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タイトルにした認識を持つに至った現在、あまりのおぞましさに吐き気を催し、はらわたが煮えくり返り、関与者をどのような処刑方法で罰しても許せないと思うほどの怒りに満ちている。
おそらく米英侵略軍に立ち向かったイラク人をはじめとするアラブ人のあいだに1万人を超える死者が出ており、米英軍の無差別爆撃で1500人ほどのイラク人が死を迎え、数千人のイラク人が四肢の一部を失ったり死ぬまで残る損傷を受けているはずだ。
(フセイン政権は戦闘員の死者や負傷の数を公表していない)
今回の「イラク侵略戦争」が今日の時点で達した結論であったとき、ブッシュ政権中枢及びフセイン政権中枢の戦争犯罪者たちは、両目をくり抜かれ四肢をすべて切り落とされて処刑されたとしても、ほんの一欠片の罪でさえ償えないと思っている。
ブッシュ大統領は、神と正義を持ち出して“イラク解放戦争”への支持と兵士たちの士気を高めた。
フセイン大統領も、神と国家を持ち出してイラク防衛戦争に殉じることがムスリムの義務だと鼓舞した。
ここまでの「イラク侵略戦争」の推移は、そのように神の名をかたった二人(2つの政権)が、ともに“悪魔崇拝者”(極悪人だとか悪党だとかで表現できるものではない)集団だと判断せざるを得ないものだと認識している。
(これまでも、ブッシュ政権中枢は中枢は“悪魔崇拝者”だと主張してきたので、新たにフセイン政権中枢に同じ烙印を押したことになる)
バグダッド市内が米侵略軍によって戒厳令状態になったこの時点で「イラク侵略戦争」を振り返ってみた。
まず、いくつかの戦況と戦況予測に関する書き込みを行なったが、それが大きく外れたことを率直に認めお詫びしたい。
(南部地域や北部地域に関しては現時点でも誤っていないと思っている)
予測を誤った主たる要因は、フセイン政権はブッシュ政権ほど酷くはないと考え、バグダッドを決戦場と位置付け、それにふさわしい戦術をとるだろうと信じたことである。
フセイン大統領が米英(世界支配層)の“お仲間”であることをずっと前から主張してきたが、それも、個人的欲得とイラクの“国益”がない交ぜになった動機に基づくものだろうと推測してきた。
そして、フセイン大統領や側近の一部は“お仲間”であっても、政権中枢の多数派はそれが理解できていない愚かなバース党の同志たちだと見てきた。
それゆえ、イラクが全面的に米英の支配に屈することになりかねない国難に際しては、持てる限りの力と知恵を振り絞って戦うだろうと予測していた。
(昨年秋に書き込んだことだが、安保理決議1441号をイラク政府が受け入れたときには、フセイン氏が名目的な地位だけを保ち実権は失っている可能性まで考慮した)
しかし、今では、フセイン政権中枢は、米英(世界支配層)の心底からのエージェントだったと判断している。
今回の書き込みは、そのような判断を下すに至った推論を中心に置きたい。
そして、このような認識を幅広く検証していただき、今後も続く「イラク侵略戦争」を米英政権の敗退で終わらせるための一助になればと願っている。
■ フセイン政権中枢が総ぐるみでエージェントである根拠
● フセイン大統領及び政権中枢のふるまい
このような疑念が湧いて来たのは、メディアからは「フセイン政権崩壊」と呼ばれたフセイン政権の「敵前逃亡」が契機だが、確かだなと思ったのは、昨日(4・11)のモスルにおけるイラク国軍第5軍4個師団の降伏報道である。
外延的な話になるが、2日ほど前に、イラクの国連大使であるドゥーリー氏が米国メディアに追っかけられNYの自宅の玄関前で「ゲームは終わった。本国とは連絡がとれないし、サダムとは無関係だ」と語る様子を映像で見て唖然とした。
本国政権とコンタクトできないとは言え、米英の侵略軍事活動は今なお続き、イラク国民のみならずアラブ義勇兵が侵略に立ち向かって戦いを続けている状況でである。
ドゥーリー氏がそのようなコメントを放った翌日には、イラク人男性が自分の命を投げ捨てる自爆攻撃をバグダッドのパレスチナ・ホテル近くの米軍検問所に対して敢行した。
(これ自体は外交官特有の自己保身だと受け止めた)
今思い返せば、安保理で眼鏡をとったり付けたりしながら最後の訴えを行ったドゥーリー氏は三流役者に見える。
一昨日(4・10)夜から「CNNニュース」で、モスルに陣取っているイラク国軍第5軍団が米軍と降伏交渉をしているという情報が流れ、昨日(4・11)になって正式に降伏をしたと報じられた。
もちろん、この降伏を無駄な犠牲者を出さない賢明な判断ということもできる。
しかし、フセイン政権が崩壊し国軍の指揮を放棄しているのなら、司令官クラスは降伏するとしても、敵地ではなく国内での戦いなのだから、兵士たちには降伏ではなく軍服を脱がせ非武装状態で帰宅させるという対応ができるはずだ。
それによって、素直に帰宅する人もいれば、今なお米英侵略者に対して戦っている人たちに合流する人も出るだろう。
第5軍団が米軍に降伏することで、以前から心配している、旧フセイン政権の兵士が米英の傭兵となって米英侵略軍に立ち向かうイラク国民を「テロリスト」として殺戮するという最悪の事態が生まれる可能性が高いと考えている。
米英にしても、軍事的基礎訓練を受けた兵士集団を指揮命令系統そっくり手に入れられるのは何よりもありがたいはずだ。
本命のフセイン大統領以下イラク政府中枢はいずこに消えたのだろう。
フセイン氏の動向を報道された範囲で振り返ってみよう。
(A)3月20日に開始された「イラク侵略戦争」は、公には、フセイン氏の居場所がわかったことでそこに空爆を仕掛けるという作戦で幕を開けた。
これについては、フセイン氏側近に内通者がいたとされている。
(B)バグダッド近郊の国際空港を米侵略軍が制圧したのしないと報道さていれた4月4日にフセイン氏が街中に現れたとイラク国営TVが映像付きで放送した。
(C)米侵略軍がバグダッド中心部に突入する直前の4月7日、フセイン氏がそこに入ったという情報を得てレストランをバンカーバスター(劣化ウラン弾頭)3発が投下された。これについては、フセイン氏がレストランに入ったという情報を得てから45分ほどでB1?がバンカーバスターを投下したと豪語したことが報じられている。
この(A)・(B)・(C)は時系列でもある。
画像で登場するたびに本人なのか影武者なのかという論議が尽きないフセイン氏だが、三つの出来事で唯一姿をさらした(B)はフセイン氏だろうと思っている。
接近している市民がフセイン大統領と思っていたようだから、あの人を殺害していれば、ブッシュ政権が念願としていた「フセインの首狩り」ができたことにはなる。
TV中継までされていたのだから、これほど確かな「首狩り」はない。
どこまでが本当かわからない報道を基礎にするのは気が引けるが、他に情報入手方法を持たないアウトサイダーとしては、米政権発表や報道に頼るしかない。
報道を基に(A)・(B)・(C)を考えると、(A)と(C)にはフセイン政権の内通者がいたことになる。
そして、人々(駆り出された人だろうが)が大統領と認知する人が街中に出た(B)は、(A)と(C)のあいだの出来事である。
フランス「F2ニュース」は、その日の午後に間違いないと特定していたが、開戦後であることは間違いない背景だったので、(A)と(C)のあいだの出来事だったのは確かである。
(C)の時点で内通者がいたのなら、(B)の時点でも内通者はいたことになる。
(B)が当日の出来事であったのかどうかは、幸いバグダッドが“陥落”したそうだから、放送されたビデオに映っていた市民たちの証言やその妥当性を検証すればわかるはずである。
そして、そのときには、米侵略軍部隊がバグダッド郊外まで既に進撃していた。
テレビ取材クルーが用意されていたのだし、3分や5分のあいだ姿を見せたというものではなく、10分間は街中に身をさらしていたのである。
なぜ、内通者は米軍ないし米英情報機関に通報しなかったのかという疑念を提示できるし、内通していたとしたら、なぜ米軍は攻撃機や攻撃ヘリを出撃させなかったのかという疑念を提示したくなる。
(C)では、内通後45分ほどでバンカーバスターを投下しているのだから、当日より前の出来事だったとしても、攻撃タイミングを逸することはなかったはずだ。
(フセイン氏がいるからといって見境なくバンカーバスターを3発も投下したくらいだから、周りにいる人たちがどうなろうとかまわないというレベルの空爆は辞さないだろう)
フセイン政権をフセイン独裁政権と決め付け、フセイン氏が死ねば政権は崩壊すると叫び、大きな「首狩り」作戦を二度も敢行したのである。
(B)は、「首狩り」ができる千載一遇のチャンスだったのである。
しかし、それよりも大きな疑念の対象は、あれが本当に当日の出来事だとしたら、米侵略軍部隊がバグダッド郊外まで既に進撃していたにも関わらず、市民からフセイン氏と認知される人物が大胆にもゆったり街中に姿を現したことである。
フセイン氏は、当然、ブッシュ政権が「首狩り」宣言をしたことを知っているのである。
フセイン氏は、殺害されることを覚悟しなければできないことを平然とやってのけたことになる。それを、バグダッドまで迫った敵を目の前にしても威風堂々とした姿を見せることで国民の士気を高めようとしたと解釈することもできる。
しかし、それならなぜ、米侵略軍の戦車や装甲車両が市内に入った時点で「敵前逃亡」したのかという疑念を強く提示したい。
「敵前逃亡」という現実を考えたとき、フセイン氏は、殺害される危険性を知っていたから街中に出たと思わざるを得ないのである。
米英侵略者と戦うことがムスリムの義務でありそのなかで死ぬことは天国が約束される殉教であると国民に強く訴えた大統領が、「敵前逃亡」したのである。
これだけでも、精神が崩壊した人間であり、裏切り者であり、背教者であると断定できる。
このような推論については、どうしてわざわざ察知されるような行動をとったのかという疑問が提示されるかもしれない。
それについては、“悪魔崇拝者”は、「アホどもは、こんなに見せてやっているのに気がつかないバカばかりだ。それじゃあ、いいようにいたぶられても仕方がない」とあざ笑うことでたまらない快感を得られるからだと思っている。
そして、人々が殺し合うという戦争を映像で見せつけられている渦中で、一つ一つの出来事を冷静に見ている奴なんかいないさと高を括ってもいるのだろう。
フセイン氏と同じように「敵前逃亡」した革命評議会副議長・ラマダン副大統領・アジズ副首相・ハサフ情報相・フセイン氏の息子二人については、フセイン氏と同類であると断じる。
フセイン政権中枢がどこかに潜んで米英情報機関の救出を待っているのか、それとも、既に救出されているのかはわからない。
自殺したことになっているヒトラーでさえ実は救出されたとささやかれている対ナチスドイツ戦処理では、戦犯になるべきナチスの幹部が「ペーパークリップ作戦」で救出され、米国で“活躍”したという前歴もある。
● 北部戦線の異常さ
ニュースを追いかけている人ならわかると思うが、北部戦線では、無差別都市空爆は行われてきたが、地上戦はアル・アンサール・イスラムの掃討戦くらいしか映像で流れていない。
米英侵略軍は、北部戦線には特殊部隊のみを投入し、クルド人一部勢力を傭兵として使う戦術を採用した。
北部戦線に戦車など装甲車両が投入されたのは2日前が初めてである。
地上戦として報じられた情報はイラク軍は南に撤退しているというものばかりであり、映像も、クルド人傭兵に混じって米軍特殊部隊が道路を進んでいるもので、「あの丘にはイラク軍防御陣地があった」とか「あの遠くで動いている人影はイラク軍兵士のようだ」というコメントが付いたものである。
重戦車部隊を繰り出した南部では激しい空爆も行われたが、それにも関わらず激しい抵抗があった。それなのに、1台の戦車もない北部では、イラク側からまともな攻撃が行われていないのである。
アンサール・イスラム掃討戦を別にすれば、戦闘要員の死者数は、クルド人傭兵が誤爆で多数で死んだのが1交戦あたりで最高なのかもしれない。
そして、そのあげくが、昨日の第5軍の整然とした投降である。
ご存知のように、バグダッドからクルド人自治区までの北部は、フセイン大統領の牙城と言われてきた地域である。
そのような牙城地域では現在までのところ抵抗らしい抵抗が行われず、反フセイン地域とされてきた南部及び中南部地域で、血みどろの抵抗が行われたのである。
北部で残る拠点都市は、フセイン氏の生まれ故郷と言われるティクリートだけになったようである。
果たしてそこで激戦が交わされるだろうか?
● バグダッド外周の防御ライン
私の戦況に関する書き込みを読まれている方のなかには、サダム国際空港が制圧されたかどうかが話題になっていた頃、米軍が制圧したと主張している空港は、カルバラ北方にある現在は未使用の旧空軍基地ではないかと書いたことを覚えていらっしゃるかもしれない。
米軍第3歩兵師団の先遣部隊は、カルバラそのものを迂回してからそれこそ“快進撃”でバグダッドに迫った。
バグダッドの外周部に設定されていると言われる防御ラインと南部で行われている米軍補給部隊への攻撃が、そのような“快進撃”を許さないはずだと考えたために、国際空港を60Km南西にある旧空軍基地だろうと推測してしまった。
東側ルートでバグダッドをめざした海兵隊第一遠征師団も、クートを超えてからは“快進撃”の様相を示した。
首都直前の防衛ラインとして最精鋭部隊が置かれていたと説明されていたのに、米侵略軍は、ほとんどが抵抗らしい抵抗を受けずに一気にバクダッド近郊まで進撃できたのである。
これについては、ニュースメディアが、イラク軍兵士は制服を脱いで戦線を離れたと報じていたので、「バグダッド決戦」に備えるための作戦だろうと推測していた。
これも、今にして思えば、はじめからたいした防御戦力は配置されておらず、米軍部隊がやってきたらすぐに逃げるようになっていたのではないかと疑わざるを得ない。
● 国際空港奪回作戦はアラブ義勇兵の決死行動
第3歩兵師団が国際空港に入り込んだ日、サハフ情報相が「非通常的な戦術で国際空港にいる米軍部隊を撃退する」と語った。
その結果はまともには報じられていないが、アラブ義勇兵が車両に爆薬を積んで戦車に体当たりする戦術をとって戦ったことは報じられている。
そう、サハフ氏はアラブ義勇兵を米軍に“売った”のである。
わざわざ、「非通常的な戦術で国際空港にいる米軍部隊を撃退する」と予告することで、米軍に態勢を整えさえ、アラブ義勇兵を虐殺させたのである。
ハサフ氏が、「非通常的な戦術で国際空港にいる米軍部隊を撃退する」と公表しなければ、国際空港の米軍部隊をアラブ義勇兵の犠牲数は同じであっても、米軍側の犠牲者は少なくとも数倍に膨らんでいたであろう。
パレスチナ・ホテルの庭らしきところで記者会見を行っていたハサフ氏は、米軍に殺される人ではなかったと言える。