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(回答先: 貴殿の論考を読んで 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 9 月 05 日 05:19:11)
ひとつ貴殿の問いかけに答えていないことを思い出しました。それは90年代後半の負担増政策についてです。消費税率アップ、保険料増などの諸政策が景気の腰折れを招き、立ち直りかけていた経済に冷や水を浴びせたのではないか、とのご指摘でした。
この異議申立てに対しては、本来ならば実証的な検討を加え、総括するのが正しい対処法だと思いますが、これまでの議論の進め方に倣い、概論的な反論にとどめます。
97年以降の負担増が仮になかった場合、どういうことになっていたか想像してみましょう(これがないなら、その前にくる減税実施もなかったのですが、まあ、そこは無視します)。3%程度の経済成長を実現し、失業率は再び2%程度まで低下し、企業の設備投資は旺盛になり、所謂自律的拡大基調に転じていた、とお考えですか?
私はそうは思いません。無論、当時景気回復の兆しが見られ、それゆえ負担増にも踏み切れたわけですが、あの景気回復も本物ではなかったと思います。今の日本の構造を抱えたままでは本当の回復など当時もあり得なかったし、今後もないのです。橋本政権を失脚させたのは日本国民の誤りでした。その後の小渕型大盤振るまいに入ることなく、改革モード全開で突っ走るべきでした。金融のシステミック・リスクが現実のものとなり、国民が危機感を抱く絶好のタイミングだったのに、抜本措置を避けました。