★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 日本の事件10 > 434.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
今、再び神戸事件の真相を問う-----(1)神戸事件で巨大マスコミは、自殺した (早稲田大学新聞 2002.6.27)
http://www.asyura2.com/0311/nihon10/msg/434.html
投稿者 竹中半兵衛 日時 2003 年 10 月 30 日 10:12:16:0iYhrg5rK5QpI

神戸少年事件の犯人酒鬼薔薇聖斗とされるA少年(すでに成人)はこの仮出所という話は、その後どうなったのか。
サーチエンジンを検索していたら、友が丘中学の校長が浅野健一氏と対談している記事があったのでご紹介します。この対談は初めて読みました。
長いのでコピペを自己レスします。

それにしても長崎の男児殺害事件は冤罪の疑いをもって掘り下げられないのはまことに奇異である。

----------------------------------------------------
早稲田大学新聞 2002年6月23日
http://www.kyoto.zaq.ne.jp/ark/global/KOBE.HTM

■ 事件発生、そして少年逮捕から5年―― ■

対談 今、再び神戸事件の真相を問う

1997年5月27日,神戸市須磨区友が丘中学校正門前で、行方不明となっていた土師淳君の頭部が発見された。猟奇的殺人を思わせる事件が全国に衝撃を与えるなか、6月28日、ついに犯人逮捕が発表される。14歳の中学生A君。だが、直後からこの少年を犯人とする発表を翻す事実が次々と明らかにされる。「少年Aは犯人ではありえない」という声(編者による追加資料T)は全国にこだまし始める。

しかし同年10月17日、物証もなく「自供」にも数々の矛盾を抱えたまま、A少年は「有罪」とされ医療少年院に送られる。今回、神戸事件をめぐる報道の問題点を考察し、そのあり方を告発してきた「神戸事件と報道を考える会」の会員より、A少年の通った友が丘中学校元校長・岩田信義さんと、現在のマスコミ報道の問題を鋭く指摘する同志社大学教授・浅野健一さんの対談の抄録をいただいた。事件から5年、神戸事件の問題点を改めて考えるためにここに掲載する。なお対談は2001年7月25日に大阪でもたれ、司会は「考える会」の川崎章氏がつとめた。

【編集部】

神戸事件で巨大マスコミは、自殺した

司会: 今日は岩田さんと浅野さんのはじめての対談ということで、自由にお話していただきたいと思います。岩田さんは『校長は見た! 酒鬼薔薇事件の「深層」』という本をお出しになり、大きな話題を呼びました。いくつかのマスコミや週刊誌がとりあげましたね。

岩田信義元校長(以下岩田): ええ。文化放送とフジテレビ、それからテレビ朝日ですか。テレビが二局、ラジオが一局。それから週刊誌が三つですね。

司会: 友が丘中学校の校長さんが神戸事件について発言され、マスコミを告発するとともに渦中から見た神戸事件を語られてということで、非常に大きな反響を呼んだわけです。

浅野健一教授(以下浅野): 先ほど岩田さんと一緒に、大阪池田小学校の事件現場に行ってきたんですけど、最近マスコミの集団取材が大きな問題になっている。毎日新聞なんかはスクランブル取材と呼んでいるんですけど、これはマスコミの集団的な暴力です。それでまず、神戸事件のさいのマスコミの集団取材のお話からお聞きしたいのですが。

司会: 酒鬼薔薇事件の時、マスコミは1000人ぐらいがあの友が丘の小さな住宅地に殺到しました。

岩田: 警察もものすごい数でしたよ。だいたい見える範囲に必ず一人はお巡りさんがおるみたいな感じでしたからね。曲がり角のところで立っとる、また100mぐらい行ったらまた立っとるというようなかたちで、ものすごい数でしたね。

司会: まるで戒厳令下の街ですね。

岩田: おまけにパトロールもしている。学校も協力せなあかんということで、学校の中に警察がテントを建てて、捜査の人たちが棒を持って出て行き、草むらを捜してました。「お茶だけ頼んます。あとは全部自分でします」と言うので、学校でお茶を沸かして差し入れした。捜査の人は、時々帰ってきて休んで、また出掛けていく。ああいう人を含めますと何人ぐらいでしたかね。とにかくものすごい数でしたね。

司会: そんななかで6月に入るとすぐに、「黒いゴミ袋を持った不信な30歳代の男」や「黒いブルーバード」が目撃情報として浮上してきます。しかし朝日新聞は、はじめから「学校への恨みにもとづく犯行」という論陣を張っていました。事件直後の「朝日新聞」5月29日付朝刊では早くも、東京都中野区の教育委員をつとめたこともある評論家の俵朋子や犯罪心理学者の小田晋を紙面に登場させて、「学校に何らかの恨みがあるのではないか」「『聖斗』とは(学校への)『聖なる闘い』を意味するのではないか」などと書きたてました。

岩田: はあ、はあ、はあ、ありました。心理学者の小田晋…。

司会: 今から思うと、朝日は、その後のマスコミのまるで火砕流のような「学校バッシング」の先鋒の役割をあえてつとめた…。

岩田: それは、そう考えれば考えられなくもないなあと思いますわ。

警察が発表すると一挙に「犯人=中学生」に(浅野)

学校は「朝日は鬼門」だと感じていますよ(岩田)

浅野: A少年が逮捕されて、その夜のTBSの『ニュース23』、大阪では毎日放送ですよね、あそこで斉藤茂男さんと鎌田慧さんと、香山リカさんだったかな、三人か四人ぐらい出てきて、やっぱり完全に教育の荒廃、学校制度の問題という話になったんですよね。これを見ていてね、えーと思って。さっきまで中年の男が犯人だったのに、警察が発表すると「中学生だ」と。一挙にそういう話に変わってしまったなぁと思った。いま話に出た「朝日新聞」を中心にしてそういう世論が形成された。見ていてすごく怖いと思ったんですよ。

岩田: あの事件に限らず、学校は「朝日は鬼門」みたいな感じを誰もがもっていますね。何かあればとにかく学校の責任みたいな形でつつかれると、誰も皆そない言うております。

浅野: 今回は、悪い方へ向けているんですね、朝日は。自分で取材しないで、自分でストーリー描いて、それにあてはめて書いている。「学校が悪い」と言うと、誰も「それは違うんじゃない」と文句言わないじゃないですか。

岩田: そうですね。関係者は文句をいえばもっと悪いことを書かれると恐れるし、第三者はそうかと思ってしまう。

司会: それでA少年が逮捕されたのが6月28日ですが、凄まじい学校バッシングの嵐のなかで、7月4日に岩田さんは、北須磨団地自治会館で記者会見を行いましたよね。

岩田: えーえー。保護者会の後ですね。

司会: そこで100人以上の記者が、「少年Aを犯行に走らせたのは、学校だ。少年に体罰を加えて『学校に来るな』と言ったからだと、「少年の供述」という警察情報をふりかざして一斉に学校側を吊るしあげようとしました。ところが岩田さんは、「捜査本部は『体罰を受けた』という少年の供述があったことを、私達には言っていません。少年は本当にそう供述しているのですか?」と、並みいる記者たちに逆に質問しましたね。それで会場は水を打ったように静まり返りました。「なんだ、警察は学校には言っていないのか…」の呟きがあちこちから洩れました。

岩田: 私は、体罰があったとする少年の供述が警察情報だとは思っていません。それに、体罰がなかったことは最初の記者会見でも話しております。それから、七月二日ぐらいからA少年の弁護士が「A少年本人と接見してみたら、報道されている内容と違う部分がいっぱいある」と言い出したわけです。それでまあ、ちょっと雲行きが変わって、七月四日に保護者に説明会を開いたんですけど、三日の新聞にそれが載ったのを見て来た保護者がいっぱいおったんで、助かったわけですわ。

司会: 神戸事件では、巨大マスコミのすべてがさまざまの虚報を流しただけでなく、誤りだとわかっても訂正しませんでした。虚報を流しっぱなしにするというのは、あきらかにひとつの犯罪だと思うのです。たとえば、「学校の体罰」という事実が、あたかも存在したかのような・そしてA少年のあたかもこれを供述したかのような嘘を流すことは、A少年には「学校への復讐」という「犯行の動機」があったこのような虚構を捏造することになり、これを社会に浸透させことになります。虚構の事実を基礎に虚構の「犯行動機」を捏造し宣伝することは、記者たちが自覚すると否とにかかわらず、そのまま「犯人」をでっちあげていくことに直接つながっています。

しかし、今日の記者たちに、その自覚があるかどうか…。

岩田: そうですね。

司会: 「体罰をあたえた学校への恨み」という「A少年の犯行の動機」説は崩れてしまった。しかし、どうしても「犯行の動機」は必要です。そこで次に捜査本部は、A少年をホラー・マニアに仕立てようとしました。「ホラー・マニアの少年が映像の世界だけでは満足できずに、衝動殺人に走ったのだ」と。ところが、マスコミはまたもや性懲りもなくこの警察のリークに追従しました。「『13日の金曜日』というホラー・ビデオが押収された。アメリカの連続殺人犯ゾディアックに関する本も押収された」と。しかし、ついに7月15日のA少年再逮捕時の記者会見で、捜査一課長が「それらを押収した事実はない」と自白せざるをえなくなった。そうすると今度は「祖母の死を契機に『死とはどういうものか』という関心をもち、小動物の殺しから殺人に欲望がエスカレートしていった」ことが「殺人に動機」だとされました。しかしこれも結局は、「犯行と祖母の死とのつながりは不明」というように、家裁の決定では否定されたのです。犯罪の立証に不可欠とされる「犯行の動機」が3段階もくるくると猫の目のように変わって、結局うやむやにされてしまった。しかし記者はそういうことを自分で書いておきながら、まったく頓着しない。

岩田: これはほんとにそのとおりですね。ただ前後関係は朝日だけをみているとそうなりますが、読売や毎日は、朝日が「体罰が動機だと供述した」と誤報したと同じ日に「魂を出してあげる」というようなオカルト風な動機を供述したと書いています。それに読売、毎日は一般的な学校への恨みは報じましたが、体罰があったとは書きませんでした。だから、マスコミと一括りにするのは無理があるようです。

司会: 記者は、自分が見たことと、噂や警察のリークとの区別もない。「これは誰それから聞いたこと、しかし本当に現実の事実そのものだろうか」という疑問をもたない。いわんや、論理的に推論することなどまったくできない。これも虚報乱造のひとつの根拠だと思います。私は神戸事件で、日本の巨大マスコミは自殺したと思うのです。

浅野: 神戸新聞の場合には、記者が、数字ははっきり覚えていないけれど6人か8人か辞めているんですね、この事件のあとに。

オウム以降、朝日新聞は完全に変わった(浅野)

学校を休みがちの者を調べろ、と…(岩田)

岩田: ああ、そうですか。

浅野: 辞めた理由は、警察に振り回されたということと、先ほど言った中年男からA少年にと、なんの説明もなく変わってしまうということね。それから松本サリン事件の時に取材した人もかなり辞めています。というのは、今みたいな取材のしかたをしていると、同じことがまた起きる、間違いなく。つまり何か事件が起きると、たとえば警察は犯人を捜す。それと一緒になってマスコミも犯人捜しをしている。ほとんどは警察の情報を鵜呑みにしている。自分の取材したものをそれに付け加える。デッチあげる。そうして完全な捏造、誤報、そういうものが一杯起きざるをえない。だから神戸新聞としては取材の仕組みを変えるべきだ、具体的に言えば、私が言ってきたような匿名報道方式が問題だということです。権力犯罪や、公人による公的な犯罪などの犯罪嫌疑や不適切な行為は、きちんと被疑者の名前を出し、書く方も名前を明かにし、ニュースソースも明らかにする。正々堂々と勝負する。弱い市民の人たちが捕まったりした場合には急がない。冤罪づくりには加担しない。そういうやり方を私は1980年から提唱しているんですけど。

 次へ  前へ

日本の事件10掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。