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米で労使連合が退職者の年金減額提案−年金改革 自民は高齢者に目が行き過ぎ アフリカ、資源争奪戦は「時代遅れ」
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/542.html
投稿者 eco 日時 2013 年 4 月 15 日 00:17:24: .WIEmPirTezGQ
 

(回答先: インフレ、消費税増税でも生活保護費は引き下げ!? 厚労省が根拠にする「物価下落」のマボロシ 投稿者 eco 日時 2013 年 4 月 12 日 01:02:33)


013年 4月 14日 15:20 JST
米で労使連合が退職者の年金減額提案−年金改革

By KRIS MAHER

米国で複数の労働組合と企業で構成する労使連合が約1000万人の年金を左右する連邦法の改正を求めている。労使連合の提案には退職者に支給される年金の減額も含まれており、法律が改正されれば、40年間ぶりに年金支給額の減額が認められることになる。

労使連合は1974年制定の従業員退職所得保障法(エリサ法)で定められた保障の取り消しを求めている。この提案をめぐって、年金の権利擁護団体や一般の組合員の間で既に議論が起きている。要望は全米トラック運転手組合や全米食品商業労働組合など国内最大規模の労組や米国建設業協会などの業界団体がまとめた。


複数事業主型年金制度の業種別比率

年金の専門家によると、労使連合が今年初めに公表した報告書は2014年に失効する年金規則に代わる法案の土台となる可能性があるという。上院の年金政策関連委員会の委員長を務める民主党のトム・ハーキン上院議員(アイオワ州選出)は退職者への支給減額を含むこの提案について、「出発点」と位置づけた。

ハーキン氏は「労使が協力して、何百万という中流家庭の年金を守るための包括的な提案で合意することができたという事実は大きな進展だ」と述べた。

時代にそぐわなくなった年金制度に対応しようとしているのはこの労使連合だけではない。オバマ大統領は先日公表した2014会計年度予算教書に退職者が受け取る社会保障給付金の減額につながる措置を盛り込んだ。今月8日には、会計検査院(GAO)が支払い不能となる複数事業主型の年金の数が2017年までに倍増する可能性があると発表した。

 専門家によると、米国には1450の複数事業主型の年金があり、そのうち約10%はてこ入れが必要だという。複数事業主型の年金は建設やトラック運送、食品小売りといった企業が共同で資金を拠出し、毎月、退職者に確定給付金を支払う。複数事業主型の年金は現在、退職者と現役の労働者を合わせて1030万人の退職後の保障を支えている。

 複数事業主型年金の半数以上では、年金債務に対する資金の積み立て比率が少なくとも80%に達している。株式市場が暴落した2008年末の時点で80%の積み立て比率を達成していた年金は10%で、状況は改善した。しかし、財政状況が非常に悪い年金もある。政府の予測によると、150もの複数事業主型年金が支払い不能状況に向かっているという。

 このような問題を抱えた年金への対応として、労働組合と企業は既に退職した人に支払う年金を減額できるようにエリサ法の改正を提案している。

 減額支持派は早期に支給額を減額すれば、将来の大幅減額を回避できるとしている。労使連合の提案では、労働者側と経営者側を代表する受託者が年金の支払い能力を回復させるにはどの程度、支給額を減額するか決定する。ある労働組合の幹部は支給額の減額は決定から1年以内に実施される可能性があると述べた。

 労使連合の提案によると、減額はそれぞれの年金の財政状況によって異なる。支給額は年金給付保証公社(PBGC)が保証する水準の110%にまで減額される可能性がある。110%まで減額された場合、30年間勤務して65歳で退職する人の年金は年間1万2870ドルとなる。

 労使連合のまとめ役となった非営利団体NCCMPのエグゼクティブ・ディレクター、ランディー・デフラン氏は支給額減額の提案には賛否両論があると認めながら、複数の議員が年金を救済しないと発言していると指摘した。デフラン氏は「減額提案は逆救済とでも呼ぶべきものだ。公的部門や納税者にしわ寄せがいかないようにするものだからだ」と述べた。

 退職者の権利を擁護する団体は警戒感を強めている。年金権利センター(ワシントンDC)のディレクター、カレン・ファーガソン氏は年金制度を長期にわたって存続させたいという労使の利害と収入を失うわけにはいかない高齢の退職者の利害が対立すると指摘した。ファーガソン氏は法律によって退職者が減額について意見を述べることができるようにすべきであり、議会は減額に代わる案を検討すべきだと思うと語った。

 オハイオ州ノートン在住のグレッグ・スミスさん(64)も同じ意見だ。スミスさんは31年間、トラックの運転手として働き、2011年に引退した。スミスさんは現在、全米トラック運転手組合の年金から月額3019ドルの小切手を受け取っている。この組合は2024年に支払い不能に陥ると予想されている。実際に支払い不能に陥れば、PBGCが年金支払いを引き継いで、スミスさんが受け取る年金は月額1100ドルにまで減額される可能性がある。

 労使連合の提案によれば、スミスさんへの支給額は年金の資金が底をつく前に減額される。年金は運用によって支払い可能な状態までに回復するチャンスが与えられる。スミスさんへの支給額はPBGCが保証する水準の110%に相当する月額1210ドルを下回らないことが保証される。

 スミスさんは「私たちのような退職者は不安定な立場にある。退職者が貧しくならないような案を考えてほしい」と述べた。

 全米食品商業労働組合の複数事業主型年金を監視するデイビッド・ブリッツスタイン氏は年金支給額の減額については今でも組合、企業、議員の間で意見が分かれていると述べた。ブリッツスタイン氏は労使連合が提案をまとめるまで1年半続いた協議に参加した。「協議に参加した誰にとっても非常につらい協議だった」という。

 ブリッツスタイン氏によると、労使連合に参加した組合の過半数が退職者への年金の減額を支持したという。全米食品商業労働組合は提案を承認したことを公表している。同組合には60の複数事業主型年金があり、140万人が加入している。財政状態が非常に悪いおよそ5つの年金を救う唯一の方法は退職者の年金を減額することかもしれないと指摘したが、どの程度減額する必要があるかはわからないと述べた。同氏は「財政が悪化した年金の支払いを具体的にどう減額するかの手本はまだない」と説明した。

 年金の支払い能力が損なわれた背景にはさまざまな要因が関係している。企業の破たんで年金に資金を拠出する企業の数が減少したうえ、景気の低迷で投資収益率が低下した。年金の強化を図るための政策決定が逆に弱体化を招いたこともあった。

複数事業主型の年金が登場したのは第2次世界大戦中だった。当時、賃金は戦時労働局が管理していた。年金はその代償として組合に提供された。年金は付加給付の1つだった。当初は企業の拠出金が年金の唯一の財源だった。1960年代に資金問題が生じ、その対策として1974年にエリサ法が制定された。エリサ法によって事前の資金拠出が義務化され、投資が主要財源となった。

 1980年代までに、資金が潤沢な年金が現れ、企業は拠出金について非課税措置を受けられなくなるというリスクに直面した。企業は退職者への支給を増やすことでこれに対応し、それ以来、支給額は一度も減額されたことがない。複数事業主型の年金は2000年のハイテクバブルの崩壊の影響から立ち直り、平均的な年金の積み立て比率は2007年の時点で90%だった。しかし、2008年の市場の暴落で年金は大きな打撃を受けた。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323846104578421853241548278.html?mod=WSJJP_hpp_LEFTTopStoriesFirst


「自民は高齢者に目が行き過ぎ」 自民・野田氏

■野田聖子・自民党総務会長

 私は若い女性に「将来の日本の辞書に『専業主婦』という言葉はない」と言っている。経済が小さくなり、働く人が少子化で減り、猫の手も借りたくなる。猫の前に来るのが女性だ。私たちの孫娘は、働きながら子育てしなければならない。自民党はあまりに高齢者に目が行き過ぎている。年金、年金とこだわるあまり、若い人へのお金を渋り、若い人は子どもを産まなくなっている。私たちが倒れた時、支えてくれる人がいなくなる。真に高齢者の幸せを守るためにやるべきことは、担い手である若い人を育てることだ。フランスでは子どもがたくさんいる方が公共交通機関が半額や無料になりお値打ちだ。そういう制度を国中に作る。自民党は少子化対策を形にして、後世の人にプレゼントしていきたい。(水戸市での党茨城県連女性局大会の講演で)

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自分の市場価値を高めるには?2013年4月14日
人の市場価値を決める3大要素「能力」「実績」「意欲」とは?

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 自身の能力と人脈を育み、成長のためのチャンスをつかむ秘訣を、ヘッドハンターとして活躍する岡島悦子さんに語っていただくこの企画。前回は、ある人の実力、すなわち市場価値とは、「能力」「実績」「意欲」の三つで構成されているという話をしましたが、それぞれの要素でコンテンツとして求められているものは何でしょうか――。今回はそれについて説明していきましょう。

■人の市場価値を決めるコンテンツ要素(1) 能力

 「能力」とは、具体的な知識やスキルのことを指します。これは業務を通して習得したり、ビジネススクールやビジネス書などでも身に付けることができます。いわゆる経営知識、論理思考力、分析力、コミュニケーション能力、リーダーシップ力などが、これに該当します。

 この「能力」は、勉強やスポーツと同じように、地道な反復でしか身に付けることができません。本来は業務を通じてすべてが学べれば最適なのですが、基礎的な経営知識については、ビジネススクールやビジネス書を読むといった「お勉強」によっても、能力を向上させることが可能です。

 コンテンツの「能力」では、保有している能力を具体的に説明し、その知識やスキルをどのように構築してきたのか、どのような場面で使えそうかなど、事例を交えて説明する必要があります。

 もちろん、マネジメント・レベル(職位)によって、求められる「能力」は違います。例えば、ジュニア・マネジメントであれば、個人としてP/L貢献能力(スキル+知識)、ミドル・マネジメントであれば、チームとしてのP/L貢献能力+人材育成能力、シニア・マネジメントであれば、事業としてのP/L貢献能力+組織開発能力+事業のB/Sマネジメント能力、が求められます。

 ですから、コンテンツとなる「能力」とは、自分のマネジメント・レベルに応じた知識やスキルを保有していれば良いということになります。

 ところで、経営知識ということで言えばMBAで学べば、少なくともシニア・マネジメントレベルで求められる「経営知識」については、習得しているはずです。しかしながら、ここで問題なのは、知識として「知っていること」と、その知識を適切に「使える」ことの間には大きな違いがあることです。

 たとえば、戦略のフレームワークを知っているだけではもちろん意味がなく、そのフレームワークを適切な時に使って分析ができ、適切な戦略案を構築できるというのが、「コンテンツ」に求められるレベル感なのです。

 残念ながら、本やビジネススクールで学んだことを、使う実践の場がなく、「使う力」が磨かれていない方も多いように見受けます。「実践する機会はなかったようだが、能力は保有しているらしいので」という「触れ込み」のコンテンツで抜擢された方が、いざ実践の場では、実は能力がさびついていたり、「MBAごっこ的な能力(知っていたつもり)」を振りかざし、抜擢の期待に応えられない、という厳しい現実もあるようです。

 ファイナンスの知識やスキルがある、といったような「能力」をコンテンツにする方の場合には、「自分は本当にその能力を使う力があるのか」ということも自問自答したうえで、コンテンツへと作成していくことが必要です。

■人の場価値を決めるコンテンツ要素(2) 実績


「実績」は、仕事の中でしか得られないものです。いわゆる、コンテンツの要素(1)の「能力」をどう「使って」結果を出したか、という事実のことです。

 「経営のプロ」と呼ばれる方であれば、「前任者までは赤字だった部門を、年間○千万円の利益水準まで1年間で改善させた」とか「×××人のチームマネジメントをして新規事業を立ち上げた」といった定量化できる実績、しかも難易度の高いことを達成した実績が、コンテンツに必要となる実績です。

 しかしながら、若い方であれば、「○○のプロジェクトでリーダー的な役割を果たした」「××をするときにこんな貢献をした」といった経験で充分です。

 ヘッドハンティングの現場で若い優秀な方とお会いすると、コンテンツの要素(1)の「能力」、つまり知識やスキルについては充分だけれども、その知識やスキルを実践で使って、成果を出した経験がほとんどない、という方をよく見かけます。いわゆる「頭でっかち」で「わかる、と、できる、とは違う」と言われてしまうタイプです。

 しかしながら、コンテンツとなるような「実績」というと、それこそこの本のテーマである「活躍の機会を獲得」しないと得られないものです。実績を作る機会に恵まれていない若手の方は、どうすればいいのでしょうか。

 若手の方の場合には、コンテンツとなる「実績」はどんなに小さなものでも良いですし、実績途上のものでも、失敗体験でもいいのです。要は「○○さんなら、これができそうだ」と、「できる」でなくても「できそう」と相手に予感を与えることが重要なのです。

 「聞くとやるとは大違い」ということを知っている、人を動かす大変さや修羅場の大変さを知っている、失敗から学ぶ学習能力が高い、など、あなたが今後大きな実績を作れる人材に成長しそうな確率が高い、というストーリーを相手が認識できればいいのです。

 ですから、場合によっては、コンテンツとなる「実績」は成功体験でなくてもいいのです。仮に思わしくない結果に終わった経験でも、「そこで何の役割と責任を担ったか」「どんな努力をしたか」「経験を通して何を学び取ったか」などを相手にわかってもらえれば、それは充分プラスの判断材料になります。

 人に誇れるようなコンテンツを作る、というと、「成果をあげなければならない」というイメージがありますが、若手の場合には、実は具体的な成果がそれほど重視されないケースも多いのです。逆説的ですが、多くの人は実際の成果物や成績の優劣よりも、逃げない姿勢や、失敗から学んだことを次に活かす能力に対して信頼を寄せてくれるものです。

■人の場価値を決めるコンテンツ要素(3) 意欲

 コンテンツの要素の最後となるのが「意欲」です。これは「Commitment(コミットメント)」と言い換えてもいいでしょう。Commitmentは、直訳すると「委任・約束・責任」などの意味ですが、ここでは「目標を共有し、その達成のために努力すること」というニュアンスで考えてください。

 実力を身に付けるときは、つい能力の向上や成果を出すことに意識が向かいがちですが、意外にコミットメントの感覚は大切です。実は、推薦する側にとっても「過失なく仕事ができるけれど、こじんまりとまとまってしまった人」よりは、「多少荒削りだけれど、その業務や課題に思い入れが強く、やりぬく姿勢を持っている人」のほうが「化けて(=予想以上に大きく成長して)くれる可能性」を感じさせるため、抜擢する動機につながりやすいのです。

 このコンテンツの要素「意欲」は、「将来何をやりたいか(Will)」と同じ意味ですが、それと違い、その意欲の背景となっている原体験や使命感などのエピソードが説得力の勝負になります。当然のことながら、深く内省した結果から導き出されているような意欲でなければ、熱い想いで語ることはできず、人を動かすことにはつながりません。

 たとえば、「日本の医療システムを構造改革したい」という志を持っている方であれば、自分や自分の家族が患者となった時の原体験や、課題認識などを、わかりやすく具体的に語ることができれば、「意欲」がコンテンツとして成立するのです。

 コンテンツの要素?の「実績」と違って、意欲の場合には、「できるかどうかわからない」人が、「でもやりたいんです」ということで説得していくコンテンツになるのですから、コンテンツのレベル感としては、「本当にやりたいの?」「なぜ?」という質問が、相手から繰り返されることを覚悟し、「可能性にかけてみたい」と相手が強く思ってくれるような、ある意味「熱いコンテンツ」に作り込む必要があります。


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・岡島悦子氏――三菱商事、ハーバードMBA、マッキンゼーを経て独立した経営人材・そしてリーダー育成のプロ。女性営業職登用特有の課題を踏まえた具体的な女性リーダー育成法、組織マネジメント法についてお伝えいたします。

岡島 悦子(おかじま・えつこ)
プロノバ代表取締役社長

筑波大学国際関係学類卒業、ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。三菱商事、ハーバードMBA、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、2002年、グロービス・グループの経営人材紹介サービス会社であるグロービス・マネジメント・バンク事業立上げに参画、2005年より代表取締役。2007年、プロノバ設立、代表取締役就任。グロービス経営大学院教授、経営共創基盤アドバイザー、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP) ヒューマン・アドバイザー。ダボス会議運営の世界経済フォーラムから「Young Global Leader 2007」に選出される。経営チーム強化コンサルタント、ヘッドハンター、リーダー育成のプロとして活躍中。

『抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー』
岡島悦子著
東洋経済新報社/1575円

http://wol.nikkeibp.co.jp/article/trend/20130412/150442/?P=3&ST=career



商品2013年 4月 13日 18:44 JST
金価格、「弱気相場」入り―2011年7月以来の安値

By CHRISTIAN BERTHELSEN, TATYANA SHUMSKY AND GREGORY ZUCKERMAN

金価格は12日、高い利回りを求めて他の資産を物色する投資家の売りが続き、一時2011年7月以来で最も安い1オンス=1480.20ドル(約14万5500円)まで下落した。終値は4.1%安となった。

ここ10年、金を裏付けにした上場投資信託の導入で購入しやすくなった上、2008年の世界金融危機後の年率10%を超える価格の上昇で投資家の人気が高まっていた。

しかし、12日の急落はこれまで12年続いた金価格の上昇基調が今年は終わるとの見方を強めた。実際今年に入っての金投資の魅力は薄れていた。株価の上昇やインフレの鎮静、米連邦準備制度理事会(FRB)が近い将来に金融政策の緩和度合を低めるなどの観測がその要因だ。

ニューヨーク商品取引所のCOMEXで取引の中心となる金先物6月限は同日、前日比63.30ドル、4.1%安い1オンス=1501ドルで引けた。

最近のピークから約20%低下すると「弱気相場」入りしたといわれる。欧州債務危機が深刻化し、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債の格付けを最上級の「トリプルA」から引き下げた11年8月には、金価格は過去最高の1888.70ドルまで上昇した。

また、下落幅の割合でみると、12日は昨年2月以来最も大きかった。

トレーダーの一部は、過去に一定の下値支持の役目を果たしてきた1520ドルを割れたことを重くみている。12日の下落の結果、ヘッジファンドのATグローバル・キャピタルのスティーブン・クライン氏など複数のトレーダーが「弱気派」に転じた。クライン氏は過去2年投資を手控えている。

「現時点では完全に地合いが変わってしまったようにみえる。金価格は常に投資家心理が一番の支援材料だったが、このところの相場の推移は、その心理がなえてしまったことを示している」とクライン氏は述べた。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323556404578420140140145414.html?mod=WSJJP_hpp_LEFTTopStoriesSecond

HEARD ON THE STREET 2013年 4月 13日 19:14 JST 更新
フランスの新たな親友、日銀―仏国債に日本資金流入の期待感

By RICHARD BARLEY

 フランソワ・オランド仏大統領は安倍晋三氏に感謝しなければならない。

 オランド氏が有権者や投資家、欧州委員会の批判にさらされるなか、フランス国債の利回りが過去最低を記録した。日本の安倍首相が推進するリフレ政策を日銀が強力に後押ししているおかげだ。オランド氏は政策のフリーパスを手に入れたも同然だが、スペインやイタリアは同様の支援を当てにしてはいけない。

 日銀は今月4日、資産の買い入れを大幅に拡大すると発表した。クレディスイスによると、資産の買い入れ額は2013年の日本の国債純発行額の159%に上る。日銀の発表を受けて、日本の国債利回りは急速に低下したが、今後、世界にも影響を与えることが予想される。バークレイズの調査によると、日本の投資家の87%は日銀の政策の結果、外債の購入が増えると予想している。それにはまだ時間がかかりそうだ。財務省の発表によると、日銀が金融緩和を発表した週には日本の投資家は外国証券を売り越していた。

 しかし、市場は先を見越して動いている。欧州では今週、フランスの10年債の利回りが1.71%近辺に低下し、過去最低を更新した。スペインとイタリアの国債利回りも急落し、日銀の政策によって財政難の南欧経済も救われるかのではないかとの思惑が浮上した。

 だが、これには2つの異なる力が働いている。フランスは今後、日銀の政策の恩恵を直接受ける可能性が高い。シティグループによると、過去1年に日本の投資家によるフランス国債の買い越し額は4兆円を上回った。一方、スペインとイタリアへの資金の流入は限定的だった。ポイントはフランスがドイツ国債の代替投資先で利回りが高く、しかも安全性と流動性の高い投資対象とみなされていることだ。

 スペインとイタリアは依然として、フランスよりもはるかにリスクの高い投資対象で、流動性も低下している。バークレイズの調査によると、日本の投資家の47.8%がフランスへの日本の投資が増加すると予想しているが、スペインとイタリアへの投資が増えるとみている投資家は13%に過ぎない。南欧の債券に日本の需要が高まると期待している投資家は失望する可能性が高そうだ。

 ただ、イタリアとスペインは日銀による流動性の供給が引き起こした世界的なリスク選好の恩恵を間接的に受けている。

 これはオランド氏にとってプラスだ。リスク選好は変化が速く、スペインとイタリアの政策が不十分だと判断されれば、国債価格の上昇は瞬く間に反転する可能性があり、政府は対策を講じるよう迫られる。しかし、フランスは日銀のおかげで日本からの資金流入が期待されるため、国債市場が手厚く守られている。日本からの資金流入が実際にはまだ始まってもいないのだからなおさらだ。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323556404578420170500686266.html?mod=WSJJP_hpp_LEFTTopStoriesSecond

焦点:投資熱高まるアフリカ、資源争奪戦は「時代遅れ」
2013年 04月 14日 13:33 JST
[ヨハネスブルク 11日 ロイター] アフリカのビジネスブームに乗りたいのなら、どの国に投資するのかを吟味すると同時に、困難な道のりに備えておくことも必要だ。それでもブームの波には勢いがあり、道を誤らなければ利益を上げることができるだろう。

かつて「絶望の大陸」とまで呼ばれたアフリカだが、今では成長率とともに利益率も高くなっていることから、政治家やこの地でビジネス展開する企業経営陣は、概ね楽観的なメッセージを発している。

アフリカ台頭のシナリオが強固なファンダメンタルズに基づいていることに疑いを持つ人はほとんどいない。つまり、世界でも抜きん出た成長、若い労働人口や消費者の増加、そしてアフリカが持つ商品(コモディティ)に対する世界的需要が高まっている点に、このシナリオは裏打ちされている。

このほど開催された「ロイター・アフリカ投資サミット」の参加者の大半は、アフリカ投資への強気の姿勢を見せていたが、一方でアフリカが不安定で障害が多い場所であるという警戒感も持ち合わせていた。

英スタンダード・チャータード銀行のダイアナ・レイフィールド・アフリカ担当最高経営責任者(CEO)は、「アジアの新興国市場と比べてみれば、アフリカにはより多くの障害がある」と語った。

物流の拠点であるナイジェリアやケニアを見れば、アフリカ大陸の潜在能力の高さがうかがえる。しかしその反面、コンゴやマリ、モザンビークなどは情勢が不安定で、大陸全体が決して平穏な場所ではないことが分かる。

アフリカ諸国に投資する人たちは、国によって異なった市場や文化、規制の枠組みがあることを理解しておかねばならない。「どれほど意欲があっても、投資家として多くの国で同時に成功を収めることはできない」。米カーライル・グループのサブサハラ(サハラ砂漠以南)向けファンドを担当するMarlon Chigwende氏はこう指摘する一方で、「適切な戦略で臨めば高いリスク調整後リターンを見込めるだろう」とも語る。

実際、昨年大きな成長を見せたナイジェリアとケニアの株式市場では、いずれも今年すでに20%以上上昇しており、短期間でもリターンを手にできる可能性はある。

<資源争奪戦は「時代遅れ」>

アフリカが台頭すると考えている人たちは、このシナリオが経済成長に限ったことではないと強調する。アフリカ開発銀行によれば、サブサハラ・アフリカの今年の国内総生産(GDP)成長率は5.8%と予想されており、世界からは羨望(せんぼう)の眼差しが向けられている。

同時に専門家らは、アフリカ諸国が民主主義や治安から経済運営や法による支配に至るさまざまな分野で前進していると口をそろえる。

ロシアの投資銀行ルネッサンス・キャピタルのアフリカ部門CEO、クリフォード・サックス氏らは、時代遅れの投資家はアフリカを石油や鉱物資源の貯蔵庫としてしかみていないと指摘。「資源争奪戦」という考えは全体像を捉えきれていないと分析する。

ルネッサンスの2002─09年までのデータによると、鉱物資源はアフリカの成長のわずか14%を支えているに過ぎず、一方で銀行取引や通信などのサービス業が53%を占めているのが実情だ。

カーライル・グループでも、食料や消費財、携帯電話などの急成長セクターに注力する計画だという。

<製造業への投資>

各国政府が、雇用や生活の向上を求める国民まで恩恵を確実に行き届かせたいなら、成長と投資を呼び込む機会を逃してはならない──。アフリカをめぐっては、こうした見方が一般的になっている。

トヨタ自動車のアフリカ本部長を務めるヨハン・ファン・ゼイル氏は、「アフリカには若者が多く、どのような形であれ彼らと経済を結びつける必要がある。雇用創出が重要になるだろう」と語る。また、「アフリカは消費大陸だけでなく、製造大陸としても成長する必要がある」と製造業への投資の重要性を強調した。

アフリカ全体では製造業が依然として乏しく、そのほとんどが大陸で最も経済発展を遂げた南アフリカに集中している。国連アフリカ経済委員会(ECA)やアフリカ連合(AU)によると、大陸全体の総生産高に占める製造業の割合は、1980─2010年までの30年間で、12%から11%に減少している。これとは対照的に、東アジアでは31%を超えている。

ただ、ルネッサンスのサックス氏は、雇用創出につながる投資を呼び込みたいからと言って、アフリカ各国政府が投資家たちのために法律を性急に変えることだけは避けるべきだと話す。

例えば、1980─90年代にかけて高い成長率を記録していたジンバブエを見れば、事態がどれだけ悪化する可能性があるかが分かるだろう。政治が原因で経済が崩壊状態にある同国では、政府が2000年に土地収用法を改正して白人から土地を強制的に取り上げ、黒人に再分配する政策を開始。この問題はなお混乱が収束していない。

ジンバブエのこうした「強奪政治」について、同国のテンダイ・ビティ財務相は、今年予定されている大統領選挙が正念場になるとの見方を示している。

アフリカ最大の産油国であるナイジェリアでさえ、イスラム武装勢力のボコ・ハラムによる攻撃などが続いており、治安面での深刻な課題もある。

それでも、スタンダード・チャータード銀行のレイフィールド氏は、ナイジェリアの市場は少々のことでは揺らぐことはないと語り、「アフリカの市場には1つおもしろい特徴がある。それは、長い目で見れば必ず報われるということだ」と自信を見せた。

(原文執筆:Pascal Fletcher、翻訳:梅川崇、編集:橋本俊樹)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE93D00H20130414



 

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コメント
 
01. 2013年4月16日 02:07:32 : xEBOc6ttRg
 

 


MBAの本は、なぜ進歩がないのか
経営学に貢献すべきは学者ではなくビジネスパーソンだ
2013年4月16日(火)  入山 章栄


 本連載では、米国ビジネススクールで助教授を務める筆者が、海外の経営学の先端事情を紹介して行きます。
 さて、私は昨年『世界の経営学者はいま何を考えているのか(以下、「世界の〜」)』という本を上梓したのですが、その中で「『ハーバード・ビジネス・レビュー(以下、HBR)』は、米国の経営学では学術誌とは認められていない」と書いたところ、大変な反響がありました。
 これは事実です。HBRは海外の経営学を知る窓口として、日本でもビジネスパーソンの方によく知られています。しかし米国の経営学者のあいだでは、同誌は経営学の「学術誌」とは認識されていません。
 たとえば、米国の上位ビジネススクールにいる教授(=経営学者)たちは、評価の高い経営学の学術誌に論文を掲載しないと出世できないのですが、HBRはその基準に含まれていません。 私の様な若手が「HBRに論文を投稿したい」と言ったら、ベテラン教授から「そんな業績にならないことは、やめなさい」と言われるのがオチでしょう。
 なぜでしょうか。この背景を理解していただくには、米国の、そして世界の経営学者が進めている研究の流れを理解していただく必要があります。
「理論」から「ツール」へ
 連載第1回でも触れましたが、世界の経営学は社会科学の側面を重視しています。それは「経営の真理法則を科学的に追い求める」という態度です。
 たとえば、みなさんの中には「攻めの経営戦略は守りの戦略よりも有効か」とか、「買収した企業の経営陣は追い出した方がいいのか」といったことで悩まれた方もいらっしゃるかもしれません。これらは、みなさんが知りたいと考えている経営法則です。
 経営学者はこのような法則の何が正しいのか(真理に近いのか)を探求するために、(1)まず、理論分析を行います。理論分析とは、「なぜそうなるのか」という経営の本質についての因果関係を探求することです。そしてそこから経営法則についての理論仮説を導出し、(2)企業データを使った統計分析などによる実証研究を行います。そしてその結果を学術誌に投稿し、審査員から認められれば、晴れて学術論文として掲載されるのです。
 米国上位の各ビジネススクールには、学術誌に対して「A」、「B」といったランク付けがあります。たとえば私のいる米ニューヨーク州立大学バッファロー校の基準では、経営戦略論分野なら『ストラテジック・マネジメント・ジャーナル』が代表的なA学術誌の一つです。国際経営分野では『ジャーナル・オブ・インターナショナル・ビジネス・スタディーズ』がAになります。そして繰り返しですが、このランキングにHBRは入っていません。
 このように、学術誌に科学的なアプローチを使った研究成果が発表されて「経営学の知」が積み上がり、世界の経営学はここ20年ほどで飛躍的に進歩してきました。
 さてここからがポイントなのですが、経営学という学問のユニークな点は、この学術誌で発表された経営法則を、そこで終わらせずに、みなさんのビジネスに使ってもらうことを考える必要があることです。
  経営学は「実学」の側面を持っていますから、その知見を実践に応用してもらうことは大事な課題です。そしてそのためには、学術誌で発表された経営理論・法則を、実務での経営分析や意思決定に使いやすいように落とし込む必要があります。ここでは、それを「分析ツール」と呼びましょう。
HBRは先端の「経営分析ツール」を学ぶ格好の場
 事業計画などで使われる分析ツールは、コンサルティング会社などが自らの経験から生み出したものが多くあります。たとえば、ボストン・コンサルティング・グループが考案した「BCGマトリックス」は多角化戦略の分析でよく使われます。
 他方、 学術的な理論に基づいて生み出された分析ツールの代表は、米ハーバード大学のマイケル・ポーター教授による「ファイブ・フォース」でしょう。米国のMBAでは間違いなく勉強させられる有名なツールです。
 これは、1970年代に経済学(産業組織論)で打ち立てられたSCP(Structure-Conduct-Performanceの略)という理論フレームワークを基に、ポーター教授が実践向けのツールとして生み出したもののです。SCP理論では、たとえば「競争的な事業環境にいる企業ほど、収益性は低くなる」という命題があります。しかしこの命題だけでは、実践でどうやって「その事業環境が競争的か」を分析したらいいか、わかりません。
 そこでポーター教授は、SCPを基に、具体的に業界の収益性を規定する『業界内の競争圧力』、『新規参入圧力』、『顧客の交渉圧力』、『サプライヤーの交渉圧力』、『代替製品の圧力』という5つの圧力(フォース)を示し、それぞれのフォースを分析するための定量・定性的な見方を示したのです。
 ちなみに、このツールを「ファイブ・フォース理論」と呼ぶ方がいらっしゃいますが、経営学的にはそれは正確ではないということになります。(学者がそう定義しているというだけなので、どうでもいいことですが)。
 そして、このように経営学者たちが生み出す経営分析・意思決定に役立つツールを発表する場こそが、HBRなのです。
 HBRでは、ややこしい理論を記述した「学術論文」は紹介されません。そのかわり、学術研究の成果から得られた実務へのヒントや分析ツールを紹介した「実務論文」が多く掲載されます。いわば、経営学者とビジネスパーソンの橋渡し役です。この意味で、やはりHBRはぜひみなさんに読んでいただきたい雑誌なのです。MBAホルダーの方々が書かれる経営のハウツー本で紹介されるのも、多くは「理論」ではなく「ツール」のはずです。(注)
 そして、 先端の分析ツールが多く紹介されるHBRよりもさらに厳選されたものだけがまとめられているのが、ビジネススクールで使われる経営学の教科書です。
 ビジネススクールは専門職大学院であり、その目的はビジネス・プロフェッショナルを育てることです。したがって、そこで読まれる経営学の教科書に学術的な理論の仔細が記載される必要はありません。代わりに、実務でも使えるような分析ツールや、理論から導かれた意思決定に役立つヒントが多くまとめられているのです。
依然ポーターが支配するMBA戦略論の教科書
 ここで重要なポイントを申し上げましょう。
 私は米国で経営戦略論を教えている関係で、これまでに何冊も同分野の教科書を読んできました。そしてわかったことは、どの教科書も(細かい違いはありますが)紹介している主な分析ツールは同じである、ということです。さらに驚くことに、それらの中身はかなり昔から変わっていません。なかでも、競争戦略論(=経営戦略論の主要分野)で紹介されている分析ツールは、ほとんどが依然としてマイケル・ポーター教授の生み出したものなのです。
 たとえば、この手の教科書の第三章辺りはたいてい「事業環境分析」について書かれていますが、そこで紹介されるのは間違いなく前述の「ファイブ・フォース」です。「企業内分析」の章では、ポーター教授が発展させた「アクティビティー・システム」や「バリュー・チェーン」といったツールが紹介されます。「競争戦略分析」の章でも、同教授が生み出した「ジェネリック戦略」という分析ツールが取り上げられます。
 率直に申し上げて、私は学術的な経営戦略論の研究とMBAで使われる教科書のあいだに、大きなギャップを感じています。
 なぜなら前述したように、学術分野としての世界の経営学はこの20年で目覚ましい進歩をとげてきたのは間違いないからです。実際、私は著書『世界の〜』で、「競争戦略論は近年になって新しい理論・実証研究の成果がいくつもあがっており、もはやポーターの理論だけでは十分ではない」とまで書きました。
 他方で、そのエッセンスを絞り込んだ分析ツールが載っているはずのMBAの教科書は、主要なものに長いあいだ変わりがないのです。たとえば私の手元には、昨年刊行されたフランク・ロサーメル米ジョージア工科大学教授の教科書(McGraw Hill社)があります。その全ページの約半分を占める競争戦略についての内容をみると、未だにポーター、ポーター、ポーター(そしてちょっとだけバーニー)、といった感じなのです。
MBAの教科書が進化しないのはなぜか
 私のお気に入りの本に、慶応ビジネススクールの清水勝彦教授が書かれた『戦略の原点』(日経BP社)があります。清水教授は少し前まで米テキサス大学で准教授を務められた、国際的にもたいへん素晴らしい研究業績を残されている経営学者です。
 清水教授は同書の中で、「米ビジネススクールで使う経営戦略論の教科書はやたらと分厚いが、その中身は実践にはあまり役に立たない『枝葉』の部分が多く、『幹』は限られている 」という主旨のことを述べて、「ビジネススクールの学生は、幹の部分を繰り返し勉強することが重要である」と主張されています。
 私もこの意見に共感します。さらにいえば、これは学術的な研究から得られた知見が「幹」となるほどの分析ツールに落とし込まれていない、あるいはそのための経営学者の努力が十分でない、という背景もあると考えています。
 もちろんこういったMBAの教科書にも、新しい経営理論・法則の一部は記述されています。しかし、ポーター教授のファイブ・フォースのように、実践に使いやすいところまで練られたツールとして落とし込まれないために、結果として「枝葉」に留まっているのではないでしょうか。(なおこれは、取って代えられないほど普遍的なツールを生み出したポーター教授の偉大さも物語っています。)
 では、なぜ経営学者による「分析ツールに落とし込む努力」が十分でないかというと、それはまさに「HBRに論文を書いても業績にならない」という米経営学界の実状と直結しているように思います。
 前述したように、学者にとって「ツール化」は業績に結びつかないのですから、学術的な研究と比べて関心が薄くなるのは当然です。そうであれば「経営学者から多くの経営分析ツールが提案されて、それらが切磋琢磨して、みなさんの役に立つようなツールが絞り込まれていく」という状況は期待できません。
学術成果と実務をつなぐパイプはまだ乏しい
 私は、経営学者の学術研究重視がダメだ、と言いたいのではありません。物理学の知がなければエンジニアリングの発展もないように、経営分析ツールを生み出すためにも、まずは「経営の真理法則」を学術的に探求することが重用だからです。
 他方で、私は経営学が「実学」としても発展して欲しいと願う1人です。これだけ学術的な成果があがっているのに、それらがビジネスパーソンに届いていないのはもったいない、と思うのです。
 実は、私が拙著『世界の〜』を書いた理由の1つもこれでした。
 この本では、上記の様な理由で、すぐに実務に役立つような「分析ツール」は紹介できていません。その代わり、世界の経営学者たちがフロンティア進めている研究の知見をそのまま、噛み砕いてお伝えしています。ビジネスパーソンが読めば、その知見の中から何かを「汲み取って」くれるかもしれない、と考えたからです。実際、「この本は今すぐには役立たないかもしれないが、ビジネスを深く考え直すきっかけになった」と言ってくださる方がとても多いのです。
 逆に言えば、米国の経営学界がこのような状況ですので、この「学術的な成果を背景にした経営分析ツールを開発する」分野は、実はかなりのポテンシャルがあるはずです。
 そしてこの意味で私が期待しているのは、学術論文を書くことに忙しい学者ではなく、こういったことに問題意識のある実務家やコンサルタントです。こういった方々が、たとえば拙著で紹介したような学術論文を読まれて、そこから自身の実務的な知見をもとにビジネスで使える分析ツールを開発するという分野が発展するなら、それはとても素晴らしいことではないでしょうか。
 実際、そういう方々は少しずつ日本でも現れているようです。たとえば、東京都にあるインテグラート社(小川康社長)では、学術研究でも注目されている「リアル・オプション理論」を応用し、現実のビジネスシミュレーションに落とし込んだソフトウェアを開発・販売しています。
「経営分析ツール業界」はまさに「ブルー・オーシャン」
 リアル・オプションは経営戦略論で研究されている学術理論です。そして、同分野の第一人者である米ペンシルバニア大学のイアン・マクミラン教授や米コロンビア大学のリタ・マグラス教授などが、その学術的な成果を実践に使えるように落とし込んだ実務論文を、HBRなどに多く発表してきました。
 そして、マクミラン教授に直接指導を受けた小川氏(とインテグラート社)が、その意思決定ツールをもとに、実務の意思決定の助けになるソフトウェアを開発したのです。これは「学術研究→ツール化→ソフトウェア化」と、学術的な成果が「落とし込まれて行った」素晴らしい成果の1つでしょう。
 とはいうものの、このような事例はまだ希有だと思います。私は、ぜひ意欲のあるコンサルタントや実務家の方々に、もっと世界の経営学のフロンティアの学術論文を読んでいただいて、そこから得られる知見からツールを生み出してもらえないだろうか、と期待しています。欧州経営大学院(INSEAD)のチャン・キム教授風に言えば、これは、まさに「ブルー・オーシャン」の分野なのかもしれません.
 ちなみに、このブルー・オーシャンも私の理解では 「ツール」であって、「理論」ではありません、、、念のため。
注:HBRの日本版は『ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー』としてダイヤモンド社から刊行されています。

入山 章栄(いりやま・あきえ)
1996年慶応義塾大学経済学部卒業。1998年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関への調査・コンサルティング業務に従事した後、2003年に同社を退社し、米ピッツバーグ大学経営大学院博士課程に進学。2008年に同大学院より博士号(Ph.D.)を取得。同年よりニューヨーク州立大学バッファロー校経営大学院のアシスタント・プロフェッサーに就任し、現在に至る。専門は経営戦略論および国際経営論。著書に『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)がある。



米国発 MBAが知らない最先端の経営学
ピーター・ドラッカー、フィリップ・コトラー、マイケル・ポーター…。日本ではこうした経営学の泰斗は良く知られているが、経営学の知のフロンティア・米国で経営学者たちが取り組んでいる研究や、最新の知見はあまり紹介されることがない。米ニューヨーク州立大学バッファロー校の助教授・入山章栄氏が、本場で生まれている最先端の知見を、エッセイのような気軽なスタイルでご紹介します。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130411/246503/?ST=print


米大学、「我が世の春」は終わるのか ホワイトハウスの情報公開が増幅する選別の波
2013年4月16日(火)  太田 智之


 金融危機が経営の追い風となった数少ない業種の1つが大学である。
 厳しい就職戦線を勝ち抜くため、学位を手に入れようと、大学に入学する人が大幅に増えたからだ。2011年10月時点の米大学在籍者数はおよそ2040万人と、ここ5年で2割近く増加した(図1)。
図1 米大学の在籍者数

(資料)米国商務省
高学歴は有利に見えるが…
 では、学位を取得することで、どれくらい有利な就職ができるようになるのだろうか。
 図2は、学歴別で失業率と週平均賃金を比較したものだ。これを見ると、学歴が高いほど失業率は低く、賃金は高いことがわかる。つまり、大学を卒業することで、仕事に就くチャンスが広がり、しかも相対的に高い賃金を得ることができることを示している。
図2 最終学歴別にみた失業率と週平均賃金

(資料)米国労働省
 この数字。一見、学位取得の効用が大きいように思われるが、失業率、平均賃金とも世代間の相違を考慮していない点に注意する必要がある。10年前、20年前に大学を卒業した人と、金融危機後に大学を卒業した人では、明らかに就職環境が異なるからだ。足元で学生ローンの返済に苦しむ若年世代が増えているのは、まさにその証左と言える。
学生ローンの延滞率は急上昇
 図3は、各ローンの延滞率の推移を見たものだ。そのうち、学生ローンの昨年12月末時点の延滞率は11.7%と2四半期連続で過去最高を更新した。その割合は、住宅ローンやクレジットカードローンの延滞率を上回り、個人向け貸出の中で最も高い水準となっている。
図3 各ローンの90日以上延滞率

出所:ニューヨーク連銀
 より詳細な集計によると、延滞率の悪化が著しいのが30歳以下の若年世代である。学生ローンを返済している人のうち、90日以上支払いが滞っている人の割合は35%と、その他の年齢層に比べて突出して高い。授業料の高騰を背景に借り入れが膨らむ一方、卒業しても希望する仕事に就けない学生が増えていることが、その背景にあるとみられる。
 また、延滞まではいかなくても、学生ローンの負担増などから、生活スタイルの変更を余儀なくされている若い世代も少なくない。
 ピュー・リサーチ・センターの調査によると、若年世代の持家率は、金融危機前の40%から、2011年には34%まで低下した。米国では生活必需品である自動車の保有率も、足元で7割を切る水準まで落ち込んでいる。回答者の中には、資金的な制約から、結婚や子作りを先送りせざるを得ないと考える人も増えており、大学を卒業したからといって、生活水準の向上に結びつくとは必ずしも言えないのが現状だ。
大学も生き残りをかけた大競争時代へ
 大学進学の金銭的な負担感が増す中、授業料に見合うだけのいい仕事に就くことができるのか。その「費用対効果」に対する世間の関心はこれまで以上に高まっている。
 そうした中、オバマ大統領は、一般教書演説で「学生やその親たちが、費用に見合う教育が得られる大学を選べるよう、新たなデータベースを整備する」と述べ、大学の情報公開を積極的に進める方針を明らかにした。
 既にホワイトハウスのホームページでは、全米の大学を対象に、年間授業料のほか、所定の期間内における学位取得率や学生ローンの平均残高、またその延滞状況などが公開されている。(http://www.whitehouse.gov/issues/education/higher-education/college-score-card
 例えば、米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長の母校であるハーバード大学を検索すると、年間費用は2万ドル弱で、学位取得率は97.4%と高い。学生ローンの平均残高は7700ドルだが、その延滞率は1%という健全さだ。一方、バーナンキ議長の出身地ジョージア州オーガスタにあるオーガスタ州立大学では、年間費用こそおよそ8000ドルとハーバード大学の半額以下だが、学位取得率は2割程度にとどまっており、学生ローンの延滞率も12%超と状況は大きく異なる。
 将来的には、大学ごとの就職率や、就職時の平均年収のデータも整備される予定で、大学による就職事情の差が容易に比較できるようになる計画だ。また、政府はこうした情報をもとに、年間1500億ドル、日本円にして14兆円を超える補助金の配分も順次見直す方針だ。
 情報公開の進展は、大学進学希望者にとって有益な一方、個別の就職事情などが白日の下にさらされる大学にとっては、選別の眼が厳しくなることを意味する。まして、教育実績をもとに補助金の見直しが図られるとあっては、大学にとって死活問題にもなりかねない。
 学位取得意欲の高まりを追い風に、我が世の春を謳歌してきた米国の大学業界だが、今後は生き残りをかけた厳しい競争時代に突入することになりそうだ。

太田 智之(おおた・ともゆき)
みずほ総合研究所調査本部ニューヨーク事務所長
1969年京都府生まれ。95年京都大学大学院農学研究科修了。富士総合研究所(当時)入社。経済調査部、日本経済研究センター、財務省財務総合政策研究所等を経て、2012年7月より現職。主に米国マクロ経済、経済政策の分析を担当。著書に『デフレ不況の実証分析』(2002)東洋経済新報社、『日本経済の明日を読む』(2008)東洋経済新報社、『中国の台頭と東アジアの金融市場』(2006)日本評論社(いずれも共著)等。テレビ東京ワールド・ビジネス・サテライトのワールド・マーケットに出演中。



Money Globe- from NY
変わりゆく米国の姿を、ニューヨークから見た経済の現状と、ワシントンの政策・政治動向の両面をおさえながら描き出していく
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20130410/246448/?ST=print


 


【第82回】 2013年4月16日 出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役社長]
社会変革の起爆剤になり得るマイナンバー制 スウェーデンの事例を虚心坦懐に学ぶべき

 政府は3月1日、「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案」、いわゆる「マイナンバー法案」を閣議決定して国会に提出した。同法案は、現在、国会で精力的な審議が行われているが、マイナンバー制は、国民の自己情報コントロール権を尊重し、行政機関が個人情報を適切に取り扱うことができれば、行政手続きをシンプルにするという意味で、わが国の社会を大きく変える1つの起爆剤になる可能性を秘めているのではないか。
マイナンバーの活用は
2016年1月を予定
 法案によれば、2015年10月に全国民と中長期滞在の外国人に対して、個人の識別番号が通知され、2016年1月からマイナンバーの活用が始まる予定だ。顔写真付きの「個人番号カード」も付与されるという。当面は、納税や年金・健康保険の保険料納付・受け取り、生活保護や児童手当などの給付にマイナンバーが使われる。これによって、複数の役所に分かれて保管されてきた情報が一元化され、国民は様々な給付の申請に必要な書類等を入手するため、複数の役所の窓口を回って歩く必要がなくなり、利便性が大幅に向上しそうだ。また、行政コストの削減も期待できそうだ。
 しかしながら、この法案については、2004年に旧社会保険庁で発覚した多数の職員による業務目的外の国民年金保険料の未納情報等に関する情報漏洩のような心配が付きまとう。個人情報の保護という面から、マイナンバー制の導入を心配する考えがあることは当然だろう。このような背景もあり、今回は政府のどの機関が、いつ、自分の情報を提供したかが、個人でチェックできる仕組み(マイ・ポータル)や、行政機関から独立した委員会による地方公共団体などのチェックの仕組みが考えられている。
 こうした個人情報の取り扱いが適切になされることを前提にすれば、マイナンバー制は、各個人が社会保障の負担と受益をはじめとする自らの各種情報にインターネットを介して簡単にアクセスできる仕組みでもあるので、行政サービスのコストが下がるだけではなく、記載上のちょっとした誤りなど行政処理のミスもなくなると予想され、結果として市民生活に資するのではないか。
先進国スウェーデンの事例に学ぶ
 ところで、マイナンバーと言えば、スウェーデンの個人番号制(Personal Identification Number:PIN)がつとに有名だが、その内容や活用状況を学んでみよう(以下、「北欧モデル」日本経済新聞出版社刊を参照した)。
 まず、PINは10桁の数字から成っており、最初の6桁が生年月日、ハイフンの後の3桁は生誕番号と呼ばれており、男性が奇数で女性が偶数、最後の1桁はチェック・ディジェットと呼ばれている。同じ誕生日の人に任意の4桁を割り振るので、ごく簡単にどこにも同一番号がないPINを作ることができる。

 また、国民は最後の4桁さえ覚えておけばいいということであり、もちろんPINは生涯変わることがない。スウェーデンでは、子どもが生まれたら、病院が国税庁にその事実を知らせる義務がある。国税庁は、その子どもにPINを付与し、一件書類を親に郵送する。親は子どもの名前を届ける。国税庁は関係する役所に子どもの情報を一斉に通知するので、例えば自治体は児童福祉サービスの案内等を親に送付し、社会保険庁は(親から請求がなくとも)自動的に児童手当の給付手続きを始めることができるのだ。
 もう少し、PINの活用事例を学んでいこう。スウェーデンでは、原則として確定申告が課せられているが、税務署が予めPINによって住民登録ネットワークから収集した所得情報等の関連情報に基づき、税額や還付額などを前もって記入する「プレプリント方式」が採られているので、国民は申告書に誤りがなければサインして返送するだけで、確定申告が済んでしまう。見方を変えれば、個人の所得が全て捕捉されている透明性の高い社会であるということでもある。
 年金では、16歳以上の国民に、年1回、オレンジ・レターと呼ばれる年金情報通知が送られ、個人のあらゆる年金情報が「見える化」されている。このレターには、民間金融機関の情報も含まれており、国民は自分の年金の状態を全て一元化して確認することができる。
 なお、スウェーデンの年金は、エイジフリー年金であって、国民は61歳以降で受給開始年齢を自由に選択できる。65歳以前に受給すれば、受給額が減額される一方、65歳以降に先延ばしすれば、受給額は増額される。受給額も、25%、50%、75%、100%の何れかを自己の就業状況等に合わせて、自由に選択できる等、裁量性が極めて高い。
 住所変更手続きも画期的である。PINでログインし、氏名、新旧の住所、電話番号、メールアドレスを入力すると、確認書類が送付され、それにサインすれば、手続きは1回で全て完了する。住民登録だけではなく、各種行政機関や郵便局にも自動通知される。さらに、本人が希望すれば、銀行や証券会社、保険会社、クレジット会社などの民間企業にも変更情報が通知されるため、一度の手続きで全ての住所情報が自動的に変更されるのだ。
民間企業のビジネスにも活用
センシティブ情報は峻別して保護
 この他、注目すべきスウェーデン独自のシステムに、SPAR(Swedish Population and Address Register) がある。SPARは、国税庁所管の独立性の高い機関で、広く社会に対して、住民の正しい情報と住所情報を提供することを目的としている。例えばSPARから情報を得た民間企業が、子どもの生まれた親におむつの広告を送ることができるのである。
 もちろん、民間企業からの要請を受けた場合、情報提供を行うか否かについては、SPAR委員会が厳格な審査を行った上で決定しており、また、自分で情報が使われるのが嫌な人はオプトアウト(拒否の選択)ができるが、スウェーデンではオプトアウトは人口の1.4%程度に過ぎず、SPARは一般には便利なサービスとして認識されているようだ。
 ところで、スウェーデンでは、個人情報の保護は、どのようにして図られているのだろうか。PINは1966年から記録のコンピュータ化が開始されたが、1973年に独立性の高い第三者機関であるデータ検査委員会が設置され、個人情報の尊厳を守ることを主眼として監督を行っている。
 1973年に施行されたデータ法は、1998年にEUデータ指令に基づき、個人データ保護法として改正されたが、個人情報は@当該行政機関の行う事業の目的に沿った利用である場合、A本人の身元確認の必要がある場合、Bその他、これに準ずる理由がある場合に限って、利用可能であると規程されている。なお、@は本人の同意は不必要である(統計利用がその典型)。一方、人種、宗教、思想信条、労働組合加入の有無、医療などのセンシティブ情報は、原則、コンピュータ処理をしてはならないと規定されている。
 最後に、スウェーデン社会の大きな特徴として、一般の個人情報とセンシティブ情報が俊別されていることがあげられる。センシティブ情報は上述の通り、厳格に守られるべきだが、その他の個人情報の提供は、国民の義務であり、権利を正当に行使するための手段でもあると考えられているのだ。例えば、所得情報は閲覧可能だが、これは自己の社会保障給付の権利を得るために、また適切な納税などの義務を果たすために必要かつ重要な個人情報であり、センシティブ情報ではないと認識されているのだ。
 この考え方は、国や行政機関に対する国民の信頼度が大きく影響していると思われるので、そのままわが国に適用することは難しいとは思われるが、これからのわが国のプライバシーの保護を考える上で1つの有益な示唆を与えるものであると言えよう。センシティブ情報は、徹底して秘匿し、その他の個人情報(住所氏名や所得など)は、公共の目的のために必要に応じて開示するというのがスウェーデン流なのだ。
北欧モデルは十分研究に値する
 以上、かなり詳しくスウェーデンのPINについて述べてきた。その理由は、わが国の将来を展望する上で、北欧モデルは、十分、研究に値すると考えるからである。先進国をアングロサクソンモデル、大陸モデル(フランス、ドイツ、ベネルクス etc)、南欧モデル、北欧モデルに分けて考えたとき、近年のGDP成長率が最も高いのは北欧モデルであり、かつ、北欧モデルは、財政も健全で出生率も高いのだ。
 もちろん北欧諸国は、スウェーデンが約1000万人、ノルウェー、フィンランド、デンマークがそれぞれ約500万人程度の人口規模であることなどから、国民の連帯意識や国や行政機関に対する信頼度が日本とは異なっている点に留意しなければならないが、一般に北欧では、国民は政府に貯蓄する感覚で納税し、総選挙の投票率も80%を超えるという(わが国の前回の総選挙の投票率は59.32%であった)。
 以前の当コラムでも指摘したことがあるが、活力・高成長(強い国際競争力)と高福祉を両立させることは、人類の1つの夢であって、それに北欧モデルは近づいているという見方もできる。そうであれば、学ばない理由はどこにもない。一部には、北欧モデルは、人口の少ない小国だからこそ実現できるのだ、という見方もあるが、仮にその見方が正しいのであれば、道州制を導入すればいいだけの話ではないか。
 ともあれ、マイナンバー制の使い勝手の良し悪しは、法律よりむしろ政省令の具体的な内容や実務の運用に、大きくかかっていると思われる。これからマイナンバー制を具体化(詳細設計)するに際しては、虚心坦懐にスウェーデンの事例に学ぶべきだと考えるが、どうか。
(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)
http://diamond.jp/articles/print/34699


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