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(回答先: 批判への反論 投稿者 あっしら 日時 2002 年 11 月 07 日 00:18:54)
あっしらさん、ご返答有難うございました。
あっしら理論につき、私の理解するところをさらに敷衍し、敢えて批判を加えたいと思いますので、頓珍漢なことを言っているようならご指摘戴きたいと思います。
結局のところ、あっしら氏は資本主義、もっと言えば私有財産制や利益追求そのものを否定しているわけではない。これらの根本にある欲動は、他人より金を持ちたい、贅沢をしたい、金の力を使って自らの影響力を強めたい、ということである。こうした根源的欲求そのものの批判ではなく、それら欲得の結果として経済がうまく回らなくなることの方を問題視しているのである。
利益を上げることも、その利益が再投資され経済に還流してゆく限りは問題ではない。ただ、そうなりにくい状況があるから、中低所得層の減税や給与の上昇を通じて消費の"元手”を消費中核層に与えるべきであるとする。即ち、あっしら氏の論理の核心は、経済活動による果実の再分配の問題である。果実の再分配に偏在が見られる(つまり貧富の差が拡大する)、それが一国の最終消費の総和が最大化する組み合わせになっていない、ということである。
この問題を解消する方法を最も単純化すると次のようになる。日本で最も所得の高い人(仮に100億円の所得とする)から最も所得の低い人(失業中で所得0円)まで、6千万人をずらっと一列に並べる。それを何階層かに分け(例えば10階層)、税引後の可処分所得の分布が最終消費の総和を最大にするような階層ごとの所得税率(所得0円層には補助金)を定めれば良い。こうすれば、民間私企業経営者に向かって「給与を上げよ」などと無理な注文をする必要もなくなる。
問題は、このような理想的な所得再分配のための税率が確定できたと仮定して、それによって日本が現在の経済的苦境から本当に脱出できるのか、という点にある。直感的には、このような所得税構造の変革は若干の消費増加には繋がるだろうが、とても全ての問題を解決するようには見えない。経済が好循環を取り戻すためには、所得の再分配だけでなく、経済社会の構造そのものが時代にふさわしいものに変貌を遂げて行く必要があるように見える。