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(回答先: Re: 効率的で競争力が高いということの意味 投稿者 日時 2002 年 11 月 08 日 20:22:13)
国際市場が拡大している歴史段階や完全雇用状況であれば、書かれている内容に全面的に賛同します。
しかし、ソ連圏の崩壊と中国の開放政策から10年以上経過した現在、日本企業が世界市場シェアの拡大を達成できるとしても、日本経済の輸出という視点で見たシェアの拡大は期待薄です。
書かれている内容で今なお有効なのは、「絶えず新しい需要を開拓していく」新製品を開発して、それを日本で生産することです。
対米依存経済構造のなかで米国経済が不調になれば、少しでも低コストで生産ができるようにとますます製造拠点を海外に移す動きが強まると予測しています。
ただでさえ厖大な経常収支の赤字を計上し続けている米国は、人民元安政策を放置しているように、同じ物であればより安価な物を輸入することを志向しています。
(米国は「世界(米国)の工場」を日本から中国に移行しようとしています)
しばらくは、中国向けの生産財や部品の輸出でしのいでいけますが、中国企業がかつての日本企業のように一貫生産能力を確立すれば、日本経済はかつての米国経済のように貿易収支赤字に転換します。
米国は国際基軸通貨ドルが国内通貨でもありますから、他の経常収支大赤字国家とは違ってしのいでくることができましたが、日本にはそのような芸当はできません。
元々輸出向けの財を外国で生産することにはそれほど反対ではありませんが、日本企業が日本向け財を外国で生産することが“資本の論理”を楯に歯止めが掛からないようでは、「こちらの生活レベルが途上国並に落ちるだけの話」になります。
世界市場が拡大しないことを念頭に置いた経済政策が必要な時代に入っています。
世界市場や世界市場シェアの拡大が見えないなかでの「創造的破壊」は自殺行為です。
(期待されている中国市場の拡大は、中国が輸出を拡大していくということですから、日本経済が衰退していくことを意味します。さらに、なんと言っても中国は共産主義と中華思想を基礎にした国家ですから、中国企業が自立した段階で、競合外国企業とりわけ日本企業の国内向け商売を自由に行わせるとは考えない方がいいでしょう)