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(回答先: レス3:「政府紙幣」は発行できない! − 政府紙幣が無視し続けられる理由 − 投稿者 あっしら 日時 2002 年 11 月 15 日 13:49:18)
あっしらさん、こんにちは。
横レスで失礼します。あまりにもあっしらさんの議論が刺激的で面白いので、ここの議論をぜひ深めて戴きたいと思いました。
>“あまりにも虫が良すぎる”政府紙幣をほいほい発行されることになってしまったら、世界経済を支配している国際金融家の厖大な権益が失われることになる。
私は別の感じ方をしました。政府紙幣というのは、中央銀行制度とは異なる系統の通貨の産み出し方ですよね。
中央銀行の場合の通貨の産み出し方には万国共通と言っても良い(floating system下の)ルールがある。
そして、各国通貨が流通するための信用基盤は中央銀行に対する信用に他なりません(だから日銀のb/sの劣化とかがやかましく言われるわけですね)。
ところが、政府紙幣というのは政府そのものの信用をバックに紙に印刷を行い、その額面(ほぼ)丸々が政府収入になる。
国債は借金ですから利息も払わねばならないし、償還もしなければならない。しかし、政府紙幣はそのようなことはない。発行額も言わば政府の随意と言える。
政府紙幣の国内的な意味は、コストを伴わない政府収入の増大である。怖いのはインフレだけだと。ところが、諸外国
から見たら、自国通貨の切り下げ手段なわけですね(しかもルール無視の)。世界恐慌の後、各国が競って自国通貨の
切り下げ競争に走り、その動きから経済を防衛するためにブロック経済体制に向かい、行くつく先は第二次世界大戦でした。
この反省からU.N.を始めGATT, IMF, ブレトンウッズ体制などが生み出されたのは世界史の教えるところです。
つまり、日本の政府紙幣発行が検討だにされないのは、諸外国の反発を招くことが明らかで、世界の孤児になる可能性
すらあることが強く意識されているからではないでしょうか。WTOから除名されるかも知れません。そうするともう輸出も
輸入実質的にはできなくなり、国家としては死んだも同然になります。
経済支配層の反発というよりも、円切り下げのための最強のツールを世界のルールを無視して使用されては困る、
そんな手法は諸外国から認められない、ということで選択肢にも登っていないのだと思います。日本が政治的に真の
意味で「独立」しても、この伝家の宝刀だけは抜けないのだと思います。抜く時は、国連脱退も辞さず、という覚悟ですかね。
榊原氏の中央公論の論文は私も読みましたが、「政府紙幣」のアイデアに言及するのに、かなり用意周到というか、何物かに気を使っている気配がすごく漂っていました(スティグリッツをアリバイとして引き合いに出したりとか)。