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(回答先: Re: よろしければ質問など 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 8 月 26 日 13:34:08)
モンセギュールには行ったことがありません。一度、行こうと思っています。
カタリ派は、もともとは、グノーシス派の流れで、三位一体(トリニティ)を巡るややこしい論議の中で異端とされた一派です。グノーシス派はギリシャ起源といわれ、プラトンのイデア(理想世界)から流失した液体のようなものが現実世界を作っている、という考えのようです。ゾロアスター教などギリシャ以前の宗教哲学の影響も強く、また、オルフェウス派やピタゴラス派ともからんでいるようです。完全な反映論(二元論)でないところに、東洋哲学の影響が感じられます。そのせいもあって異端扱いされたのでしょう。一種の生成論、プロセス論のようで、観念的二元論よりはずっと複雑です。
グノーシス派はケルト人の世界観、地母神(マリア)信仰とも混交して、ヨーロッパやトルコ、イランあたりにキリスト教の変形として根強く残っていました。それが、まず9世紀ころ、ボコミル派としてブルガリアで隆盛になり、そのあと、南仏のラングドック地方で勢力を得ました。もちろん、哲学的理念だけでなく、当時の政治経済情勢、つまり、パリのカペー朝がフランス全体を支配しておらず、南仏は独立王国だったことや、カソリックの堕落への反発、フランス語でないオク語がラングドック地方の言語だったこと、なども影響しています。フランスに統一王朝ができる前の、「地方の大規模な抵抗」ともいえます。戦国時代の一向一揆や本願寺の信長への抵抗に似ているようです。
詳しくは、以前、紹介したブルガリア出身の人が書いた本(タイトルを忘れました。平凡社から出ています。以前の投稿を探してください)。をご参照ください。また、推理小説作家の笠井潔氏のデビュー作「バイバイエンジェル」がカタリ派をテーマにし、シモーヌベイユにも触れています。創元推理文庫と角川文庫で入手できます。