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(回答先: 牧太郎の「ここだけの話」 「酒鬼薔薇」は少年A?(毎日新聞・東京夕刊 2001年9月25日) 投稿者 竹中半兵衛 日時 2003 年 10 月 30 日 10:47:50)
■ 神戸家庭裁判所・決定要旨 ■
家裁は警察が偽計をもって自白させた事を認定!
(毎日新聞1997年10月18日付より)
日本列島を震撼させた神戸事件つまり神戸小学生惨殺事件は、なんと当時15歳の少年Aが逮捕されて、然る後に家庭裁判所で審議され、その「決定要旨」が発表されました。下記は、たまたま毎日新聞の記事を掲載しますが、全国の新聞に掲載されたものです。
当時の“世論”は、「少年イコール犯人」説の空気が当然のように“作られていた”ため、その決定要旨「第4」の部分(上記の赤で囲んだ部分を下記に拡大)に極めて重要な内容があったことを、多くの人々が見落としてしまいました。
【 予備知識 】
●少年事件だから、ちゃんとした裁判は行われていない。またこの「決定要旨」とは、大人の裁判における「判決文」に相当するものと認識して下さい。
●文中「2月の事件」と「3月の事件」は、それ以前の連続少女殴打事件の事で、実はこの殴打事件に対する容疑もおかしな事が多いのであるが、ここでは議論を省略する。
●文中「5月の事件」こそが、小学生を惨殺してその生首を校門に置くという、天下を震撼させた神戸事件の本体である。
こうした予備知識のもとに、下記「決定要旨第4」をご参照下さい:
第4 少年の警察官に対する供述調書等の証拠能力
証拠を検討すると、以下の取り調べ状況を認めることができる。少年は、警察官の取り調べに対して、2月の事件(非行事実1及び2)と3月の事件(非行事実3及び4)については自白したが、5月の事件(非行事実5及び6)については、自白しなかったが、当時、警察で集めた証拠の中で、筆跡鑑定は最も証拠価値が高い位置にあったところ、科学捜査研究所が上記声明文の筆跡と少年の筆跡とか同一人の筆跡か否か判断することは困難であると判定したため、逮捕状も請求できず、任意の調べにおける自白が最後の頼りであった状況において、物的証拠はあるのかとの少年の問いに対し、物的証拠はここにある旨言って、机の上の捜査資料をぱらぱらとめくって、赤い字で書かれた上記声明文のカラーコピー等を見せるなどして、あたかも筆跡鑑定により、上記声明文の筆跡が少年の筆跡と一致しているかのように説明し、その結果、少年は物的証拠があるのならやむを得ないと考え、泣きながら自白したというのである。
取調官がこのように少年に説明したことは、もとより違法であり、同一取調官に対する少年の非行事実5及び6についての供述調書全部を、刑事訴訟規則207条により本件少年保護事件の証拠から排除する。
他方、検察官は、少年に対し、「言いたくなければ言わなくてもよいのはもちろん、警察で言ったからといって、事実と違うことは言わなくてもよい」と明確に告げてから少年の供述を求めているから、いわゆる毒樹の果実の理論(注1)の適用はない。従って、少年の検察官に対する供述調書及びそれらの供述調書の中で触れられている証拠物については、証拠排除の理由がない。
(注1)違法に収集した証拠を元に得た証拠の能力は否定されるという原則。
【 問題点解説 】
■上記「決定要旨」赤文字の部分を読めば、警察の違法行為は明白。つまり:
■筆跡も一致せず、証拠が何も無かった状況で、警察官が偽計をもって自白に追い込んだ事を家裁が認定し、供述調書全部を証拠から排除している。
■ところが不思議な事に、家裁は検察官調書は採用している。しかし、同じ取調室に入れ違いで入ってきた人物が、警察官なのか検察官なのか(といった状況で取り調べられたという証言がある)は、泣きながら“不本意な自白”をした直後の15歳の少年にとって、どうでもよい事だったのではないだろうか。大の大人ですら、こうした自白の強要による冤罪は後を絶たないではないか。どうも、A少年を最初から犯人にすべしという、当時の世論及び「何らかの外圧」があって、裁判官はその圧力に屈しながらも、せめてもの抵抗として“警察調書全部の排除”をする一方、仕方なく“検察調書は採用”という異例の「決定要旨」を作成したものと、筆者は考えている。