★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 議論16 > 1002.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
イラク邦人拘束は「地獄への道には善意が敷き詰められている」一例であり国内問題でもあるのかもしれない
http://www.asyura2.com/0401/dispute16/msg/1002.html
投稿者 HAARP 日時 2004 年 4 月 09 日 14:53:01:oQGUNb5q8hjD.
 

【イラク邦人拘束は「地獄への道には善意が敷き詰められている」一例であり国内問題でもあるのかもしれない】

今回のイラクでの邦人拘束は「慣れ親しんで」いるモサド等による「現場作業」とは少し違う臭いがする。

国内の関係資料を当たってみると、高遠さんの主張は最近くわしく見せてもらった長壁さんの「論調」に非常に似ている。今井氏の主張や行動も概ね似たようなところにあり、出身高校も共産党の影響が強いと言われるもので(学校は今井氏の行動を「側面から協力していたというテレビ報道もあった)、カメラマンの郡山氏も朝日新聞との関係が強いと報道されている。

この3人のバックグラウンドは所謂「善意のもとの社会主義」というものだろうが、この善意の裏には「国際共産主義」の長い歴史がある。これは”彼ら”の道具であり、この3人もかなりの強度で「洗脳」が効いていたものと思われる。
この場合、この3人の行動の動機は、主観的な「純粋な善意」ということになる。


*国内報道には、「どうもよくわからない」ものが散見される*

【既出かもしれませんが・・・「サラヤ・ムジャヒディン(聖戦士軍団)」の設立趣意書と犯行声明】
http://www.asyura2.com/0403/war50/msg/1005.html
投稿者 木田貴常 日時 2004 年 4 月 09 日 11:16:03

この投稿には、「サラヤ・ムジャヒディン」という組織が今回急に現れたものではないことを「オーソライズ」する「朝日」の記事が転載されている。
拘束された、朝日と契約関係にあったとされるカメラマン(郡山総一郎さん(宮崎県のフリー・カメラマン?←週刊朝日の身分証が捕獲写真に写る:戦争50、862html)と、朝日の関係を示すアサヒ・コムのページは即座に削除されているようだ。

同じく拘束された、高遠さんの官邸へのEメールは以下のようなものだが、

【高遠さんはこんなメールを官邸に送っていた】
http://www.asyura2.com/0403/war50/msg/900.html
投稿者 ぷち熟女 日時 2004 年 4 月 08 日 23:52:20

この出典は「労働者社会主義同盟」の「機関誌」になっている。
http://www.rousyadou.org/

この団体はあからさまに「国際共産主義」へのシンパシーを表明している。(資料に添付)
http://www.rousyadou.org/yobikake.htm


一方アサヒ・コムの報道による犯行声明は、非難の鉾先を米軍に集中させ(英軍の解析はしていない)、その共犯者を日本とし(これは当然か)、自衛隊の撤退を要求している。
また、「ファルージャでやった以上のこと」をやると言っているが、それは事後報道では「八つ裂きや吊し」ではなく「焼き殺す」ことだそうだ(しかも3人同時:これは要求が通るまで一人ずつ殺すというのがテロリストの常道と思うが)。

【『「あなたたちの国民は我々の手の中」 犯行グループ声明】
http://www.asahi.com/international/update/0408/017.html

イラクで日本人を誘拐した犯行グループの声明文は以下の通り。

 <犯行グループの声明文の要旨>

 神の名のもとに

 この世の中にいるいろんな国民がみな良い関係になるように生きなければならない

 (以上はコーランからの引用)

 日本の友人たちへ

 日本の国民はイラク国民の友人だ

 我々、イスラム教のイラク国民は、あなたたちと友好関係にあり、尊敬もしている

 しかし、あなたたちはこの友好関係に対し、敵意を返してきた

 米軍は我々の土地に侵略したり、子どもを殺したり、いろいろとひどいことをしているのに、あなたたちはその米軍に協力した

 今、あなたたちの国民3人は、我々の手の中にいる

 そして、あなたがたは二者択一をしなければならない

 自衛隊が我々の国から撤退するか、それとも彼ら(3人)を殺害するかだ

 ファルージャでやった以上のことを3人にもやるだろう

 このビデオを放映してから、要求を実行するために3日間の時間を与える

(04/08 23:09)』
----------------------------------------------------------------------------------------
そして、この誘拐グループは「韓国人牧師」も同じく拘束していたという記事がある。

【イラク邦人人質:「拘束時、日本人を見た」 韓国人牧師(毎日新聞)−−−どうもよくわからないんですが。】
http://www.asyura2.com/0403/war50/msg/1019.html
投稿者 竹中半兵衛 日時 2004 年 4 月 09 日 12:19:45:

『たしかイラクはイスラム教の信者が圧倒的に多い国、でしたね。
なのに、韓国人牧師たちは7人もやってきて信仰心の厚いイスラム教徒にキリスト教を布教することができると信じているのか。

>犯行グループは「米国、英国、日本人は全部殺せ」などと口走り、日米英3カ国に対する強い敵対意識を隠さなかったという。

ここが腑に落ちない。
彼らの言を素直に受け取れないのは私一人でしょうか。

韓国のキリスト教についてはさっぱりわからないので言及のしようがないが素朴な疑問が残る。』

韓国はイラクに大量の労働者を送ってきたという経緯があり、イラク内に韓国ネットワークが形成されていたはずである。このようなネットワークは、韓国の「キリスト教の布教」に利用されていただろう。
当然、このような「ミッション」の資金源と動機は「統一教会」が大きな比重を占めていると思われる。

この犯行団は韓国に対して「犯行声明」は出していないようで、後に解放し、あくまで「自衛隊の撤退」に拘っているように見える。

そしてこの「サラヤ・ムジャヒディン」の自衛隊撤退の要求は、拘束された3人の従来からの主張と「一致」する。これは拘束までの経緯の事実はどうあれ、拘束された3人の「善意」が世界に宣伝されたということにもなる。
結果的に「共犯」という事実は奇妙である。

今井氏を支援する団体のHPにはまた、奇妙な発言が掲載されている。

http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=1023

【自衛隊撤退のキャンペーンを開始します。】

2004-04-08
これから、自衛隊撤退のキャンペーンを開始します。
どうか、みなさんもご参加ください。
小泉首相に「自衛隊撤退」を要求したいのです。

現段階で自衛隊がイラクに駐留するのは、明らかに違法です。
もちろん憲法にも違反しています。
これを放置することはできません。
どうか、政府に「撤退」を要求してください。

映像が流れてから、あちこちから電話が殺到していますが、
これからはキャンペーンに集中しますので、
しばらくはお電話はお控えいただきたいと思います。

それでは、また!
----------------------------------------------------------------------------------------
これは「拘束報道」を受けてのコメントのようだが、3人の拘束よりも「自衛隊撤退キャンペーン」に重きを置いているように見える。これは今井氏に近い団体として奇妙だ。

今井氏拘束の報道に関しても以下のような奇妙な言い回しになっている。

http://www.creative.co.jp/top/main.cgi?m=1022

【イラクで日本人三人の身柄拘束★今井くんが捕まったぁ!】

2004-04-08
3人の日本人の身柄がイラク人によって拘束され、
自衛隊がすぐに撤退しなければ、殺害すると宣言したことを、
アリジャジーラが放送したそうです。

3人のビデオ映像は今夜発表されるそうですが、
このニュースを聞いて、ドキッとしました。

というのも、ついこの4月4日、
「エコろじー」の記者でもある今井くん(この春高校卒業)が、
イラクに向かって出発していたからです。

出発前はお互いに忙しいこともあって、
しばらく会えないでいました。
アンマンに到着したとは聞いていたのですが、
その後のことは全く不明です。
無事であることを、ただ祈るばかりです。

それにしても、いよいよイラクは大変なことになってきました。
ブッシュの犯罪と、それを支持した小泉首相は、
いったいどのように責任を取るつもりでしょうか。

自衛隊が派遣を認められたのは「非戦闘地」でしたし、
航空自衛隊の活動もごく限られていました。
しかし、空自は「武装した米兵」を輸送していますし、
サマワの陸自宿営地にも砲弾3発が撃ち込まれました。
なのに、なおもイラクに留まるのは、明らかに違法です。

もし、本当に3人の人質が殺害されたりしようものなら、
これは、小泉政権が殺したも同じです。

今晩は、緊張しながらビデオ映像を待ちたいと思います。

あっ、いまエイゾyが出ました。

今井君の写真がありました。
恐れていたことが、現実化してしまいました。

■3人の若者たちを救うための緊急行動を!■
2004-04-09 自衛隊撤退のキャンペーンを開始します。
2004-04-08 イラクで日本人三人の身柄拘束★今井くんが捕まったぁ!
2004-04-08 ファルージャ/米軍がモスク爆撃、ゲリラの死体なし
2004-04-08 イラク衝突:米政府、泥沼化の懸念強まる
2004-04-08

------------------------------------------------------------------------------------------
緊急な命の危険がある関係者に関して、「★今井くんが捕まったぁ!」という表現をするのは個人的には理解できない。
全体にあまりに緊迫感がなくなにか嬉しそうにも読める。

その他、高遠さんのコネクションでも目に止まるのは、宮崎の「ボランティア団体」がある。

http://www.iraqhelp.jp/99915471/
イラク救済基金

設 立 2003年11月
代 表 大平 直也
活動内容 イラクの戦争被害者への援助
事務所 宮崎県 宮崎市
イラク バクダット市
構 成 代表者含めすべてボランティア
日本での活動 講演会や写真展を通じてイラクの現状を伝える。
基金をあつめ、イラクへ届ける。
主な支援先 バクダット市内の病院
バクダット市内の小中高校
路上生活少年(ストリートチルドレン)
他にも設備支援

イラクでアドバイスを
 いただいている方【 高遠菜穂子さん】
http://www.clubwee.com/

ご意見 iraq@myad.jp
基金の振込先 郵便局       00950-2-267279      「イラク救済基金」
みずほ銀行 大阪中央支店 普通 2794061 「イラク救済基金」

------------------------------------------------------------------------------------------
この団体は「宮崎の女子高校生が小泉首相に反戦の手紙を送った」という報道があったが、この女子高校生の今村さんの父は、イラクで襲撃された外務省員井ノ上正盛氏の中学のときの担任だったそうだ。

http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040209
「イラク復興支援についての請願書」に関するお願い 

             2003年12月12日 まのあけみ

イラクで殺害された外交官、故井ノ上正盛氏の出身校の在校生 今村歩さんが署名活動を始めました。更に井ノ上氏は、歩さんのお父さんが中一の時担任をしました。ヨーロッパやアフリカを旅した今村先生に、井ノ上少年が関心を持ち、自宅にも遊びに来たそうです。

歩さんはイラクの事が一挙に他人事でなくなり、身近な人達で悲しみ、怒っているだけでは、この思いはどこにも届かない!と署名活動を決意しました。

校内でも呼びかけようと、出来上がった署名用紙をまず、教頭先生に持って行った所、高校名を伏せる様にといなされました。

何故?!どうして?!と彼女が憤った思いが、私の所にFAXで届きました。彼女は、一刻も早く署名をやるために、あえて文面に高校名や高校生である事を削除しました。

 打算的な大人の姿を直視すると共に、一緒に動いてくれるご両親の姿は、どんな風に歩ちゃんに写ったのでしょう。歩ちゃんの呼びかけに、私も遅ればせながら立ち上がり始めました。どうか皆さんもご一緒下さい!

 詳しくは 縁sing事務局から続けます。

   < 署名について >

「1月20日 をめどに回収したい」との要望ですので、1枚でも2枚でもそれ前迄に 下記「縁sing事務局」までお送り頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。

   〒496−0836愛知県津島市中野町7番地・吉祥寺内

            縁sing まのあけみコンサート事務局   
------------------------------------------------------------------------------------------
宮崎は、郡山カメラマンの出身地とも報道されている。                     

一方北海道千歳市出身と報道されている高遠さんの本拠にしていると思われるHPでは募金を呼びかけているが、

http://www.clubwee.com/

■プロフィール
■イベント情報
■飲食店マップ
■イベント告知掲示板
■みんなの掲示板
■NATURE LETTER
(インドより愛をこめて)
■リンク集

★『NATURE LETTER 』が増刷(3刷)になりました! 当サイトの主催者である高遠菜穂子が東南アジアの国々の旅の合間に HP上にて書き綴った日記『NATURE LETTER』が本になって登場!!
全国書店にて好評発売中!1,000円
文芸社のHPに詳細が出ています! ”高遠菜穂子”で検索してみてください! 文芸社HPはこちら

 クラブウィー発行人の高遠菜穂子は現在、イラクで”THE ACT AS A HUMANBEINGS(一 人の人間としての行動)”実践中です。プロジェクト名は”BACK TO LIFE キャン ペーンFOR ストリートチルドレン”です。プロジェクトはセカンドステージ、心と体 と洋服を洗う”WASH THE STREET CHILDREN"に移行しつつあります。活動報告は”み んなの掲示板”と”NATURE LETTER〜インドより愛を込めて〜”を見てね!

++++++++++++++++
 寄付金口座OPEN!しました
 千歳白樺郵便局
 02750-3-62668
 イラク支援ボランティア 高遠菜穂子
++++++++++++++++

*寄付金受領時のお礼状等は省略させていただきます

タントラヨガマスターの世界。ヨガ、瞑想、そして各国のカレーの作り方が実に詳し くわかりやすい!高遠菜穂子おすすめサイト!!!


HipTrap Clothing
石塚さん(左)、菅原さん(右)

はじめまして!ネット販売から始まった当店も、 在庫の増加に伴い、店舗販売もスタートしました! 555SOUL,LITHIUM,DIAS DEL SOL,BOOP,TOMMY GIRL等のストリート系ブランドや、 海外からの買付け商品がMens,Ladiesともに充実しました! Webからは当ページ右上の当店バナーをクリックしてください! わかりづらい場所ですが、気軽に遊びにきてください!
当店の所在地地図はこちらです。
--------------------------------------------------------------------------------------------

「寄付金受領時のお礼状等は省略させていただきます」という一文は、また奇妙に思う。
集金した金の明細くらい募金者にフィードバックしようとは思っていないのだろうか。
不明瞭な会計はボランティア団体によく見られる傾向であり、何らかの組織と繋がっているケースは多い。

概略してみると、今回の「拘束劇」は「イスラム原理主義者」が見せる、実は英米イの特殊部隊の仕込みによるような「残虐性」が見られず、自衛隊に「特化」しているというところが奇妙だ。

これは、結果的に即時に撤退が出来るはずもない小泉政権には「テロに負けないで闘いを強化」する口実を与え、益々世界の軍産複合体への「利益供与」を促進し、おまけと見えながら実は本流かもしれない「監視社会の強化」の流れを決定付けしてしまうものだ。チェイニーあたりは、腹の底ではボーナスにでもありついたと思っているのではないだろうか。

地獄への道には善意が敷き詰められている。

-------------------------------------------------------------------------------------------

【資料】

http://www.rousyadou.org/yobikake.htm

私たちのよびかけ
 日本労働者党と建党同盟の統合にあたって
 

 一 

 私たち日本労働者党と建党同盟は、共産主義への熱い想いを共有し、日本における社会主義運動の再生・強化と、新しい未来を切りひらく事業を勤労人民とともに進める決意をもって、いまここに両者の組織を統合することを決定した。新しい組織の名称は「労働者社会主義同盟」である。

 この両者の組織の統合は、めざすべき共産主義者の統一と革命党建設への新たな出発、あるいはその一つの結節点である。社会主義に未来があるとすれば、ここにいう「私たち」はより多くの「私たち」に転化する可能性、いや必然性をもつだろう。またそれぞれの出自と歴史的経過、組織の大小や活動の後先などさまざまな違いを越え、小異を残して大同につく精神で誠実に努力されるべき統一の事業の強化は、お互いの願いであるとともに、時代の要請である。私たちは今回の両者の組織的統一を通じて、社会を変革する共産主義者の強大な党をつくるためいっそう奮闘するものであることを表明するとともに、この決断がさらに多くの、こころざしを同じくする全国各地の共産主義者の協同と統一の事業の発展に役立つことをこころから期待する。 

 二 

 私たちを取り巻く世界の情勢、とりわけアジアの情勢は、今日、極言すれば現代世界の開始を告げたフランス革命以来の世界史的一大転機にある。共産主義の実現をめざす社会主義運動は、すでにロシア革命から数えても八〇年の歴史を経、「革命と戦争の世紀」といわれてきた二〇世紀を終えて、いま二一世紀を迎えようとしている。この間、国際共産主義運動はさまざまな困難にみまわれながらも帝国主義や反動勢力と闘い、人類の解放をめざして不屈に闘いつづけてきた。そしてその過程には正反各種の多様でかつ貴重な、勝利と敗北、栄光と挫折の経験があった。とりわけ一九八九年のソ連・東欧圏の崩壊は、私たちにこれまでの国際共産主義運動とそれにまつわる認識のすべての再検討を迫る決定的契機となった。ロシア革命以後つぎつぎと生まれた「社会主義国家」は現在すべて変質して資本主義システムのなかに包摂され、共産主義の実現をめざす社会主義運動の壮大な実験はひとまず挫折した。この過程で私たち共産主義者個々とその組織体が反省すべきことも少なくない。

 こうした歴史状況にあって、今日、社会主義と共産主義への否定的なキャンペーンが全世界的規模で横行し、共産主義運動はその発生以来、最大の歴史的な困難にみまわれている。支配的イデオローグはもちろんのこと、かっては左翼と目された多くのイデオローグたちも社会主義の破産の大合唱に加わっている。「イデオロギーの時代は終わった」というイデオロギーが大手を振ってまかり通り、かっては勤労人民に社会主義の輝かしい未来と、闘い生きることへの希望を語ってきた者たちまでが、こんどは人民から社会主義の未来を奪いとり、絶望に追いたてている。

 しかし、社会主義は本当に資本主義に敗北したのだろうか。社会主義は人類の未来だというのはウソだったのだろうか。そうではない。

 旧来の社会主義諸国とそれらを中心とする共産主義運動が帝国主義に敗北し、資本主義の世界システムのなかにとらえられてしまったことは紛れもない事実である。しかし資本主義の危機は消失したのではない。また共産主義をめざす勢力が消滅したわけでもなく、それは遅かれ早かれ必ず蘇生してくるだろう。資本主義は世界の限られた部分と階層にかってない物質的豊かさと飽食の世界をもたらした。だが、その内実における貧富の差の拡大と腐敗もまたかってない規模と深さのものになり、さらに旧来の社会主義諸国を解体して自らのシステムの中に包摂した分だけ一層資本主義の矛盾は激化し、「発展途上国」はもちろんのこと、今日では先進資本主義諸国の国家的自立性さえ脅かすほどまでに世界化することによってしか、その生存が保障されない危機に陥っている。資本主義の勝利なるものは、「わが亡き後に洪水よ来たれ」とマルクスが引用した言葉をむしろ現実化し、そこに接近させてきている。 

 三 

 とくに一九九七年の夏以降、日本だけでなく東アジア全域の諸国を急襲している通貨危機と同時株安の嵐は、「社会主義」に「勝利」したはずのドルを基軸にした世界資本主義が、「カネ」そのものまでも商品にするほど病んでおり、諸国人民の生活を破壊し尽くしていくものであることを誰の目にもみえるものにしてきている。いわゆるビッグバンの全面展開を前にしている日本経済はまさに「大破局」の事態を迎えて、資本も政府も立ちすくんでいる。戦後の歴史でもかってなかった情勢が私たちの眼前で展開しており、状況は「昭和」の初めの金融恐慌から、金解禁を機会にして世界大恐慌の渦にまきこまれた歴史の再現を予想もさせている。現代資本主義のこの鋭い危機は、根本的には社会主義の真の再生に向けての闘いなくしては解決しないだろう。しかし現状でいう限り、資本主義を建て直すことで、その危機から逃れようという施策と、思想攻撃が人民に向けて仕掛けられている。

 現在、日本全体に吹き荒んでいるいわゆる「行財政改革」なるものは、一国資本主義が世界的な視野での対応を迫られていることに由来する苦悩の形相をあからさまにしているものである。また日本版金融ビッグバンという言葉になぞらえていうならば、反動的な国家ビッグバンが強行されようとしているともいえよう。これは国家の支配層にとっては起死回生の策かもしれないが、こうした大バクチの巻き添えにされ犠牲を強いられるのは勤労人民である。そうでなくとも、勤労人民はすでに塗炭の苦しみにさいなまれており、生活と家庭と健康の不安だけでなく、精神の荒廃状況の中に追い込まれている。最近の青少年犯罪の激発はこうした矛盾の発露の一端にすぎない。加えて権力は、本質的には「戦争マニュアル」というべき「日米防衛協力指針」の下での日米の戦略的攻守同盟を国家の進路として選択しようとしている。「日米準合同軍」を創るに等しいと米政府代表がいい切るこの選択は、わが国の戦後の歴史で最悪の選択の一つであり、かって日本帝国主義の侵略支配にさらされ、それと血を流して戦ったアジアの広範な民衆のすべてにとって新たな有事を迫るものであり、同時にそれに基づくいわゆる「有事法制」化は、憲法体系を根本的に破壊し、枯死させるものである 。

 資本主義のサバイバル戦略は結局は「死にいたる道」であり、この矛盾の真の解決は軍事力の拡大とか行使などでできるものではなく、根本的には社会主義の実現以外にありえない。これが私たちの認識であり、確信である。

 勤労人民は資本主義のもとでいかに呻吟しようと、だからこそ、多くの人びとが、社会主義という未来、社会主義という希望を信じて闘ってきたのではなかったか。その社会主義が資本主義に敗北したのだとすれば、勤労人民の未来はなくなったも同然であり、絶望に陥るか、いかがわしい「宗教」に来世を期待するほかはない。採算と効率と競争本位の搾取と収奪の資本主義の下では真に人間的誇りをもつ人びとの生活は絶対に保障されない。資本主義の「成長・発展」と、自然および人間の破壊とは同義である。社会主義とは人間の声であり希望である。

 だからこそ、敗北した「社会主義」とは何か、再生し、勝利する社会主義とは何か、今日、私たちはそれを鮮明にし、実践していく歴史的作業の途上にいる。この世界に虐げられた者があり、働く勤労人民が存在し続ける限り、共産主義の理念とそれを目指す運動は壊えさることはない。私たちには、勤労人民に社会主義の未来と希望について語り、勤労人民が再び革命的情熱と生きがいをとりもどすのを励まし、導く義務と責任がある。人間と自然との格闘と共生の土台の上に展開された歴史は階級闘争の歴史であり、弱い者、虐げられた者たちが、やがて勝利し、時代を変えてきた歴史である。強いもの、大きなものが必ず勝利するのなら、ギリシャもローマも秦も漢も滅びることはなかっただろう。私たちにとって必要なことは、過去の歴史に対する正確で誠実な認識と、人間の将来に関する楽観的で科学的な歴史認識、この二つの歴史認識をしっかりと掴みとり、それを少しでも多くの人々の共有のものにすることである。私たちにとって「今が歴史そのもの」なのである。 

 四 

 こうした立場から共産主義運動の歴史的再生を果していくに当たって、私たちは、七十五年の歴史をもつ現在の日本共産党を、その政治・組織路線を含む根本に関わる幾多の問題点からみて、日本革命を勝利に導くことのできる革命政党とみなすことはできない。この党は、とりわけいまなお唯一前衛党論をとっており、この間の彼らの側の主観的説明にもかかわらず、現在のところなおスターリン主義と呼ばれる路線、すなわち崩壊した旧「社会主義」諸国とその指導的思想と同根のものをもっている。この克服なしに革命を真に勝利に導く革命党は建設できないだろう。

 私たちは情勢の理解から旧来の社会主義の敗北の根拠、さらに社会主義に向かう変革の道筋などの問題で認識は基本的に一致できているが、今後に残されている問題が決して少なくないことを率直に確認する。にもかかわらず、私たちがいま獲得している共通性は、今後の運動の限りない可能性を必要かつ十分に保証しているし、残された課題は、統合する私たち自身のこれからの共通の自覚的努力はむろんのこと、より多くの共産主義者・社会主義者との協同の作業の中でこそ解決されていくべきものだと考えている。こころざしを同じくして異論を排除せず、それをむしろ発展のバネにすることが、私たちの間における相互の関係の基準の一つにならなければならない。

 この立場にたって私たちの綱領を提起する。これは上に述べた観点から、当然にも完結したものではないし、闘う仲間と一線を分かつための独善的なものではない。それは現状では多くの未解決の論点、深化させるべき問題点を残しているのであって、今後の私たちの組織の建設・強化、闘いの実践と一体になって、また社会主義の革命を志向している信頼できる多くの共産主義者の批判と協力にも助けられながら、たえず見直され発展させられるべきものだということを前提にしている 。

 歴史に少しでも立ち遅れることはできない。そのことに責任を担える主体の実現に今こそ果敢な挑戦と前進をしなければならない。革命の前進と勝利のために、運動の分散ではなく協同と統一へ。二一世紀を切りひらくべく決意する共産主義者は、いま有効なあらゆるレベルでそれが実現するよう、自ら努力しようではないか。私たちは自らの実践と決意をもって、共産主義者を自覚する多くの人びとに新しい協同の努力を呼びかける。同時に私たちは、これと主旨を同じくするいかなるイニシャティブをも支持し、それに誠実に対応することを表明する。 

 (労働者社会主義同盟結成大会・1998年2月)

 次へ  前へ

議論16掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。