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(回答先: Re: でもし福祉が完全インフレ連動なら 投稿者 日時 2002 年 11 月 08 日 17:20:09)
そう遠くない段階でハイパーインフレになる可能性を否定していないので、貿易収支が黒字のあいだにデフレを解消しなければならないと思っています。
インフレターゲット論者は、厖大なデフレギャップがあるデフレ状況なのにハイパーインフレを憂慮するのはおかしいと主張していますが、長期化するデフレ不況がハイパーインフレに転化する可能性をこれまでも説明してきました。
「 」さんが「でもし福祉が完全インフレ連動なら」で書かれている問題はそのまま認識しています。
インフレターゲット論者は、名目GDPの縮小や失業者の増加の過程で供給力が徐々に廃棄されていくことや長期の設備投資抑制が生産設備の陳腐化をもたらすことを軽く見ています。(稼働しない生産設備をいつまでもそのまま抱えているわけではありません)
セーフティ・ネットの対象が増大したり、“痛み”に耐えられない国民が多数派になれば、政府は赤字財政支出の拡大で対応せざるを得なくなります。
赤字財政支出の拡大は供給の裏付けがない需要の増大ですから、そのときに供給力がどれだけ維持されているかで、緩やかなインフレになるか、実質GDPがマイナスのハイパーインフレになるかが決まります。
日本企業の製造拠点が中国などに移転しているのですから、日本という国民経済は供給力が不足していても、日本企業の供給力が不足しているわけではありません。
現在の企業経営者であれば、日本で需要が増大したからといってもわざわざ製造拠点を日本に戻すということを行うのではなく、外国で生産した財を輸入すればいいと判断するでしょう。
ひょっとしたら、日本の需要増大に対応して、より大きな利益が得られる海外製造拠点の供給力を強化するかもしれません。
このような動きは、日本国内の供給力をさらに減少させることになります。
財政赤字支出拡大→ハイパーインフレ→円安→財政赤字支出拡大→・・・・というハイパーインフレの悪循環に陥る可能性があります。
※ 「Re:インフレで好況になれば良いけど」へのレス:
>そう?じゃ、もうちょっと正確に言うと
>金利上昇を遥かに上回るハイパーインフレが起こると
>累積国債の実質価値が目減りし納税者の税負担は減ってうれしいけど
>円預金などしてきた小金持たちは、資産価値が劣化するし
>貧乏年金老人たちは家賃や食費すら満足に払えず悲惨な目にあうってこと
銀行がインフレ率を下回る金利で貸し出しを行うことは、予測を誤ってごく短期ではあるでしょうが、中長期的にはないと考えています。(実質金利で貸し出し契約を結ぶでしょう)
預金金利もそれに連動したかたちで上昇します。
貧乏年金老人は、あなたが書かれているように「でもし福祉が完全インフレ連動なら」それほど悲惨な目にあうわけではありません。
タンス預金をしている小金持ちは悲惨な目にあいます。