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「ワーキングプア」 ──ハケンの増大は政府の政策
http://www.asyura2.com/07/idletalk26/msg/410.html
投稿者 外野 日時 2007 年 10 月 07 日 18:02:01: XZP4hFjFHTtWY
 

(回答先: 外国人労働者の低賃金に依存した安売り競争には最初から反対していますよ。 投稿者 考察者K 日時 2007 年 10 月 07 日 15:29:49)

 ブッシュの「テロとの闘い」でここ数年間、おもに欧州が牽引していた<持続可能な社会>への模索の問題が表から遠ざかっていた感がありますが、「自動車」はその問題では大きなウェイトを占めているように思います。

 ビル・トッテン氏が現在の車依存社会は企業と政治が共謀して作り上げたものという鋭い指摘をしていました。(この稿の最後で紹介します)。

 「便利さ」というは「不便さ」があってはじめて問題になるもので、今ドイツなどが実験的に進めている「自動車から公共交通機関へのシフト」がうまくいくならば、自動車は日常の生活では「便利」どころか、「不便」なものとなるはずです。

 経済のグローバル化、新自由主義市場の拡大にともない、日本でも空前の利益をあげている大企業が並んでいますが、その利益の配分の恩恵に浴しているのは経営者や株主ばかりで、一般サラリーマンの給料はそれほどあがってはいません。その大企業の下請け企業にいたっては、「コスト削減を常に続けなければ国際競争に勝てない」という大企業からの文字通り乾いた雑巾を絞るような単価発注で、人件費でコストを切り詰めるしかないような状況に追いこまれている状態です。
 ここにも、雇用単価の安い外国人の採用が増える要因があります。
 政府は先般、最低賃金の引き上げを言いましたが、新聞・テレビの報道は、先進国で最低賃金の最低額の首位を争っているのが日本やアメリカであることに全くふれようとせず、また、アメリカですら少し前に最低賃金の引き上げをおこなったことにもふれようとせず、文字通り雀の涙ほどの今回の引き上げ額ですら「中小零細企業にとっては厳しい」との論を展開し、政府や大企業のヨイショをしている始末です。

 先進国の大企業の利益が一般サラリーマンにまで配分されるようになるのは、世界の労働賃金の高低がなくなったとき、とする論もあります。つまり、たとえば現在日本の10分の1である中国の人件費が日本との比較で1対1になるまでは、日本の一般サラリーマンの給料はそれほど上がらない、という説です。
 しかし、こういうことは市場に全てを任せた場合のことでしょう。

 僕は政治の役割が必要なときと思います。
 最低賃金の引き上げもその一つです。最低賃金をあげたら中小零細企業はもたないとの説にも異論が存在し、民主党などは逆に最低賃金を1000円に上げれば地域経済が活発になり、中小零細企業の増益すら起こるとの論もはっています。

 「ワーキングプア」の問題も、最低賃金と低さとともに、ハケンを大幅に緩和した政治の問題でもあります。


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『自動車のための戦争』ビル・トッテン
http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1175839_629.html

 (略)

 異常な石油依存体質

 アメリカでは自動車がなければどこにも行くことができない。特に郊外に住む住民は、さまざまな種類の車を手に入れることはできても、その車に替わる交通手段を手にすることはまったくできない。アメリカの都市設計は異常なほどに自動車に依存している。このために、アメリカはどうしようもないほど石油依存体質となっているのだ。

 アメリカで最初の自動車が売りに出されたのは1908年、その10年後には自動車登録は8千台から50万台に増加したが、1930年代、ロサンゼルスの空はいつも澄んでいた。

 当時すでに近代都市であったが、路面電車システムがロスを中心に56もの都市に何千人もの通勤者を運んでいたからである。現在、この路面電車はもちろん跡形もない。線路は取り外され、舗装され、その結果澄んだ青空は排気ガスに取って代わられた。

 電車を捨て、自動車の自由さや小回りのよさを求めたのは住民だというかもしれない。しかし、そうではない。市民にはそのような決定権はまったくなかった。

 同時期に全米45の都市で、路面電車はガソリンで動く路面バスに取って代わられた。アメリカの鉄道システムを崩壊させたのは、ほかの何者でもない、ゼネラルモーターズ(GM)を中心とした、鉄道がなくなることによって利益を得る企業団体だった。

 まだ自動車がアメリカの主な交通手段になるとは到底思えなかった1930年代にそのキャンペーンは始まった。GMは路面電車をバスに切り替える事業に資金供与し、持ち株会社を設立した。その会社が路面電車の会社を買収して閉鎖し、GMのバス事業部へ移管した。そしてバスは徐々に自動車に置き換えられていった。

 公共交通網の強化を

 その後の都市開発政策でアメリカはさらに自動車依存の国となる。自動車は密集した都市部から緑あふれる郊外へ逃げ出す手段であり、その逃避ルートを都市開発者は提供していった。郊外へ続く道路が次々と整備され、大都市では公共の交通網でカバーできないほど、郊外居住地区が拡大した。自動車産業はアメリカにおける最大の雇用者として、国民の生活だけでなく都市の景観もつくり上げていった。

 世界全体では、石油消費量の約3分の1が自動車による消費だが、アメリカだけで見るとその割合は3分の2である。他の国々は石油利用の多くは暖房や電力発電が占めている。
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