★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 日本の事件13 > 870.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
書籍『警察が狙撃された日』谷川葉著、三一書房
http://www.asyura2.com/0403/nihon13/msg/870.html
投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 7 月 09 日 20:43:21:WmYnAkBebEg4M
 

書籍『警察が狙撃された日』谷川葉著、三一書房


【セキュリティーホールmemo】の記事からたどりました。
http://www.st.ryukoku.ac.jp/~kjm/security/memo/2004/07.html#20040707__kunimatsu
末尾紹介のような書評もありますが、一応読んでみようと、早速朝一番PCを立ち上げ、図書館(歩いても5分、近所なので利用しまくってます。)のインターネット検索サービスを利用。一発ヒットしたので予約しました。(^^)

※当時の印象としては、警察のトップがやられたにしては、警察の動きが鈍くて不思議な事件でしたね。なんだか犯人を捕まえたくないような印象さえ受けました。水道橋横の川(御茶ノ水に続く神田川)の浚渫にしても、小杉巡査の供述が出てもなかなかやらずネットの掲示板で書かれまくってかなり経ってからやっとやったと言う感じでした(小生も「拳銃に紐つけて川に投げ込み、場所のあたりをつけて探せよ」みたいな投稿をパソコン通信でした記憶があります。)。確か台風の増水でヘドロがかなり流された後とかの浚渫だった記憶があります。供述がでたあとすぐにやっていれば、重みのある銃と、ヘドロの関係から言っても見つかる確率が高かったのではと思っています。
 都内でもあり、それほど遠くないので浚渫中何回か見物に行きました。(見物人を見回るのか、私服が多いような気がしました。(^^;)浚ったヘドロを浚渫船の上で掻き分け探る作業を夕闇になってもライトの下でやっていました。しかし、見た印象では、探すと言うよりも、「一応ヘドロを浚う作業もやったからね」と言うアリバイ作りの作業のような印象が強かったです。
(どうも、"印象"ばかりで書いてゴメン。(笑))

※警察内部での、公安畑と、刑事畑の対立とかも言われていたように思います。どちらが主導していたかの年表と、捜査の動きを伝えた記事を対照させた表を作ると面白いかもしれないですね。

********************************************************************************
http://www1.jca.apc.org/aml/9807/9204.html
Subject: [aml 9204] 三一書房労組の声明 From: nagaoka@mxq.meshnet.or.jp (Nagaoka Yoshiyuki)
Date: Thu, 30 Jul 1998 02:33:23 +0900
Seq: 9204

長岡です。netsとamlに投稿します。

書籍『警察が狙撃された日』の不当捜査に関連した三一書房労組の声明をいただきました。出版労連「青年会議」の集会で三一書房の担当編集者が講演したときに受けとったものです。
(ちなみに7月17、18日は出版労連の定期大会でした)

(転載ここから)
------------------------------------------------------------------------

『警察が狙撃された日』出版・言論弾圧事件に関する声明

一九九八年七月一七日
                       出版労連・三一書房労働組合

 本年二月、三一書房より刊行された谷川葉著『警察が狙撃された日』に対し、本富士警察署が三一書房と取引のある複数の銀行に、「任意の捜査協力」として、「取引状況の写し」を主眼とする照会を行なったことは、出版・言論の自由に対する重大な規制・干渉であり、当労組としてもこうした警察の弾圧に抗議し、出版に働く現場からはね返していくことをここに声明する。
 幸い、社は、こうした出版・言論弾圧に対し、二月二三日付で「抗議並びに釈明要求書」を照会主の本富士警察署長・石川末四郎に発し、その返答を待った上で、三月二日、マスコミ各社出席の上で記者会見し、「声明」を発表した。「銀行に圧力をかけ『取引内容』を知らせることにより出版の自由を脅かし、ひいては、この本の著者を探りあて、警察への根源的な批判を封じこめようとするものである」と断罪して「抗議するとともに同照会書の撤回」を要求した(添付資料参照)。
 当労働組合は、こうした出版・言論の自由に対する弾圧に毅然とした反撃を共につくり上げ、この「声明」発表後、社の執筆者・寄稿家から多くの支持・激励、読者カード等を通した多くの読者からの励ましに支えられながら、その後も予断を許さない警察の介入に対しては、出版・言論の自由を現場で守り、発展させる立場から気を緩めることなく、今日まではね返してきたことを誇りに思う。
 今日、組織的犯罪対策の名の下に、警察に無制限の盗聴を許す「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案」、今日の政府・支配者が、みずからの不正・弾圧を押し隠し、これと闘う労働運動・市民運動を「刑の加重」によってつぶそうとする「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案」、「証人の保護」の名の下に、裁判における被告の防御権を奪おうとする「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」の三法案が国会に上程され、異例の夏の臨時国会招集の中で一気に成立させてしまおうとしている。
 当労働組合は、思想・信条・表現の自由を、団結の力を基本に、さらに守り発展させ、警察力という強権に屈せず、出版労働者の責務にかけて、こうした「組織犯罪対策三法案」にも反対し、微力ながら出版各労組と手を携えて闘うことをあわせて表明する次第である。

------------------------------------------------------------------------
(転載ここまで)

なお労組声明中の「添付資料」については略しました。以前に「添付資料」のひとつである会社としての声明を転載してあります。経過もここで簡単に書きました。

また、衆議院議員の保坂展人さん(社民党)は政府宛の「日本共産党幹部宅盗聴事件の事実認定と責任所在に関する第三回質問主意書」(6月16日付)中で三一書房に対する不当捜査を糾し、これに対して政府(内閣総理大臣橋本龍太郎名)は7月17日、答弁書を保坂さんに返送しています。この資料もいただいたので、関連部分の抜粋を転載します。

(抜粋ここから)
-----------------------------------------------------------------------
保坂議員の質問

四 「警察が狙撃された日」

(1)三一書房から出版された「警察が狙撃された日」によると、共産党幹部宅盗聴事件は公安警察の中核とされる「チヨダ」(事件当時は「サクラ」)による組織的犯罪と指摘されているが、「チヨダ」の概要、予算措置、国会に対する報告の経緯などを明らかにされたい。

(2)同書によると、「チヨダ」は警察庁警備局警備企画課の裏理事官に率いられているというが、警備企画課の人員、予算を明らかにされたい。また、「チヨダ」はスパイの獲得工作、尾行、盗聴技術などの研修を行っているというが、その費用は国費か。また、こうした研修はいかなる法律に基づいてなされているのか。

(3)同書の出版をめぐり、警視庁が著者割り出しのために三一書房の取引銀行に捜査照会した事実はあるか。あるとすれば、いかなる法的根拠によるものか。また、こうした出版社と著者に対する圧力が平然と行われるようなら、共産党幹部宅盗聴事件以降、違法な捜査はないとする政府答弁に強い疑念を持たざるを得ないが、どうか。

政府回答

四の(1)について 御質問の「チヨダ」というものは承知していないので、答弁することができない。

四の(2)について 警察庁においては、局部単位の定員は定められているものの、局部内における人員の配置については、その時々の治安情勢、行政需要に応じて総合的、弾力的に運用が行われており、警備局警備企画課の人員についても、警備局の定員(二百八十一人)の枠内において弾力的な運用が行われているところである。また、警察庁の予算は、各課別に区別されていないので、警備局企画課の予算については答弁することができない。
 その余の御質問については、「チヨダ」というものを承知していないので、答弁することができない。

四の(3)について 警視庁において、犯罪捜査の必要性から、刑事訴訟法(明治二十三年法律百三十一号)第百九十七条二項に基づき、株式会社三一書房の取引銀行に対する照会を行ったことは承知しているが、犯罪捜査以外の目的でこのような照会を行うことはあり得ないものと考えている。

------------------------------------------------------------------------
(抜粋ここまで)

------------------------++++****
長岡 義幸
BXQ01050@nifty.ne.jp(常用)
nagaoka@mxq.meshnet.or.jp
Return to Index of this month
Return to aml HOME
 
 
 
安原顕の「今読んでほしい30冊」
http://smartwoman.nikkei.co.jp/interface/ContentView.cfm?sw_ContentNo=31100015

第15回 谷川葉『警察が狙撃された日』

 昨今、警察の腐敗、破廉恥ぶりが目に余る。なぜそんなことになったのかを知りたい向きは、谷川葉の労作『警察が狙撃された日』(三一書房)を読んで欲しい。

 ここで言う「狙撃」とは、1995年3月30日早朝、警察庁長官国松孝次が撃たれて重傷を負った事件を指す。しかも警察は、これほどの屈辱的挑戦を受けても恥とは感じず、いまなお「犯人」を野放しにしている。いや、直接の狙撃者はむろんだが、狙撃事件に深く関わった平田をはじめ、逃亡中のオウム真理教の凶悪犯についても、警察は莫大な費用(血税)を使い、手がかり一つつかめていない。

 谷川葉は、国松長官はなぜ狙撃され、犯人はなぜ逮捕されぬかを、精緻詳細に論証していく。本書を読むと、警察が駄目なら新聞記者が組織力を使って徹底的にやるべき仕事と思うが、ブン屋とは大昔から警視庁、警察庁記者クラブ発表(官報)を丸写しするだけで、足を使い、気長に事件を究明する気も能力もないようだ。

 結論を先に書けば、狙撃犯人は元警察官、オウム信者小杉敏行の可能性が極めて高い。にもかかわらず、警察は彼を懲戒免職することで放免した。なぜか。もし小杉が犯人となれば赤っ恥、面目丸潰れでもあり、その責任は警察庁上層部(東大出の官僚だ)にまで及ぶからだ。著者は小杉が犯人とは断定してはいないが、本書全体を読めば、誰でも「ほぼ間違いなし!」と確信するはずだ。

 1988年4月、小杉はオウム真理教に入信する。6年後の94年4月、オウム真理教内でLSDが開発され、小杉は計3回投与される。

 麻原はなぜ「薬物」を開発したのか。生来怠け者の詐欺師麻原は、面倒な「修行」をすっ飛ばし、薬物を使うことで、簡便に「疑似ヨーガ体験」「解脱もどき」の気分を錯覚できることに目をつけたからだ。出家信者の脱退防止、信者同士の恋愛、不倫が発覚した折などは「記憶を消し去る」ために使い、さらに「スパイ容疑」信者への「自白剤」等々、諸々の用途に使うことができる。

 小杉供述の中から「薬物」関連部分を引いておくと、

(1)狙撃事件の当日、小杉は集合場所のアクロシティー(国松長官の住居)近くの駐車場で井上嘉浩から2種類の錠剤を渡されて飲む。

(2)自転車でアクロシティーに向かう途中だるくなり、明るい感じも消え去るが、マントラが聞こえ、グル(麻原)の声により、マントラに乗っているような幸せな気分になる。

(3)長官狙撃後は、すがすがしい幸せな気分で歩き、自転車にまたがる。

(4)待機していた車に乗り、東大医学部付属病院(文京区本郷)近くで降りる時、井上から「尊師のイニシエーションです。飲めば忘れます」と言って小瓶を渡される。中身は透明な液体、味はなかった。

(5)東大病院の公衆電話から井上の携帯に電話をすると、「遅いので心配しました。どうなっているか調べて下さい」と言われ、意味不明のまま、小杉が勤務していた本富士署に電話を入れると、「警察庁長官が撃たれ、いま緊急配備中だ」と教えられる。井上にその旨電話を入れると、「覚えていないんですか」と聞かれ、「誰がやったんですか」と聞き返す。

(6)東大病院の廊下を歩いている時、「自分が撃ったんじゃないか」という気がして頭の中が真っ白になるが、グルしかいないと強く思うと、全身が光に包まれた。

(7)11時ごろ、神宮外苑(港区北青山)の銀杏並木で井上と会う。「今日の救済を覚えていますか」と聞かれ、「警察庁長官を撃ったと思う」と答える。「一緒にいたのは誰ですか」「アーナンダ師(井上)とラーダ師(平田悟)がいたと思う」「ラーダ師は何をしていたか」「車を運転していたと思う」と答え、井上は「それでいい」と言う。

 紙幅が尽きた。後は本書を読んで欲しい。
 
 
 
『警察が狙撃された日』
http://www.ywad.com/books/39.html

そして<偽り>の媒介者たちは

谷川葉 / 三一書房 / 98/02/15

★★★

重大な本なのに、なぜこんな書き方を


 1995年の国松警察庁長官狙撃事件に関連する捜査の内幕を書いた本。著者はどこかの新聞の(たぶん複数の)社会部記者であるとされる。警察が、著者の正体を探るために、出版元の三一書房の取引銀行に、記録をひそかに照会していたということが明らかになって、大きな注目を集めた。

 正直いって、警察がこんなことをしなければ、この本は静かに消えていったのではないかと思う。三一書房だし、ってのはまあ措いといて、この本には大きな問題がある。こういう問題を扱う上での文体と構成を持っていないのだ。

 最も大きいと思った問題。たとえば236ページにはこのような文章がある(ただし、これは「あとがき」に相当する部分であり、この文章自体を例にとるのはフェアではない)。

>すでに常に、組織は疲弊していた。最初から、警察には自己言及的な限界
>としての壁などなかったのだ。事件とこれに介在した<偽り>が消滅してゆ
>く中にあって、痕跡以前の余韻のように、空虚な<象徴的な意味だけが残
>された。ただそれだけのことだったのだ。

 これはまあ悪文だと思うが、それ以前に、このような文体をノンフィクションで使うと、その作品自体のクレディビリティが落ちるということを著者は意識するべきであった。神戸の小学生殺害事件の際に広く行われたプロファイリング的推論をすると、著者は年齢35〜40歳。大学時代に『現代思想』や『ユリイカ』を読んだが、いまは忙しくてあまり読んでいない。新聞記者としての記事は書いているが、見つけ出したことはオフレコばかりなので書けず、苦労して記事の中で「示唆」しても注目されず、何よりも悪いことに新聞記事的文体での文章を書かされているので欲求不満が溜まったので、この本ではこういう文体をついつい書いてしまった。

 こういう文体でしか書けない事柄というものはあるだろう。そして、著者が記者として取材した警察という機関が、こういう文体に物凄くマッチしているのだ、と著者がいいたいのもよくわかった。しかし、だよ。こういう仕事は、メインストリームのジャーナリズムでちゃんとした事実報道がなされているという前提があってはじめて意味のあるものです。『キネマ旬報』の映画評があるから『映画芸術』の映画評が存在を許される、という。読者としての私は、とりあえず事実をすっきりとした文体で読みたい。

 この問題は、本の構成全体にも当てはまる。私は、この本を通読しても、いったい何がどうなっているのかよくわからなかった。これは個々の文体だけの問題ではなく、構成の問題である。6ページに「本書に登場する警察主要幹部異動状況」が掲載されているのは評価できるが、いちいちこれを参照しているわけにはいかない。普通の読者は、「警察幹部」なんかの名前は知らないし、どの部局がどういう位置付けになっているのかも知らない。その点の配慮が本書には足りない。

 たとえ警察という機関が複雑でわけのわからないものであっても、それを明快に提示するのがノンフィクションであるし、複雑なcaveatは、それなりに「注」という形で付けるなどの配慮をして盛り込むものだ。そういう構成を作れば、自ずから、それぞれの章なり節なりで何が重要なのかがはっきりとしてくるだろう。わかりますよ、警察の行動はほぼあらゆる局面でひどかった、というのは。でもやっぱり、著者なりのプライオリティを付けて、それに沿った形で階層的に提示するべきだったろうと思う。ちなみに第6章は不要だったろう。

 こういう本を書いて出版した著者の勇気とやる気は認める。今からでも遅くない。ボブ・ウッドワードなどの文章を読んで、クレディビリティのある文体と構成を勉強し、警察の動きに対象を絞って、同じ題材を扱った本をもう一冊書くべきだ。それから、(もし何だったら実名で)第6章で扱っているような題材を、上で引用したような文体で、書きたいんだった書くべきだ。上で引用したような文体で汚染するには、あまりに惜しい素材なのだから。

1998/4/10

TRCの該当ページへ

検索ページへ 目次へ 前へ 次へ

 次へ  前へ

日本の事件13掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。