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(回答先: ひょっとしたら... 投稿者 名もなき市民 日時 2003 年 4 月 12 日 07:23:51)
>アメリカは結局、イラク国内での本当の意味での民主主義を望んでいないのではないか、と疑いたくなる。
僭越ですが,疑うも何も,アメリカがイラク国内での本当の意味での「民主的体制」を望んでいるわけはないでしょう。自明の理ではないですか。
真に民主的な選挙を行なえば,人口比から意って,シーア派が実権を握る政権ができあがる可能性があり,その政権がイランと近づく可能性も高い。そうなったらアメリカにとっては悪夢であり,イランにとってはまたとない「棚ぼた」でしょう。(新生イラクはクルド,スンニー派,シーア派からなる連邦制をめざしたほうがよいのではないかと,個人的には考えております)
アメリカが作り上げたいのは「民主的」の装いを取った親米政権であり,できればそれを親イスラエル国家にまで持っていきたいという野望があるわけです。そんな国家は,実質的には独裁体制にしなければ持ちません。
そもそも「独裁」を倒し「民主制」を広めたいならば,イラク支持の民衆デモすら行なえないサウジの親米独裁政権をこそ倒すべきでしょう。
要するに,今回のイラク侵攻に限らず,アメリカの対外戦略は,独裁であるか否かは問わず(独裁であるほうがコントロールしやすい)「親米」国家を作り上げるかそれにてこ入れを行ない,「反米」国家をたたきつぶすかそれを封じ込める,ということの繰り返しであったわけです。この構図は,共和だろうが民主だろうが「ネオコン」だろうが,何ら変わりはありません。かつての南ベトナム政府も,軍政下の韓国も,「民主」とはほど遠い国家でしたが,アメリカは血相を変えて支援を行ないました。
史上,どのような大国も,自分の言うことを聞くような国を育てたりそこに支援をしたりしてきました。それがパワー・ポリティクスというものでしょう。ただ,その大国の論理を「自由」とか「民主」とか口当たりのよいオブラートに包み,その呪文を繰り返すことで,あるべき「自由」や「民主」を汚していることが,アメリカが「偽善的である」という非難を浴びざるを得ない理由だと考えています。
私は「何が何でも反米」ではありませんが,アメリカの言う「自由と民主の世界的伝道」は,帝国主義の厚化粧にすぎないと考えております。