で芋づる式に故障するなど
安全性に問題ある。またハムバランサ前段は通常ボリュームでヒーター端子からパラ取りするのだが33オーム固定抵抗2本でパラ取りしているのでハムバランス調整ができない。尚この33Ωの抵抗も焦げていた。
使用する真空管によっては、ハム音が耳障りになる。
VUメーターはスピーカー出力をそのままブリッジ回路でDCにしてメーターへ繋いでいるので、ダイオードの順方向電圧を超えられず視聴音量ではピクリとも動かない。
上述の件は不良というわけではなく、そういう設計なので安価で購入できる訳だから、問題は自分で改良するしかない。
高額な真空管に差し替える前に、新品のアンプではあるが、以下の改良を施す。
第一に、
真空管が故障してもダメージが広がらないように、
47uF100Vコンデンサー→同容量 400V品に交換
1kΩ30w抵抗→同抵抗値100w品に交換
33Ω抵抗→100Ω5wボリュームに変更
第二に、
VUメーターを使えるように対数アンプ追加
対数アンプ用電源追加
対数アンプの入力はRCAセレクタの後段から配線
対数アンプの出力をVUメーターへ直結、VUメーターの周囲部品とりはずし。
第三に
カップリングコンデンサーはビタミンQオイルコンデンサーに交換耐圧は600V。
ハム対策で300bのヒーター電源の平滑コンデンサーに10000追加
占めて3000円なり。
第四に、
真空管はプリ管 JJ ECC803
ドライバー管 GOLDLION 6V6
パワー管 GOLDLIOON 300B
整流管 SVTLANA 5C3S
としたので、安全性、音質は文句ない状態となった。
追伸。。。b電源がコンセント抜いて3日経っても300V位あるので改良時とても危険。
取り敢えず100kΩのディスチャージ抵抗を追加したが、音質に影響してそうなので近々1MΩ品に交換予定。
電源投入直後は整流管の動作不安定に伴い残留電圧が積算された電圧になることがある。電源オンオフを短時間に繰り返すとb電源が800Vを超えるのを目撃した。ディスチャージ抵抗が必須なことと、頻繁な電源オンオフはアンプ全体にダメージを与える。
ディスチャージ抵抗を追加することで5分待てばオンできるようになった。

【私の意見】

300Bが手っ取り早く自作出来る時代になり、昔とは違い初心者でも、いきなり手をかける。

300Bシングルアンプは単純な回路でも作動するし、単純であるからゆえ内部の配線を整然ときれいに配線し、見えない内部をご披露なさる輩もいる。

アンプを何十台と作ってきたが、300Bシングルアンプが、一番難題であった。

上記のレビューのアンプは、真空管を守る安全対策に、配慮が欠けている。

直熱管である300Bは信号回路より、電源回路の設計が極めて難しく、一つでも起こりうる現象を見落とせば、「これが原因だ!」との感違いをしてしまい、別な原因対策をしてしまう。

まあ、アンプ造りはそうした失敗の積み重ねである。
具体例は次の機会にする事に。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/01/08/135525


2021-01-08
300Bシングルアンプの難しさ、その1
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/01/08/201008


まず一番難しいのが、300Bのフィラメント電圧の管理である。
電力会社の供給電圧は100V±7Vに規定されているらしい。(不確か)
実際、105V位が、一般的である。
高いほうが電力会社は電力量が増え、増収につながる。
これは、ソーラーシステムが普及して、末端電圧がコントロール出来ないからであろう。
この状態で300Bを作動させ続けると、まず短期間でまずフィラメントが切断する。
いわゆる、昔の電球のたま切れである。

WE300Bを使用していた大昔の先輩諸氏は、当時電力会社の供給電圧が97V位の頃でも、300Bのフィラメント電圧は規定の5Vの5%ダウンに減圧していた。

WE300Bのフィラメントは、最近のアンプの画像にある様な、ピカと光ってはいない。

細い赤色の線である。

注意しなければ、フィラメントの光は見えないのである。

最近の中国製の300Bは少し輝き過ぎる。

これは、フィラメントが断線するのが速いと言う事だ。

ピーンと張られたフィラメントは断線すると、前回のブログのレビュー記事のように真空管不良によるショートと解釈されやすいが、本当はフィラメントが切れて、他の電極に接触して、思わぬ事故に発展するのである。
現在、フィラメントの電圧管理のしっかりしたアンプは少ないようである。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/01/08/201008


2021-01-12
300Bシングルアンプの難しさ、その2
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/01/12/115519

WE274A(B)という有名な整流管があるが、WE300Bとほぼ同じフィラメントの加熱速度を有しているが、他のメーカー製品では整流管と出力管が作動開始が同期しない。
その他半導体によるB電源供給、フィラメント用定電圧スイッチング電源もある。
これらはもっと直熱型真空管とは、かけ離れた性質を有する。

確かに製作したばかりの段階では、上手く行ったと思えるのだが、1年も経たないうちに問題にでくわすであろう。
結論として、B電源に関しては電源ONで20秒程遅れて電圧供給、電源OFFで即刻ゼロが好ましい。この時平滑コンデンサーも適正抵抗で短絡する。
そしてその時点から、即電源ONでも20秒遅れで電圧供給をしなければならないと言う事である。
もし、こうした回路を考え出す位なら、WE274Aを使った方が手っ取り早い。という方はそうなされた方が、「さすがはWE274Aは音が良い。」という事とは別次元で正解である。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/01/12/115519


2021-01-19
300Bシングルアンプの難しさ、その3
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/01/19/092407


300Bアンプで一番不良率の高い部品は、多分真空管300Bそのものであろう。
老衰で亡くなる300Bは少ないと思われる。
設計の不十分な300Bアンプは、やはり一番弱い真空管そのものが背負う事になる。

言ってみれば、300Bのフィラメントはアンプのフューズのような役目を果たしてしまっている。
前述のブログのレビュー筆者が、300Bのバイアス抵抗を100W型にした、とあるが、それではこの880Ω〜1000Ωが断線する前に300Bはもちろん、出力トランスの一次側が断線する。
最近、大昔のLUXやタンゴの出力トランスが高値で取引されているが、たぶん多くが断線または断線しかかっているはずである。
トランスは新品でも良い音が出ないが、古過ぎれば充填剤がピッチ(コールタール)であるから、少し加熱すれば断線しやすくなる。

話が横道にそれた。もとに戻すとする。
300Bシングルアンプで、故障や不良が出るとすれば、これ以外には初段の増幅回路の真空管固有のノイズ以外にはない。
たまに、カップリングコンデンサのショートなどがあるが、その時は300Bはすでにオシャカであるはずである。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/01/19/092407


2021-01-28
300Bシングルアンプの難しさ、その4
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/01/28/133347

アンプを作ると、すぐに周波数特性などを測定する方がいらっしゃいます。

実は、周波数特性と聴感特性は違うのです。
勿論、聴覚神経は人それぞれですから、すべての人々に共通な特性は周波数特性の測定結果と言う事が出来ますが、測定結果の良いアンプがすべての人に受け入れられるかと言うと、そうではありません。
これはアンプづくりをする皆さんが、経験済みです。
しかし、やはり周波数特性に重点をおき部品を選択します。
私の経験では、入力トランスはあまりコアボリュームの大きいものは音が良くありません。
出力トランスも教科書では低域を伸ばすには、大きい程良いとされています。

タムラのF2007が、まだ1個18000円だった頃、ウエスタンサウンドINCのWE91Bアンプのレプリカ出力トランスは2個で68000円しました。

私は初期の物を入手して、F2007から乗せ換えをしました。
タムラのトランスはNHKトーンと言いますか、低域中高域と伸びが良いですが、音を大きくするとやたら低域の量感が強くなり、アンプのチューニングに困ったのを覚えています。

一方、ウエスタンサウンドINCのトランスはタムラよりはるかに小さく、軽いのですが、音量を上げると自然に低域のエネルギーが落ち、音量を下げても低域はもちろん全帯域の音が痩せることなく、しっかり出ます。

これはMCカートリッジのインプットトランスでも同じ事が言えるそうです。
いかがですか。
そうした経験のある方は多いと思います。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/01/28/133347


2021-02-03
300Bシングルアンプの難しさ、その5
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/02/03/174329

次に気がついたのは、電源のフィルター回路です。
現代の300Bシングルアンプの電源回路は、殆ど大昔の原器からかけ離れています。
測定器を使って残留ノイズをmV単位で測る時代ではなく、ましてやスピーカーに耳をあてウ〜ンという音が気になる距離で聴いてもいない時代です。
そんな時代では、電源のフィルター回路はそんなに神経質に考える必要もありませんでした。スピーカーは大口径で聴感上十分な低音域とは言え、現代のスピーカーの帯域とは比較にならず、能率も良かったのです。
ましてや、300BのフィラメントはAC点火の時代です。
まあ、現代のスピーカーで300Bシングルアンプを使うには、WE91Bアンプの回路にこだわっていては実用性がありません。

ご存知の通り整流管は、直熱管は勿論、傍熱管にもコンデンサーインプットの場合、容量の最高値が決まっています。

これを無視すれば、整流管の寿命は極端に落ちます。

直熱管はだいたい10μF以下(WE91Bは20μF)、傍熱管でも50μF位です。

こうした条件で良質な電源を確保するには、フィラメントのDC点火を含め、半導体整流がどちらかと言うと良いと思います。

もちろん、真空管整流でも出来ない事はありませんが、整流管の寿命は極めて短くなります。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/02/03/174329


2021-02-12
300Bシングルアンプの難しさ、その6
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/02/12/093326

f:id:we300ba:20210207085341j:image

上記はウエスタンエレクトリックのWE91Bアンプの回路図です。
電源フィルターにある電解コンデンサーにパラに入っている100KΩは、前述のブログのレビュー文にある、ディスチャージ用ではなく、単なる耐圧不足の電解コンデンサーのシリーズ接続の印加電圧均衡用です。
現代300Bシングルアンプに必須のチョークトランスがないのは、永久磁石を使わない、電磁マグネット方式、つまりスピーカーのフィールドコイルです。

ざっと見ますと、電源フィルター回路は極めてお粗末で、現代の広帯域スピーカーで至近距離で視聴するには問題がありそうです。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/02/12/093326


2021-02-13
300Bシングルアンプの難しさ、その7
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/02/13/101356

私の現在使用中のWE300Bシングルアンプの電源回路です。

f:id:we300ba:20210213094148j:image

記憶に基づき手書きで画像にしました。
PTのAC電圧が350V X2ですから、DCピーク電圧はおよそ最大490Vとなります。

しかし、タイマーリレーRLスイッチにより電源オンから20秒間は15KΩを通してコンデンサーに緩やかにチャージされます。

そして、それまでの間に、まず300Bのフィラメントが、つぎに5RK16のヒーターが加熱完了しています。
500V500μFが490Vに達する前に5RK16から適正電圧が供給され始めます。
一旦、電源スイッチをオフにして、すぐにオンにしても、遅延リレーによりまた20秒遅れてB電圧が出力されます。

電源フィルターは500μFでかなり平滑化されていますが、5RK16の内部抵抗を通してWE300BにB電圧がかかりますので、膨大な蓄電量がいっきに流れる事はありません。

しかも、この5RK16にはACがかかっていませんから、この真空管も30年前から、交換した事はありません。
普通、箱型オイルコンデンサーはAC整流のすぐ後に接続される事が多いですが、出力トランスの直前に配置した方が音質が良く、そうしてあります。
ダイオードに対しては、2μFのフィルムコンデンサーが付けてあります。
説明不足の面もあるかも知れませんが、かなり長期間のトライアンドエラーで組上げてきました。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/02/13/101356


2021-03-14
300Bシングルアンプの難しさ、その8
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/03/14/215212

300Bシリーズも、これが最後です。
残る最後は特に問題のない信号回路です。
私の作ったWE300Bシングルアンプは、いくつもの製作段階があり、初期はタムラの段間トランス、出力トランス、パワートランスでかためた壮大なものでしたが、アンプの細かいチューニングをするには、余りにも重たく、その割には性能が良くありませんでした。
技術レベルが低かったのかも知れません。
初段真空管も、最初は5極管の6267で次に12AX7のパラ接続、そして最後に12AU7のパラ接続でした。

音質は12AX7のパラが好みでしたが、増幅率の高い初段管は300Bとの歪み打消しに対して、バイアス抵抗つまりカソード抵抗値の許容変動幅が少なく、難しい一面がありました。
12AU7のパラに決めてからも、トランス結合にしたりして、これ以上はあるまい、と思うレベルへの挑戦でしたが、結局現在のアンプに落ち着きました。
これが、30年程前の話です。
スピーカーがタンノイですから、QUADの405アンプの音と比較しながらの試行錯誤でした。(音質を似せるという事ではないです)

CDプレーヤーも幾つも買い集めましたが、今ではマランツのCD34とphilipsのLHH500だけしか残っていません。

耳は一人分ですから、よくよく考えると、アンプやスピーカー等の機材の数を増やしても意味がないのですが、それでも比較して聴き比べるのは楽しいものです。

話をアンプの回路に戻します。
真空管アンプでは、一番音質の良い抵抗器は私個人的には、カーボンソリッド抵抗だと思います。

殆どをソリッドにして、一部ホーローとかセメント、あるいは金属被膜抵抗器にしました。

音質に影響の出る初段のカソードパスコンは銀タンタルコンデンサー、カップリングコンデンサーはオイルコンデンサーが一番良かったと思います。

また、電解コンデンサーにはすべて1/100位のオイルコンデンサーをパラに付けてあります。

そんな訳で、製作したアンプの内部は整然とした配線は無理でした。

時々、ネットの画像で部品数が少なく、整然と美しく配線されたアンプの内部をお見受けいたしますが、よほど大きな筐体にしない限り、私には受け入れ難い目標です。
https://we300ba.hateblo.jp/entry/2021/03/14/215212

36. 2021年4月16日 13:25:34 : mV2k7WRgio : MGYvb2xWOERxY0k=[24] 報告
Date: 3月 27th, 2021
日本のオーディオ、これから(韓国、中国は……・その9)
http://audiosharing.com/blog/?p=34403


いまいくつものウェスターン・エレクトリックの300Bの模倣管が出ている。
300Bの型番をもつ、それらの模倣管のなかで、どれがいちばんいいのか。
比較試聴したことはないので、なんともいえないのだが、
現時点で、私が模倣管のなかから選ぶとすれば、PSVANEのWE300Bである。

PSVANEの300Bには、たしかWEのつかないタイプもあるはずだが、
あえてWEとつけているほうを選ぶ。

実物を見てもらえばわかるのだが、ベース部分のPSVANEのロゴが消されていれば、
ウェスターン・エレクトリックの300Bと錯覚しそうである。

まず真空管としての形が、300Bにそっくりである。
ST管の肩のところなど、よく作ったなぁ、と感心するほどだ。

そりゃ刻印の300Bさ、といいたい気持はあるけれど、
あまりにも高騰しているオリジナルの価格をどう捉えるのかは人それぞれだろう。

なんとしてもオリジナルこそ最高なのだから、一切の妥協はしない、
そのためにはお金は惜しまない、いくらでも出す(出せる)人ならば、
オリジナルの刻印を探せばいい。

けれど、いまの私はPSVANEのWE300Bならばだまされていい、ぐらいに思うようになった。
私の考え方も変っていったし、PSVANEの出来もよくなっていっている。

PSVANEのWE300Bを見ていると、中国の真空管アンプのパーツも、
けっこうよくなってきているのではないだろうか。

AliExpressには、トランスもけっこうある。
写真だけの判断では、トランスの良否について語るのはなかなか難しいが、
写真通りの出来であるならば、悪くはないように感じている。
それに、けっこう安価だ。

少し前までの中国のオーディオ機器(部品)に関しては、
安かろう悪かろうというイメージがしっかりとあったが、
いくつかの中国のオーディオ機器を使ってみると、
いまではそれは偏見に近い、とさえ思うように変ってきた。

http://audiosharing.com/blog/?p=34403

37. 2021年5月29日 18:20:06 : GnRMpOkTQU : R25CMktuWjhaeFE=[31] 報告
>>32 に追記

Date: 5月 28th, 2021
Cate: 真空管アンプ
Tags:
« 日本のオーディオ、これから(ヤマハ A-S2100を聴いて)オーディオ原論(その2) »
Western Electric 300-B(その28)
(その1)は2019年2月に書いている。
ウェスターン・エレクトリックの300Bの再生産がようやく始まる、というニュースがあったからだ。

日本ではエレクトリが扱う、とも書いた。
けれどその後、エレクトリのウェブサイトをときどきチェックしても、
取り扱いブランドにウェスターン・エレクトリックがあらわれることはなかった。

再生産のプランごと消えてしまったのか、と思ってしまうほどだったが、
どうやら再生産が始まったようである。

早ければ、今年の夏ごろには日本にも入ってくる、というようなことをきいた。
やはりエレクトリが扱うの予定ともきいている。

http://audiosharing.com/blog/?p=34859

38. 中川隆[-16763] koaQ7Jey 2021年8月28日 18:46:00 : pOtbpYEQOg : ZnRVRVNBUXpBWTY=[53] 報告
AIR TIGHT 社 ショートインタビュー | 禁断のKRELL
https://ameblo.jp/507576/entry-12690539345.html

「直熱三極管300Bの名声は、やはりオリジナルのWestern electric 300Bの音質が

他の300Bを圧倒して素晴らしいからだと思いますが、ATM-300にWE300B球を使うと、

例えば、Western 300Bの輝かしさだとか、煌びやかさだとか、ゴージャスさだとか、

音の勢いや力強さだとか、WEのあのキラキラした感じの音は出ますか??」

『うーん、球を差し替えると確かに音は変わますが、仰るようなキラキラした感じというよりも、
Western 300Bを差した場合は、スイートな感じの音になりますね』

「ああ!確かにそうですね。スイートという表現はよく分かります。甘美な音色になりますよね!
甘〜い感じの音ですね。お話しを伺っていると、金田式300BプッシュプルにWestern 300Bを

使った時に聴いた音の印象に近いようです」

神戸のアルテックの館で300Bを聴いたときの音の印象だが、トランスが同じサイズの

タムラで外観も酷似していることも音の印象が近似していることに関係があるのだろうか?

やはりアウトプット(OPT)トランスは音の最終出口だから音質への支配力は大きい。

確かにSV-300BEで聴いたときのようなキラキラ感は少なかったように記憶している。


「弊社ではWestern300Bは1946年製、1985年製、1998年製、2020年製を所有してございますが、

46年と85年のものに対して、98年、2020年のものは大きく音が違います(笑)」

『ハッキリ言ってもう全然違うんですよ(笑)』

『あとは PSVANE WE300B も会社で所有して使っております。これも出来が良いですね〜』


PSVANE 300Bは安価な簡易WEコピー品もあるが、オムスビマイカやサイドマイカまで

完全再現した高級モデルの方を会社で使っているそうだ。

「やはりそうですか!しかしもう2020年製の再生産のWestern300Bを入手されているんですね!」

39. 中川隆[-15754] koaQ7Jey 2021年10月28日 14:03:12 : 7rSMKpZU2w : MERzTngyM09QTDY=[33] 報告
ウェスタン・エレクトリックの真空管「300B」、国内正式発売が決定
2021年10月28日
https://www.phileweb.com/news/audio/202110/28/22849.html

ウェスタン・エレクトリックの真空管「300B」が、国内で正式に発売されることが決定した。輸入代理店は(株)エレクトリ、国内総販売元は(株)トライオードが担当する。

シングルの他、マッチドペア、マッチドクアッドでも販売される

価格は300Bシングル(1本)が110,000円(以下税込)、300Bペア(2本)が231,000円、300Bクアッド(4本)が484,000円となる。11月1日より発売開始。

新たに復活したウェスタン・エレクトリックの「300B」

米ウェスタン・エレクトリックから1938年に登場した真空管「300B」は、真空管の王様とも呼ばれ、世界中で熱狂的なファンを獲得していたが、1988年に生産を終了。しかし、再復活を望む声は世界中から高まり続けており、2018年にはジョージア州ロスヴィルに新工場を設立、近代化した生産ラインによる生産体制が整ってきた。

新生産ラインによりオリジナルの300Bを世界中に安定して供給できるようになったことを受け、日本でも正式発売が決定した。今後はトライオードの販売チャネルを通じて国内に展開される。

https://www.phileweb.com/news/audio/202110/28/22849.html

40. 中川隆[-14861] koaQ7Jey 2021年12月04日 15:34:01 : GsebW1pNtY : OWJKeFZIcTZMVFE=[32] 報告
株式会社エレクトリ|音響機器・映像機器の輸入商社
300B 最高の音が何十年も前に実現していたとしたら?
https://electori.co.jp/we/300b.html

ウエスタン エレクトリック社は1869年に設立されました。1996年に真空管とHi-Fiの製造を専業とする会社として再設立されました。アメリカの製造業の物語には、音そのものの物語が織り込まれています。真空管の初期の輝きからHi-Fiの出現まで、ウエスタン エレクトリック社は世界中のリスナーに素晴らしい体験を提供しています。この過去とのつながりが、ウエスタン エレクトリック社のサウンドを新しいリスナーのために継続するという私たちの使命を後押ししているのです。

オリジナルの三極管
1938年、ウエスタン エレクトリック社は、最初の300B真空管を製造しました。それは画期的な出力三極管でしたが、当時のハリウッドのサウンドシステムでは、裏方の存在に過ぎませんでした。トランジスタアンプの時代になっても、原音に忠実なサウンドを求める世界中の人々が、300Bとその優れた性能を再発見しました。

故きを温ねて新しきを知る
現在、300Bの製造はロスビル工場で行われています。象徴的なガラスのシーリングから複雑な冶金工程まで、何十もの細かな作業工程に対応するために工場はカスタムメイドで新たに建築されました。また、150年の歴史を持つ企業として、生産ラインを随所で近代化し効率化を進めています。

研ぎ澄まされ、美しく魅惑的
高音域は、透明感があり、愛らしく、甘く、研ぎ澄まされて、美しく魅惑的です。演奏者間の空気・空間の再現性は高く、演奏者は静かで焦点の合ったサウンドステージに現れ、その幅と深さは見事に表現されています。世界中の真空管愛好家が既に知っているように、WE300Bは最も自然でエレガントで感情的な三極管であることを理解していただけるでしょう。

バランスのとれた、パワフルで洗練されたサウンド
WE 300Bのサウンドは、バランスが良く、パワフルで洗練されており、ディープベースからアッパーベースの低音域全域にわたって質の高い再生が可能です。中音域の美しさも際立っており、快い音色、魅惑的なボーカル、あらゆる種類の楽器が立体的で存在感があり、音楽再生にのめり込むことが出来ます。

製品仕様

分類 電力増幅用三極管
用途 オーディオ周波数帯域用アンプ
低プレート電圧で出力10W
寸法 データシート(英文)
ベース・マウント 中型4ピンスラスト型ベース
WE社 143B・100M・115Bソケット適合
電極間静電容量(平均値) グリッド-プレート間 15 µf.
グリッド-フィラメント間 9µf
プレート-フィラメント間 4.3µf.
フィラメント定格 フィラメント電圧 5.0V, AC or DC
フィラメント公称電流 1.2A
平均特性 *参考値
(Ef = 5.0 volts, a.c., Eb = 300 volts, Ec = -61 volts)
プレート抵抗 : 700Ω
増幅率 : 3.85
相互コンダクタンス : 5500 micromhos
最大プレート電圧 450V
最大プレート消費 40W
最大プレート電流
70mA
最大プレート電流
100mA

価格
シングル(1本) 木箱無し : ¥110,000-(税込) / ¥100,000-(税抜)

マッチドペア(2本) 木箱入り : ¥231,000-(税込) / ¥210,000-(税抜)
マッチドクアッド(4本) 木箱入り: ¥484,000-(税込) / ¥440,000-(税抜)

保証
本製品の保証制度はアメリカのWestern Electric 社の保証規定を適用致します。
本製品に同梱の保証書は90日間の保証期間がありますが、その保証書を返送し手続きを行う事で5年間の延長保証が適用されます。
https://electori.co.jp/we/300b.html


▲△▽▼


「音楽&オーディオ」の小部屋
新しい「WE300B」真空管の情報
2021年12月04日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/c50352572318cd1ac8e7e99bad1fc6ba


つい先日のこと、オーディオ仲間のYさんから「このほど新しくWE300B真空管が発売されるのを知ってますか?」「いいえ、初耳ですが・・」

「それなら本を持ってきてあげましょう」。

たしかに「至高の銘球300Bが遂に蘇った」とあって、ペアで「23万1千円」とある。

とはいえ過去(1995年以降)に再生産された300Bは故障が多くて、今でもペアのうちの片割れがオークションによく出品されているが、手を出さない方が無難だとされている。

しかるに今回は「5年保証」であり、そして改良部分についても以下のように述べられている。

「プレートのコーティング素材が従来はカーボンを用いていたが、今回はグラフェンを取り入れている。

またプレート、・フィラメント間の熱放射率や電気伝導率を改善するとともにプレート自体の素材である純ニッケル合金とグラフェンの第一原子層が結びつくことで高い真空を維持しつつ寿命に結び付くガスの発生を抑える」という。

まあ、平たく言えば素人を前に「言いたい放題」という気もするが(笑)、我が家のアンプで実際に試してみたい気もするものの過去の例もあるのでしばらく様子見といこう。

お値段の方はSTCの「4300B」や「WE300B」(1980年代)と、どっこいどっこいなので悩むところだが、この度の新発売で古典管が値下がりしてくれるとありがたい・・・。

最後に、過去のブログで「WE300B」にまつわるお話を再掲しておこう。


「先日、オーディオ仲間のU君(福岡)から次のようなメールが届いた。

「年末年始の読み物として図書館で借りた“MJ無線と実験”のバックナンバーに、同好の志が集まり、300Bを各メーカーの8種類集めて聴き比べした上で順位を出すという記事がありましたが、ご存知でしょうか。」

「音がいい」ことと「ツクリ」の確かさで名管の誉れが高い「300B」のテスト記事は、これまでオーディオ専門誌で数えきれないほど読んできたので結論はおよそ見当がつく。すぐに次のようなメールを送った。

「まだ読んでませんが、結果はおそらくオリジナルのWE300Bが1番で、その他は似たり寄ったりだと推測できます。」

すかさずU君から次のようなメールが届いた。

「残念でした!実は投票順位はこうなっていました。

1.プスバン 300B (中国) 2.JJ 300B (チェコ) 3.ゴールドライオン DX 300B (ロシア) 4.CCI 300B-98 (中国) 5.WE300B '97 (米国) 6.WE300B '87 (米国) 7.高槻電器工業 TA-300B (白ベース/日本) 8.EH 300B GOLD (ロシア)

意外に思われるかも知れませんね。試聴条件が気になるかも知れないので、「MJ無線と実験」に掲載の当該記事を添付します。」

その記事によると、2013年3月30日、ジャズ喫茶「MEG」で30人のオーディオマニアによる投票結果によるもので、先入観を排するために「ブラインドテスト」だったそうで、たいへんな念の入れよう。

いやあ、実に面白い結果ですねえ。「WE300B’97」と「WE300B’87」がそれぞれ5位と6位の中程とは、これいかに?

ちなみに、1990年代半ば以降に製作されたWE300Bは非常に故障が多いと聞いている。1980年代以前のものとはまったく似て非なるものでこればかりは声を大にして叫んでおこう。よくオークションに故障の片割れとして1本だけ出品されているケースが多いが、くれぐれも相場以上の高値で買い物をされませんように〜。

我が家にはWE300Bの1951年製(2本)、1967年製(1本)、1988年製(2本)、そして中国製が2本あってそれぞれの音質は熟知している。「ちょっと聞き」では中国製などの近代管が華やかな音を出していかにも「いい音」のように聴こえるが、時間が経つにつれて何だか表面的で薄っぺらな音に変貌していくのを何度も体験している。

一方、オリジナル製は一聴すると中高音域の派手さが無くいかにも地味な音だが時間が経てばたつほど、まるで「いぶし銀」のような光沢を放ってくる。喩えて言えば朴訥で飾り気のない逞しいアメリカ西部のカウボーイみたいな印象かな。

そういう地味な面が前述のような短時間の試聴テストでは大きなハンディになったような気がしてならない。

いずれにしても真空管の持ち味は周辺環境によって変わるので一概に決めつけられないし、まがい物の300Bだってご本人が気に入ってさえいれば傍からあれこれ言うこともなし!


それから、先日真空管マニアの方からメールが届いて「実は私が刻印付きのWE300Bを落札しました」とのことだった。てっきり〇〇系の成金ルートの仕業と思っていたのでビックリ。
           

この件については昨年(2014年)の12月11日付の記事「高値を呼ぶ真空管」で紹介している。ペアで「911000円」という破格の落札価格に驚いたが、この方によると「購入動機は投資目的の人に落札されるのがイヤだった、そして出品者が長年の取引を通じて信頼が置けたこと」を挙げておられた。

とまあ、以上のような内容だった。

最後に、「お値段は別にして300B真空管の選択肢が増えることは大歓迎ですよ〜」と、結んでおくとしよう。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/c50352572318cd1ac8e7e99bad1fc6ba

41. 2021年12月05日 13:19:02 : JT3JEHljmA : M0JUcnRUWW1TaWM=[6] 報告
「300B」はなぜ“真空管の王様”と呼ばれるのか?ウェスタンエレクトリック流の矜持、復刻の舞台裏を探る
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https://news.yahoo.co.jp/articles/96235cfe80b8679d3ec523e24d4de0bda24b3375

■本家・ウェスタンエレクトリック「300B」が国内でも正式発売

去る10月28日、待望のニュースが発表された。真空管アンプに用いられる出力管の中でも格別の人気を誇る、本家ウェスタンエレクトリックの「300B」再生産品がようやく国内で販売されることになったのである。数年前から噂でウェスタンエレクトリックの300Bが再生産されることを耳にしており、2021年に入ってから本国サイトでは販売を開始していたので、国内導入の知らせを待っていたのだ。

【写真】21世紀に復刻/1997年製造/PSVANEの「300B」
https://www.phileweb.com/review/column/image.php?id=1466&row=3


10月28日のリリースで、ここ日本では輸入総代理店に株式会社エレクトリ、総販売元に株式会社トライオードが担当することが公表された。これは真空管をよく知るトライオードならではの販売チャネルを通すことで、市場動向や後に説明する保証体制の手順を円滑に進められるという利点があるからだ。

新たな300Bは1本11万円、特性の揃った2本ペア+化粧箱セットで23万1千円、さらに特性の揃った4本クアッドセットが48万4千円となる。近年オリジナル300Bが高騰する情勢を踏まえると決して安くはないものの、高すぎるプライスではない。

今回、「2021東京インターナショナルオーディオショウ」開催直前の慌ただしい中、株式会社トライオードの山順一社長にもウェスタンエレクトリック300Bを取り扱うことになった経緯やその思いを伺うことができた。その中で見えてきたのは、今回の再生産はオリジナルに忠実な復刻というより “現代の最新技術で再構築” した、『新300B』であるということだ。

■さらに一皮むけた音質クオリティの新300B

山社長もウェスタンエレクトリック製品の魅力に惹かれていたお一人であり、かなり以前から入手し、その音に耳を傾けていたという。「300Bはもちろんですが、励磁型コンプレッションドライバー『555W』を使った大型のホーン型システム『15A』を使っていたこともあります。その当時勤務していた国鉄の社宅に搬入するのにとても苦労しましたね。ベランダの窓枠を外すしかなくて(笑)。6畳の部屋に2台入れたんです」

まさに武勇伝だが、古くからのオーディオマニアにとってウェスタンエレクトリックとは憧れの存在であり、いつかは手に入れたい逸品であったのである。

社名とした “トライオード” は三極管を意味しており、まさに300Bはその代表格。今回のウェスタンエレクトリック300Bを取り扱うようになったことはまさに格別の思いであろう。

「日本にはまず先方からヒビノさんに打診があったようなのです。ヒビノさんは基本的にプロシューマー企業ですから、コンシューマー向けには傘下企業であるエレクトリさんでどうだろうという話の流れとなったようですね。ただ真空管単体の販売という点では経験も必要ですし、そうしたことが得意な販売元を探していたそうです。イベント等でもご一緒する機会も多くありましたので、そんなご縁からお声がけいただきました」

「新300Bの音質はかなり低域が伸びてます。97年の再生産のものよりも一皮むけてます。空間の出方もここまで変わると思わなかったほどで、ハイレゾ時代でも対応できるレンジの広さを実感しました。一口にウェスタンといっても製造時期によって音も違いますが、新300Bの音質傾向は非常に良いもので、ウェスタンとして語れるものであると考えています」

■劇場用の音響システムなどを手掛けてきたウェスタンエレクトリック

300Bも当然素晴らしい真空管であるが、この300Bを生み出したウェスタンエレクトリックがどのようなメーカーなのかも触れておこう。ウェスタンエレクトリックが設立されたのは1872年。1881年からはアメリカの電話会社AT&Tの機器製造部門を100年以上担っていた。

1925年にはウェスタンエレクトリックの技術部門はベル研究所となり、後年トランジスタなど、いくつもの革命的な発明を生んでいる。1916年にはコンデンサーマイクを発明。1920年代からはトーキー映画用の劇場用拡声器・音響システムの開発にも力を入れていった。1926年に誕生した名機の誉れ高い励磁型コンプレッションホーン555Wもそうしたシステム群を構成する基幹製品のひとつだ。

ウェスタンエレクトリックは音の入り口であるマイク、そして出口であるスピーカーまでを開発できる、まさに総合メーカーとしての側面を持っていたが、その仕向け先は業務用であり、製品の性能や耐久性については極めて高いクオリティを要求される。だからこそ、製品を構成するパーツ一つ一つにも妥協なく当時入手できる最高のものを使い、その時での最先端技術を用いて製造されていた。そしてこの製品に使われる真空管についても当然のごとく最高水準の性能・耐久性を求められるわけだが、ここにもウェスタンエレクトリックは大きな強みを持っていたのである。

1910年代、ウェスタンエレクトリックは電話中継用に用いる真空管の製造を開始し、第1次世界大戦当時は軍用の真空管製造も手掛けていた。無線分野や海底ケーブル中継器など、絶対の信頼度が要求される現場で磨かれた製品クオリティがその後のウェスタンエレクトリック神話へと繋がってゆくのである。

そして1938年、300Bが誕生。劇場用拡声器に向けた大出力なニーズに応えるために開発された直熱三極管である。当初は「300A」として登場したが、間もなく改良版である300Bが生まれた。

300Bはシンプルな構造で増幅を行う直熱三極管のなかでもA級シングルで8Wという大きな出力を取り出せることが特徴だが、ただ出力の大きさという点で見ると後年登場するビーム管などの方が優位である。

ではなぜ未だに高い人気を誇るのか。「45」「2A3」そして300Bと続く直熱三極管の歴史は高出力化への歩みでもある。直熱三極管はフィラメント、グリッド、プレートという増幅を行うための必要最小限の構造であるため、その音も素直で透明感の高い爽やかなサウンド性が特徴だ。ここに真空管特有の艶やかさや華やかさと言った倍音表現が加わり、独特な音質を生んでいる。

直熱三極管の中でも巨大な部類に属する300Bは素直さと繊細さ、そして力強さを兼ね備えたバランスの良い出力管であり、巨大なプレートを支えるガラス管の優美な形状も相まって “真空管の王様” という呼び名が定着しているのだろう。この現在での300Bの高評価もウェスタンエレクトリックが由来だからこそであるが、本来業務用に供給されていた真空管であったため、入手が難しかった時代があったことも評価を押し上げる要因の一つだったのかもしれない。

ウェスタンエレクトリック製300Bは幾度かの生産休止期間を挟みつつ製造が続けられていたが、1988年に一旦その歴史に終止符を打った。しかし世界の管球マニアの300B復活を求める声に応えるかたちで、1997年にウェスタンエレクトリック300Bの再生産が始まったのである。しかし1961年に設立され、300Bも生産していたカンザスシティ工場の老朽化などが要因で、この時の再生産は2006年で終焉を迎えた。

この頃になると中国や東欧諸国で生産される他社製300Bも増えてきたが、相反するようにウェスタンエレクトリック・オリジナルの300Bを望む声は日増しに高まっていく。トライオードでも、元曙光電子のエンジニアが独立して立ち上げた中国・PSVANEが1960年代のオリジナル300Bの構造を研究した“限りなくオリジナルに近い300B“である「WE300B」を取り扱っているが、このPSVANE WE300B開発時にも山社長は色々とアドバイスをしていたという。

「PSVANEは曙光電子よりもっと良いものを作りたいということで独立したんですね。ですからモノづくりの経験値は相当高いものを持っています。初めてPSVANEのWE300Bを見たときは “本物じゃないの” って思ったくらいです。内部も含めて本物とほとんど遜色ないクオリティでしたね。途中で色々変更されないよう注意を払っていましたが、サウンドは問題なかったですし、他社製300Bとしては非常にクオリティの高いものです」

2006年に一旦終了したかに見えたオリジナル300B復活プロジェクトであるが、実は水面下では動き続いていたそうで、2018年にジョージア州ロスヴィルに真空管製造ラインを持つ新工場が設立された。ここにはかつてのカンザスシティ工場で使われていた製造・測定器具も含まれていたそうだが、多くは新たに開発した製造・測定器具となり、製造精度の向上へと結びついているという。

■優れた特性を持つ素材を投入、真空度も向上している

今回のオリジナル新300Bにおいて従来のものと大きく異なるのがプレートのコーティング素材である。往年はカーボンを用いていたが、今回はグラフェンを取り入れているという。プレート-フィラメント間の熱放射率や電気伝導率を改善するとともに、プレート自体の素材である純ニッケル合金とグラフェンの第一原子層が結び付くことで、高い真空を維持しつつ寿命に結び付くガスの発生を抑えるという。さらに平均プレート電流も高くなり二次電子放出の影響も大幅に減少しているそうだ。

フィラメントはかつてのウェスタンエレクトリック・ホーソン工場に由来する溶解物から取り出した伝統のある素材だそうで、酸化コーティング剤は海底ケーブル伝送用に開発されたものを最先端の製造工程で施しているという。

そして旧来の300Bに使われていたガラスやハンダなどはかつて鉛を含んでいたが、現在はRoHS指令などに基づいて、環境に配慮した素材を使わなければ国や地域によっては輸出ができない。それゆえ、プレートのコーティング素材を含め、現在入手できる優れた特性を持つ素材を導入しているのである。

ちなみに96〜06年までの再生産時には金メッキピン仕様のものも登場したが、「ウェスタンエレクトリックとしては本来はやりたくなかったが、輸入元の要請で実施した」という事情があったそうだ。他にもガラス管内の真空度に影響するポンプについて、ドライスクロールポンプを補助に用いた最新のターボ分子ポンプによって、極めて高い真空度を達成したとのこと。「優れたPSVANEでも新300Bの真空度にはかなわない」と山社長。この真空度の高さは新300Bの大きなメリットとなるだろう。

「実は去年からウェスタンエレクトリックの取り扱いについて話をしていまして、サンプルも来たんです。その最初のサンプルでは、プレートはカーボンコーティングを施した黒いものでした。ただ不具合がありまして、構造上の問題なのか、変に響くのでそれを直すよう進言しました。するとコーティングを変えて見事に直してきたんですね。結果的に良い改良だったと考えています。さすがウェスタンエレクトリックだと」

「PSVANE WE300Bと新300Bを比較すると、少し色気が違うのです。どちらもしなやかなサウンドで良いのですが、新300Bは低域の量、空間性が良い印象です。ただしPSVANEのWE300Bも継続して販売してゆく予定です。単価が違いますし、PSVANEにはPSVANEとしての個性と魅力がありますからね。ウェスタンらしいニュアンスを持ったリーズナブルな選択肢として存在価値があります」

「新300Bとどちらを選ぶのかという楽しみも増えますよね。アンプ製品にはオプションでウェスタンエレクトリックの新300Bに交換できるようにしたいと考えていますが、初めから新300Bを積んだアンプ製品については出す予定はありません」

現在真空管アンプを手掛けるメーカー各社にも新300Bの売り込みを行っているとのこと。販売に関しては量販店やECサイトには卸さず、定価で販売をお願いしているという。「ウェスタンエレクトリックというブランドの価値、プレミアムさを大事にしていきたい」と山社長は語る。

■異例の「5年保証」を実現。品質の高さに自信あり

ウェスタンエレクトリック製品は信頼性、耐久性を重要視していることは前述したが、この新300Bも例外ではない。真空管としては異例の『5年保証』を謳っているのだ。トライオードではこれまでの真空管販売では1年保証としていたが、それも業界としては長めの設定であった。

比較的安価な他社製300Bでは1年もするとノイズが出るものもあり、音が出なくなるなどの致命的なトラブルではないものの、音楽再生では気になってしまう。しかしウェスタンエレクトリック300Bは5年という長さの保証を付けるというのは、それだけ製品の完成度、品質に自信があることを裏付けるものでもある。

新300Bでもベース部にシリアルナンバーが刻印されており、97年からの再生産同様、一本ずつにデータシートも添付。ウェスタンエレクトリックならではの製造年・週表示(取材時のサンプルでは“2152”、2021年52週目の生産を示す表記があった)もベースにプリントされているので、オリジナル品同士でも見分けがつけられるだろう。

説明書も英語だけでなく、フランス語、ドイツ語、中国語、そして日本語でも記載がされており、ウェスタンエレクトリックがユーザーをしっかりと認識しているスタンスが受け取れる。もし壊れてもその個体と似たデータを持つ製品を出荷してくれるそうであり、保証書の登録は必ず行っておきたい。国内ではトライオード宛てに保証書を送付すればよく、エレクトリと本国間で取りまとめ、シリアルが登録されるという。

高い技術力と伝統に息づく耐久性、モノづくりの姿勢を映す『5年保証』はまさに安心・信頼の証である。スペックに則った設計の範囲内で用いることで長寿命を実現できることもウェスタンエレクトリックならではのメリットである。オリジナル300Bとしては比較的安価とはいえ、なかなか手を出しにくいプライスではあるが、長い目で見ての信頼性、安定感という点でこれ以上の選択肢はないだろう。

既に国内に供給予定の第1、第2ロットは完売しているといい、第3ロット待ちという盛況ぶりであるが、それだけ新300Bへの期待が高まっていたという証拠に他ならない。『2021東京インターナショナルオーディオショウ』でも新300Bに注がれる熱いまなざしを何度も見かけることができたが、実際その音に触れることができた方も表現力の高さ、これまでとは一味違うウェスタンサウンドに驚かれたのではないか。

トライオードブースにて、300B・A級パラシングル方式のプリメインアンプ「TRZ-300W」へウェスタンエレクトリックの新300Bを換装した状態でデモをしていただいたが、しっかりと重心低くグリップするベースの弾力とスムーズな音伸び、直熱管ならではの開放的で音離れ良いボーカル定位の爽やかさ、潤いを実感。これまでのオリジナル品以外の300Bとは一味違う彫りの深さ、ステージの奥行き、音像の確固たる芯の強さ、ナチュラルなボディ感も味わうことができた。

かつてのオリジナル300Bが持っていた濃密な中域表現は幾分抑えられている印象であるが、迷いのない的確なステージ、楽器の描写力、ボーカルの逞しさは健在だ。何より付帯感のないワイドレンジな帯域感が素晴らしく、従来の300Bのサウンドとは一線を画す世界観である。またじっくりと向き合って聴いてみたいと思える素晴らしい体験であった。

今回のウェスタンエレクトリック300Bの復活は単なる復刻ではなく、時代に合わせたアップデートを果たした新規の300Bともいえ、オリジナルだからこその基本性能の高さをさらに上のステージへ引き上げた、別次元の完成度を誇るものとなっている。

かつてのサウンドの再来を期待すると肩透かしを食らうかもしれないが、これは現代の音楽事情を踏まえた懐古的ではない増幅素子本来の在り様を追求しているのではないか。その時代に相応しい最高のものを作り上げる “ウェスタンエレクトリック流の矜持” ともとれる新300Bへの取り組みの数々は、突き詰めていった300B本来の姿であるのかもしれない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/96235cfe80b8679d3ec523e24d4de0bda24b3375

42. 2021年12月30日 14:28:16 : Px2cu61Sds : ektmNVFpdEpWdDI=[5] 報告
真空管アンプ基礎講座:「300B」「845」など代表的な出力管を知ろう
飯田有抄(真空管解説:岡田 章)
2021年12月30日
https://www.phileweb.com/review/column/202112/30/1462.html


真空管アンプの魅力といえば、球に灯がともる美しさ。そして、その球によって音が決まる要素が大きいという神秘であろう。ここでは、音の決め手として大きな要素となる真空管アンプの「出力管」に焦点を当てて、主要な球とその先祖のお話と歴史、またそれらの球から真空管アンプを選ぶ指標までを探ってみたい。“球博士”こと岡田 章さんを講師としてお迎えし、“真空管女子”の道まっしぐらのクラシック音楽ファシリテーター/音楽ライター・飯田有抄さんにレポートしていただこう。


■真空管を使えばシンプルなアンプができる

真空管のほのかな光や、薄いガラスの美しさ、どこか温かみのある響き。そうした魅力に、昨今また注目が寄せられている。筆者もその幻想的な佇まいに惹かれ、1年ほど前から真空管アンプを使用している。

真空管愛好家の岡田 章さんによれば、「管球式のアンプは、最小で2本の真空管とトランスを通って音を出せるので、ある種ダイレクトで歪みの少ない響きを楽しめます。そのシンプルで素直な音質が、音楽の心や温かさを伝えてくれると感じる人が多いようですね」とのこと。

今回は入門レベルの筆者でもよく分かるように、代表的な出力管とそれらのご先祖にあたる貴重なヴィンテージ管の歴史、そしてアンプの選び方まで、岡田さんにたっぷりと語ってもらった。その全貌をまとめてみよう。

■直熱型三極管:代表選手は「300B」

真空管にはさまざまな種類があることは、皆さんもよくご存知だろう。球の大きさも形もさまざまだ。まずは大きく2種類に分かれる。三極管と多極(四極・五極)管だ。

三極管はもっとも歴史が古く、「フィラメント」「プレート」「グリッド」という3つの電極から成る。フィラメントから出てプレートへ流れる電子の量を、グリッドが調整するという仕組み。現在も出力管として使用される代表的なものとして、岡田さんが教えてくれたのは「300B」「845」「211」「2A3」と呼ばれる4つの球だ。

三極管の基本構造

「300B」は、真空管アンプといえばだいたいこの形がイメージされるほど、広く知られる“憧れ”の球。比較的柔らかな響きが特徴的で、音楽ジャンルを問わず、真空管の良さを端的に味わうことができる。日頃からクラシック音楽を聴く筆者も、実は300Bの出力管アンプを使用しているが、ピアノソロからフルオーケストラまで、響きをつぶさに再現してくれて満足度が高い。癖がなく、どんな音源も安心して再生できる。

音の良い直熱三極管の代表。特にシングル動作では出力は8W程度とやや小さいが独特の真空管らしい柔らかく繊細で素直な音色が発揮される

「音楽をしっかり鑑賞したい人にとって、間違いのない球。音質の理想的な基盤として知るにはとてもいいですね。でも逆を言えば、真空管の世界を段階的に追求してみたいという人にとっては、いきなりアガリに到達してしまうので、“これ以上”を求めようとすると難しい。コストが100倍くらいかかってしまいます(笑)」と岡田さん。

なるほど、考え方によってはいきなりゴールに到達してしまうので、管球ワールドそのものをじわじわと探訪したい人には、先々のお楽しみ・目標地点としても良いかもしれない。音楽ソースの情報を間違いのない安心クオリティで楽しむことを狙いとするなら、お薦めできる出力管だ。

ウェスタン・エレクトリックが1930年代初頭からWE211Dに替わる自社のトーキー劇場用アンプ(WE86A)の出力管として開発したWE300Aの改良管。内輪な動作の方が音は澄んで良い(編集部注:2018年よりカンザスシティに新工場が設立され、再生産もスタートしている)

■軍事用から劇場用へ。安定した300Bの安定した品質が評価される

なぜ300Bはそこまで安定感があるのだろう。実はこの球のご先祖は、ウェスタン・エレクトリック社が1917年に製造した「VT-2」という球だ。これは軍事用に力を入れて開発されたもので、飛行機からの無線通信や音声増幅のために用いられたものである。軍用だからコストに糸目はつけられなかった。プラチナを使用した大変高価なものだった。岡田さん所有の実物を見せてもらったが、現在の300Bよりも丸くて小さく、可愛らしい形をしている。

1917年、第一次世界大戦末期の米軍用として開発された元祖出力管。WE-300A/Bの先祖。航空機の無線通信機の発振(5W)・変調に使った

第一次大戦後、1920年代にはラジオ放送が開始し、1930年代には劇場でトーキー映画が流行した。また時を同じくしてSPレコードの電気吹き込みも可能になった。ウェスタン・エレトリックはVT-2を土台とし、オーディオ専用の球を総力をあげて開発。それがWE-300A/300Bという球となった。ウェスタン・エレクトリック社の英国系の会社STCは、「4300B」という300Bと見た目もそっくりな球を作った。またRCAでは1920年代末にナス型の「UX-250」を製造し、電蓄や業務用に使用されるようになった。

1930年代半ばにトーキー映画の劇場用として開発されたWE-300Aを改良したWE-300Bの英国STC版。WE-300Bと同様、1970年代まで一般には市販されなかった
1929年、低周波(オーディオ)専用として米国Westinhouse社で理論的に設計された最初の出力管(シングル4.6W、プッシュプル12W)。フィラメント電圧(7.5V)はVT-2の名残

このように、まずは軍備品として誕生し、そして映画・ラジオ・レコードといったエンターテインメント産業の隆盛とともにあった300B系の真空管は、安定した高いクオリティで作り続けられたのだった。

■パワフルな送信管系三極管、「845」と「211」

さて、300Bとともに出力管として活躍している三極管に「845」と「211」がある。姿形は300Bよりも大きく、フィラメントの材質が異なるため、かなり明るく光を放ち、音質もパワフルだ。845も211も見た目はそっくりだが、どちらかといえば211は無線用として米軍で大量に使用されていた。

211をオーディオ用に改良したのが845である。845は1000V近い電圧が必要になるため、扱いは易しくないが、三極管でそれだけのパワーを持つ球は他にない。もともとは放送局で使用されていたが、現代はオーディオ用として普及している。岡田さんによれば、211の方が歪みの少ない素直な音として感じられる場合があるそうだ。

煌々と輝くトリエーテッドタングステンフィラメントが特徴。使用には高度の技術が必要だが、直線性が素晴らしくシングルで最大30Wも得られる

この2本の真空管のご先祖にあたるのが1918年頃に作られた「CW-1818」という球で、元祖中型出力管として地上無線局で使用されていた。

1918年、ウェスタン・エレクトリック直熱型三極管VT-4、WE-211A。元祖中型出力管(750V、50W級)、地上無線局の出力・変調用。後のVT-4C/211(GE)、UV-845(RCA)の直系の先祖(フィラメント電圧10V、ベースが同じ)

三極管ではもうひとつ、「2A3」という球もよく知られている。こちらも300Bと同時期に誕生したが、比較的安価で、電蓄やラジオに使用されてきた。RCAが最後に手がけた三極管である。300Bに比べれば、多少高音域が出しにくいとのこと。

RCA系の音の良い直熱型三極管の代表。シングルで3.5W、プッシュプルで15Wが得られ、フィラメント電圧は2.5Vと低く、交流点火でもハムが出にくい
https://www.phileweb.com/review/column/202112/30/1462.html

■多極管:より高能率なビーム管、五極管
https://www.phileweb.com/review/column/202112/30/1462_2.html

さて、シンプルな構造の三極管に次いで後から登場してきたのが四極管や五極管といった多極管である。現代のアンプで活躍している代表的なものにはビーム管「KT88」と五極管「EL34」がある。

英国系キンクレス四極管(KT)シリーズのビーム管。米国系ビーム管に比較し、豪快さに加え、伝統の渋みが特徴。現行管のペア精度は高い

ビーム管は、四極管にビーム形成電極を加えて、電子の流れをビーム状に集め効率をあげた球。イギリス生まれのKT88はその代表的なもので、見た目は太くて音質も元気。マッキントッシュなどアメリカのゴージャスなアンプで使用し、それをJBLのスピーカーと組み合わせるのはまさに王道。出力を強めたKT90、KT120、KT150などがあり、現在はロシア等で製造されている。出力がKT88の半分程度の「6L6-GC」も有名。

2010年頃にロシアのTUNG-SOLブランドが発表したプレート損失60Wに耐えるように設計されたKT88系の増強版。音色は英国KT88を踏襲
2013年末に発表されたKT88系のプレート損失70Wの高出力管。斬新な縦長の卵型バルブと電極構造で、ビーム管特有の低出力時の歪みも改善

KT88のご先祖にあたるのは、なんと黒い金属製真空容器に収まった元祖6L6。岡田さんに見せてもらったが、ひんやり冷たくずっしり重い。劇場での連続使用に開発されたのが1622。これらは1930年代半ばに誕生している。この系統は当初からパワフルで高能率、大出力なのだ。

RCAが開発したオリジナルビーム管の直系で、豊かでパワフルな音色で、プッシュプルで最大55Wだが、ウルトラリニア接続など30W以下を推奨
1930年代半ばに開発されたビーム管(四極管)の元祖6L6の劇場用連続使用管。高効率、大出力、金属製真空容器が特徴。のちに同一電気特性でパワーアップした5881や6L6-GC、2倍容量の6550及びその英国版KT88も製造された

五極管は、三極管よりも2枚多くのグリッドを持ち、安定した電流特性を得られる球である。その最終型と言えるのがEL34だ。こちらも劇場用やモニター用に改良が重ねられ、その後オーディオメーカーが製造を続けてきた。やはりこちらもパワフルで高性能。ご先祖にあたるのは、オランダのPhilipsやドイツで1940年代末に開発されたEL60である。9本のピンを持った脚が特徴的。

欧州系5極出力管の最終形となった高性能管。プッシュプルでは歪みが少なく正確でクリアな音色が特徴。優れた構造設計によりばらつきが少ない
1926年にドイツPhilipsが発明した五極管の直系となる五極出力管で、1940年代末に電子の流れをもとに設計された高性能管。五極出力管の最終形となるEL34の先祖。9ピンロクタル管で、多用途に使用するためG3が別に引き出されていた。それをEL 34も踏襲している

多極真空管には他にもラジオ等でも使用される「6BQ5」や、テレビ用あるいは自作派の入門用として安価に売られた「6BM8」などが誕生するが、真空管の開発は1960年初頭には一旦終わりを迎えた。60年代には33回転のLPレコード、ステレオ録音が登場し、時代はトランジスタへと移行して、さらにハイファイを目指すようになっていったのだ。

EL34と同じ頃に同一思想でEL34のほぼ2分の1の出力管として設計され、音質傾向も似ていることが特徴。6BQ5は米国名。欧州、米国、日本で大量に製造された改良品も多い
ヨーロッパ設計のTV用で、1960年頃に開発・市販され、米国、日本でも多用された電圧増幅用三極管と小出力五極を一緒にした複合MT管。その後オーディオ用の小出力用としての適性が認められ、1970年頃には、日本の自作派の入門用として知られるようになった

■球とアンプ選びのポイント

さて、代表的な球と歴史が分かったところで、実際に球やアンプを選ぶ際のポイントについてもまとめてみよう。

Point1.生産国による球の特徴

例えば同じ300Bの球でも、メーカーによって音の特徴が異なる。岡田さんによると、生産国別にも特徴があり、ロシアはバランスがよく忠実な音質、比較的安価。チェコは豊かな響きを実現する。中国は高音域が得意で綺麗に鳴らす。アメリカは迫力のあるサウンドが得意とのことだ。

Point2.シングルアンプかプッシュプルアンプか

アンプにはシングル/プッシュプルの形式がある。シングルアンプは、出力管が2本ついており、ステレオのLとRに1本ずつ。出力は小さいが、小さな音から大きな音まで、素直で繊細な響きを生むことがメリット。出力は小さいため、高能率型スピーカーの方が好相性と言われるが、リスニング環境が甚大でなければ十分。

真空管とアンプの回路方式の組み合わせ。それぞれの球の特質を生かし、三極管はシングルアンプに、多極管はプッシュプルアンプに採用する傾向がある。しかし近年は、三極管を使った先進設計の大出力アンプも見られる

一方、プッシュプルアンプはLとRでそれぞれ2本ずつ使用。2つの増幅回路を逆方向につないで歪みを打ち消す仕組みを持っている。ただしバランスが崩れると逆に歪みの原因となるため、設計力が問われる。出力が大きくとれるため、現代の低能率型スピーカーも鳴らしやすい。多極管を使う場合は、プッシュプルによってその性能がより良く引き出される。

Point3.出力トランスとの相性

アンプには出力トランスと電源トランスという大きく重い箱がついているが、出力トランスと球の相性はもっとも大切で、音質の大きな決め手になるそうだ。鉄製のコアに、コイルが巻きつけられている仕組みだが、コアの素材や、コイルの巻き方によって音質が異なる。アンプビルダーによって球に合わせた設計がなされている。現代のアンプは、2Hz〜20kHzの幅位広い帯域に対応できる設計だ。

球の差し替えやヴィンテージ管は要注意

トランスとの組み合わせは非常に重要なので、球を差し替えたい場合は念のためメーカーに確認するのが安心だ。基本的に同じ名前の真空管であれば差し替えは可能だが、同じ300Bでも出力に改良が加えられたものもあるという。場合によっては真空管の寿命が縮まったり、トランスが焼けてしまうこともあるので要注意。

その意味で、ヴィンテージ管には簡単には手を出さない方が賢明だ。この取材で貴重なヴィンテージ管を見せてくれた岡田さんだが、それぞれ寿命が不明であること、プッシュプルアンプではバランスがとりにくいことなどから、現行品を使うことが最善だと教えてくれた。

最終的には、自分がどんな目的で、どんな好みで使用したいのか、自分の耳で判断することが一番大切だと岡田さんは言う。
https://www.phileweb.com/review/column/202112/30/1462_2.html


■試聴で音の違いを体験! 三極管の艶やかさと多極管の余裕
https://www.phileweb.com/review/column/202112/30/1462_3.html

実際に球とアンプ形式の違いを音で確認してみた。使用したスピーカーは、 低能率型84dB(ソナス・ファベール「Lumina I」)と、高能率型93dB(クリプシュ「R-51M」)の2種類。

低能率タイプのスピーカー
Sonusfaber「Lumina T」能率:84dB(価格:108,900円/ペア税込)
高能率タイプのスピーカー
Klipsch「R-51M」能率:93dB(価格:39,800円/ペア税込)

アンプは出力管に多極管6BQ5のシングルアンプ(トライオード「Ruby」/出力3W)、300B使用のシングルアンプ(トライオード「TRV-A300XR」/出力8W)、そして多極管KT88のプッシュプルアンプ(トライオード「TRV-88SER」/出力35W)の3種類である。試聴した音源はコダーイ作曲の「ハーリ・ヤーノシュ」組曲第4曲「合戦とナポレオンの敗北」で、打楽器や金管楽器の活躍する華やかなオーケストラ作品である。


【低能率型スピーカー+6BQ5】(Lumina I+Ruby)
一番軽やかな組み合わせ。晴朗でクリアな響きが思いのほか心地よい。若干低音の弱さと、高音のシャンシャンするような響きは気になった。

【低能率型スピーカー+300B】(Lumina I+TRV-A300XR)
低音がグッと感じられ、全体的に太く滑らかな印象。音場が一気に広がった。

【低能率型スピーカー+KT88】(Lumina I+TRV-88SER)
金管楽器の華やかさなど、全体的に作品の派手なキャラクターが生きる。ひとつひとつの音の輪郭がはっきりするような印象で、定位がクリアになった。300Bアンプと比べると余裕はあるが、音質のテクスチュアはやや大味な印象に。

「三極管アンプ、シングルアンプは出力が小さいといっても、ひ弱に聴こえるわけではありませんね」

【高能率型スピーカー+6BQ5】(R-51M+Ruby)
スピーカーの違いがはっきりと分かった。金管楽器やタンバリンの響きが鮮やかに。やはり低音にやや物足りなさを感じたが、気分転換に音楽を聴くには申し分のない音質。
【高能率型スピーカー+300B】(R-51M+TRV-A300XR)
楽器ごとの音色の違いが鮮やか。特に木管楽器と金管楽器のキャラクターの違いが見事に再現される。エレガントで立体感に溢れ、音楽鑑賞として楽しい時間が過ごせる。
【高能率型スピーカー+KT88】】(R-51M+TRV-88SER)
能率の低いスピーカーよりも余裕が出たため、耳に刺さるような強さではなく、ふくよかで豊かな音になった。太く派手なキャラクターは変わりなく、明るく強めの響きが好きな人にはたまらないだろう。

高能率型スピーカーと組み合わせると、音がラクに鳴る印象

奥深く魅力満載の真空管の世界。まずはご自分の耳と感性で、好みのものを選んでみてはいかがだろうか。

本記事は『季刊・analog vol.73』からの転載です。

https://www.phileweb.com/review/column/202112/30/1462_3.html

43. 2022年1月22日 20:20:29 : 12fdnGwI6A : OEZKVE5BWkpqR0E=[12] 報告
「300B」はなぜ“真空管の王様”と呼ばれるのか?ウェスタンエレクトリック流の矜持、復刻の舞台裏を探る
2021/12/5
https://news.yahoo.co.jp/articles/96235cfe80b8679d3ec523e24d4de0bda24b3375

■本家・ウェスタンエレクトリック「300B」が国内でも正式発売

去る10月28日、待望のニュースが発表された。真空管アンプに用いられる出力管の中でも格別の人気を誇る、本家ウェスタンエレクトリックの「300B」再生産品がようやく国内で販売されることになったのである。数年前から噂でウェスタンエレクトリックの300Bが再生産されることを耳にしており、2021年に入ってから本国サイトでは販売を開始していたので、国内導入の知らせを待っていたのだ。


10月28日のリリースで、ここ日本では輸入総代理店に株式会社エレクトリ、総販売元に株式会社トライオードが担当することが公表された。これは真空管をよく知るトライオードならではの販売チャネルを通すことで、市場動向や後に説明する保証体制の手順を円滑に進められるという利点があるからだ。

新たな300Bは1本11万円、特性の揃った2本ペア+化粧箱セットで23万1千円、さらに特性の揃った4本クアッドセットが48万4千円となる。近年オリジナル300Bが高騰する情勢を踏まえると決して安くはないものの、高すぎるプライスではない。

今回、「2021東京インターナショナルオーディオショウ」開催直前の慌ただしい中、株式会社トライオードの山崎順一社長にもウェスタンエレクトリック300Bを取り扱うことになった経緯やその思いを伺うことができた。その中で見えてきたのは、今回の再生産はオリジナルに忠実な復刻というより “現代の最新技術で再構築” した、『新300B』であるということだ。

■さらに一皮むけた音質クオリティの新300B

山崎社長もウェスタンエレクトリック製品の魅力に惹かれていたお一人であり、かなり以前から入手し、その音に耳を傾けていたという。「300Bはもちろんですが、励磁型コンプレッションドライバー『555W』を使った大型のホーン型システム『15A』を使っていたこともあります。その当時勤務していた国鉄の社宅に搬入するのにとても苦労しましたね。ベランダの窓枠を外すしかなくて(笑)。6畳の部屋に2台入れたんです」

まさに武勇伝だが、古くからのオーディオマニアにとってウェスタンエレクトリックとは憧れの存在であり、いつかは手に入れたい逸品であったのである。

社名とした “トライオード” は三極管を意味しており、まさに300Bはその代表格。今回のウェスタンエレクトリック300Bを取り扱うようになったことはまさに格別の思いであろう。

「日本にはまず先方からヒビノさんに打診があったようなのです。ヒビノさんは基本的にプロシューマー企業ですから、コンシューマー向けには傘下企業であるエレクトリさんでどうだろうという話の流れとなったようですね。ただ真空管単体の販売という点では経験も必要ですし、そうしたことが得意な販売元を探していたそうです。イベント等でもご一緒する機会も多くありましたので、そんなご縁からお声がけいただきました」

「新300Bの音質はかなり低域が伸びてます。97年の再生産のものよりも一皮むけてます。空間の出方もここまで変わると思わなかったほどで、ハイレゾ時代でも対応できるレンジの広さを実感しました。一口にウェスタンといっても製造時期によって音も違いますが、新300Bの音質傾向は非常に良いもので、ウェスタンとして語れるものであると考えています」

■劇場用の音響システムなどを手掛けてきたウェスタンエレクトリック

300Bも当然素晴らしい真空管であるが、この300Bを生み出したウェスタンエレクトリックがどのようなメーカーなのかも触れておこう。ウェスタンエレクトリックが設立されたのは1872年。1881年からはアメリカの電話会社AT&Tの機器製造部門を100年以上担っていた。

1925年にはウェスタンエレクトリックの技術部門はベル研究所となり、後年トランジスタなど、いくつもの革命的な発明を生んでいる。1916年にはコンデンサーマイクを発明。1920年代からはトーキー映画用の劇場用拡声器・音響システムの開発にも力を入れていった。1926年に誕生した名機の誉れ高い励磁型コンプレッションホーン555Wもそうしたシステム群を構成する基幹製品のひとつだ。

ウェスタンエレクトリックは音の入り口であるマイク、そして出口であるスピーカーまでを開発できる、まさに総合メーカーとしての側面を持っていたが、その仕向け先は業務用であり、製品の性能や耐久性については極めて高いクオリティを要求される。だからこそ、製品を構成するパーツ一つ一つにも妥協なく当時入手できる最高のものを使い、その時での最先端技術を用いて製造されていた。そしてこの製品に使われる真空管についても当然のごとく最高水準の性能・耐久性を求められるわけだが、ここにもウェスタンエレクトリックは大きな強みを持っていたのである。

1910年代、ウェスタンエレクトリックは電話中継用に用いる真空管の製造を開始し、第1次世界大戦当時は軍用の真空管製造も手掛けていた。無線分野や海底ケーブル中継器など、絶対の信頼度が要求される現場で磨かれた製品クオリティがその後のウェスタンエレクトリック神話へと繋がってゆくのである。

そして1938年、300Bが誕生。劇場用拡声器に向けた大出力なニーズに応えるために開発された直熱三極管である。当初は「300A」として登場したが、間もなく改良版である300Bが生まれた。

300Bはシンプルな構造で増幅を行う直熱三極管のなかでもA級シングルで8Wという大きな出力を取り出せることが特徴だが、ただ出力の大きさという点で見ると後年登場するビーム管などの方が優位である。

ではなぜ未だに高い人気を誇るのか。「45」「2A3」そして300Bと続く直熱三極管の歴史は高出力化への歩みでもある。直熱三極管はフィラメント、グリッド、プレートという増幅を行うための必要最小限の構造であるため、その音も素直で透明感の高い爽やかなサウンド性が特徴だ。ここに真空管特有の艶やかさや華やかさと言った倍音表現が加わり、独特な音質を生んでいる。

直熱三極管の中でも巨大な部類に属する300Bは素直さと繊細さ、そして力強さを兼ね備えたバランスの良い出力管であり、巨大なプレートを支えるガラス管の優美な形状も相まって “真空管の王様” という呼び名が定着しているのだろう。この現在での300Bの高評価もウェスタンエレクトリックが由来だからこそであるが、本来業務用に供給されていた真空管であったため、入手が難しかった時代があったことも評価を押し上げる要因の一つだったのかもしれない。

ウェスタンエレクトリック製300Bは幾度かの生産休止期間を挟みつつ製造が続けられていたが、1988年に一旦その歴史に終止符を打った。しかし世界の管球マニアの300B復活を求める声に応えるかたちで、1997年にウェスタンエレクトリック300Bの再生産が始まったのである。しかし1961年に設立され、300Bも生産していたカンザスシティ工場の老朽化などが要因で、この時の再生産は2006年で終焉を迎えた。

この頃になると中国や東欧諸国で生産される他社製300Bも増えてきたが、相反するようにウェスタンエレクトリック・オリジナルの300Bを望む声は日増しに高まっていく。トライオードでも、元曙光電子のエンジニアが独立して立ち上げた中国・PSVANEが1960年代のオリジナル300Bの構造を研究した“限りなくオリジナルに近い300B“である「WE300B」を取り扱っているが、このPSVANE WE300B開発時にも山崎社長は色々とアドバイスをしていたという。

「PSVANEは曙光電子よりもっと良いものを作りたいということで独立したんですね。ですからモノづくりの経験値は相当高いものを持っています。初めてPSVANEのWE300Bを見たときは “本物じゃないの” って思ったくらいです。内部も含めて本物とほとんど遜色ないクオリティでしたね。途中で色々変更されないよう注意を払っていましたが、サウンドは問題なかったですし、他社製300Bとしては非常にクオリティの高いものです」

2006年に一旦終了したかに見えたオリジナル300B復活プロジェクトであるが、実は水面下では動き続いていたそうで、2018年にジョージア州ロスヴィルに真空管製造ラインを持つ新工場が設立された。ここにはかつてのカンザスシティ工場で使われていた製造・測定器具も含まれていたそうだが、多くは新たに開発した製造・測定器具となり、製造精度の向上へと結びついているという。

■優れた特性を持つ素材を投入、真空度も向上している

今回のオリジナル新300Bにおいて従来のものと大きく異なるのがプレートのコーティング素材である。往年はカーボンを用いていたが、今回はグラフェンを取り入れているという。プレート-フィラメント間の熱放射率や電気伝導率を改善するとともに、プレート自体の素材である純ニッケル合金とグラフェンの第一原子層が結び付くことで、高い真空を維持しつつ寿命に結び付くガスの発生を抑えるという。さらに平均プレート電流も高くなり二次電子放出の影響も大幅に減少しているそうだ。

フィラメントはかつてのウェスタンエレクトリック・ホーソン工場に由来する溶解物から取り出した伝統のある素材だそうで、酸化コーティング剤は海底ケーブル伝送用に開発されたものを最先端の製造工程で施しているという。

そして旧来の300Bに使われていたガラスやハンダなどはかつて鉛を含んでいたが、現在はRoHS指令などに基づいて、環境に配慮した素材を使わなければ国や地域によっては輸出ができない。それゆえ、プレートのコーティング素材を含め、現在入手できる優れた特性を持つ素材を導入しているのである。

ちなみに96〜06年までの再生産時には金メッキピン仕様のものも登場したが、「ウェスタンエレクトリックとしては本来はやりたくなかったが、輸入元の要請で実施した」という事情があったそうだ。他にもガラス管内の真空度に影響するポンプについて、ドライスクロールポンプを補助に用いた最新のターボ分子ポンプによって、極めて高い真空度を達成したとのこと。「優れたPSVANEでも新300Bの真空度にはかなわない」と山崎社長。この真空度の高さは新300Bの大きなメリットとなるだろう。

「実は去年からウェスタンエレクトリックの取り扱いについて話をしていまして、サンプルも来たんです。その最初のサンプルでは、プレートはカーボンコーティングを施した黒いものでした。ただ不具合がありまして、構造上の問題なのか、変に響くのでそれを直すよう進言しました。するとコーティングを変えて見事に直してきたんですね。結果的に良い改良だったと考えています。さすがウェスタンエレクトリックだと」

「PSVANE WE300Bと新300Bを比較すると、少し色気が違うのです。どちらもしなやかなサウンドで良いのですが、新300Bは低域の量、空間性が良い印象です。ただしPSVANEのWE300Bも継続して販売してゆく予定です。単価が違いますし、PSVANEにはPSVANEとしての個性と魅力がありますからね。ウェスタンらしいニュアンスを持ったリーズナブルな選択肢として存在価値があります」

「新300Bとどちらを選ぶのかという楽しみも増えますよね。アンプ製品にはオプションでウェスタンエレクトリックの新300Bに交換できるようにしたいと考えていますが、初めから新300Bを積んだアンプ製品については出す予定はありません」

現在真空管アンプを手掛けるメーカー各社にも新300Bの売り込みを行っているとのこと。販売に関しては量販店やECサイトには卸さず、定価で販売をお願いしているという。「ウェスタンエレクトリックというブランドの価値、プレミアムさを大事にしていきたい」と山崎社長は語る。

■異例の「5年保証」を実現。品質の高さに自信あり

ウェスタンエレクトリック製品は信頼性、耐久性を重要視していることは前述したが、この新300Bも例外ではない。真空管としては異例の『5年保証』を謳っているのだ。トライオードではこれまでの真空管販売では1年保証としていたが、それも業界としては長めの設定であった。

比較的安価な他社製300Bでは1年もするとノイズが出るものもあり、音が出なくなるなどの致命的なトラブルではないものの、音楽再生では気になってしまう。しかしウェスタンエレクトリック300Bは5年という長さの保証を付けるというのは、それだけ製品の完成度、品質に自信があることを裏付けるものでもある。

新300Bでもベース部にシリアルナンバーが刻印されており、97年からの再生産同様、一本ずつにデータシートも添付。ウェスタンエレクトリックならではの製造年・週表示(取材時のサンプルでは“2152”、2021年52週目の生産を示す表記があった)もベースにプリントされているので、オリジナル品同士でも見分けがつけられるだろう。

説明書も英語だけでなく、フランス語、ドイツ語、中国語、そして日本語でも記載がされており、ウェスタンエレクトリックがユーザーをしっかりと認識しているスタンスが受け取れる。もし壊れてもその個体と似たデータを持つ製品を出荷してくれるそうであり、保証書の登録は必ず行っておきたい。国内ではトライオード宛てに保証書を送付すればよく、エレクトリと本国間で取りまとめ、シリアルが登録されるという。

高い技術力と伝統に息づく耐久性、モノづくりの姿勢を映す『5年保証』はまさに安心・信頼の証である。スペックに則った設計の範囲内で用いることで長寿命を実現できることもウェスタンエレクトリックならではのメリットである。オリジナル300Bとしては比較的安価とはいえ、なかなか手を出しにくいプライスではあるが、長い目で見ての信頼性、安定感という点でこれ以上の選択肢はないだろう。

既に国内に供給予定の第1、第2ロットは完売しているといい、第3ロット待ちという盛況ぶりであるが、それだけ新300Bへの期待が高まっていたという証拠に他ならない。『2021東京インターナショナルオーディオショウ』でも新300Bに注がれる熱いまなざしを何度も見かけることができたが、実際その音に触れることができた方も表現力の高さ、これまでとは一味違うウェスタンサウンドに驚かれたのではないか。

トライオードブースにて、300B・A級パラシングル方式のプリメインアンプ「TRZ-300W」へウェスタンエレクトリックの新300Bを換装した状態でデモをしていただいたが、しっかりと重心低くグリップするベースの弾力とスムーズな音伸び、直熱管ならではの開放的で音離れ良いボーカル定位の爽やかさ、潤いを実感。これまでのオリジナル品以外の300Bとは一味違う彫りの深さ、ステージの奥行き、音像の確固たる芯の強さ、ナチュラルなボディ感も味わうことができた。

かつてのオリジナル300Bが持っていた濃密な中域表現は幾分抑えられている印象であるが、迷いのない的確なステージ、楽器の描写力、ボーカルの逞しさは健在だ。何より付帯感のないワイドレンジな帯域感が素晴らしく、従来の300Bのサウンドとは一線を画す世界観である。またじっくりと向き合って聴いてみたいと思える素晴らしい体験であった。

今回のウェスタンエレクトリック300Bの復活は単なる復刻ではなく、時代に合わせたアップデートを果たした新規の300Bともいえ、オリジナルだからこその基本性能の高さをさらに上のステージへ引き上げた、別次元の完成度を誇るものとなっている。

かつてのサウンドの再来を期待すると肩透かしを食らうかもしれないが、これは現代の音楽事情を踏まえた懐古的ではない増幅素子本来の在り様を追求しているのではないか。その時代に相応しい最高のものを作り上げる “ウェスタンエレクトリック流の矜持” ともとれる新300Bへの取り組みの数々は、突き詰めていった300B本来の姿であるのかもしれない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/96235cfe80b8679d3ec523e24d4de0bda24b3375

44. 2022年3月05日 04:30:36 : ZkNMu7W7Ag : djVsREZVU2VMYU0=[1] 報告
Date: 3月 3rd, 2022
オーディオ評論家の「役割」、そして「役目」(300Bのこと・その8)
http://audiosharing.com/blog/?p=36706

八年前の(その7)で書いたことを、またくり返すのか。
ステレオサウンド 221号を読んでいて、そう思っていた。

221号の219ページ。
特集ベストバイのパワーアンプのページである。
ウエスギのU·BROS300AHPSが載っている。
傅 信幸氏の文章が、そこにはある。

《300Bは高域の響きの魅力だけでないことを教えてくれた》
とある。

不勉強なだけではない。
時が止っている。
http://audiosharing.com/blog/?p=36706

Date: 1月 19th, 2014
オーディオ評論家の「役割」、そして「役目」(300Bのこと・その7)
http://audiosharing.com/blog/?p=13011

300Bシングルアンプの音が、楚々として細めという発言があって、
少なくともステレオサウンド 189号の座談会のまとめを読むかぎりでは、
賞の選考委員の全員が、300Bシングルアンプの音が、楚々として細めと受けとっているようだ。

ウエスギの300Bシングルアンプの音は、そんな300Bシングルアンプの音のイメージとは違う──、
そういうまとめかたになっていた。
(友人宅でちょっと読んだだけなので、正確な引用ではない)

これを読んでいて、ステレオサウンドグランプリの選考委員の誰ひとりとして、
伊藤先生の300Bシングルアンプの音を聴いたことがないんだろう、と思った次第だ。

何も選考委員全員が伊藤アンプの音を聴いていなければならない、なんてことは、
いわないし、求めたりもしない。

ただ誰も、ひとりもいないのか、と思っただけである。

これではなんのために選考委員が一人ではなく、何人もいる意味がどこにあるのだろうか。
オーディオ雑誌に、何人ものオーディオ評論家が書いている意味は、どういうことなのだろうか。

ひとりひとりには、オーディオ評論家としての役割があるから、だと私は考えている。

今回の件にしても、ひとりだけでいいから、伊藤先生の300Bシングルアンプの音を聴いた人がいるだけで、
座談会の内容は深みを増したであろうに……、と残念におもう。
http://audiosharing.com/blog/?p=13011


Date: 3月 4th, 2022
オーディオ評論家の「役割」、そして「役目」(300Bのこと・その9)
http://audiosharing.com/blog/?p=36711


(その4)で書いたことを、もう一度、書いておこう。

300Bは、いうまでもなくウェスターン・エレクトリックの球である。
つまり300Bはトーキー用のアンプに使われる出力管である。
このことを思い出してほしいし、絶対に忘れないでいただきたい。

しかもアメリカの映画館で使われていたアンプの出力管である。

サウンドボーイの編集長だったOさんから聞いたことがある。
「300Bシングルは、いわゆる日本的なシングルアンプの音ではない」と。
Oさんは「トーキー用アンプの球なんだから」とも続けた。

Oさんは自他共に認める伊藤先生の一番弟子。
300Bのシングルアンプで、シーメンスのオイロダインを鳴らされていた。

1982年のステレオサウンド別冊 Sound Connoisseur(サウンドコニサー)に、
伊藤先生の300Bについての記事が載っている。
この記事(というよりサウンドコニサーそのもの)の担当も、もちろんOさんだった。

この記事のタイトルは、「真空管物語」。
さらにこうつけ加えられている。
「ウェスターン・エレクトリックの至宝 極附音玻璃球」である。

極附音玻璃球は、きわめつきおとのはりだま、と呼ぶ。
300Bのシングルアンプ、それも伊藤先生のアンプを聴いたことのある者には、
この「極附音玻璃球」こそ300Bのことだと、頷ける。

300Bとは、そういう音の球である。
それなのに、いまだに300Bシングルの音を、
他の直熱三極管の、出来の良くないアンプの音のイメージといっしょくたにしている。

しかも、それをくり返している。
ステレオサウンドの編集者は、誰もそのことに気づいていないのか。

http://audiosharing.com/blog/?p=36711

45. 中川隆[-12672] koaQ7Jey 2023年4月05日 14:14:45 : SmHQ77FHuQ : V1c2SWQzNmtiaFk=[7] 報告

「音楽&オーディオ」の小部屋
オークション情報〜WE300A出力管〜
2023年03月28日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/695951333b31526123ad1b369f1d5034

オーディオ投資に失敗はつきもので、我が家の歴史を振り返ってみても数知れぬほどの屍が累々と横たわっており、ときどき臍(ほぞ)をかんでいるのは言うまでもない。

ところが・・。

先日の「ハイエンドオーディオフェア」で、1千万円前後の高額の機器を見たり聴いたりしていると、感覚が麻痺してきて少しぐらいの失敗は何てことはないなあとちょっと気が大きくなった(笑)。

で、スケールはやや小さくなるがもうひとつ気が大きくなる話を〜。

先日来、オークションに出品されていた「WE300A」真空管について、気になって仕方がなかったが、このほどようやく落札の運びになった。

出品者の解説によると、

およそ90年前に造られた初期型で形状はほぼ揃っています。モノラルの時代の品なので2本揃うのは極めて貴重です。ガラス内部の付け根に両方とも 12−31 と書かれています。同一ロットを意味するかもしれません。

約30年前に中古で購入。出力6Wのシングルアンプの軽い動作で使用。これまでノイズもなく良い音で正常に動作していました。

フジソクの精度の良い真空管測定器で測定した結果は、共に正常範囲です。購入当時からほとんど特性は変わっていません。

エミッション特性はともに150mA位まで伸びていて良好です。ゲッターは濃くてかなり大きいです。真空度は高いようです。ゲッター金具はカップ状です。

WE300A 初期型 でWEB検索すると詳しいことがいろいろと出てきます。

とまあ、以上のとおりだが真空管の世界はいろいろと「ご先達」がおられるのでとても自分ごときの出る幕はないが、音のいい出力管といえば英国では「V503(DA30)」 「PP5/400(PX25)」あたりで、米国では「WE300A」 「WE300B(刻印)」くらいではなかろうか・・。

とりわけ「WE300A」は時代が古いこともあってめったに見かけないし、マニア垂涎の的であることは疑いない。

画像によると「ブルーの光」が綺麗に輝いているが、管内の真空度が高いとこういう色が出てくるので程度はメチャ良さそう。

とはいえ、いまさら購入する気はさらさらないので興味の焦点は「落札額」がいったいいくらになるのか〜。

ちなみに、開始価格は「100万円」、落札日は「26日」(日)。

そして、もったいぶらずに明らかにすると落札額は「160万1千円」なり!

数年前のことだが「WE300B刻印」がたしか100万円だったので、それをはるかに上回る金額!

ウ〜ン、泣いても笑っても真空管の ”とどのつまり” は「ウェスタン」ですか・・。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/695951333b31526123ad1b369f1d5034

「音楽&オーディオ」の小部屋
真似をしたのはどっちだ?
2023年04月05日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8f579c7ebffc28e2c15e132ae93d1ce3

書いては消え、書いては消えていく「泡沫(うたかた)」のようなブログ記事・・。

ところが、ときどきしぶとく生き残る奴がいる(笑)。

1週間前に投稿した古典管「WE300A」の記事がそれで、今でも過去記事ランキングに登場するくらいだから珍しい存在といえる。

なにしろペアで「160万1千円」(オークション)という落札額には誰もが目を剥(む)いたろう。たかが真空管ごときに〜(笑)。

もちろん、値段が高けりゃ性能もいいというわけでもないが、金額の裏打ちとなるそれだけの「熱意」には敬服するばかりで一つの推測材料にはなる。

古典管(出力管)の王者は「WE300A」(アメリカ)で決まりだ!

ところが、どっこい・・。

英国にも「負けず劣らず」の立派な代物があるんですよねえ(笑)。

6年前の記事をご記憶だろうか。

「幻の超銘球P.A.40(DA30系)」がそれ。

その内容だが「北国の真空管博士」が希少管とされる「V503(英国)」をなぜ手放されたのか、伺ってみると次のような理由だった。

「V503は今や幻の銘球ですから通常は出品しないのですが、実は幸運にも数年前V503より100倍入手が難しいといわれる上位球P.A.40を所有するに至りましたので出品した次第です。

これが英Ediswan社のP.A.40です。

この写真(省略)を見てV.503そのまんまじゃん!と思った人も多いと思います。私も初めて見た時はV.503のセレクトチューブなのでは?と思いました。仔細に現物を観察してそうではないことを確認し、いったいこれは何なのだ!と唸ってしまいました。

写真では判りませんが、ステムを見るとPA40bと書かれており、組み立て前にPA40専用のステムがあった事がわかります。V.503とはプレート損失、同一条件のPP時の出力以外の規格、定数、電極とバルブのサイズに至るまで全く同じです。

GECにはPX25Aに対してDA30がありますがそれと同じ関係のようです。DA30属の中では最大のプレート損失40Wを誇り、WE300Aにも匹敵する球です。目視ですがWE300Aとはプレートの縦、横、厚さのサイズが殆ど同じです。

WE300Aと動作例を比較してみよう。

   WE300A   P.A.40
Ef  5.0V      4.0V
If   1.2A      2.0A
Ep  400V      400V
Eg  −89V     −85V
Ip   50mA     50mA

EpMax 450V    450V
Pd    40W     40W

殆ど誤差の範囲といって良いくらいの動作例である!

最大定格も同じですから興味は尽きませんが、P.A.40の発表年に関する資料を発見できずどちらが先に発表されたか特定できませんでした。」

ちなみに、これが「V503」(エジソン・マツダ)。

はたして銘管「WE300A」(アメリカ)と「P.A.40」(英国)のどちらが先に作られたのか?

言い換えると「どちらが真似をしたのか?」(笑)。

ことはアメリカ管と欧州管の技術力の差にまで及んでくる。

ちなみにヨーロッパはアメリカと違って第二次世界大戦の主戦場になったので度重なる爆撃などの破壊が繰り返され随分貴重な真空管が失われてしまったのは周知のとおり。

その点、アメリカ球は「WE300B刻印」(1940年代)をはじめとして、今でも往時の銘管がまっさらの新品で出てくることがあるから戦禍を直接蒙らなかった国のメリットは計り知れない。

真空管アンプにも夢が必要だとすると、さしずめ「P.A.40」あたりは「WE300A」と並んで代表的な「手に入りにくい」真空管として有力な候補にあたるのは間違いない。

それにしても、もしオークションに出品されたらどのくらいの落札価格になることか・・。それよりも、いったいどういう音がするんだろう?

一度でいいから「WE300A」と「P.A.40」の音を聴いてみたい・・。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8f579c7ebffc28e2c15e132ae93d1ce3

46. 保守や右翼には馬鹿し[175] lduO54LiiUWXg4LJgs2Ubo6tgrU 2023年5月13日 09:43:29 : 192M2n3SdY : aGtGQzlnZHVHeTI=[2] 報告
<■103行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
伝説の名機の中古品

ウエスタンラボ オンラインショップ
https://westernlabo.net/


ここは ウェスタン・エレクトリックの中古品や復刻品で有名です。


すべてのアンプの中で最も艶やかな音の WE350B プッシュプルアンプ レプリカ品
Western Labo WE 124型 球無 2台 1,760,000円
https://westernlabo.net/?pid=151504926
https://ameblo.jp/507576/entry-12406190311.html?frm=theme
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&amp;tid=14060052
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/132.html


△▽


Western Electric 86C AMP レプリカ品 2台 [29610]
1,430,000円
https://westernlabo.net/?pid=172200166

Western Electric(Western Labo) 86C AMP 2台です。
ウエスタンラボにて製作した商品となります。
WE262B×4本付属です。入力トランス TRIAD HS-1。
出力トランス U.T.C LS-57。インターステージトランス U.C.T CG-133。
チョークトランス U.T.C CG48CとB2106、電源トランスはラボ製のWE357A型です。
回路はWE86Cオリジナルと同一回路で、チョークインプット回路 トランス結合方式です。
シャーシ寸法もオリジナルと同一で素材もアルミ合金でオリジナルと同一品です。
世界に1setしか存在しません。電源はAC100V 50/60Hzに設定してあります。
前段のプリアンプはTA-7381が正式です。

・サイズ:W424×H208×D254(mm)
・重量:1台 16.6kg


△▽


Western Electric 91B Amprifier レプリカ品 2台 [29164]
1,980,000円
https://westernlabo.net/?pid=170955535

Western Electric 91B Amprifier レプリカ品 2台です。
こちらはウエスタンラボにて製作した商品となります。
写真のWE300B,WE274Aは付属ではございません。
外部チョークトランスは付属です。
359A TRANS、RET 197A、171A OUTPUT、285E INPUTが搭載されています。
ラボ製完全レプリカ品となりますが、音のレベルはオリジナル同様です。
171A OUTPUTトランスは200個以上の試作を重ね、オリジナルと比較試聴しても、
判別不可のレベルに達しています。
細かなキズや汚れがございます。

・サイズ:W455×H255×D204(mm)
・電源:AC100V 50/60Hz(AC117V 変更可)


▲△▽▼


Western Labo(TANNOY) AUTOGRAPH キャビネット 2台 未使用品 [19742]
1,870,000円
https://westernlabo.net/?pid=134021118

Western Labo製のタンノイ オートグラフ モニター15インチ用エンクロージャー 2台です。
20年以上乾燥させた特殊圧縮合板で楽器用スプルースを使用しています。
エンクロージャーは完成後15年以上経過しており長期保管品となり新品未使用品です。
低音域の量感は、オリジナル以上で数台販売しており、高評価を頂いております。
数々のオートグラフのレプリカを試聴しましたが引き締まりが無く、量感もない低音がほとんどです。
とのメーカーもオリジナルとは比較対象になりません。
オリジナルを探すのは非常に困難ですので、オリジナルに勝負できる唯一のキャビネットです。

※出品はキャビネットのみです。ご使用の際はTANNOYの15インチユニットが必要となります。
※大型で重量のある商品となります。搬入経路や設置場所などに十分ご注意下さいませ。
 通常の配送が出来ませんので、別途送料がかかります。
 ピアノ運送またはお引取りでの対応となります。


▲△▽▼
▲△▽▼


ウエスタン・エレクトリック

情熱のオーディオ ウエスタンエレクトリック病棟
http://mikami.a.la9.jp/audio/western_electric.htm
http://mikami.a.la9.jp/audio/audio.htm    

晴耕雨聴
https://91683924.at.webry.info/  

ウェスタン・エレクトリックのスピーカー
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/502.html

ウェスタンエレクトリック伝説
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/208.html

G.I.P Laboratory _ Western Electric スピーカーシステムのレプリカ製造・販売
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/964.html

G.I.P Laboratory _ Western Electric 20cm フィックスドエッジ・フィールド型フルレンジスピーカーユニット TA-4189
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/971.html

ALTEC と WE 755シリーズ について
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1190.html 


▲△▽▼


電力増幅用直熱3極管 300B
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/546.html

ウェスタン・エレクトリック 300B を使ったアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/107.html

電力増幅用直熱3極管 VT-52
一番音が良いパワーアンプは VT-52 シングルアンプ?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/440.html

電圧増幅用直熱三極管 WE101D
今 大人気の WE101D _ 出力0.6Wのシングル・アンプで鳴らせるスピーカーは?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/445.html  

電力増幅用傍熱ビーム4極管 WE350B
WE350B _ ウエスタン・エレクトリックの真空管の中でも特に濃厚な音がするビーム管の最高傑作
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/132.html

Western electric 124 amplifier _ すべてのアンプの中で最も艶やかな音の WE350B プッシュプルアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/133.html

47. 2023年8月17日 18:45:31 : n51DKxMewc : a3lnT0JWaHhOSTY=[3] 報告
<■108行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
直熱三極管 300B 真空管 聴き比べ | 禁断のKRELL
2023年08月06日
https://ameblo.jp/507576/entry-12815112534.html

直熱三極管 300B 真空管 聴き比べ

ELECTRO-HARMONIX 300B ロシア連邦 ¥30,025 (ペア)
エレクトロハーモニクス300Bはポップスなどに好適とされる。

ハーモニーはすっきりとクリアにまとめる。低域のアタックも

タイトに感じる。透明で綺麗な出音。甘みのあるスゥイートな音ではないが、

全然悪くない球である。ボトムエンドはスマートにまとまり、

少し音が細身で華奢な感じであるが、エレハモはこの球ならではといえるような

アピールポイントが足りない。


JJ ELECTRONIC 300B スロバキア共和国 ¥46,980 (ペア)
JJは明晰で音の輪郭線をきれいに浮かび上がらせる。音像に骨格があり、
しっかりした太い音だ。低音のパワー感もある。それに大きな球で驚く。
ガラス管部分も相当な厚みがあり、造りが高剛性である。
高音〜低音までしっかりした質量感のある音で、音場表現が広く感じられる、

物理特性が優秀な球といえる。音色には色付けが少なく、ニュートラルでクセがない音。

立派な音だが、音楽の表情がやや無表情に感じられて、少しつまらない。

エレハモ300Bは実測で一本110g。JJ 300Bは128gと重さが違う。

PSVANE 300B 中華人民共和国 ¥21,000 (ペア)
近頃「音が良い!」と評判の中国 PSVANE 300B、

ペア21,000円の低価格な球だがダイナミクスやハリがあり、
女性ボーカルの輝きや余韻に満ちた魅惑的な表情が素晴らしい。
クオリティも必要十分なものがあり、大変にお勧めの球である。
特性重視に作ってあるアンプなら1988年の最終生産の本物のWE300Bや
Setron 300Bよりも、この球がお勧めである。製造後数十年経った

ヴィンテージ球が真新しい白シャツに付いた汗染みを見るような、
くすんだ音に感じられるくらい、新鮮でフレッシュな音がするのである。
一方で無帰還回路でパーツ点数も少ないシンプルな回路のアンプは
球の素性(本来の音であり個性)をよく聴かせてくれるので、SUN AUDIO SV-300BEなど

ではSetron 300Bや1988年までのWE300Bの方が好ましい音で鳴ってくれる。


PSVANE Acme 300B 中華人民共和国 ¥119,990 (ペア)
世界初の3D設計管構造、サンドブラストアルミニウムカバー付きテフロンベースなど、

PSVANE の最高級グレードという格付けの球で期待も大きかったのだが、
大きな落胆を味わいました。超S/N比 超低歪みでPSVANE 300Bと比較すると
クオリティはかなり上がりますが、ニュートラルでクセのない音になって、
ダイナミクスやハリが大きく減少、女性ボーカルの輝きや
余韻に満ちた魅惑的な表情がすっかり消失してしまった。
確かにAcme300Bのあと一番安いPSVANE 300Bに戻すと、
安物に感じられるくらい、本質の高さは凄いのですが。この話を代理店の方にすると

『PSVANから取ってくれと頼まれたが、私も音が好きではないので取らなかった』

というご回答を頂きました。

PSVANE WE300B 中華人民共和国 ¥104,000 (ペア)
「PSVANE 300Bと比べるとレンジも広がり、評判が良いですね」

との代理店の方からの話でしたが、この球はエージングマシンによる

100時間エージングのあとに聴いたが、本当にひじょうに硬質な音で

聴くのが辛くなるほどでした。NOSの真空管は硬質な音がするが、

それにしても音が論外に硬いのだ。立体感のある空間表現を持っており、

S/N比が高く高解像度なハイファイサウンドである。カチッとした

透明で精確な音なのだが、音楽の表情も生硬で300Bの魅力を感じない、

PSVANE は下位モデルの出来が抜群に良かったので、

またしても落胆を味わうことになった。あるメーカーの関係者の方に話すと

「弊社でも試しましたが、みんなで聴いてこの球はダメだね....ってなりました」

「そのあと、しばらく仕舞っていたのですが、また後日試してみたところ、

実働100時間を超えたところで音が良くなったんですよ!」
『私も100時間エージングしたのですが...』「エージングマシンではなく、
アンプで音楽を100時間鳴らすとガラッと音が変わり、本当に良い音になりました」

『本当ですか?』「ええ、本当です」「なので、私どもでは高槻300B、

Western electric 300B PSVANE WE300B をお勧めしています 」
私は新品で買って少し聴いただけで手放してしまったので、

また機会があれば試してみたいと思っています。

Setron 300B アメリカ合衆国 ¥100,000 (ペア)
砂糖菓子のような甘美な美音、輝かしく煌びやかでゴージャスなWEトーン。
キラキラした金色の輝きがある。王道のアメリカンサウンド。
艶やかで芳醇。原音を夢のような理想的な世界に再創造する。
音に推進力があってダイナミックで溌剌としたハリ出しや力強さに目を見張る。
音の勢いはエモーショナルな感情の高まりをよく表現し魂を揺さぶるような

強い感動を与える。肉感的で豊麗で図太く力強い。躍動感に溢れる音、
ただし、特性重視に作ってある現代的な設計の有帰還アンプだと
キラキラした輝きが鳴りを潜めてしまい、WEの甘美な音色だけが感じ取れる。
1988年のWE300Bの生産完了に伴い、WEが仕様書を作って正式に業務委託した
リチャードソン・エレクトロニクスによる生産で、WEの製造設備も譲り受けている。
1988年製のWEと同等か、それ以上の本家WEサウンドだが、
1940年代のWE300Bはまた別格でとてつもない音がする。


TAKATSUKI 高槻電器工業 TA-300B 日本 \209,000(ペア)
正統派ハイファイサウンド、ハイエンドサウンドを狙うならこの球しかない。
サウンドクオリティはテストした300B中でナンバーワン。
高解像度で音楽性も高く、魅力的な音で決して無機的にならない。
低価格の球では飛び抜けた高音質でお勧めのPSVANE 300Bと比べでも
あきらかに解像度や情報量で差を付ける。高価だがお勧めの球。
とても高価なので音質が価格に見合うと感じるかは人により意見が分かれるだろう。
特性重視に作ってある300Bアンプにはこの球が一番のお勧めで、
新品の時から良い音で鳴ってくれる。高槻のあとにPSVANE 300Bに戻すと、

分解能が落ち、音が雑になる。空間に浮かぶ音像も
どこか希薄になる。両者を手に取って見比べると、造りはどちらも良くて、

構造に違いはあれど、製品の精度にそんなに違いはない。
差が出るのかな?と聴く前には思うが、確かに差が出る。
Setron 300Bと比べると現代の高級品だけあり、造りがあきらかに洗練されており、
ガラス管も厚く、ハウジングもしっかりしているのが
手に取るように分かる。寿命は2万時間とのメーカー回答である。
現代設計の球なので高圧が掛けられた現代の300Bアンプでも安心して使用できる。


ベテランの方々と話していると、揃ってチャイナの真空管やパーツへの評価がすこぶる悪い。

現在の真空管は品質が良くなっているが、古い中国の出力管などはトランスを破壊する
不良品が多いので使用は絶対避けた方がよい。

大阪のオーディオショップである識者と偶然会いまして、300Bについて色々と話を聞きました。Full Music と ELROG の300Bは音がよくないらしい。
カナダのディーラーの方に聞いた話しでは、KR AUDIO 842VHDは音が良いらしい。
日本では入手困難な球なので聴く機会は当分なさそうである。
https://ameblo.jp/507576/entry-12815112534.html

48. 中川隆[-8323] koaQ7Jey 2024年12月01日 15:09:22 : 2uhZ7VXNF2 : d0NleWNIZzREVlU=[6] 報告
<■162行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
「音楽&オーディオ」の小部屋
我が家の「ベスト1」はこれだ! 2024年11月29日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ea94e0d619706d1db39b97e1f817a65e

前回からの続きです。

いよいよクライマックスの「AXIOM80」の「オリジナル版」(旧)と「復刻版」(新)の聴き比べである。いわば「新旧の対決」といえる。

ちなみに、クルマなどは新型ほど走行性能や燃費に優れているに決まっているが、オーディオの世界は真逆である。たとえば真空管は古いものほどツクリも音もいいし、スピーカーだって古いものほどいい。

タンノイは、古い方からマグネットのカバーの色の違いにより「モニターブラック」 → 「シルバー」 →「レッド」→ 「ゴールド」の順に変遷してきているが、音質はその逆で古いものほどいいとされている。もちろん「お値段」の方も見事にそれに準じている。

なぜか・・、筆者が憶測するに当時は音楽芸術が今とは比較にならないほど重要視されていた、そしてそれを聴く道具もそれに呼応するかのように、コストを度外視して念入りに作られていた・・、これに尽きるんじゃないかな〜。

これについて、ほかにご意見があればぜひお聞かせ願いたいですね。

余談はさておき、音出しをしてみると、いきなりデカい音がしたので慌ててプリアンプのボリュームを絞った。能率は明らかに「オリジナル版」の方が上ですね。マグネットが違うしコーン紙も軽そうなので当然かな。

「違いはどうですか?」

「ハイ、こちらの方が細かい音をよく拾いますね、微かな音の余韻が音響空間の彼方にス〜ッと尾を引いて消えていく感じが何とも言えないです。音色そのものは変わりませんけどね・・」

やはり、オリジナルの方に一日の長があると感じられているご様子。個人的には、補欠扱いとして気楽に聴きながせるという点で「復刻版」の方が好きだけどね。

言い換えると、物事には「分相応」というものがある・・、いい加減な人間の「ブログ主」には「オリジナル」の音はあまりにも立派過ぎる・・、この音を失いたくないという不安が入り混じった畏怖感、そういう気持ちを抱かせる音ともいえる。

オーディオはどっちに転んでも難しいです(笑)。

ただし、「復刻版」を使っている方がわざわざ「オリジナル版」を買い直すほどの必要はないと思いますよ。ほんの「わずかな差」ですからね。

そして、次はアンプの対決といこう。スピーカーは「オリジナル」のままで、アンプを「PP5/400」から「WE300B」へ変更。

これは・・と、思わず絶句された。

「両方のスピーカーの間に見事なステージが出来上がって楽器の位置や奥行き感などの表現力が素晴らしいです。音に底力があって浸透力の方も違う気がします。やはりモノ×2台が効いているんですかね〜」

「こんなに素晴らしい音は滅多に聴けないです。ウェストミンスターで補完する低音もまったく違和感がありません。この音ならどんなにつまらない音楽でも退屈しないで聴ける感じがします。お宅のオーディオはこれで完成したのではないですか!」

   

いやはや・・、ここまで来るのに紆余曲折を経て何と50年以上もかかりましたからね〜(笑)。

なお、球そのものの比較、つまり「PP5/・・」と「WE300B」の能力差はまた別次元の話なのでどうか誤解なきように〜。「モノ×2台」とか回路とか出力トランスなどの他の要因にも左右されますからね。

最後に同じアンプで出力管の比較をしてもらった。「WE300B」(1988年製)と「6A3」(シルヴァニア:刻印)の対決である。

「6A3は音像(被写体)のエッジがくっきりしていてなかなかの表現力です。それに比べて300Bのほうは被写体を含めて周りの雰囲気を上手く醸し出してくる響きに特徴があります。どちらを取るかと言われたら300Bでしょうか」

やっぱり、300Bか・・、やれやれ〜(笑)。

以上、これで雌雄が決した。アンプは「WE300B」シングル、スピーカーは「80」のオリジナル版の組み合わせが我が家のベスト・コンビである。

あっ、そうそう「300B」真空管に関してつい先日「北国の真空管博士」とこういう会話を交わした。

博士曰く「300Bという球にはプレートの大きさ故に欠点があります、それは・・・です。したがって前段管に何を使うかが非常に重要になります。あなたのアンプに使っているエジソンマツダのSP〇〇はそういう意味で理想的な前段管です。この球で300Bを駆動しているのは世界中であなたのアンプだけですよ」(・・・の内容が知りたい方はメールください)

フッ、フッ、フ・・、毎日心ゆくまで「世界で唯一の音」を堪能しているところだが、こうなると「WE300B」に加えて英国版の「4300B」(STC)が欲しくなったなあ・・。

おっと、つい話が逸れてしまった。

二人して秋の好日に「80」に心ゆくまで酔い痴れたが、2時間ほど経ってから「仕事中を抜け出してきたのでボチボチ帰ります」とYさん。

「本日はどうもありがとうございました。理事長がまたどこかでサボっていると職員が噂しているかもしれませんね」「アハハ」〜。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ea94e0d619706d1db39b97e1f817a65e

WE300B真空管の欠点について 2024年12月01日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e20c28b8fa38263dd2fe68f930956e79

今日からこの1年を締めくくる「師走」です。その名の由来となると、「語源説」として9個あるが、そのうち代表的なもの3個を挙げると、

1 経をあげるために師僧が東西を馳せ走る月であるところから、シハセ(師馳)の義〔奥義抄・名語記・〓嚢鈔〕。

2 四季の果てる月であるところから、シハツ(四極)月の意〔志不可起・和爾雅・日本釈名〕。

3 トシハツル(歳極・年果・歳終)の義〔東雅・語意考・類聚名物考・和語私臆鈔・黄昏随筆・古今要覧稿・和訓栞〕。

さて、前々回のブログ「我が家のベスト1はこれだ!」の中で記載していたこの文章をご記憶だろうか。

「北国の真空管博士」曰く・・、

「300Bという球にはプレートの大きさ故に欠点があります、それは・・・です。したがって前段管に何を使うかが非常に重要になります。あなたのアンプに使っているエジソンマツダのSP〇〇はそういう意味で理想的な前段管です。この球で300Bを駆動しているのは世界中であなたのアンプだけですよ」

(・・・の内容が知りたい方はメールください)

どうせ興味のない人が大半だろうと高を括っていたら、なんと北海道のMさんをはじめ想像以上の方々からメールが寄せられました。

今さらながら、稀代の名管とされる「WE300B」に対する関心度の高さに驚いた次第〜。

メールの内容については、「単なる興味」から「天下の名管にケチをつけるとは何事か!」といったニュアンスまで様々でした(笑)。

本来なら個別に対応するのがマナーですが、あまりに多かったのでこのブログで一括回答という形にさせてください・・、よろしく〜。

それでは、博士の見解を公開しておきます。

「300Bの欠点は電極間(特にグリットとプレートの間)に静電容量が大きいことです。

真空管は不思議なデバイスで、グリットとカソード(フィラメント)との間に加えられた信号を増幅してプレートとカソードの間に出力するのは基本中の基本なのですが、なんと電極間の静電容量も増幅するのです。

実際にはグリットとプレートの間の静電容量を増幅してグリットとカソードの間に出力してます。

これを入力容量と呼び、Cin=Cg-k+(Cg-p×A)の計算式で算出します。

Cg-k=グリッドとカソード間の静電容量

Cg-p=グリットとプレート間の静電容量

A=増幅率(真空管を回路に実装した場合μ×0.7程度になる)

私のこれまでの経験で言うと入力容量の小さい球ほど中高域の抜けが良いように感じます。

一般に知られた球で入力容量の小さいものとして171A、245、1枚プレートの2A3、250、VT52等があります。

一方入力容量の大きな球は、300B、2A3、6A3、PX25、DA30等です。

これら入力容量の大きな球の音質を改善するには大きな入力容量に負けないドライブ能力と増幅率の高さが必要です。

これらを両立する数少ない増幅管が「音楽&オーディオの小部屋」さんが使用されているSP〇〇なのです。

6SN7等のローμ三極管の2段増幅であれば増幅率とドライブ能力を両立できるのではと考えれる方も居られると思います。

増幅段数が増えれば増えるほど音の解像度は落ち中高域の抜けが悪くなりますから元々中高域の抜けの悪い入力容量の大きな球を2段増幅でドライブしたくはないのです。

310A等の五極管は増幅率は高いものの内部抵抗が高くこれまた落第です。

WEの91アンプに310Aが使われているのはNFBを20dB以上掛け中高域の抜けを改善する前提があるから成り立っているのです。

SP〇〇は80倍程度の増幅率と6SN7並みのドライブ能力を持つ類まれな存在なのです。」

というわけです。

で、この内容をスンナリ理解できる人ってどのくらいおられるんでしょう・・、真空管の構造まで精通していないと普通のアンプビルダーさんではちょっと無理かもですねえ(笑)。

ついでに、何故フィラメント電圧が異なる「WE300B」をこの「6A3」アンプに使用可能なのかについても博士の解説を追加しておきます。

「今回のアンプでは6A3のフィラメントに5.75Vほどの電圧が掛かっています。刻印時代のシルバニア製6A3は極めてエミッションが良好でフィラメントを5Vまで下げても動作します。

今回は音質劣化なく動作可能な5.75Vに設定しました。
フィラメントへの給電はブリッジダイオードで整流後3オームの抵抗と電解コンデンサーによるリップルフィルターを経ています。

このリップルフィルターに用いた3オームの抵抗が300Bを使用可能とする肝です。

6A3のフィラメントには0.9Aほどの電流が流れています。
(フィラメントの電圧を10%程度低く設定しているためフィラメント電流も10%程度減少する)
3オームを通過する前の電圧は8.45Vほどです。

この回路に300Bを挿した場合、3オームの抵抗で3.6Vほど消費しますので4.85V程度給電されます。つまり、6A3を挿した時には5.75V、300Bを挿した時には4.85Vが給電されるのです。

プレート電圧は250Vに設定してありますからどちらを挿しても規格オーバーになることはありません。」

ということでした。

こうまで配慮して緻密に組み立てられる真空管アンプの魅力について、まだ理解されてない方が多いようで残念、おそらく「食わず嫌い」のはず・・、まあ要らん世話だけどね(笑)。

最後に、希少な前段管「SP〇〇」だけど、オークションにもまったく出てこない状況で、英国在住のマニアが数少ないストックを後生大事に保管しているそうです。

我が家では予備管として2本ゲットしたので計4本の保有になります。これだけあれば、(人生の)残り時間が切れるまで大丈夫だと思うんだけどなあ・・(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e20c28b8fa38263dd2fe68f930956e79

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