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日本人のみが助かろうというような考え方ではダメだ。
そういうとすぐにきれい事だと言う人もいるようだが、きれい事ではない。
貧困を始めとする不平等の問題や、テロの恐怖を煽り監視国家を作り不自由な社会を作ろうとしている動きなど、すべては、世界規模で、世界中の人を組み込んで起こされていることだからだ。
日本人だけが助かる道などはないし、よしんば助かったとして、それは他国の人を犠牲にしてのものになるだろう。
また、日本の戦争犯罪について批判的に取り上げることを反日的と見る見方についても私は反対である。
他の国は歴史的に見てもっとひどいことをしているとか、そんなことは関係ない。
昔のことをいつまで謝罪しつづけなければならないのかという見方も、あたらない。
過去の日本人がやったことであり自分とは関係がない。それは否定できない事実だ。それには同意する。
しかし、それについて、よいことと思うのか、悪いことと思うのか。他国の蛮行と比較しての相対評価でなく、絶対評価として、どう思うのか。
そう考えたときに、私は、批判的にならざるを得ない。戦争は他国の人も傷つけたし、日本人も傷つけた。それが事実だろう。
いつまで謝罪すればいいのかという意見も聞くが、謝罪ではなく、二度と同じような気持ちを味わう人がどこの国にも出ないよう、過去を振り返るという行為であると考えればよいのではないか。日本が加害国、アジアの国が被害国という考え方とは違うのであり、自虐的と呼ぶような行為ではない。過去の教訓から目をそむけ、同じ道を歩んで戦争に至ることこそ、自虐的だ。
日本というアイデンティティを大切にすることと、日本の過去のこと、あるいは現在のことを批判的に見ることは矛盾しない。
批判的に見るとすぐに反日とレッテルを貼り非難するというような風潮は、自由な思考を停止させる。抹殺させる。思考が死んだ社会では、よい考えは生まれない。
そんな社会は衰退する一方だ。そうやって衰退した日本を貴方はみたいのか、と、
自称・愛国者には言いたい。
問題の根源を絶つためには、広い視野を持って物事を考えることが必要だと考えるが、そのための一つのスタートポイントとして、
対象として考える人の幅を時間軸でも国籍面でも広く捉えることが必要なのではないかと考えたりする今日この頃である。