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カタリ派−ハイデッガー−ニーチェ−ナチス−笠井?
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投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 8 月 26 日 17:50:44:xnvpUXgHxuDw6

(回答先: Re: Re:ナチスとカタリ派は無関係? 投稿者 ビルダーバーグ 日時 2003 年 8 月 26 日 16:58:21)

カタリ派−ハイデッガー−ニーチェ−ナチス−笠井?

ビルダーバーグさん。 こんにちわ。
なんか話が広がってきましたね。

(カタリ派とベネチァ(まあ、ボルジア家あたりでしょう)との関連については、これまで、全く何の情報も目にしたことはありません。)

確かに明確な情報はありません。


(ニーチェの「生の哲学」には、グノーシス派やカタリ派の影響はほとんど感じられません。欧米思想としては異端に近い「永劫回帰思想」にその名残があるのかな、という感じでしょうか。
 ナチスはニーチェを思想的バックと(彼らの主観では)考えていましたから、ここで、かろうじて、グノーシス派とつながるかも知れません。)


永劫回帰思想というのは良く理解できませんでした。 詩なんじゃないのかな?
本人も何言ってるのか自分でわかってるのかな? 怪しいものだという感想を持っています。
カタリ派ですと、輪廻転生、そして人間の動物への輪廻転生、また創造された世界からの解脱まで含んだ体系でしょう。
こちらの方が明快ですね。

ナチスのオカルト的部分は単なる意匠かなあという感じしかしません。


(ハイデガー哲学にグノーシス派やカタリ派の影響がみられるのかどうかは、浅学な小生にはなんともコメントできませんが、「死と生」の哲学であるハイデガー哲学は神秘主義の色彩もあるといわれ、欧米合理主義思想のアンチテーゼ的ニュアンスもあるようですから、或いはかなりのつながりがあるのかも知れません。)
(笠井潔氏も、2000枚の大作「哲学者の密室」を出していますが、ハイデガーのナチス賛美問題は取り上げていますが、グノーシス派やカタリ派とハイデガー哲学については、一切、触れていなかった、と思います。)


笠井は、「テロルの現象学」において、沸騰する民衆の革命思想の裏付けとしてハイデッガーを持ち出しています。
いわゆる「死への先駆」という一種の神秘思想を持ち上げていました。 しかし全然説得力がない。
「死への先駆」なんて観念にすぎない。

しかし「哲学者の密室」は素晴らしい。 この書でのハイデッガー解釈は納得のいくものだと思います。

「存在と時間」において、生活者の世界をいきいきと描き出した部分を評価したことを評価していましたね。
この書は、おそらくワイマール体制下の愚劣な大衆を否定するために書かれたもののようですが、著者の意図に反して生活世界をいきいきと見事に描き出しているという評価は正しいと思います。

その記述は、例えばマンの「ブッデンブローグ家の人々」を思わせるような白鳥の詩になっています。
こうした記述は、戦後日本人の生活にもあてはまるもので、違和感を感じません。

「時間」についても同様です。 科学的、客観的時間の分析は妥当なものです。

サイエンスは時間の神秘についてずいぶんと解明を尽くしてきていますが、ハイデッガー的な観念から時間の本性が明らかになったということはありません。
人類がつみ挙げてきた時間についての知識を簡単に否定されては困る。

ハイデッガーは凡庸な生活世界を否定し、死への先駆と民族の生起によってこれを乗り越えようとしたようです。
時間についても、合理的時間と異なる神秘的時間を構想していました。 この部分が神秘思想といわれるゆえんです。

しかし説得力がないし、さっぱり分からない。 いったい何を言いたいの?

笠井はこれを否定し、凡庸な(場合によっては死を孕んだ)生活世界の現実を、神秘によって曇らせるような詐術を用いずに、いきいきとよみがえらせる愛の魔法について語りました。
これは正解だと感じます。 日本文学でも最高の傑作だと考えます。

カタリ派信仰者の感性はこれに近いものではないかという感じを持っていますが、よく分かりません。
生活世界の凡庸を神秘によって否定し、救済を図るようなことはしないですね。
この世自体が悪魔の創造物ですから、そのような逃げ場はたぶんないわけでしょう。


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