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急転:10年目の長官狙撃事件/上(その1) 解けた教祖の呪縛−−小杉容疑者【毎日】
http://www.asyura2.com/0403/nihon13/msg/889.html
投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 7 月 12 日 19:14:27:WmYnAkBebEg4M
 

(回答先: 書籍『警察が狙撃された日』谷川葉著、三一書房 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 7 月 09 日 20:43:21)

急転:10年目の長官狙撃事件/上(その1) 解けた教祖の呪縛−−小杉容疑者【毎日】
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20040708ddm041040098000c.html

 ◇「実行役」否定に転じ、捜査進展のカギに

 今年2月。警視庁公安部幹部は、国松孝次・警察庁長官狙撃事件の強制捜査に着手する意を決した。詰めの捜査が始まった。当初は強制捜査に消極的だった東京地検と、捜査対象者の絞り込みなどで密に協議を繰り返した。6月には東京地検から基本的了承を受け、ついに7日、オウム真理教(アーレフに改称)元幹部ら4人を逮捕した。捜査を大きく進展させたのは、信者だった元警視庁巡査長、小杉敏行容疑者(39)の供述の変化だった。「私が撃った」と主張し続けた小杉容疑者は、徐々に教団のマインドコントロールの呪縛から解かれ、その供述が捜査を10年目の転機に導いた。

   ■   ■

 95年5月から始まった小杉容疑者をめぐる捜査は難航を極めた。「靴ひもを直すようなそぶりをして、右手でカバンから拳銃を取り出し、欄干のすき間から押し投げるように捨てた」。最大の物証となる拳銃を神田川に捨てた際の様子を、小杉容疑者は詳細に供述した。しかし、約2カ月半に及ぶ捜索でも拳銃は見つからなかった。南千住署捜査本部は、コロコロと変わる小杉容疑者の供述に振り回された。

 事件から2年余。東京地検は97年6月、小杉容疑者の殺人未遂容疑での立件見送りを決めた。捜査は大きな暗礁に乗り上げたかにみえた。

   ■   ■

 捜査本部は99年、小杉容疑者のそれまでの供述をすべてないものとして、ゼロから捜査をスタートした。新供述に基づき、裏づけ捜査も再度行った。教団元代表の松本智津夫(麻原彰晃)被告(49)が逮捕されて4年。マインドコントロールからの解放を期待した。

 小杉容疑者は当初の1年以上にわたる聴取で、警察に対する不信感を募らせていた。静岡県内の実家に帰ってからは、さらにかたくなになった。捜査員は小杉容疑者との接触を繰り返し、静岡まで度々、足を運んだ。小杉容疑者の心の殻が、徐々にはがれていった。

 以前は「無線で『撃て、撃て』という声がしたので、2発目、3発目を続けて撃った」と供述した小杉容疑者。しかし、ある日、自分が実行役であることを完全否定するようになった。供述は二度とぶれなかった。新たに供述した現場の状況は、捜査結果と合致するようになった。

 「既に教祖の呪縛は解けている」。警視庁は「小杉供述」を基にした全容解明を急いでいる。
毎日新聞 2004年7月8日 東京朝刊
 
 
 
急転:10年目の長官狙撃事件/上(その2止) 声紋鑑定も進歩−−砂押容疑者【毎日】
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20040708ddm041040148000c.html

 ◇9年前は処分保留

 警察庁長官狙撃事件の捜査に道を開いたのは、科学捜査の進歩だった。

 砂押光朗容疑者(36)が事件の約1時間後、報道機関に、教団に対する捜査をやめるよう電話をかけたことを突き止めた声紋鑑定には、最新の機器が使われた。警視庁の永井力・公安1課長は「鑑定技術の進歩で、砂押容疑者の声と裏付けられた」と語った。

 砂押容疑者はこの電話をめぐり、95年9月に職務強要容疑で逮捕された。当時、警視庁は(1)電話の録音テープを複数の信者に聞かせ「砂押容疑者の声に似ている」との証言を得た(2)声紋鑑定でも砂押容疑者の出身地となまりが同じ−−など「90%の確率で一致」と結果が出たため逮捕に踏み切った。しかし、東京地検は「現段階で起訴は困難」と処分保留で釈放した。

 一方、兵庫県にある世界最大の放射光施設「スプリング8」は、小杉敏行容疑者(39)が所持していたコートの焦げ跡から微量の発砲残さ物を検出し、「事件に使われた銃弾の成分に矛盾しない」と結論を出すのに威力を発揮した。電子が出す特殊な光で、繊維1本でも分析可能とされる最新の分析法が生かされた。

 スプリング8で作られるX線は、通常の実験室で使うX線の100万〜1兆倍も明るく、ごく微量の試料でも解析可能。銃を撃つと、体や衣服の袖口に、火薬が燃えた硝煙反応が出るほか、鉛など微量の金属成分が付着する。硝煙反応は洗濯で洗い流されるが、金属成分は長期間残るため今回の鑑定が可能だった。

 放射光が科学捜査に応用されたのは、98年に和歌山市で起きた毒物カレー事件が最初だった。鑑定した中井泉・東京理科大教授は「日本が世界に先駆け、活用している鑑定技術」と話す。
毎日新聞 2004年7月8日 東京朝刊

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 確かに、言葉のなまりで犯人が検挙された例はある。

 例えば、1997年7月に、福田和子が捕まった。そう、殺人事件の時効を一ヶ月後に控えて、写真と電話の声がTVなどで公開され、通報されてつかまったのである。写真は手配写真などでも公開されていたけれど、電話の声が公開されたのは初めてだった。

 忘れ去られようとしていた事件が一挙に世間の注目を浴びることになった。殺害した相手の家財道具を自分のマンションに運び込んで使っていたというエピソードは世間を呆れさせ、憤激させることにもなった。こんな図々しい女が法の裁きを受けずに済んでいい訳がない。また電話の内容たるや「私も悪知恵が結構ある」だとか「捕まればいいと思ってるんでしょう」とか「向こうの親も恨んでいるだろうけれど、私もこんな風に(逃げ回らなくてはならなくなって)なって恨んでるよ」などという言葉が世間の反感を煽った。
 電話の声が世間の関心を引き、反感を煽ったのである。そして独特の口調は隠しようもなく、見破られ、通報されることになったのである。顔は変えられても、口調は整形することも出来ず、頭隠して尻隠さずとなってしまった。(^^;

 身体は楽器と似ている。太れば声は低くなるし、痩せれば声は高くなる。しかし、別人と思わせるには相当体のサイズを変えなければならない。
 またたとえ、もし体のサイズを変えたとしても、それ以上に口調を変えるのは並大抵のものではない。何故なら、口調というのはその人の性格と結びついていて、その性格を変えると言うことは簡単には出来ないからである。

 とまあ、実際にその例はあるのであるけれど、なまりだけでは無理で、捕まえるには、つまり最終的に犯人とするには、物証で裏付けられなければならないのは言うまでもないことだ。

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