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UBSウォ−バ−グ証券会社・経済調査部チ−フエコノミストの白川浩道さんは、「米国経済はITバブルの崩壊とともに、世界的なディスインフレの波に飲み込まれようとしている」との見方を示す。政策当局は、実質成長率ではなく、名目成長率に大きな配慮を 払わなくてはならない状況にある。名目成長率の低迷は、債務負担感の増大、企業・家計の支出抑制、景気下押し、金融システムの不安定化、クレジット・クランチ、景気下押し、名目成長率の低迷、といった悪循環を生じさせる。これは、 日本経済が90年代半ば以降、長期に亘って経験してきたものである。「日本はその意味でデフレ先進国である」と言う。
<産業再生機構、RCCともに公的資金投入が不可避>
政府は、産業再生と銘打って、不良企業の整理・淘汰に踏み込もうとしている。 そもそも、「産業再生機構はRCCと同じ問題を持つ」。機構が、高目の価格で再生可能企業向け債権を買取れば、2次ロスの発生と納税者負担が生じる。逆に、低い価格であれば、売り手の銀行にロスが発生し、(非メイン行に)公的資金の投入が必要になる可能性が出てくる。不良債権問題というのは、結局のところ、「RCCであろうが、産業再生機構であろうが、最終的に税金の投入は不可避」なのである 。なぜなら、借り手企業の清算価値を引き上げない限り、そして預金者に負担を求めない限り、債務と清算価値のギャップは最終的に公的資金で穴埋めするしか ないからである。日本は、「インフレを起さない限り、政府が長期に亘って、不良債権処理にかかるコストを負担し続けなくてはならない」と言う。
<日銀の思い切ったリフレが「デフレ先進国の必然」に>
米国FEDが動いたことからも明らかなように、短期的な労働生産性の上昇だけで は、経済の安定成長は望めない可能性がある。産業再生によって、日本の労働生産性も上昇するかもしれないが、名目成長率が大きく低迷する可能性が十分にあ る。「これでは意味がない」。日銀による思い切ったリフレが「デフレ先進国の必然 」として要求されるのである。「日本はマイナス金利の世界に入らざるを得ない」と言える。