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(回答先: ご批判ありがとうございます。 投稿者 せいがく 日時 2002 年 11 月 10 日 07:49:57)
>>「ブラックボックス」がきちんと作動しない根源的要因は、利潤獲得が経済活動の
>>目的であることと通貨が銀行制度を通じて供給されていることだと考えています。
>ここまで言い切ってしまうと、既に「世界同時革命」が必要という結論に至るので、
>利潤獲得と銀行制度を是認する議論を想定しています。おっしゃる意味は、これまで
>のあっしらさんの投稿で分かっているつもりです(異論もありますが)。
私的所有や所得格差は認めた上での利潤獲得と銀行制度に対する否定は、「世界同時革命」は必要ないと考えています。(銀行制度の問題は、とてつもない国際圧力がかかってくるとが思っていますが、革命云々のレベルではありません)
私的所有や所得格差を是認するなら、利潤獲得と銀行制度の問題を解決しなければならない歴史的経済状況にあるという自覚こそが求められています。
>「擬似公務員制度により失業率はゼロになっている」、と強弁するつもりはありませ
>んが(笑)、
冗談は抜きにして、「擬似公務員制度」で失業率をゼロにする政策は肝要です。
>たとえ輸出の伸びがゼロでもデフレスパイラルに必ず陥るとは言い切れないと思いま
>す。供給側が極めて効率的になり、巨額の利益を産める体質になっていることが重要
>です。過当競争がなければ価格を落とすことはありませんのでデフレ要因がひとつ取
>り除けます。
利潤の源泉は何なのかという根源的な問題に帰着するテーマですね。
過当競争と過剰人員を整理することで、国際競争力が上昇して輸出が拡大しない限り、過当競争と過剰人員を整理しても、デフレ不況がさらに深化することになります。
(「擬似公務員制度」を維持するためには、当座は赤字財政支出でも原理的には増税が避けられません)
輸出(経常収支黒字)拡大抜きで、「供給側が極めて効率的になり、巨額の利益を産める体質になる」論理をご提示いただければ幸いです。
>公共部門の無駄は「利権」という言葉だけでは済まないほど広範囲に広がっていると
>見ます。例えば、今の公務員(準公務員も含む)は一旦全員擬似公務員(失業者)になっ
>てもらいます、本当に必要とされる者だけ元の公務員に戻します、とした場合、どれ
>だけの人員が必要でしょうか。規制緩和やITの導入、住民の不便の甘受を良しとすれ
>ば、今の半分くらいで済むかも知れません。
実際に首を切るかどうかは別として、本当に必要な公務員数の算定は意義があると思います。
実際に首を切る場合は、それによって生じる需要減とそれによって生じる失業者(
疑似公務員」)の増加を考慮する必要があります。
需要減は公務員削減で財政支出が減少した分をいくらか減税することで補えますが、「疑似公務員」になった人たちの所得税納付減少や「疑似公務員」の増加に伴う財政支出の増加でほとんど相殺されてしまうことになります。
「疑似公務員制度」の供給活動が新規需要を拡大してその分財政支出を減少させるとしても、それほどのものではないと予測します。
>非人間的な、あるいは「しごきの論理」でこういうハードランディングを言っている
>のではありません。あくまでも視点は経済全体を好転させるところにあります。その
>ために、公務員を含む供給側が6000万人でなく、実は5800万人で今までと変わらない
>供給体制を保てる、そういう体制を確保したら経済が好転し、新たな発展が期待でき
>る、ということなら、200万人を隔離し、擬似公務員にしましょう、ということです。
前回書いたように、公務員は供給側とは考えていません。
「供給側が6000万人でなく、実は5800万人で今までと変わらない供給体制を保てる」というのは、ほとんどそうできると考えています。
しかし、需要体制は従来のものが保てなくなるわけですから、供給力過剰になります。
赤字財政支出が究極は増税で賄われるというものであれば、少なくなった供給体制のなかから、多くなった「疑似公務員」向けにより多く吸い上げる必要ありますから、需要が減少し、これまでと同じように縮小均衡に向かっていきます。
供給=需要ですから、物理的な供給量を維持したとしても、金額的な供給が減少すれば需要が同じように減少するので、デフレは解消できません。
「そういう体制を確保したら経済が好転し、新たな発展が期待できる」のは、完全雇用状態や資金不足状態にあり、労働力や資金を他に振り向けることで輸出の拡大が実現できるときのみです。
>あっしらさんの理論は新旧勘定は分離しなくても経済再生は可能というものだと思い
>ますが、私は二つを分け、新勘定を発展させ、旧勘定から人材を引き戻す勢いを持た
>せる、旧勘定は旧勘定でそれ自体、新たな社会に有意味なサービスを提供してゆく、
>ということが可能なのではないか、と考えました。
今回書いたことでご理解いただけると思いますが、政府債務の積み上げを厭わないという考えであれば、人的資源の「新旧勘定」分離政策は有効に働くと思います。
政府債務の積み上げを厭わないという考えより、私の「低中所得者減税」+「優良企業賃金引き上げ」のほうが、自由主義的というか近代的枠組みに適ったものだと思います。