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(回答先: Re: 「豊穣の海」の結末と人間身体 投稿者 愚民党 日時 2003 年 11 月 29 日 01:18:16)
愚民党さん、はじめまして、おはようございます。
晩年、三島由紀夫は「帰太虚」ということに執心していたと記憶しています。三島の行動を注視しつつ同時並行的に『葉隠』と「陽明学」に関する書物を乱読していましたが、「帰太虚」の眼差しの方向に何が映じていたのか判然とはしませんでした。ただし、今でも三島がネクロフィリアのところにまで渡河してしまっていたとは断定できていません。しかし、眼差しの先にあったのは無論生きた人間でもなくあるいはゾンビでもなく、おそらく骸(むくろ)の林立に近いものではなかっただろうかと想像しています。当時の私には生に対して逆流していくときの風景や己自身を見極めることなど到底でき得ぬことでした。
しかしながら、一たびその方向にセットされた存在とそうではない存在とは永劫に交叉することはないのでしょう。そして、死者達への「呈上」とは一体どんな意味があるのか、未だに明快なる解を得てはおりません。(暗黒舞踏の中にはあるのかしらん。)
また、お会いしましょう。