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親中派キッシンジャー 周恩来に対日「核の傘」無効などを伝える(国民新聞)
(平成14年6月)
1972年のニクソン米大統領訪中の準備に当たったキッシンジャー
大統領補佐官(国家安全保障担当)が71年10月に北京で行った周恩来
中国首相との会談で、米国が「核の傘」を日本の為に運用する可能性は
小さいと伝えていたことが、この程、公開された会談議事録で明らかに
なった。
議事録は米民間シンクタンク、国家安全保障公文書館が入手、公表した。
米国は冷戦期に、核抑止力を日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)
の同盟国に与える拡大核抑止戦略を取ったが、当時の米政府高官が核の傘
の実効性を軽視する発言をしたのは異例。
同年10月22日の議事録によると、周首相が日本への核の傘は他国に
脅威を与え得ると述べたのに対し、キッシンジャーは
「核の傘は日本への核攻撃に対して適用される。我々が米国を守るため
に核兵器を使用することはなさそうだが、日本についても同じだ。
しかし、実際には(日本の為に核兵器を使う可能性は)より小さい
だろう」
と述べた。
米国は64年の中国による核実験などを受けて、日本に核の傘を提供し、
それが日本の非核三原則に繋がった経緯がある。
親中派のキッシンジャーは更に
「日本は速やかに核兵器を製造する能力を持つ。平和利用の核燃料計画
で十分な量のプルトニウムを保有している」
と述べ、米政府が日本の核武装を強く憂慮していることも強調した。
核の傘に関する否定的発言が同氏の本音なのか、中国の歓心を買う為な
のかは不明だが、キッシンジャーは周首相に対し、
「米国は日本をこれ程経済的に発展させたことを悔やんでいる」
「軍事的に日本は役に立っている訳ではない。米軍は彼らが望む程日本に
長期間駐留しないだろう」
などと日本に批判的な発言を繰り返している。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumin-shinbun/H14/1406/140649kissinger.html
キッシンジャー−周恩来会談(1971年10月22日北京)議事録和訳
投稿者: シバタ (2002 年 07 月 11 日 19:36:31)
回答先: 周恩来の日本観 / 投稿者: シバタ (2002 年 07 月 11 日 19:24:51)
周首相:日本に関して少し議論しましょう。現在の日本に対する貴殿の見解はいかがですか。
キ博士:この問題に関して十分すぎるほどお考えになっている首相閣下が先にご懸念を披露されないわけにはいきません。閣下のお考えに対して私の意見を申し上げることにした方がよろしいでしょう。
周首相:現在の日本経済の発展レベルからすれば、彼の国にブレーキを踏ませるのは難しいでしょう。そして不可避的に、海外の先進諸国の多くや、また発展途上国においても反発を惹起するでしょう。要するに、ニクソン大統領が日本の経済発展につながる新たな経済政策を発表すれば、ある一つの大国の疑問を呼び起こすということです。あなたがたはこれらの問題を解決する方策を探しているように見えますが、それにもかかわらず、これらの問題は存在し拡大しているのです。
同様に、発展途上国の反発という疑問もあります。発展途上国への援助が彼らを助けているのか、それとも反対に植民地化を進めているだけなのかという疑問もあります。報道によれば、今の日本の政策は、発展途上国の植民地化を深化させているとしています。この疑問には別の側面もあります。それは、もう一つのある大国は、日本の投資家を招き入れることで原料の産出が進み、国内市場が発展することにつながるのかどうか疑問に思っているということです。
キ博士:もう一つのある大国とは、あなたの国の北方の隣人を意味しているのですか?
周首相:そのとおりです。ですから、その大国との交渉は続けられます。そして、日本の将来は絶えず変化します。我々にとっては、二度の世界大戦を経験し、とりわけ第二次大戦の教訓を得た日本が平和の道を歩み、中立を維持することを常に望んでいます。しかし、これは我々の望みのみならず、日本人民の相当な人たちの願いでもありましょう。
しかし、日本政府が資本主義的競争政策を継続すれば、遅かれ早かれトラブルを惹起することになるでしょう。ある国が発展を望むのであれば、他の国々も同様に発展することを認めるべきですから。そして、彼らが今の経済拡大政策を変えなければ、自衛の名の下に経済的拡張を軍事的拡張に振り向けることでしょう。あなたはこの分野の専門家ですね。そしてあなたの同僚のライシャワー博士もそう見ています。
キ博士:彼は、今の我々に対して大変批判的な立場にある人物ですけれど。(笑)
周首相:彼はあなたとは異なる考えを持っています。
キ博士:彼は、私の去る7月の訪中によって、日米の友好関係が失われつつあると考えています。
周首相:そのこと自体は必ずしも問題ではありません。友好関係という言葉をどう解釈するかが問題です。ねらいが第三次世界大戦を誘発することにあるとしたら、事態は別の方向へ展開します。しかし、極東の緊張を緩和するのがねらいであれば、我々は日本問題を考慮すべきです。
第二次世界大戦の結果として、それまで50年間に亘って日本が中国に対する侵略にコミットし続けてきたにもかかわらず、我々は復讐政策を採用しませんでした。その反対に、主権と領土保全を相互に尊重し、不可侵、不干渉、平等、互恵、平和共存を図らなければならないことを条件に、日本に対する平和友好政策を採用しました。そうして初めて、日中二国間に平和と友好が保たれたのです。これは、多くの日本人民、そして日本の政治家の間で広く共有されている見方です。
しかし、日本の政府当局は、ある方面から鼓舞されて、しばしば侵略性を帯びます。それが、第二次世界大戦後に日本が得た利益だということです。日本は償いをしていません。それどころか、他国の戦争から利益を得ています。過去25年以上に亘って、日本は自国の防衛に大した負担をしなくて済みました。
今や状況は変わりました。日本は自分の翼を伸ばし飛び立とうとしています。前回も申し上げたように、自国経済の成長をばねに、四次防計画に多額の予算を投じようとしています。いったん日本が軍事拡張路線を歩めば、どこまで拡張するのか見当が付きません。
そして、我々が極東の緊張緩和を望むのであれば、この疑問に対して率直に意見交換すべきです。我々は日本と敵対することは決して望んでいません。平和と友好を望んでいるのです。そう言い切るための根拠は不要です。何故ならば、今の中国が1930年代から1940年代にかけての中国ではないばかりでなく、今の日本も1930年代から1940年代にかけての日本ではなく、日本人民に大きな変化が起こっているからです。ですから、この問題を扱うときに、日本政府の拡張主義者的な政策が否定され、平和的な政策を伸長させることができれば、状況は改善され得るでしょう。もちろん彼ら自身の問題ですから、自分自身の手で最終的に決定される必要があります。
キ博士:首相閣下のおっしゃる”平和と友好”の政策とは、どういう意味ですか。
周首相:そうですね。それは、台湾政府を認知させずに、中華人民共和国を唯一の政府として認知させることを意味します。つまり、台湾と朝鮮に対して対外拡張の翼を広げる野心をすべて捨て去らせ、中華人民共和国の独立と領土保全を尊重させるということです。我々の歴史観は極めて明快です。かつての日本の首相経験者や外相経験者がここにやってきたときに彼らを眺めると大変興味深いものがあります。
キ博士:彼らは密使としての役割を自ら否定しているような存在ですね。
周首相:あなたも同じですか。
キ博士:私は日本からの多くの密使に会ったことがあります。しかし、誰が誰のためにしゃべっているのかよく分かりません。
周博士:あなたも同じ経験をしていますね。
キ博士:彼らには共通する習性があります。帰国後に日本のプレスにしゃべってしまうということです。あなたにもそういう経験はおありですか。
周首相:もちろんです。20年以上そういう経験をしています。しかし、彼らは一向にやめません。(笑)そろそろ日本に関するあなたの見方をお聞きしたいですね。
キ博士:首相閣下、それでは我々の率直な評価をお伝えしましょう。米政府には統一見解は存在しませんが、ここ何年かホワイトハウス内で支配的な見解をお伝えします。よろしければ、私の習性に従って、哲学的なポイントから始めたいと思います。まず、社会的な側面で中国と日本を比較することをお許しいただければ、中国社会には伝統的に普遍的な見地があるのに対して、日本社会は部族的な見地があると申し上げたいと思います。
周首相:彼らの見地はより狭く、とても変わっています。彼らは島国人間なのです。英国も同様ですね。
キ博士:日本と英国は違います。何故なら、日本は自分たちの社会が変わっていると信じていて、何かを吸収するときは、自分たちの国の基本は残しつつ、うまく調節して吸収するようにしているからです。そのため、日本人は急激な変化に対応できる能力があります。彼らは2、3年のうちに封建主義国家から帝国主義国家に変わってしまいました。そして帝国主義国家から民主主義国家に生まれ変わったのは、たった3ヶ月でした。
周首相:そして今彼らは再び帝国主義国家に変じようとしています。
キ博士:それは、彼らが世界の勢力均衡(バランス・オブ・パワー)をどう見ているのかによります。
周首相:天皇に会ったことはありますか。
キ博士:アラスカで会ったことがあります。その話は、今朝、貴国の外相にお話ししました。(笑)
周首相:その話は大変分かりにくいものでした。
キ博士:後から儀典長が慎重にブレークダウンしましたが、おっしゃるように大変分かりにくいものでした。でも難解極まりない会話だったというわけではありません。首相閣下、これは別にあなたに機密情報を漏らしているわけでも何でもありません。
周首相:分かっています。
(つづく)
http://yorozu.indosite.org/bbs_log/bbs_log04/main/16476.html
キッシンジャー−周恩来会談(1971年10月22日北京)議事録和訳(その2)
投稿者: シバタ (2002 年 07 月 11 日 19:44:59)
回答先: キッシンジャー−周恩来会談(1971年10月22日北京)議事録和訳 /
投稿者: シバタ (2002 年 07 月 11 日 19:36:31)
キ博士:日本人は、自分たちが文化的に均質性が高いゆえに、他の国民の考え方に対して無神経です。この日本の特異性が、彼らと交渉しなければならないすべての者に特別の負担を負わしていると言えます。あなたがたも我々もその被害者です。私はこれまでずっと、そして今もこう思っています。日本と協力関係を築くことができて、彼らが多くの政策資源を振り向けて我々が好む政策を実行してくれると考えている米国人は、極端にナイーブな人間だろうということです。
私は、経済発展が重要な問題を生み出すという首相閣下の見解に同意いたします。そして、日本的な経済発展手法が日本民族の気質を示しているという首相閣下の見解にも部分的に同意します。何故ならば、彼らの経済発展手法は周辺国を自分たちの政策に従わせる目的を持っているからです。ですから、私は日本に対して何の幻想も抱いていません。
他方、別の展望をもって、逆の手法を通じて日本を自分たちの政策に従わせることができると信じている国々も同様に幻滅するだろうと考えています。例を挙げれば、私がこの考えに行き着く前に、現状の日本は誰をも惹き付けるものを持っていると考えていました。特に中華人民共和国に対して、また、同様にソ連に対してもです。
ところが、我々の7月の会談によって、日本はその進むべき方向を不確実なものにされてしまいました。ですから、その結果ソ連が、日本の方針を変えるように働き掛けるべく特別な努力を払うようになったということをお伝えしたわけです。それは、中華人民共和国が日本の方針を変えさせようとするかもしれない、という動きが一部で見られたことに対する対抗措置でしょう。
例えば、人民日報の9月18日付け社説において、「米国は日本をいつ裏切るかもしれない」という警告を日本に対して発しています。これは私の率直な意見ですが、このような競い合いは、日本のナショナリズムを呼び起こすだけだと思います。他方、そのことで、従来の政策を支持してきた勢力にはずみを与えてしまうかもしれません。しかし、長期的には、日本が太平洋地域における勢力均衡(バランス・オブ・パワー)の1プレイヤーとなるように仕向けることになるでしょう。
このような視点から、日本に対して中立を求める首相閣下の声明に対してコメントさせていただきたいと思います。この1億2千万の人口を持つ世界第三の工業国家に対して、「中立」がいかなる意味を持つかを理解するのは難しいと思います。歴史的には、「中立」には2通りの意味しかありません。ベルギーのように周辺諸国から安全を保障されている「中立」か、スイスやスウェーデンのように自らの軍事力で自衛する前提で中立宣言をした「中立」のいずれかです。中立宣言し自らの軍事力で自衛しようという国は、必ず強大な陸軍を保有しています。スイスとスウェーデンは、国の規模から見た場合、他のどの欧州諸国よりも強大な軍事力を持っています。
自力で自国を防衛するようになった日本は、すべての周辺国にとって敵対的な脅威となるでしょう。何故なら、今よりも強大な軍事力を持つようになるからです。ですから、現在の日米同盟関係は、日本を抑え付ける力として現実的に機能しているわけです。もし我々がシニカルな政策を望むとしたら、日本を自由に解き放ってやり、自分の足で立つように仕向けるべきでしょう。そうすれば、極東世界では日本と中国との緊張関係が非常に高まりますので、我々は両者の間に入らなければなりません。そのようなことは非常に近視眼的なことです。あなたがたも我々も犠牲者になってしまいます。
ですから、我々が日本について理解し合うとともに、日本に対して双方とも抑制的になることが重要になります。日本が太平洋における米国の政策の従順な実施者たり得ると信じている米国人はナイーブです。日本人は自らの目的を持っており、それはワシントンではなく東京で決定されます。1945年にそれまでと別の歴史が始まったなどというのは、人々によって作られた幻想です。と同時に、日本を米国に敵対させようと画策する他の人々のやり方も危険です。何故ならば、このような両極端の政策のいずれもが、日本を買いかぶっている傾向があるからです。
ここで、米国の政策についてこれまでに私が述べたことを、別の文脈で具体的に繰り返させてください。第一に、日本の核武装については、責任のない米政府高官が何を発言しようとも、我々は反対しています。加えて、日本はこれまでこの件で一切発言しないという姿勢を貫いています。
第二に、我々は、日本の通常兵器による軍備が、4つの島を防衛するのに適当なレベルに制限され、それ以上の軍備が行われないことが望ましいと考えています。
別の会議で申し上げたように、我々は、日本の軍事力が台湾及び朝鮮その他いかなる地域にも展開されることに反対するつもりです。
そして、我々は、日本が経済発展を遂げた問題は、日本だけの問題ではなく、全世界に関係する問題だと認識しています。
以上が、米国の原則です。米国はすべての陣営に抑制を求めているとだけ繰り返すのが有効なのかもしれません。
周首相:もし日本が核武装するのを望まないと言うのなら、それは、貴国が日本に核の傘を提供しないことを意味すると言うべきではないでしょうか。何故なら、日本は核の傘を使って他国に脅威を与え得るからです。
キ博士:日本が脅威を与え得るですって?どうやってですか?
周首相:何故ならば、日本は自分が核を保有していると思ってしまうからです。そうやって大国と同盟を結ぶことで、経済的拡張に専念でき、その結果、後から軍事的拡張を図ることができます。
キ博士:仮定的な状況について話し合うのは大変難しいのですが、日本の意図によって引き起こされた軍事的対立に対しては、それがいかなるものであっても、米国の核の傘が適用されることに私は強い疑問を持っています。核の傘は第一義的には日本列島に対する核攻撃に対する抑止力として用いられることになっています。そう言えるのは、我々は日本のためよりも自分自身のために核兵器を使用したいと考えているという理由によります。いずれにしても現実の話としてはまずないと思っていますが。しかし、日本がたちどころに核兵器を生産してしまう能力を持っていることもこれまた事実です。
周首相:確かに日本はそういう力を持っています。
キ博士:もし米国が核の傘の提供をやめれば、日本は自国の原子力平和利用プログラムから十分なプルトニウムを生み出し、簡単に核兵器を作り上げるでしょう。ですから、代替方策としては、望ましからざる日本の原子力プログラムに反対するしかありません。
周首相:日本の自衛力を制限する力を貴国は有しているとお考えですか?
キ博士:首相閣下、私は自分が確信を持てないことを主張したくありません。閣下がおっしゃった傾向は確かに日本に存在します。私は、日本に「裏切られたからナショナリズムが台頭したのだ」という口実を与えるよりも、現在の日米同盟を通じて日本の自衛力を制限する関係を維持した方がよいと考えています。
合衆国が日本のアジア支配を阻止するために第二次世界大戦を戦ったのは、25年後に日本に冒険させるためだったというのでは全く意味がありません。これは私の個人的な考えであり、もとより米政府としてこの疑問を提起するわけではありませんが、首相閣下が指摘されたように、仮に日本が重武装に踏み切ったとすれば、伝統的な米中同盟の復活が現実味を帯びてくるでしょうし、我々は世界が置かれた状況を真剣に話し合うことになることでありましょう。
では、まとめに入りましょう。米国は日本の軍備を4つの島を守るだけのものに制限することにベストを尽くします。もしそれに失敗したら、日本の軍事的拡張を止めるために、他の国々と協力してやれることに取り組むことになるでしょう。
周首相:この点については全く理解できません。何故ならば、現在別の大国が日本を味方に付けようと試みており、それにより、日本が経済力を通じてより強大な軍隊を持つことが可能になるからです。ですから、何故、日本人民に平和と中立に従わせるようにするのがよくないのか理解できません。
キ博士:私は、日本が平和政策に従うことについては何ら心配していません。私は、日本が中立宣言するということは、日本が重武装するという好ましくない結果につながると考えています。それでも中立と言えば中立かもしれませんが、以前の日本も同じ(重武装中立)だったのではないですか。それに、彼の別の大国は短期的に何かできるかもしれませんが、長期的には野心を成し遂げられないでしょう。隣人たち及び米国を少しいらつかせること以外に、彼の大国は何か提供できるものを持っているのでしょうか。
周首相:そうですね。彼の大国は、経済的には日本人の欲求のいくつかを満たせるでしょう。でもそうは満足させられないでしょう。
キ博士:私はそうは思いません。
周首相:彼の国は日本の要望のうちいくつかのものすら満たすことができないということですか?
キ博士:率直に申し上げて疑問です。私は、彼の大国が日本の経済力に接したら、それを持ち去ってしまうと思います。
周首相:たぶんこの点については、あなたの理解の方が私の上を行っているかもしれません。
キ博士:まず最初に、日本は大規模な日ソ経済協力を行うために、その全体の経済構造を再方向付けしなければならないでしょう。そして、日本のシベリアに対する欲望をそそることはソ連にとって極めて危険なことになるでしょう。
周首相:そのとおりです。それが私の言いたかったことです。日本は欲望を研ぎ澄まし、時が経つにつれある種危険性が高まります。日本の独占資本家たちは違うことを考え始めるに違いありません。
キ博士:そうです。私の考えでは、双方とも経済協力を演じるでしょうが、結局のところ、どちらもが自らを完全に再方向付けすることはできないでしょう。
周首相:そのとおりです。おそらく、ある期間ソ連がこの路線を続けると、より多くのものを失うのはソ連の方でしょう。そのような環境下で、日本に平和・中立政策に従わせることが何故よくないことなのでしょう。これは復讐ではありません。中国が核ミサイル発射実験を行うときはいつも「これらは戦争には使われません」と言っています。
ですから日本がその方向(核武装)に彼らの欲望を展開させる理由はありません。あなたのおっしゃることは理解できます。日本は、米国のコントロールなしでは、そこらかしこで手に負えない存在になります。日本の経済力を一定以下にコントロールすることは可能ではありませんか?
(つづく)
http://yorozu.indosite.org/bbs_log/bbs_log04/main/16477.html
キッシンジャー−周恩来会談(1971年10月22日北京)議事録和訳(その3)
投稿者: シバタ (2002 年 07 月 11 日 19:50:25)
回答先: キッシンジャー−周恩来会談(1971年10月22日北京)議事録和訳(その2) / 投稿者: シバタ (2002 年 07 月 11 日 19:44:59)
キ博士:日本の経済力を完全にコントロールすることはできません。しかし、あなたが懸念を示された軍事的側面についてはずっと可能性があります。核の傘について言えば、これを延長するような条約を日本との間にもつ必要がありません。日本が攻撃を受けたときに日本を守りたいと思えばそうするだけのことです。
核の時代においては、ある国が他のある国を守るかどうかは、条約に基づいてではなく、利害関係を踏まえた国益に基づいて決められます。ですから米国は条約を必要としません。日本が米国のために軍事的貢献をしてくれることはそれほど期待できません。もし米国が極東において攻勢に出るとしても、米国は日本を必要としません。日本にある米軍基地も必要としません。他の場所でやれます。
周首相:それはレアード国務長官の日本における発言と違いますね。レアード長官は日本にその気にさせるような発言をしました。
キ博士:レアード長官はそのような声明を出したことがないと言っていました。彼はウソは言わないはずです。(笑)帰国後に確認しましたが、彼は公式にそのような声明を否定しました。
周首相:日本に対する疑問について言えば、貴国には貴国の見解があり、我々には我々の見解があるということです。今後の展開を見守りましょう。
キ博士:むしろ、日本に関してある種平行線となる利害関係をお互いに持っているということでしょうね。
周首相:そうです。日本軍国主義の復活はよくないとは言えるのでしょうが、問題は、日本の経済力が今日のレベルまで大きくなってしまったことです。日本をここまで太らせてしまったのは米国だと言わざるを得ません。
キ博士:その点は全く正しいと思います。しかし、現実に日本は存在します。我々がなすべきことは、太平洋の両岸でこの問題をどう扱うか決めることです。貴国も、現実の文脈で状況を直視しなければなりません。
周首相:日本は、7月6日の貴国大統領のスピーチで強調されたように、既にこのような太った国に肥育されてしまいました。このような真に迫った声明はありませんでした。今日の問題は、日本人民の多くが在日米軍基地の撤収を望んでいるということです。沖縄も含めてこれらの米軍基地の役割についてどうお考えですか?
キ博士:日本人が本当に在日米軍の撤収を望むのであれば、いつでも我々は撤収するつもりです。第一義的には我々のためにはなりませんが、我々はそうするでしょう。しかし、そうなる日が来たとしても、貴国が喜ぶべきであるとは思いません。何故ならば、そうなったらいつの日か貴国は悔やむことになるであろうと考えるからです。ちょうど米国が日本を経済発展させてしまって、今悔やんでいるのと同じようにです。
周首相:2つの異なる問題が一緒になっていますね。何故ならば、米軍の撤収は日本に対する友好的な姿勢の下でのみ可能になるのであり、日本と敵対することになるわけではありませんから。
キ博士:それはおっしゃるとおりです。
周首相:ご存じのように、貴国はソ連がチェコスロバキアに軍隊を送ったことに反対していますが、その貴国が何故外国領土に軍隊を置いておけるのですか?
キ博士:我々は日本に軍隊を送り込んではいません。もし、日本政府が撤収を求めれば、当然撤収します。もし、日本が安保条約の廃止を求めれば、1年以内に米軍を撤収させるつもりです。彼らが望まない以上は駐留しないつもりです。日本の自衛隊は米国のために何もしてくれません。しかし、チェコスロバキアに駐留しているソ連軍はチェコスロバキアの人々に政府を押し付けています。ですから、根本的な違いがあります。
(以下の議事録(1ページ分)は、プライバシー法に触れる情報が含まれているため公開不可。したがって、日本に関する意見交換はここで途切れている。)
<感想>
「がっぷり四つに組んだ応酬」という印象です。
自民党橋本派主導の中国外交では、とてもこのようなレベルの応酬は無理でしょうね。
これからもずっと「世界の珍獣」として土下座外交を繰り返すのでしょうね。
以前↓の投稿で書いた内容の再掲になりますが、日中国交回復時に周恩来にコケにされたのでしたよね。日本の首相殿・外相殿は。
巨儒「安岡正篤(まさひろ)」
投稿者: シバタ (2002 年 03 月 05 日 22:00:29)
・・・・・1972(昭和47)年 日中国交回復時のエピソード;周恩来は、「言必信行必果」(言必ず信、行必ず果)と書いた色紙を田中に贈った。毛沢東からは、『楚辞集註』が贈られた。
帰国後、これを聞いた安岡は「なんと情けないことか!一国の首相が揶揄されたとは」と、老練な中国の革命家にしてやられたことを嘆いた。
安岡の解説;『楚辞集註』は楚の文学であり、内容は屈原の離騒が中心である。主人公の屈原は戦国時代の悲劇の人物であり、最後は汨羅(べきら)の淵に身を投げて死んだ。このような内容からすれば、外交の席で一国を代表する主席が相手国の総理大臣に贈るようなものではない。少しく学問があり常識があれば、このような書物を贈るというようなことは、礼儀としてしてはならないことであるが、なぜか毛沢東はそれをやった。毛沢東は資本主義国日本やその申し子のような田中に対して相当複雑な感情を抱いていたのだ。その毛沢東の真意を見抜くこともなく、ただ喜んでもらって帰るとは、田中はなんという識見のないことか。
「言必信行必果」の言葉だけみれば問題はないように見える。でも、この言葉が出てくる『論語』十三、子路の『子貢に問いて曰く』に続く文を読んでみれば分かる。弟子が孔子に、士たる者はどういう人物でなければなりませんかと問うたところ、孔子はこう答えている。「第一は我が身の振る舞いに恥を知り、四方に使いして、主君の命を損なわない者。第二は一族から孝行者と言われ、郷里の人から悌順(ていじゅん)だとほめられる者。第三は言うことは必ず偽りがなく、行うことは潔いが、こちこちの小人(しょうじん)で、まあ士のうちに入れてもいい者」これからすると、「言必信行必果」は、孔子のいう第三等の人物に当たることが分かる。この言葉は「こうこう然たる小人かな」に続いているのです。『こう』とは路傍の小石のことを指しますから、路傍の小石のような小人よ、ということになる。まったく見下されたものです。自民党きっての知識人といえる大平外相がついていながら・・・・・。
私なら、即座に突っ返したね。そうすれば周恩来は、この人物はあなどれないと思ってこう言ったはずです。「これはあなたへの言葉ではなく、わたし周恩来への箴言として書いたものです。こんな私ですが末長くお付き合い願いたいものです。」一国の外交に携わる者は、相手に一目おかれないとね」・・・・・
http://yorozu.indosite.org/bbs_log/bbs_log04/main/16478.html