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まずはデフレ脱却
投稿者 ケイちゃん 日時 2002 年 11 月 14 日 07:00:24:

(回答先: ケイちゃんへのレス:「理念なき政策(武器)からの脱却」 投稿者 あっしら 日時 2002 年 11 月 13 日 23:12:11)

(1)給与増=供給増と見なす見方について
給与増は間違いなく供給増だ。これは認めても良い。ただ、給与増(額)100=供給増(額)100=需要増(額)100にはならない恐れがある。優良企業の社員の給与が増えても先行き不安があれば給与増加分の内消費に回る部分は限られようし、消費されず貯蓄に回った部分が投資に向かうかはこれまた経済の先行き見通しに左右されるのは避けられないからである。あっしら氏は供給=需要と何の疑いも差し挟まず言ってのけるが、これはおかしい。今の例に沿って言えば、優良企業の社員が給料が増えてもタンス預金をして貨幣が退蔵され、その分経済が拡大しないままに事後的に供給(95)=需要(95)が成立しているのだ、少なくともその可能性が有り得ると言っているのだ。これに対する氏の反論が聞きたい。要は端に一部企業の給料を増やせばそれが経済に波及して行って自動的に問題が解決するのではなく、あくまでも有効需要が出てこないとダメだということである。

(2)政府紙幣発行にあたっての政策理念
さしあたっては、デフレ脱却、景気刺激を最優先するということで十分である。インフレ率が30%とか50%になって国民が黙っているはずがない。インフレを抑えるのは金利調節で十分行ける。ハイパーインフレなど相当無茶苦茶な紙幣乱発をしなければ起こらない(南米やロシアと日本の産業基盤は圧倒的に異なる)。慎重にかつ敏速に段階的増刷オペレーションを行えば、自ずと発行額限界も見えるし、万一インフレになれば抑えこむ事もできる。国民の声に流されて赤字国債と同じように垂れ流しになるのではないか、との懸念だが、それは杞憂である。なぜなら、政府紙幣を発行しても景気回復が十分でなく、インフレの恐れすら出てくるとしたら、その時点で国民はさらなるインフレか景気低迷のいずれかを選ばなければならなくなるからだ。どっちの害悪を好むか国民に問えば良い。現時点では、”避けられる”デフレを放置している段階である。避けられるものはさっさと避け、次の段階へ進むべきだ。

(3)サプライサイド経済学に関する理解
サプライサイド経済学に、実はデマンドサイド経済学でもあるという認識がない点を批判しているのは慧眼だと思う。経済というのは生き物だから、常に需要と供給が予定調和的にマッチするものではない。不均衡は様々な理由によりいつでも存在しうる。大事なことは、これをコントロールできる部分は果敢にコントロールすべきであるという点だ。政府紙幣はその強力なツールである。

(4)政府紙幣の使途について
あっしら氏は公的債務の履行(国債などの償還?)や赤字財政支出(30兆円範囲)に使途を限定すべきではないかとしている。これだけでも何百兆円もある話だから決して小さい話ではない。だが、景気回復のための財政需要というのは数限りなくある。無限といっても良い。流行の銀行への公的資金投入ってやつもそうだし、破綻しかかっている年金の原資だってそうだ。私は言わば公的債務の履行という過去の清算にだけでなく、将来のためになる財政支出にも政府紙幣を利用すべきだと思う。前にも言った通り、ハコモノには限定的にすべきだと思う。政府紙幣の活用で止血している間に様々な改革を行って経済構造を作り変えてゆけば良いと思う。

(5)政府紙幣が無視し続けられる理由
これだけ好都合な打ち出の小槌がなぜ無視され続けるのか。あまりにも虫が良すぎるからだ。Too good to be trueというわけだ。だが冷静に経済の論理を追って行くと、戦争や破壊に頼らず赤字財政にも頼らない有効需要の生み方はこれしかないと分かる。政府紙幣と日銀券は等価交換が担保されるから、究極的には日銀のバランスシートの借方に政府紙幣が来て、同額が貸方に日銀券発行額が来る事になる。こうして見ると日銀に国債直接引受けさせているのと原理的にはさほど異ならない行為だというのが見えてくる。しかし、市場性のある国債と政府紙幣は一方でやはり性格の異なるものである。早くこの政策を取れば取るほど、政府紙幣の投入額は小さくて済むであろう。

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