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(回答先: 今、再び神戸事件の真相を問う-----(1)神戸事件で巨大マスコミは、自殺した (早稲田大学新聞 2002.6.27) 投稿者 竹中半兵衛 日時 2003 年 10 月 30 日 10:12:16)
朝日は世論を「暗い森へ」と誘った
司会: 朝日は神戸事件の報道において、誤報と捏造記事とによって、世論を巧みに「暗い森」(資料E最終行)へ誘ったと思います。それはさきほどの「学校バッシング」の件だけでなく、他にもいっぱいあります。たとえば、例の「バモイドオキ神日記」(資料B)。これは朝日だけが真っ先にリークしたんですが、神戸新聞社に届いた第二犯行声明と「字体が似ている」などとデタラメを書いた。犯行声明は「は」という字の右下に点を付けるのが癖なのですが、「バモイドオキ神日記」にもそれがあった、と。ところが、後に『フォーカス』に載った写真を見ると、そんな点はまったくないんです。また、バモイドオキ神の絵についても、例の風車のようなマークを書き入れて偽造した。さらに、「懲役13年」が公表されたあとには、A少年には「直観像素質があった」という宣伝をやって、あたかも少年が引用のつぎはぎで書いたかのような雰囲気をつくった。朝日は「A少年=犯人」説を、一貫して勢力的に流布しつづけたのです。
ここでひとつ、ものすごく奇妙なことはですね、A少年が逮捕されたのは6月28日なのですが、そのずっと前の6月はじめ、まだ神戸新聞に犯行声明が届く前に、朝日は次のような犯人像を描いてみせているんですね。「犯人は17歳からどんなに歳がいっても23歳。学校の周辺地域に住んでいて、歩いての犯行。メッセージの内容は、若者の犯罪者が使う手で、本の文章や言葉から影響を受けたもの。子供時代から動物をいじめたり、殺したりすることに慣れている。三月の通り魔事件と男児殺害は同一犯。発作的に起こした通り魔事件が容易に達成できたことから、次の段階として計画的に犯行に及んだのが男児殺害だ。学校をやめたりトラブルをおこした生徒がいなかったかどうかを調べるべきだ」。これはアメリカの凶悪犯罪研究者ロバート・レスラーの発言を朝日が紹介したものですが、淳君事件発生の直後にここまで「犯人像」を予言できるなんて、あまりにも不思議です。
浅野: 朝日はそれを載せているんですか。
司会: ええ、そうです。不気味なくらいに、ピタリと的中している。私には、「A少年逮捕」の筋書きがあらかじめ全部出来あがっていたんじゃないか、と思えてならないんです。
岩田: 警察は、学校休んどるのなんか、とうの昔から調べておりましたよ。とにかく学校休んでる子おらんか、卒業生のなかでも学校休みがちだった生徒はおらんか、最初は3年前の卒業生、5年前の卒業生、そのうちに十何年前の卒業生まで調べてくれ、というかたちで、もちろん事件が起こったあとからですが。
司会: そして神戸新聞に犯行声明が届くと、警察は学校に生徒の作文を全部出させた。
岩田: それも「作文出せ」と言われて、こちらも半分観念した。まあ寝耳に水みたいな感じで…。
浅野: それは、A少年の逮捕後ですか。
岩田: いやいや、それは逮捕の前です。逮捕の前「生徒の作文を全部出してくれ」と言われて、「ああひょっとしたらうちの生徒が、ひょっとしたらあいつかなあ」みたいな。
司会: 警察が学校から作文を取り寄せたのは、6月5日ですね。6月4日に神戸新聞社に第二の犯行声明が届いています。そして翌5日には、学校に「作文を出せ」と言ってきている。この経緯は秘密のはずなのに、朝日だけは経緯を書いているのです。ちょっと話がそれるかもしれませんが、『文藝春秋』の2001年6月号で森下香枝というジャーナリスト、例の両親の手記『「少年A」この子を生んで……』を出した記者ですが、その森下がこんなことを書いています。「兵庫県警は当時、2百人体制で捜査にあたったのだが、その中の『特命班』に科学捜査研究所の幹部らが配置され、密かに『犯人ついての考察』と題された“プロファイリング”報告書を作成している。科捜研がプロファイリングを依頼したのは、犯罪病理学、臨床心理学、比較言語学の国内専門家と、元米国中央情報局職員など海外の専門家ら6名である(マスコミには一切、登場していない)」、と。A少年の逮捕後、捜査員からも「本当に少年が犯人なのかという疑問が、今でも残る」という声があがっていましたが、神戸事件では二重構造と言いますか、一般の捜査陣とはまったくちがう特命班なるものがつくられ、この特命班はA少年を追って動いていたというのは、確かな事実のようです。
岩田: それはその通りやと思いますわ。あのね、私ども、捜査本部の末端の人とは話したことはあるんですけれどね、「なんかわしらと別にもう一つの捜査本部があるみたいな気がした」、そない言うてました。現場の一番下の、端くれの捜査本部員やったんやろうと思うし、その人のヒガミかもわかりませんけどね。そんな気した言うてる人がおりましたわ。
司会: 朝日はかつては「日本のプラウダ」だなんていわれていました。しかし、神戸事件では、警察と完全に二人三脚。そもそも朝日が連載した「暗い森」では、警察や検察から捜査資料や精神鑑定資料などを貰っていたということを、平気で書いています。「調書とか全部貰った、夏頃からどんどん貰えるようになった」ということを恥ずかしげもなく書いているんです。「赤報隊」による「反日分子抹殺」のための朝日新聞神戸支局銃撃事件――どうもあのあたりから朝日は権力にすっかり従順になったんじゃあないか。
浅野: いま朝日がそういうふうで…。昔はね、読売や産経がトバスってよくいわれていたんですけど、オウム以降でしょうかね。朝日は完全に変わりましたね。
司会: オウムからですか。1995年ですね。
浅野: ええ。95年ぐらいですね。それまでの朝日新聞の事件報道というのは、上品にやろうというかね。私の言うこともよく聞いてくれていたんですけど。もう、日本の治安を守れというか。もっと言えば阪神支局襲撃以降ですか、政治的にはそうかもしれません。社会部のあるいは朝日の記者の体質も大きい。「国家公務員一種報道職」とか呼んでいるんですけど(笑)
岩田: ああいうのはなんで変わるんですか? 編集局長ですか、社会部長あたりの体質ですか?
浅野: 新聞社のもっている体質としては、朝日はやっぱり官僚体質ですね。会社を、朝日を、あるいは日本をしょって立つというか。よく中山千夏さんなんかが、朝日の記者・NHKの人は日の丸をしょっていると言ってましたけど、会社をしょっているというか。
岩田: やっぱりあれですかね。マスコミ志望者の中でやっぱりトップクラスというのが入っとるいうか、東大卒とか。
浅野: そうです。東大卒で一番多いのが朝日新聞です。事件取材にものすごく力いれているんですね、朝日新聞は。若い記者がなんで評価されるかというと、よそでは書いていない記事でとなる。結局、特ダネですね。結果的に間違えることがあっても、評価されればいい。そうすると、人とちがう結果を出すためには、なにやってもいい。みんな優秀な作文能力が高い奴がおおいですから、ごまかし方もうまい。そういうのが相乗効果になってこういう記事になるんでしょうね。非常に残念ですよね。
司会: とにかくマスコミは、「社会の木鐸」としてやるべきことをやらない。マスコミが国家に追従し、知識人や学者もまたその後塵を拝するとなると、これはもう「鉄の六角錘」です。戦前のあの「いつか来た道」と同じです。一昔前には、松川事件(資料A)の広津和郎のような気骨のある作家がいた。広津さんも最初は、松川事件は「共産党の思想犯罪」という巷間流れる説をそのまま信じていた。ところが、獄中で容疑者たちが書いた『真実は壁を越えて』という文集に触れて、この冤罪の叫びは嘘ではないことを見抜く。そして全身全霊をかたむけて真相解明にのりだしていく…。こういう広津さんのような人が、こんにちのジャーナリズムの中にいなくなってしまった。こんにちのマスコミというのは、権力に対しその乱用を監視するどころか、逆に権力につき従って世論を誘導していく機関になりさがっている。これはものすごく危険なことじゃないかと思うんです。実際、あの神戸事件以降、国家はやりたい放題になっています。少年法は改悪される、教育は国家主義丸出しのものに変えられる。日米ガイドライン法は成立させられる、銀座には戦車がまかり通る…。
浅野: 国旗・国歌法もそうですね。