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(回答先: レス1:「供給=需要」再論 − 「供給=需要」が「供給>需要」になるのは通例 − 投稿者 あっしら 日時 2002 年 11 月 14 日 19:07:45)
>「デフレ不況」を解消するためには、それらの負の要因を取り除かなければ
>ならない。そのためにこそ、優良企業の給与引き上げと同時もしくは先行す
>る「低中所得者減税」を提唱し、銀行国有化を提唱している。
デフレ不況の解消策として、あっしらさんは、@優良企業の賃金増、A低中所
得者の減税、B銀行の国有化の3点をここで上げられていますが、それぞれに
ついて次のような見解があります。整理、抜粋しましたので、議論の参考にし
てみてください。
1.優良企業の賃金増について
高貯蓄率を低落させて消費に向かわせるためには、サプライサイド経済学に立
脚した経済認識だけでなく、需要側の立場からも見るべきだ。サプライサイド
側によれば、税の累進性を強化と、生産性向上による労働者の実質所得の向上
といった対策が帰結されるのだろうが、前者は効果が薄いし(次の2参照)、
後者は企業の投資が収益の増大をもたらすことで、はじめて賃金が決定される
のだから、妥当ではない。
※「匿名希望氏との経済・財政問題をめぐる応答集 」のやり取りを整理
http://www.asyura.com/2002/dispute4/msg/134.html
2.低中所得優良企業の賃金増について
高所得者層の税負担を重くして、中低所得者層の可処分所得を増大させるだけ
では、緩やかなインフレを招来させデフレギャップを解消することはできない。
所得税の累進税率を変更して、累進カーブを急にしても、現在よりは個人消費
が若干高まる程度であって、効果は量的に不十分だからだ。1984年の税制改正
以前よりも累進性を高めたり、低所得層へ補助金を与えたりするのは、法案成
立の現実性もないし、活力減退や脱税の横行といった弊害を生むだけだろう。
また、1980年代から連綿と続くこれまでの税制に関する思潮は転換していく必
要がある。なお、この案の実現には貧富の対立を意図的に煽って、庶民の怒り
を背景に金持ちがモノを言えなくなる「空気」を醸成させ、法案成立に持ち込
むしかないだろう。そのために庶民の暮らしがもっとひどくなる必要がある。
※「匿名希望氏との経済・財政問題をめぐる応答集 」のやり取りを整理
http://www.asyura.com/2002/dispute4/msg/134.html
3.銀行の国有化について
銀行を国有化し不良債権処理をした場合、@景気はさらに悪化し、A銀行は外
資系ファンドが売り飛ばされる弊害があるとの意見があります。その一部を抜
粋です。
●景気の悪化について
「(税金を銀行に投入して銀行を国有化し不良債権処理を行った場合、)多く
の企業が倒産し、デフレが進行し、所得が減少し、不良債権は増え続け同時に
国の借金も増加する。もちろんゼロ金利は続き金融機関は赤字経営が続き税金
投入がマンネリ化する。(中略)消費と所得に関係は極めて比例関係に近い。
所得が伸びない限り消費は伸びない。所得が減り続ける限りどこまでも景気は
回復するどころかデフレが進行し続けることは間違いない」
http://homepage2.nifty.com/niwaharuki/sihonchuniu.htm
●政策の整合性について
「『銀行に不良債権をどんどん処理させ、もし資本不足になれば、公金を注入
しろ』と言う意見がある。事実上の銀行の国有化である。『民間にできること
は民間にやらせる』と郵便貯金の民営化を主張している小泉政権の閣僚が言っ
ているのである。(中略)もしそのような大金が使えるなら、その金で財政出
動し、経済の実態を良くする方が先であろう。例えばゼネコンに大型公共事業
を発注し、代金を前払いし、その金を銀行に返させる方がよほど良い」
http://210.173.130.46/eco/eco251.html
●韓国の事例について
「銀行の国有化に関して、よく韓国の例が持出される。『韓国はIMFの管理下に
入り、銀行を国有化し、経済の構造改革を行ったため景気が良くなった。』と
言う話である。しかしこれは全く事実ではない。アジア危機で韓国は打撃を受
け、IMFに緊急融資を要請した。IMF(ニュークラシカル系の経済学者の大ばか
者の集まり)は、融資の条件として緊縮財政を韓国に求めた。しかし韓国政府
は断固としこれを拒否した。韓国は、緊縮財政ではなく、反対に積極財政と金
融の緩和、さらにウォン安政策を行ったのである。韓国では住宅のミニバブル
が起るほど景気が回復した。しかし決して銀行を国有化して不良債権を処理し
たから、このように景気が良くなったのではない。そうではなく積極財政によ
る需要政策を行ったから景気が良くなり、不良債権の処理も容易にできた」
http://210.173.130.46/eco/eco270.html
「
●外資系ファンドが取得できる根拠法について
「『金融機能の再生のための緊急措置に関する法律』(平成十年十月十六日法
律第百三十二号)第52条にこう書かれています。
(特別公的管理の終了)
第五十二条 内閣総理大臣は、平成十三年三月三十一日までに、機構又は特別
公的管理銀行に次に掲げる措置を行わせることにより、この章に定める特別公
的管理を終えるものとする。
一 特別公的管理銀行の営業の譲渡
二 特別公的管理銀行の株式の譲渡その他の処分
国有化はあくまで一時国有化に過ぎず、特別公的管理の期限がきたら外資であ
ろうとどこであろうといずれ売り飛ばされる運命にあります。この法律が出来
たのは平成10年、その時の国有化(特別公的管理)の期限は平成13年まで
だったわけです。今後の新たに国有化された場合の国有化の期限は、この法令
の「改定」という形で下記の改正案が今国会にも上程されているそうです」
※2002年11月7日の投稿
http://hpcgi1.nifty.com/bellwoods/niwa1.cgi
●大銀行の国有化の弊害について
「長銀を除き、外資系ファンドにとって魅力のある大型の出物がなかったので
ある。したがって彼等は、今日、破綻した企業の「ちまちま」した不動産物件
を転売して小さな利益を積み上げているのが現状である。したがって内閣改造
で金融担当相になった竹中大臣の政策方針に、外資が大きな期待を持ったのも
当然である。大銀行の国有化後の売却も魅力であるが、切り捨てられる企業も
多くなり、彼等にとって買収企業の選択肢が大きく広がるのである。(中略)
外資は破綻企業をタダのような金額で買収し、その企業に簡単なお化粧を施し
て(日本人経営者にはできないドライな手法で)、それを高く転売する。(中
略)しかしこれによって切り捨てられる従業員や下請は、結局、放り出される
か、あるいは回り回って彼等を税金で面倒を見ることになる。つまり日本国民
の負担で、外資は転売益を得ているとも言えるのである。ただそれが見えにく
いだけである」
http://210.173.130.46/eco/eco272.html