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結構、色々と引用したものを投稿したんですけど、下のほうに沈みだしたので、上に投稿します。
「アメリカの経済支配者たち」の序章の部分からです。
チェーンストアの草分けとして、アメリカにウールワースという店がある。先年までダウ工業株30種に数えられたアメリカの代表的小売店で、創業者のフランク・W・ウールワースが何でも5セントか10セントで売ります≠ニいうキャッチフレーズで、全米に店を広げたディスカウントストアである。創業120年後の1998年には、社名をヴェネター・グループと変えて大改革に乗り出した。その大資産を築いた彼の事業仲間だったフレッド・カービーは、のちにウールワース・デパートのオーナーとなり、富豪となってグルジアの王女レオニーダ・バグラチオンと結婚するほど人生の頂点をきわめた。
一方、庶民の妻となった王女レオニーダは、アメリカの富豪との結婚で財産を獲得したが、物語はそこで終わらなかった。カービーの死後、大金持ちの未亡人となった彼女は、元王女の出自をもって、今度はロシア皇帝の後継者であるロマノフ家のウラジミール大公に嫁いだ。ボリス・エリツィン大統領が新生ロシアに迎えた皇位継承者である。こうして、裕福ではないアメリカ人が安売り店ウールワースで買い物をした大金が、ロシア皇帝の一家に流れたのである。
創業者ウールワースが1919年に死んだ時、未亡人ジェニーの遺産は3100万ドルだったが、わずか5年後の1924年に彼女が死んだ時には5974万ドルとほぼ2倍になり、さらに1年半後には7832万ドルと急増した。1926年当時の1万ドルは、国民総生産(GNP)を物差しにして換算すると、98年時点の時価として83倍にあたり、1ドル120円とすると、当時の7832万ドルは現代の7800億円にもなる。したがって以下、1万ドルを今日の1億円と読みかえていただきたい。
ジェニーの遺産は2人の娘と、死んだ娘の遺児である孫娘のバーバラ・ハットンに贈与された。バーバラは、16歳の高校時代にはすでに毎年6万ドル(98年時価6億円)の小遣いをもらっていた。アメリカでは21歳になると、遺産相続人として成人と認められるようになる。1933年に成人となった彼女のために、ニューヨークのリッツ・ホテルで社交界デビューのお披露目パーティーが催され、銀製の大きなツリーが飾られた舞台会場には、電光で演出された月光がさしこみ、天井には星屑がちりばめられていた。
彼女はその5ヶ月前にデンマークの伯爵と結婚していたが、この年にバーバラ・ハットンの資産は推定4500万ドルで、そのうち3200万ドルは税金がかからないアメリカ国債であった。1933年とは、29年にウォール街に暗黒の木曜日≠フ大暴落が襲いかかり、総人口1億2000万人余りのうち実に2000万人が無産階級で、失業救済基金でかろうじて生きる金融恐慌の時代であった。当時、ウールワースの店で働くセールスガールの週給は7〜11ドル、年収300ドルでも高給だったため、お披露目パーティーは全米に非難の嵐を呼び起こした。議会では、セールスガールの年収15万年分≠フ資産が大きな問題となった。
バーバラは1979年に死去するまで7回結婚したが、そのうちの1人がハリウッド大スターのケイリー・グラントであった。別の1人は、有名なポロ選手のポルフィリオ・ルビローサで、このプレイボーイは世界一金持の女の子≠ニ呼ばれたドリス・デュークとも結婚していた。
しかしウールワース家は、筆者の計算では、アメリカ歴代富豪の96位にしかランクされない。彼らでもかなわない大富豪と財閥がこの世に存在するのである。
人間には、2種類しかない。財産が増え続ける人間と、いつまで働いても金が増えない人間である。これは神が与えた運命ではなく、人間がつくりだす社会の精密な仕組みから生まれる必然的な結果なのである。
90年代に入って、日本は経済破綻した。損害を受けたのは誰であろうか。
金融機関だけではなく、すべての国民である。
株式を売買する東京証券取引所がある兜町は、90年代に入って苦境を続けたが、日本人は誰に金を盗まれたのか。
ヘッジファンド? それだけではない。ヘッジファンドは、国際金融マフィアである盗人が考案したひとつの行動形態、すなわち無数にある経済戦略のひとつである。財閥に使用される投機屋ジョージ・ソロスの物語だけでは、経済破綻の理由を何も説明できない。投機屋を雇う者と投機屋を混同してはならない。
日本の金融界は、アメリカに動かされてきた。この大国はホワイトハウスの力で動かされている。しかし政治評論で語られるように、ニュースに登場する大統領と2大政党がアメリカを動かす、と想像するのは間違いである。アメリカには、実はひとつの政党しか存在しないからである。
では、ウォール街か。これはかなり正解に近いが、具体的な説明ではない。実際には、大きな力を持つ集団として、7つのメカニズム≠ェあることを確認できる。
第一は、「財閥の遺産相続人」、これが、ヴァンダービルト家のように政党を動かす最強の集団である。富豪と呼ばれる資産家グループの要請と指示に基づいて、ウォール街のプレーヤーと呼ばれるビジネスマンの世界は動く。財閥の富豪たちが、ウォール街の株券と債券に最大の資本を投入するマーケット・オーナーだからである。
第二は、「南アのゴールドが動かす資産価値」にある。世界は、かつての金本位制と札束のどちらが基準であるべきかをめぐって、絶えず緊迫した状況に置かれる。日々変化する為替レートと貿易収支にかかわる高度な数学的解析を重ね、有数の貴金属業者がゴールドを値踏みするのである。
第三は、「CIAの経済戦略」である。アメリカの国家的金融作業は、情報機関がホワイトハウスに報告する世界的メカニズムの分析に基づいて実施に移される。重要な戦略は、通例、軍事シンクタンクによって青写真が描かれる。
第四が、「ヨーロッパ財閥の威力と組織」である。アメリカで幸運な財閥・富豪に入る階層は、姻戚関係の起源をすべてヨーロッパに持ち、イギリス王室とロスチャイルド家など、豪華な貴族社会なしには動けない政治構造が存在する。
第五が、「ウォール街の国際投機人脈」。これは多言を要しない。金融シンジケートによる国際的インサイダー取引きによって、巨大なマネーの山を賭博場で動かし、大統領を創りあげ、財務省と中央銀行の金庫をたっぷり潤すビジネス集団である。
第六が、「タックスヘイブンによる地下経済」にある。民主主義制度のもとでは、脱税が機能しなければ、財閥は資産を隠す場所がなく、天文学的な遺産が消失して、子孫に分配できなくなるからである。
第七が、「金融ジャーナリズムの支配力」にある。過去のハーストや現代のフォーブスだけでなく、若きエレクトロニクス・ジャイアンツたちが新製品を駆使しながら、報道メディアを動かす手法は、世界的支配階層の最も知的な芸術へと高められてきた。
こうした七つの力が、今、地球全体を席捲している。
☆以上は「アメリカの経済支配者たち」からの抜粋です。
実に綺麗に世界を動かしている力を表現していると思います。
この力をどーにかしないと、世界に静かな安定した時間は訪れないように感じます。その方法は私には分らないのですがね。
やはり、こいつらが地球の癌だと思う。
金融と軍事を背景に地球を動かしているのだろう。