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『米国:あるユダヤ国家』に対する私からのコメント、および若干の考察
http://www.asyura2.com/0601/holocaust3/msg/310.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2006 年 7 月 15 日 00:45:46: SO0fHq1bYvRzo
 

『米国:あるユダヤ国家』に対する私からのコメント、および若干の考察


●昨年の終盤から、私はいくつかのシリーズ投稿、関連投稿を行ってきました。

(A)ジャボチンスキーとユダヤ・ファシズム
http://asyura2.com/0505/holocaust2/msg/380.html
ユダヤ・ファシズムの系譜:ジャボチンスキーからシャロンまで(1)
http://asyura2.com/0505/holocaust2/msg/389.html
ユダヤ・ファシズムの系譜:ジャボチンスキーからシャロンまで(2)
http://asyura2.com/0505/holocaust2/msg/393.html
ユダヤ・ファシズムの系譜:ジャボチンスキーからシャロンまで(3)
http://asyura2.com/0505/holocaust2/msg/398.html
ユダヤ・ファシズムの系譜:ジャボチンスキーからシャロンまで(4)
http://asyura2.com/0505/holocaust2/msg/411.html
ユダヤ・ファシズムの系譜:ジャボチンスキーからシャロンまで(5)
http://asyura2.com/0505/holocaust2/msg/540.html
ジャボチンスキー著『鉄の壁(The Iron Wall:1923)』【全訳】

(B)現代シオニズムと現実のイスラエル
http://asyura2.com/0505/holocaust2/msg/888.html
和訳連載:シオニスト・イスラエルからの内部告発――共産主義とファシズムの国(1)
http://asyura2.com/0505/holocaust2/msg/900.html
和訳連載:シオニスト・イスラエルからの内部告発――共産主義とファシズムの国(2)
http://asyura2.com/0505/holocaust2/msg/904.html
和訳連載:シオニスト・イスラエルからの内部告発――共産主義とファシズムの国(3)
http://asyura2.com/0505/holocaust2/msg/911.html
和訳連載:シオニスト・イスラエルからの内部告発――共産主義とファシズムの国(4)
http://asyura2.com/0505/holocaust2/msg/928.html
「ユダヤ」の陰謀は大英帝国主義である(ヘンリー・マコウ著:全訳)
http://asyura2.com/0601/holocaust3/msg/103.html
シオニズム:ユダヤ人に対する陰謀(ヘンリー・マコウ著:全訳)

(C)ユダヤ・ロビー
http://asyura2.com/0601/war80/msg/285.html
米国ユダヤ・ロビーの「左右」の顔とその本体【M.フレイタス:IAR-Noticias】(前半)
http://asyura2.com/0601/war80/msg/337.html
米国ユダヤ・ロビーの「左右」の顔とその本体【M.フレイタス:IAR-Noticias】(後半)
http://asyura2.com/0601/holocaust3/msg/282.html
米国ユダヤ人高校生の告発、AIPACによる恐怖のマインドコントロール(全訳)

そしてこのたびの『米国:あるユダヤ国家(イズラエル・シャミール著)』の翻訳シリーズです。
http://asyura2.com/0601/holocaust3/msg/296.html
『米国:あるユダヤ国家』(イズラエル・シャミール著)全文和訳、第1回
http://asyura2.com/0601/holocaust3/msg/298.html
『米国:あるユダヤ国家』(イズラエル・シャミール著)全文和訳、第2回
http://asyura2.com/0601/holocaust3/msg/306.html
『米国:あるユダヤ国家』(イズラエル・シャミール著)全文和訳、第3回
http://asyura2.com/0601/holocaust3/msg/309.html
『米国:あるユダヤ国家』(イズラエル・シャミール著)全文和訳、最終回


●こうして並べてみますと、我ながらずいぶんと「ユダヤ・イスラエルいじめ」に励んできたものだ(笑)。いや、別にいじめているつもりは無いのですが、現代世界の危機の根源を探ってみると、どうしてもここに突き当たらざるを得ないのですね。

例えば中南米の現代史のように一見イスラエルとは無関係に見えるものでも、それは第2次大戦直後の「バチカン・ラットライン」によるナチ幹部の中南米逃亡から本格的に始まります。これは米国とバチカンが全面協力したもので、欧州で「役目」を終えたナチスのネズミどもが「新たな戦線」に配備されたわけです。そして欧州でそのナチスと兄弟のように成長したのがシオニストであり、彼らもまた中近東という「新たな戦線」に配備されました。そしてそれらを我が子のように(というか、我が子そのもの?)育てたのが、ブッシュ爺を含む欧・米・ユダヤの大資本家です。

「中南米戦線」については他の系統のシリーズで、主として「バチカン(オプス・デイ)いじめ」としてこの2年間ほど追及してきました。今からもその追手を強めていかなければなりません。そしてもう一つの「中近東戦線」の方を見るならば、いやでも「ユダヤ・イスラエルいじめ」にならざるを得ないわけです。

本当を言うと、もう一つ「アジア戦線」があるのですが、私は今のところそこまではちょっと手が回りませんが、これに絡む統一教会と旧勝共連合人脈、創価学会、および日本のシオニスト(左右)応援団に関しては、阿修羅で多くの人が追及しています。
(参照)
http://asyura2.com/0601/war81/msg/408.html
勝共連合、CIA、そしてビン・ラディン
・・・・【この中の http://www.asyura2.com/0502/war67/msg/837.html にお進み
・・・・ 頂きたいのですが、写真リンクなどの変更がありますので、上の投稿を
・・・・ ご参照ください。】

そしてその三つの「戦線」の結節点にあるのがアメリカ合衆国。どうしてもここに行かざるを得ない。1898年の「メイン号自作自演テロ」と「米西インチキ戦争」以来、本格的に世界帝国の道を歩み始めたこの国の正体は一体何なのか?ということになります。
(参照)
http://www.asyura2.com/0406/bd37/msg/286.html
スペインは米国の謀略テロ被害者第1号だった:メイン号事件から9.11へ
・・・・【http://asyura2.com/0601/war81/msg/469.html
・・・・ 投稿文中の「米西戦争」「メイン号事件」に関するリンクを変更します。】

そして、単に物質的・物理的要因だけではなく、むしろ三つの戦線を形作る理論的・文化的・精神的な要因までが、どうやらこの国でまさに一つになっているようです。
(参照)
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/389.html
米国指導部にとって、カトリック、プロテスタント、ユダヤ教はすでに「一つ」ではないのか?

もちろん、アメリカ合衆国が「ユダヤ支配の国である」という主張は以前からあるわけで、阿修羅ではすでにいろんな人の鋭い追及が数多く紹介されています。私としては、単に「政治・経済的な図式」としてのみならず、もっと根源的な精神と文化の構造からもこの点を追及していこうとしていたのですが、そのさなかに出くわしたのが、このA Yideishe Medina(A Jewish State:あるユダヤ国家)でした。


●私はこのイズラエル・シャミールの文章をこの6月の初めごろに発見し、それ以来少しずつ読解と翻訳作業を進めてきました。この文章の本文は2001年9・11事変直後に発表されたものですが、ようやく『ユダヤ・ロビー』が、不完全な形ではあれ、問題にされてきた今という時点で、この極めて重要な意味を持つ論文を再発表したシャミールの決断と慧眼に敬意を表したいと思います。9・11後の毒々しい戦争と「テロ」、憎み合いと殺し合いの中で、すっかり見失われていた未来を見つめる文明論的な視点に貫かれているからです。

またこの「A Yideishe Medina」を収録するGalilee Flowersが2005年秋にフランスで発禁本になった理由は、このようなユダヤ人自身による「内部告発」をフランス人に見せたくない、ということです。シャミールが指摘するように、米国はすでに、アマゾン盆地にある寄生生物によって作られた「電報の木」のように、中心部が空洞化し落日の様相を示しているのですが、「次はフランス」ということかもしれません。

以下に、このイズラエル・アダム・シャミールの文章を基点にした私からの若干の考察を、5部に分けて記しておきましょう。


(1)現在の危機と未来への希望を見つめた「文明論の視点」

この文章は決して単純な「ユダヤ批判」「イスラエル批判」でも「アメリカ批判」でもありません。9・11事変直後という、彼の言う『ユダヤ-アメリカ』文明の猛毒が世界中に向けて一気に噴き出そうとするときに、その凶悪な姿をありのままに見つめながら、その毒の正体を見極めてそれを中和する道を探ろうとするシャミールの冷徹な眼をそこに感じます。これは未来に向けた「新しい文明」を手探りで見つけていこうとする大胆かつ繊細な作業の『一里塚』とも言えるものです。彼自身が言うように「ある意味で、この論文は私の著述の集大成」でしょう。

シャミールはこの文章を、ユダヤ教の持つ強烈な毒素である『復讐』の分析から始めています。彼自身はユダヤ教を捨てギリシャ正教のキリスト教徒になっているのですが、それは、2000年前にイエスと名乗る一人のユダヤ人(エッセネ派あるいはクムラン教団というユダヤ教の反主流派を代表する人物かもしれません)が、同様にユダヤ教の持つ強烈で致命的な毒素に気付いてこれを高い次元で中和させていこうとした、その努力に倣っているものに見えます。

この意味でシャミールは、米国の「キリスト教」などもはやキリスト教とは認めていない様子です。彼にとって、ユダヤ教の一変種と化した「キリスト教」はそのままで「アンチ・キリスト教」なのでしょう。

同様のことは、やはりユダヤ人で英国聖公会に所属するモルデハイ・ヴァヌヌにも言えるように思います。ヴァヌヌがイスラエルの核開発の実体を暴露・告発して18年の刑を終えて出獄した直後のインタヴューの一部を見てみましょう。

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http://asyura2.com/0510/war75/msg/1002.html
イスラエル核開発を告発するモルデハイ・ヴァヌヌ氏へのインタビュー(全文和訳)

【前略】
V:そうですね。それは非常に良い質問で非常に大切なことです。あなたのおっしゃるとおり、人がこのような厳しい結論にまで行き着くことは尋常ではありません。・・・【中略】・・・ユダヤの種族は神に選ばれた唯一の民がいると教えます。彼らは旧約聖書に書かれてある一言一言を文字通り受け取りながら、彼らの優越性を説きます。そして私は、だからこそ2000年前と同様にこれらの考えがナンセンスだと見極めました。世界中には60億人の人間がいます。そして全員が平等なのです。全員が人類の一部なのです。そんな優越した一つの種族などありません。我々はすべて、お互いに尊敬しあい愛し合うべきです。そしてそこが、私がユダヤ教を拒否し始めた点であり、私がキリスト教を受け入れ、イエス・キリストの教えに従い人間性を受け入れた点なのです。・・・【中略】・・・世界はこの2000年の間に変わってきました。そしてユダヤ人たちはこの変化を受け入れて理解する必要があるのです。特に、民主的な国がほしいのなら。ユダヤ人たちが2000年前にやっていた通りには、一つの国を持ち運営することはできません。彼らはパレスチナに、聖書の名によって、彼らの神の名によってやって来て、何千年も前に約束された場所だからと言ってその土地を取り上げました。神の名において、彼らは土地を取り上げ、人々を追い出し、彼らに苦しみと残酷さとひどい生活を60年間も与えてきました。このような考え方は、この信仰は、この新しい時代に存在することは出来ません。そしてこれと同じ理由によって私は、イスラエルの核の秘密を暴露するに至ったのです。

【後略】
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必然的に、ですが、シャミールもヴァヌヌもパレスチナの分離独立には強く反対し、パレスチナの地でのユダヤ人とイスラム教徒たちの平和な共存を作るべきだ、と主張しています。実際に「パレスチナ独立」は詐欺でしかなく、たとえ実現したとしても国家と言う名のゲットーとなるのみでしょう。

それが可能かどうかということではなく、ユダヤ人たちが他者を拒絶し常に他者に対する復讐を追い求める限りやがてそれはこの十数年をかけて世界を破滅にまで導きかねない、という強烈な危機感があるためと思われます。経済的にも軍事的にも、何よりも情報とメディアを駆使する政治力の面で、ユダヤ人はそれだけの実力をすでに持ってしまっているのです。だからこそシャミールやヴァヌヌにとって、ユダヤ人を救い非ユダヤ人を救い世界を救う道の第一歩は、イスラエル自らが国内でイスラム教徒との平和共存を求めるようになること以外では無い、ということになるでしょう。

シャミールもヴァヌヌも、「異なるものの排斥」も「異なるものの征服」も拒絶します。それがユダヤ教の中にある根源的な毒素であり、ユダヤ人として生まれ育った彼ら自身が最も強く感じているものだからです。彼らの視野にあるものは、自分とは異なる他者の存在を前提とした、節度のある歯止めの効いた(シャミールの言葉にならうなら「チェックを受けた」)競争であり、あらゆる異なるものに平等にその存在の価値を認め合う「共存共栄」の文明観です。シャミールはそれを「十字架の新しい意味」と呼んでいます。


(2)「褒められると怒り出す」奇妙な人間たち

私は以前から、ユダヤ人という連中の奇妙な性癖に驚かされてきました。

どこの国の人間でも、たとえ敵からでも、褒められた場合には悪い気はしないものです。私のように祖国をほとんど捨ててしまっている人間でも何かの分野で活躍する日本人を見るのは楽しいものです。まして日本がその分野をリードする力があるのなら(残念ながら今のところアニメとゲーム機以外にあまりぱっとしたものは見つかりませんが)、欧州人の前で「どうだ、日本は世界を動かしているのだぞ」と思わず誇らしげに言いたくなってしまうのかもしれません。

これがユダヤ人となると、世界の経済の根幹を握り、米国の政界にあれほどに多くの人材を送り込み、科学と文芸の分野に君臨し、世界のメディアと情報を取り仕切っていることは、ユダヤ人自身はもとよりちょっと事情を知っている非ユダヤ人なら誰にとっても明々白々なことです。そしてこれはシャミールも言うように陰謀でも何でもありません。それが様々な悪業を伴った姿を見せているにせよ、それだけの組織力と知恵を持ち猛烈に努力をしてきた結果であって、彼ら自身としてはそれ自体を恥じる必要も隠す必要も無いことのように思えます。

以前に私は次の投稿で、ユダヤ系スペイン人の、スペイン・ユダヤ文化研究家J. パルド氏を紹介しました。

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http://www.asyura2.com/0510/war75/msg/662.html
否定論は未だに見つけていませんが、いくつかの興味深い資料をご紹介します。

【前略】
http://es.geocities.com/fanzinequefascine/num0/entrevpardo.html
ENTREVISTA A J. PARDO, ESTUDIOSO DEL JUDAÍSMO EN ESPAÑA

これは改宗ユダヤ人の子孫を名乗りスペインの中のユダヤ系文化に関する評論家であるJ.パルド氏に対するインタビューです。この中でパルド氏は、現在スペインのユダヤ系の人物として、フランコ将軍はもちろんのこと、ホセ・マリア・アスナール、フェリペ・ゴンサレスの両元首相の名を上げています。そして国王フアン・カルロス1世を『ジャルル・マニューと同様に、ダヴィデの血を引くユダヤ系』と紹介していますし、フランコが4つのユダヤ系の名前も持っていた、と語っています。そしてスペイン人の中にものすごい量のユダヤの血が混じっている、と胸を張っています。

【後略】
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このパルド氏、現在のスペイン社会をユダヤ系の人々が動かしていることを、実に誇らしげにまた楽しそうに語っています。そしてこれが人間の反応としてはむしろ当然のものでしょう。彼の話を聞いて「へー、ユダヤ人ってすごいんだ」と誰かが言ったら、もうパルドさん、上等なワインと生ハムで大歓迎してくれることは請け合いです。

ところが欧米の多くのユダヤ人たちは逆なのですね。シャミールの言うとおりで、『一言でも「ユダヤ人が米国を動かしている」と言ったが最後、あなたは大変なトラブルに放り込まれることになる』。誰もが昔から知っている「ユダヤ・ロビー」について、著名な論客が一言(それも不完全に)しゃべっただけで、「右」から「左」まで動員して、まるで蜂の巣を突付いたような大騒ぎ!!??

これを、「やっかみ」「恨み」が「反ユダヤ主義」を引き起こすことを恐れているからだ、と受け取ることはできません。以前から隠しようもないほど開けっぴろげだからです。「やっかみ」や「恨み」ならとうの昔から受けているでしょうし、そもそも米国のような「ユダヤ的」社会の中で、それが強力なユダヤ共同体にとって気にしなければならないほどの対象となること自体がありえないでしょう。

では、ヒトラーもそのように信じた、とかいう「ユダヤの陰謀」について言われることを恐れているからでしょうか。しかし米国人の多くは「ユダヤの陰謀」論は拒否しています。第一、「陰謀」などという隠れてコソコソやるようなレベルではなく、もうとうの昔に白日の元に堂々と出てきてあからさまな活動をしているのですから、どうせ言うなら「陽謀」とでも言った方が似合っている状態でしょう。

これが長い間の謎でしたが、このシャミールの文章を読んでナルホド! 先ほどのスペインのパルド氏は、血筋としてはユダヤ系でも、ユダヤ教の影響はほとんど無い人なんですね。そのユダヤ教の本質部分にあるのが『復讐』で、ユダヤ教のメシアはユダヤ人だけを救済してそれ以外は撲滅するか服従させる『復讐のメシア』です。そして復讐というものは「被害者」が「加害者」に対して行うものですから、『復讐のメシア』を待望する以上、ユダヤ人自体は必ず「被害者」でなければならない。

そのようなユダヤ人たちにとって、「支配者」として認識されることは逆に自分が「加害者」、つまり復讐される立場に回りかねず、そのユダヤ教の視点を根本から崩すことになります。これはちと困る。あくまで「被害者」であり続けるためには自分たちを「支配者」と呼ぶ者の口をふさがねばならない。それは言葉の正確な意味での「反ユダヤ主義」なのでしょう。こんなところが真相なのではないかと思い当たりました。

こうやって、もともと陰謀ではないものを「陰謀」にしてしまっているのはユダヤ人自身の態度ではないのか、という気がします。そもそもあのエドガー・ブロンフマンのような「新世界のロスチャイルド」、マフィア一家出身の大富豪が「被害者代表」を務めているというのですから、疑問を通り越して滑稽さすら感じます。

先日私は次の投稿をしました。
http://asyura2.com/0601/war81/msg/167.html
貴重ビデオ映像:ユダヤ人入植者のパレスチナ人に対する日常的暴力と憎悪

この中で、パレスチナ人に対して日常的に嫌がらせや暴力を繰り返して入植地から追い出そうとするユダヤ人たちの姿が映像で伝えられていたのですが、その中で、明白な加害者である彼らが、明白な被害者であるパレスチナ人に対して「復讐!」「復讐!」と叫んでいる姿が写っていました。パレスチナ人がそれを言うのなら筋が通るでしょうが。

しかしシャミールの文章でその理由がよくわかりました。「被害者」として『復讐』を叫ぶエネルギーが『求心ユダヤ人』社会を支えているのです。

そして現在、その復讐神崇拝が貨幣神(マモン)崇拝と結び付いているわけで、これは最悪といってよいでしょう。従来、その貨幣神の方は主として米国で、そして復讐のメシアの方は主としてイスラエルで活躍してきたのですが、9・11以降、この2つの姉妹国家が一体となって、カーリー神のように血に酔いしれ破壊のダンスを踊る・・・。シャミールにこの文章を書かせたのは、この抜き差しならぬ状況に対する絶望的なまでの危機感なのでしょう。


(3)「絶対悪信仰」

シャミールはユダヤ的なるものの中で、世界を破滅に追いやりかねない要素の一つとして「悪魔化」を取り上げています。これは単なる「悪口の対象」などではありません。これは「絶対善としての神」の単純な裏返し、一枚の絨毯の裏と表の関係である「絶対悪」なのです。私はシャミールよりももう一歩進んで、この「悪魔化」を『絶対悪信仰』と呼び換えておきます。

ちょうどモーゼがシナイ山で神に出会って、もう理性も理屈も筋道もぶっ飛んで、全面服従する以外になくなってしまったように、この「絶対悪」に出くわすと、もう理性も理屈も筋道もぶっ飛んで、全面拒絶する以外になくなります。エリー・ヴィーゼルの次の言葉がそれをよく現しているでしょう。

《全く非理性的だ・・・何の説明もつかない・・・何の理由も無い・・・、ただユダヤ人に対するあらゆる人々の純然たる嫌悪があるのみだ。》

「絶対悪」には《何の説明》も《何の理由》も考える必要はない・・・。それは《無い》のだから・・・。このホロコースト文学者は立派に『絶対悪信仰』の神官を務めています。

ユダヤ人は『絶対的被害者』であり『復讐のメシア』を待望する唯一正統な『選ばれた民』であり、ナチス・ドイツは『絶対的加害者』つまり永遠に呪われるべき「絶対悪」となります。しかしよく見るとそれは、《ユダヤ人に対するあらゆる人々の純然たる嫌悪》、つまりこの「絶対悪」をユダヤ人以外の《あらゆる人々》にストレートに延長させることを可能にする巧みなレトリックになっています。それは「ユダヤに敵対する」と彼らが思いついた者なら誰でもその対象となりうる、ということです。そして彼ら『絶対悪信仰』の神官たちは再びこう言うでしょう。

《全く非理性的だ・・・何の説明もつかない・・・何の理由も無い・・・、ただユダヤ人に対するあらゆる人々の純然たる嫌悪があるのみだ。》

実際には《非理性的》であり《何の説明も》つかず、《何の理由も》持たず、《純然たる嫌悪》に満たされる傾向は、むしろ彼らユダヤ人の方により強く見られるでしょう。
(参照)
http://asyura2.com/0601/holocaust3/msg/282.html
米国ユダヤ人高校生の告発、AIPACによる恐怖のマインドコントロール(全訳)
http://asyura2.com/0505/holocaust2/msg/446.html
「ユダヤ人には愛を! その他の者には地獄を!」・・ブルックリン(NY)の元ユダヤ人学校生の告白(Cytations)

いや、本当のことを言うと彼らの内部ではきちんと筋がとおり説明ができ理由が明白なのかもしれません。「我々は選民でヤツラはゴイムだ・・・。」

第XII章(3回目の投稿の最後の章)に書かれてあるデイヴィッド・クイン、ラビ・トニィ・ベイフィールド、ラビ・シュムエル・ボテアックといった人々の姿が、まさにこの『絶対悪信仰』を体現していると言えます。仏教文化の中で育った私などの目から見ると哀れな地獄の亡者に過ぎない。その業火は実は自分の内にある憎悪の炎であり、その激しい熱で自らを焼き焦がし続けている、そのようなおぞましい姿にしか見えない・・・。

当然ですがこれが9・11以後の米国の姿です。冷静に眺めれば「おかしいではないか」という点が、この種の連中にかかると、たとえ物理法則と矛盾しておろうが(WTC倒壊)、起こるはずの無いことが起ころうが(WTC7倒壊、1万メートル上空からの携帯電話)、あるはずのものがなかろうが(ペンタゴンでの飛行機の残骸)、無いはずのものがあろうが(ペンタゴンCリングのパンチホール)、やってはならないことが堂々と行われようが(物的証拠の廃棄処分)、やらねばならないことが行われてなかろうが(ペンタゴンの防空体制消滅)、・・・、一切お構いなし!!

そしてこう言います。
《全く非理性的だ・・・何の説明もつかない・・・何の理由も無い・・・、ただ米国に対するあらゆる人々(=テロリスト!)の純然たる嫌悪があるのみだ。》

非理性的であり、何の説明もできず、何の理由も考えられず、純然たる嫌悪に取り付かれているのは、これを叫ぶ連中自身なのですね。(誰とは言わないけど日本人にもこの手のキショク悪いのがいるんだよね・・・。)

《エリー・ヴィーゼルは、「あらゆるユダヤ人は、ドイツ人に対する憎悪の念――精力的な憎悪の念――の余地を、自分の存在のどこかに残しておくべきである」と述べていますが、このホテルでは、このようなことをほのめかしたりする人物は誰もいませんでした。ショックを受けた教授が世界ユダヤ人会議議長のエドガー・ブロンフマンに「あなたは数千のドイツ人を憎悪するように、すべての世代に教えこんでいる」といったことがあります。すると、ブロンフマンは、「いや、数百万のドイツ人を憎悪するように、すべての世代に教えこんでいるのです」と答えました。》
(参照)
ジョン・サック「否定派の巣窟にて」
http://www002.upp.so-net.ne.jp/revisionist/sack_02.htm


(4)歴史の『逆神話化』とホロコースト

通常、神話というものは神(あるいは神々)を中心にした物語で、人間の理解の仕方に《無条件・理屈抜きのコンテキスト》を与えてしまうものです。これは第2次大戦前の日本で「紀元は2600年」という歴史の神話化が与えた影響を考えればすぐに分かることでしょう。しかし神話はこのような明らかに荒唐無稽な要素で出来上がっているとは限りません。現実に生きる人間に《一つの無条件・理屈抜きのコンテキスト》を与えるために、歴史に「生き生きとした意味」を与えること、これが歴史の神話化です。

例えばスペインは、つい30年ほど前までフランコの独裁政治に苦しんできたのが民主化と自由化を求める大衆が勝利してついに民主的な国家となった・・・。これは「神話」であって、実際は独裁政治を支えてきたオプス・デイによる方針の転換をそのように演出しただけのものであったわけです。
(参照)
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/215.html
【第2部:オプス・デイの正体】

この「民主スペイン」の本質は、ETAのテロに対する「左翼」社会労働者党による「逆テロ謀略」や独裁時代と変わらぬ政治腐敗、9・11と3・11に関連する徹底した「イスラム・テロ」プロパガンダ、でっち上げ逮捕、デタラメ裁判などで、とうに化けの皮がはがされているのですが、この「民主化神話」の《無条件・理屈抜き》の強烈さがそんな事実を事実として発言することを許さないのです。60年ほど前の日本の「民主化」はどうだったのでしょうね。これは各自でお考えください。

ところで天才的なユダヤ人たちは新たに素晴らしい神話のスタイルを発明しました。神ではなく悪魔、つまり「絶対悪」を中心にした物語です。これを、歴史の『逆神話化』とでも呼んでおきます。そしてそれがユダヤ教の中心にある『復讐のメシア』に対する信仰に実にうまく一致していることに注目しておくべきでしょう。

そこで「絶対悪」を演じるのがナチスでありホロコーストであることはいうまでもありません。ここでホロコーストについて「あった、なかった」の話をするつもりはありません。その代わりにシャミールの次の言葉を掲げておきましょう。

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http://www.asyura2.com/0505/war74/msg/722.html
イスラエル・シャミールがシオニズムとの闘いを語る(レッ・ボルテール、レベリオン

【前略】

[カットリ]あなたへの反対者たちは、あなたがユダヤ人へのジェノサイドの重要ポイントであるナチスの絶滅収容所の存在を疑っている、と言うのですが、確かでしょうか。
[シャミール]そんな否定論の問題については全く知りません。一体どうしてフランス人が第2次世界大戦のことについてそれほど議論をするのか、それすら理解できません。それははるか昔に終わったことなのです。しかしご質問をされたのだからお答えしましょう。私が厳しく詮索するのはホロコーストに基づいた論調なのであって、その行為自体ではありません。これらの行為は一つの論調にそれをはめ込む瞬間から明確な意味合いを帯びてくるのです。そのホロコーストに基づいた論調は、一人のユダヤ人の生と死がゴイ【非ユダヤ人:訳注】のそれよりもずっと重要であるという考えに連結しています。私に言わせると、ホロコーストは、ヒロシマやドレスデンやあるいはレニングラードでの飢餓状態などの、他の戦争犯罪よりも悪い、と言えるものではありません。それは1939年から1945年までの間に作られた恐ろしい出来事の一つなのです。ホロコースト特有の宗教的・歴史的な意味は、私は拒絶します。私にとってそれは、あの戦争についてもっと平等な視点を持つ他の議論と並び立ちうる一つの思想を構築することなのです。

【後略】
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シャミールが拒否するのはホロコーストと第2次世界大戦の『逆神話化』であり、一貫して主張していることはあくまでもその相対化、客観化です。それをヒステリックに拒絶し、《「ユダヤ人600万人!」以外は「人類?」に対する犯罪である! 「ユダヤ人600万人」を否定した!それ以外の何の条件も理由も必要ではない! そのような者には牢獄以外に行く場所は無い!》と言っているのが、シオニストと、それに従うしか能の無い欧州各国政府です。これが歴史の『逆神話化』の実際です。

もう「あったか、なかったか」の話ではないのですね。例えば、もし欧米でアウシュヴィッツ博物館館長のピペル博士の説を元に「600万人が300万人に減った」などと言おうものなら、いくら「私は肯定派だ」と叫ぼうとも否定派つまり「絶対悪」とされてしまうでしょう。(疑う人は一度試してみる?)この『逆神話』がある限り歴史など存在しません。シャミールが拒否しているのはこのような状況なのです。

「あったか、なかったか」は、アウシュヴィッツとビルケナウの「ガス室」を世界中の人が自由な立場で科学的に調査・分析・研究すれば客観的に分かることです。様々な人々の主観や思惑や立場が混在し、本物とも捏造とも付かぬ「資料」が溢れている以上、客観性を与え得るのは科学法則だけです。それを許さないのが『絶対悪の逆神話』で、私はこれに反対し抵抗する人だけを尊重します。


(5)未来への希望とシャミールの祈り

我々は決して彼らの『絶対悪信仰』を見習ってはならない。もし逆にユダヤを「絶対悪」とするのなら、それは、ユダヤのそれと共に両側から地球と人類の破滅を導くのみです。第2次世界大戦で起こった数々の巨大な悲劇は彼らの『絶対悪信仰』と『歴史の逆神話化』から解放されなければならない。そして自由で客観的な研究を通して、未来の(もしも未来があるのなら)世界のために「共存共栄」の新しい文明のための貴重な資料、教訓とすべきものでしょう。そしてそれが、現在起こりつつある悲劇を少しでも軽減させ、未来につながる一つの新しい文明の形を作るきっかけになるのかもしれません。

イズラエル・シャミールも語っていることですが、ユダヤ人であろうと他の誰であろうと、その存在を拒否されてはなりません。今は「猛毒」として表に現われている「ユダヤ的なるもの」なのですが、これすら拒絶すべきものではない。すでに40年ほど前にリン・マーギュリスが実に素敵で豊かなイメージを与えてくれています。自然界の本質は、競争以上に共存であり共栄なのです。

三十数億年前の地球に、太陽の光を利用して水を分解し光のエネルギーを化学的エネルギーとして蓄えることのできる新たな生物が出現した。しかし彼らの吐き出す酸素は地球の生物圏に住む他の原核生物たちにとっては致命的な猛毒であり、おそらく多くの種が死に絶えたと思われる。しかしその中に、分厚く柔軟な膜構造でDNAを酸素から守り他の生物を捕食する生物、また逆に酸素を有効に利用して高い能率でエネルギーを解放させる生物が現われた。やがてこれら3つの不倶戴天の敵同士であった生物たちは一つの体の中で共生し始めた。真核生物、つまり我々の先祖の誕生である。

この作品の最後を飾る第XVI章は、自分と同じ血を分け合うアシュケナジ・ユダヤ人たちに対するシャミールのほとんど『祈り』ともいえる言葉です。9・11事変直後の恐ろしい予感と鬼神のように矛を振り上げる同胞達、そして姉妹たる米国人のおぞましい姿への、身の毛のよだつ思いに耐えながら、しかしこれほどに冷静かつ熱いまなざしで人類全体を見つめる作者の眼は、真に尊敬に値するものと言えるでしょう。私もその『祈り』を共有することとします。
(参照)
http://www.asyura2.com/0505/war72/msg/554.html
私は逆にユダヤ人たちの中に希望を見つけたいと願っています


以上です。

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ついでに、ですが、私は今週末から8月初旬まで夏眠に入りますため、3週間ほど阿修羅を訪問できなくなくなります。ご了承ください。

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