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(回答先: 安保理武力容認決議や幅広い支持にこだわらなかったわけ 投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 12 日 17:24:02)
もし,この戦争があっしらさんが推理されているような「ブッシュ−フセインの合作」戦争劇であるとしたら,私の想像力の限界を突き抜けてしまいます.ブッシュらを悪魔崇拝者と呼ぶのに何のためらいもありませんが,目の前で展開されたこれらすべてのことが仕組まれた1幕の暗黒劇であるとすれば,戦慄を通り越して膝を屈するしかありません.そこまでの悪を想像するのは私のキャパシティーを超えています.あっしらさんの議論には容赦ない説得力がありますが,なお反駁を試みます.
▼ 今に至っても大量破壊兵器が発見されないのは,なぜか?あっしら説では,「ひょっこりイラク側施設から出てくる可能性がある」としているが合理性を欠いている.合作だとすればいまだに発見されていないというのはどうみても奇怪だ.
検証: 戦争版に「シリアで大量破壊兵器が発見されれば先制攻撃をかける」というヘラルドトリビューンの記事が出た.この可能性はかなり高い.もし,これが事実となれば合作説はきわめて有力である.最後まで発見されなければ,合作説は消える.もっとも一般的な観測では,「米軍によるでっち上げ」ということになるのだが,この場合は特殊作戦部隊が隠したものを陸軍が発見するという分担になるだろう.リアリティを持たせるため,特殊部隊は隠し場所を陸軍には知らせていないと考えられる.つまり,宝探しゲームである.従って,これからも「イラク側施設から出てくる可能性」はある.米軍は当初この工作をトルコ側から行おうとしていた形跡がある.実際,戦争開始以前の時期に,化学兵器を積んだ数台のトラックがトルコの検問にひっかかったという記事をどこかで読んだ記憶がある.(港から米軍基地に至る道路上という説明があった.ソースは紛失した.^^;) トルコが巨額賠償金を提示されても米軍の基地使用・トルコからの出動を認めなかったため,作戦変更が必要になり,国際的な監視の目が光る中で工作に失敗している可能性もある.
▼ もし,イラク政府中枢が雲隠れし,イラク正規軍が空中分解してしまったとすると,イラク軍の虜囚となった英米軍捕虜はどうなったのか?
検証: イラク軍がすでに統制を失って正規軍と呼ぶべき実態が失われているとすれば,もっとも可能性の高いのは,すべての捕虜が始末(処刑)されているという事態である.合作説では,このようなシナリオは考えづらい.捕虜はすでに解放されているのだろうか?それも不自然であり,危険である.それともどこか安全な場所に隔離されて適当な救出の時期を待っているのだろうか?すでに統制を失った軍に捕獲されている捕虜がいるとすれば,その奪還が何よりも優先されるのではないだろうか?合作説の妥当性は捕虜が安全に帰還するのを見届けるまでは確実とは言えない.
戦争版で私の「4月1日死亡説には根拠が無い」としながらご紹介していますが,薄弱ながら何点かその理由を挙げてみます.まず,私は4月4日のフセインの市民との交歓風景を写した映像はヤラセであると見ています.根拠としては,@ハプニング的な情景を装っているが,台本があり,エキストラを動員して撮影されていることが見え見え(歓声を挙げながら,カメラの方に遠方から接近してくるグループの歩調など).A撮影は車で移動する程度に離れた2地点で行われているが,この時期に野外で長時間それほど大胆な行動を取り得るとは考えづらい.Bフセインのアップがほとんどなく,むしろ後ろ向きから取った画面が多いなど.ここにはテレビが無いので,私の見ている映像はほとんどロイターの生ビデオ(未編集のクリップ)です.記録を取っていないので日付もあいまいですが,記憶に残っている映像を時系列で並べると,
1.戦争開始時期(爆撃後?)のフセインの演説の映像:メガネをかけ,書面を読み上げ⇒偽者(声に品が無い)
2.フセインの演説の映像:メガネなし.男たちが集会所のようなところに集まってテレビのフセインを見ている⇒本物(民衆は知っている.フセインの唯一の実像ではないか?)
3.会議中映像:女流生化学者?が参加している⇒本物だが古いビデオ?(本物は出せなかった)
4.4月1日?会議中映像:フセインの息子が参加している⇒偽者(アップは一度だけ)
5.4月2日?情報相がフセインのメッセージを読み上げる映像(深刻さが伝わってくる)
6.同日?民兵ら?が野外でフォークソングを唄っている映像(胸に迫るものがあった)
7.同日?若い兵士達とフセインの息子?が銃を掲げながら陽気そうに歌うスタジオ?映像(何時取ったものかは分からない)
8.4月3日?情報相がクルド人に対し反米闘争に立ち上がることを訴えるフセインのメッセージを読み上げる映像
9.4月4日フセインが街路上で民衆と交歓する映像⇒偽者(エキストラを使ったやらせ)
4の映像は4月1日か2日だと思うのですが,この前後でフセインは死亡しているのではないかというのが私の推測です(後継者としてフセインの息子を国民に暗示).5〜8の一連の映像から私は指導者を失った国民の深い嘆きを感じました...この後,米軍筋から「イラク軍がコントロールを失っている.フセインの声が電話盗聴でまったく聞かれなくなった」という情報が流れます.なお,イラク軍の本体がどこかに消えてしまったという説ですが,私はそのほとんどは(サダムの死後)無差別空爆により各地で個別に殲滅されたものと考えています.もちろん,かなりの部分は制服を脱ぎ捨てて脱落したでしょう.南部での降伏の件についてのあっしらさんの説明(自分の国土にいるのだから,降伏ではなく軍服を脱いで解散・離脱という選択があったはずだ)は説得的ですが,「兵士は離脱できても,将軍にとっては降伏以外の安全な停戦はなかった」という見方もできるのではないかという気がします.現時点では断定的な結論は出せませんが,私は死亡説の側に立ちたいと思います.