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本音のコラム(37回目)11月13日付
選択肢なし
おおよそ4年に一度の恒例行事としての総選挙が終わった。この種の選挙が終わるたびに思うことがある。それは、そもそもこの社会を決定づける最良の方法が果たして選挙なのだろうかという根元的な疑問である。とりわけ、二大政党化体制の進行するもとでは、有権者にはかつてのような多様な選択肢がない。自民党と民主党の差も当事者達が強調するわりには明確なものではなく、どの党が政権を担っても同じと感ずる絶望感は、今回の選挙ではより大きくなった。ところで今回の総選挙の結果は、公明党の組織性が自民党小泉政権の没落をかろうじて食い止めたというものであった。現代社会は政党的な、また労働組合的な組織性が溶解しつつあるのだが、その中にあって公明党の持つ組織性だけが際だって機能した。
この結果はある意味で、組織の持つ有効性が個人の意志に勝ったということでもある。組織がなければ何も出来ない、だから組織が重要であるとする考え方を放棄できないまま進行する政治の状況が、個人の自由な発想の選択肢をさらに狭めている。個人か組織かというテーマがこのような形で突きつけられることへの嫌悪感は深く民衆の間に沈澱した。これが今回の選挙の底流である。軽い政治の言葉が飛び交う中での実に重苦しい現実だ。今のシステムの下で、民衆の側の「気分」はこのように常に組織に負け続けるのだろう。選挙に代わる方法が欲しいものである。
http://miyazakimanabu.com/archive/honnecolumn/tks037.htm