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(回答先: 皆さんの書いたものを読ませていただき、生きた経済に強くなったと感じています 投稿者 縄文ビト 日時 2008 年 11 月 01 日 08:08:44)
>藪素人さん どうもです。
どうも、藪素人さんは、現金というものを勘違いしているようです。
前回のレスにも書きましたが、日本国内の流通通貨(=現マナ)は81兆円弱しかありません。
国民の総資産は1400兆円くらいでしょうから、後は全て電子マネーです。口座上にしか存在していない通貨であり、みんなが一斉に「現マナ化」するような「取り付け騒ぎ」が発生すれば「すべての金融機関は倒産し、国も国家破綻する」のです。
なぜ、現実には存在しないキャッシュが「口座上」では存在するのか?
それは、現在では「ほとんどの労働対価が電子マネーで処理されるから」です。
例えば、藪素人さんが、仕事して月給を受けるとして、実際の所は分かりませんが、現在では「給与は銀行口座に支払われるだけ」で「実際には、通貨が製造されるわけではありません。」、ほとんどの場合、キャッシュでは支払われないのです。
今回の世界同時金融不安においては、全ての国において資産価値が減少しました。
資産価値というのは、企業の株価で換算する企業価値も含まれます。
これは、今まで「2000万円で取引されていた絵画が、今では1000万円以上の金額では誰も買わなくなった(取り引きする相手がいなくなった。)」という意味です。
前回は「お宝鑑定団で偽物と判定された。」といって「幻想信用金融」を説明しましたが、今回はちょっと違って「本物そのものも資産価値が下がった」と解説しています。
まあ、簡単に例で説明しましょう。
Aが2枚の絵画を持っていて、Bが10万円、Cが10万円持っていた場合
3人の「資産総額は20万円です。」
でも、BがAから10万円で一枚の絵画を購入した場合
Aは絵画1枚と10万円、Bが資産価値10万円の絵画、Cが10万円となり
3人の「資産総額は30万に増えます。
さらに、Cが10万円でAから絵画を買うと3人の資産総額は40万円に一瞬なるのですが、実はAが持っている絵画はBに売った絵画の偽物だったで、本来は資産価値など無いような代物ならば、3人の資産価値は30万円のママです。
さらに、Bがお金に困って、Aに絵画を買い戻してくれと言ったときに「10万円では買わないよ。5万円」と言えば、絵画の価値は「その瞬間に5万円」となります。
ここまでの説明で、物の資産価値というものが「いかに流動的で気分次第のなものか?」
は理解できましたでしょうか?
でも、その説明では3人の総資産額は20万円以下にはならないよ。と思われるでしょう。
実は、違います。
最初から、3人の総資産は「絵画(本物1枚)(偽物1枚)2枚」しかなかったというのが真実なのです。
今回の質問の趣旨は「引き上げられた投機マネーはどうなった?」であって、資産価値云々とは別次元のことです。と思われるでしょうか?
今回の世界同時信用金融不安では、通貨価値そのものが下落しました。
円が対ドルで値を上げましたが、他の通貨は全て値を下げ、対品物という基準においては、円だけが「少しだけ値を上げた」だけで「他の通貨は暴落した。」という状況で、世界中の通貨価値が「品物に対して価値を失った。」のです。
しかし、総通貨量は変化していないのでは?と思われるでしょうか?
良いですか?ここに20000万円の電子マネーがあったとします。
これで、1ドル200円の時にドルと両替すると100ドルになります。
その後、1ドル100円の時に円と両替すると、10000円になるわけです。
つまり、電子マネーなど「燃やさなくても減らせる」のです。
今回の世界同時株安においては、今まで急激な経済発展をしていた新興諸国の株式市場から多くの投機マネーが引き上げられ、世界で一番安定しているという日本に大量の資金の流入がありました。
そのために「円高が進み、円だけが少しだけ値を上げたのですが、それでも、世界中の通貨は価値を下げ、相当量の電子マネーが為替変動の中で消滅した。」のです。
今回の回答の中には「現金に換えて、箪笥貯金にした。」という種類の回答をされた人もいるようですが、そんな人は「ごくごくわずか」でしょう。
多くの人は、投機マネーを引き上げて、証券銀行から一般銀行の口座に移したり、株式市場から、為替市場に切り替えたり、金やプラチナなどの安定している「物」にしたのだろうと思います。
しかし、電子マネーは電子マネーの弱点として「消滅しますし」
現ナマに変えておいても「通貨価値がタンスの中で失われていくだけ」でしょう。
基本的には、品物、とりわけ食料こそが「すべての価値の基本」ということであり、通貨というのはその補助的従者であるのですよ。